画 像 管 理 施設評価 A をめざして 財)京都工場保健会 藤井 久美子 施設が行う品質管理項目 日常的な品質管理項目 実施周期 (最小) (1) X線装置の清掃 毎日 (2) 暗室内の清掃および整理整頓 毎日 (3) カセッテとスクリーンの清掃 毎日 (4) 自動現像機の管理 毎日 (5) 画像評価(ファントム画像評価とAEC動作確認) 毎日 画像評価(ファントム画像評価とAEC動作確認) 施設が行う品質管理項目 定期的な品質管理項目 実施周期 (最小) (1) フィルム定着の維持 3ヶ月ごと (2) シャウカステンの確認 6ヶ月ごと (3) 暗室内でのカブリ 6ヶ月ごと (4) スクリーンとフィルムの密着性 6ヶ月ごと (5) X線装置の圧迫器の確認 6ヶ月ごと (6) X線装置の評価 一年ごと (7) システムの評価 一年ごと 画像評価 ・ファントム画像評価 ・AEC作動確認 * X線発生から写真観察までの全体における画質に関する経時変化を確認 * システム全体が適切に作動するか確認 必ず自動現像機の管理 を行った後に実施する。 必ず自動現像機の管理を行った後に実施する。 ファントム仕様 (RMI156ファントム) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 直径1.56mmナイロン繊維 直径1.12mmナイロン繊維 直径0.89mmナイロン繊維 直径0.75mmナイロン繊維 直径0.54mmナイロン繊維 直径0.40mmナイロン繊維 直径0.54mm酸化アルミニウム 直径0.40mm酸化アルミニウム 直径0.32mm酸化アルミニウム 直径0.24mm酸化アルミニウム 直径0.16mm酸化アルミニウム 厚さ2.00mmプラスチック円板 厚さ1.00mmプラスチック円板 厚さ0.75mmプラスチック円板 厚さ0.50mmプラスチック円板 厚さ0.25mmプラスチック円板 画像評価方法① ☆カセッテの準備 フィルムを装填し、15分間放置する。 ☆ファントムの配置 ファントムをカセッテホルダ上 の胸壁端に合わせ、カセッテホ ルダの左右中心付近に配置す る。 ☆アクリル円板の配置 アクリル円板をファントム上に 配置する。 試料陰影像がない場所に配置する。 試料陰影像がない場所に配置する。 画像評価方法② ☆圧迫板の配置 圧迫板をファントム上のアクリ ル円板に接するように配置する。 強く接すると圧迫板やアクリル 円板を破損 する恐れがある。 円板を破損する恐れがある。 ☆AEC検出器の位置 ファントム中央に設定する。 ☆カセッテの配置 15分間放置したカセッテをX線装置の所定の位置に装着する。 常に同じカセッテ を使用する。 常に同じカセッテを使用する。 画像評価方法③ ☆撮影条件 臨床でもっとも多く使用する条件を基準条件とする。 撮影モード、焦点、ターゲット/付加フィルター、SID X線照射モード、管電圧、AEC検出器の位置 ファントム中央付近のフィルム濃度が 1.4±0.15 が得られるよう設定する。 目安:28kv、50mAs前後 システムの各機能が正常に動作し臨床で使えるため行う。 各機能の異常な動作を見つけ出し適切な措置を行う判断をするため行う。 画像評価方法④ AECモードまたは自動モードでX線照射し、 臨床で使用している自動現像機でフィルム現像する。 このとき撮影条件を記録 する。 このとき撮影条件を記録する。 画像評価方法④ AECモードまたは自動モードでX線照射し、 臨床で使用している自動現像機でフィルム現像する。 このとき撮影条件を記録 する。 このとき撮影条件を記録する。 ☆濃度測定 ファントム中央付近の濃度・アクリル円板部とそ の周辺濃度を測定し、記録する。 陽極(アノード) 位置 濃度測定(円盤部) カセッテホルダー胸壁端と平行な 線上で濃度測定を行うこと a1 a2 X線管装置の 管軸方向 ヒール効果のため ヒール効果のため 濃度測定(周辺:a1 またはa2 a2) ) 濃度測定(周辺:a1または 陰極(カソード) 画像評価方法⑤ ☆ファントム内蔵試料の抽出の評価方法 *ファントム画像内にアーチファクトがない画像で評価する。 *各試料の評価は、大きいものから始め、順次小さいものに得点 していく。 高輝度シャーカステンで必ず観察する。 で必ず観察する。 高輝度シャーカステン 得点が 0 または 0.5 で止め、それ以上は評価しない。 ☆繊維組織の試料に関する得点方法 全長が識別でき、かつ位置および方向が正しい 1点 0.5点 全長の半分が識別でき、かつ位置および方向が正しい ☆微小石灰化郡の試料に関する得点方 (ルーペにて評価す 法 4個以上の微小石灰化を正しい位置で識別できる る) 1点 0.5点 2∼3個の微小石灰化を正しい位置で識別できる ☆腫瘤の試料に関する得点方 法 濃度差が識別でき、正しい位置にあり、境界線が識別できる 1点 濃度差が識別でき、正しい位置にあり、境界線が識別できない 0.5点 合格基準 4.000 Gamma グラディエント曲線 4.500 *ファントム画像の中央付近の濃度 3.500 D=1. D=1.4±0.15 D=1. D=1.6±0.15 臨床画像撮影時:D=1.9 前後 臨床画像撮影時:D=1.9前後 3.000 2.500 2.000 1.500 1.000 Density 0.000 必ず各試料ごとの抽出が 評価基準を上回っているか 判定する。 総合得点で判断しない。 総合得点で判断しない。 2 .6 6 7 2 .3 3 3 2 .0 0 0 1 .6 6 7 1 .6 0 0 1 .3 3 3 1 .0 0 0 0 .6 6 7 0 .3 3 3 *ファントム内蔵試料の描出 繊維組織試料 : 4点以上 微小石灰化群試料 : 3点以上 腫瘤試料 : 3点以上 UM-MA-HC 0.500 0 .1 3 3 *アクリル円板とその周辺の濃度差 少なくとも0 少なくとも0.4以上、管理幅± 以上、管理幅±0.05 結果(例:A病院) 1.ファントム画像の中央付近の濃度:1.73(基準値1.70) 2.アクリル円板とその周辺の濃度差:0.48(平均0.48) 3.36 0.51 1.59 1.78 3.34 0.50 1.58 1.76 0.50 1.57 0.49 1.56 3.30 0.49 1.55 1.72 3.28 0.48 1.54 1.70 3.26 0.48 1.53 0.47 1.52 0.47 1.51 0.46 1.50 0.46 1.49 3.32 3.24 G 3.22 アクリル円板_差 3.20 9/1 9/4 9/5 9/6 9/7 9/8 9/9 9/11 9/12 3.ファントム内蔵試料の描出 繊維組織試料:5.5点 微小石灰化群試料:4.0点 腫瘤試料:4.0点 1.74 1.68 1.66 11step 中心 1.64 1.62 9/1 9/4 9/5 9/6 9/7 9/8 9/9 9/11 9/12 合計点数:13.5点 施設間比較(例) 日常の画像評価時のAEC A B C D E アクリル円板 周辺 濃度差 1.47 0.45 1.99 0.49 1.17 0.38 1.57 0.47 1.40 0.44 電圧 28 28 27 28 27 mAs 53.2 58.4 122.0 62.0 87.0 距離 64.5 64.5 66.0 66.0 64.5 中心 中央 1.49 2.00 1.17 1.59 1.40 1.02 1.50 0.79 1.10 0.96 電圧 28 28 28 28 28 mAs 50 50 50 50 50 距離 64.5 64.5 66.0 66.0 64.5 中心 中央 1.39 1.72 1.07 1.22 0.87 0.96 1.22 0.71 0.80 0.57 同じ条件 A B C D E アクリル円板 周辺 濃度差 1.37 0.41 1.70 0.48 1.07 0.36 1.20 0.40 0.87 0.30 結果(例:B病院) ファントム内蔵試料の描出 A B C D E F G 繊維組織 4 4 4 4 4 4 5 微小石灰化群 3 3 3 4 4 4.5 3.5 腫 5 3 4 5 4 3.5 瘤 4.5 スクリーンとフィルムの密着性① ☆カセッテの準備 スクリーンの表面とカセッテ内面を清掃する。 完全に乾燥 させる。(一 完全に乾燥させる。(一 晩) フィルムを装填し、15分間放置する。 ☆カセッテの配置 カセッテホルダ上にカセッテを置く。 ホルダの中に入れない ☆銅製の40メッシュの金網を準備 自分で作成しよう! 銅製の40メッシュと5mmアクリル板を 用意し、アクリル板でメッシュをはさむ。 これで完成・・・・・ 値段 銅製の40メッシュ 500円 5mmアクリル板 約2,000円 スクリーンとフィルムの密着性② ☆金網の位置 カセッテの上に金網を置く。 ☆圧迫板の位置 取り除いてもよいし、圧迫しない 状態で取り付けたままでもよい。 ☆撮影条件 胸壁に近いメッシュ部分で測定した フィルム濃度が約0.8になるように撮影 観察:シャーカステンから約1m離れて。 高輝度シャーカステンで必ず観察する。 高輝度シャーカステンで必ず観察する。 合格基準 ☆判定 直径10mmを超える大きな密着不良がある。 スクリーンを清掃して再試験する。 再試験しても同じ位置に直径10mmを超える 大きな密着不良がある場合は、原因を究明し スクリーンとカセッテを交換する。 スクリーンフィルムシステム 良好な接触 X線入射 光の広がり 接触して いないところ ハレーション防止層 カセッテフロント側 支持体 フィルム 右の部分では、増感紙とフィルムは 離れている。 離れている原因には、封じ込められた 空気 ・ 増感紙に付着している異物 ・ 蛍光体層 増感紙の取付け方の不適正などが考 えられる。 支持体 フィルムまでの光の経路は、左の方の カセッテバック側 増感紙とフィルムが密着しているところ に比べて長く、その結果、光の横への 広がりは大きくなっている。 光の拡散が大きくなれば、画像のボケも大きくなる。 乳剤層 スクリーン 主なアーチファクト発生場所 X (1) X線管照射窓 (2) 付加フィルター (エッジフィルター) (3) 光照射野ランプミラー (11) 乳房圧迫 (ポジショニング) (4) 乳房圧迫板 (5) カセットホルダー天板 (12) 乳房 (6) 移動グリッド (7) カセッテ (スクリーン/フィルム) (8) カセッテの持ち運び (暗室作業) (9) フィルム交換 (10) 自動現像機 (現像処理) (臨床X線写真) 主なアーチファクト発生場所 ☆ 移動グリッド不良による。 ズー ム * リス目が出ている * 正常 主なアーチファクト発生場所 ☆ 圧迫板のずれによる。 ズーム 主なアーチファクト発生場所 ☆ カセッテ配置不良 * カセッテが上下逆 * 正常 主なアーチファクト発生場所 ☆ カセッテ配置不良 * ネーム部分が胸壁側にきている。 主なアーチファクト発生場所 ☆ フィルム挿入位置不良。 ズー ム 主なアーチファクト発生場所 ☆ フィルム挿入不良。 ズーム * カセッテのあそび部分による 主なアーチファクト発生場所 ☆ フィルム挿入不良。 * 乳剤面を逆に装填したため 濃度の乗っていないフィルム * 正常 主なアーチファクト発生場所 ☆ フィルム圧着不良。 * 装填し、すぐ撮影 * 正常 装填し、15分後撮影 主なアーチファクト発生場所 ☆ 傷による。 ズ ーム ズー ム 黒く出る * 軽く傷つける 白く出る * 深く傷つける 主なアーチファクト発生場所 ☆湿気による ズーム ズーム 主なアーチファクト発生場所 ☆自動現像機不良。 ズーム ズーム * ローラーによる 主なアーチファクト発生場所 ☆ 管理された自現機で現像 * 90秒処理 ☆ 管理されてない自現機で現像 * 45秒処理 主なアーチファクト発生場所 ☆ ポジショニング不良 ズーム ズーム 主なアーチファクト発生場所 ☆ ポジショニング不良 * 欠損陰影 主なアーチファクト発生場所 ☆ AECの位置不良 主なアーチファクト発生場所 ☆ 撮影者のミス ズーム ズーム * 同じフィルムで左右の乳房を撮影した 主なアーチファクト発生場所 X (1) X線管照射窓 (2) 付加フィルター (エッジフィルター) (3) 光照射野ランプミラー (11) 乳房圧迫 (ポジショニング) (4) 乳房圧迫板 (5) カセットホルダー天板 (12) 乳房 (6) 移動グリッド (7) カセッテ (スクリーン/フィルム) (8) カセッテの持ち運び (暗室作業) (9) フィルム交換 (10) 自動現像機 (現像処理) (臨床X線写真)
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