管路更生工法 施工管理マニュアル - 2014 年度版 - 一般社団法人 日本管路更生工法品質確保協会 ま え が き 2005 年(平成 17 年)3 月に(財)下水道新技術推進機構と当協会(当時は「管渠更生工法技術協 会」)の共同研究の成果品として発刊された「管きょ更生工法の品質管理・技術資料」は、お蔭を もちまして全国の自治体関係者にご利用いただいておりますが、発刊から 4 年後に新工法を追加し 当協会のホームページに「資料編(工法別施工管理マニュアル)」の改訂版「管路更生工法・施工 管理マニュアル 2009」を掲載しました。 その後(公社)日本下水道協会から「ガイドライン(案)」が発刊されましたので「管路更生工法・ 施工管理マニュアル 2014」を掲載しました。 今後も技術革新に伴う施工マニュアルの変更に対応する必要性と、資料としての陳腐化を避けるた めにも、本資料は定期的な改訂を予定しております。 老朽化した管路を改築・修繕するために本資料が広く関係者の皆様に活用されれば幸いでありま す。 2015 年 3 月 一般社団法人 日本管路更生工法品質確保協会 技術委員会 工法別施工管理マニュアル 記載工法一覧 反転工法、形成工法 《 反 反転工法、形成工法 転 工 法・形 共通項目 成 工 》 法 熱硬化タイプ ● ● ● ● ● ● 反 転 SGICP工法(標準タイプ) SGICP工法(速硬化タイプ) SGICP工法(ノンスチレンタイプ) SGICP-G工法 インシチュフォーム工法 グロー工法 工 法 熱硬化タイプ ● ● ● 形 成 SDライナー工法 オールライナーi工法 ホースライニング工法 工 法 熱硬化タイプ ● ● ● ● ● FFT-S工法 オールライナー工法(温水施工) オールライナー工法(蒸気施工) オールライナーZ工法 パルテムSZ工法 光硬化タイプ ● シームレスシステム工法 熱 形 《 成 熱形成工法 ● ● ● ● 製 管 《 工 工 法 共通項目 》 EX工法 オメガライナー工法 パルテムフレップ工法 ポリエチレンコンパクト工法 法 製管工法 共通項目 》 嵌合製管タイプ ● ● ● ● ● SPR工法 ダンビー工法 パルテムフローリング工法 3Sセグメント工法 PFL工法 熱硬化製管タイプ ● さ や 《 管 SGICP-C工法(旧ICPブリース複合管工法) 工 さや管工法 ● ● 法 共通項目 RPC工法 バックス工法 》 - 2014 年度版 - 反転工法・形成工法の施工管理に関するマニュアル 《 共通項目 》 1.工法概要 各工法別マニュアルに記載。 2.適用範囲 各工法別マニュアルに記載。 3.使用材料の物性 各工法別マニュアルに記載。 ※ 各工法マニュアルに記載されている短期曲げ試験の試験規格「JIS K7171:1994 を指す。 K7171」は、JIS 4.施工前現場実測 各工法とも,以下の内容は共通とする。 更生材料発注の前に,当該現場の実態を把握するべく各種実測を行う。 更生材料の誤発注を防ぐために,既設管径,管体延長等を実測すると共に,現場施工時 に問題となりそうな点について検討を行う。 施工前現場実測・ 実施内容および留意点 ①既設管径の実測 ②管体延長の実測 地上でマンホールの芯々間を実測し,マンホール寸法分を除く。 ③マンホールの形状寸法確認 上,下流マンホールの径,深さ,インバート形状,流入管管径,その他施工時に 支障となりそうな要因が無いかどうかの確認。 ④その他,現場周辺の状況を確認し,工事車両の配置等の検討を行う。 - 2014 年度版 - 5.施工前管きょ内調査 各工法とも,以下の内容は共通とする。 施工前現場実測・ 実施内容および留意点 ①取付け管位置の計測 管口から取付け管芯までの距離を TV カメラの走行距離により実測し,本管への 接続角度は TV カメラの直視画像により記録する。 ②段差,隙間,屈曲等の確認 施工適用範囲内であることを確認。管きょ内調査等の結果,適用範囲外である場 合は施工方法を検討する。 適用範囲・・・建設技術審査証明の証明範囲による。 ③事前処理工の検討 事前処理を行う必要のある,モルタルの堆積,取付け管の突出,鉄筋の突出,多 量の浸入水等の有無を確認し,それらが認められた場合は事前処理方法等の検討 を行う。 6.事前処理工 各工法別マニュアルに記載。 7.施工前管きょ内洗浄工 各工法とも,以下の内容は共通とする。 更生工の直前に管きょ内の洗浄を充分に行い,出来形に悪影響を及ぼす可能性の有る土砂, 小石,管壁破損片等を完全に除去する。 洗浄後に TV カメラまたは目視にて,管きょ内が充分に洗浄されているかどうかの確認を 行い,管きょ内に施工に支障を来たしそうな異物が残留している場合は,再度管きょ内洗 浄を行う。 8.更生材料の挿入工 各工法別マニュアルに記載。 9.硬化工 各工法別マニュアルに記載。 10.性能確認試験用テストピース採取 各工法別マニュアルに記載。 - 2014 年度版 - 11.出来形管理 各工法とも,以下の内容は共通とする。 外観検査および出来形検査を行い,管きょの機能を損なうような欠陥,異常個所が無いこと を確認する。 (1)外観検査 ①TV カメラにより,更生管内の外観確認を行って,ビデオテープ等に記録する。 ②マンホール管口の仕上がり状況を確認し,写真記録を撮る。 (2)出来形検査 30° 330° ①更生管厚さ計測 上下流マンホール内管口を実測し,記録する。 測定箇所〔30°90°150°210°270°330°〕 6 箇所の平均管厚が呼び厚さ以上で,なおかつ 90° 270° 上限は+20%以内とし,測定値の最小値は設計 更生管厚以上とする。 210° 150° - 2014 年度版 - SGICP 工法(標準タイプ) 1.工法概要 SGICP(Second Generation ICP)工法は,非開削で老朽化した下水道管きょの本管更生と取付 け管を一体的にライニングする技術である。現場のニーズに合わせて,今まで使用している標 準タイプの樹脂に加えて,施工時間を標準タイプより約1/3短縮できる速硬化タイプと施工 時のスチレン臭気を抑えるためのノンスチレンタイプの含浸樹脂がある。ここでは標準タイプ について説明するものである。 施工現場では、タワー方式と反転機方式による反転工法および引込方式による形成工法でラ イニング材を挿入する。タワー方式は,既設マンホールの上部にタワーを組み,水頭差を利用 してライニング材を反転挿入させる。反転機方式は,事前にライニング材を NAGA 反転機に収 納させ,エアー圧でライニング材を既設マンホールから反転挿入させる。引込方式は,既設管 内にライニング材を引込む方法である。材料挿入後,温水シャワー方式にて温水を循環させる ことによりエアーで拡径させたライニング材を硬化させる。 取付け管施工は,本管と取付け管の施工順序によって変わる。ビフォーライニングは取付け 管更生後に本管を更生する一方、アフターライニングは本管更生後に取付け管更生を行う。取 付け管施工時に,ツバ付き取付け管ライニング材を管内作業用ロボットで本管内の取付け管口 に移動させ,水圧または空気圧でライニング材を取付け管内に反転した後に,温水にて加圧硬 化させる。 2.適用範囲 項 目 管 種 適 用 範 囲 備 考 鉄筋コンクリート管,陶管,鋼管,鋳鉄管 反転工法: 管 径 取付け管 呼び径 100~ 200mm 本 呼び径 200~2100mm 呼び径 200~ 800mm 管 形成工法: 本 段 差 管 段差・横ズレ 30mmまで可 曲 が り 屈曲角 10°まで可 継手隙間 120mmまで可 浸 入 水 水圧 0.05MPa,流量2ℓ/分まで可 滞 留 水 50 mm(反転工法) 70 mm(形成工法) 230,380,530 も可 - 2014 年度版 - 取得年度・・・・・・1992年4月 建設技術審査証明 取付け管も同 更新年度・・・・・・2009年3月 時取得 更新年度・・・・・・2014年3月 注:建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については,工法協会, メーカーの仕様を確認する。 3.使用材料の物性 名 称 材 料 構 成 SGICP 標準更生管 不飽和ポリエステル樹脂,ポリエステル不織布 基 項 目 本 物 性 性 能 備 考 偏平強さ φ600mm以下 合格 JSWAS K-1 外圧強さ φ700mm以上 合格 JSWAS K-2 40 N/mm2以上※-1 JIS K7171 短期曲げ弾性係数 2450 N/mm2以上※-1 JIS K7171 長期曲げ弾性係数 2000 N/mm2以上※-1 JIS K7116 21 N/mm2 以上※-2 JIS K7161 2500 N/mm2 以上※-2 JIS K7161 70 N/mm2 以上※-2 JIS K7181 2000 N/mm2 以上※-2 JIS K7181 JIS K7204 短期曲げ強度 短期引張強度 短期引張弾性係数 短期圧縮強度 短期圧縮弾性係数 耐摩耗性 塩ビ管と同等以上 耐薬品性 合 格 JSWAS K-2 水密性 合 格 JSWAS K-2 成形後収縮性 耐劣化性 成形後 3 時間以内に収縮がなく安 軸方向長と周方向長を 定する 計測確認 50 年後の曲げ強度の推計値が設計 値を上回る JIS K7116 ※-1:試験片が平板の場合の短期保証値 ※-2:試験片が平板で且つ管軸方向から採取した場合の短期保証値(耐震検討に用いる) - 2014 年度版 - 4.施工前現場実測 共通項目参照 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照 6.事前処理工 施工前管きょ内調査工の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 ≪事前処理工 実施内容および留意点≫ ① 高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去が出来るよう,TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ② 管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出,木根等の除去を,TV カメラで監視 しながら行う。(既設管呼び径 800mm 未満) ③ 多量の浸入水の仮止水 更生材に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は,仮止水を行う。 方法については,パッカー注入,部分補修等による止水の方法を検討し,当該現場に最 も適した方法で行う。 ④ マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等が有り,施工冶具等が設置できない場合は,除去して施工冶具 等が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照 8.ライニング材の挿入工 ≪反転工法≫ 空気圧および水圧を用いて,ライニング材の反転挿入を行う。 反転挿入は適正な反転速度で行い,マンホール口環や管口等で更生材にダメージを与えない ように充分留意する。 ≪反転挿入工 実施内容および留意点≫ ① 管径毎の標準総反転圧力 - 2014 年度版 - ライニング材の管径および部材厚により反転圧力を算出する。 P=0.59・t/D P:反転圧力(MPa) t:部材厚(mm) D:管径(mm) 総反転圧力は反転圧力,ベンド抵抗およびライニング材のけん引圧力の合計から算出す る。 ② 管径毎の更生材料反転速度 ライニング材の反転速度は,5m/min 以下で行う。 ③ 反転は一定の圧力で行い急激な加圧減圧は避ける。 ④ 反転挿入時ライニング材温度を5℃~25℃に保つ。 ⑤ 反転挿入時マンホール口環,管口にライニング材保護のための管口補強材を施す。 ライニング材端部養生は,ライニング材が痛まないようにスタートライナー等を被せる。 ⑥ また,ライニング材の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 ≪形成工法≫ 既設管内にワイヤロープ等を通線し,ウインチでライニング材を引込む。 引込は適正な引込速度で行い,マンホール口環や管口等でライニング材にダメージを与えな いように充分留意する。 ≪引込挿入工 実施内容および留意点≫ ① 管径毎のライニング材引込速度 ライニング材の引込速度は,5m/min 以下で行う。 ② 引込は一定の速度で行い,急発進は避ける。 ③ スタートシートを設置 ライニング材の傷防止および引込力を軽減するため,ライニング材を引込む前にスター トシートを設置する。 ④ 引込挿入時,ライニング材温度を5℃~25℃に保つ。 ⑤ 引込挿入時マンホール口環,管口にライニング材を保護するため,管口補強材を施す。 また,ライニング材の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 9.硬化工 ライニング材の硬化養生は,加熱時および冷却時の更生管内圧力管理,更生管表面温度管理 等で行う。 管径毎の標準硬化圧力 硬化時は測定圧力が下記の値を超えないように注意する。 標準硬化圧力 0.048MPa~0.121MPa 標準硬化温度管理 更生管厚毎に決められた加熱循環温水の温度と硬化時間に注意する。 測定位置 〔挿入マンホール管口上下,到達マンホール管口上下,外気温,温水槽〕 計測箇所数〔6箇所〕 - 2014 年度版 - 標準硬化温度と硬化時間 更 生 管 厚 (mm) 硬 化 圧 力(MPa) 一次硬化工 温度 6.0 7.5 9.0 10.5 12.0 13.5 15.0 16.5 18.0 19.5 0.048 ~0.121 硬化圧力は 現場状況で ±20%以内 で調整 63℃ 二次硬化工 三次硬化工 ポンプ 循環運転 時間(分) 温度 時間(分) 温度 時間(分) 時間(分) 70 以上 83℃ 55 以上 - - 15 以上 75 以上 11 以上 60 以上 80 以上 12 以上 60 以上 90 以上 13 以上 61 以上 100 以上 14 以上 110 以上 70℃ 15 以上 84℃ 以上 62 以上 63 以上 120 以上 16 以上 130 以上 17 以上 65 以上 140 以上 18 以上 66 以上 150 以上 19 以上 67 以上 20 以上 64 以上 注 上記の時間は,わずかな浸入水がある場合や仮止水処理した場合の標準的な時間であり, 多くの浸入水がある場合や滞水がある場合は,事前に工法協会・メーカー仕様を確認する。 - 2014 年度版 - ≪硬化工(熱硬化) 実施内容および留意点≫ ① 硬化時の管表面温度を開始から終了まで連続的に測定し,チャート紙に記録する。 ② 硬化時の更生管内の圧力を随時計測し,チャート紙に記録する。 ③ 冷却時の更生管表面温度を開始から終了まで連続的に測定し,チャートしに記録する。 ④ 冷却時の更生管内の圧力を随時計測し,チャート紙に記録する。 ライニング材標準硬化温度・時間 (φ 250、L=30.0mの場合) 120 100 硬化温度(℃) 60分以上 80 11分以上 75分以上 3分 60 2分 20分以上 10分 40 合計 182分以上 20 0 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 時 間 (分) 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 テストピースは施工に用いたライニング材と同一ロットの材料とする。 ≪性能試験用テストピース採取(熱硬化) 実施内容および留意点≫ 採取場所:施工に用いるライニング材と同一ロットから未硬化の平板状テストピースを採取。 硬化方法: ① 未硬化材料をテストピース採取用冶具(次図)に入れ,固定する。 (昇温) ② 採取冶具を循環温水槽内に入れ,施工スパンと同条件で加熱硬化する。 (昇温) ③ 施工現場と同条件で冷却養生を行う。 ④ テストピースを採取冶具から取り出し,目視で表面状態を,厚さをノギス等で確認す (昇温) る。 - 2014 年度版 - 11.出来形管理 共通項目参照 - 2014 年度版 - SGICP 工法(速硬化タイプ) 1.工法概要 SGICP(Second Generation ICP)工法は,非開削で老朽化した下水道管きょの本管更生と取付 け管を一体的にライニングする技術である。現場のニーズに合わせて,今まで使用している標 準タイプの樹脂に加えて,施工時間を標準タイプより約1/3短縮できる速硬化タイプと施工 時のスチレン臭気を抑えるためのノンスチレンタイプの含浸樹脂がある。ここでは速硬化タイ プについて説明するものである。 施工現場では、タワー方式と反転機方式による反転工法および引込方式による形成工法でラ イニング材を挿入する。タワー方式は,既設マンホールの上部にタワーを組み,水頭差を利用 してライニング材を反転挿入させる。反転機方式は,事前にライニング材を NAGA 反転機に収 納させ,エアー圧でライニング材を既設マンホールから反転挿入させる。引込方式は,既設管 内にライニング材を引込む方法である。材料挿入後,温水シャワー方式にて温水を循環させる ことによりエアーで拡径させたライニング材を硬化させる。 取付け管施工は,本管と取付け管の施工順序によって変わる。ビフォーライニングは取付け 管更生後に本管を更生する一方、アフターライニングは本管更生後に取付け管更生を行う。取 付け管施工時に,ツバ付き取付け管ライニング材を管内作業用ロボットで本管内の取付け管口 に移動させ,水圧または空気圧でライニング材を取付け管内に反転した後に,温水にて加圧硬 化させる。 2.適用範囲 項 目 管 種 適 用 範 囲 備 考 鉄筋コンクリート管,陶管,鋼管,鋳鉄管 反転工法: 管 径 取付け管 呼び径 100 ~ 200mm 本 呼び径 200 ~2100mm 呼び径 200 ~ 800mm 管 形成工法: 本 段 差 管 段差・横ズレ 30mmまで可 曲 が り 屈曲角 10°まで可 継手隙間 120mmまで可 浸 入 水 水圧 0.05MPa,流量2ℓ/分まで可 滞 留 水 50 mm(反転工法) 70 mm(形成工法) 230,380,530 も可 - 2014 年度版 - 取得年度・・・・・・2007年3月 建設技術審査証明 取付け管も同 更新年度・・・・・・2009年3月 時取得 更新年度・・・・・・2014年3月 注:建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については,工法協会, メーカーの仕様を確認する。 3.使用材料の物性 名 称 SGICP 速硬化更生管 材 料 構 成 項 目 材 質 備 考 硬化性樹脂 不飽和ポリエステル樹脂 樹脂含浸用基材 ポリエステル不織布 内面コーティングフィルム PE フィルム,PU フィルム,PP フィルム 硬化後一体化 外面保護フィルム ピエチレンフィルム,ナイロン繊維 硬化後 基 項 目 本 物 性 性 能 備 考 偏平強さ φ600mm以下 合格 JSWAS K-1 外圧強さ φ700,φ800mm 合格 JSWAS K-2 40 N/mm2以上※-1 JIS K7171 2450 N/mm2以上※-1 JIS K7171 短期曲げ強度 短期曲げ弾性係数 長期曲げ弾性係数 2000 N/mm2以上※-1 JIS K7116 21 N/mm 以上 ※-2 JIS K7161 2500 N/mm2 以上※-2 JIS K7161 50 N/mm2 以上※-2 JIS K7181 2000 N/mm2 以上※-2 JIS K7181 JIS K7204 2 短期引張強度 短期引張弾性係数 短期圧縮強度 短期圧縮弾性係数 耐摩耗性 塩ビ管と同等以上 耐薬品性 合 格 JSWAS K-2 水密性 合 格 JSWAS K-2 成形後収縮性 耐劣化性 成形後 3 時間以内に収縮がなく 安定する 50 年後の曲げ強度の推計値が設 計値を上回る ※-1:試験片が平板の場合の短期保証値 軸方向長と周方向長 を計測確認 JIS K7116 - 2014 年度版 - ※-2:試験片が平板で且つ管軸方向から採取した場合の短期保証値(耐震検討に用いる) 4.施工前現場実測 共通項目参照 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照 6.事前処理工 施工前管きょ内調査工の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 ≪事前処理工 実施内容および留意点≫ ⑤ 高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去が出来るよう,TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ⑥ 管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出,木根等の除去を,TV カメラで監視 しながら行う。(既設管呼び径 800mm 未満) ⑦ 多量の浸入水の仮止水 更生材に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は,仮止水を行う。 方法については,パッカー注入,部分補修等による止水の方法を検討し,当該現場に最 も適した方法で行う。 ⑧ マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等が有り,施工冶具等が設置できない場合は,除去して施工冶具 等が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照 8.ライニング材の挿入工 ≪反転工法≫ 空気圧および水圧を用いて,ライニング材の反転挿入を行う。 反転挿入は適正な反転速度で行い,マンホール口環や管口等で更生材にダメージを与えない - 2014 年度版 - ように充分留意する。 ≪反転挿入工 実施内容および留意点≫ ⑦ 管径毎の標準総反転圧力 ライニング材の管径および部材厚により反転圧力を算出する。 P=0.59・t/D P:反転圧力(MPa) t:部材厚(mm) D:管径(mm) 総反転圧力は反転圧力,ベンド抵抗およびライニング材のけん引圧力の合計から算出す る。 ⑧ 管径毎の更生材料反転速度 ライニング材の反転速度は,5m/min 以下で行う。 ⑨ 反転は一定の圧力で行い急激な加圧減圧は避ける。 ⑩ 反転挿入時ライニング材温度を5℃~25℃に保つ。 ⑪ 反転挿入時マンホール口環,管口にライニング材保護のための管口補強材を施す。 ライニング材端部養生は,ライニング材が痛まないようにスタートライナー等を被せる。 ⑫ また,ライニング材の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 ≪形成工法≫ 既設管内にワイヤロープ等を通線し,ウインチでライニング材を引込む。 引込は適正な引込速度で行い,マンホール口環や管口等でライニング材にダメージを与えな いように充分留意する。 ≪引込挿入工 実施内容および留意点≫ ⑥ 管径毎のライニング材引込速度 ライニング材の引込速度は,5m/min 以下で行う。 ⑦ 引込は一定の速度で行い,急発進は避ける。 ⑧ スタートシートを設置 ライニング材の傷防止および引込力を軽減するため,ライニング材を引込む前にスター トシートを設置する。 ⑨ 引込挿入時,ライニング材温度を5℃~25℃に保つ。 ⑩ 引込挿入時マンホール口環,管口にライニング材を保護するため,管口補強材を施す。 また,ライニング材の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 9.硬化工 ライニング材の硬化養生は,加熱時および冷却時の更生管内圧力管理,更生管表面温度管理 等で行う。 管径毎の標準硬化圧力 硬化時は測定圧力が下記の値を超えないように注意する。 標準硬化圧力 標準硬化温度管理 0.048MPa~0.121MPa - 2014 年度版 - 更生管厚毎に決められた加熱循環温水の温度と硬化時間に注意する。 測定位置 〔挿入マンホール管口上下,到達マンホール管口上下,外気温,温水槽〕 計測箇所数〔6箇所〕 ≪硬化工(熱硬化) 実施内容および留意点≫ ⑤ 硬化時の管表面温度を開始から終了まで連続的に測定し,チャート紙に記録する。 ⑥ 硬化時の更生管内の圧力を随時計測し,チャート紙に記録する。 ⑦ 冷却時の更生管表面温度を開始から終了まで連続的に測定し,チャートしに記録する。 ⑧ 冷却時の更生管内の圧力を随時計測し,チャート紙に記録する。 速硬化温度と硬化時間 更 生 管 厚 (mm) 硬 化 圧 力(MPa) 一次硬化工 温度 6.0 7.5 9.0 10.5 12.0 13.5 15.0 16.5 18.0 19.5 0.048 ~0.121 硬化圧力は 現場状況で ±20%以内 で調整 73℃ 時間(分) 二次硬化工 温度 時間(分) 55 以上 50 以上 55 以上 55 以上 60 以上 60 以上 70 以上 65 以上 75 以上 85℃ 70 以上 80 以上 以上 75 以上 85 以上 75 以上 85 以上 80 以上 90 以上 85 以上 95 以上 90 以上 ポンプ 循環運転 時間(分) 15 以上 20 以上 - 2014 年度版 - 注 スタートライナーを使用する。 雨天時第 2 段階を 30 分延長する。 温度管理は設定温度±5℃、尚且つ平均で設定温度以上である。 管路状況が良好である。 ライニング材標準硬化温度・時間 (φ 250、L=30.0mの場合) 120 100 硬化温度(℃) 55分以上 55分以上 80 3分 15分 60 (昇温) 12分 40 140分以上 20 (昇温) 0 0 20 40 60 80 100 120 140 160 時 間 (分) 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 テストピースは施工に用いたライニング材と同一ロットの材料とする。 ≪性能試験用テストピース採取(熱硬化) 実施内容および留意点≫ 採取場所:施工に用いるライニング材と同一ロットから未硬化の平板状テストピースを採取。 硬化方法: ⑤ 未硬化材料をテストピース採取用冶具(次図)に入れ,固定する。 ⑥ 採取冶具を循環温水槽内に入れ,施工スパンと同条件で加熱硬化する。 ⑦ 施工現場と同条件で冷却養生を行う。 ⑧ テストピースを採取冶具から取り出し,目視で表面状態を,厚さをノギス等で確認す る。 - 2014 年度版 - 11.出来形管理 共通項目参照 - 2014 年度版 - SGICP 工法(ノンスチレンタイプ) 1.工法概要 SGICP(Second Generation ICP)工法は,非開削で老朽化した下水道管きょの本管更生と取付 け管を一体的にライニングする技術である。現場のニーズに合わせて,今まで使用している標 準タイプの樹脂に加えて,施工時間を標準タイプより約1/3短縮できる速硬化タイプと施工 時のスチレン臭気を抑えるためのノンスチレンタイプの含浸樹脂がある。ここではノンスチレ ンタイプについて説明するものである。 施工現場では、タワー方式と反転機方式による反転工法および引込方式による形成工法でラ イニング材を挿入する。タワー方式は,既設マンホールの上部にタワーを組み,水頭差を利用 してライニング材を反転挿入させる。反転機方式は,事前にライニング材を NAGA 反転機に収 納させ,エアー圧でライニング材を既設マンホールから反転挿入させる。引込方式は,既設管 内にライニング材を引込む方法である。材料挿入後,温水シャワー方式にて温水を循環させる ことによりエアーで拡径させたライニング材を硬化させる。 取付け管施工は,本管と取付け管の施工順序によって変わる。ビフォーライニングは取付け 管更生後に本管を更生する一方、アフターライニングは本管更生後に取付け管更生を行う。取 付け管施工時に,ツバ付き取付け管ライニング材を管内作業用ロボットで本管内の取付け管口 に移動させ,水圧または空気圧でライニング材を取付け管内に反転した後に,温水にて加圧硬 化させる。 2.適用範囲 項 目 管 種 適 用 範 囲 備 鉄筋コンクリート管,陶管,鋼管,鋳鉄管 反転工法: 管 径 取付け管 呼び径 100 ~ 200mm 本 呼び径 200 ~ 300mm 呼び径 200 ~ 300mm 管 形成工法: 本 段 差 管 段差・横ズレ 30mmまで可 曲 が り 屈曲角 10°まで可 継手隙間 120mmまで可 浸 入 水 水圧 0.05MPa,流量2ℓ/分まで可 滞 留 水 50 mm(反転工法) 70 mm(形成工法) 230 も可 考 - 2014 年度版 - 取得年度・・・・・・2007年3月 建設技術審査証明 取付け管も同 更新年度・・・・・・2009年3月 時取得 更新年度・・・・・・2014年3月 注:建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については,工法協会, メーカーの仕様を確認する。 3.使用材料の物性 名 称 SGICP ノンスチレン更生管 材 料 構 成 項 目 材 質 備 考 硬化性樹脂 エポキシアクリレート樹脂 樹脂含浸用基材 ポリエステル不織布 内面コーティングフィルム PE フィルム,PP フィルム 硬化後一体化 外面保護フィルム PE フィルム,N 繊維 硬化後一体否 基 項 目 偏平強さ 短期曲げ強度 短期曲げ弾性係数 長期曲げ弾性係数 短期引張強度 短期引張弾性係数 短期圧縮強度 短期圧縮弾性係数 耐摩耗性 本 物 性 性 能 300mm 以下 合格 備 考 JSWAS K-1 40 N/mm2以上※-1 JIS K7171 2450 N/mm2以上※-1 JIS K7171 JIS K7116 21 N/mm2 以上※-2 JIS K7161 2500 N/mm2 以上※-2 JIS K7161 50 N/mm2 以上※-2 JIS K7181 2000 N/mm2 以上※-2 JIS K7181 JIS K7204 2000 N/mm2以上※-1 塩ビ管と同等以上 耐薬品性 合 格 JSWAS K-2 水密性 合 格 JSWAS K-2 成形後収縮性 耐劣化性 成形後 3 時間以内に収縮がなく安 軸方向長と周方向長を 定する 計測確認 50 年後の曲げ強度の推計値が設計 値を上回る JIS K7116 ※-1:試験片が平板の場合の短期保証値 ※-2:試験片が平板で且つ管軸方向から採取した場合の短期保証値(耐震検討に用いる) - 2014 年度版 - 4.施工前現場実測 共通項目参照 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照 6.事前処理工 施工前管きょ内調査工の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 ≪事前処理工 実施内容および留意点≫ ⑨ 高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去が出来るよう,TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ⑩ 管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出,木根等の除去を,TV カメラで監視 しながら行う。 ⑪ 多量の浸入水の仮止水 更生材に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は,仮止水を行う。 方法については,パッカー注入,部分補修等による止水の方法を検討し,当該現場に最 も適した方法で行う。 ⑫ マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等が有り,施工冶具等が設置できない場合は,除去して施工冶具 等が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照 8.ライニング材の挿入工 ≪反転工法≫ 空気圧および水圧を用いて,ライニング材の反転挿入を行う。 反転挿入は適正な反転速度で行い,マンホール口環や管口等で更生材にダメージを与えない ように充分留意する。 ≪反転挿入工 実施内容および留意点≫ ⑬ 管径毎の標準総反転圧力 - 2014 年度版 - ライニング材の管径および部材厚により反転圧力を算出する。 P=0.59・t/D P:反転圧力(MPa) t:部材厚(mm) D:管径(mm) 総反転圧力は反転圧力,ベンド抵 抗およびライニング材のけん引圧力の合計 から算出する。 ⑭ 管径毎の更生材料反転速度 ライニング材の反転速度は,5m/min 以下で行う。 ⑮ 反転は一定の圧力で行い急激な加圧減圧は避ける。 ⑯ 反転挿入時ライニング材温度を5℃~25℃に保つ。 ⑰ 反転挿入時マンホール口環,管口にライニング材保護のための管口補強材を施す。 ライニング材端部養生は,ライニング材が痛まないようにスタートライナー等を被せる。 ⑱ また,ライニング材の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 ≪形成工法≫ 既設管内にワイヤロープ等を通線し,ウインチでライニング材を引込む。 引込は適正な引込速度で行い,マンホール口環や管口等でライニング材にダメージを与えな いように充分留意する。 ≪引込挿入工 実施内容および留意点≫ ⑪ 管径毎のライニング材引込速度 ライニング材の引込速度は,5m/min 以下で行う。 ⑫ 引込は一定の速度で行い,急発進は避ける。 ⑬ スタートシートを設置 ライニング材の傷防止および引込力を軽減するため,ライニング材を引込む前にスター トシートを設置する。 ⑭ 引込挿入時,ライニング材温度を5℃~25℃に保つ。 ⑮ 引込挿入時マンホール口環,管口にライニング材を保護するため,管口補強材を施す。 また,ライニング材の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 9.硬化工 ライニング材の硬化養生は,加熱時および冷却時の更生管内圧力管理,更生管表面温度管理 等で行う。 管径毎の標準硬化圧力 硬化時は測定圧力が下記の値を超えないように注意する。 標準硬化圧力 0.048MPa~0.099MPa 標準硬化温度管理 更生管厚毎に決められた加熱循環温水の温度と硬化時間に注意する。 測定位置 〔挿入マンホール管口上下,到達マンホール管口上下,外気温,温水槽〕 計測箇所数〔6箇所〕 - 2014 年度版 - 標準硬化温度と硬化時間 更 生 管 厚 (mm) 6.0 7.5 9.0 硬 化 圧 力(MPa) 0.048 一次硬化工 現場状況で 三次硬化工 温度 時間(分) 温度 時間(分) 温度 時間(分) 55℃ 70 以上 85℃ 70 以上 - - 15 以上 85℃ 80 以上 16 以上 以上 81 以上 ~0.099 硬化圧力は 二次硬化工 60℃ 75 以上 80 以上 70℃ ポンプ 循環運転 時間(分) 20 以上 ±20%以内 注 上記の時間は,わずかな浸入水がある場合や仮止水処理した場合の標準的な時間であり, で調整 多くの浸入水がある場合や滞水がある場合は,事前に工法協会・メーカー仕様を確認する。 ≪硬化工(熱硬化) 実施内容および留意点≫ ⑨ 硬化時の管表面温度を開始から終了まで連続的に測定し,チャート紙に記録する。 ⑩ 硬化時の更生管内の圧力を随時計測し,チャート紙に記録する。 ⑪ 冷却時の更生管表面温度を開始から終了まで連続的に測定し,チャートしに記録する。 ⑫ 冷却時の更生管内の圧力を随時計測し,チャート紙に記録する。 - 2014 年度版 - ライニング材標準硬化温度・時間 (φ 250、L=30.0mの場合) 120 硬化温度(℃) 100 80分以上 15分以上 80 4分 75分以上 3分 60 20分以上 (昇温) 10分 40 (昇温) (昇温) 合計 207分以上 20 0 0 20 40 60 80 100 120 時 間 (分) 140 160 180 200 220 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 テストピースは施工に用いたライニング材と同一ロットの材料とする。 ≪性能試験用テストピース採取(熱硬化) 実施内容および留意点≫ 採取場所:施工に用いるライニング材と同一ロットから未硬化の平板状テストピースを採取。 硬化方法: ⑨ 未硬化材料をテストピース採取用冶具(次図)に入れ,固定する。 ⑩ 採取冶具を循環温水槽内に入れ,施工スパンと同条件で加熱硬化する。 ⑪ 施工現場と同条件で冷却養生を行う。 ⑫ テストピースを採取冶具から取り出し,目視で表面状態を,厚さをノギス等で確認す る。 - 2014 年度版 - 11.出来形管理 共通項目参照 - 2014 年度版 - SGICP-G 工法 1.工法概要 SGICP-G 工法は,非開削で老朽化した下水道管きょの本管更生と取付け管を一体的にライ ニングする技術である SGICP 工法で使用するライニング材をポリエステル不織布からグラス ファイバー不織布に換えて耐久性と強度をさらに向上させた工法である。 施工現場では,タワー方式と反転機方式による反転工法および引込方式による形成工法でラ イニング材を挿入する。タワー方式は,既設マンホールの上部にタワーを組み,水頭差を利用 してライニング材を反転挿入させる。反転機方式は,事前にライニング材を NAGA 反転機に収 納させ,エアー圧でライニング材を既設マンホールから反転挿入させる。引込方式は,既設管 内にライニング材を引込む方法である。材料挿入後,温水シャワー方式にて温水を循環させる ことによりエアーで拡径させたライニング材を硬化させる。 取付け管施工は,本管と取付け管の施工順序によって変わる。ビフォーライニングは取付け 管ライニング後に本管を更生する一方,アフターライニングは本管更生後に取付け管ライニン グを行う。取付け管施工時に,ツバ付き取付け管ライニング材を管内作業用ロボットで本管内 の取付け管口に移動させ,水圧または空気圧でライニング材を取付け管内に反転した後に,温 水にて加圧硬化させる。 2.適用範囲 項 目 管 種 適 用 範 囲 備 考 鉄筋コンクリート管,陶管 反転工法: 管 径 取付け管 呼び径 100~ 250mm 本 呼び径 200~ 800mm 呼び径 200~ 700mm 管 形成工法: 本 段 差 曲 が り 継手隙間 浸 入 水 滞 留 水 管 段差・横ズレ 30mmまで可 屈曲角 15°まで可 80mmまで可 (反転工法) 120mmまで可(形成工法) 水圧 0.08MPa,流量 2 ℓ/min まで可 50 mm(反転工法) 70 mm(形成工法) 230,380,530 も可 - 2014 年度版 - 取得年度・・・・・・2003年3月 建設技術審査証明 取付け管も同時取得 更新年度・・・・・・2009年3月 更新年度・・・・・・2014年3月 注:建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については,工法協 会,メーカーの仕様を確認する。 3.使用材料の物性 名 称 SGICP-G 更生管 材 料 構 成 項 目 材 質 硬化性樹脂 不飽和ポリエステル樹脂 樹脂含浸用基材 ガラスファイバー不織布 備 内面コーティングフィルム PE フィルム,PU フィルム,PP フィルム 硬化後一体化 外面保護フィルム PE フィルム,N 繊維 硬化後一体否 基 項 目 性 考 本 物 性 能 備 考 偏平強さ φ600mm以下 合格 JSWAS K-1 外圧強さ φ700mm以上 合格 JSWAS K-2 短期曲げ強度 短期曲げ弾性係数 長期曲げ強度 長期曲げ弾性係数 短期引張強度 短期引張弾性係数 短期圧縮強度 短期圧縮弾性係数 89 N/mm2以上※-1 JIS K7171 5880 N/mm2以上※-1 JIS K7171 45 N/mm2以上※-1 JIS K7039 3500 N/mm2以上※-1 JIS K7035 50 N/mm2 以上※-2 JIS K7161 6000 N/mm2 以上※-2 JIS K7161 50 N/mm2 以上※-2 JIS K7181 2500 N/mm2 以上※-2 JIS K7181 耐薬品性 耐摩耗性 合 耐ストレインコロー ジョン性 JSWAS K-2 塩ビ管と同等以上 水密性 成形後収縮性 格 合 JIS 格 成形後 3 時間以内に収縮がなく 安定する K7204 JSWAS K-2 軸方向長と周方向長を計測 確認 合 ※-1:試験片が平板の場合の短期保証値 格 JIS K7034 - 2014 年度版 - ※-2:試験片が平板で且つ管軸方向から採取した場合の短期保証値(耐震検討に用いる) 4.施工前現場実測 共通項目参照 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照 6.事前処理工 施工前管きょ内調査工の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 ≪事前処理工 実施内容および留意点≫ ⑬ 高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去が出来るよう,TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ⑭ 管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出,木根等の除去を,TV カメラで監視 しながら行う。 ⑮ 多量の浸入水の仮止水 更生材に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は,仮止水を行う。 方法については,パッカー注入,部分補修等による止水の方法を検討し,当該現場に最 も適した方法で行う。 ⑯ マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等が有り,施工冶具等が設置できない場合は,除去して施工冶具 等が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照 8.ライニング材の挿入工 ≪反転工法≫ 空気圧および水圧を用いて,ライニング材の反転挿入を行う。 反転挿入は適正な反転速度で行い,マンホール口環や管口等で更生材にダメージを与えない ように充分留意する。 - 2014 年度版 - ≪反転挿入工 実施内容および留意点≫ ⑲ 管径毎の標準総反転圧力 ライニング材の管径および部材厚により反転圧力を算出する。 P=0.59・t/D P:反転圧力(MPa) t:部材厚(mm) D:管径(mm) 総反転圧力は反転圧力,ベンド抵抗およびライニング材のけん引圧力の合計から算出す る。 ⑳ 管径毎の更生材料反転速度 ライニング材の反転速度は,5m/min 以下で行う。 21 反転は一定の圧力で行い急激な加圧減圧は避ける。 22 反転挿入時ライニング材温度を5℃~25℃に保つ。 23 反転挿入時マンホール口環,管口にライニング材保護のための管口補強材を施す。 ライニング材端部養生は,ライニング材が痛まないようにスタートライナー等を被せる。 24 また,ライニング材の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 ≪形成工法≫ 既設管内にワイヤロープ等を通線し,ウインチでライニング材を引込む。 引込は適正な引込速度で行い,マンホール口環や管口等でライニング材にダメージを与えな いように充分留意する。 ≪引込挿入工 実施内容および留意点≫ ⑯ 管径毎のライニング材引込速度 ライニング材の引込速度は,5m/min 以下で行う。 ⑰ 引込は一定の速度で行い,急発進は避ける。 ⑱ スタートシートを設置 ライニング材の傷防止および引込力を軽減するため,ライニング材を引込む前にスター トシートを設置する。 ⑲ 引込挿入時,ライニング材温度を5℃~25℃に保つ。 ⑳ 引込挿入時マンホール口環,管口にライニング材を保護するため,管口補強材を施す。 また,ライニング材の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 9.硬化工 ライニング材の硬化養生は,加熱時および冷却時の更生管内圧力管理,更生管表面温度管理 等で行う。 管径毎の標準硬化圧力 硬化時は測定圧力が下記の値を超えないように注意する。 標準硬化圧力 0.074MPa~0.121MPa - 2014 年度版 - 標準硬化温度管理 更生管厚毎に決められた加熱循環温水の温度と硬化時間に注意する。 測定位置 〔挿入マンホール管口上下,到達マンホール管口上下,外気温,温水槽〕 計測箇所数〔6箇所〕 標準硬化温度と硬化時間 更 生 管 厚 (mm) 硬 化 圧 力(MPa) 一次硬化工 温度 6.0 時間(分) 温度 時間(分) 54 以上 56 以上 8 以上 56 以上 9 以上 57 以上 9.0 ~0.121 58 以上 10.0 硬化圧力は 60 以上 11.0 現場状況で 65 以上 13.0 ±20%以内 16.0 で調整 19.0 時間(分) 6 以上 0.074 68℃ 温度 三次硬化工 52 以上 8.0 70℃ 二次硬化工 73℃ 10 以上 11 以上 85℃ ポンプ 循環運転 時間(分) 7 以上 58 以上 59 以上 80 以上 13 以上 61 以上 10 以上 95 以上 16 以上 64 以上 15 以上 120 以上 20 以上 67 以上 20 以上 注 上記の時間は,わずかな浸入水がある場合や仮止水処理した場合の標準的な時間であり, 多くの浸入水がある場合や滞水がある場合は,事前に工法協会・メーカー仕様を確認する。 - 2014 年度版 - ≪硬化工(熱硬化) 実施内容および留意点≫ ⑬ 硬化時の管表面温度を開始から終了まで連続的に測定し,チャート紙に記録する。 ⑭ 硬化時の更生管内の圧力を随時計測し,チャート紙に記録する。 ⑮ 冷却時の更生管表面温度を開始から終了まで連続的に測定し,チャートしに記録する。 ⑯ 冷却時の更生管内の圧力を随時計測し,チャート紙に記録する。 ライニング材標準硬化温度・時間 (φ 250、L=30.0mの場合) 120 100 硬化温度(℃) 60分以上 80 11分以上 75分以上 3分 60 2分 10分 40 (昇温) 20分以上 (昇温) 合計 182分以上 (昇温) 20 0 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 時 間 (分) 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 テストピースは施工に用いたライニング材と同一ロットの材料とする。 ≪性能試験用テストピース採取(熱硬化) 実施内容および留意点≫ 採取場所:施工に用いるライニング材と同一ロットから未硬化の平板状テストピースを採取。 硬化方法: ⑬ 未硬化材料をテストピース採取用冶具(次図)に入れ,固定する。 ⑭ 採取冶具を循環温水槽内に入れ,施工スパンと同条件で加熱硬化する。 ⑮ 施工現場と同条件で冷却養生を行う。 ⑯ テストピースを採取冶具から取り出し,目視で表面状態を,厚さをノギス等で確認す る。 - 2014 年度版 - 11.出来形管理 共通項目参照 - 2014 年度版 - インシチュフォーム工法 1.工法概要 本技術は,管きょの大きさにあわせて筒状に縫製した不織布に,熱硬化性樹脂を含浸し,水 圧若しくは空気圧にて既設管きょ内に反転、又は引込みにて挿入後,温水或いは蒸気にて樹脂 を硬化させ,既設管内に新しい管きょを形成する工法である。ライニング材料は,ガラス繊維 を使用しない「スタンダードライナー(B タイプ,ノンスチレンタイプ) 」と,ガラス繊維を使 用した「ガラス強化ライナー」の3種類があり,既設管の劣化・損傷度,流下能力への影響, 住宅街などの住民への臭気対策,荷重条件などを考慮し,最適なライニング材料を選択する。 2.適用範囲 (1) 反転工法 項 目 管種 適 用 範 囲 備 考 鉄筋コンクリート管・陶管・鋼管・鋳鉄管・ コルゲート管 管径 呼び径 150~1200(スタンダードライナー) 呼び径 150~700(ガラス強化ライナー) 浸入水 水圧 0.08 MPa,流量 2 ℓ/min で問題なく施工可能 継手部屈曲 10°程度まで問題なく施工可能 継手部段差 30 mm 程度まで問題なく施工可能 継手部横ずれ 30 mm 程度まで問題なく施工可能 継手部隙間 100 mm 程度まで問題なく施工可能 管路内滞留水 100 mm の滞留水量でも問題なく施工可能 建設技術審査証明 取得年度・・・2004 年 3 月 φ250・300 mm 既設管において 更新年度・・・2010 年 3 月 (2) 形成工法 項 目 適 用 範 囲 管種 鉄筋コンクリート管・陶管・鋼管・鋳鉄管 管径 呼び径 150~600(スタンダードライナー) 呼び径 150~450(ガラス強化ライナー) 浸入水 水圧 0.05 MPa,流量 2 ℓ/min で問題なく施工可能 継手部屈曲 5°程度まで問題なく施工可能 継手部段差 30 mm 程度まで問題なく施工可能 継手部横ずれ 30 mm 程度まで問題なく施工可能 備 考 - 2014 年度版 - 継手部隙間 100 mm 程度まで問題なく施工可能 管路内滞留水 50 mm の滞留水量でも問題なく施工可能 建設技術審査証明 取得年度・・・2007 年 7 月 φ450 mm 既設管において 更新年度・・・2010 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲及び最新データー等については,工法協会,メーカーの仕 様を確認する。 3.使用材料の物性 (1)使用材料の物性 名 称 材料構成 スタンダードライナー ガラス強化ライナー 不飽和ポリエステル, 不飽和ポリエステル, ポリエステル不織布 ガラス強化ポリエステルフェルト 標準仕様 ガラス強化仕様 タイプ(仕様) 基 本 物 性 項 目 短期曲げ強度 短期曲げ弾性係数 長期曲げ強度 長期曲げ弾性係数 耐薬品性 耐摩耗性能 水密性 耐ストレインコロ ージョン性 耐劣化性 成形後収縮性 短期引張強度 短期引張弾性係数 短期圧縮強度 短期圧縮弾性係数 性 能 2 備 考 ※-1 50N/mm 2,500N/mm2 ※-1 JIS K 7171 ――――――――――― 2 性 能 75N/mm 2 備 考 ※-1 5,400N/mm2 ※-1 27N/mm2 JIS K 7171 JIS K 7039 2 1,550N/mm JIS K 7116 2,860N/mm 合格 JSWAS K-2 合格 JSWAS K-2 新管と同等以上 JIS K 7024 新管と同等以上 JIS K 7024 合格 JSWAS K-2 合格 JSWAS K-2 合格 JIS K 7034 ――――――――――― 合格 JIS K 7116 形成後 2.5 時間以内に 軸方向長と周方 収縮がなく安定する 20N/mm2 ※-2 2 2,200N/mm 60N/mm2 ※-2 ※-2 2 2,500N/mm ※-2 向長を計測確認 JIS K 7161 ――――――――――― ――――――――――― 30N/mm2 JIS K 7161 2,500N/mm JIS K 7181 60N/mm2 JIS K 7181 JIS K 7035 2,500N/mm ※-3 JIS K 7161 2 ※-3 JIS K 7161 ※-3 JIS K 7181 2 ※-3 JIS K 7181 ※-1:試験片が平板の場合の短期保証値 ※-2:試験片が平板で且つ管軸方向から採取した場合の短期保証値(耐震検討に用いる) ※-3:現段階では審査証明対象外、公的機関での物性確認のみ(耐震検討に用いる) - 2014 年度版 - 更生管のサンプル試験による強度等 名 称 項 目 スタンダードライナー 性 備 40N/mm2 曲げ強度 曲げ弾性係数 能 2,000N/mm 2 ガラス強化ライナー 考 JIS K 7171 性 能 備 考 ――――――――――― ――――――――――― 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査工の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 《事前処理工・実施内容及び留意点》 ①高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全にモルタル等の不要物が除去出来るよう,TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ②管内のモルタル,取付け管突出,木根等の除去は,管内ロボットを用いて,TV カメラで 監視しながら行う。(既設管呼び径 800 未満) ③多量の浸入水の仮止水 少量の浸入水であれば,予めプリライナーを挿入し,その内側に更生材を反転挿入し施 工するが,更生材に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は,仮止水を行う。 仮止水の方法については,パッカー注入,部分補修等による止水の方法を検討し,当該 現場に最も適した方法で行う。 ④管きょ内事前処理事前処理作業(既設管呼び径 800 以上) 管きょ内に人が入ってモルタル除去等の作業を行う場合は,必ず強制換気などの安全対 策を行うとともに流下する下水の水量,流速等に充分注意して作業を行う。また,使用 する機器は感電の恐れのない圧縮空気や高圧水を用いたものを使用するようにする。 ⑤マンホール内の事前処理作業 マンホール内に障害物等が有り,施工冶具等が設置できない場合は,除去して施工冶具 等が正しく設置できるように努める。 - 2014 年度版 - 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.更生材料の挿入工 (1) 反転工法(水圧仕様) 《反転挿入工》 水圧を用いて,更生材料を管内に連続的に挿入し,既設管内壁面に押圧しながら反転挿 入する。作業に当っては,所定の反転水頭高さ,反転速度で,可能な限りシワ等が発生し ないように配慮する。 工程管理としては,反転水頭高さ,反転速度をデータシートに記録する。温度センサー は,両管口部上下入り口の更生材と既設管内壁面の間に設置する。 《反転挿入工 実施内容及び留意点》 ①反転挿入は,適正速度で行う。 ②急激な水頭高さ(水圧)の上昇,下降がないよう充分に注意する。 ③更生材料を取り扱う際には,材料を傷付けないよう充分に注意する。 《管径毎の標準反転水頭高さ》 反転水頭高さ(M)=係数×t÷D <t:ライナーバッグの厚み(mm) / D:ライナーバッグの口径(mm)> チップユニット使用の場合は,水頭高さを水圧に換算して圧力ゲージ等にて管理する。 《管径毎の更生材料反転速度》 φ450 mm 未満は,5 m/min 以下で行う。 φ450 mm 以上は,2 m/min 以下で行う。 チップユニット使用(φ150 mm~φ450 mm)の場合は,10 m/min 以下で行う。 (2) 反転工法(空気圧仕様) 《反転挿入工》 空気圧を用いて,更生材料を既設管内壁面に押圧しながら反転挿入する。 所定の空気圧,反転速度で,可能な限りシワ等が発生しないように配慮して作業を行う。 空気圧,反転速度をデータシートに記録する。温度センサーは,両管口下部の更生材と 既設管内壁面の間に設置する。 《反転挿入工 実施内容及び留意点》 ①反転挿入は,適正速度で行う。 ②急激な空気圧の上昇,下降がないよう充分に注意する。 - 2014 年度版 - ③更生材料の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 ④摩擦抵抗を減らすために更生材に潤滑剤を充分に塗布する。 《管径毎の標準反転空気圧》 反転圧力は,0.03 MPa~0.1 MPa 程度の既設管にフィットする圧力で行い 0.2 MPa を超 えないように管理する。 《管径毎の更生材料反転速度》 反転速度は,10 m/min 以下で行う。 (3) 形成工法 《引込み挿入工》 最初に,管きょ内にワイヤーロープ等を通線し,到達側より電動ウィンチを使用して更 生材料を引込む。また、必要に応じ,摩擦抵抗を軽減させるため,スライドシートを予め 管きょ内に設置する。 所定の引込み速度を守り,可能な限り傷やシワ等の起因とならないように配慮して作業 を行う。 引込み完了後,更生材の端部に拡径防止ライナーを装着し,施工冶具等を用いて固定す る。その後,空気圧等で拡径を行う。 引込み速度,拡径圧力をデータシートに記録する。温度センサーは,両管口下部の更生 材と既設管内壁面の間に設置する。 《引込み挿入工 実施内容及び留意点》 ①引込み挿入は,適正速度で行う。 ②拡径作業中は,急激な圧力上昇,圧力減衰がないよう充分に注意する。 ③更生材料を取り扱う際には,材料を傷付けないよう充分に注意する。 《更生材料引込み速度》 引込み速度:10 m/min 以下で行う。 《更生材料拡径圧力》 拡径圧力は,更生材が既設管内径同程度までゆっくり加圧し,圧力安定後,既設管と更 生材のフィット状態を確認しながら 0.03 MPa~0.1 MPa 程度にする。 屈曲部がある場合には,拡径時の放置時間を 30 分以上行い,更生材をよく広げる。 - 2014 年度版 - 9.硬化工 (1) 温水硬化 《硬化工(熱硬化)》 更生材料の硬化作業は,更生材料内の反転水を温水ボイラーを用いて加熱循環すること により行う。硬化時は,硬化時水頭高さを随時計測,データシートに記録する。また,温 度センサーを温水ボイラー出入り口に設置し,温度測定は,連続的にチャート紙等を用い て行う。以上により,硬化時水頭高さ,硬化昇温時間,硬化養生温度,冷却養生時間等の 管理等を行う。 《硬化工(熱硬化) 実施内容及び留意点》 ①適正な水頭高さ(圧力) ,硬化昇温時間,硬化養生温度および養生時間を守る。 ②到達側マンホール上部に脱臭装置・送風機等を設置する。 ③上流側と下流側管口上下の更生材と既設管内壁面の間に設置した温度センサーにて硬化 開始から終了までの硬化温度推移を連続的に測定し,チャート紙,データシート等に記 録する。 ④冷却作業時は,火傷に充分注意して,管理水温が規定の水温に下がっていることを随時 確認する。 《管径毎の標準硬化時水頭高さ》 硬化時水頭高さ(M)=係数×t÷D <t:ライナーバッグの厚み(mm) / D:ライナーバッグの口径(mm)> チップユニット使用の場合は,水頭高さを水圧に換算して圧力ゲージ等にて管理する。 《管径毎の硬化昇温時間,硬化養生温度および養生時間》 硬化昇温時間,硬化養生温度および養生時間は,材料厚み,使用する樹脂によって異な るため,各設計条件に合わせて作成した施工計画書に明記された管理速度,硬化養生温度 および養生時間を前提とする。50 ℃からの硬化温度上昇にあたっては,管内の温水の温度 が,安定したことを確認してから硬化昇温作業を行うものとする。 (表-1・図-1 参照) 《冷却養生管理》 管内水の循環および,排水を繰り返しながら冷却温度速度上限内で,給水を行い温水ボ イラーの温度センサーで,水温が 40 ℃以下になるまで,冷却を行う。 (表-1・図-1 参 照) - 2014 年度版 - 表-1 硬化養生温度と時間 ライナー厚み 50 ℃~80 ℃ 硬化養生温度 冷却温度速度 (mm) の昇温時間 80 ℃以上 (℃/hr) 3.0≦t≦6.0 0.5 hr 以上 1.0 hr 以上 ≦40 6.0<t≦10.5 0.5 hr 以上 1.0 hr 以上 ≦40 10.5<t≦18.0 1.0 hr 以上 1.5 hr 以上 ≦30 18.0<t≦27.0 1.5 hr 以上 2.0 hr 以上 ≦20 27.0<t≦40.0 1.5 hr 以上 2.0 hr 以上 ≦20 ※ にじみ程度の浸入水まで対応可能。 ※ 昇温時間の管理は,到達側の排水する更生管内の水温が 50 ℃になっていることを確認して から行う。冷却速度は,決められた管理速度の勾配にて行うこと。 樹脂:不飽和ポリエステル 100 養生硬化:80 ℃以上/1.0 hr 以上 厚み:3.0 mm≦t≦6.0 mm 80 冷却速度:MAX 40 ℃/hr 硬 60 化 温 昇温時間:0.5 hr 以上 40 度 (℃) 40 ℃迄冷却 20 ※この硬化形態グラフはあくまでも推奨するものであり、指触もしくは その他の方法により硬化を確認の後に冷却を開始すること。 α 30+α 60+α 90+α 120+α 150+α 時 間(分) 図-1 INS 樹脂の硬化形態グラフ(例:3.0mm≦t≦6.0mm の場合) (2) 蒸気硬化 《硬化工(熱硬化)》 更生材料の硬化作業は,更生材料内に蒸気ボイラーを用いて蒸気を投入することにより 行う。硬化時,圧力を随時計測,データシートに記録し,温度センサーを両管口の下部の 更生材と既設管内壁面に設置し,温度測定は,連続的にチャート紙等を用いて行う。以上 により,硬化時圧力,硬化養生温度,硬化時間および冷却養生時間の管理等を行う。 - 2014 年度版 - 《硬化工(熱硬化) 実施内容及び留意点》 ①適正な圧力,硬化養生温度および養生時間を守る。 ②到達側マンホール上部に脱臭装置・送風機等を設置する。 ③到達側の排気口にはサイレンサーを接続する。 ④上流側または下流側管口上下のうち一箇所以上,更生材と既設管内壁面の間に設置した 温度センサーで硬化開始から終了までの温度管理を連続的に測定し,チャート紙,デー タシート等に記録する。 ⑤冷却作業時は,火傷に充分注意して,既設管内壁面温度が,規定の温度に下がっている ことを随時確認する。 《標準硬化時圧力》 硬化時の圧力は,既設管と更生材のフィット状態を確認し,0.03 MPa~0.1 MPa 程度の 圧力で行い 0.2 MPa を超えないように管理する。 《硬化養生温度および養生時間》 硬化養生温度および養生時間は,引込み,拡径完了状態で,両管口の下部の更生管と既 設管内壁面に設置した温度センサーで温度を測定し,更生管入り口側蒸気温度 75~95 ℃ を保持する。既設管内壁面温度が,55 ℃以上の確認が取れたら蒸気温度を 95~125 ℃に 上昇させ決められた養生時間を行う。(表-2) 《冷却養生管理》 硬化養生完了後, 蒸気を止め空気を投入し,既設管内壁面温度が 55℃になるまで下げる。 冷却養生作業は,15 分以上行う。(表-2) 表-2 硬化養生温度と時間(延長 50mまでに適用) 硬化養生時間(蒸気投入時間) 冷却時間と温度 ライナー厚み 既設管内壁面温度が (mm) 55 ℃以上確認 3.0≦t≦7.5 0.5 hr 以上 7.5<t≦13.5 1.0 hr 以上 既設管内壁面温度 55 ℃まで下げる 13.5<t≦24.0 1.5 hr 以上 (15 分以上行う) t>24.0 2.0 hr 以上 ※ 浸入水等で既設管内壁面温度が 55 ℃まで上昇しない場合,5 ℃下がる毎に硬化養生時間を 0.5 時間延長する。 ※ 表記は,管路にたるみ等が無い状態での硬化養生時間。 - 2014 年度版 - ※ 管路にたるみがある場合は確認温度を 1 時間以上加算する。 ※ 屈曲部がある場合は,硬化養生時の養生時圧力を 50%増しで行い,既設管によくフィットさ せる。 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 テストピースは施工に用いた更生材料と同一ロットの材料とする。 《性能試験用テストピース採取(温水硬化) 実施内容及び留意点 》 採取場所・・・施工に用いる更生材と同一ロットから硬化させたモールド板より採取。 硬化手順: ①更生材料の余長から同じ厚さ分,事前に切り出したフェルトに(最低 6 mm 厚み),実際 施工用に使用した樹脂を含浸させた硬化前のモールドをテストピース採取用ジグ(図 -2 参照)に入れ,固定する。 ②現場にて反転挿入工完了後または,引込み挿入工完了後,施工スパンと同条件で硬化養 生する。 ③施工現場と同条件で冷却養生を行う。 ④硬化したモールド板を採取ジグから取り出し,目視で表面状態を確認し,ノギス等で厚 さを確認する。 図-2 テストピース採取用ジグ(例) 《性能試験用テストピース採取(蒸気硬化) 実施内容及び留意点 》 採取場所・・・施工に用いる更生材と同一ロットから硬化させたモールド板より採取。 硬化手順: - 2014 年度版 - ①更生材料の余長から同じ厚さ分,事前に切り出したフェルトに(最低 6 mm 厚み),実際 施工用に使用した樹脂を含浸させた硬化前のモールドを蒸気用テストピース採取用ジグ (図-3 参照)に入れ,固定する。 ②現場にて反転挿入工または,引込み挿入工完了後,蒸気ボイラーと更生材に接続したジ グ等の間に蒸気用テストピース採用ジグを接続し,施工スパンと同条件で加熱養生硬化 する。 ③施工現場と同条件で冷却養生を行う。 ④硬化したモールド板を蒸気用採取ジグから取り出し,目視で表面状態を確認し,ノギス 等で厚さを確認する。 スペーサー モールド 版 図-3 蒸気用テストピース採取用ジグ(例) 11.出来形管理 共通項目参照。 蒸気ホース - 2014 年度版 - GROW(グロー)工法 1.工法概要 GROW 工法は,熱硬化性樹脂と不織布から成る更生材(以下,ライニング材という)を 施工現場で硬化させることにより,老朽化した下水道の本管および取付け管を非開削で改築 更生する技術である。 施工方法は,まず既設人孔部より本管用ライニング材を水圧および空気圧で反転挿入させる 反転工法およびライニング材をウインチで引き込む形成工法がある。温水をボイラーで循環・ 昇温させると同時にスチームを併用することによってライニング材を確実に硬化させる。さら に,取付け管用のライニング材を収納した反転装置と作業用ロボットを既設人孔から搬入し, それらをもう一方の既設人孔部に据え付けたウインチで所定の位置まで牽引搬送する。次に, 流体圧(空気圧と水圧)を用いてライニング材を取付け管部に反転挿入した後,温水でライニ ング材を硬化させる。最後に,作業用ロボットを用いて本管内より取付け管部を穿孔するが, GROW 工法では,取付け管用のライニング材を破損しないように穿孔部にステンレスリング を使用している。 また,本管と取付け管の接合部については,施工現場に応じて,ビフォーライニング(取 付 け管が先に施工された状態)とアフターライニング(本管が先に施工された状態)のどちらで も施工ができ,一体化を図ることが可能である。 2.適用範囲(反転:形成工法) 項 目 管 種 適 用 範 囲 備 考 鉄筋コンクリート管,陶管,鋼管,鋳鉄管 反転工法: 管 径 取付け管 呼び径 100 ~ 200mm 本 呼び径 200 ~ 600mm 管 形成工法: 本 段 差 管 呼び径 200 ~ 600mm 段差・横ズレ 20mmまで可 屈 曲 角 屈曲角 10° 以下 継手隙間 150mm 以下 滞 留 水 50mm以下 浸 入 水 3ℓ/min,0.05Mpa 以下の浸入水は施工可 規格外管径も対応可 - 2014 年度版 - 建設技術審査証明 2002 年 2 月(取得) 2009 年 3 月(変更) 2014 年 3 月(更新) 取付け管も同時取得 形成工法追加取得 ※建設技術審査証明以外の適用範囲及び最新データ等については,工法協会,メーカーの 仕様を確認する。 3.使用材料の物性 (名称:スタンダードライニング材) 名 称 スタンダードタイプライニング材 材 料 構 成 項 目 材 質 備 考 硬化性樹脂 不飽和ポリエステル樹脂 樹脂含浸用基材 ポリエステル不織布 内面コーティングフィルム PE フィルム 硬化後一体化 外面保護フィルム PE フィルム,N 繊維 硬化後一体否 基 本 物 性 項 目 性 能(申告値) 備 考 短期曲げ強さ 42.6 N/mm2※-1 JIS K 7171 短期曲げ弾性率 2,600 N/mm2※-1 JIS K 7171 長期曲げ弾性率 2,200 N/mm2 JIS K 7116 短期引張強さ 23.0 N/mm2※-1 JIS K 7161 短期引張弾性率 2,300 N/mm2※-1 JIS K 7161 短期圧縮強さ 75.0 N/mm2※-1 JIS K 7181 短期圧縮弾性率 2,300 N/mm2※-1 JIS K 7181 耐摩耗性 新管と同等以上 JIS K-7024 耐薬品性 合 格 JSWAS K-2 水密性 合 格 JSWAS K-2 耐劣化性 成形後収縮 50 年後の曲げ強度の推計値が設 計値を上回る 成形後3時間以内で収縮が無 く安定する。 ※試験片が平板の場合の短期保証値 JIS K7116 - 2014 年度版 - 4.施工前現場実測 共通項目参照 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照 6.前処理工 施工前管きょ内調査の結果に基づき,必要に応じて前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 《前処理工・実施内容及び留意点》 ①高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去が出来るよう,TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ②障害物等の除去 管内ロボットを用いて,モルタル,取付管突出,木根等の除去を,TV カメラで監視しながら行う。 ③多量の浸入水の仮止水 多少の浸入水であれば,ガードライナーを挿入し,その内側に更生材を 反転挿入し施工するが,更生材に悪影響をもたらすような多量の浸入水 がある場合は,止水の方法を検討し,当該現場に最も適した方法で行う。 ④マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等が有り,施工冶具等が設置できない場合は,除去 して施工冶具等が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照 8.更生材料の挿入工 《 反転工法:挿入工 》 既設人孔部より,水圧及び空気圧を用いて,更生材料を反転挿入する。 更生材に明記された物件名・施工番号等を確認し,出来る限り一定の圧力で反転挿入する。 温度センサーを発進・到達側人孔部の上部,下部の更生材と既設管の間に設置する。 - 2014 年度版 - 《反転挿入作業・実施内容及び留意点》 管径毎の反転挿入圧力 更生材の寸法(板厚・管径) ,現場状況にあわせて圧力を算出する。 反転挿入速度 φ200mm~φ600mm・・・3~5m/min 程度 ①更生材の反転挿入は,出来る限り一定の圧力及び速度で管内に挿入する。 ②更生材には傷を付けないよう充分注意する。 ③更生材の傷付け防止策として,更生材の触れる箇所に保護シート等で養生を施す。 ④更生材の温度は 5℃~25℃の温度を保つこと。 ⑤更生材に長時間,直射及び反射日光等の光線を当てないこと。 《 形成工法:引き込み挿入工 》 引込み挿入速度 :φ200mm~φ600mm・・・3~5m/min 程度 ①更生材の引きこみ挿入は,出来る限り一定の速度で管内に引き込むこと。 また,ライニング材の重量が大きい場合はスリップシートを採用すること。 ②更生材には傷を付けないよう充分注意する。 ③更生材の傷付け防止策として,更生材の触れる箇所に保護シート等で養生を施す。 ④更生材の温度は 5℃~25℃の温度を保つこと。 ⑤更生材に長時間,直射及び反射日光等の光線を当てないこと。 9.硬化工 更生材料の硬化作業は,硬化時更生材料内圧力管理,硬化温度管理,硬化時間管理,冷却養 生時間管理等を行う。 《硬化工(熱硬化) 実施内容及び留意点》 管径毎の標準硬化時圧力 更生材の寸法と現場状況にあわせて決定する。 (例)ポリエステルファイバー φ250mm t 4.5mm の場合 標準管理圧力 0.044 Mpa 標準硬化時間及び管理方法 更生材の寸法と現場状況にあわせて決定する。以下に標準的な硬化時間を示す。 硬化時間表 < ポリエステルファイバー > φ200 ~φ 600 管径(mm) 板厚(mm) t 4.5 ※ 昇温時間は含めていない。 温水温 スチーム温 時間 67℃ 60~75℃ 45 分 83℃以上 80~95℃ 40 分 ポンプ運転 - 17 分 計 102 分 - 2014 年度版 - t 6.0 t 9.0 t 10.5 t 12.0 t 16.5 ※ 67℃ 60~75℃ 55 分 72℃ - - 83℃以上 80~95℃ 50 分 ポンプ運転 - 19 分 67℃ 60~75℃ 65 分 72℃ - - 83℃以上 80~95℃ 70 分 ポンプ運転 - 22 分 67℃ 60~75℃ 70 分 72℃ 〃 10 分 83℃以上 80~95℃ 80 分 ポンプ運転 - 25 分 67℃ 60~75℃ 75 分 72℃ 〃 10 分 83℃以上 80~95℃ 90 分 ポンプ運転 - 27 分 67℃ 60~75℃ 90 分 72℃ 〃 10 分 83℃以上 80~95℃ 120 分 ポンプ運転 - 35 分 124 分 157 分 185 分 190 分 255 分 詳細については、メーカーの仕様を確認する。 測定位置 〔 外気温,温水槽,発進側人孔管口上下,到達側人孔管口上下 〕 計測箇所数〔 6 箇所 〕詳細については,メーカーの仕様を確認する。 ① 硬化時,更生材の寸法と現場状況にあわせて算出した硬化圧力を作用させること。 ② 更生材の寸法等を加味し決定された施工管理表をもとに硬化させること。排水温・排気温 度を基準として測定する。 ② 硬化中の更生材は,出来る限り滞水,浸入水,管壁に付着したグリス等を除去し,硬化さ せる。 - 2014 年度版 - 温度測定位置図 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 テストピースは施工に用いた更生材と同一ロットの材料とする。 《性能試験用テストピース採取(熱硬化) 実施内容及び留意点》 採取場所・・・施工に用いる更生材と同一ロットから未硬化の平板状テストピースを採取。 硬化方法: ① 未硬化材料をテストピース採取用冶具に入れ,固定する。 ② 施工スパンと同条件で加熱硬化する。 ③ 施工現場と同条件で冷却養生を行う。 ④ テストピースを採取冶具から取り出し,目視で表面状態を,厚さをノギス等で確認する。 - 2014 年度版 - 11.出来形管理 共通項目参照 - 2014 年度版 - SD ライナー工法 1.工法概要 SDライナー工法は,老朽化した下水道管きょの取付け管と本管とを非開削で一体的に更 生する技術である。工場にて取付け管および本管にそれぞれ適合した更生材(不織布に熱硬 化性樹脂を含浸させたもの)を作成する。管口ツバ付取付け管更生材を取付け管反転装置に 装着し,既設人孔より作業用ロボットで本管内の取付け管口にセットする。次に,空気圧で 取付け管内に反転挿入し,温水で加圧循環硬化させ取付け管更生をする。その後,本管更生 材を本管反転装置に装着し,既設人孔内にセットする。次に,水圧で本管内に反転挿入し, 温水で加圧循環硬化させ本管更生をする。その後,取付け管口を穿孔する。このことで取付 け管更生材(管口ツバ部)と本管更生材を一体的に更生し,水密性,耐荷能力および耐久性 等を有する下水道管(更生管)を構築する工法である。 2.適用範囲 項 目 適 管 種 鉄筋コンクリート,陶管,鋼管,鋳鉄管 管 径 φ200 mm~φ600 mm 段 差 25 mm 曲 が り 10°程度 継手横ズレ 25 mm 継手隙間 100 mm 浸 入 水 滞 留 水 建設技術審査証明 用 範 囲 備 考 φ230 mm,380 mm も可 2ℓ/分,0.05MPa までの浸入水は事前処理不要 本管影響なく施工可 取得年度・・・・・2000 年 3月 更新年度・・・・・2009 年 3月 取付け管も同時取得 建設技術審査証明以外の適用範囲及び最新データ等については,工法協会,メーカーの仕様を 確認する。 - 2014 年度版 - 3.使用材料の物性 名 称 SD ライナー 項 目 硬化性樹脂 樹脂含浸用基材 内面フィルム 材 料 構 成 材 質 ビニルエステル樹脂 不織布 ポリエチレン 備 考 硬化後一体化もしくは硬化後 除去 外面フィルム なし 基 項 目 性 本 物 性 能 備 考 40 N/mm2 ※-1 JIS K7171 短期曲げ弾性係数 2,800 N/mm2 ※-1 JIS K7171 長期曲げ弾性係数 2 短期曲げ強度 耐薬品性 耐摩耗性 1,500 N/mm 合 JIS K7116 JSWAS K-2 格 新管と同等以上 JIS A1452 水密性 合 格 JSWAS K-2 耐劣化性 合 格 JIS K7116 形成後収縮性 形成後2時間以内に収縮がなく安定する 短期引張強度 25.5 N/mm2 短期引張弾性係数 短期圧縮強度 短期圧縮弾性係数 2,700 N/mm 2 100 N/mm2 2,750 N/mm 2 軸方向長と周方 向長を計測確認 JIS K7161 JIS K7161 JIS K7181 JIS K7181 ※-1:試験片が平板の場合の短期保証値 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 - 2014 年度版 - ≪事前処理工・実施内容および留意点≫ ① 高圧洗浄車によるモルタル等の除去 完全に除去出来るよう,TVカメラ等で監視しながら作業を行う。 ② 管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出,木根等の除去を,TVカメラで監視 しながら行う。 ③ 多量の浸入水の仮止水(2ℓ/分,0.05MPa 以上の圧力が想定される場合) 更生材に変形をもたらすような水頭圧の高い浸入水がある場合は,仮止水を行う。 方法については,部分補修等による止水等の方法を検討し,当該現場に最も適した方法 で行う。 ④ マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等が有り,施工治具等が設置できない場合は,除去して施工治具 等が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.更生材料の挿入工 《反転工》 水圧を用いて,更生材料を既設管内壁面に押圧しながら反転挿入する。 所定の反転水頭高さ,反転速度で,シワ等が発生しないよう充分に配慮して作業を行う。 反転水頭高さ,反転速度をデータシートに記録する。温度センサーは,各施工スパンの上下 流の管頂及び管底部(更生材と既設管の間)に設置する。 《反転工 実施内容および留意点》 管径毎の標準反転水頭高さ φ500 mm 未満・・・反転水頭高さ(m)=(60×t÷D)+2.0m±2.0m φ500 mm 以上・・・反転水頭高さ(m)=(60×t÷D)+2.5m±2.0m < t:更生材料の厚み(mm)/ D:既設管径(mm) > 下流から上流に反転する場合や管内に多量の滞留水がある場合は標準反転水頭を高くする。 管径毎の更生材料反転速度 φ450 mm 未満は 5m/min 以下で行う。 φ450 mm 以上は 2m/min 以下で行う。 ①反転は適正速度以内で行う。 ②急激な水頭高さ(水圧)の上昇,下降がないよう充分に注意する。 ③更生材料の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 - 2014 年度版 - 詳細についてはメーカーの仕様を確認する。 9.硬化工 更生材料の硬化作業は,更生材料内の反転水を温水ボイラーで加熱循環することにより行う。 硬化時,圧力計で硬化圧力を測定しデータシートに記録する。温度センサーをボイラー温水出 入り口に設置し,温度測定を連続的にチャート紙に記録する。さらに,各施工スパンの上下流 の管頂及び管底部(更生材と既設管の間)に設置した温度センサーで硬化開始から終了まで連 続的に測定し,チャート紙に記録する。以上のことにより,硬化時圧力管理,硬化温度管理, 硬化時間管理および冷却養生時間管理等を行う。 《硬化工(熱硬化) 実施内容および留意点》 管径毎の標準硬化圧力 拡径は拡径圧力 0.05(MPa)で 5 分間保持すること。 硬化時圧力(MPa)=t÷D±0.03 以内 < t:更生材料の厚み(mm)/ D:既設管径(mm) > 加熱温水循環するために標準硬化圧力を高くする場合がある。 標準硬化時間および管理方法 温水加熱 ① 加熱循環水のボイラーへの戻りが 60℃以上になるまで温度を上げていく。 ② 戻り温度が 60℃で 30 分間,その後再び昇温させ 85℃以上の温水戻りで 90 分加熱硬化と する。 ③ 加熱硬化 90 分経過後,管頂及び管底部の温度センサー(4 箇所)の温度を 15 分間隔で測 定し,全てが所定温度(標準 40℃)に達していることを確認後,硬化終了とする。 ④ 本管管口の温度が所定の温度に達していない場合は,加熱硬化時間を 60 分間延長して温 水を循環すること。 図-1に(例)本管硬化の温度-時間関係図を示す。 硬化時温度計測 測定位置 [ボイラー温水出入り口(2 箇所)と各施工スパンの上下流の管頂及び管底部(更 生材と既設管の間) (4 箇所) ] 計測箇所数 [ 6 箇所 ] 計測回数 [ チャート紙による連続記録 ] 排水管理 更生材内温水に水を足し,15 分以上かけて 40℃以下に冷却養生し排水する。 詳細については,メーカーの仕様を確認する。 温度(℃) - 2014 年度版 - 温水戻り 設定温度 100 85 60 40 10 温水戻り 時間 硬化時間 硬化時間 温水戻り 60℃上昇点 冷却養生時間 硬化終了点 冷却養生終了点 温水戻り 85℃上昇点 図-1 (例)本管硬化の温度-時間関係図 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 テストピースは施工に用いた更生材と同一ロットの材料とする。 《性能試験用テストピース採取(熱硬化) 実施内容および留意点》 採取場所 施工に用いる更生材と同一ロットから未硬化の平板状テストピースを採取。 硬化方法: ① 未硬化材料をテストピース採取用器具(下図)に入れ,固定する。 ② 採取器具を施工装置内に入れ,施工スパンと同条件で加熱硬化する。 ③ 施工現場と同条件で冷却養生を行う。 ④ テストピースを採取器具から取り出し,厚さをノギス等で確認する。 排水 - 2014 年度版 - 11.出来形管理 共通項目参照。 - 2014 年度版 - オールライナーi 工法 1.工法概要 オールライナーi 工法は,工場で含浸されたライニング材(不織布またに熱硬化性樹脂を含浸 させたもの)を既設人孔より本管内に反転挿入後、更生材に水圧をかけて拡径し、温水を循環さ せ樹脂を硬化成形させることによって、既設管きょ内に新しい下水道管きょを形成する工法で ある。 2.適用範囲 項 目 管 種 鉄筋コンクリート管、陶管、鋼管 管 径 φ200mm~φ600mm 段 差 20 ㎜以下の継手部 曲 が り 10°までの継手部 滞 留 水 100mm以下の部分的滞留水 継手隙間 200mm 以下の継手部 浸 入 水 3.8 L/min,0.04MPa までの浸入水 建設技術審査証明 適 用 範 囲 備 考 規格外管径も対応可 取得年度・・・・・2004 年 3 月 更新年度・・・・・2014 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については,工法協会,メーカーの 仕様を確認する。 3.使用材料の物性 名 称 オールライナーi 材 料 構 成 項 目 材 質 硬化性樹脂 不飽和ポリエステル樹脂 樹脂含浸用基材 ポリエステルフェルト 内面フィルム ポリウレタンフィルム 外面フィルム なし 備 考 硬化後一体化 基 本 物 性 項 目 短期曲げ強度 性 能 40N/mm 2※-1 備 考 JIS K 7171 短期曲げ弾性係数 3,400N/mm2※-1 JIS K 7171 長期曲げ弾性係数 2,000N/m2 JIS K 7116 - 2014 年度版 - 耐薬品性 合 耐摩耗性 格 新管と同等以上 水密性 合 格 20N/mm2※-2 短期引張強度 2,000N/mm 2※-2 短期引張弾性係数 JSWAS K-2 JIS K 7204 JSWAS K-2 JIS K 7113 JIS K 7113 ※-1:試験片が平板の場合の短期保証値 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 《事前処理工 実施内容および留意点》 ①高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去ができるよう,TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ②管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出および木根等の除去を,TV カメラで監視 しながら行う。(既設管呼び径 800mm 未満) ③多量の浸入水の仮止水(0.07MPa 以上の圧力が想定される場合) 更生材に変形をもたらすような水頭圧の高い浸入水がある場合は,仮止水を行う。 方法については,パッカー注入,部分補修等による止水等の方法を検討し,当該現場に 最も適した方法で行う。 ④管きょ内に人が入っての事前処理作業(既設管呼び径 800mm 以上) 管きょ内に人が入ってモルタル除去等の作業が可能な場合は,流下する下水の水量,流 速等に充分注意して作業を行う。また,使用する機器は感電の恐れのない圧縮空気や高圧 水を用いるものを使用するようにする。 ③ ンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等があり,施工器具等が設置できない場合は,除去して施工器具 等が正しく設置できるように努める。 - 2014 年度版 - 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.更生材料の挿入工 《 反転挿入工 》 水圧を用いて,更生材料を既設管内壁面に押圧しながら反転挿入する。 反転は,更生材料に負荷がかからぬように配慮し,所定の反転水頭高さ,反転速度で行う。 また,シワ等がなるべく発生しないよう十分に注意して作業を行う。 反転水頭高さおよび反転速度は,データシートに記録する。 所定の反転水頭高の管理値は,更生材径と更生材厚さにより異なるため,詳細はメーカーに 確認すること。 《反転作業・実施内容及び留意点》 ①反転水頭高さ 管径毎の標準反転水頭高さ 更生材の管径および部材厚より反転水頭高さを算出する。 反転水頭高さは,データシートに記録する。 反転中は,出来る限り反転水頭高さを維持し,急激な水頭高さの上昇,下降がないよう に十分注意する。 標準反転水頭高さ(例) φ200mm~φ600mm・・・・反転圧力 0.013MPa~0.092MPa ②反転速度 更生材料の標準反転速度 標準反転速度は,管径によりことなるが,いずれの管径でも下記に示す最大反転速度以 下とする。 最大反転速度:3.0m/min 程度以下 ③潤滑剤の塗布 摩擦抵抗を減らす為に潤滑液を反転タワー内に注入しておく。 ④更生材料の傷付け防止策 マンホール口環,管口に更生材料保護のための養生を施す。 更生材料端部養生は,更生材料が傷まないように保護シート等を被せる。 また,更生材料の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 - 2014 年度版 - 9.硬化工 更生材料の硬化作業は,更生材内の温水循環ホース内に温水を循環させることにより行う。 温度センサーを発進側の既設管と更生材の間に設置し,温度測定を連続的にチャート紙に記 録する。また,硬化工中の水頭高さをデータシートに記録する。 以上のことにより,硬化温度管理,硬化時間管理および冷却養生時間管理等を行う。 《硬化工 実施内容および留意点》 管径毎の標準硬化時水頭高さ 硬化時は,水頭高さが下記の数値を超えないように注意する。 常温時危険水頭高さ:2.6m~9.2m 加熱時危険水頭高さ:2.3m~8.1m 管径毎の標準硬化時圧力 管径毎の標準硬化時間 循環水の加熱は,80℃まで, 温度(℃) 拡径工程時に設定した施工圧力を維持することを原則とする。 140 40 分~60 分を目安に徐々に 100 温度を上げていく。送り温水 80 の温度が 70℃になった時点 60 で 30 分間、70℃を保持し、そ 40 の後、戻り温度が 80℃にな 20 るまで加熱する。 加熱時間 80℃まで40~60分 120 70℃養生 30分 養生時間 80℃60分~180分(図-4参照) 冷却時間 30分~60分 注1 この図は参考図であり、実施工においては 現場条件により異なる。 注2 加熱時間は、ライナーの初期温度、気温、循 環水温度、およびボイラー車台数により、 変化する。冷却時間も同様。 0 0 50 100 150 200 温度-時間関係図(例) 図-1 温度-時間標準関係図 250 300 時間(分) - 2014 年度版 - ただし,上記の加熱時間は目安であり,ライナーの初期温度,気温,循環水温およびボイラ ー能力等の現場条件により変化する。 参考として,図-1 に加熱から冷却までの温度-時間 標準関係図を示す。 80℃に水温を上昇させた後,更生材 標準養生時間 200 厚さ毎の標準養生時間は以下のと 180 3.0mm-60 分,4.5mm-70 分, 160 6.0mm-100 分,以降,1.5mm 増 140 毎に養生時間 30 分追加,10.5mm 120 以上は 180 分で一定とする。 既設管に浸入水がない場合の標準 養生時間 [min] おりとする。 180 160 120 100 養生時間を図-2 に示す。 硬化時の温度計測は以下のとおり 80 80 60 であり,循環戻り水の温度を管理に 40 使用する。 20 60 0 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 ライナー厚さ [mm] 図-2 標準養生時間 《硬化時温度計測》 測 点:発進側の既設管と更生材の間 計測回数:チャート紙による連続記録 《養生時間および冷却時間管理》 所定の養生時間が経過したら外部の冷水を循環水中に入れて冷却を行う。 水温が 40℃以下になったら排水する。 冷却時間は,およそ 30~60 分を目安とする。冷却時間も加熱時間同様,現場条件により 変化する。 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 テストピースは施工に用いた更生材と同一ロットの材料とする。 《性能試験用テストピース採取 実施内容及び留意点》 採取場所・・・・施工に用いる更生材と同一ロットから未硬化の平板状テストピースを採取。 硬化方法: ① 未硬化材料をテストピース採取用治具に入れ,固定する。 25 - 2014 年度版 - ② 採取用治具をボイラー車と発進側治具の途中に接続し,施工スパンと同条件で加熱硬 化させる。 ③ 施工現場と同条件で養生および冷却を行う。 ④ テストピースを採取用治具から取り出し,目視で表面状態を確認し,ノギス等で厚さ を確認する。 図-3 テストピース採取用器具取付け平面 図 11.出来形管理 共通項目参照。 図-4 テストピース採取用器具 - 2014 年度版 - ホースライニング工法 1.工法概要 ホースライニング工法は,円筒状に製織した織物に熱可塑性樹脂を被覆した強靭なベースホー スの内側に不織布を引き込み,不織布に硬化性樹脂を含浸させたライニング材を反転機により下 水道管きょ内に圧縮空気で反転挿入し,管内面に圧着する。圧縮空気を蒸気に切り替えてライニ ング材を硬化させ,下水道管きょ内面にライニング管を形成する工法である。 下水道管きょ内に形成されたライニング管は,耐久性,耐薬品性に優れ,不織布の厚みを変え ることによりさまざまな設計に対応できる。 2.適用範囲 項 目 適 用 範 囲 管 種 管 径 φ150 mm~φ1,500 mm 段 差 40 mm 以下 備 考 鉄筋コンクリート管,コンクリート管,陶管 鋼管,鋳鉄管 曲 が り 10°以下 継手隙間 100 mm 以下 浸 入 水 2ℓ/min,0.05MPa までの浸入水は事前処理不要 φ150 mm~φ250 mm 未満 150 mm 以下 滞 留 水 240 mm 以下 φ250 mm~φ1,500 mm 建設技術 取得年度・・・・・・2005 年 3 月 民間開発技術審査 審査証明 変更年度・・・・・・2010 年 3 月 報告書:平成 3 年 建設技術審査証明以外の適用範囲及び最新データ等については,工法協会,メーカーの仕様を確 認する。 3.使用材料の物性 名 称 シールパイプ 材 項 目 硬化性樹脂 樹脂含浸用基材 材 料 構 成 質 備 不飽和ポリエステル樹脂 ポリエステル不織布 内面フィルム ポリエステル樹脂被膜 外面フィルム なし 硬化後一体化 考 - 2014 年度版 - 基 本 物 性 項 目 性 能 備 59 N/mm2 短期曲げ強度 ※-1 短期曲げ弾性係数 2,600 N/mm2 長期曲げ弾性係数 1,600 N/mm2 耐薬品性 合 耐摩耗性 ※-1 合 成形後収縮性 JIS K7171 JIS K7171 JIS K7116 JSWAS K-2 格 塩化ビニル管と同等以上 水密性 考 JIS K7204 JSWAS K-2 格 成形後 3.0 時間後に 軸方向長と周方 収縮がなく安定する 向長を計測確認 20 N/mm2 短期引張強度 ※-2 2,450 N/mm 短期引張弾性係数 2 ※-2 60 N/mm2 短期圧縮強度 ※-2 2,100 N/mm2 短期圧縮弾性係数 ※-2 JIS K7161 JIS K7161 JIS K7181 JIS K7181 ※―1:試験片が平板の場合の短期保証値 ※―2:試験片が平板で且つ管軸方向から採取した場合の短期保証値(耐震検討に用いる) 更生管のサンプル試験による物性 項 目 曲げ強度 曲げ弾性係数 性 能 47 N/mm 2 2,080 N/mm2 備 JIS K7171 を準用 JIS K7171 を準用 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 《事前処理工・実施内容および留意点》 ①高圧洗浄によるモルタル等の除去 考 - 2014 年度版 - 完全に除去ができるよう,TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ②管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出および木根等の除去を,TV カメラで監視し ながら行う。 ③多量の浸入水の仮止水(0.05MPa 以上の圧力が想定される場合) 更生材に変形をもたらすような水頭圧の高い浸入水がある場合は,仮止水を行う。 ④マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等があり,施工器具等が設置できない場合は,除去して施工器具等が正 しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.更生材料の挿入工 《反転工》 空気圧を用いて,更生材料を既設管内壁面に押圧しながら反転挿入する。地上で所定の長さを 自走反転圧力で反転する。 地上反転長さ(m)=(反転金具から管口までの距離)+0.5m 更生材の径膨張表で確認の上,反転圧力を決定し,反転速度は 6m/min 以下で,シワ等が発 生しないように充分に配慮して作業を行い,反転圧力,反転速度をデータシートに記録する。 温度センサーを上,下流側マンホール部の上部,下部の更生材と既設管の間および蒸気到達側 に設置したサイレンサー内に設置する。 《反転作業 実施内容および留意点》 管径毎の標準圧力 更生材の径膨張表で確認の上, 更生材の自走力を確認し,現場状況に合わせて圧力を決定する。 ①反転速度 ゆっくり反転をスタートし,反転機内のシールホースがたるまないように,反転速度は 6m/min 以下で行い,反転速度をデータシートに記入する。 ②反転圧力 急激な圧力上昇,圧力減衰がないように充分に注意する。 最低反転圧力(MPa)=(径膨張表によるフィット圧力)+0.02 9.硬化工 更生材料の硬化作業は,硬化時更生材料内圧力管理,硬化温度管理,硬化時間管理および冷却 - 2014 年度版 - 養生温度管理等を行う。更生材の硬化作業は,更生材内のサーモホース内あるいは直接更生材内 に蒸気を投入することにより行い,硬化時,更生材内圧力を連続的にチャート紙で記録し,温度 センサーを既設管と更生材間および蒸気到達側に設置したサイレンサー内に設置し,温度測定を 連続的にチャート紙を用いて行う。一定の加熱条件で更生材料を硬化させるために,必要に応じ 管内 TV 調査において不陸部でドレーン(蒸気の凝縮水)が溜まる位置がわかるので,ドレーン 抜きチューブを取り付け,その位置まで押していき,ドレーンを外部に除去する。 《硬化工 実施内容および留意点》 管径毎の標準硬化時圧力 更生材の標準硬化時圧力はフィット圧+0.02MPa とする。 標準硬化時間および管理方法 既設管と更生材との間の温度センサー部の温度を以下のグラフで管理する。 以下に浸入水がない場合の温度センサーによる管理特性をグラフ化し,示した。 詳細については,メーカーの仕様を確認する。 夏用樹脂使用系 90 40分 既設管と更生材との間の温度(℃) 80 80分 70 120分 60 50 40 昇温 養生 冷却 30 20 10 0 0 3 経過時間(時間) ①サーモホースを使用する場合は,サーモホース内の圧力は,シールホース内圧力よりも 0.03~ 0.08MPa 高くする。 ②到達側から蒸気がでるか,温度が 50℃を超えるとバイパスからシールホース内に蒸気を注入し, 空気圧と蒸気を切り替える。 ③硬化時,所定の圧力に保ち,硬化開始から終了まで連続的に測定し,チャート紙に記録する。 ④硬化時の管内温度を硬化開始から終了まで連続的に測定し,チャート紙に記録する。 《冷却養生管理》 蒸気を空気圧に変更し,温度センサーの温度が 50℃以下になるまで冷却し、チャート紙に記録す - 2014 年度版 - る。 10.性能確認試験用テストピース採取 《性能試験用テストピース採取,実施内容および留意点》 採取場所・・・施工に用いる更生材と同一ロットから未硬化の平板状テストピースを採取。 硬化方法: ①未硬化材料をテストピース採取用器具に入れ,所定のスペーサーを介在させ,鉄板で固定する。 ②取得器具を蒸気到達側に設置したサイレンサー内に入れ,施工スパンと同条件で加熱硬化する。 ③施工現場と同条件で冷却養生を行う。 ④テストピースを取得器具から取り出し,表面状態を目視で,厚さをノギス等で確認する。 テストピース採取用器具 11.出来形管理 共通項目参照。 継手隙間 50 mm 程度 浸 入 水 2 ℓ/min,0.05Mpa までの浸入水は事前処理不要 建設技術審査証明 取得年度・・・・・1993 年 5 月 更新年度・・・・・2007 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については,工法協会,メーカーの 仕様を確認する。 - 2014 年度版 - FFT-S工法 1.工法概要 FFT-S工法は,損傷や腐食した既設管きょ内部にFRPパイプを構築する非開削更生工法 である。更生材(樹脂含浸ガラスライナー)は,耐酸ガラス繊維等をサンドイッチ構造に貼り合 わせた材料に,熱硬化性の樹脂を含浸させたものである。 施工は,まず,更生材の保護と牽引力の低減を目的としたスリップシートを既設管きょ内に引 き込む。次に,更生材を引き込み空気圧で拡張させた後,蒸気と空気を混合させた熱風を供給し ながら硬化させ,FRPパイプを構築する。 更生材には次の2種類がある。両タイプともに,必要強度に応じて厚さを変えることができる。 ①主に自立管用の高い強度を有し,既設管への追従性があるGタイプ ②主に防食や止水用の適度な強度を有するLタイプ 2.適用範囲 項 目 適 用 範 囲 管 種 鉄筋コンクリート管,陶管,鋼管,鋳鉄管 管 径 φ150mm~φ800mm φ150~φ450――100m 施工延長 φ500~φ700―― 90m φ800――――――50m 段 差 10°以下 継手隙間 110mm 以下 滞 留 水 建設技術審査証明 考 φ230,φ380,φ530 等も可 中間マンホールを含む 連続区間の施工が可能 30mm 以下 曲 が り 浸 入 水 備 2L/分,0.05MPa までの浸入水は事前処 理不要だが、原則止水が望ましい。 100mm 以下 初取得年度・・・・・・・・・・・・・・・1998 年 3 月 最終変更年度・・・・・・・・・・・・・2012 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲及び最新データ等については,工法協会,メーカーの仕 様を確認する。 - 2014 年度版 - 3.使用材料の物性 名 称 FFT-S工法 樹脂含浸ガラスライナー 硬化性樹脂 材 料 構 成 不飽和ポリエステル樹脂 有機繊維:ポリエステル不織布 樹脂含浸用基材 ガラス繊維:耐酸性ガラスマット 内面コーティングフイルム ポリアミド、ポリエチレン複合(硬化後除去) 外面保護フイルム ポリアミド、ポリエチレン複合 基 本 物 性 項 目 G タイプ L タイプ 短期曲げ強度 140 N/mm 短期曲げ弾性係数 7,000 N/mm2 長期曲げ強度 66 N/mm2 長期曲げ弾性係数 5,170 N/mm2 短期引張強度 短期引張弾性係数 短期圧縮強度 短期圧縮弾性係数 2 * 80 N/mm2 * * 6,000 N/mm 2 * 60 N/mm2 4,000 N/mm2 備 考 60 N/mm 2 * 4,000 N/mm2 * JIS K7171 JIS K7171 47 N/mm2 JIS K7039 2,540 N/mm2 JIS K7035 40 N/mm2 * JIS K7161 2 * JIS K7161 4,000 N/mm * 40 N/mm2 * JIS K7181 2 2,000 N/mm2 * JIS K7181 合 格 耐摩耗性 塩ビと同等以上 耐ストレインコロージョン性 合 格 合 格 JIS K7034 0.1MPa 0.1MPa JSWAS K-2 成形後 4 時間以内に 成形後 4 時間以内に 軸方向と周方向 収縮がなく安定 収縮がなく安定 水密性 (内外水圧) 成形後収縮性 既設管への 1.5%の引張り 追従性 1°の屈曲 合 JSWAS K-2 耐薬品性 格 JIS A1452 塩ビと同等以上 - の長さを計測確認 協会法 備考 *:短期保証値 - 2014 年度版 - 4.施工前現場実測 共通項目参照 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照 6.事前処理工 施工前管きょ内調査の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 《事前処理工・ 実施内容及び留意点》 ①高圧洗浄水、または管内ロボットを用い、TVカメラで監視しながらモルタル、取付管突 き出し、木根等を除去する。 ②多量の浸入水の仮止水(0.05MPa 以上の圧力が想定される場合) 更生材に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は、仮止水を行う。 方法については、パッカー注入、部分補修等による止水の方法を検討し、当該現場に最も 適した方法で行う。 ③マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等が有り,施工冶具等が設置できない場合は,除去して施工冶具等 が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照 8.更生材の挿入工 《 引込工 》 管きょ内にロープ等を通線し,スリップシートの引き込みを行う。 次に、管きょ内にワイヤロープ等を通線し,更生材の引き込みを行う。 更生材の引き込みは適正な引込速度で行い,マンホール口環や管口等で更生材にダメージを 与えないように充分留意する。 なお、中間マンホールがある場合は、保護ジャケットを通過時に被せる。 - 2014 年度版 - 《引込作業・ 実施内容及び留意点》 管径毎の標準的な更生材引込速度 φ150mm~φ300mm・・・・ 3m/分程度 最大 5m/分 φ350mm~φ550mm・・・・ 2m/分程度 最大 5m/分 φ600mm~φ800mm・・・・ 1m/分程度 最大 5m/分 ①引き込み速度 引き込みは適正速度以内で行い,引込速度をデータシートに記入する。 ②更生材のネジレ防止 更生材のネジレ防止にスイベルジョイント(より戻し)を用いる。 ③スリップシートの設置 更生材引き込みに先立って、傷防止と引込力軽減のため、既設管内にスリップシートを 設置する。状況により,ライナーと同時に引き込むこともできる。 ④更生材の傷付け防止策 マンホール口環,管口に更生材保護のための養生を施す。 更生材端部養生は,更生材が痛まないように保護ジャッケット等を被せる。 また,更生材の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 9.硬化工 引込終了後,更生材端部を施工冶具(プラグ)に固定し,空気圧で拡径を行う。 拡径は更生材厚が均一になるよう,また,更生材に負荷がかからぬように配慮し,段階的 な昇圧を行う。 更生材の硬化管理は,硬化時更生材内圧力管理,硬化温度管理,硬化時間管理,冷却養生 時間管理等を行う。 《プラグ装着・ 実施内容及び留意点》 更生材に施工治具(プラグ)を装着する際に、更生材内面にあるインナーフォイルを傷付け ないよう注意をする。 《拡径および硬化圧力管理・ 実施内容及び留意点》 管径毎の拡径最終標準圧力 φ150mm~φ230mm・・・・0.060MPa φ250mm~φ500mm・・・・0.050MPa φ520mm~φ800mm・・・・0.035MPa 但し,既設管の状況によりフィット圧力が異なるため,上記の最終圧力はあくまで標 準的な目安であり,既設管の状況に応じて増,減の調整を行う。 ①拡径速度は、0.01MPa/分以下で管径毎の標準圧力まで、昇圧する。 ②拡径時に更生材に異常が無いことを目視にて確認し - 2014 年度版 - ③急激な圧力上昇,圧力減衰がないよう充分に注意し,硬化中は標準圧力を維持する。 計測した圧力,昇圧時間を硬化管理チャートに記録する。顕著 《硬化温度管理・ 実施内容及び留意点》 標準的な硬化時間と温度 ①昇温 蒸気流入側の温度を上げ、70~95℃とする。蒸気流出側温度が 70℃に到達するまで待つ。 ②前硬化・後硬化 蒸気流出側温度が 70℃に達した後、前硬化時間を計測する。前硬化時間が経過した後、 蒸気流入側温度をさらに上げ 105~125℃とし、後硬化を行なう。後硬化も時間の計測は蒸 気流出側温度が 105℃に達した後とする。蒸気流出側の上限はない。 既設管界面の更生材温度が、 前硬化・後硬化の間に一度でも 50℃を上回ることを確認する。 ③硬化時間(浸入水が無い場合) 前硬化・後硬化時間は、更生材の呼び厚により、次の時間を標準とする。 4mm ―――― 前硬化時間;60 分、後硬化; 60 分 6mm ―――― 前硬化時間;60 分、後硬化; 90 分 8mm以上 ―― 前硬化時間;60 分、後硬化;120 分 ④温度・圧力の計測位置 温度・圧力の計測位置は、蒸気流入流出側の 2 箇所とし、温度についてはさらに蒸気流出 側の既設管界面の更生材温度も計測する。 ⑤冷却 硬化完了後、蒸気の供給を止め、圧縮空気を連続的に送ることにより冷却を行なう。冷却 時間は、15 分以上、または流出側 60℃以下到達まで行う。 ⑥温度圧力の記録 硬化開始から冷却完了まで温度と圧力を連続的にモニタリングし、チャート紙に記録する。 詳細については,メーカーの仕様を確認する。 - 2014 年度版 - 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 テストピースは施工に用いた更生材と同一ロットの材料とする。 《性能試験用テストピース採取・ 実施内容及び留意点》 ①平板テストピース用材料を ボルト・ナット ボルト・ナット 下図(参考図)の治具に セットする。 ②施工と同一条件とするため、 施工時の蒸気流出側経路末 端に設置する。 テストピース用材料 蒸気 11.出来形管理 共通項目参照 ボルト・ナット・スペーサー ボルト・ナット・スペーサー - 2014 年度版 - オールライナー工法(温水施工) 1.工法概要 オールライナー工法は,工場で含浸されたライニング材(不織布に熱硬化性樹脂を含浸させ たもの)を既設人孔より本管内に引き入れた後、ライニング材に水圧をかけて拡径し、温水を循 環させ樹脂を硬化成形させることによって、既設管きょ内に新しい下水道管きょを形成する工 法である。 2.適用範囲 適 用 範 囲 項 目 管 種 鉄筋コンクリート管,陶管 管 径 φ150mm~φ1,500mm 段 差 30 ㎜以下の継手部 曲 が り 10°までの継手部 滞 留 水 100mm以下の部分的滞留水 継手隙間 100mm 以下の継手部 浸 入 水 建設技術審査証明 標準ライナー 備 考 低スチレンライナー 規格外管径も対応可 3.8 L/min,0.07MPa までの浸入水(標準ライナー) 2.0 L/min,0.05MPa までの浸入水(低スチレンライナー) 取得年度・・・・・1995 年 3 月 更新年度・・・・・2014 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については,工法協会,メーカーの 仕様を確認する。 - 2014 年度版 - 3.使用材料の物性 名 称 オールライナー 材 料 構 成 項 目 硬化性樹脂 標準ライナー材質 低スチレンライナー材質 不飽和ポリエステル樹脂 低スチレンビニルエステ ノンスチレンビニルエステ ル樹脂 ル樹脂 ノンスチレンビニルエス 備 考 テル樹脂 樹脂含浸用基材 ポリエステルフェルト ポリエステルフェルト 内面フィルム ポリウレタンフィルム ポリウレタンフィルム 硬化後一体化 外面フィルム ポリエチレンフィルム ポリエチレンフィルム 硬化後一体化 基 本 物 性 項 目 性 能 備 40N/mm 短期曲げ強度 考 JIS K 7171 2※-1 短期曲げ弾性係数 3,500N/mm2※-1 JIS K 7171 長期曲げ弾性係数 2,700N/m2 JIS K 7116 耐薬品性 合 格(JSWAS K-2) 耐摩耗性 合 格(JSWAS K-16) 新管と同等以上 JIS K 7204 水密性 合 格 JSWAS K-2 耐劣化性 合 格 JIS K7116 に準拠 成形後収縮性 成形後 2.5 時間後に収縮がなく安定する 引張強度 引張弾性係数 圧縮強度 圧縮弾性係数 20N/mm2※-2 3,500N/mm 2※-2 軸方向長と周方 向長を計測確認 JIS K 7161 JIS K 7161 90N/mm2※-2 JIS K 7181 3,500N/mm2※-2 JIS K 7181 ※-1:試験片が平板の場合の短期保証値 ※-2:試験片が平板で且つ管軸方向から採取した場合の短期保証値(耐震計算に用いる) 4.施工前現場実測 共通項目参照。 - 2014 年度版 - 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 《事前処理工 実施内容および留意点》 ①高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去ができるよう,TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ②管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出および木根等の除去を,TV カメラで監視 しながら行う。(既設管呼び径 800mm 未満) ③多量の浸入水の仮止水(0.07MPa 以上の圧力が想定される場合) 更生材に変形をもたらすような水頭圧の高い浸入水がある場合は,仮止水を行う。 方法については,パッカー注入,部分補修等による止水等の方法を検討し,当該現場に 最も適した方法で行う。 ④管きょ内に人が入っての事前処理作業(既設管呼び径 800mm 以上) 管きょ内に人が入ってモルタル除去等の作業が可能な場合は,流下する下水の水量,流 速等に充分注意して作業を行う。また,使用する機器は感電の恐れのない圧縮空気や高圧 水を用いるものを使用するようにする。 ⑤マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等があり,施工器具等が設置できない場合は,除去して施工器具 等が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.更生材料の挿入工 《引込工》 管きょ内にワイヤロープ等を通線し,到達側人孔内にガイドローラーを取り付け,電動ウイ ンチを使用して更生材料の引き込みを行う。 引き込みは適正な引込速度で行い,マンホール口環や管口等で更生材にダメージを与えない ように充分留意する。 引込終了後,更生材料端部を施工器具に固定し,水圧で拡径を行う。 拡径は更生材料厚みが均一になるよう,また,更生材料に負荷がかからぬように配慮し,所 - 2014 年度版 - 定の拡径圧力で行う。所定の拡径圧力までは段階的に昇圧する。 フィット圧力,管理圧力,および危険圧力の管理値は,更生材呼び径と更生材呼び厚さによ り異なるため,メーカーに確認すること。 《引込作業 実施内容および留意点》 最大更生材引込速度 最大引込速度:4.0m/min 程度以下 ①引込速度 更生材の引き込みは,最大引込速度以下で行う。 引込速度はデータシートに記入する。 ②潤滑剤の塗布 大口径,また長尺および重量のあるものについては,摩擦抵抗を減らす為に潤滑剤を下 部に塗布する。または,既設管内に水をはる事で摩擦抵抗を減らすとともに,浮力を利用 して引き込む。 ③更生材料の傷付け防止策 マンホール口環,管口に更生材料保護のための養生を施す。 更生材料端部養生は,更生材料が傷まないように保護シート等を被せる。 また,更生材料の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 《事前処理工 実施内容および留意点》 標準拡径方法(オールライナー) ⅰ)管理圧力下限値に圧力を設定する。 ⅱ)既設管と更生材のフィット状態を確認し,隙間なくフィットして余尺側が僅かにふくらん でいれば,この圧力を施工圧力とする。 ⅲ)既設管と更生材との間に隙間があったり,余尺側の拡径が不十分だったりする場合は,既 設管と更生材のフィット状態を確認しながら,管理圧力上限値を目標に徐々に圧力を上げ ていく。また,この時の循環水温は 40℃を上限とする。 ⅳ)ⅲ)の状態での圧力を施工圧力とする。 管径毎の標準拡径圧力 φ150 ㎜~φ700 ㎜・・・・ 管理圧力下限 0.027MPa~0.116MPa 管理圧力上限 0.042MPa~0.183MPa φ800 ㎜~φ1,500 ㎜・・・・ 管理圧力下限 0.019MPa~0.055MPa 管理圧力上限 0.031MPa~0.080MPa ①急激な圧力上昇,圧力減衰がないよう充分に注意する。 ②計測した圧力,昇圧時間をデータシートに記入する。 温度(℃) - 2014 年度版 - 9.硬化工 更生材料の硬化作業は,更 生材内の温水循環ホース内に 140 加熱時間 80℃まで40~60分 120 冷却時間 30分~60分 養生時間 80℃60分~180分(図-4参照) 100 80 温水を循環させることにより 60 行う。 40 温度センサーを発進側の既 20 設管と更生材の間に設置し, 0 温度測定を連続的にチャート 70℃養生 30分 0 注1 この図は参考図であり、実施工においては 現場条件により異なる。 注2 加熱時間は、ライナーの初期温度、気温、循 環水温度、およびボイラー車台数により、 変化する。冷却時間も同様。 50 100 150 200 250 300 時間(分) 温度-時間関係図(例) 紙に記録する。また,拡径器 図-1 温度-時間標準関係図 具に設置した圧力計により,硬化工時の 更生材内圧力をデータシートに記録する。 標準養生時間 200 以上のことにより,硬化温度管理,硬 化時間管理および冷却養生時間管理等を 180 行う。 160 管径毎の標準硬化時圧力 拡径工程時に設定した施工圧力を維 持することを原則とする。 管径毎の標準硬化時間 120 80 80 60 循環水の加熱は,80℃まで,40 分~ 60 分を目安に徐々に温度を上げていく。 20 30 分間、70℃を保持し、その後、戻り温 120 100 40 送り温水の温度が 70℃になった時点で 160 140 実施内容および留意点》 養生時間 [min] 《硬化工 180 60 0 3 5 7 9 度が 80℃になるまで加熱する。 11 13 15 17 19 21 23 ライナー厚さ [mm] 図-2 標準養生時間 ただし,上記の加熱時間は目安であり,ライナーの初期温度,気温,循環水温およびボイラ ー能力等の現場条件により変化する。 参考として,図-1 に加熱から冷却までの温度-時間 標準関係図を示す。 80℃に水温を上昇させた後,更生材厚さ毎の標準養生時間は以下のとおりとする。 3.0mm、4.0mm-60 分,5.0mm-80 分,6.0mm-100 分,以降,1.0mm 増毎に養生時間 20 分追加,10mm 以上は 180 分で一定とする。 既設管に浸入水がない場合の標準養生時間を図-2 に示す。 硬化時の温度計測は以下のとおりであり,循環戻り水の温度を管理に使用する。 25 - 2014 年度版 - 硬化時温度計測 測 点:循環戻り水,発進側の既設管と更生材の間 計測回数:チャート紙による連続記録 養生時間および冷却時間管理 所定の養生時間が経過したら外部の冷水を循環水中に入れて冷却を行う。 水温が 40℃以下になったら排水する。 冷却時間は,およそ 30~60 分を目安とする。冷却時間も加熱時間同様,現場条件により変 化する。 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 テストピースは施工に用いた更生材と同一ロットの材料とする。 《性能試験用テストピース採取 実施内容および留意点》 採取場所・・・・施工に用いる更生材と同一ロットから未硬化の平板状テストピースを採取。 硬化方法: ① 未硬化材料をテストピース採取用器具に入れ,固定する。 ② 採取用器具をボイラー車と発進側器具の途中に接続し,施工スパンと同条件で加熱硬 化させる。 ③ 施工現場と同条件で養生および冷却を行う。 ④ テストピースを採取用器具から取り出し,目視で表面状態を確認し,ノギス等で厚さ を確認する。 図-3 テストピース採取用器具取付け平面 図 11.出来形管理 共通項目参照。 図-4 テストピース採取用器具 - 2014 年度版 - オールライナー工法(蒸気施工) 1.工法概要 オールライナー工法は,工場で含浸されたライニング材(不織布に熱硬化性樹脂を含浸させ たもの)を既設人孔より本管内に引き入れた後、ライニング材に空気圧をかけて拡径し、蒸気を 循環させ樹脂を硬化成形させることによって、既設管きょ内に新しい下水道管きょを形成する 工法である。 2.適用範囲 適 用 範 囲 項 目 管 種 鉄筋コンクリート管,陶管 管 径 φ300mm~φ1,000mm 段 差 30 ㎜以下の継手部 曲 が り 10°までの継手部 滞 留 水 100mm以下の部分的滞留水 継手隙間 100mm 以下の継手部 浸 入 水 建設技術審査証明 標準ライナー 備 考 低スチレンライナー 規格外管径も対応可 3.8 L/min,0.07MPa までの浸入水(標準ライナー) 2.0 L/min,0.05MPa までの浸入水(低スチレンライナー) 取得年度・・・・・2007 年 3 月 変更年度・・・・・2014 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については,工法協会,メーカーの 仕様を確認する。 - 2014 年度版 - 3.使用材料の物性 名 称 オールライナー 材 料 構 成 項 目 硬化性樹脂 標準ライナー材質 低スチレンライナー材質 不飽和ポリエステル樹脂 低スチレンビニルエステ ノンスチレンビニルエステ ル樹脂 ル樹脂 ノンスチレンビニルエス 備 考 テル樹脂 樹脂含浸用基材 ポリエステルフェルト ポリエステルフェルト 内面フィルム ポリウレタンフィルム ポリウレタンフィルム 硬化後一体化 外面フィルム ポリエチレンフィルム ポリエチレンフィルム 硬化後一体化 基 本 物 性 項 目 性 能 備 40N/mm 短期曲げ強度 考 JIS K 7171 2※-1 短期曲げ弾性係数 3,500N/mm2※-1 JIS K 7171 長期曲げ弾性係数 2,700N/m2 JIS K 7116 耐薬品性 合 格(JSWAS K-2) 耐摩耗性 合 格(JSWAS K-16) 新管と同等以上 JIS K 7204 水密性 合 格 JSWAS K-2 耐劣化性 合 格 JIS K7116 に準拠 成形後収縮性 成形後 2.5 時間後に収縮がなく安定する 引張強度 引張弾性係数 圧縮強度 圧縮弾性係数 20N/mm2※-2 3,500N/mm 2※-2 軸方向長と周方 向長を計測確認 JIS K 7161 JIS K 7161 90N/mm2※-2 JIS K 7181 3,500N/mm2※-2 JIS K 7181 ※-1:試験片が平板の場合の短期保証値 ※-2:試験片が平板で且つ管軸方向から採取した場合の短期保証値(耐震計算に用いる) 4.施工前現場実測 共通項目参照。 - 2014 年度版 - 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 《事前処理工 実施内容および留意点》 ①高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去ができるよう,TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ②管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出および木根等の除去を,TV カメラで監視 しながら行う。(既設管呼び径 800mm 未満) ③多量の浸入水の仮止水(0.07MPa 以上の圧力が想定される場合) 更生材に変形をもたらすような水頭圧の高い浸入水がある場合は,仮止水を行う。 方法については,パッカー注入,部分補修等による止水等の方法を検討し,当該現場に 最も適した方法で行う。 ④管きょ内に人が入っての事前処理作業(既設管呼び径 800mm 以上) 管きょ内に人が入ってモルタル除去等の作業が可能な場合は,流下する下水の水量,流 速等に充分注意して作業を行う。また,使用する機器は感電の恐れのない圧縮空気や高圧 水を用いるものを使用するようにする。 ⑤マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等があり,施工器具等が設置できない場合は,除去して施工器具 等が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.更生材料の挿入工 《引込工》 管きょ内にワイヤロープ等を通線し,到達側人孔内にガイドローラーを取り付け,電動ウイ ンチを使用して更生材料の引き込みを行う。 引き込みは適正な引込速度で行い,マンホール口環や管口等で更生材にダメージを与えない ように充分留意する。 引込終了後,更生材料端部を施工器具に固定し,空気圧で拡径を行う。 拡径は更生材料厚みが均一になるよう,また,更生材料に負荷がかからぬように配慮し,所 定の拡径圧力で行う。所定の拡径圧力までは段階的に昇圧する。 - 2014 年度版 - フィット圧力,管理圧力,および危険圧力の管理値は,更生材呼び径と更生材呼び厚さによ り異なるため,メーカーに確認すること。 《引込作業 実施内容および留意点》 最大更生材引込速度 最大引込速度:4.0m/min 程度以下 ①引込速度 更生材の引き込みは,最大引込速度以下で行う。 引込速度はデータシートに記入する。 ②潤滑剤の塗布 大口径,また長尺および重量のあるものについては,摩擦抵抗を減らす為に潤滑剤を下 部に塗布する。または,既設管内に水をはる事で摩擦抵抗を減らすとともに,浮力を利用 して引き込む。 ③更生材料の傷付け防止策 マンホール口環,管口に更生材料保護のための養生を施す。 更生材料端部養生は,更生材料が傷まないように保護シート等を被せる。 また,更生材料の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 《事前処理工 実施内容および留意点》 標準拡径方法(オールライナー) ⅰ)管理圧力下限値に圧力を設定する。 ⅱ)既設管と更生材のフィット状態を確認し,隙間なくフィットして余尺側が僅かにふくらん でいれば,この圧力を施工圧力とする。 ⅲ)既設管と更生材との間に隙間があったり,余尺側の拡径が不十分だったりする場合は,既 設管と更生材のフィット状態を確認しながら,管理圧力上限値を目標に徐々に圧力を上げ ていく。また,この時の蒸気温度は 60℃を上限とする。 ⅳ)ⅲ)の状態での圧力を施工圧力とする。 管径毎の標準拡径圧力 φ300 ㎜~φ700 ㎜・・・・ 管理圧力下限 0.027MPa~0.052MPa 管理圧力上限 0.044MPa~0.121MPa φ800 ㎜~φ1,000 ㎜・・・・ 管理圧力下限 0.023MPa~0.055MPa 管理圧力上限 0.039MPa~0.080MPa ①急激な圧力上昇,圧力減衰がないよう充分に注意する。 ②計測した圧力,昇圧時間をデータシートに記入する。 - 2014 年度版 - 更生材料の硬化作業は,更 生材内の温水循環ホース内 に蒸気を循環させることに より行う。 温度センサーを発進側の 既設管と更生材の間に設置 し,温度測定を連続的にチャ ート紙に記録する。また,拡 温度(℃) 9.硬化工 140 加熱時間 120 30 分~60 分 100 80 送り 75℃×20 分保持段階 60 送り 70℃×20 分保持段階 40 20 注1 この図は参考図であり、実施工においては 現場条件により異なる。 注2 加熱時間は、ライナーの初期温度、ライナー 径と長さ、気温等により、変化する。 冷却時間も同様。 0 0 50 100 150 より,硬化工時の更生材内圧 化時間管理および冷却養生時間管理等を 160 行う。 140 持することを原則とする。 管径毎の標準硬化時間 循環水の加熱は,80℃まで,40 分~ 養生時間 [min] 180 拡径工程時に設定した施工圧力を維 300 時間(分) 標準養生時間 以上のことにより,硬化温度管理,硬 管径毎の標準硬化時圧力 250 200 力をデータシートに記録する。 実施内容および留意点》 200 図-1 温度-時間標準関係図 径器具に設置した圧力計に 《硬化工 冷却時間 養生時間 80℃60 分~180 分 戻り 80℃まで 40~60 分 180 160 120 120 100 80 80 60 60 40 20 60 分を目安に徐々に温度を上げていく。 送り蒸気の温度が 70℃になった時点で 0 3 5 7 9 20 分間、75℃で 20 分間保持し、その後、 戻り温度が 80℃になるまで加熱する。 11 13 15 17 19 21 23 ライナー厚さ [mm] 図-2 標準養生時間 ただし,上記の加熱時間は目安であり,ライナーの初期温度,気温,循環蒸気温度およびボ イラー能力等の現場条件により変化する。 参考として,図-1 に加熱から冷却までの温度-時間 標準関係図を示す。 80℃に水温を上昇させた後,更生材厚さ毎の標準養生時間は以下のとおりとする。 3.0mm、4.0mm-60 分,5.0mm-80 分,6.0mm-100 分,以降,1.0mm 増毎に養生時間 20 分追加,10mm 以上は 180 分で一定とする。 既設管に浸入水がない場合の標準養生時間を図-2 に示す。 硬化時の温度計測は以下のとおりであり,戻り蒸気の温度を管理に使用する。 25 - 2014 年度版 - 硬化時温度計測 測 点:戻り蒸気,発進側の既設管と更生材の間 計測回数:チャート紙による連続記録 養生時間および冷却時間管理 所定の養生時間が経過したら圧縮空気をライナーに入れて冷却を行う。 蒸気が 50℃以下になるまで冷却する。 冷却時間は,およそ 30~60 分を目安とする。冷却時間も加熱時間同様,現場条件により変 化する。 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 テストピースは施工に用いた更生材と同一ロットの材料とする。 《性能試験用テストピース採取 実施内容および留意点》 採取場所・・・・施工に用いる更生材と同一ロットから未硬化の平板状テストピースを採取。 硬化方法: ① 未硬化材料をテストピース採取用器具に入れ,固定する。 ② 採取用器具をボイラー車と発進側器具の途中に接続し,施工スパンと同条件で加熱硬 化させる。 ③ 施工現場と同条件で養生および冷却を行う。 ④ テストピースを採取用器具から取り出し,目視で表面状態を確認し,ノギス等で厚さ を確認する。 図-3 テストピース採取用器具取付け平面 図 11.出来形管理 共通項目参照。 図-4 テストピース採取用器具 - 2014 年度版 - オールライナーZ工法 1.工法概要 オールライナーZ工法は,工場で含浸されたライニング材(不織布とガラス繊維に熱硬化性 樹脂を含浸させたもの)を既設人孔より本管内に引き入れた後、ライニング材に水圧をかけて拡 径し、温水を循環させ樹脂を硬化成形させることによって、既設管きょ内に新しい下水道管きょ を形成する工法である。 更生材は、ガラス繊維を配置することで強度を向上させており、また、耐酸性ガラス繊維の使 用により、酸性雰囲気下での耐久性を向上させている。 2.適用範囲 項 目 管 種 鉄筋コンクリート管,陶管 管 径 φ200mm~φ1,050mm 段 差 20 ㎜以下の継手部 曲 が り 10°までの継手部 滞 留 水 100mm以下の部分的滞留水 継手隙間 50mm 以下の継手部 浸 入 水 建設技術審査証明 適 用 範 囲 備 考 規格外管径も対応可 3.8 L/min,0.07MPa までの浸 入水 取得年度・・・・・2000 年 12 月 変更年度・・・・・2013 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については,工法協会,メーカーの 仕様を確認する。 - 2014 年度版 - 3.使用材料の物性 名 称 オールライナーZ 材 料 構 成 項 目 硬化性樹脂 材 質 備 考 不飽和ポリエステル樹脂 ノンスチレンビニルエステル樹脂 樹脂含浸用基材 ポリエステルフェルト 耐酸性ガラス繊維 内面フィルム ポリウレタンフィルム 硬化後一体化 外面フィルム ポリエチレンフィルム 硬化後一体化 基 本 物 性 項 目 性 能 100N/mm2※-1 短期曲げ強度 備 考 JIS K 7171 6,000N/mm JIS K 7171 長期曲げ強度 42N/mm2 JIS K 7039 長期曲げ弾性係数 5,371N/m2 JIS K 7035 2※-1 短期曲げ弾性係数 耐薬品性 合 耐摩耗性 格 新管と同等以上 JSWAS K-2 JIS K 7204 水密性 合 格 JSWAS K-2 耐ストレインコロージョン性 合 格 JIS K 7034 軸方向長と周方 成形後収縮性 成形後 2.5 時間後に収縮がなく安定する 短期引張強度 45N/mm2※-2 JIS K 7161 5,000N/mm2※-2 JIS K 7161 短期引張弾性係数 90N/mm 2※-2 短期圧縮強度 短期圧縮弾性係数 5,000N/mm2※-2 既設管への追従性 地盤変位に伴う既設管への追従性を有する 向長を計測確認 JIS K 7181 JIS K 7181 ※-1:試験片が平板の場合の短期保証値 ※-2:試験片が平板で且つ管軸方向から採取した場合の短期保証値(耐震計算に用いる) 4.施工前現場実測 共通項目参照。 - 2014 年度版 - 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 《事前処理工 実施内容および留意点》 ①高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去ができるよう,TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ②管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出および木根等の除去を,TV カメラで監視 しながら行う。(既設管呼び径 800mm 未満) ③多量の浸入水の仮止水(0.07MPa 以上の圧力が想定される場合) 更生材に変形をもたらすような水頭圧の高い浸入水がある場合は,仮止水を行う。 方法については,パッカー注入,部分補修等による止水等の方法を検討し,当該現場に 最も適した方法で行う。 ④管きょ内に人が入っての事前処理作業(既設管呼び径 800mm 以上) 管きょ内に人が入ってモルタル除去等の作業が可能な場合は,流下する下水の水量,流 速等に充分注意して作業を行う。また,使用する機器は感電の恐れのない圧縮空気や高圧 水を用いるものを使用するようにする。 ⑤マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等があり,施工器具等が設置できない場合は,除去して施工器具 等が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.更生材料の挿入工 《引込工》 管きょ内にワイヤロープ等を通線し,到達側人孔内にガイドローラーを取り付け,電動ウイ ンチを使用して更生材料の引き込みを行う。 引き込みは適正な引込速度で行い,マンホール口環や管口等で更生材にダメージを与えない ように充分留意する。 引込終了後,更生材料端部を施工器具に固定し,水圧で拡径を行う。 拡径は更生材料厚みが均一になるよう,また,更生材料に負荷がかからぬように配慮し,所 定の拡径圧力で行う。所定の拡径圧力までは段階的に昇圧する。 - 2014 年度版 - フィット圧力,管理圧力,および危険圧力の管理値は,更生材呼び径と更生材呼び厚さによ り異なるため,メーカーに確認すること。 《引込作業 実施内容および留意点》 最大更生材引込速度 最大引込速度:4.0m/min 程度以下 ①引込速度 更生材の引き込みは,最大引込速度以下で行う。 引込速度はデータシートに記入する。 ②潤滑剤の塗布 大口径,また長尺および重量のあるものについては,摩擦抵抗を減らす為に潤滑剤を下 部に塗布する。または,既設管内に水をはる事で摩擦抵抗を減らすとともに,浮力を利用 して引き込む。 ③更生材料の傷付け防止策 マンホール口環,管口に更生材料保護のための養生を施す。 更生材料端部養生は,更生材料が傷まないように保護シート等を被せる。 また,更生材料の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 《事前処理工 実施内容および留意点》 標準拡径方法(オールライナーZ) ⅰ)管理圧力下限値に圧力を設定する。 ⅱ)既設管と更生材のフィット状態を確認しながら,管理圧力上限値(40℃未満)を目標に徐々に 圧力を上げていく。また,この時の循環水温は 40℃未満とする。 ⅲ)ライナーがフィットしたことを確認したら、フィット状態を維持できる最小値まで圧力を 下げる。但し管理圧力下限値を下回らないようにする。 ⅳ)拡径状態がⅱ)の状態になった時点で,昇圧を止め,施工圧力とする。 管径毎の標準拡径圧力 φ150 ㎜~φ700 ㎜・・・・ 管理圧力下限 0.049MPa~0.089MPa 管理圧力上限(40℃未満) 0.070MPa~0.126MPa 管理圧力上限(40℃以上) 0.063MPa~0.115MPa ①急激な圧力上昇,圧力減衰がないよう充分に注意する。 ②計測した圧力,昇圧時間をデータシートに記入する。 - 2014 年度版 - 更生材料の硬化作業は,更 生材内の温水循環ホース内に 温水を循環させることにより 温度(℃) 9.硬化工 140 加熱時間 80℃まで40~60分 120 100 80 行う。 温度センサーを発進側の既 設管と更生材の間に設置し, 70℃養生 30分 60 注1 この図は参考図であり、実施工においては 現場条件により異なる。 注2 加熱時間は、ライナーの初期温度、気温、循 環水温度、およびボイラー車台数により、 変化する。冷却時間も同様。 40 20 温度測定を連続的にチャート 紙に記録する。また,拡径器 0 0 50 100 150 硬化工時の更生材内圧力をデータシート 化時間管理および冷却養生時間管理等を 160 行う。 140 養生時間 [min] 180 拡径工程時に設定した施工圧力を維 120 80 管径毎の標準硬化時間 40 送り温水の温度が 70℃になった時点で 160 100 60 60 分を目安に徐々に温度を上げていく。 180 120 持することを原則とする。 循環水の加熱は,80℃まで,40 分~ 300 時間(分) 標準養生時間 以上のことにより,硬化温度管理,硬 管径毎の標準硬化時圧力 250 200 に記録する。 実施内容および留意点》 200 温度-時間関係図(例) 図-1 温度-時間標準関係図 具に設置した圧力計により, 《硬化工 冷却時間 30分~60分 養生時間 80℃60分~180分(図-4参照) 80 60 20 0 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 ライナー厚さ [mm] 30 分間、70℃を保持し、その後、戻り温 度が 80℃になるまで加熱する。 図-2 標準養生時間 ただし,上記の加熱時間は目安であり,ライナーの初期温度,気温,循環水温およびボイラー 能力等の現場条件により変化する。 参考として,図-1 に加熱から冷却までの温度-時間 標準関係図を示す。 80℃に水温を上昇させた後,更生材厚さ毎の標準養生時間は以下のとおりとする。 3.0mm、4.0mm-60 分,5.0mm-80 分,6.0mm-100 分,以降,1.0mm 増毎に養生時間 20 分追加,10mm 以上は 180 分で一定とする。 既設管に浸入水がない場合の標準養生時間を図-2 に示す。 硬化時の温度計測は以下のとおりであり,循環戻り水の温度を管理に使用する。 25 - 2014 年度版 - 硬化時温度計測 測 点:循環戻り水,発進側の既設管と更生材の間 計測回数:チャート紙による連続記録 養生時間および冷却時間管理 所定の養生時間が経過したら外部の冷水を循環水中に入れて冷却を行う。 水温が 40℃以下になったら排水する。 冷却時間は,およそ 30~60 分を目安とする。冷却時間も加熱時間同様,現場条件により変 化する。 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 テストピースは施工に用いた更生材と同一ロットの材料とする。 《性能試験用テストピース採取 実施内容および留意点》 採取場所・・・・施工に用いる更生材と同一ロットから未硬化の平板状テストピースを採取。 硬化方法: ① 未硬化材料をテストピース採取用器具に入れ,固定する。 ② 採取用器具をボイラー車と発進側器具の途中に接続し,施工スパンと同条件で加熱硬 化させる。 ③ 施工現場と同条件で養生および冷却を行う。 ④ テストピースを採取用器具から取り出し,目視で表面状態を確認し,ノギス等で厚さ を確認する。 図-3 テストピース採取用器具取付け平面 図 11.出来形管理 共通項目参照。 図-4 テストピース採取用器具 - 2014 年度版 - パルテム SZ 工法 1.工法概要 パルテム SZ 工法は,現場硬化型の下水道管更生工法である。パルテム SZ 工法で更生材料 として使用する SZ ライナーは主に,耐下水環境用部材であるベースホースと,強度部材であ る熱硬化性樹脂シートで構成される。 SZ ライナーの最内層に位置するベースホースは,継ぎ目なく円筒状に製織された織布を基 材とした補強体である。ベースホースの内面には熱可塑性樹脂を被覆しており,耐薬品性, 耐摩耗性,水密性,地盤追従性に優れる。 施工ではベースホースに圧縮空気と蒸気を注入して拡張し,SZ ライナーを既設管に密着さ せる。蒸気の加熱により熱硬化性樹脂シートが硬化した SZ ライナーを,SZ パイプと呼ぶ。 SZ パイプにより老朽管を新管同等に甦らせることができる。パルテム SZ 工法は 2013 年度末 までに,390km の施工実績がある。 2.適用範囲 項 目 適 用 範 囲 管 種 鉄筋コンクリート管,陶管,鋼管,コンクリート管 管 径 φ200 mm~φ800 mm 段 差 30 mm 以下 曲 が り 10°以下 滞 留 水 50 mm 以下であれば施工可 継手隙間 50 mm 以下 浸 入 水 2ℓ/min, 0.05MPa までの浸入水は事前処理不要 建設技術審査証明 備 考 10 mm 毎に施工 検討可 取得年度・・・・・・1994 年 3 月 変更年度・・・・・・2015 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲及び最新データなどについては,工法協会,メーカーの 仕様を確認する。 - 2014 年度版 - 3.使用材料の物性 名 称 SZ パイプ 材 項 目 料 構 成 材 硬化性樹脂 樹脂含浸用基材 質 備 考 備 考 不飽和ポリエステル樹脂 耐酸ガラス繊維, ポリエステル製円筒織物, ポリエステル繊維製平織物 内面フィルム 熱可塑性エラストマー 外面フィルム なし 基 本 物 性 項 目 短期曲げ強度 性 N/mm2 ※-1 JIS K7171 2 ※-1 JIS K7171 N/mm2 JIS K7039 4,800 N/mm2 JIS K7035 110 短期曲げ弾性係数 6,700 N/mm 長期曲げ強度 50 長期曲げ弾性係数 耐薬品性 合 耐摩耗性 能 格 JSWAS K-2 新管と同等以上 水密性 耐ストレインコロ ージョン性 成形後収縮性 格 JSWAS K-2 合 格 JIS K 7034 成形後 1.5 時間後に 軸方向長と周方 収縮がなく安定する 向長を計測確認 2 ※-2 JIS K7161 6,000 N/mm2 ※-2 JIS K7161 N/mm2 ※-2 JIS K7181 2 ※-2 JIS K7181 60 短期圧縮強度 110 短期圧縮弾性係数 K7204 合 短期引張強度 短期引張弾性係数 JIS N/mm 6,000 N/mm ※―1:試験片が平板の場合の短期保証値 ※―2:試験片が平板で且つ管軸方向から採取した場合の短期保証値(耐震検討に用いる) 更生管のサンプル試験による物性 項 曲げ強度 曲げ弾性係数 目 性 能 備 考 2 JIS K7171 を準用 5,300 N/mm2 JIS K7171 を準用 80 N/mm - 2014 年度版 - 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 《事前処理工・実施内容および留意点》 ① 高圧洗浄によるモルタル等の除去 高圧洗浄によりモルタル等が完全に除去ができるよう,TV カメラ等で監視しながら作業 を行う。 ② 取付け管突出や木根等の除去 管内ロボットを用いて取付け管突出や木根等が除去できるよう,TV カメラ等で監視しな がら作業を行う。 ③ 多量の浸入水の仮止水 更生材料に変形をもたらすような水頭圧の高い浸入水がある場合は,仮止水を行う。 パッカー注入や部分補修等による止水方法を検討し,当該現場に最も適した方法で行う。 ④ マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等があり端末金具等が設置できない場合は除去して,端末金具等 が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 - 2014 年度版 - 8.更生材料の挿入工 《引込工》 管きょ内にワイヤロープ等を通線し,更生材料の引き込みを行う。 引き込みは適正な引込速度で行い,マンホール口環や管口等で更生材料を傷付けないように 充分留意する。 《引込工・実施内容および留意点》 最大引込速度:6.4m/min ① 引込速度 引込は適正速度以内で行う。 ② 更生材料のねじれ防止 更生材料のねじれ防止に接続ベルトを用いる。 ③ 引込抵抗の軽減 引込工程で更生材料に抵抗がかかると予想される場合は,管内にアンダーシートを引き 込んでおく。 ④ 更生材料の傷付け防止策 マンホール口環や管口で更生材料に傷や汚れが付きそうな場合は,保護のための養生を 施す。 9.硬化工 引込終了後,更生材料端部に端末金具を取り付ける。硬化工では,端末金具から更生材料内 に圧縮空気と蒸気を注入して拡張・加熱し,既設管に密着させ硬化させる。また,硬化工時 の更生材料の管内圧力,管内温度,管底温度,加熱時間および冷却養生時間等を管理する。 管底温度は,更生材料の管底に挿入した温度センサーにより測定する。 《拡張工・実施内容および留意点》 拡張方法 ① 60~65℃の蒸気で,管内圧力が 0.01MPa になるまで更生材料を拡張する。 ② 60~65℃の蒸気で,管内圧力を 1 分毎に 0.01MPa ずつ昇圧する。 ③ 指定された保持圧力に達したら,硬化工終了まで圧力を保持する。 拡張工時の留意点 ① 急激な圧力上昇,圧力減衰がないよう充分に注意する。 ② 更生材料の管内圧力,管内温度,管底温度,加熱時間をチャート紙に記録する。 - 2014 年度版 - 《硬化工(熱硬化)・実施内容および留意点》 硬化方法 ① 予備加熱として 90~95℃の蒸気を供給し, 20 分間養生する。 ② 供給する蒸気温度を 5 分毎に 5℃ずつ,140℃を上限として,可能な限り昇温する。 ③ 下表に示す通り,管底温度が達した温度により,それぞれ一定時間加熱する。 管底温度 加熱時間 70℃以上 120 分以上 75℃以上 90 分以上 80℃以上 60 分以上 詳細については,メーカーの仕様を確認する。 硬化工時の留意点 ① 指定された保持圧力±0.02MPa の範囲を維持することを原則とする。 ② 管内温度は 140℃を超えてはならない。 ③ 硬化は更生材料厚みや管径に関係なく,管底温度から判断する。 《冷却工》 加熱終了後, 蒸気を圧縮空気に切り替えて,管内温度が 70℃以下になるまで管内を冷却する。 冷却時の管内圧力は 0.01MPa~保持圧力とする。 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースを採取する。 テストピースは施工に用いた更生材料と同一ロットの材料とする。 《性能試験用テストピース採取(熱硬化)・実施内容および留意点》 採取場所・・・施工に使用する更生材料と同一ロットから未硬化の平板状テストピースを採取。 硬化方法: ① 施工に用いる更生材料と同一ロットの未硬化平板を,下図に示すテストピース採取用器 具に挟む。 ② テストピース採取用器具を施工時の蒸気排出側で使用しているサイレンサー内に設置す る。 ③ 排出蒸気を使用することで,施工条件と同条件で平板テストピースを硬化させる。 - 2014 年度版 - テストピース採取用器具 11.出来形管理 共通項目参照。 - 2015 年度版 - シームレスシステム工法 1.工法概要 シームレスシステム工法は、光硬化方式により本管、取付管を一体的に更生する技術で あり、本管更生のメインライナー形成工、取付管更生のラテラルライナー形成工および取 付管の接合部更生のユナイトライナー形成工の 3 工程から成り立っている。 この内、本管更生工であるメインライナー形成工については、工法分類は形成工法に属 し、形成方式は光硬化、材料特性は耐酸性特殊ガラス繊維を補強材とした FRP であり、 強度と耐久性に優れたものとなっている。 2.適用範囲 項 目 適 用 範 囲 備 考 鉄筋コンクリート管、陶管、鋼管、 管 種 鋳鉄管、硬質塩化ビニル管 管 径 200 mm ~ 800 mm 規格外管径も対応可 段 差 20 mm 程度 曲 が り 10°程度 継 手 隙 間 50 mm 程度 2 ℓ/min、0.05 MPa までの浸入水は、 浸 入 水 事前処理不要 取得年度・・・・2002 年 2 月 建設技術審査証明 更新年度・・・・2014 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データについては、工法協会、メーカーの仕様を 確認する。 3.使用材料の物性 名 称 項 目 硬化性樹脂 樹脂含浸用基材 内面フィルム 外面フィルム シームレスメインライナー 材 料 構 材 質 不飽和ポリエステル樹脂 耐酸性特殊ガラス繊維 PE+PA 複合フィルム PE+PA 複合フィルム 基 項 目 短期曲げ強度 短期曲げ弾性係数 長期曲げ強度 メインライナーS 167 N/mm2 7,355 N/mm2 60 N/mm2 ※ -1 ※ -1 本 物 成 備 考 硬化後除去 一体化せず 性 性 能 メインライナーSⅡ 167 N/mm2 ※ -1 7,355 N/mm2 ※ -1 40 N/mm2 メインライナーL 180 N/mm2 7,600 N/mm2 70 N/mm2 備 ※ -1 ※ -1 考 JIS K 7171 JIS K 7171 JIS K 7039 - 2014 年度版 - 4,090 N/mm2 4,090 N/mm2 6,720 N/mm2 JIS K 7035 合 格 合 格 合 格 JAWAS K-2 新管と同等程度 新管と同等程度 新管と同等程度 JIS K 1452 合 格 合 格 合 格 JAWAS K-2 合 格 合 格 合 格 JIS K 7034 成形後 2 時間以内 成形後 2 時間以内 成形後 2 時間以内 軸方向長と周 成形後収縮性 に収縮が収まり に収縮が収まり に収縮が収まり 方向長を計測 安定 安定 安定 確認 ※ -2 ※ -2 ※ -2 2 2 2 短期引張強度 90 N/mm 90 N/mm 90 N/mm JIS K 7161 ※ -2 ※ -2 ※ -2 2 2 2 短期引張弾性係数 7,355 N/mm 7,355 N/mm 5,500 N/mm JIS K 7161 ※ -2 ※ -2 ※ -2 2 2 2 短期圧縮強度 100 N/mm 100 N/mm 80 N/mm JIS K 7181 短期圧縮弾性係数 7,200 N/mm2 ※ -2 7,200 N/mm2 ※ -2 3,700 N/mm2 ※ -2 JIS K 7181 ※-1:試験片が平板の場合の短期保証値 ※-2:試験片が平板で且つ管軸方向から採取した場合の短期保証値(耐震計算に用いる) 長期曲げ弾性係数 耐薬品性 耐摩耗性 水密性 耐ストレインコロージョン性 更生管のサンプル試験による物性 性 能 項 目 メインライナーS (管軸方向) JIS K7171 を準用 メインライナーSⅡ (管軸方向) JIS K7171 を準用 メインライナーL (管周方向) EN ISO 13566-4 備考 ※ -3 曲げ強度 80 N/mm2 80 N/mm2 100 N/mm2 曲げ弾性係数 5,000 N/mm2 5,000 N/mm2 4,300 N/mm2 ※-3:補強材(ガラス繊維)の異方性が顕著なメインライナーLは、管周方向から採取した試 験片を用いて試験を行う。 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査の結果に基づき、必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し、作業を行う。 《事前処理工 実施内容および留意点》 ①高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去ができるよう、TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 - 2014 年度版 - ②管内ロボットを用いて、モルタル、取付管突出および木根等の除去を、TV カメラで監視 しながら行う。 ③多量の浸入水の仮止水(0.05MPa 以上の圧力が想定される場合) 更生材に変形をもたらすような水頭圧の高い浸入水がある場合は、仮止水を行う。 方法については、パッカー注入、部分補修等による止水等の方法を検討し、当該現場に最 も適した方法で行う。 ④マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等があり、施工器具等が設置できない場合は、除去して施工器具等 が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.更生材料の挿入工 《引込工》 管きょ内にワイヤーロープ等を通線し、更生材料の引き込みを行う。 引き込みは適正な引込速度で行い、マンホール口環や管口等で更生材にダメージを与えな いように充分留意する。 引き込み終了後、更生材料端部を施工器具に固定し、空気圧で拡径を行う。 拡径は更生材料厚みが均一になるよう、また、更生材料に負荷がかからぬように配慮し、 段階的な昇圧を行う。 《引込作業 実施内容および留意点》 管径毎の標準的な更生材引込速度 φ200 mm ~ φ400 mm 未満・・・3 m/min 程度 φ400 mm 以上 ~ φ 800mm・・・2 m/min 程度 ①引き込み速度 引き込みは適正速度以内で行い、引込速度をデータシートに記入する。 ②更生材料のネジレ防止 更生材料のネジレ防止にスイベルジョイントを用いる。 ③潤滑剤の塗布 更生材料もしくはスリップシートに潤滑剤を充分に塗布する。 ④更生材料の傷付け防止策 マンホール口環、管口に更生材料保護のための養生を施す。 更生材料端部養生は、更生材料が傷まないように保護シート等を被せる。 また、更生材料の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 《拡径作業 実施内容および留意点》 標準拡径方法 - 2014 年度版 - 0.005 MPa ずつ、段階的に昇圧する。 昇圧する毎にメインライナーSおよびSⅡは 3 分間、メインライナーLは 5 分間圧力を 保持することを標準とする。 管径毎の標準拡径最終圧力および留意点 φ200 mm ~ φ300 mm・・・0.050 MPa φ350 mm ~ φ450 mm・・・0.040 MPa φ500 mm ~ φ600 mm・・・0.035 MPa φ700 mm ~ φ800 mm・・・0.030 MPa ただし、既設管の状況によりフィット圧力が異なるため、上記の最終圧力はあくまで標 準的な目安であり、既設管の状況に応じて増、減の調整を行う。 ①昇圧毎の圧力保持時間を守る。 ②急激な圧力上昇、圧力減衰がないよう充分に注意する。 ③計測した圧力、昇圧時間をデータシートに記入する。 9.硬化工 更生材料の硬化作業は、硬化時更生材料内圧力管理、硬化温度管理、硬化時間管理および 冷却養生時間管理等を行う。 《硬化工(光硬化) 実施内容および留意点》 管径毎の標準硬化時圧力 拡径工程終了時の最終拡径圧力を維持することを原則とする。 管径毎の標準硬化速度 硬化速度は、更生材厚さ、管径、硬化装置の能力等によって異なるため、現場条件に合 わせてその都度施工計画書に明記された管理速度を前提とする。 以下に UV ライトトレイン(1000WGa 球×6 連結)による硬化速度の一例を示す。な お、硬化速度は浸入水の有無に関わらず一定とする。 UV ライト牽引速度の一例 厚さ(mm) 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 200 110 105 95 250 105 100 90 85 - - - - - - - - - - 80 75 - - - - - - - - - 300 100 95 85 75 65 55 - - - - - - - - 350 90 85 75 70 60 55 50 - - - - - - - 400 85 80 70 65 55 50 45 - 35 - - - - - 450 70 65 60 60 50 48 42 - 33 30 - - - - 500 - 60 50 50 45 43 39 - 30 26 24 20 - - 600 - 55 45 45 40 40 34 30 - 24 20 17 15 12 700 - - 40 40 35 35 30 30 - 20 15 15 - - 800 - - - 30 25 25 20 20 - 15 - - - - 管径(mm) 詳細については、メーカーの仕様を確認する。 - 2014 年度版 - ①UV ライト入力電圧、周波数を確認し、データシートに記入する。 ②紫外線照射装置先端に取り付けられた TV カメラにて、硬化前の更生材料内面に異常がな いことを確認する。 ③圧縮空気排出マンホール側に防音・脱臭装置を設置する。 ④脱臭装置より排出される空気内に含まれるスチレンガス濃度を測定する。 ⑤硬化時の空気圧力を所定の圧力に保ち、硬化開始から終了まで連続的に測定し、チャート 紙に記録する。 ⑥硬化時の管内温度(更生材表面温度、雰囲気温度)を、硬化開始から終了まで施工スパン 全延長に対して連続的に測定し、チャート紙に記録する。 温度計は UV ライトトレインに取り付け、更生材料内面表面温度、更生材料内面雰囲気温 度を測定できるものとする。 ⑦所定の硬化速度以内で硬化作業を行う。 ⑧硬化中の管内状況を TV カメラで監視する。 《冷却養生管理》 UV ライト消灯後 10 分程度、圧縮空気による冷却を行い、データシート等に記録する。 温度計取付け箇所の一例 光硬化工イメージ図 UV ライトトレイン 熱電対温度センサ(PT) TV カメラ 赤外線温度センサ(IR) 詳細については、メーカーの仕様を確認する。 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 《性能試験用テストピース採取(光硬化) 実施内容および留意点》 (1)テストピース採取用器具で作成した平板からの採取 採取場所 施工に用いる更生材と同一ロットからテストピースを採取する。 採取方法 ①施工に用いる更生材と同一ロットから作成した未硬化の供試体作成用生材を、テスト ピース採取用器具のガラス板ではさみ、所定の厚さに調整する。 - 2014 年度版 - ②UV ライトをガラス板上に置き、ライトと未硬化材料の距離を、実施工と同じ距離に 調整する。 ③UV ライトを点灯し、走行照射に要する時間と同一時間、照射を行う。 ④硬化終了後、硬化した平板を取り出し、平板をつつむフィルムをはがしてからノギス で厚さを確認する。 ガラス板 更生材料 スペーサにて材料厚さに調整 クランプ ステンレス台 テストピース採取用器具 UVライトトレイン ライトと生材の距離を実施工に合わせる テストピース作成状況概要図 ⑤メインライナーSおよびSⅡは更生材の管軸方向、メインライナーLは円周方向から 試験片を採取する。平板を作成する際に、短冊切断方向がわかるように明記する。 ⑥試験片の加工を独自に行う場合には、試験時の載荷方向(試験片の表裏)を間違えな いように注意する。試験時の載荷方向は管体に形成した場合の外周から管中心への方 向となる。この試験時の載荷方向を間違えると、正しい試験結果が得られなくなる。 (2)施工後管口からの採取 採取場所 マンホール管口から突出した更生管から採取する。 採取方法 ①管口から突出する更生管は、直線部分を長く取れるよう、予めできるだけ長めに突出 するよう調整する。 ②アウターフィルムの内側に溜まったエアは、硬化前に確実に抜く。 ④ 化の際には充分な光を照射して硬化する。 ⑤ 試体採取方向 ⑥ - 2014 年度版 - 更生管サンプルからの供試体採取方向 材 料 名 曲げ試験 引張試験、圧縮試験 耐薬品性試験 メインライナーS、SⅡ 管軸方向(JIS K7171:1994) 管軸方向 方向なし メインライナーL 管周方向(EN ISO 178 13566-4:2002) 管軸方向 方向なし ⑤サンプルの採取は、ライナーの未硬化部分を確実に切除して、なるべく大きい切片で 採取する。 ⑥サンプルを採取した場所がわかるように、マジック等で明記する。 現場名、対象スパンの上流・下流、施工時の上部・下部、等。 ⑦試験片の加工を独自に行う場合には、試験時の載荷方向(試験片の表裏)を間違えな いように注意する。試験時の載荷方向は管体に形成した場合の外周から管中心への方 向となる。この試験時の載荷方向を間違えると、正しい試験結果が得られなくなる。 11.出来形管理 共通項目参照。 - 2014 年度版 - 形成工法(熱形成タイプ)の施工管理に関するマニュアル 《 共通項目 》 1.工法概要 各工法別マニュアルに記載。 2.適用範囲 各工法別マニュアルに記載。 3.使用材料の物性 各工法別マニュアルに記載。 4.施工前現場実測 各工法とも,以下の内容は共通とする。 更生材料発注の前に,当該現場の実態を把握するべく各種実測を行う。 更生材料の誤発注を防ぐために,既設管径,管体延長等を実測するとともに,現場施工 時に問題となりそうな点について検討を行う。 施工前現場実測 実施内容および留意点 ①既設管径の実測 ②管体延長の実測 地上でマンホールの芯々間を実測し,マンホール寸法分を除く。 ③マンホールの形状寸法確認 上,下流マンホールの径,深さ,インバート形状,流入管管径,その他施工時に 支障となりそうな要因が無いかどうかの確認。 ④その他,現場周辺の状況を確認し,工事車両の配置等の検討を行う。 - 2014 年度版 - 5.施工前管きょ内調査 各工法とも,以下の内容は共通とする。 施工前管きょ内調査 実施内容および留意点 ①取付け管位置の計測 管口から取付け管芯までの距離を TV カメラの走行距離等により実測し,本管への 接続角度は TV カメラの直視画像により記録する。 ②段差,管ズレ,屈曲等の確認 施工適用範囲内であることを確認。管きょ内調査等の結果,適用範囲外である場 合は施工方法を検討する。 適用範囲・・・建設技術審査証明の証明範囲(および最新仕様)による。 ③事前処理工の検討 事前処理を行う必要のある,モルタルの堆積,取付け管の突出,鉄筋の突出およ び多量の浸入水等の有無を確認し,それらが認められた場合は事前処理方法等の検 討を行う。 6.事前処理工 各工法別マニュアルに記載。 7.施工前管きょ内洗浄工 各工法とも,以下の内容は共通とする。 更生工の直前に管きょ内の洗浄を充分に行い,出来形に悪影響を及ぼす可能性の有る土砂, 小石,管壁破損片等を完全に除去する。 洗浄後に TV カメラまたは目視にて,管きょ内が充分に洗浄されているかどうかの確認を行い, 管きょ内に施工に支障を来たしそうな異物が残留している場合は,再度管きょ内洗浄を行う。 8.更生材料の引き込み工 各工法別マニュアルに記載。 9.加熱工 各工法別マニュアルに記載。 10.拡径・冷却工 各工法別マニュアルに記載。 11.性能確認試験用テストピース採取 各工法別マニュアルに記載。 - 2014 年度版 - 12.出来形管理 各工法とも,以下の内容は共通とする。 外観検査および出来形検査を行い,管きょの機能を損なうような欠陥,異常個所が無い ことを確認する。 (1)外観検査 ①TV カメラにより,更生管内の外観確認を行って,ビデオテープ等に記録する。 ②マンホール管口の仕上がり状況を確認し,写真記録を撮る。 (2)出来形検査 ①更生管厚さ計測 上下流マンホール内管口を実測し,記録する。 測定箇所〔30°90°150°210°270°330°〕 30° 330° 6 箇所の平均管厚が呼び厚さ以上で,なおかつ 上限は+20%以内とし,測定値の最小値は設計 更生管厚以上とする。 90° 270° ただし、人孔内に管口を突き出させて仕上げる 場合には管口の外径が既設管内径よりも大きく なり、管厚が小さくなってしまうため、施工前 の既設管の内径と施工後の更生管の内径差によ 150° 210° り管厚を算出することにより、管厚の測定値と する。 - 2014 年度版 - EX工法 1.工法概要 EX工法は硬質塩化ビニル樹脂製のパイプを用いた更生工法であり,工法分類は形成工法に属 し,形成方式は熱形成である。更生材は塩ビ管と同じく工場製品であり,現場では加熱・加圧 により拡径・形状変化させ,既設管内面に密着させるだけで,化学反応を必要とせず,安定し た施工品質を得ることができる。また取付け管も同じ材料で更生することができる。 2.適用範囲 適 用 範 囲 備 項 目 管 種 鉄筋コンクリート管,陶管,鋳鉄管,鋼管 管 径 φ200 mm~φ400 mm 段 差 25 mm 以下 考 φ230 も可 曲 が り 10° 以下 継手隙間 50 mm 以下 浸 入 水 0.5 ℓ/min,0.05 MPa までの管頂部からの浸入 水は事前処理不要 滞 留 水 50 mm 以下であれば施工可 取得年度・・・・・2004 年 3 月 取付け管も同時取得 変更年度・・・・・2011 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については工法協会,メーカーの仕様 を確認する。 ※本資料に記載の内容は、自立管の本管施工に適用する。 建設技術審査証明 3.使用材料の物性 名 称 材 料 構 成 EXパイプ 硬質塩化ビニル樹脂 基 本 物 性 項 目 短期曲げ強度 短期曲げ弾性係数 長期曲げ弾性係数 耐薬品性 耐摩耗性 耐劣化性 性 能 64 N/ mm2 ※ 2 ※ 2,000 N/ mm 備 考 以上 JIS K7171 以上 JIS K7171 JIS K7116 2 1,250 N/ mm 以上 合 格 下水道用硬質塩化ビニル管と 同等以上 50 年後の曲げ強度の推計値が, 設計値 12.8 N/ mm2 を上回ること。 JSWAS JIS K-1 K7204 JIS K7115 に準じる。 - 成形後収縮性 短期引張強度 短期引張弾性係数 短期圧縮強度 短期圧縮弾性係数 2014 年度版 - 成形後,3 時間以内に収縮がなく 安定すること。 42 N/ mm2 ※ 2,000 N/ mm2 ※ 51 N/ mm 2 1,500 N/ mm ※ 2 ※ 軸方向長と周方向長を 計測確認 JIS K7161 (K7113) JIS K7161 JIS K7181 JIS K7181 ※短期保証値 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 《事前処理工 実施内容および留意点》 ①高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去ができるよう,TVカメラ等で監視しながら作業を行う。 ②管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出および木根等の除去をTVカメラで監視 しながら行う。 ③多量の浸入水の仮止水 更生材の加熱に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は,仮止水を行う。 方法については,パッカー注入,部分補修等による止水の方法を検討し,当該現場に最 も適した方法で行う。 ④マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等が有り,施工器具等が設置できない場合は,除去して施工器具 等が正しく設置できるように努める。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 - 2014 年度版 - 8.更生材料の引込工 管きょ内にワイヤーロープ等を通線し,更生材の引き込みを行う。更生材を予め加熱(予備 加熱)しておく場合は温度管理を行う。 引き込みは適正な引込速度で行い,マンホール口環や管口等で更生材にダメージを与えない ように充分留意する。 《引込作業・実施内容および留意点》 引き込み時の更生材の温度 73℃ 以上 (更生材表面温度) 更生材引込速度 5~20 m/min ①引込速度 引き込みは上記の適正速度で行い,引込速度をデータシートに記入する。 ②引き込み時更生材温度 引き込み時は適正な加熱を継続的に行いながら引き込みを行う。 ③更生材の傷付け防止策 マンホール口に更生材保護のための養生を施す。 管口ローラーはしっかりと固定し,引き込み中に外れないように留意する。 また,更生材の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 ④引き込み牽引力 牽引力については特に規定しないが,ワイヤーロープの許容破断強度やウィンチの能力 を超えないように注意する。 9.加熱工 更生材の加熱(蒸気による加熱)は,更生材内圧力管理,更生材表面温度管理等を行う。 《加熱工 実施内容および留意点》 管径毎の標準加熱時圧力 基本的にはゲージ圧 0.04MPa 以内とする。 (ただし,パイプおよび蒸気ホース等の圧損で圧力がどうしてもかかってしまう場合,も しくは温度の上昇が遅い場合(浸入水がある場合など)には,圧力を施工マニュアルに則 って対処する。) 加熱時圧力計測 測定位置 〔蒸気・エアーの排出側ホース内の圧力を測定〕 計測箇所数〔1 箇所〕 標準加熱管理方法 測定箇所全ての更生材表面温度が以下の値になるまで加熱を行う。 (管径によらない) 73℃ 以上 加熱時温度計測 測定位置 〔上下流両側マンホール内の更生材外面の温度を測定〕 計測箇所数〔各2箇所以上〕 ①加熱時の更生材表面温度を開始から終了まで連続的に測定し,チャート紙に記録する。 - 2014 年度版 - ②更生材内の圧力を連続的に計測し,チャート紙に記録する。 ③蒸気の排出に留意し,必要に応じ消音対策,防護策を講じる。 ④更生材内のドレン水は管端栓に設けてあるドレン排水ホースからできる限り排出する。 ⑤EX工法の場合,化学反応は伴わないため,出来形品質に時間(加熱時間)は影響しない。 よって時間管理は行わず,あくまで温度と圧力の管理を行うものとする。ただし,最低加 熱時間は 20 分とする。 10.拡径・冷却工 更生材の拡径・冷却(蒸気による拡径,エアーによる冷却)は,更生材内圧力管理,更生 材表面温度管理等を行う。 《拡径・冷却工 実施内容および留意点》 管径毎の標準拡径・冷却時圧力 初期設定圧力は下表の値とする。ただし,拡径状況により増圧・減圧を行う。 口径 EXパイプ 加熱時圧力 拡径時圧力 冷却時圧力 φ200 0.04 MPa 以内 0.06 MPa 未満 0.06 MPa 以上 φ250 0.04 MPa 以内 0.06 MPa 未満 0.06 MPa 以上 φ300 0.04 MPa 以内 0.06 MPa 未満 0.06 MPa 以上 φ350 φ400 0.04 0.04 MPa 以内 MPa 以内 0.06 0.06 MPa 未満 MPa 未満 0.06 MPa 以上 0.06 MPa 以上 ※初期設定圧力は浸入水が無い場合とする。 拡径・冷却時圧力計測 測定位置 〔蒸気・エアーの排出側ホース内の圧力を測定〕 計測箇所数〔1 箇所〕 標準拡径・冷却管理方法 更生材表面温度が下記の規定値になるまで拡径・冷却を行う。(管径によらない。) 拡径時 73℃ 以上,冷却時 40℃ 以下 (最低冷却時間は、30 分とする。) ただし,外気温が上記の値より高い場合は外気温程度まで冷却を行う。 拡径・冷却時温度計測 測定位置 〔上下流両側マンホール内の更生材外面の温度を測定〕 計測箇所数〔各2箇所以上〕 ①拡径・冷却時の更生材表面温度を開始から終了まで連続的に測定し,チャート紙に記録す る。 ②更生材内の圧力を連続的に計測し,チャート紙に記録する。 ③拡径状況は目視で随時確認し過剰な拡径が見られた場合は速やかに減圧する。 ④EX工法の場合,化学反応は伴わないため,出来形品質に時間(拡径/冷却時間)は影響 しない。よって基本的には時間管理は行わず,あくまで温度と圧力の管理を行うものとす る。 ⑤管口の本切断の際には,施工後の伸縮を考慮し、人孔から 20~30 mm 程度突き出させて切 断することを原則とする。 - 拡径工程 冷却工程 0.06MPa 0.05 MPa 0.04 MPa 73℃ 40℃ 更生材内部圧力 圧力(MPa) 更生材表面温度(℃) 加熱工程 2014 年度版 - 更生材表面温度 時間 時間経過と各行程の温度・圧力の関係 (例) ただし,上記管理表は一例であり,これ以外の管理を行う場合がある。 11.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 《性能試験用テストピース採取 実施内容および留意点》 採取場所 施工完了したマンホール管口に突き出た部分の更生管からカットしてテストピースを 採取する。ただし,試験片の大きさが確保できない等の場合には,施工に用いる更生材 と同一ロットからテストピースを採取する。 採取方法 ① 上記,採取場所より下図のように試験片を採取する。 ② JIS K7171 に規定する寸法に機械加工を行う。 ③ 万一,材料の曲率等により所定寸法が取れない場合は熱プレスを行い,平板状に加工 する。 マンホール管口部からの採取 12.出来形管理 共通項目参照。 同一ロットの更生材からの採取 - 2014 年度版 - オメガライナー工法 1.工法概要 オメガライナー工法は,形状記憶性能を有する硬質塩化ビニル管を用いた更生工法であり, 工法分類は形成工法に属し,形成方式は熱形成である。更生材料は塩ビ管と同じく工場製品 であり,現場では加熱により形状を円形に復元・拡径させるだけで,化学反応を必要とせず, 安定した施工品質を得ることができる。また取付け管も同じ材料で更生することができる。 2.適用範囲 項 目 適 用 範 囲 管 種 鉄筋コンクリート管,陶管,鋼管 管 径 φ150 mm ~φ400 mm 段 差 25 mm 以内であれば施工可 備 考 φ230,φ380 も可 曲 が り 10°以下の屈曲角 継手隙間 50 mm 以下であれば施工可 浸 入 水 2ℓmin,0.05MPa までの浸入水は事前処理不要 滞 留 水 50 mm 以内であれば施工可 取得年度・・・・・2002 年 2 月 取付管も同時取得 変更年度・・・・・2014 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については工法協会,メーカーの仕 様を確認する。 建設技術審査証明 3.使用材料の物性 名 称 材 料 構 成 オメガライナー 硬質塩化ビニル樹脂 基 本 物 性 項 目 性 能 50 N/mm2 短期曲げ弾性率 1,760 N/mm 長期曲げ弾性率 1,270 N/mm2 短期曲げ強さ 短期引張強度 短期引張弾性係数 短期圧縮強度 短期圧縮弾性係数 耐劣化性 耐薬品性 30 1,760 N/mm 備 ※ 2 2 ※ ※ N/mm 2 ※ 40 N/mm 1,600 N/mm2 ※ 更生管は 50 年後の曲げ強度の推 計値が設計値を上回る 合 格 2 ※ 考 JIS K7171 JIS K7171 JIS K7116 JIS K7161 JIS K7161 JIS JIS K7181 K7181 JIS K7115 JSWAS K-1 - 耐摩耗性 水密性 成形後収縮性 形状記憶性 2014 年度版 - 新管と同等以上 ①本管部:0.1Mpa 以上の内外水 圧 ②本管と取付管の接合部: 0.05MPa 以上の内外水圧(サドル タイプ゚・接合部後処理タイプ) 0.1Mpa 以上の内外水圧(後貼り サドルタイプ) 形成後6時間以内に収縮がなく安 定する 加熱だけで 20 分以内に概略円形 に復元する JIS K7204 水密性試験用の試験体で水圧を 加え、3 分間圧力保持し漏水の 有無を確認 成形後堆積収縮性を軸方向およ び内径方向の収縮を測定し確認 90℃の温水中 ※短期保証値 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 《事前処理工 実施内容および留意点》 ①高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去ができるよう,TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ②管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出および木根等の除去を TV カメラで監視 しながら行う。 ③多量の浸入水の仮止水 更生材の加熱に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は,仮止水を行う。 方法については,パッカー注入,部分補修等による止水の方法を検討し,当該現場に最 も適した方法で行う。 ④マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等があり,施工器具等が設置できない場合は,除去して施工器具 等が正しく設置できるように努める。 - 2014 年度版 - 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.更生材料の引き込み工 管きょ内にワイヤーロープ等を通線し,更生材料の引き込みを行う。更生材料を予め加熱(予 備加熱)しておく場合は温度管理を行う。 引き込みは適正な引込速度で行い,マンホール口環や管口等で更生材にダメージを与えない ように充分留意する。 《引込作業 実施内容および留意点》 引き込み時の更生材料の温度 50℃ ~ 60℃ (材料表面温度) 管径毎の標準的な更生材引込速度 5m/min 以下 ①引込速度 引き込みは上記の適正速度以内で行い,引込速度をデータシートに記入する。 ②引き込み時更生材温度 予備加熱した場合,温度の低下に留意し,45℃以下にならないよう,必要に応じ 加熱を行いながら引き込みを行う。 ③更生材料の傷付け防止策 マンホール口に更生材料保護のための養生を施す。 管口ローラーはしっかりと固定し,引き込み中に外れないように留意する。 また,更生材料の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 ④引込牽引力 牽引力については特に規定しないが,ワイヤーロープの許容破断強度やウィンチの能力 を超えないように注意する。 9.加熱工 更生材料の加熱(蒸気による加熱)は,加熱時更生材料内圧力管理,管表面温度管理等を行 う。 《加熱工 実施内容および留意点》 管径毎の標準加熱時圧力 基本的には大気圧(ゲージ圧 0 MPa)とする。 (ただし,パイプおよび蒸気ホース等の圧損で圧力がどうしてもかかってしまう場合,も しくは温度の上昇が遅い場合(浸入水がある場合など)には,圧力を施工マニュアルに 定める値以下とする) 加熱時圧力計測 測定位置 〔蒸気・エアーの出口側ホース内〕 計測箇所数〔1 箇所以上〕 標準加熱管理方法 測定箇所全ての更生材表面温度が以下の値になるまで加熱を行う(管径によらない) 70℃~85℃ - 2014 年度版 - 加熱時温度計測 測定位置 〔上下流両側マンホール内の更生材外面〕 計測箇所数〔上下流各1箇所以上〕 ①加熱時の管表面温度を開始から終了まで連続的に測定し,チャート紙に記録する。 ②更生管内の圧力を連続的に計測し,チャート紙に記録する。 ③蒸気の排出に留意し,必要に応じ蒸気トリップや消音器,防護策を講じる。 ④更生管内のドレン水は管端栓に設けてあるドレン水バルブから管外へできる限り排出する。 ⑤オメガライナー工法の場合,化学反応は伴わないため,出来形品質に時間(加熱時間)は 影響しない。よって時間管理は行わず,あくまで温度と圧力の管理を行うものとする。た だし,最低加熱時間は 20 分とする。 ⑥蒸気加熱での拡径は行わないものとし,マンホール管口付近で過剰な膨張(既設管内径以 上)が見られた場合は速やかに減圧する。 10.拡径・冷却工 更生材料の拡径・冷却(エアーによる拡径・冷却)は,加熱時更生材料内圧力管理,管表面温 度管理等を行う。 《拡径・冷却工 実施内容および留意点》 管径毎の標準拡径・冷却時圧力 初期設定圧力は下表の値とする。ただし,拡径状況により増圧・減圧を行う。また,以下 の初期設定圧力は浸入水が無い場合とする。また表面温度が 80℃以上の場合は 80℃の設定 値を用いる。 エアー圧力(出口側マンホール上) 種類/管 径 エアー切替時パイプ表面温度が 80℃ エアー切替時パイプ表面温度が 70℃ φ150 mm 0.07 MPa 0.10 MPa φ200 mm 0.07 MPa 0.10 MPa φ230 mm mm mm mm mm mm mm mm 0.08 MPa 0.11 MPa 0.09 MPa 0.12 MPa 0.10 MPa 0.14 MPa 0.13 MPa 0.17 MPa 0.14 MPa 0.19 MPa 0.15 MPa 0.20 MPa 0.03 MPa 0.04 MPa 0.04 MPa 0.05 MPa mm φ250 mm φ300 mm φ350 mm 0.04 MPa 0.06 MPa 0.05 MPa 0.06 MPa 0.06 MPa 0.08 MPa 0.06 MPa 0.09 MPa オメガライナーR(Ⅰ) φ250 (自立管タイプ) φ300 φ350 φ380 φ400 φ150 φ200 φ230 オメガライナーR(Ⅱ) (二層構造管タイプ) オメガライナーLn (ライニングタイプ) φ380 mm 0.07 MPa 0.10 MPa φ400 mm 0.08 MPa 0.10 MPa φ450 mm 0.09 MPa 0.12 MPa - 2014 年度版 - 拡径・冷却時圧力計測 測定位置 〔蒸気・エアーの出口側ホース内〕 計測箇所数〔1 箇所以上〕 標準拡径・冷却管理方法 更生材表面温度が下記の値以下になるまで拡径・冷却を行う(管径によらない)。 30℃以下 ただし,外気温が上記値より高い場合は外気温程度まで拡径・冷却を行う。 拡径・冷却時温度計測 測定位置 〔上下流両側マンホール内の更生材外面〕 計測箇所数〔2 箇所以上〕 ①拡径・冷却時の管表面温度を開始から終了まで連続的に測定し,チャート紙に記録する。 ②更生管内の圧力を連続的に計測し,チャート紙に記録する。 ③拡径状況は目視で随時確認し,マンホール管口付近のオメガライナーの外径が既設管内径 の 110~120%程度になるように増圧・減圧を行う。なお,過剰な膨張が見られた場合は 速やかに減圧する。 ④オメガライナー工法の場合,化学反応は伴わないため,出来形品質に時間(拡径/冷却時 間)は影響しない。よって時間管理は行わず,あくまで温度と圧力の管理を行うものとす る。 ⑤管口を仕上げる際には,施工後の温度変化による伸縮を防ぐために人孔から 30 mm 程度突 き出させて仕上げることを原則とする。 拡径/冷却工 85 70 0.10 0.08 蒸気ホース内圧力 パイプ表面温度 30 圧力(MPa) パイプ表面温度(℃) 加熱工 0.03 0 時 間 時間による温度・圧力の変化例 (自立管タイプφ250 の場合) (※ただし蒸気ホース内圧力は拡径状況により増減を行う場合がある) - 2014 年度版 - 11.性能確認試験用テストピース採取 更生管の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 《性能試験用テストピース採取 実施内容および留意点》 採取場所 施工完了したマンホール管口に突き出た部分の更生管からカットしてテストピースを採 取する。ただし,試験片の大きさが確保できない等の場合には,施工に用いる更生材と同 一ロットからテストピースを採取する。 採取方法 ①上記の採取場所より下図のように試験片を採取する。 ②JIS K7171 に規定する寸法に機械加工を行う。 ③万一,材料の曲率等により所定寸法が取れない場合は熱プレスを行い,平板状に加工す る。 マンホール管口部からの採取 12.出来形管理 共通項目参照。 同一ロットの更生材からの採取 - 2014 年度版 - 製管工法の施工管理に関するマニュアル 《 共通項目 》 1.工法概要 各工法別マニュアルに記載。 2.適用範囲 各工法別マニュアルに記載。 3.使用材料の種類と物性 各工法別マニュアルに記載。 4.施工前現場実測 各工法とも,以下の内容は共通とする。 更生材料発注の前に,当該現場の実態を把握するべく各種実測を行う。 更生材料の誤発注を防ぐために,既設管径,管体延長等を実測すると共に,現場施工時 に問題となりそうな点について検討を行う。 施工前現場実測・ 実施内容及び留意点 ①既設管径の実測 ②管体延長の実測 地上でマンホールの芯々間を実測し,マンホール寸法分を除く。 管きょ内に人が入れる場合には、実延長を実測する。 ③マンホールの形状寸法確認 上,下流マンホールの径,深さ,インバート形状,流入管管径,その他施工時に 支障となりそうな要因が無いかどうかの確認。 ④供用中施工の場合、水深と流速を測定する。 ⑤その他,現場周辺の状況を確認し,工事車両の配置等の検討を行う。 - 2014 年度版 - 5.施工前管きょ内調査 各工法とも,以下の内容は共通とする。 施工に先立ち管きょ内の TV カメラ調査,もしくは目視調査を行い,施工に支障のある障害 物等の有無を確認し,事前処理工の必要がある場合には処理方法の検討を行う。 施工前現場実測・ 実施内容及び留意点 ①取付管位置の計測 管口から取付管芯までの距離を実測し,本管への接続角度を記録する。 ②段差,隙間,屈曲等の確認 施工適用範囲内であることを確認。適用範囲外である場合は,施工方法を検討す る。 適用範囲・・・建設技術審査証明の証明範囲による。 ③事前処理工の検討 事前処理を行う必要のある,モルタルの堆積,取付管の突出,鉄筋の突出,多量 の浸入水等の有無を確認し,それらが認められた場合は事前処理方法等の検討を行 う。 6.事前処理工 各工法別マニュアルに記載。 7.施工前管渠内洗浄工 各工法とも,以下の内容は共通とする。 更生工の直前に管きょ内の洗浄を充分に行い,出来形に悪影響を及ぼす可能性の有る土砂, 小石,管壁破損片等を完全に除去する。 洗浄後に TV カメラまたは目視にて,管きょ内が充分に洗浄されているかどうかの確認を行い, 管きょ内に施工に支障を来たしそうな異物が残留している場合は,再度管きょ内洗浄を行う。 管きょ内に人が入って作業をする場合は、流下する下水の水量や酸欠空気・硫化水素濃度等, 安全面に充分注意して作業を行う。 8.製管工 各工法別マニュアルに記載。 9.充填材注入工(裏込め注入工) 各工法別マニュアルに記載。 10.性能確認試験用テストピース採取 各工法別マニュアルに記載。 - 2014 年度版 - 11.出来形管理 D1 各工法とも,以下の内容は共通とする。 外観検査及び出来形検査を行い,管きょの機能を損なうような欠陥,異常個所が無いこ とを確認する。 (1)外観検査 ①TV カメラもしくは目視により,更生管内の外観確認を行って,ビデオテープ等に記録 する。 ②人が入れる径であれば、打音検査等で充填材の充填状況を確認する。 (2)出来形検査 0° 接合用嵌合部材等 ①更生管内径計測 既設管 上下左右の充填材を含めた更生材の厚さが 充填材 異なることから、右図に示す2箇所(更生 管の内側中央高さと幅)の仕上り内径を測 D2 270° 90° 定し、その検査基準は、平均内径が設計更 生管径を下回らないこととする。 180° - 2014 年度版 - SPR工法 1.工法概要 SPR工法は硬質塩化ビニル製プロファイルを既設管内で螺旋状に巻回することにより更 生管を製管し,既設管と更生管の間隙に特殊裏込め材を注入・硬化させ,既設管・更生管・裏 込め材の三者が一体となった強固な複合管を構築する工法である。 適用管径は円形管の場合,小口径から大口径まで非常に広く,また矩形きょ・馬蹄形きょ 等の非円形断面もその断面のまま更生ができる。また下水供用中でも施工できる等の特長が ある。 2.適用範囲 項 目 管 種 管 径 適 用 範 囲 備 考 鉄筋コンクリート管,陶管 円 形 管:φ250 mm ~φ4,750 mm 非円形管きょ:高さ 900 mm 以上,幅 6,000 mm 以下 元押し式製管方式 段 既設管呼び径 段差 500 mm 以下 20 mm 600~1,200 mm 50 mm 1,350~1,500 mm 100 mm 差 自走式製管方式 既設管呼び径 段差 1,350 ㎜以下 50 mm 1,500 ㎜ 90 ㎜ 1,650 ㎜以上 100 ㎜ 曲 が り 元押し式製管方式 5°以下 自走式製管方式 曲率半径 5D 以上の曲がり部 D:既設管内径(円形管), 既設管内幅(非円形管きょ),および 5D の曲率で製管 できる屈曲以下の曲がり部 継手隙間 120 mm 程度(元押し式製管方式の場合) 下水供用下の施工 勾配補正 水深 以下 既設管径の 30%かつ 60 cm 以下,流速 1.0m/sec 既設管きょ寸法 800 mm 以上の管きょで可能 取得年度・・・・・1993 年 5 月 更新年度・・・・・2014 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については工法協会,メーカーの仕様 を確認する。 建設技術審査証明 - 2014 年度版 - 3.使用材料の物性 名 称 表面部材:SPR工法用プロファイル 金属部材:スチール補強材 充 填 材:SPRモルタル 表面部材:硬質塩化ビニル樹脂 金属部材:溶融亜鉛メッキ鋼板 (スチール補強材一体型の場合) 充 填 材:樹脂系モルタル 基 本 物 性 性 能 備 考 材 料 構 成 項 表 面 部 材 目 37.2 引張強さ 耐摩耗性 新管と同等以上 耐薬品性 合 金 属 部 材 JIS K6741 JIS K7204 JSWAS 格 K-1 溶融亜鉛メッキ鋼板(JIS G3302)と同等 比 1.30 以上 2.10 以上 2.00 以上 1.90 以上 重 充 填 N/mm2(23℃) 圧縮強度 (材齢 28 日) 材 ヤング係数 21.0 35.0 55.0 35.0 SPR モルタル 2 号の場合 SPR モルタル 3 号の場合 SPR モルタル 4 号の場合 SPR 封入モルタルの場合 N/mm2 N/mm2 N/mm2 N/mm2 6,600 N/mm2 22,000 N/mm2 28,400 N/mm2 19,500 N/mm2 JSCE-G521 SPR モルタル 2 号の場合 SPR モルタル 3 号の場合 SPR モルタル 4 号の場合 SPR 封入モルタルの場合 SPR モルタル 2 号の場合 SPR モルタル 3 号の場合 SPR モルタル 4 号の場合 SPR 封入モルタルの場合 既設管 充填材 表面部材 金属部材 SPR工法の更生断面図 (金属部材を用いた場合) - 2014 年度版 - 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査工の結果に基づき,必要に応じて処理方法を決定し,製管前に事前処理 を行う。 《事前処理工・実施内容および留意点》 ①高圧洗浄による処理 高圧洗浄によりモルタル等の除去を行う場合には,完全に除去ができるよう,TV カメ ラ等で監視しながら作業を行う。 ②管内ロボットによる処理 管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出および木根等の除去を行う場合には, TV カメラで監視しながら行う。(既設管呼び径 800 mm 未満) ③多量の浸入水の仮止水 充填材に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は,仮止水を行う。 方法については,パッカー注入,部分補修等による方法を検討し,当該現場に最も適した 方法で行う。 ④管きょ内に人が入っての事前処理作業 管きょ内に人が入ってモルタル除去等の作業が可能な場合は,流下する下水の水量,流 速等に充分注意して作業を行う。また,使用する機器は感電の恐れのない圧縮空気や高圧 水を用いたものを使用するようにする。 ⑤マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等があり,製管機等が設置できない場合は,除去して正しく設置 できるようにする。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.製管工 製管工においては,製管内径を管理するとともに,嵌合状態に注意しながら行う。 - 2014 年度版 - 《製管工 実施内容および留意点》 製管工の管理方法 ・製管内径が設計通りに製管できていることをプロファイル周長および内径を測定すること により確認した上で製管を開始する。 ・嵌合部に不純物が無いか,絶えず確認しながら製管を行う。 ①元押し式製管方式と自走式製管方式について 元押し式製管方式:マンホール内に製管機を設置し,嵌合した更生管を既設管内に挿入 する。基本的に作業員が管内に入ることのできない小口径管(円形 管)に適用する。 自走式製管方式:製管機が既設管内を自走しながら更生管を製管していく。作業員が管 内に入ることのできる口径の円形管および非円形管に適用する。 ②製管速度 製管速度(プロファイル送り込み速度)は適正速度以内で行う。製管速度は標準的には 5m/min~10m/min 程度とするが,これを超える異常な速度で送り込まないようにする 必要がある。 ③更生材料の傷付け防止 更生材料の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意し,必要に応じ当て板等で保護す る。 9.裏込め注入工 裏込め注入工については,充填材の性状確認,注入圧力および注入量等について管理を行う。 《裏込め工 実施内容および留意点》 裏込め施工条件 外気温が 5℃~30℃での施工を原則とし,やむを得ない場合は混練水等の温度調節を行 う。 充填材性状の管理方法(SPRモルタル2号の場合) 管理項目 ・配合比 配合前に粉体・エマルジョン・水の重量を測定し記録する ただし,比重・フロー値を確認し,水の量を調節する。 ・比重管理 1.30 以上 ・引き抜きフロー試験 330 mm ± 40 mm ・圧縮強度試験 12.0N/mm2 以上(材齢 7 日) 21.0N/mm2 以上(材齢 28 日) 管理頻度 ・配合比/比重管理/引き抜きフロー試験 注入日毎に1回 ・圧縮強度試験 既設管径 800 mm 未満 :施工延長 100m毎に 1 回 既設管径 800 mm 以上 :注入日毎 注入圧力の管理方法 注入圧力は注入口付近で圧力計を用いて,随時計測し記録する。注入圧力の上限値は注入 口付近で 0.05MPa を標準とするが,管径・支保点数・プロファイルの種類等により上限 圧力が異なるため,メーカー仕様などに基づき上限注入圧力を決定し,その値内で管理す る。 - 2014 年度版 - 支保工兼浮上防止工について 裏込め注入を行う際に更生管に浮力が生じる。この浮力による浮き上がり防止を図るた め,および注入圧力による更生管の変形を防ぐため,支保工兼浮上防止工を行う。 ①小口径(人が入れない管径)の場合 更生管内に金属チェーン等の重しを引きならし,両端に止水栓を設置して管内に充水 する。必要に応じ管内水圧を上げる。 ②大口径(人が入れる管径)の場合 更生管頂部に孔を設け,支保材を管内で組み立てて頂部ジャッキボルトを貫通させて 既設管への反力をとり,浮上防止とする。孔は注入後専用プラグで閉塞する。 注入量の管理方法 注入量が計画注入量を対比し大きな差異がないことを確認する。 充填材が管口のエア抜き口から溢流することを確認する。 注入終了後,打音・支保工孔等により完全充填を確認する(人が入れる場合)。 ①計量作業に用いる計量器の精度を安定させる。 ②流量計等を用いて充填材注入量を連続的に計測し,チャート紙に記録する。 ③圧縮強度試験用の供試体はアジテータより採取し,湿空養生(気温 20℃,湿度 80%) にて保管する。 ④取付け管内に充填材が流入しないようにエアパッカー等を設置しておく。 ⑤下水供用中の注入について 既設管と更生管の隙間は上流・下流管口ともに充填材注入に備えて急結モルタル等 で閉塞(シール)を行う。隙間に流入する下水をできるだけ少なくするため,まず上 流管口の閉塞を行う。また,下流管口閉塞(シール)部には隙間に溜まった下水を最 終的に充填材で押し出すために水抜き孔を設ける。モルタル充填による汚水との置換 を確認した後に,セメント等で密閉する。 ⑥支保工を設置した場合,注入終了後,少なくとも1日を経過した後,支保工を撤去す る。 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管(充填材)の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 《性能試験用テストピース採取 実施内容および留意点》 採取場所 施工時のアジテータから採取する。 採取方法 ①上記の場所から JSCE-G521 に準拠した圧縮強度試験サンプルを採取する。 ②湿空養生(気温 20℃,湿度 80%)にて乾燥しないよう気中養生を行う。 11.出来形管理 共通項目参照。 ただし,更生管内径測定の位置は,下記のとおりとする。 更生管径 800mm 未満 :上下流マンホール内管口 更生管径 800mm 以上 :上下流マンホール内管口およびスパン中央部 - 2014 年度版 - ダンビー工法 1.工法概要 ダンビー工法は,既設管内面に硬質塩化ビニル製の帯板(ストリップ)を螺旋状に巻き立 てながら,隣り合うストリップ間を帯板状接合用かん合部材(SFジョイナー)でかん合 し,連続した管体(ストリップ管)を新たに形成する。既設管上部に設置したスペーサー の空間を利用して,既設管とストリップ管の空隙に充てん材を注入し,既設管とストリッ プ管と充てん材が一体となった複合管として更生される。 適用管径は,中大口径を対象とし,円形管以外にも矩形きょ・馬蹄形きょにも対応可能であ る。 また,供用下の施工も可能等の特長を有している。 2.適用範囲 項 目 建設技術審査証明の適用範囲 管 種 鉄筋コンクリート管,鋼管,鉄管, ミニシールドセグメント 管 径 円形管 :φ800mm~φ3,000mm 非円形管:短辺 800mm 以上 長辺 3,000mm 以下 段 差 100mm 屈 曲 角 円形管 :6° 非円形管:3° 曲 が り 円形管 :曲率半径 20m 非円形管:曲率半径 50m 継手隙間 150mm 供用下の施工 建設技術審査証 明 備 考 複合管の設計に適用で きるのは鉄筋コンクリ ート管のみ。その他の管 種に対する設計は別途 検討が必要。 水深:既設管径の 30%以下かつ 40cm 以下 流速:1.0m/sec 以下 取得年度・・・・・1996 年 3 月 変更年度・・・・・2012 年 7 月 建設技術審査証明以外の適用範囲及び最新データ等については工法協会,メーカーの仕様を 確認する。 - 2014 年度版 - 3.使用材料の物性 名 称 材 料 構 成 表面部材:ストリップ・ SFジョイナー 金属部材:①スペーサー ②鋼材(ストリップ補強用) 充てん材:ダンビー充填材 表面部材:硬質塩化ビニル 金属部材:①スペーサー:一般構造用圧延鋼材 (JIS G 3101 SS400) ②鋼材:溶融亜鉛めっき鋼板および鋼帯(JIS G 3303) 他 充てん材:2 液混合型セメントミルク(管頂部は 1 液型) 基 本 物 性 項 目 性 能 備 考 表 面 部 材 引張強さ 35N/mm2 以上 JIS K 7162 耐摩耗性 硬質塩化ビニル管と同等以上 JIS K 7204 部金 材属 スペーサー 一般構造用圧延鋼材(JIS G3101 SS400)と同等 鋼材 溶融亜鉛めっき鋼板および鋼帯(JIS G 3303)他と同等 充 填 材 耐薬品性 充 填 材 1 充 填 材 2 圧縮強度 (材齢 28 日) ヤング係数 圧縮強度 (材齢 28 日) ヤング係数 合 格 JSWAS K-1 20N/mm2 JSCE-G 505 8,000N/ mm2 JIS A 1149 20N/mm2 JSCE-G 505 8,000N/ mm2 JIS A 1149 (スペーサー) ダンビー工法の更生断面図(例) ※ 構造計算の結果、スペーサーの増設や、鉄筋、鋼製リング、炭素繊維等により補強した断面で設計する場合 - 2014 年度版 - もある。 充てん材 金属部材(スペーサー) 既設管 金属部材 表面部材 金属部材 金属部材 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 共通項以外として,取付け管の接続位置とスペーサーとの位置関係を明確にする。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査工の結果に基づき,必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し,作業を行う。 《事前処理工 実施内容および留意点》 ①モルタル・取付け管突出・木根等の除去 管きょ内に人が入り,目視により人力で行う。この場合,流下する用水の水量・流速等 や酸欠空気・硫化水素濃度等の安全面に充分注意して作業を行う。 また,使用する機器は感電の恐れのない圧縮空気や高圧水を用いたものを使用するよう にする。 ②浸入水の止水 浸入水がある場合は,Vカット工法等により止水を行う。 ③マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等があり,製管機等の搬入やストリップの引込みができない場合 は,除去して搬入,引込みができるようにする。 ④適用範囲外の処理 施工適用範囲外の段差や管ズレがある場合は,モルタル等のすり付けにより施工可能な 状態にする。 - 2014 年度版 - 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.製管工 製管工においては,かん合状態等に注意しながら行うとともに製管内径の確認をする。 《製管工 実施内容および留意点》 ①スペーサーの取付け状態の確認 スペーサーの継ぎ目部に段差がないことを目視にて確認する。 ②ストリップの引込み径の確認 ストリップの損傷を防ぐ為,引き込み時の螺旋径が適切であることを確認する。 ③かん合部およびかん合状態の確認 かん合部に異物がないか確認しながら製管を行う。 製管した後,再度かん合状況を確認する。 ④製管内径の確認 製管後,内径を確認する。 ⑤更生材料の傷付け防止 更生材料の取扱い時には傷付けないよう充分に注意し,必要に応じ当て板等で保護する。 ⑥水供用中の管口処理 水供用中の製管は、上流部管口より行うことを標準とし,ストリップと SFジョイナー を管口より 3~5 巻巻いた後,上流からの水がストリップ管と既設管の隙間に流入しない ように,ストリップ管と既設管の隙間を急結モルタルおよびエポキシ系コーキング材にて 閉塞を行い,水は製管したストリップ管内を流通させる。 閉塞は,管頂部の充てん材注入ホース挿通部を除く全周とする。 下流側の管口処理は,製管後,ただちに行う。 供用中以外の場合は,上流側・下流側とも製管後,管口処理を行う。 ⑥製管速度 製管は,機械製管を標準とするが,以下の場合は人力製管とする。 1) 端部巻き始め部 2) 既設管に著しい屈曲・曲がり・段差がある場合 3) 更生区間の延長が短い場合 製管速度は,下記速度を標準(8 時間施工)とする。 ただし,既設管の状況により変わる場合がある。 管径別標準製管速度 (m/日) 既設管 800 900 1,000 1,100 1,200 1,350 1,500 1,650 1,800 2,000 径 人力製 18 18 18 18 18 14 14 12 12 9 管 機械製 50 50 50 50 50 40 40 32 32 26 管 - 2014 年度版 - 9.充てん材注入工 充てん材注入工については,充てん材の性状確認,注入ポンプの吐出量,注入量等について 管理を行う。 《充てん材注入工 実施内容および留意点》 ①充てん材注入施工条件 外気温が 5℃~35℃での施工を原則とし,外気温が規定を外れている場合は混練水等の 温度調節を行う。 ②充てん材性状の管理方法 1)管理項目 ・配合比の管理 充てん材の混練前に配合比を確認し,記録する。 充填材1の標準配合 材料名 数量 セメント 主 900 ㎏ 材(750ℓ) 混和剤 4.5 ㎏ 水 461 ㎏ 硬化材 200 ㎏ 硬化材(250ℓ) 水 184 ㎏ ・JA ロートによるコンシステンシー試験 主材:13±2 秒・硬化材:11±2 秒 ・ゲルタイムの測定 段階注入時間の目安 ・圧縮強度試験 20N/mm2 以上(材齢 28 日) 1,000ℓ当り 充填材2の標準配合 材料名 数量 セメント 1,200 ㎏ 混和剤 C 6.0 ㎏ 水 612 ㎏ 添加剤 10 ㎏ 2 20N/mm 以上(材齢 28 日) ・圧縮強度試験 2)管理頻度 ・注入日毎 ③注入ポンプの吐出量の管理方法 管底からストリップ管管頂までは,充填材1(主材と硬化材の 2 液)の注入となるため, 主材と硬化材の割合が 3:1 となるように注入ポンプの吐出量の調整を行う。 ストリップ管管頂部より,既設管管頂部までは,充填材2の注入となる。 ④注入ホース引抜速度の管理方法 段階別に決められた引抜速度となるように注入ホースの巻取速度の設定を行う。 ⑤注入量の管理方法 注入量が計画注入量と対比し,大きな差異がないことを確認する。 充てん材が管口の立上げ管から流出することを確認する。 - 2014 年度版 - 最終段階注入後,立上げ管より補足注入を行う。 注入終了後,打音により完全充てんを確認する。 1) 注入に先立ち,充てん材の性状確認を行い,ゲルタイムの測定結果により,段階ごと の注入間隔時間を決定する。 2) 計量作業に用いる計量器の精度を安定させる。 3) 流量計等を用いて充てん材注入量を連続計測し,チャート紙に記録する。 4) 取付け管がスペーサーのホース通過部にある場合は,取付け管の閉塞を行い,それ以 外の場合は,取付け管部を穿孔して管口仕上げを行い,充てん材が流入しないようにす る。 ⑥更生管の変形防止 2液混合型の急硬化性の充てん材による段階注入方式を採用しているため,円形管の場 合,特に変形防止は必要としない。ただし,非円形でストリップ管に直線部分がある場合 は,直線部分の保護のために,充てん材注入前に支保工の設置を行う。支保工は注入完了 後,24 時間以上経過後に撤去を行う。 ⑦水供用中の充てん材注入方法 ストリップ管と既設管との間に滞留水がある場合には,状況に応じて注入前にポンプに より排水を行う。 排水は,SFジョイナー部に隙間を設けるか,または、ストリップに穿孔して行う。 排水後,SFジョイナーのかん合を確認,または,ストリップの排水孔をエポキシ系コ ーキング材で閉塞後,注入を行う。 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管(充てん材)の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 《性能試験用テストピ-ス採取 実施内容および留意点》 ①採取場所 施工時,先端混合ノズルより容器に吐出させ,容器より採取する。 ②採取方法 1) 上記場所から JSCE-F 506 に準拠して,テストピースを採取する。 2) 圧縮強度試験用のテストピースはφ50mm×100mm の円筒形供試体型枠を使用する。 3) 密閉容器にて乾燥しないよう,1日間気中養生を行う。 4) 1日後,供試体用型枠の脱型を行い,水中養生(20±3℃)を行う。 11.出来形管理 共通項目参照。 ただし、更生管内径測定の位置は、下記のとおりとする。 上下流マンホールより1mの位置およびスパン中央部において実測し,記録する。 - 2014 年度版 - パルテム・フローリング工法 1.工法概要 パルテム・フローリング工法は既設管きょ内で組み立てた鋼製リングに高密度ポリエチレ ン製のかん合部材と表面部材とを管軸方向に組み付け,既設管と表面部材との間に充填材を 充填することにより,既設管きょを更生する工法である。 2.適用範囲 項目 管種 適用範囲 鉄筋コンクリート管きょ 備考 無筋コンクリート、石 積みなど適用可能 施工実績:5,500mm 円 形 管:φ800 ㎜~φ3,000 ㎜ 非円形管: 800 ㎜~ 5,000 ㎜ 円 形 管:12mm~125mm(管径等により値は異なる) 段差 非円形管:10mm~128mm(管径等により値は異なる) 曲率半径 3.6m以上 最小実績 0.9m(1500mm) 曲がり 屈曲角度 12°以下 最小実績 90°(1100mm) 継手隙間 200 ㎜以下 ① 水深 30cm 以下(管内水替え) 下水供用下の施工 ② 水深 60cm 以下および流速 0.12m/sec 以下(既 設管きょの高さが 1,500mm 以上、半川締切り) 流量検討により 20mm 勾配補正 20 ㎜以下 以上可能 取得年度・・・・・・2002 年 2 月 建設技術審査証明 変更年度・・・・・・2014 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については工法協会,メーカーの仕様 を確認する。 管径 - 2014 年度版 - 3.使用材料の物性 名称 材料構成 項目 表 面 部 材 表面部材:かん合部材,表面部材 金属部材:鋼製リング 充 填 材:フローリングモルタル 表面部材:高密度ポリエチレン樹脂 金属部材:SS400(JIS G3101) 充 填 材:高流動モルタル 基本物性 性能 引張強さ 21.6Mpa JIS K7161 耐摩耗性 新管と同等以上 JIS K7204 耐薬品性 合格 金 属 部 材 充 填 材 SS400(JIS 比重 圧縮強度 (材齢 28 日) 建設技術審査証 明 充填材 備考 既設管 JSWAS G3101) 2.00 以上 24.0 フローリングモルタル1号の場 合 JSCE-G521 N/mm2 取得年度・・・・・2002 年 2 月 変更年度・・・・・2014 年 3 月 金属部材 充填材 表面部材 金属部材 表 面 部 材 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 K-1 - 2014 年度版 - 6.事前処理工 施工前管きょ内調査工の結果に基づき,必要に応じて処理方法を決定し,製管前に事前処 理を行う。 《事前処理工 実施内容および留意点》 ①多量の浸入水の仮止水 充填材に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は,仮止水を行う。方法につ いては,パッカー注入,部分補修等による止水の方法を検討し,当該現場に最も適した 方法で行う。 ②管きょ内に人が入っての事前処理作業 管きょ内に人が入ってモルタル除去等の作業が可能な場合は,流下する下水の水量,流 速等に充分注意して作業を行う。また,使用する機器は感電の恐れのない圧縮空気や高 圧水を用いたものを使用するようにする。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.製管工 製管工においては,製管内径を管理するとともに,嵌合状態に注意しながら行う。 《製管工 実施内容および留意点》 製管工の管理方法 ・製管内径が設計通りに製管できていることを確認した上で製管を開始する。 ・嵌合部に不純物がないことを絶えず確認しながら製管を行う。 ①鋼製リング組立工 分割された鋼製リングを人孔から管きょ内に搬入し,ボルト結合により鋼製リングを組 み立てる。組立作業が終了した後にボルト,ナットのゆるみがないかを確認する。 ②かん合・表面部材組付工 かん合部材を人孔から管きょ内に搬入し,鋼製リングの溝に組付ける。その後表面部材 を搬入しかん合部材とかん合させ更生形状に仕上げる。組付作業が終了した後にかん合 不良がないかを確認する。 ③更生材料の傷付け防止 更生材料の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意し,必要に応じ当て板等で保護す る。 ④製管速度 製管速度は,下記速度を標準(8 時間施工)とする。ただし,勾配調整および鋼製リン グのピッチ変更により変わる場合がある。 既設管径 800 900 製管速度 7.5 7.0 管径別標準製管速度 1,000 1,100 1,200 1,350 6.5 9.5 9.0 8.5 1,500 1,650 10.0 9.5 (m/日) 1,800 2,000 9.0 8.5 - 2014 年度版 - 9.裏込め注入工 裏込め注入工については,充填材の性状確認,注入圧力,注入量等について管理を行う。 《裏込め工 実施内容および留意点》 裏込め施工条件 スラリー温度(材料温度)-2.0℃以上 充填材性状の管理方法(フローリングモルタル1号の場合) 管理項目 ・標準配合比 (配合は外気温等によって調整する) 水 380.0kg/m3 セメント 648.0kg/m3 細骨材 1,049.0kg/m3 混和剤A 51.6kg/m3 混和剤B 6.8kg/m3 混和剤C 3.0~12.5kg/m3 合計 2,138.4~2147.9kg/m3 ・フロー試験 300±30 ㎜ ・圧縮強度試験 10.0N/㎜ 2 以上(材齢 7 日) 24.0N/㎜ 2 以上(材齢 28 日) 管理頻度 ・フロー試験 ・圧縮強度試験 注入日毎に1回 注入日毎に1回 注入圧力の管理方法 注入圧力はポンプ吐出口及び注入口付近で圧力計を用いて,随時計測し記録する。注入 圧力はポンプ吐出口 1~3Mpa 以下,注入口付近 0.2Mpa 以下を標準とするが,圧力注入 ではなくポンプおよびホース内で充填材が詰まらないよう管理する目安とする。 注入量の管理方法 注入量が計画注入量を対比し大きな差異が無いことを確認する。 充填材が管口のエア抜き口から溢流することを確認する。 注入終了後,打音検査等により完全充填を確認する。 ①流量計等を用いて充填材注入量を連続的に計測し,チャート紙に記録する。 ②圧縮強度試験用の供試体はアジテータトラックもしくはアジテータより採取し,封かん養 生にて保管する。 ③取付け管内に充填材が流入しないよう事前に取付け管部に塩ビ管等の仮配管を接続する。 ④表面部材のかん合完了後,部材端部を切り揃えて,更生管の端部に速硬性モルタルで端部 処理を行う。 ⑤充填口は表面部材に直接穴を開けてネジ加工を行い,フローリングモルタルの充填状況を 確認した後,下流側から 5~10mの間隔で取り付ける。 ⑥充填材の注入は,充填ポンプを使用して数日に分けて行い,1日当たりの充填高さは 50cm 以下とする。 ⑦下水供用中の注入について 既設管と更生管の隙間は上流・下流管口ともに充填材注入に備えて端部処理を行うが, 隙間に流入する下水をできるだけ少なくするため,まず上流部から閉塞(シール)を行 - 2014 年度版 - う。また,上流部には隙間に溜まった下水を最終的に充填材で押し出すために水抜き孔 を設ける。 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管(充填材)の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 《性能試験用テストピース採取 実施内容および留意点》 採取場所 施工時のアジテータトラックもしくはアジテータから採取する。 採取方法 ①上記場所から JSCE-G521 に準拠した圧縮強度試験サンプルを採取する。 ②封かん養生にて保管する。 11.出来形管理 共通項目参照。 - 2014 年度版 - 3Sセグメント工法 1. 工法概要 3Sセグメント工法は,老朽化した下水道管きょの形状(円形,非円形)を考慮した透明で軽 量な硬質塩化ビニル製セグメント(3Sセグメント材)を人力にて既設人孔入口から搬入し,既 設管内にて運搬を行ない組立てる。その後,既設管と3Sセグメント材との隙間に3Sセグメン ト用充填材(3S充填材)を注入し,3Sセグメント材,3S充填材および既設管が一体化した 複合管を構築する工法である。 2. 適用範囲 項 目 管 管 施 工 延 段 適 用 範 種 鉄筋コンクリート管きょ(ヒューム管,現場打ちコンク リート管きょ等) 径 <円形管> 呼び径 800~3000 <非円形管> 短辺 1,000 mm 以上 長辺 6,200 mm 以下 長 <円 形> <非円形> 差 円形きょ 非円形きょ 既設管の呼び径の2%以下 曲 角 3°以下 曲 が り 曲線半径R=3.2m以上 間 150 ㎜以下 手 隙 下水供用下の施工 建設技術審査証明 備 考 制限無し 制限無し 屈 継 囲 水深:呼び径 800~1500 呼び径 1650~3000 流速:水深 30cm 以内 水深 30cm 超 呼び径の 30%以下 50cm 以下 1.0 m/sec 以下 0.2 m/sec 以下 取得年度・・・・・2004 年 3 月 更新年度・・・・・2006 年 3 月 更新年度・・・・・2009 年 3 月 更新年度・・・・・2014 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については工法協会,メーカーの仕様を 確認する。 - 2014 年度版 - 3. 使用材料の物性 名 称 材 料 構 成 表面部材:3Sセグメント材 金属部材:ボルト類 充 填 材:3S充填材 表面部材:硬質塩化ビニル樹脂 金属部材:S20C(JISG4051)と同等 充 填 材:高流動無収縮モルタル 基 項 表 面 部 材 本 目 性 性 能 備 考 引張強さ 44MPa 以上 JIS K7113 耐摩耗性 新管と同等以上 JIS K7204 耐薬品性 金 属 部 材 充 填 材 物 合 格 JSWAS K-1 S20C(JISG4051)と同等 比 2.0 以上 重 圧縮強度 (材齢 28 日) 35N/㎜ 2 以上 60N/㎜ 既設管 充填材 金属部材(ボルト類) 2 以上 JSCE-G521 - 2014 年度版 - 3Sセグメント工法の更生断面図 4. 施工前現場実測 共通項目参照 5. 施工前管きょ内調査 共通項目参照 6. 事前処理工 施工前管きょ内調査工の結果に基づき,必要に応じて処理方法を決定し,製管前に事前処理を 行う。 《事前処理工 実施内容および留意点》 ①管きょ内に人が入っての処理 管きょ内に人が入ってモルタルや木の根等の除去作業が可能な場合は,使用する機器によ る感電の恐れのない圧縮空気等による機器を使用する。また,供用中の場合の水量や流速に は十分注意し,酸欠空気や硫化水素濃度の監視も怠りのないようにする。 ②多量の浸入水の処理 充填材の注入に支障となるような多量の浸入水がある場合は,仮止水工を行う。仮止水工 の方法については,状況に応じてパッカー注入やVカット工法等の適切な工法で行う。 7. 施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照 8. 製管工 製管工においては,製管内径を管理するとともに3Sセグメント材の接合状態に注意しながら 作業を行う。 《製管工 実施内容および留意点》 ①製管工の管理方法 製管内径が設計通りに製管できていることを,内径を測定することにより確認する。 セグメント材の接合部に異物の挟み込み等がないか,随時確認しながら製管を行う。 ②3Sセグメント材の組立 ボルト・ナットで3Sセグメント材を連結する際には,あらかじめエアーハンドツールの 締め付けトルクを確認する。組み立てる際,接合部には水密性を確保するためのシール材を 塗布する。 ③スペーサーの設置 スペーサー設置の際には,がたつきがないよう確認する。 - 2014 年度版 - ④製管内径の確認 製管後,内径を確認する。 ⑤更生材料の傷つけ防止 3Sセグメント材の取扱い時には傷つけぬよう十分注意し,必要に応じて板等で保護する。 ⑥製管速度 製管速度は下表を標準(8 時間施工)とする。ただし,作業量は作業環境により変わる場 合がある。 管径別標準製管速度(セグメント組立工標準作業量) (m/日) 既設管径 800 900 1,000 1,100 1,200 1,350 1,500 1,650 1,800 2,000 製管速度 13 14 16 16 18 19 20 20 20 16 9. 充填材注入工 充填材注入工では,3S充填材の性状確認,注入量および注入状況(目視)について管理を行 う。 《充填材注入工 実施内容および留意点》 ①充填材注入工施工条件 外気温が 5℃~35℃での施工を原則とし,それ以外の場合は適切な処置(混練水の温度調 節等)を行う。 ②充填材性状の管理方法 3S充填材性状の管理項目および管理頻度は下表による。 管理項目 配 合 比 フロー値 1) 圧縮強度 (材齢 28 日) 種 別 管 理 値 1号材 (水/材料比:21.2%)1袋 25kg 3号材 (水/材料比:19.0%)1袋 25kg 4号材 (水/材料比:20.0%)1袋 25kg 1号材 300±30 ㎜ 3号材 280±30 ㎜ 4号材 300±30 ㎜ 1号材 35 N/㎜ 2 以上 3号材 35 N/㎜ 2 以上 4号材 60 N/㎜ 2 以上 1) φ5×10 ㎝円筒容器によるフリーフロー 管理頻度 バッチ毎に1回 注入日毎に1回 注入日毎に1回 - 2014 年度版 - ③注入量の管理方法 管きょ内から目視によって確実に充填されていることを確認する。この際,断面方向およ び延長方向へ偏りが生じないよう,バルブの切り替えや注入速度の調整を行い確実な施工を 行う。 注入量は流量計により連続計測し,実注入量と計画注入量とを比べて大きな差異がないこ とを確認する。 注入作業の完了を判断するために,充填材が管口のエアー抜き管から流出することを確認 する。 ④更生管の変形防止 4 更生管の変形・変位を防止するため,注入口 3 の間隔に合わせて支保工を設置する。また,充 填材の注入によって3Sセグメント材に過大な 2 側圧等が作用しないように,管径に応じて右図 1 に示すように分割注入する。 ⑤注入口の後処理 呼び径 2600 の場合の分割注入例 3S充填材の凝結後,注入口の後処理を行う。後処理は,注入用カプラーを外し注入口カ バーを取付ける。 ⑥下水供用中の注入 既設管との隙間は,充填材注入工に備えて急結セメント等により仮締め切りを行うが,隙 間に流入する下水をできるだけ少なくするため上流側から仮締め切りを行う。また,隙間に 溜まった下水が充填材と置き換わって排水されやすいように水抜きを設ける。 10. 性能確認試験用テストピース採取 更生管(充填材)の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 《性能確認試験用テストピース採取 実施内容および留意点》 ①採取場所 施工時のアジテータートラックもしくはミキサーから採取する。 ②採取方法 ・上記の採取場所から,JSCE-G521 に準拠した圧縮強度試験サンプルを採取する。 ・封かん養生にて保管する。 11. 出来形管理 共通項目参照 - 2014 年度版 - PFL工法 1.工法概要 PFL工法は,既設管きょ内面に高張力炭素繊維補強材を取付け,その後,表面部材である高 密度ポリエチレン製のPFLパネルを設置し,既設管とPFLパネルとの隙間に専用モルタルを 注入する工法である。 2.適用範囲 項目 適用範囲 管種 鉄筋コンクリート管 管径 円 形 管:呼び径 800 mm 以上 非円形管:管きょ内で作業員が作業 できること。 段差 200mm程度 曲がり 備考 対応可能 継手隙間 200mm程度 浸入水 事前処理必要 取得年度・・・・・2007 年3月 変更年度・・・・・2014 年3月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については工法協会,メーカーの仕 様を確認する。 建設技術審査証明 3.使用材料の物性 名称 材料構成 表面部材:PFLパネル 補強部材:KBM 充 填 材:PLモルタル 表面部材:高密度ポリエチレン樹脂 補強部材:炭素繊維 充 填 材:プレミックスモルタル 基本物性 - 項目 表 面 部 材 補 強 材 充 填 材 2014 年度版 - 性能 備考 引張強さ 16N/mm 2 以上 JIS K6760 耐磨耗性 新管と同等以上 JIS K7204 耐薬品性 合格 JSWAS K-14 連続繊維補強材(JSCE-E-531-1999)と同等 比重 圧縮強度 (材齢 28 日) 2.1 以上 45N/mm2 以上 JSCE-G521 既設管 充填材 表面部材 4.施工前現場実測 補強材 共通項目参照 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照 6.事前処理工 施工前管きょ内調査工の結果に基づき,必要に応じて処理方法を決定し,製管前に事前処理 を行なう。 《事前処理工 実施内容および留意点》 ①多量の浸入水の仮止水 充填材に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は,仮止水を行なう。方法につ いては,V カット,部分補修等による止水の方法を検討し,当該現場に最も適した方法で行 う。 ②管きょ内に人が入っての事前処理作業 管きょ内に人が入ってモルタル除去等の作業が可能な場合は,流下する下水の水量,流速 - 2014 年度版 - 等に充分注意して作業を行う。また,使用する機器は感電の恐れのないものを使用する。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照 8.製管工 製管工においては,設置位置を注意しながら行う。 《製管工 実施内容および留意点》 ①補強材設置工 設置後,外れないように確実に固定する。また,接合箇所についてはラップ長を 2 節以上 とする。 ②表面部材設置 スペーサーを使用して,注入厚さが均一になるようにする。 表面部材同士の接合は,専用のピン及びボルトにて緩みのないように確実に固定する。 ③更生材料の傷付け防止 更生材料の取り扱いには傷付けないよう充分に注意し,必要に応じ当て板等で保護する。 ④製管速度 製管速度は,下記速度を標準(8時間施工)とする。ただし、既設管の状態により変わる 場合がある。 既設管径 製管速度 800 12.7 900 11.3 管径別標準製管速度 1000 1100 1200 9.9 8.9 8.1 1350 7.4 1500 6.6 (m/日) 1650 1800 5.9 5.4 2000 5.0 9.充填材注入工 充填材注入工については,充填材の性状確認,注入量等について管理を行う。 《充填材注入工 実施内容および留意点》 ①充填材注入施工条件 外気温が5℃~30℃での施工を原則とし,やむを得ない場合は混練水等の温度調整を行う。 ②充填材性状の管理方法 管理項目 ・配合比 水 337.5 ㎏/m 3 セメント 900.0 ㎏/m 3 骨材 935.6 ㎏/m 3 混和剤 39.4 ㎏/m 3 合計 2212.5 ㎏/m 3 - ・フロー試験 ・圧縮強度試験 管理頻度 2014 年度版 - J14 ロート8±2秒 材令3日 35N/mm2 以上 配合・流動性・圧縮強度 材令 28 日 45N/mm2 以上 1 スパン毎 注入圧力の管理方法 本工法は圧力注入ではなく、自然流下による注入方法のため、ポンプおよびホース内で 充填材が詰まらないように管理する。 注入量の管理方法 注入量が計画注入量を対比し大きな差異がないことを確認する。 充填材が排出口から溢流することを確認する。 注入終了後、打音により完全充填を確認する。 ① ② ③ ④ ⑤ 流量計を用いて充填材注入量を連続的に計測し,チャート紙に記録する。 圧縮強度試験用の供試体はアジデータより採取し,保管する。 表面部材設置完了後,更生端部に速硬性モルタルで端部処理を行う。 取付け管内に充填材が流入しないように事前に塩ビ管等を設置しておく。 下水供用中の注入について 既設管と更生管の隙間は上流・下流管口ともに充填材注入に備えて端部処理を行うが,隙間 に流入する下水をできるだけ少なくするため,まず上流部から閉塞を行う。また,上流部には 隙間に溜まった下水を最終的に充填材で押し出すために水抜き孔を設ける。 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管(充填材)の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 《性能試験用テストピース採取 実施内容および留意点》 ①採取場所 施工時のアジデータから採取する。 ②採取方法 上記の場所から JSCE-G521 に準拠した圧縮強度試験サンプルを採取する。 圧縮強度試験用のテストピースはφ50 ㎜×100 ㎜の円筒形供試体型枠を使用する。 採取したテストピースは振動等与えない場所で、気中養生を行なう。 11.出来形管理 共通項目参照。 - 2014 年度版 - SGICP-C工法(旧 ICP ブリース複合管工法) 1.工法概要 本技術は、反転工法により既設管きょの内面に既設管口径よりやや小さい内径となる樹脂パ イプを作製後、既設管とのすき間に充填材を注入して既設管と樹脂パイプを一体化させること で更生管を形成する更生工法である。また、従来の帯状塩化ビニル材を嵌合させながら内管を 作製する製管工法とは異なる方法で複合管を構築するものである。 特徴として、樹脂パイプと充填材の付着性を高める結合ライナーを用いていること、人孔間 において管渠内面に継ぎ目なくかつ既設管と一体化した更生管を形成し、スピーディーな施工 が可能なこと、スペーサーが充填材に埋め込まれ鉄筋代わりになり一体化が増し、また更生後 の複合管は耐荷能力に優れ、剛性管と可撓性の性能を兼備することなどが上げられる。2007 年1月に ICPブリース複合管工法からSGICP-C工法に名称変更された。 2.適用範囲 項 目 適 用 範 管 種 鉄筋コンクリート管 管 径 本管 段 差 管径の5%まで段差・横ズレ可 備 考 φ800mm~φ1350mm 曲 が り 屈曲角5°まで可 継手隙間 100mmまで可 滞 留 水 管径の 5%までの滞水可 建設技術審査証 明 囲 取得年度・・・・・2003 年 3月 更新年度・・・・・2008 年 更新年度・・・・・2013 年 3月 3月 更新のみ 建設技術審査証明以外の適用範囲及び最新データ等については工法協会,メーカーの仕 様を確認する。 - 2014 年度版 - 3.使用材料の物性 名 表 金 充 表 布 金 充 称 材 料 構 成 面 部 材:SGICPライナー 属 部 材:スペーサー 填 材 :SGICP充填材 面 部 材:不飽和ポリエステル樹脂,ポリエステル不織 属 部 材:熱間圧延軟鋼板SPHC 填 材 :プレミックス無収縮グラウト材 基 項 表 面 部 材 目 本 性 物 性 能 備 考 短期曲げ強さ 40N/mm2 JIS K 7171 短期曲げ強さ 2,450N/mm2 JIS K 7171 耐摩耗性 新管と同等以上 JIS K 7204 耐薬品性 金 属 部 材 合 格 JSWAS K-2 熱間圧延軟鋼板SPHC(JISG3131) 比 重 充 填 圧縮強度 材 (材齢 28 日) 2.2 ICP 充填材1号 24N/mm2 以上 JSCE-G521 (ICP 充填材 1 号の場合) 既設管 充填材 表面部材 金属部材 SGICP-C工法の更生断面図 4.施工前現場実測 更生材料発注の前に、当該現場の実態を把握するべく各種実測を行う。 更生材料の誤発注を防ぐために、既設管径、管体延長等を実測すると共に、現場施工時に 問題となりそうな点について検討を行う。 - 2014 年度版 - 《施工前現場実測・ 実施内容及び留意点》 ①既設管径の実測 ②管体延長の実測 地上でマンホールの芯々間を実測し、マンホール寸法分を除く。 ③マンホールの形状寸法確認 上下流マンホールの径、深さ、インバート形状、流入管管径、その他施工時に支 障となりそうな要因が無いかどうかの確認。 ④下水流下中の施工の場合は、水位・流速や上流の状況によるそれらの変動が無いか どうかの確認。 ⑤その他、現場周辺の状況を確認し、工事車両の配置等の検討を行う。 5.施工前管きょ内調査 各工法とも,以下の内容は共通とする。 施工に先立ち管きょ内の TV カメラ調査,もしくは目視調査を行い,施工に支障のある障 害物等の有無を確認し,事前処理工の必要がある場合には処理方法の検討を行う。 《施工前現場実測・ 実施内容及び留意点》 ①取付管位置の計測 管口から取付管芯までの距離を実測し,本管への接続角度を記録する。 ②段差,隙間,屈曲等の確認 施工適用範囲内であることを確認。適用範囲外である場合は,施工方法を検討す る。 適用範囲・・・建設技術審査証明の証明範囲による。 ③事前処理工の検討 事前処理を行う必要のある,モルタルの堆積,取付管の突出,鉄筋の突出,多量 の浸入水等の有無を確認し,それらが認められた場合は事前処理方法等の検討を 行う。 6.事前処理工 施工前管渠内調査工の結果に基づき、必要に応じて事前処理工を行う。 施工に支障を来たす要因の内容に基づいて処理方法を決定し、作業を行う。 《事前処理工・実施内容及び留意点》 ①高圧洗浄によるモルタル等の除去 完全に除去が出来るよう、TV カメラ等で監視しながら作業を行う。 ②多量の浸入水の仮止水 更生材に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は、仮止水を行う。 方法については、パッカー注入、部分補修等による止水の方法を検討し、当該現場に最も 適した方法で行う。 ③管渠内に人が入っての事前処理作業 管渠内に人が入ってモルタル除去等の作業が可能な場合は、流下する下水の水量、流速 - 2014 年度版 - 等に充分注意して作業を行う。また、使用する機器は感電の恐れのない圧縮空気や高圧水 を用いたものを使用するようにする。 ④マンホール内の事前処理 マンホール内に障害物等が有り、施工冶具等が設置できない場合は、除去して施工冶具 が正しく設置できるように努める。 7.施工前管渠内洗浄工 各工法とも,以下の内容は共通とする。 更生工の直前に管きょ内の洗浄を充分に行い,出来形に悪影響を及ぼす可能性の有る土砂, 小石,管壁破損片等を完全に除去する。 洗浄後に TV カメラまたは目視にて,管きょ内が充分に洗浄されているかどうかの確認を行 い,管きょ内に施工に支障を来たしそうな異物が残留している場合は,再度管きょ内洗浄を行 う。 管きょ内に人が入って作業をする場合は、流下する下水の水量や酸欠空気・硫化水素濃度等, 安全面に充分注意して作業を行う。 8.製管工 製管工においては、熱硬化タイプの更生材形成と同様の管理をするとともに、製管内部の確 認を行う。 8-1.内面部材の反転挿入工 空気圧及び水圧を用いて、内面部材の引き込みを行う。 引き込みは適正な引込速度で行い、マンホール口環や管口等で更生材にダメージを与えな いように充分留意する。 《反転工 実施内容及び留意点》 管径毎の標準反転圧力 更生材の管径及び部材厚により反転圧力を算出して圧力を決定する。 P=0.59・t/D P:反転圧力(MPa) t:部材厚(mm) D:管径(mm) 管径毎の内面部材反転速度 内面部材の反転速度は、5m/min 以下で行う。 ①反転は一定の圧力で行い急激な加圧減圧は避ける。 ②反転挿入時更生材温度は5℃~25℃を保つ。 ③反転挿入時マンホール口環、管口に内面部材保護のための管口補強材を施す。 内面部材端部養生は、内面部材が痛まないようにスタートライナー等を被せる。 ④また、内面部材の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意する。 8-2.内面部材の硬化工 内面部材の硬化養生は、加熱時及び冷却時の内面部材内圧力管理、管表面温度管理等を行 う。 - 2014 年度版 - 《硬化工(熱硬化) 実施内容及び留意点》 管径毎の標準硬化圧力 硬化時は測定圧力が下記の値を超えないように注意する。 標準硬化圧力 0.041MPa~0.054MPa 標準硬化温度管理 材料厚毎に決められた加熱循環温水の温度と硬化時間に注意する。 測定位置 〔挿入人孔管口上下,到達人孔管口上下,外気温,温水槽〕 到達人孔管口上下 計測箇所数〔6箇所〕 温 温水槽 度 記録計 挿入人孔管口上下 表面部材 既設管 温度測定位置(熱電対設置) 標 標準硬化温度と硬化時間 既設管 口 径 (mm) 更生管 口 径 (mm) 更 生 材 厚 (mm) 800 735 9.0 900 830 10.0 1000 920 11.0 1100 1010 12.0 1200 1100 13.0 1350 1235 14.0 硬 化 圧 力 (MPa) 0.041 ~ 0.054 一次硬化工 温度 75℃ 時間(分) 二次硬化工 温度 時間(分) 35 以上 50 以上 40 以上 50 以上 40 以上 50 以上 45 以上 85℃ ポンプ 循 環 運 転 時間(分) 10 以上 55 以上 45 以上 60 以上 45 以上 60 以上 20 以上 - 注 2014 年度版 - 上記の時間は、わずかな浸入水がある場合や仮止水処理した場合の標準的な時 間であり、多くの浸入水がある場合や滞水がある場合は、事前に工法協会・メ ーカー仕様を確認する。 9.裏込め工 裏込め工については、充填材の性状確認、注入圧力、注入量等について管理を行う。 《裏込め工 実施内容及び留意点》 裏込め施工条件 外気温が5℃~35℃での施工を原則とし、やむを得ない場合は混練水等の温度調節を行 う。 充填材性状の管理方法(ICP充填材1号の場合) 管理項目 ・配合比 配合前に粉体・水の重量を測定し記録する。 配合比 1m3当たり 粉体 1,775kg 水 385kg ・フロー試験 250mm~300mm ・圧縮強度試験 24.0N/mm2 以上(材齢 28 日) 管理頻度 ・配合比/フロー値 ・圧縮強度試験 既設管径 800mm以上 注入日毎に1回 注入日毎 注入圧力の管理方法 注入圧力は注入口付近で圧力計を用いて、随時計測し記録する。注入圧力は注入口付近 で 0.03MPa を標準とするが、管径等により上限圧力が異なるため、メーカー仕様などに - 2014 年度版 - 基づき上限注入圧力を決定し、その値内で管理する。 注入量の管理方法 注入量と計画注入量を対比し大きな差異が無いことを確認する。 裏込め材が管口のエア抜き口から溢流することを確認する。 注入終了後、打音・支保工孔等により完全充填を確認する。(人が入れる場合) ①施工に先立ち充填材の性状確認を行う。 ②計量作業に用いる計量器の精度を安定させる。 ③流量計等を用いて充填材注入量を随時計測し、チャート紙に記録する。 ④圧縮強度試験用の供試体はアジテータトラックもしくはアジテータより採取し、封かん 養生にて保管する。 ⑤取付管内に裏込め材が流入しないようにエアパッカー等を設置しておく。 ⑥下水供用中の注入 供用中に充填材を注入する場合は、先に上流管口を急結モルタル等で閉塞し、次に下 流管口の水抜き口を除き閉塞させ、上流側から充填材を注入する。水抜き口から滞留水 が排水され、完全に充填材と置き換えられたのを確認してから水抜き口を急結モルタル で閉塞する。その後、注入圧力、注入量に注意し、注入を行う。 10.性能確認試験用テストピース採取 更生管(充填材)の性能確認試験を行うためのテストピースの採取を行う。 《性能試験用テストピース採取 実施内容及び留意点》 採取場所 施工時のアジテータトラックもしくはアジテータから採取する。 採取方法: ① 上記場所から JSCE-G521 に準拠した圧縮強度試験サンプルを採取する。 ② 封かん養生にて保管する。 11.出来形管理 外観検査及び出来形検査を行い,管きょの機能を損なうような欠陥,異常個所が無いこ とを確認する。 (1)外観検査 ①TV カメラもしくは目視により,更生管内の外観確認を行って,ビデオテープ等に記 録する。 ②人が入れる径であれば、打音検査等で充填材の充填状況を確認する。 0° 接合用嵌合部材等 既設管 充填材 D1 (2)出来形検査 ①更生管内径計測 上下左右の充填材を含めた更生材の厚さが 異なることから、左図に示す2箇所(更生 管の内側中央高さと幅)の仕上り内径を測 270° 定し、その検査基準は、平均内径が設計更 生管径を下回らないこととする。 但し、測定箇所については、各工法による。 D2 180° 90° - 2014 年度版 - さや管工法の施工管理に関するマニュアル 《 共通項目 》 1.工法概要 各工法別マニュアルに記載。 2.適用範囲 各工法別マニュアルに記載。 3.使用材料の種類と物性 各工法別マニュアルに記載。 4.施工前現場実測 各工法とも,以下の内容は共通とする。 更生材料発注の前に,当該現場の実態を把握するべく各種実測を行う。 更生材料の誤発注を防ぐために,既設管径,管体延長等を実測すると共に,現場施工時 に問題となりそうな点について検討を行う。 施工前現場実測・ 実施内容及び留意点 ①既設管 管渠形状、勾配、屈曲角度、取付管及び流入管の位置・形状、支障物の有無等 ②管体延長の実測 地上でマンホールの芯々間を実測し、マンホール寸法分を除く。 管きょ内に人が入れる場合には、実延長を実測する。 ③マンホールの形状寸法確認 上下流マンホールの径、深さ、インバート形状、流入管管径、その他施工時に支 障となりそうな要因が無いかどうかの確認。 ④供用中施工の場合、水深と流速を測定する。 ⑤その他、現場周辺の状況を確認し、工事車両の配置等の検討を行う。 5.施工前管きょ内調査 各工法とも,以下の内容は共通とする。 施工に先立ち管きょ内の目視調査を行い,施工に支障のある障害物等の有無を確認し,事 前処理工の必要がある場合には処理方法の検討を行う。 - 2014 年度版 - 施工前現場実測・ 実施内容及び留意点 ①取付管位置の計測 管口から取付管芯までの距離を実測し,本管への接続角度を記録する。 ②段差、隙間、屈曲等の確認 施工適用範囲内であることを確認。適用範囲外である場合は施工方法を検討する。 適用範囲・・・建設技術審査証明の証明範囲による。 ③事前処理工の検討 事前処理を行う必要のあるモルタルの堆積、取付管の突出、鉄筋の突出、多量の 浸入水等の有無を確認し、それらが認められた場合は事前処理方法等の検討を行う。 6.事前処理工 各工法別マニュアルに記載。 7.施工前管渠内洗浄工 各工法とも以下の内容は共通とする。 更生工の直前に管きょ内の洗浄を充分に行い、施工に悪影響を及ぼす可能性の有る土砂等の 堆積物等を完全に除去する。 洗浄後に目視にて管きょ内が充分に洗浄されているかどうかの確認を行い、管きょ内に施工 に支障を来たしそうな異物が残留している場合は再度管きょ内洗浄を行う。 管きょ内に入る場合は、流下する下水の水量や酸欠空気・硫化水素濃度等、安全面に充分注 意して作業を行う。 8.管渠築造工(据付工・推進工) 各工法別マニュアルに記載。 9.充填材注入工(裏込め注入工) 各工法別マニュアルに記載。 10.性能確認試験用テストピース採取 各工法別マニュアルに記載。 11.出来形管理 各工法別マニュアルに記載。 - 2014 年度版 - RPC工法 1.工法概要 RPC工法は,上下に分割した平行四辺形のプレキャストボックスカルバート(以下「R PCブロック」という)を既設管きょ等の頂版上部に設けた材料投入孔(以下「投入孔」 という)から既設管内部に搬入し,所定の位置まで電動台車により搬送した後,組立・据 付を行い,既設管きょとの空隙に裏込材を充填することで,非開削で自立型管きょを築造 して既設管きょを更生する工法である。 RPCブロックには,工場製作したプレキャストボックスカルバートの標準タイプと,流 下能力の向上および管きょの防食を目的として,内面にFRPボード(以下, 「GSボード」 という)を装着したGSボードタイプの二種類がある。 2.適用範囲 項 目 既設管種 既設管形状 適 用 範 囲 備 考 鉄筋コンクリート管きょ,蓋掛け水路等 矩形きょ 内幅 900mm×内高 900mm ~ 更生後の管径 内幅 3,000mm×内高 3,000mm 施工延長 投入孔 1 箇所あたり 300 m 以内 平面線形 屈曲角 10°以下 下水供用時の条件 水深 20cm 以下 または流速 1.0 m/sec 以下 既設管きょとの隙間 既設管きょと更生管きょとの最小隙間 30mm 以上 建設技術審査証明 更新年度・・・・・・2010 年 3 月 建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については工法協会,メーカーの 仕様を確認する。 3.使用材料の物性 項 名 称 材 料 構 成 目 部 材 連 結 材 目 地 材 パッキン材 充 填 材 内面被覆材 部 材 連 結 材 目 地 材 パッキン材 充 填 材 内面被覆材 標準タイプ GSボードタイプ RPCブロック(標準タイプ) RPCブロック(GSボードタイプ) 連結ボルト(耐震性ジョイント・上下方向連結ボルト) モルタル GSシーラント ジョイントパッキン,球体パッキン 裏込材 なし GSボード プレキャスト鉄筋コンクリート 高力ボルト,ワッシャー,鋼製弾性ワッシャー(耐震性ジョイント部の み) モルタル 防食性ポリウレタン樹脂 ブチルゴム セメントベントナイト(例) なし FRPボード - 基 本 物 項 目 部 材 部材,目地材,パッキン材 連結材 裏込材 性(標準タイプおよびGSボードタイプに共通) 性 能 備 考 耐荷能力 活荷重T-25 対応 JIS A 5363 耐震性 耐震性能レベル 1,2 に対応 下水道施設耐震設計例 水密性 引張強さ 流動性 圧縮強度 内水圧 0.06MPa(3 分保持) 合 格 6~14 秒 JIS A 5363 JIS B 1186 JSCE-F531 1.0 N/mm2 以上 JSCE-G531 (材齢 28 日) 目地材,内面被覆材 内面被覆材 2014 年度版 - 基 本 物 性(GSボードタイプ) 防食性 合 格 耐摩耗性 合格(高強度コンクリートと比較) 固着性 0.24 MPa 以上 耐薬品性 合 格 耐衝撃性 合 格 JS 指針 D2 種 JIS K 7204 JS 指針 D2 種 JSWAS K-2 JIS A 6916 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前の管きょ内調査の結果により,支障をきたす内容については必要な事前処理を行う。 《事前処理工・実施内容および留意点》 ①投入孔築造工 投入孔の築造は施工延長 300m につき 1 箇所とし,それを超える場合は新たに築造する。投 入孔の築造位置での支障となる地下埋設物は,移設または切回しを行う。投入孔築造による 既設管きょへの影響を極力少なくし,老朽化の著しい既設管きょに投入孔を築造する場合は, 必要に応じて補強する。 ②仮設備工 1. 電動台車の走行路確保 既設管きょの内部の段差等により電動台車の走行が困難な場合は,スロープ等を設置する。 2. 仮設備工 仮設備工として,換気・照明・通信・仮設電力の各設備工を行う。また仮設階段を設置す る。 - 2014 年度版 - 7. 施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.さや管据付工 据付工においては,更生管内径を管理するとともに連結状態に注意しながら行う。 《実施内容および留意点》 ①RPCブロック 1. 連結部のジョイントパッキン材が,所定の位置に確実に貼付けられているかを確認する。 2. 上部RPCブロックの搬入の際,下部ブロックに養生した上で搬送・据付作業を行う(特 にGSボードタイプの場合)。 3. RPCブロックの縦方向連結は,耐震性能に優れたテンションワッシャーを使用し,高 力ボルトにて連結を行う。ボルトの連結は 2 点同時締付けとする。 ②使用機器 1. 揚重機(ラフテレンクレーン)の作業半径と吊荷重を確認する。特に架空線に注意する。 吊り金具,ワイヤーロープ等の安全点検を十分行い,吊込み作業中は吊荷の下での作業 を行わないように徹底する。 2. 既設管きょ内部で下部ブロック据付機の使用が可能であることを確認する。 下部ブロックの搬送を行うため,既設管きょ内部の凹凸を確認する。支障のある場合は, スロープ等の設置,または既設管きょ内の補修を行う。 下部ブロック据付機は,適切な操作方法により使用する。使用後は,油・泥・ゴミ等を 拭き取り,点検,注油,防錆処理を行う。 3. 電動台車の取扱いについては,操作要領書による。 バッテリー上がりは,致命的なので充電量,配線状況およびバッテリー液量を確認する。 車輪の損傷,キズ等の確認を行うと伴に電動台車の周囲に障害物がないことを確認する。 使用後は,付着したゴミ,油,汚泥を拭取り,点検,注油,防錆処理を施す。 9.裏込充填工 充填材の性状確認,注入圧力および注入量について管理を行う。 《裏込充填工 実施内容および留意点》 ①裏込材 1. 適切な流動性や粘性を確保できる配合計画を行い,必要に応じて試験練りによる性状確認 を行う。 2. 外気温の影響により,練り上がり状態が変化するので注意する。 3. 混練水には,JIS A 5308 レディーミクストコンクリートの付属書9「レディーミクスト コンクリートの練混ぜに用いる水」に適合するものを使用する。 4. 注入配管内の使用前,および使用後の清掃を十分に行う。 5. アジテータ内のモルタルを採取し,所定の頻度で比重,フロー値,温度等を測定する。併 せて材料分離の有無も確認する。 - 2014 年度版 - ②充填工 1. 圧力損失を小さくするため,極端な曲り配管にならないようにする。 2. スパン長,1 日の充填量,断面形状を考慮して充填方式は,全断面一括注入か分割方式 かを事前に決定する。 10.性能確認 裏込材の性能確認試験を行うためテストピースの採取を行う。 《性能試験用テストピース採取 実施内容および留意点》 採取場所 施工時のアジテータから採取する。 採取方法および養生方法 上記の場所から JSCE-G531 に準拠した方法で圧縮強度試験サンプルを採取する。 できる限り現場の状態に近い状態(温度,湿度等)で所定の材齢まで養生する。 更生管内径の測定位置は,右図に 示す 2 箇所(更生管の内側中央高さと幅)の 仕上がり内径を測定し,その検査基準は,平 均内径が設計更生管の内径を下回らないこと とする。 D1 11.出来形管理 D2 - 2014 年度版 - バックス工法 1. 工法概要 バックス工法は,既設の円形の中・大口径下水道管きょを対象に,その内部に,短管加工した 「下水道内挿用強化プラスチック複合管(JSWAS K-16)」にソリ式の鋼製バンドを装着したバッ クス管をバックス工法専用の推進装置にて連続挿入して新たな管きょを構築する管更生工法(鞘 管工工法)である。本技術は、下水供用下で施工可能であり、更生後の流下断面縮小量が小さく 既設管より 1 サイズ小さい管の断面積を確保できる。 バックス管は既設管きょの強度に依存せず,土水圧に対して必要な強度および耐震性を有する 「自立管」である。また,硫化水素に起因する硫酸腐食に対して高い防食性能を有している。 2.適用範囲 項 目 管種 管径(既設内径) 断面形状 施工延長 流水条件 曲率半径 段差 建設技術審査証明 適 用 範 囲 鉄筋コンクリート管 φ800~2,000 ㎜ 円形 100m 水深 30 ㎝以下 200m 以上 10 ㎜以下 取得年月・・・2004 年 3 月 更新年度・・・2013 年 3 月 概 流速 0.6m/秒 要 以下 3.使用材料の特性 使用材料名 仕 バックス管 ・「下水道内挿用強化プラスチック複合管 (JSWAS K-16)」L3 種φ700~φ1800 ・ソリ付鋼製バンド 特殊グラウト 水中不分離性ペースト 様 備 考 - 2014 年度版 - 4.施工前現場実測 共通項目参照。 5.施工前管きょ内調査 共通項目参照。 6.事前処理工 施工前管きょ内調査工の結果に基づき,必要に応じて処理方法を決定し、推進前に事前処理 を実施する。当工法は基本的に人が入れる管径を対象としている。場合によっては一時切り 回しや堰止めも考慮する。 ① 多量の侵入水の止水 裏込め注入時の材料流出を防止するため止水を行う。工法については、流量、流速を 勘案して最適なものを選定する。 ② 事前処理工 流下する下水の量、流速に留意して作業を行う。内容としては付着したモルタル等の高圧 洗浄、段差のテーパー処理がある。使用する機器は感電の恐れのない圧縮空気や高圧水を 用いる。 ③ 埋設物の切回し 当工法では、人孔の上床版の撤去が必要であり、掘削範囲内に他の地下埋設物の有無を確 認しておくとともに、必要であれば各埋設管理者と協議し、事前に移設を実施する。 ④ 路面覆工 道路の使用許可で作業をしない時間に路面覆工をして道路を供用する場合には、ずれ、段 差が生じないように、路面覆工を行い擦りつけ舗装を行う。 7.施工前管きょ内洗浄工 共通項目参照。 8.推進工 推進工においては,管材料に異常が無いか,管どうしの接合が確実か,片押し等によるクラ ックが発生していないかを注意して施工する。 ① 反力架台、昇降用ガイドレールの設置 反力装置の方向性,高低は推進において重要であり,設置に際しては,バックス 管が既設管内に真っ直ぐ挿入できるように,反力架台の向きを調整する。 ② 先行装置投入据付 クレーン等にて発進人孔から先行装置を投入する。この時,既設下水道管きょ壁面とス クレーパーが密着するように,全てのスクレーパーを押し出して固定する。 ③ 推進管準備 バックス管受口部及び挿口部に潤滑材を十分に塗布する。なお,潤滑材の 乾燥を防ぐため,塗布は施工直前とする。 - 2014 年度版 - ④ バックス管 推進工 推進時にはバックス管が既設管きょ内に真っ直ぐ挿入されるように,油圧ジャッキ受け 板取付位置を調整する。(ジャッキの偏心は避ける) バックス管を推進した時に,先行するバックス管の受口にバックス管挿口が挿入された ことを確認する。 ⑤ 品質管理項目 使用材料の品質管理 材料 検査方法 バックス管 目視 検査項目 バックス管 接合部 バックス管の不陸 判定基準 ・強度に影響する損傷がないこと。 ・鋼製ソリ付バンドがしっかりと装着されているこ と。 施工時の品質管理 検査方法 判定基準 目視 ・バックス管接合部が外れていない。 目視 ・充てん時の浮力によるバックス管に大き な勾配変化がないこと。 9.裏込め充填工 既設管とバックス管のクリアランスを特殊グラウト(水中不分離性グラウト材)にて充填 する。このときバックス管の浮き上がり防止のため3~4 回程度に分割して実施する。 ① 管口閉塞工 上流側の端部処理(既設下水道管きょとバックス管のクリアランス部の止水処理)を行 い,その後下流側の端部処理を行う。 上流側人孔内に土嚢を積み上げて堰を作り,水中ポンプにより水替えを行い、充填時は 下水を新設管内に流下させる。 上流側端部および下流側端部ともに,クリアランス内貯留水の排水および充填確認用の パイプを設置する。 ② 特殊グラウト 充填工 特殊グラウトをグラウトポンプにてバックス管内へ圧送し,バックス管注入口からクリ アランス内へ充填する。充填確認口から充填材が漏れ出てくることで,充填状況を確認 する。 確認後は速やかに充填確認口を塞ぐ。 特殊グラウトの充填によりバックス管には浮力が作用するので,4回程度に分割して特 殊グラウトを充填する。なお,充填時には,常にバックス管の浮き上がりに留意しなが ら充填する。浮力が作用して,バックス管に不陸が発生した場合は,速やかに充填作業 を一時中断し,土嚢積みやバックス管内部に水を溜める等のウエイト対策を講じて,不 陸調整を行う。 特殊グラウト注入終了後は,注入口に防食材料で作成したプラグで蓋をし,周囲を耐酸 性樹脂で被覆処理する。 - 2014 年度版 - 1 3/4 1/2 1/3 ③ 管理項目と日本配合 使用材料の品質管理 特殊グラウト フロー試験 ・330±20 mm J14 ロート流下時間 ・7~9 秒 グラウト材基本配合 1 m3 配合 特殊グラウト 基本配合(例) 水 セメント 水中不分離性 (W) (C) 混和剤(UWB) 760 kg 758 kg 7.6 kg 備 考 10.性能確認試験用テストピース採取 グラウト材の硬化状況を確認するために,充填日毎にテストピースを作成する。 11.出来形管理 更生管内径計測 上下左右のグラウト材を含めた更生材の厚さが 異なることから、右図に示す2箇所(更生 管の内側中央高さと幅)の仕上り内径を測 し、その検査基準は、平均内径が設計更 生管径を下回らないこととする。 グラウト材 バックス管 d1 既設管 d2 管路更生工法 施工管理マニュアル - 2014 年度版 - 平成 21 年 12 月 平成 27 年 3 月 発行 改定 一般社団法人 日本管路更生工法品質確保協会
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