直方市産業振興ビジョン(概要版)

直方市産業振興ビジョン
~住んで良かったと思える、 働く人を大切にするまちを目指して~
概要版
直 方 市
2015 年 3 月
Development
Perspective
Industrial DevelopmentIndustrial
Perspective
Plan in NOGATA
City Plan in NOGATA City
直方市産業振興ビジョンとは・・・
本市産業を積極的に振興していくためには、行政、関係団体、事業者、市民・市民
団体等が目指すべき産業像、基本理念を共通認識し、それぞれが果たすべき役割の
もと、相互に連携、協力する協働の取り組みが大切です。
直方市の産業振興のあるべき姿を明確にし、自立した経済基盤となる強い産業を確
立することを目的として、この度、「直方市産業振興ビジョン」を策定しました。
直方市産業振興ビジョンの内容
第1章 直方市産業振興ビジョン策定における基本的な考え方
1.ビジョン策定の背景
2.ビジョン策定の経緯・目的
3.ビジョンの位置付けと計画期間
第2章 直方市産業振興ビジョンの基本方針と方向性
1.基本方針
2.産業振興ビジョンの体系図
3.基本方針を達成するための3つの方針
4.3つの方針を実現するための重点施策・具体的な取組みの方向性
2-4-1
2-4-2
2-4-3
2-4-4
2-4-5
2-4-6
中小企業の人材育成・確保及び雇用の創出
ビジョン推進のための推進体制、連携体制、役割分担
国際化等の変化に即応し海外を視野に入れた事業の推進
情報の発信、収集及び共有機能の強化
市内事業者の産業集積の維持と経営力のボトムアップ
地域資源を活かした事業の推進、新産業創出・創業支援の推進
第3章 リーディングプロジェクト
1.リーディングプロジェクトの導出
2.3つの方針と重点施策・具体的な取組み、リーディングプロジェクトとの関係
第4章 産業振興ビジョンの推進のための環境整備
1.各機関・事業所による連携・協働及び役割分担による産業振興
2.産業振興ビジョンの推進にかかる進捗管理の明確化
【資料編】
第5章 直方市の産業の概要と課題
1.統計データにみる直方市の産業の現状
5-1-1
5-1-2
5-1-3
5-1-4
高齢化と人口減少社会の進行
産業構造の転換
直方市のポテンシャル
統計調査の結果からみえる直方市の産業の現状
2.アンケートおよびヒアリング調査にみる直方市の産業の現状
3.直方市の産業の抱える課題・方向性(SWOT分析より)
第6章 産業振興ビジョン策定の経緯・調査概要
1
Industrial
PlanininNOGATA
NOGATA
City
IndustrialDevelopment
Development Perspective Plan
City
基本方針と方向性・・・
直方市を中心とした地域が有する既存資源、産業の集積、各事業者が有する技術
力等、直方市が持つ強み、すなわち地域の力を結集し、情報や機会を捉え、共有しな
がら、直方市全体の産業の活力を高めることを目指します。また、中小企業の経営基
盤強化を念頭におき、本市産業ビジョンの基本方針を次のように掲げました。
基本方針
成長力のある人材を育成し、にぎわいを創出する産業振興を目指す
基本方針を目指す上で、以下の3つの方針を掲げ、具体的な方策に結びつけます。
方針1
人材育成、雇用の創出を軸にした、“ヒト”の成長・発展に対する充実した支援
方針2
活力ある産業を創出し、中長期的に市内産業の集積維持を実現
方針3
ブランド力の構築により、国際競争力を強化し、地域経済の自律的発展を実現
産業振興に係る
3つの視点
商業・観光
誘致・集積・展開
建設業
中小企業
経営基盤強化
製造業
育成・創出
起業
医療・福祉
農林業
2
Development
Perspective
Industrial DevelopmentIndustrial
Perspective
Plan in NOGATA
City Plan in NOGATA City
直方市の現状と課題・・・
高齢化と人口減少社会の進行
直方市の人口は、1988 年の 64,941 人をピークに減少が続いており、2013 年の 58,574
人から、10 年後の 2023 年には 54,170 人と 7.9%減の 4,604 人減少すると推計されてい
ます。
直方市の人口の推移
(人)
70,000
男性
65,668 64,771 62,442 60,000
64,941 61,508 63,314 女性
62,129 60,021 56,594 (人)
実績
59,144 予測値
58,574 70,000
60,000
56,718 54,170 51,210 50,000
33,248 48,066 32,225 32,142 33,764 34,151 33,599 32,959 29,903 40,000
31,935 31,443 31,114 30,087 28,697 27,080 50,000
40,000
25,355 30,000
30,000
20,000
20,000
32,420 30,217 26,691 29,366 31,007 30,790 29,715 29,170 28,086 27,701 27,460 26,631 10,000
25,473 24,130 22,711 2023
2028
2033
10,000
0
0
1963
1968
1973
1978
1983
1988
1993
1998
2003
2008
2013
2018
(年)
産業構造の転換に伴う市内雇用の減少
1990 年以降、市内従業者数は 27,366 人(1990 年)から 24,202 人(2010 年)と、
ここ 20 年間で 3,164 人も減少しており、1割超の雇用の場が失われました。
産業別市内従業者数の推移
(人)
30,000
25,000
計
27,366 3,678 24.8%
計
27,565 3,560 22.8%
20,000
市
内
従
15,000
業
者
数
10,000
5,000
6,242 計
25,949 6,851 3,528 30.0%
計
25,194 3,396 21.5%
7,098 18.0%
7,635 6,508 6,787 25.0%
3,971 他第三次産業・その他
20.0%
19.5%
製
造
15.0% 業
割
合
8,599 6,575 5,903 3,207 計
24,202 3,470 6,258 10.0%
4,373 3,091 6,290 5,580 1995
2000
2,721 4,725 2005
2010
卸売・小売業
鉱業・建設業
製造業
第一次産業
合計
製造業割合
2,018 4,547 サービス業
5.0%
0.0%
0
1990
“直方ブランド”の構築が今後の課題
自社ブランドが
13.30%
(年)
自社ブランドが 56.30%
無回答
30.40%
直方市内事業者に対して、自社製のブランドの有無について聞いたところ、
「ブランドがない」との回答が過半数を占めています。
自社ブランドについて
3
自社ブランドがある
13.3%
無回答
30.4%
自社ブランドがない
自社ブランドがない
56.3%
56.3%
Industrial
Development
Perspective
City
Industrial
Development
PerspectivePlan
Planin
in NOGATA City
直方市の有する産業ポテンシャル・・・
製造業と医療、福祉産業に強みを見出す直方市
付加価値額をベースに、全国との比較による直方市の産業別特化係数をみてみると、
直方市にとって優位性のある産業は、「製造業」および「医療、福祉」であることが分かり
ます。
業種別(大分類)付加価値額ベースの特化係数(全国と直方市、福岡県との比較)
第一次産業
160.0%
他サービス業
鉱業
140.0%
医療,福祉151.7%
120.0%
医療、福祉
建設業
100.0%
80.0%
教育,学習支援業
65.8%60.0%
153.0%
76.6%
製造業
製造業
40.0%
51.8%
20.0%
0.0%
生活関連サービス業,娯楽業
126.1%
3.6%
92.0%
電気・ガス・熱供給・水道業
30.9%
50.2%
50.8% 43.5%
宿泊業,飲食サービス業
65.2%
118.3%
学術研究, 専門・技術サービス業
情報通信業
運輸業、郵便業
参考:福岡県
不動産業、物品賃貸業
卸売業、小売業
直方市
金融業、保険業
良好なインフラを活用した産業集積を実現
事業展開をされる上で、直方市が優位性を有する分野として、「交通アクセス」を挙
げる事業者が多く、製造業については「関連産業の集積」も支持されています。
直方市内には6つの工業団地区等がバランス良く整備されています。
BCP の観点から、沿岸から離れている上頓野産業団地には、県外からの企業立地
が進んでいます。
直方市で事業展開をする上での優位性
交通アクセス
関連産業の集積
行政の支援
その他
無回答
合計:サンプル数
全体
実数 構成比
157 27.8%
34
6.0%
29
5.1%
26
4.6%
319 56.5%
565
100%
製造業
卸売業、 小売業
実数 構成比 実数 構成比
25 30.5%
43 33.6%
17 20.7%
4
3.1%
3
3.7%
5
3.9%
1
1.2%
4
3.1%
36
43.9%
72
56.3%
82
100%
128
100%
医療、 福祉
実数 構成比
22 23.9%
2
2.2%
8
8.7%
4
4.3%
56 60.9%
92
100%
4
Development
Perspective
Industrial DevelopmentIndustrial
Perspective
Plan in NOGATA
City Plan in NOGATA City
直方市の強み・弱みから考える産業振興の視点・・・
直方市における強み・弱み・事業機会・事業脅威をまとめるとともに、直方市の産業
振興を考える上での6つの視点を導出しました。
直方市産業の SWOT 分析
強み(Strengths)
弱み(Weaknesses)
・多品種少量生産に対応可能な製造業の集積 ・工業系高校・大学・高専等の不在
・交通アクセスと産業インフラの充実
・グローバル化への出遅れ
・郊外商業施設の高い小売中心性・集客性
・商店街の高齢化・進まない事業承継・引継ぎ
・食料品製造業の立地と成長性
・インパクトのある観光資源の不足
・ADOX 福岡(直鞍産業振興センター)等の産 ・事業所と行政等との連携不足
業振興中枢機能の立地
・若年層の集客性(直方駅中心に4高校)
・大型商業施設と駅前商店街との連携
・産業振興機能と教育機能の連携不足
事業機会(Opportunities)
事業脅威(Threats)
・コンパクトシティ化の傾向
・人口減少(若年層の減少)と雇用機会の喪失
・工業都市・北九州市との近接性
・取引先・国内大手事業所の海外移転
・アジアに近接する地の利
・急速なグローバル化の進展
・中小企業大学校直方校の立地
・製造業の IT 化など産業構造の急激な変化
・大手自動車関連業種との取引機会
・地域間競争における地域ブランド力の確保
・通学圏内に多数の理工系大学
・全国的な物流産業の興隆
・企業の BCP に対する取組み意識
直方市の産業振興を考える上での6つの視点
視点1 :直方市の未来を担う人材の育成
視点2 :利益率の向上に関する経営体質の強化と企業経営
視点3 :中小企業の新たな販路開拓・企業間連携による地場企業の取引循環の創出
視点4 :企業間のステージの違いと意識の差
視点5 :情報収集と発信力強化
視点6 :時代の潮流とグローバル化の中での戦略的な産業支援
5
Industrial
Development
Perspective
Plan
Industrial
Development
Perspective
PlanininNOGATA
NOGATA City
基本方針を達成するため3つの方針・重点施策・・・
基本方針を達成するためには、3つの方針を実現していく必要があります。
そこで、3つの方針を実現するために、各方針にかかる重点施策と具体的な取組み
の方向性を掲げました。
基
本
方
針
成長力のある人材を育成し、にぎわいを創出する産業振興を目指す
3つの方針を実現するための重点施策の方向性
基本方針を支える3つの方針
中小企業の人材育成・確保及び雇用の創出
方針1
人材育成、雇用の創出を軸にした、
“ヒト”の成長・発展に対する充実した支援
インターンシップの推進
地域における人材定着促進
ものづくり人材の育成・ライフステージに応じた人材育成の取り組み
市内事業者の産業集積の維持と経営力のボトムアップ
方針2
活力ある新たな産業を創出し、
中長期的に市内産業の集積維持を実現
 新規成長産業分野等参入支援事業
 “直方”横串し連携推進事業
 直方ブランド展開事業:地域間連携による観光ネットワークの強化
 直方ブランド展開事業:市内事業者の交流強化・域内自治体間の交流の推進
 新エネ・省エネモデル都市推進事業
 創業支援サポート事業
情報の発信、収集及び共有機能の強化
企業情報発信事業
情報の効果的な収集・発信の強化
国際化等の変化に即応し、海外を視野に入れた事業の推進
方針3
ブランド力の構築により、国際競争力を強化し、
地域経済の自律的発展を実現
グローバル化等に対応した戦略的な人材育成のための取組み
中小企業国際化支援事業
地域資源を活かした事業の推進、新産業創出・創業支援の推進
リーディングプロジェクト
1.人材の確保に対する支援と雇用の促進、
教育との連携(高等教育機関等との連携)
2.新たな販路開拓の促進、
第2創業支援(アドバイザー派遣)
3.地元事業者間連携の推進、“直方ブランド”の構築
経営の安定化・改善
産学官の連携強化・直方ブランド構築産業会議(仮称)の開催
企業立地促進事業
販路開拓・拡大事業
職人的技能継承・育成事業
 課題解決型製品開発事業
事業者の発展ステージに応じた支援施策の展開
6
Development
Perspective
Industrial DevelopmentIndustrial
Perspective
Plan in NOGATA
City Plan in NOGATA City
リーディングプロジェクト
本ビジョンでは、基本方針を達成するための「重点施策」に沿って、「優先的に取り組
む具体的項目」(リーディングプロジェクト)を検討した結果、次の3つのリーディングプロ
ジェクトを進めます。
リーディングプロジェクト1
人材の確保に対する支援と雇用の促進、
教育との連携(高等教育機関等との連携)
地域で蓄積された技術や技能を次世代へと継承するために、「企業が求める人材の確保・
育成」をさらに推進します。顧客ニーズを形にすることができる「高度技能者」、売る技術・マー
ケティング能力を兼ね備えた「セールスエンジニア」など、戦略的な人材の育成を図ります。
直方市内における人材バンク的な機能が必要となってきます。産業振興の中枢機能である
ADOX 福岡(直鞍産業振興センター)内にそのような機能が設置可能かどうか、予算化を含め
て、事業化の検討を行います。(ADOX 福岡(直鞍産業振興センター)の機能強化)
リーディングプロジェクト2
新たな販路開拓、第2創業支援(アドバイザー派遣)
基礎的技術力を向上させる機会(場所)の提供や、職人による指導環境の整備、高度技能
者に対する表彰制度などを通じて、当地域の産業集積を支えてきた高度技能を次世代に承継
するための仕組みを構築します。
ADOX 福岡(直鞍産業振興センター)と直方市を中心とした情報の発信、収集及び共有機
能を強化しつつ、中小企業基盤整備機構等の外部産業支援機関や金融機関との連携を図り、
情報発信・共有機能を通じた市内ビジネスの活性化を図ります。
また、アドバイザー・コンサルティング機能を充実させるべく、ADOX 福岡(直鞍産業振興セン
ター)の抜本的な機能強化を検討します。
リーディングプロジェクト3
直方ブランドの創出・地元事業者間連携の推進
今まで繋がりのなかった業種間の情報交換を促進するため、直方ブランドを構築するための
各種組合等関連団体からなる定期的な会議「直方ブランド構築産業会議(仮称)」の開催を検
討し、市民も含めた目指すべき方向性の共有に努め、“NOGATA”ブランドの構築を目指しま
す。また、産業間の連携事業の構築を図り、異業種間の横串連携の一層の促進を図ります。
中長期的には、異業種交流会の開催など、異業種間との連携を積極的に推進し、新たな事
業展開を支援するとともに、ADOX 福岡(直鞍産業振興センター)や近隣市町村が連携した
“直鞍メッセ”の開催等、直方市の新たな産業振興の姿を目指します。
7
Industrial
PlanininNOGATA
NOGATA
City
IndustrialDevelopment
Development Perspective Plan
City
産業振興ビジョンの推進体制と進捗管理
ビジョンの推進にあたっては、直方市が先導的役割を担いつつ、各産業支援機関や
ビジョン推進体制
教育機関、事業者、地域等の主体が相互に協力・連携しあい、直方市産業の特性や
実態、また、国や県、世界経済の動向を考慮し、事業環境に適切かつ柔軟に対応しつ
つ、産業振興の基本方針を果たしていきます。
産業
支援機関
ビジョン推進体制
直方市
大学
・教育機関
・研究機関
直方市内
企業
他行政機関
・経済団体
市内外
取引先
金融機関
進捗管理においては、PDCA サイクル*を適用し、短期(1年)・中期(2~3年)・長期
(5~10 年)で計画実行に関する評価を実施します。(*「計画を立てて(Plan)、それを
実行し(Do)、計画どおりに実行できたか否かの評価を行い(Check)、改善策を検討す
る(Action)」という PDCA の行程を継続的に繰り返す「マネジメントサイクル」の手法)
計画:P
改善:
A
実施:
D
計画:P
アクションプランの策定
産業振興ビジョン施策の効果・
質の向上
着実で実行性の高い
ビジョンの遂行
改善:
A
計画:P
改善:
A
実施:
D
評価:
C
(H27年度)
評価:
C
実施:
D
評価:
C
短期・中期・長期
PDCAサイクル実施
短期・中期・長期
PDCAサイクル実施
PDCAサイクルを適用した
ビジョン進捗管理
第5次総合計画・後期計画(平成28年度~平成32年度)
短期
(H27年度~H28年度)
中期
(H29年度~H31年度)
ビジョン推進の経過
長期
(H32年度~H37年度)
8
Industrial Development Perspective Plan in NOGATA City
Šᅦ‫ޢ‬ᆰลLJư
Š҅ʋ߸ᆰลLJư
ŠᑼဋลLJư
ŠҦ‫ٶ‬ลLJư
Š҅ʋ߸ลLJư
Ძ଺᧓
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ᴾ
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΁Ẫʴử‫ٻ‬ЏỆẴỦộẼửႸਦẲềᴾ
直方市産業振興ビジョン
概要版
平成 27 年(2015
2015 年)
3月
連絡先
〒822-8501
福岡県直方市殿町 7-1
直方市産業建設部商工観光課
TEL 0949-25-2000(代表)
FAX 0949-24-3812
H
H P http://www.city.nogata.fukuoka.jp/
調査機関:公益財団法人九州経済調査協会
ᲢᲮᲭMOᲣ
ᲢᲭᲭMOᲣ
ᲢᲭᲯMOᲣ
ᲢᲮᲪMOᲣ
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ᴾ