Drone傘 - 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス

Drone 傘
人を追尾して雨から身を守る Drone の実装
CPSF B2 (canta)†
1.
はじめに
本 TERM における背景と問題意識, それに対応する
既存の研究について述べる.
1.1 背景
近年, スマートフォンやタブレットなどのデバイスから
制御を可能とするマルチコプターの普及により, 無人航
空機が軍事用 UAV や研究用途のデバイスであるといっ
た認識は薄れ,Drone として幅広い一般世代に浸透しつ
つあり, 商業的価値の存在も大きくなりつつある. 特にマ
ルチコプターを GPS, 人検知といった様々なセンサーで
自律制御しようとする試みは数多くあり, 無人航空機な
らぬ無操縦航空機の創造を人々は試みている.
1.2 問題意識
人は雨の日に手持ち傘を携帯することに疑問を抱かな
い. それは傘があらゆるシーンで未だ雨から身を守る最
もパフォーマンスに優れたツールであると信じきってい
るからだ. しかし, 傘ほど不便なものはない. ます手を使
わなければならない. そして雨に濡れることを恐れるな
らば常に傘を携帯しなければならない. この 2 点の問題
意識がある.
1.3 関連研究
2 点の問題意識に対しての既存研究ではないが, あら
ゆるセンサーを利用して Drone の自律制御システムの
実装へ取り組んでいる関連研究がある. 東京都市大学横
浜キャンパス情報メディアジャーナルの 2014. 4 第 15
号に掲載されている論文 [1] では,GPS 観測値のフィル
タリングを行うことで観測値の精度改善を行い,UAV の
自律制御 システムを構築し, フィルタリングの影響の検
証・評価を行っている. 研究の目的は, 精度の低い単独測
位 GPS を積載した小型 UAV で も安定した制御を実
現できるシステムの構築と検証を行うことである. 東京
大学大学院情報学環 暦本研究室の Flying eyes という論
文 [2] では, 飛翔型の撮影プラットフォームにより, 自律
的に映像コンテンツを撮像するための技術を提案してい
る. 本研究ではクアッドコプタ搭載カメラ映像の画像処
理による撮影対象の追跡を実現した.
2.
Drone 傘
本 TERM では, 全く新しいハンズフリー傘を提案する.
2.1 Drone 傘システム
人を検知して自動追尾し、雨から身を守ってくれる.
2.2 達成するために
実装を達成するための機能要件やアプローチを以下に
記す.
† 慶應義塾大学 環境情報学部
‡ 慶應義塾大学 政策・メディア研究科
親:(richie)‡
2.3 機能要件
ハードウェアに必要な機能要件は,Drone が雨を防ぐ構
造になっていることである. ソフトウェアに必要な機能
要件は三つあり, 一つ目は動作の始動と終了のプロセス
が制御できること. 二つ目は人と Drone の位置関係を検
知できること. 三つ目は位置関係から Drone を制御する
命令を送れることである.
2.4 アプローチ
ハードウェアに関してのアプローチは,AR Drone2.0
の上部に傘を搭載することである. ソフトウェアに関し
てのアプローチは, まずスマートフォンの傘アプリを起
動することにより, 屋外の Drone 傘を呼び出す. そして
スマートフォンと Drone 傘に設置した GPS 受信機の位
置情報をリアルタイムに管理 PC へ送信する. 管理 PC
は位置関係を元に Drone 傘を制御し, 最終的に Drone 傘
が人を追尾するようなシステムを構築することである.
3.
設計及び実装
本 Term では Drone 傘のプロトタイプを実装するにあ
たり, Parrot 社の AR.Drone2.0 を用いる. 機能要件で示
した 2 点について詳細なシステム構成を以下に示す.
3.1
自律追尾のための構成図
3.2
始動, 終了のプロセス
3.3 実装環境
実装環境において,Drone 傘の作成には Ar Drone2.0
と傘, 固定棒を使用する.GPS 受信機の目標座標にはス
マートフォン, 始点座標と座標送信には Arduino に搭載
した GPS module と Wi-Fi shield を使用する.GPS デー
タの解析と Drone を制御するデバイスは管理 PC として
MacBook Air を使用する. 主に Java と C 言語でシステ
ムを構築する.
4.
評価方針
評価実験における想定として, 天気は雨, 場所はデルタ
からタウまでの直線距離とする. 定量的評価としては, ど
の程度の降水量, 風力まで耐久性を維持できるかという
ことと,Drone 傘の追尾性の検証をする. 定性的評価とし
ては, 被験者 10 人に, 手持ち傘と Drone 傘の両方を使用
してもらい, どちらが快適であるかを対象実験としてア
ンケート調査をする.
5.
課題
今後の課題としては, まず自動追尾システムを実装す
る上で, 管理 PC では無くスマートフォンのアドフォック
通信で制御することと, 風向きを検知して様々な角度か
ら身を守れるようなシステムを構築するべきだと考える.
しかし, まずは傘の機能を維持しつつも目標座標の自動
追尾を安定させる Drone 傘を実装することを第一の目
標としたい.
参考文献
[1] 東京都市大学横浜キャンパスメディアジャーナル
http://www.yc.tcu.ac.jp/ cisj/15/assets
[2] 東京大学大学院情報学環 暦本研究室 Flying eyes
http://doi.acm.org/10.1145/1979742.1979627