平成27年4月号 - JA愛知中央会

農 政 対 策 資 料
平成27年4月
農政をめぐる情勢
目
次
Ⅰ
農協改革をめぐる情勢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
Ⅱ
TPP交渉をめぐる情勢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
Ⅲ
県の平成27年度予算・施策とJAグループの要望結果・・・・・・20
J
A
愛
知
中
央
会
今月号のあらまし
Ⅰ
農協改革をめぐる情勢
農協法改正案が、4月3日に閣議決定、国会へ提出された。
改正案は、3月に与党が了承した農協法改正案骨子に沿った内容となってい
るが、民主党は「的外れの愚策」と批判を強めている。国会審議は統一地方選
挙後の5月以降、本格化する見通しである。本改正案は重要法案と位置づけら
れており、審議は会期の終盤に及ぶ可能性がある。
なお、焦点となっている理事構成に関しては、今後、実態調査をした上で省
令にて定められることとなっている。
Ⅱ
TPP交渉をめぐる情勢
4月28日に予定されている日米首脳会談に向け、日米二国間の実務者協議
が4月15日に再開された。交渉進展のカギを握るとされるTPA(貿易促進
権限)法案については、米国側の一部報道によれば4月の第3週にも議会に提
出され、翌週には上院財政委員会で審議が行われる見通しが強まっている。た
だし、成立については不透明な状況とされている。
日米両政府は、実務者協議の進展次第では翌週に閣僚協議も開催したい意向
であり、TPA法案の行方も含めた情勢は引き続き注視の必要がある。
Ⅲ
県の平成27年度予算・施策とJAグループの要望結果
3月20日、平成27年度の県予算関係議案が可決・成立した。平成27年
度愛知県農林水産関係予算は、全体で687億円、うち一般会計予算は前年対
比4.2%増の674億円、県予算全体に占める割合は昨年度と同じ2.7%
となった。この予算は、昨年に続き、
「食と緑の基本計画2015」
(本年度が
最終年度)に沿った施策を着実に実施する内容となっている。
Ⅰ
農協改革をめぐる情勢
―
農協法改正案が閣議決定、国会へ提出される ―
1.これまでの動向
○
自民党は3月19日、農協改革等法案検討プロジェクトチームなどの合同会
議に提出された農協法改正案の骨子について、審査・了承した。公明党は3月
20日、農林水産業活性化調査会と農林水産部会の合同会議において、骨子の
審査を行い、了承した。(骨子の内容は前号に掲載)
○
自民党・インナー、農林役員会を経て、改正案の条文(農協法や農業委員会
法、農地法をはじめ関連52法を一括して改正)が、25日に与党各党の農林
関係会議へ提出された。自民党は翌26日、公明党は30日にこれを了承した。
4月2日には自民・公明両党の与党政策責任者会議において了承・合意された。
○
政府は4月3日、農協法改正案を閣議決定、国会へ提出した(改正案の概要
は別紙の通り)。林農相は「地域農協が農業者と力を合わせて、有利販売などに
全力投球できるような環境を整備するということが今回の農協改革の目的だ」
と発言し、JAの自己改革への期待感を示した。
○
一方、民主党は本改正案について「組織いじりだけの全く的外れな内容」、
「准
組合員を含めた地域社会を支える協同組合としての規定も置く必要がある」と
批判を強めている。維新の党は、
「政権の改革案では不十分」とし、農協の株式
会社化を進めるなどとする急進的な独自の法案を提出する方針を出している。
○
4月7日、首相官邸にてJA全中の萬歳会長らが安倍総理と会談した。萬歳
会長は「組合員のために、政府と同じ方向で最大限自己改革を進めていく」こ
とを首相に伝えた。これに対し、首相は「地に足のついた農業・農政改革を共
に進めたい」と応じた。
1
2.条文案のポイント
○
条文案の主なポイントは以下の通り。(詳細は別紙1)
・組合の事業運営について「農業所得の増大に最大限の配慮をしなければならな
い」ことを明確化する。
・組合の理事の過半を認定農業者や農産物販売・経営のプロとする。
・全中は一般社団法人へ、県中は農協法上の連合会へ移行する。新組織への移行
猶予は、平成31年9月末までとなる。
・JAへ公認会計士監査を義務付ける。ただし、政府はJAの実質的な負担が増
えないよう配慮する。また、JAは監査先を自由に選択できる。
・施行日は平成28年4月1日。
○
組合の理事の構成については、地域実態に配慮した運用となるよう省令で弾
力的な措置が講じられる予定である。当該省令については、実態調査を行った
うえで、各団体の意見も踏まえ与党で協議される。
○
准組合員の事業の利用に関する規制のあり方については、改正案では正・准
組合員の組合の利用状況を調査し検討するとされた。この点に関し、小泉農林
水産省副大臣が、3月26日の参院農林水産委員会にて、事業ごとの正・准組
合員の利用量の調査に加え、その事業について地域内で他にサービスを提供す
る事業者がどの程度あるか等を調査対象とする考えを示した。
3.今後の見通し
○
農協法改正案の国会審議は統一地方選後の5月以降、本格化する見通しであ
る。当改正案は重要法案と位置づけられており、本会議にて説明・討論を経る
必要があるため、審議は会期の終盤に及ぶ可能性がある。
2
Ⅱ
TPP交渉をめぐる情勢
―
日米首脳会談に向け交渉再開 TPA法案の行方がポイント ―
1.交渉の状況と今後の見通し
○
TPP交渉は、米国のTPA(貿易促進権限)法案の見通しが立っていない
ことなどから進展は見られず、米国以外の11カ国は、TPP交渉を合意させ
るにはTPA法案が不可欠との立場を鮮明にしつつある。
○
ホワイトハウスのアーネスト報道官は4月8日の記者会見で、28日に行わ
れる日米首脳会談について、
「日本はアメリカと共にTPP交渉に取り組んでい
る。重要な経済の問題だけでなく、安全保障の問題など話題は事欠かない」と
述べ、TPPが主要な議題の1つになるという見通しを示した。
○
4月15日より、東京において日米二国間の事務レベル協議が再開された。
日米首脳会談を前に、協議が遅れている主食用のコメの日本への輸入量や、日
本製の自動車部品などの関税に関して交渉を行うとされる。両政府は事務レベ
ルで進展があれば、閣僚会談を開いて最終調整を行い、28日の首脳会談で成
果を強調するとみられる。
○
TPP交渉参加12カ国が、23~26日に米国で首席交渉官会合を開く方
向で調整していると交渉関係者が明らかにした。5月下旬の開催が見込まれて
いるTPP閣僚会合への道筋をつけることを目指し、知的財産など難航分野に
ついて協議を行うとしている。
○
また、1日付の米通商専門誌は、5月23、24日にフィリピンで行われる
APEC(アジア太平洋経済協力会議)の貿易担当大臣会合後に、TPP閣僚
会合を開く予定があると報じた。首席交渉官会合や日米の二国間協議などの進
展に応じて設定するとみられている。
2.米国の動向
○
米国政府は、TPP交渉の条文案を全国会議員に開示する方針に踏み切った。
米国の報道によるとフロマンUSTR代表は3月、「前例のない追加的な措置」
として議員の閲覧を認める方針を明らかにした。
○
米国内では、TPA法案に反対する議員が多く、交渉前進には反対派の支持
を取り付けることが課題になっている。情報開示によって、TPP交渉やTP
14
A法案に反対する議員の理解を得たいとの思惑があるとみられる。
【TPAとは】
・ TPA(Trade Promotion Authority、大統領貿易促進権限)とは、政府が
行った貿易交渉の内容について、一定の条件を満たせば、議会は個別に修
正を求めず、当該交渉に基づく協定を一括で締結するか否かのみを決する
もの。
・ 政府がこれを取得していれば、交渉相手国は、交渉内容について議会から
個別修正を求められないという保証を得ることができる。
○
TPA法案は13日の週に上院に提出され、20日の週にも審議される見通
しが強まっている。法案が成立すれば日米も含めて全体の交渉が加速する恐れ
があるが、反対派が多い下院で法案が可決するかどうかは不透明とされる。
3.国内の動向
○ 甘利TPP担当相は、3月31日の記者会見にて、
「TPA法案の取得につい
て明確な見通しができてこないと、日米を含め12カ国の会合は最終着地点ま
で行かない」と発言し、交渉妥結にTPA法案の可決が必要だとする立場を明
確にした。
○
自民党の高村副総裁は31日、電話会談したバイデン米副大統領から、TP
Pをめぐる日米協議に関し、「首相の訪米前に決着できないか。自動車分野で、
もう少し柔軟性を示してほしい」と求められたと党役員連絡会で明らかにした。
これに対し、高村氏は「大統領に一任する通商交渉権限を議会から獲得してほ
しい」と求めた。
○
安倍総理は3月27日と4月8日の参院予算委員会での質問に答え、「訪米に
合わせて必要のない妥協をすることはあり得ない」、
「交渉は最終局面だがまだま
だ課題は残っている」とした上で「攻めるべきは攻め、守るべきものは守り、国
益を求める最善の道をしっかりと進んでいきたい」と述べた。
○
米国政府がTPP交渉の条文案を全国会議員に開示する方針に踏み切ったこ
とを受け、日本でも情報開示を求める声が高まっている。社民党の福島瑞穂氏は
3月30日の参院予算委員会で「国民に選ばれた議員に対して、日本ではなぜ開
示しないのか」と日本でも、議員の条文案の閲覧を認めるよう要求した。
○
これに対し、甘利大臣は「米国が額面通り全文を開示するとは思えず、どのよ
15
うに開示するのか注視する。わが国の情報開示については、守秘義務を守りなが
ら、どのような工夫ができるか模索したい」とする答弁を行った。
○
民主党は、米国政府が議員や業界への情報開示の方針を示しているにもかかわ
らず、日本政府が保秘契約を盾に情報開示を拒んでいるため、政府に情報開示を
促す法案を今国会に提出する方向で法案審査に着手した。
4.JAグループの取り組み
○ 3月20日、JA全中と全国農政連は「国会決議実現に向けたTPP交渉情
勢報告会」を開催した。また、同日午後に萬歳会長らJAグループ代表は林農
林水産大臣と面会し、情勢報告会で採択した特別決議(別紙1)をもとに国会
決議の遵守に向けた要請を行った。
○
4月7日、萬歳会長らJAグループ代表は、官邸で安倍総理、菅官房長官、
加藤・世耕両副長官と面会し、萬歳会長は下記の内容について発言した。
▶
総理が国会答弁において「日米首脳会談において不必要な妥協はしない」旨
の発言をされたことは大変心強い。
▶
米は国民の主食であり、現場では生産調整やコスト削減などの改革に着実に
取り組んでいる。このような国内改革をすすめる中、TPPにおける米の交
渉がどう影響するのか、現場では大変心配している。
▶
総理のリーダーシップのもと、強い交渉力でTPP交渉に関する国会決議を
実現していただきたい。
○
これらに対し、安倍総理は、
「TPP交渉は最終局面にあり、守るべきは守り、
攻めるべきは攻める。農業は約束しているとおり守る」などと応じた。
○
3月30日、JAグループ愛知は、JA愛知中央会臨時総会において、「TP
P交渉における国会決議の遵守を求める特別決議(別紙2)」を行い、政府に対
して安易な妥協を認めず、国会決議を遵守するよう求めていくことを確認した。
5.今後の見通し
○
4月28日には日米首脳会談が予定されており、また、5月23~24日の
APEC貿易担当大臣会合(フィリピン)に合わせて、閣僚会合が開催される
との報道もある中、TPA法案の行方と日米二国間協議の進展が大きなポイン
トになると考えられる。
○
日米協議で弾みがつき、TPA法案の成立が見通される状況になれば、交渉
16
全体の合意に向けた加速化が想定される一方で、TPA法案の成立が見通せな
い場合は、閣僚会合での合意は先送りされ、米国の大統領選挙の本格化等に伴
い、TPP交渉は当面進展しないと見られている。
【当面の国際会議等】
日程
国際会議等
4月20日の週
日米閣僚協議(可能性)
4月23~26日
首席交渉官会合(米国)(報道)
4月28日
日米首脳会談(ワシントン)
5月23~24日
APEC貿易担当大臣会合(フィリピン・ボラカイ)
TPP閣僚会合(報道)
6月7~8日
G7サミット(ドイツ・エルマウ城)
17
別紙1
TPP交渉における国会決議実現に向けた特別決議
TPP 交渉は、米国・ハワイで首席交渉官会合が開催されたが、
米国議会に TPA 法案が提出されないなかで、大きな進展は見られ
なかった。他方、政府は、日米二国間協議の決着には、必ずしも
TPA は必要でないという認識のもと、早期の交渉妥結を目指して
精力的に交渉に臨んでいる。
4 月には統一地方選が行われるとともに、大型連休中に安倍総理
が訪米し、日米首脳会談が行われる予定となっている。今後、日
米協議は重要な局面を迎えかねないが、国会決議の実現に向けた
断固たる対応が何としても必要である。
1 月下旬以降、米を含む重要品目に関するマスコミ報道が相次ぎ、
現場は大きな不安と混乱の状況にある。政府による情報開示が十
分でないなか、米を含めて譲歩を検討しているかのような報道内
容は、農業生産力の拡大、農業所得の増大と全く逆の方向であり、
仮にこれらの報道が正しいのであれば、全く受け入れられるもの
ではない。
我々は、改めて「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物
などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能とな
るよう除外又は再協議の対象とすること」をはじめ、食の安全・
安心や、国民への十分な情報提供などを求めた国会決議を遵守す
るよう、政府・与党に対して強く求めるものである。
JA グループは、農業所得の増大、農業生産の拡大、地域の活性
化に全力をあげて取り組んでいるが、こうした取り組みを前に進
めていくためにも、全国各地から声をあげ、TPP 交渉における国
会決議が実現するよう、今後とも運動を展開していく所存である。
以上、決議する。
平成 27 年 3 月 20 日
国会決議実現に向けた TPP 交渉情勢報告会
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別紙2
TPP交渉における国会決議の遵守を求める特別決議
TPP交渉は、3月9日から15日にハワイで首席交渉官会合が開催
されたが、米国政府が議会から交渉権限(TPA)を付与されていない
中で、大幅な進展は見られなかった。一方、日米二国間協議については、
政府は、決着にTPAは必ずしも必要でないとの認識のもと、4月28
日に予定される日米首脳会談前の妥結に向けて精力的に交渉に臨んでお
り、重要な局面を迎えかねない。
1月下旬以降、米、牛肉など重要品目に関する譲歩案の報道が相次い
でおり、生産現場は大きな不安に駆られている。仮に報道のような内容
が真実であれば、全く受け入れられるものではなく、我々農業者への裏
切りと言わざるを得ない。
政府は、
「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産
物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議
の対象とすること」などとした国会決議を遵守するとともに、食の安全
やISD条項など、国民の暮らしやいのちに関わる重要課題について、
毅然とした交渉姿勢を貫き通すべきである。また、マスコミ報道に衝撃
を受けている全国の農業者に対し、十分かつ明確な説明を行うべきであ
る。
JAグループ愛知は、これら国会決議の遵守を徹底して求める運動を
引き続き展開していくとともに、組合員の営農と生活を支えるため、組
織一丸となり全力をあげて取り組む。
以上、決議する。
平成27年3月30日
愛知県農業協同組合中央会 臨時総会
19
Ⅲ 県の平成27年度予算・施策とJAグループの要望結果
―「食と緑の基本計画2015」最終年度、着実な実施に向け予算編成―
○ 3月20日、一般会計予算総額を2兆4,817億円(前年対比5.1%増)と
する平成27年度の県の予算関係議案が愛知県議会において可決、成立した。農林
水産関係予算は全体で687億円、うち一般会計予算は、前年対比4.2%増の6
74億円となった。なお、県予算全体に占める割合は、昨年度と同じ2.7%とな
った。
○ 県税収入は、地方消費税率の引き上げに伴う増収がある一方で、企業の業績予想
を踏まえた法人二税は減収が見込まれ、県税全体としてはわずかに前年度当初を上
回る程度にとどまっている。一方で、歳出では、義務的経費である医療・介護など
の扶助費が大幅に増加しており、公債費も高止まり傾向にあり、依然として厳しい
財政運営を強いられている。
○ このような状況の中で、県は、地域産業の強化や地域経済の活性化、雇用の確保
等を通じ、
「日本一元気な愛知」
・
「人が輝くあいち」を創っていくとして予算編成
を行った。
○ 農林水産関係予算は、平成23年5月に策定した平成27年度を目標年度とする
「食と緑の基本計画2015」が最終年度にもなることから、この計画に定める
① 安全で良質な農林水産物の生産と供給の確保
② 県産農林水産物の適切な消費と利用の促進
③ 自然災害から守られ、緑と水に恵まれた生活環境の確保
を施策の3本柱として、生産現場の強化や、県産農林水産物の販売促進、洪水や地
震などの自然災害に備えた防災対策の推進など、各種施策を着実に実施する内容と
なっている。
20
○ 3つの柱ごとの予算は、
① 安全で良質な農林水産物の生産と供給の確保(351億円)
② 県産農林水産物の適切な消費と利用の促進(9億円)
③ 自然災害から守られ、緑と水に恵まれた生活環境の確保(222億円)
となっている。
○ 今年度は、「食と緑の基本計画2015」の目標最終年度となることから、次期
計画の策定に向けて、検討を行っていくとしている。
○ JAグループでは、27年度県予算・施策について、県知事をはじめ農政議員連
盟、農林水産部長等への要請活動を行ってきた。この要請に対する結果は別紙のと
おりである。
【 農林水産関係の平成27年度予算 】
(単位:千円、%)
会
一
般
会
計
特
別
会
計
計
名
平成 27 年度予算額 平成 26 年度予算額 前年対比
農林水産費
67,257,167
64,525,977
104.2
災害復旧費
114,055
114,055
100.0
67,371,222
64,640,032
104.2
就農支援資金
427,024
635,849
67.2
県有林野
792,044
697,576
113.5
林業改善資金
30,955
30,830
100.4
沿岸漁業改善資金
97,535
97,470
100.1
1,347,558
1,461,725
92.2
68,718,780
66,101,757
104.0
計
計
合
計
21
【 平成27年度 食と緑基本計画体系 集計表 】
(単位:千円、%)
基本計画体系
27年度
26年度
35,113,444
32,871,988
106.8
(1)〝活かす″あいちの農林水産業
88,800
239,587
37.1
(2)意欲ある人が伸びる農業の実現
31,340,169
28,699,559
109.2
(3)持続可能な林業の実現
2,207,786
2,373,622
93.0
(4)良質な水産物の供給力の強化
1,299,502
1,179,550
110.2
177,187
379,670
46.7
885,260
1,231,441
71.9
694,848
604,980
114.9
190,412
626,461
30.4
22,213,618
21,348,154
104.1
7,879,789
6,657,552
118.4
14,198,553
14,622,145
97.1
135,276
68,457
197.6
基本計画体系 合計
58,212,322
55,451,583
105.0
4 その他(職員給与等)
10,506,458
10,650,174
98.7
68,718,780
66,101,757
104.0
1 安全で良質な農林水産物の生産と供給の確保
(5)食品の安全・安心の確保
2 県産農林水産物の適切な消費と利用の促進
(1)食や農林水産業に対する県民の理解と活動の
推進
(2)県産農林水産物の消費と利用の推進
3 自然災害から守られ、緑と水に恵まれた生活環境
の確保
(1)森林等が有する多面的機能の適切かつ十分な
発揮
(2)災害に強く安全で快適な生活環境の確保と農
山漁村の活性化
(3)環境への配慮と資源の再生・循環利用を図る
取組の強化
合 計
(注)前年対比は27年度予算と26年度当初予算の比である。
22
前年対比
平成27年度県予算・施策に関する重点要請の措置状況
四角囲み、ゴシック文字が回答(数字は予算額)
単位は千円、カッコ内は前年度当初予算
国費:国庫補助を受けて、県が実施する事業
単補:県が独自に他団体等の事業等を奨励するもの
消県:国庫補助を受けないで、県が実施する消費的事業
Ⅰ.安全で良質な農林水産物の生産と供給の確保
1.愛知県農業の確立と施策の推進
重(1)食と緑の基本計画の達成について
「食と緑の基本計画2015」で掲げている農業産出額 3,500 億円の目標達成のため
には、県及び農業関係組織・団体の総力を上げての取組みが必要である。JAグループ
も県行政と連携を図り、積極的に取り組んでいくので、県においては、これまで以上に、
農商工のバランスが取れ、都市と農村が共存するといった本県の特徴を踏まえた愛知県
農業の振興に力をいれていただきたい。そのために、農業予算の十分な確保を図るとと
もに、試験研究、ブランド化、園芸振興など将来にわたり愛知県農業の強みを発揮する
に必要な予算に対して重点的な配分を行い、安全で良質な農林水産物の生産と供給の確
保、県民の農林水産業への理解の醸成と県産農林水産物の消費と利用の促進、自然災害
から守られ緑と水に恵まれた生活環境の整備等の各種施策の積極的な推進を図られた
い。
また、引き続き、JAグループや農業者も役割を分担し、県と連携を図りながら取り
組める次期基本計画の策定を願いたい。
《施策の推進》
【農林政策課】 農林水産関係予算
67,371,222(一般会計総額)
(64,640,032)
※引き続き「食と緑の基本計画 2015」に基づき、
「生産」
、
「消費」
、
「生活環境」の面から
総合的、計画的に各種政策を推進
《次期計画の策定》
【農林政策課】食と緑の基本計画策定費(消県)
1,679(0)
※平成 27 年度に計画期間を終える「食と緑の基本計画 2015」の次期基本計画を策定
重(2)TPP交渉等への対応について
TPPは、その帰趨によっては、わが国の「食とくらし・いのち」に大きな影響を及
ぼす問題であり、農業・農村の崩壊につながるものとなる。
このため、TPP交渉にあたり、「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物など
の農林水産物の重要品目を除外又は再協議の対象とする」とした、平成25年4月の衆
参農林水産委員会の決議を遵守し、交渉プロセスで国益が守れないと判断した場合には、
即刻、交渉から脱退することを明確に国民に約束するなど、決して国民不在のTPP交
渉合意を行わないよう、国に対して、強く働きかけていただきたい。
23
また、二国間の経済連携協定については、国会決議等の趣旨に基づいて、国内農業に
影響がないよう交渉が進められ、交渉が合意した協定については、万全な国内対策が講
じられるよう国に働きかけられたい。
《国への働きかけ》
【農林政策課】
要請の趣旨について、国に対して働きかけ
―(-)
・東海農政局(平成 26 年 10 月 23 日)
・農林水産省・財務省・内閣官房(平成 26 年 10 月 24 日)
(要請内容)
○TPP協定に我が国の主張を反映させるため、ルールづくりにおいて主導的な役割を果
たすこと
○関税の撤廃により、海外の安価な農林水産物の輸入が増加し、農林水産業に大きな影響
を及ぼすことが懸念されることから、米、小麦、畜産物など特に影響が大きいとみられ
る品目を関税撤廃の例外とすること
○将来にわたる農林水産業の振興に向けた施策の基本的方針を明らかにするとともに、地
域の実情に応じた施策を推進するための十分な予算を措置すること
重(3)農業協同組合・農業委員会の改革について
農業協同組合改革については、農協系統組織は組合員・会員の意思によって自主・自
立の組織運営がなされ、これまで地域の農業・農村振興に大きな役割を果たしてきてい
ることから、農業者、地域住民など関係者の意見を広く聴くとともに、組織内の自主的
な検討を尊重して改革が行われるよう国に働きかけられたい。
農業委員会制度の改革については、地域の農業者の代表としての役割・機能が発揮さ
れるよう、代表制を担保する仕組みを検討するとともに、農業委員会等に関する法律に
基づく市町村農業委員会・都道府県農業会議・全国農業会議所の系統性の確保や意見の
公表・行政庁への建議等の機能の維持が図られるよう国に働きかけられたい。
《国への働きかけ》
【組合検査指導室、農業振興課】 要請の趣旨について、国に対して働きかけ
―(-)
・東海農政局(平成 26 年 12 月 18 日)
2.生産者と消費者の思いを伝える農林水産業の推進
重(1)本県産農畜産物のブランド化の推進と販売促進活動の支援強化について
本県は農業産出額が全国6位と上位にあるが、今後ともこの地位を維持するには供給
力の強化はもちろん、農畜産物のブランド力を一層向上させる必要がある。
このため、農業団体との連携の下、愛知県農畜産物ブランド化推進協議会で進めてい
る新たなブランド化戦略に伴う生産面での技術開発と生産指導に取り組み、消費者や実
需者の評価も得られる県独自の新品種の育成や栽培品種の誘導、生産技術の普及、育成
した品種の消費者への認知・定着促進策など、研究開発、生産対策、消費対策が一体と
なったブランド化の推進を図られたい。
また、知事自らの積極的なトップセールスの実施、マスメディアの積極的かつ有効的
な活用、観光事業と連携した県産農畜産物のPR活動に取り組むとともに、産地自らが
行うブランド化の推進、販売促進活動に対して支援されたい。
さらに、農産品のみならず農産加工品、水産加工品、特産品等とも組み合わせた県産
品全体の総合力による認知度向上策などに取り組まれたい。
24
加えて、消費の中心である京浜地域における情報収集活動・機能強化は必須であり、
そのために必要な予算・要員の確保に支援を願いたい。
《ブランド力向上》
【農林政策課、園芸農産課、畜産課】 あいちの農林水産物ブランド力強化事業費(消県)
13,967(0)
※「名古屋コーチン」「花」「あさり」「抹茶」などについて、関係団体との協力のも
と、消費者に対してPR等を行い、県産農林水産物の知名度向上や需要拡大を図る
【農業経営課】農林水産物生産性向上対策事業費のうちあいちが創った優良品種の活用促進
(国費・消県)
2,895(0)
※あいちが作った優良品種の活用促進のため、試験場が近年開発した酒米、小麦、トマ
トの3品種について、実需者が求める品質を確保し、用途に適した栽培方法を確立
消費者のニーズに応える品種の特性を活かした商品開発支援や品種のPRを実施
【食育推進課】
―(-)
※平成 25 年3月に策定された「愛知県農畜産物ブランド化推進基本方策」に基づき、県
では、技術開発や生産指導などの取組を行うなど、JAあいち経済連及び関係機関と
連携・協働して生産から消費まで一体となったブランド化を推進
【農業経営課】試験研究費(国費・消県)
306,271(275,941)
※事業主体:農業総合試験場
重点目標に基づき計画的に試験研究を推進(研究課題数 151 課題)
(1)消費者の信頼に応える食料等の生産・供給の確保
(2)気象変動に強く環境に配慮した持続的農業の推進
(3)高度な技術や新たな品種による農業経営の向上
(4)地域の資源や特性を活用した多様な付加価値の創出
【農業経営課】農業改良普及事業(国費・消県)
1,427,880(1,364,081)
※高品質、高収量、省力・低コスト等の生産技術について、普及指導を実施
《産地の取組支援》
【食育推進課】6次産業化支援事業費(国費)
43,350(156,226)
※事業主体:県
事業内容:6次産業化サポートセンターの設置、指導者育成研修会の開催を始め新商
品の開発や販路開拓、加工施設等の整備に対する助成
《販売促進活動》
【食育推進課】農産物流通機能強化推進費のうち愛知県農産物需要拡大推進協議会負担金
(消県)
1,100(1,100)
※事業主体:愛知県農産物需要拡大推進協議会
事業内容:首都圏における知事トップセールスや量販店でのPR、農林水産祭等への
出展、市場関係者による品質評価会の開催等
《認知度向上》
【食育推進課】食と緑普及啓発事業費(消県)
903(853)
※事業主体:あいちの農林水産フェア実行委員会
事業内容:あいちの農林水産フェアを開催、県産農林水産物 やそれを使用した加工品
を県民に紹介することにより、県民の農林水産業に対する理解促進と県産農
林水産物の需要を拡大
【園芸農産課】果樹・花き振興指導費のうち果実品質向上推進費(消県)
104(147)
※事業主体:あいちのフルーツコンテスト実行委員会、 愛知県いちご品評会実行委員会
事業内容:ぶどう、いちじく、いちごの品評会、小売店での出品物のPR、販売会実施
《京浜地域での情報収集活動》
【食育推進課】農産物流通機能強化推進費のうち東京事務所農産物流通対策グループ運営費
(消県)
3,607(3,637)
※大田市場に職員駐在、農産物の流通情報の収集、県産農産物のPR及び販路拡大
25
重(2)「花の王国あいち」の取組強化について
県は、「花きの振興に関する法律」に基づく「花き産業及び花きの文化に関する計画」
を策定するとともに、全国一を誇る本県花き産業の一層の発展、県民の花のある豊かな
暮らしづくりを推進するため、花きの生産・流通・販売・消費拡大等にわたる積極的な
施策の展開を図られたい。
特に、法では、国及び地方公共団体は、花き産業及び花きの文化の振興を図るため、
博覧会等の開催への支援に努めるとされたことから、リニア中央新幹線の開通に向けて、
本県での「国際園芸博覧会」を始めとする各種の花と緑のイベントの誘致開催に向けた
取組みを推進されたい。
また、花の消費拡大に関するイベントの予算を拡充し、「花の王国あいち」県民運動
を継続的に展開し、本県産花きのさらなる需要拡大に取り組まれたい。
《振興計画等》
【園芸農産課】花き総合振興対策推進費のうち花き振興指針の推進費(消県)
※検討委員会での意見を聞きながら、花き振興計画を策定
33(75)
《花と緑のイベント》
【園芸農産課】あいち花の交流ひろば開催費負担金(消県)
3,074(0)
※事業主体:あいち花の交流ひろば推進実行委員会(仮称)
事業内容:全国都市緑化あいちフェア会場で県内花き生産者によるコンテストの開催や
生産者と消費者との交流会などを開催
【園芸農産課】関東東海花の展覧会開催負担金(消県)
1,100(1,000)
※事業主体:関東東海花の展覧会
事業内容:本県産花きの主要出荷先である首都圏において開催される品評会に参加し、
首都圏の消費者に本県産花きをPR
《需要拡大》
【園芸農産課】花き商談会出展事業費負担金(消県)
1,301(1,368)
※事業主体:IFEX 出展推進協議会
事業内容:IFEX への出展ブースの確保及び出展効果の調査を実施
【園芸農産課】花の王国あいち需要拡大推進事業費(消県)
7,842(7,727)
※事業主体:花の王国あいち県民運動実行委員会
事業内容:「今月のあいちの花」のPR、花育の推進、あいちフラワーカップの開催、
花き関係イベント以外への県産花きの提供などによる県内需要を拡大
【園芸農産課】あいちの農林水産物ブランド力強化事業費のうちあいち花文化・花空間創出事
業費(消県)
4,390(0)
※フラワーバレンタインの推進や県庁舎回りの花装飾、名古屋駅周辺の花装飾の実施
(3)6次産業化への取組支援について
6次産業化については、農業者が主体的となり、農業所得の拡大につながる取組みと
なるよう、地域の企業・商店との連携、加工品の開発のほか、食品衛生法に基づく加工
施設への適切な指導などについて、6次産業化サポートセンターを始め、関係機関・団
体等の密接な連携による支援を願いたい。
26
《6次産業化の推進》
【食育推進課】6次産業化支援事業費(国費)【再掲】
43,350(156,226)
※事業内容:推進会議、指導者育成研修会の開催や6次産業化サポートセンターの設置、
新商品の開発や販路開拓、加工施設等の整備に対し助成
【農業経営課】農業改良普及事業の一部(国費、消県)【再掲】
1,427,880(1,364,081)
※事業内容:農業者が取り組む起業、加工品開発、直売等の活動に対しての相談、技術
指導等
《適切な指導》
【生活衛生課】食品衛生監視指導事業の一部(国費、消県)
121,641(117,383)
※事業内容:漬物等の農産物の加工品を製造、加工する者に対して、製造等の規模に関
わらず「漬物の衛生規範」、「大量調理施設衛生管理マニュアル」、「愛
知県食品衛生条例」に基づき、食品衛生監視、収去検査を実施し、食品の
衛生的な取扱い、施設の衛生管理、適切な表示等について助言、指導
(4)県産農畜産物の輸出支援について
国は、成長戦略で1兆円の輸出額目標を定めて、農林水産物・食品の輸出を推進する
としているが、農業者の手取りが確保できるものでないと輸出は伸びない。このため、
県においては、花を含めた県産農畜産物の輸出について、国やジェトロ等と連携し、相
手国の規制・流通などの各種の情報収集、アンテナショップ等による試験販売のほか、
相手国の流通業者との連携、販路開拓等、ビジネスとして成り立つまでの幅広い支援を
継続的に講じられたい。
《輸出の幅広い支援》
【食育推進課】あいちの農林水産物輸出拡大戦略事業(消県)
9,763(4,304)
※事業内容:シンガポールで開催される日本食商談会への出展や他県等との広域連携に
よる輸出促進。アジアのイスラム圏における農林水産物等の流通状況調査
やあいちの農林水産物輸出促進会議を実施
(5)安全・安心な農産物の生産に対する理解促進について
県内の農業者、JAが生産履歴の記帳、GAP手法の導入、エコファーマーの取得な
どに積極的に取り組んでいること、きめられた基準で農薬を使用すれば、安全であるこ
とを、市場・流通関係者、県内外の消費者、県民に対して広く情報発信していただきた
い。
《消費者等への情報発信》
【農業経営課】環境保全型農業推進費(国費・消県)
400(3,559)
※事業主体:県
事業内容:GAP手法に取り組んでいる産地やエコファーマーの認定状況等を県のホ
ームページで紹介し、消費者等へ情報発信
3.多様な担い手の育成・確保
(1)担い手の育成・確保に関する取組支援について
市町村における認定農業者制度の運用について、農業経営改善計画における所得目標
等を一律に設定させるのではなく、育成する担い手の経営規模に応じた目標とするなど
27
地域の実情に応じた担い手の育成・確保が図られるよう市町村に対して働きかけを願い
たい。
また、市町村で進められている人・農地プランの作成については、農業者、関係機関
との話し合いの下、地域の実情に合ったものとして、又、認定農業者制度との整合が図
られるものとして策定されるよう市町村を指導されたい。
JAにおける「担い手に対する出向く体制」の活動について、農林水産事務所の専門
的見地からの支援を願うとともに、併せて、担い手の抱える規模拡大、法人化、経営継
承、雇用確保などの多様な課題に対して出向く体制との連携の下、指導願いたい。
《認定農業者制度の指導・助言》
【農業振興課】地域農政総合推進費のうち担い手総合支援事業指導事務費(消県)231(271)
※事業内容:認定農業者制度の指導・助言等
《人・農地プランの作成指導》
【農業振興課】農地集積推進事業費のうち人・農地プラン作成費補助金(国費)3,719(3,435)
※事業主体:市町村
事業内容:人・農地プランの作成・更新等に要する経費助成
【農業振興課】農地集積推進事業費のうち推進指導費(国費)
309(309)
※事業内容:人・農地プランの作成・更新に係る助言・指導等
《担い手への支援》
【農業経営課】農業改良普及事業の一部(国費・消県)【再掲】
1,427,880(1,364,081)
※事業内容:技術革新等による競争力のある経営体及び産地の育成等を図るために、普
及指導計画を作成し、担い手に対する普及指導活動を実施
【農業経営課】経営体育成指導事業費(国費・消県)
273(326)
※事業主体:県
事業内容:農業を担う基幹経営体の育成を目指し、JA、市町村等関係機関と連携し
て、カウンセリング等の個別対応指導を実施
【基幹経営体の育成目標:4,500 経営体】
【育成実績:4,111 経営体 H26.3 現在】
重(2)新規就農者の確保について
新規就農者の確保のため、県段階で、法人就農、独立就農希望者等に対する就農相談
会を開催するほか、普及組織、農業大学校、農業高校等における相談活動、先進農業者
や農業大学校における農業技術の習得研修を強化されたい。また、JAが、多様な就農
者の確保のために行っている農業塾等の開設・運営に対する支援を願いたい。
さらに、就農にあたって必要となる農地の確保、法人等への就農の場合の受け入れ先
の確保、機械・施設の導入、産直施設を含めた販売先の確保等の就農環境の整備につい
て、市町村とも連携を密にして支援を願いたい。特に、離農農家の空ハウスや、畜舎の
利用については、投資費用を抑える有用な手段であるので、離農農家から新規就農者へ
の円滑な継承、簡易な整備・補修等に対して支援を行われたい。
一方、親元での就農については、引き続き、若い担い手確保の重要な柱となるが、親
元就農の場合も、就農時の規模拡大、新規投資への大きなリスクが伴うことから、親か
ら子への安定した経営継承が図られるよう就農時の規模拡大に伴う農業機械の導入・ハ
28
ウスの増設等に対する助成措置の創設を、国に働きかけられたい。また、青年就農給付
金は、親元就農の場合は、要件が厳しく対象となる場合が少ない。親元就農の場合も、
農地の権利にかかわらず、親の経営と経理の面で独立していれば青年就農給付金の対象
とするなど、交付要件の大幅な緩和を国に働きかけられたい。
《就農相談関係分》
【農業経営課】農業後継者育成事業費のうち就農サポートシステム総合整備事業費(消県)
491(455)
※平成 24 年4月から各農業改良普及課に設置した農起業支援センターで、農家の後継者
や他業種からの新規参入希望者に対して、技術、経営開始資金、農地確保などの相談を
一元的に実施、就農後は現地で戸別訪問による栽培技術を指導
《農業技術の習得研修》
【農業経営課】農業者生涯教育研修(国費)
2,188(2,188)
※事業主体:農業大学校
事業内容:新規参入者、Uターン就農者を対象とした「ニューファーマーズ研修」や
経営や生産の高度化を図るための研修を実施
【農業経営課】農業機械研修(消県)
2,227(2,185)
※事業主体:農業大学校
事業内容:「トラクター基本研修」「トラクターけん引研修」「フォークリフト研修」
など、農業機械に関する知識・技術・技能を修得させるための研修を実施
【農業経営課】新規就農・経営継承総合支援事業のうち農業者育成支援研修(国費)
5,188(5,000)
※事業主体:農業大学校
事業内容:主に農業以外の分野からの就農を目指す者を対象とした研修を実施
《青年就農給付金関係》
【農業経営課】新規就農・経営継承総合支援事業(国費)
306,875(587,250)
※事業主体:準備型…県、経営開始型…市町村
事業内容:独立・自営就農を目指す人に、就農前の研修期間の2年以内(準備型)及び
経営が不安定な就農直後の5年以内(経営開始型)の所得を確保する青年就
農給付金を給付
<参考>27 年度に予定していた、給付金の一部(225,375 千円)を国の経済対策により、
26 年度に前倒給付
《国への働きかけ》
【農業経営課】要請の趣旨について、国に対して働きかけ
・東海農政局長(平成 26 年 10 月 23 日)
―(-)
重(3)経営所得安定対策について
経営所得安定対策については、主食である米の需給及び価格の安定が図られるととも
に、転作作物における主食用米並の所得の確保や産地の独自の取組みの拡大など、農業
者の努力が反映され、現場での地域の実情にあった取組みができるような制度運用が行
われるよう国に働きかけられたい。
また、県内では、認定農業者以外の参加により、水稲と麦・大豆のブロックローテー
ションでの水田の効率利用が行われているが、畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)、
米・畑作物の収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)の対象が認定農業者・集落営農・認
定就農者に限られることとなるため、ブロックローテーションの存続が危ぶまれている。
29
このため、ブロックローテーションに参加する農業者については、ゲタ対策、ナラシ対
策の対象となるよう国に働きかけられたい。
飼料用米については、既存の麦・大豆産地との調和、飼料用米の種子供給体制の整備、
飼料用米導入に伴う用水確保や流通への課題を十分に踏まえた上で、農業者や関係機関
と連携の下、推進を図られたい。
《国への働きかけ》
【園芸農産課】要請の趣旨について、国に対して働きかけ
―(-)
・東海農政局長(平成 26 年 10 月 23 日)
・農林水産省・財務省(平成 26 年 10 月 24 日)
(要請内容)
○経営所得安定対策においては、水田農業における飼料用米・米粉用米に数量払いが導
入されるとともに産地交付金が拡充されたが、この制度の継続実施、麦、大豆を始めと
する転作作物について、主食用米並の所得を確保すること
<参考>
水田農業経営所得安定対策推進費(国費・消県)
・水田農業経営所得安定対策推進費補助金
(平成 27 年度):123,014 千円(国費)
事務経費を地域再生協議会に助成
・水田農業経営所得安定対策推進指導費
(平成 27 年度):6,484 千円(国費・県費)
市町村別生産数量目標の算定、通知などの事務費
・飼料用米については、愛知県の開発した、多収性品種「愛知 125 号」の種子を、平成
29 年度から農家に対して供給予定
・平成 26 年度2月補正予算「あいちの農林水産業強化事業費」20,000 千円のうち 2,062
千円にて、「愛知 125 号」の施肥方法等を実証
≪飼料用米の推進≫
【畜産課】自給飼料生産振興事業費(消県)
485(561)
※飼料用稲利用に関する普及啓発及び飼料米給与に関する試験経費等
【畜産課】農畜産業振興事業費補助金のうち畜産振興事業費補助金(消県)
1,312(1,312)
※事業主体:市町村等
事業内容:地域における飼料作物、稲わら等の生産利用や良質堆肥の生産利用を促進す
る取組を推進
(4)生産資材の高騰に対する支援について
肥料、燃油等の生産資材の高騰に対応して、省資源型の栽培技術の確立・普及に取り
組まれるとともに、施肥コスト低減のための土壌診断結果に基づいた施肥設計の見直し
や肥料開発など施肥改善指導に対して、支援を願いたい。
燃油価格高騰緊急対策については、産地として燃油削減目標を策定し、省エネ設備の
導入等により燃油削減に取り組むことが要件で、事業期間は平成26年度までとされて
いる。燃油価格の高騰が続く中、特に、セーフティネットについては、既支援対象者も
含め、希望者が支援を受けられるよう制度を見直した上で、平成27年度以降も継続す
るよう国に働きかけられたい。
また、配合飼料価格差補てん事業の基金予算の確保、肥料、被覆資材、乾燥牧草等の
輸入粗飼料等の緊急対策の創設について、国に働きかけられたい。
30
さらに、燃油高騰等による生産コストの上昇分が、取引価格に適正に反映されるよう、
流通業者・小売業者・消費者等の理解の醸成にも取り組まれたい。
《技術の確立と普及》
【農業経営課】試験研究費の一部(消県)
※事業主体:県
事業内容:省エネ・省資源管理技術に関する研究
(主な研究課題)
・花きのハイテク・低ランニングコスト生産技術の開発
・カンキツの省力・低コスト・高品質生産技術の開発
・キクの省エネ生産技術・新品種の開発
1,158(1,179)
《施肥改善指導》
【農業経営課】環境保全型農業推進費(国費・消県)【再掲】
400(3,559)
※事業主体:県
事業内容:たい肥等の有機質資材による土づくりや、化学肥料の使用量の削減など環
境保全型農業を推進、平成 23 年3月に「農作物の施肥基準」を改定し、適
正施肥の啓発、指導や肥料開発に取り組む
《燃油価格高騰緊急対策》
【園芸農産課】 要請の趣旨について、国に対して働きかけ
・東海農政局(平成 26 年 10 月 23 日)
・農林水産省(平成 26 年 10 月 24 日)
※H26 年度補正予算により、H27 年度まで1年間延長決定
―(-)
《配合飼料価格差補てん事業》
【畜産課】 要請の趣旨について、国に対して働きかけ
―(-)
・東海農政局(平成 26 年 10 月 23 日)
・農林水産省(平成 26 年 10 月 24 日)
(要請内容)
○配合飼料価格の高止まりや畜産物価格の低迷等の畜産経営への影響を軽減するため、
養豚や鶏卵生産を始めとした畜産農家の経営安定対策に係る国の支援を強化すると
ともに、飲用向け生乳等についても新たな経営安定対策を創設すること
《流通業者等理解の醸成》
【園芸農産課】
―(-)
※流通業者に対して、燃油高騰等に伴う生産コストの上昇により農業経営が影響を受け
ている現状を説明し、取引価格に適正に反映されるよう理解を醸成
(5)和牛振興に対する支援の強化について
酪農家の受精卵移植による和牛子牛生産の拡大など、県下和牛生産の状況が変化し、
和牛の登記・登録事務が増加・煩雑化してきている。このため、従来の和牛生産地域以
外での事務体制の充実、登記・登録事務に対する県費助成の継続支出により、県下の和
牛の登記・登録業務が円滑に行えるよう支援を願いたい。
また、受精卵移植、優良血統母牛の造成、家畜市場の活性化等に対して支援を願いた
い。
31
さらに、平成29年に宮城県で開催される第11回全国和牛能力共進会に向けた支援
を願いたい。
《登記・登録業務》
【畜産課】
―(-)
※事業名:畜産協会補助金のうち家畜登録等事業費
事業主体:(公社)愛知県畜産協会
事業実施主体:愛知県和牛改良協会
事業内容:畜産関係団体が行う家畜登録事業等に要する事務経費に対し助成
補助率:定額
《受精卵移植》
【畜産課】畜産総合センター業務費のうち肉用種牛管理費
18,938(18,966)
※事業内容:三河高原牧場の和牛の育種価を高め、バイテク技術で増殖し、農家に優良
和牛資源を供給
【畜産課】畜産総合センター牛受精卵供給事業費
7,340(6,222)
※事業内容:受精卵移植技術による農家牛群の整備及び和牛受精卵の譲渡、雌雄産み分
けの実証展示
《全国和牛能力共進会》
【畜産課】
―(-)
※畜産総合センターにおいて改良基礎牛の供給を行うとともに、関係団体及び生産者の
活動を支援
(6)野菜価格の安定に対する支援について
(公社)愛知県園芸振興基金協会が行っている特定野菜等供給産地育成価格差補給事
業に係る交付準備金の県負担割合について、現行どおり国が示す県負担割合を遵守され
たい。また、事業の継続実施が図られるよう基金の財政基盤強化と県費助成を講じられ
たい。
【園芸農産課】野菜生産出荷安定資金造成費補助金(国費)※特別業務資金対応
0(0)
※事業主体:(公社)愛知県園芸振興基金協会
事業内容:指定野菜の価格が著しく低落した場合、次期作の再生産を確保するため野
菜指定産地内の生産者に対する価格差補給金の交付のため、資金を造成
【園芸農産課】契約野菜安定供給事業費補助金(国費)
1,226(1,500)
※事業主体:(公社)愛知県園芸振興基金協会
事業内容:野菜指定産地内の生産者等が実需者と契約取引を行う場合の生産者等のリ
スクを軽減することにより、野菜の契約取引を継続し、契約先の信頼を得
ることで契約取引関係を構築、拡大
※負担割合は国が示す県負担割合どおり
(春キャベツなど)国 50%、県 25%、生産者 25%
(7)畜産経営の安定に対する支援について
肉用子牛生産者補給金制度、養豚経営安定対策事業、鶏卵生産者経営安定対策事業に
係る県費助成の継続・拡大の支援を願いたい。
32
また、愛知県の特徴である酪肉連携による乳用種肥育を含めて肉牛肥育経営が危機的
状況にあるので、経営安定を図るための基盤対策、素畜対策等の経営維持対応策を講じ
られたい。
《生産者積立金等への支援》
【畜産課】肉用子牛価格安定対策事業費補助金
18,855(21,799)
※事業主体:(公社)愛知県畜産協会
事業内容:肉用子牛価格安定基金の造成 国 1/2、県 1/4、生産者 1/4
対象頭数:対象頭数:10,810 頭 黒毛和種 1,100 頭 その他専用種 10 頭
乳用種 3,150 頭 交雑種 6,550 頭
基金造成相当額:18,855 千円(※全額積立準備金より充当)
【畜産課】
―(-)
※事業名:肉用牛肥育経営安定特別対策事業(※独立行政法人農畜産業振興機構事業)
事業主体:(公社)愛知県畜産協会
事業内容:肥育牛1頭あたりにかかる平均粗収益(全国平均)が、平均生産費(全国
平均)を下回った場合、その差額の 8 割を上限に補てん金を交付(四半期
単位で算出) ※国 3/4、生産者 1/4 の拠出により基金造成
【畜産課】肉豚生産安定対策事業費補助金 (単補)
58,000(66,700)
※事業主体:(一社)愛知県養豚協会
事業内容:養豚経営安定対策事業に係る生産者負担金(肥育豚 1 頭あたり 500 円)に
対して一部を助成
補助対象頭数:580,000 頭
助成単価:100 円/頭
【畜産課】鶏卵価格安定対策事業費補助金 (単補)
6,741(3,213)
※事業主体:愛知県経済農業協同組合連合会、豊橋市養鶏農業協同組合、知多養鶏農業
協同組合
事業内容:生産者が積み立てる生産者積立金に対して一部助成
契約数量:89,190 ㌧
補助単価:①鶏卵価格差補てん事業
定額 0.342 円/kg 以内(123 千円上限)
②成鶏更新、空舎延長事業
定額 0.019 円/㎏以内
【畜産課】あいちの農林水産物生産力強化対策事業のうちあいちの生乳生産基盤回復事業
4,985(0)
※事業主体:県
事業内容:ホルスタイン性判別精液(9割以上の確率で雌が生まれる)を有効活用し
て、生乳生産基盤を回復
重(8)補助事業の充実・強化について
農産物価格が低迷する一方で、燃油をはじめとする資材価格が高騰して、現下の農業
経営は再生産を図れないほど非常に苦しくなっている。このため、生産者は機械・施設
への新たな投資もできない状況に陥っている。
このような農業経営を支援するためには、機械・施設の導入に対する直接助成が有効
な手段である。このため、以下の事項を重点に、補助事業の充実・強化を図られたい。
その際、国の補助事業を最大限活用するほか、国の補助事業では対象とならない、例
えば、新技術の導入の際に必要となる機械・施設、簡易な施設整備、中山間地域や都市
地域における農業の維持・振興のための施設整備などに対する県単独事業の拡充を図ら
れたい。
33
① 山間地営農等振興事業予算の大幅な増額
② 個人農家、施設の更新も事業対象・事業内容に含めるなど、補助事業の採択要件の
緩和・見直し
③ 複合制御機器や環境改善に必要な機器導入、夏季高温対策に必要な細霧冷房装置の
導入、省エネのために必要な多層カーテンの導入、白熱球からLEDランプ等への
切替等施設の高度化、改善等に関する助成
④ 農業所得の拡大を図るための加工施設・販売施設の設置に対する助成
⑤ 加工・業務需要野菜の産地形成を図るために導入する物流コスト低減に繋がるコン
テナの購入費用等の助成
⑥ 花きの日持ち性向上のためのコールドチェーンの整備に対する助成
⑦ 受託者が小規模な耕作放棄地を整地する場合に要する土木機械の購入又はリース
に要する経費助成の創設
⑧ 施設・果樹栽培における大規模農家へのほ場集約、流動化を図るため、借受時に実
施する生産性向上のための改植・土壌改良・ハウス内の整備などに対する助成
⑨ 老朽化したJAの共同集出荷施設、共同乾燥調製施設、堆肥製造施設等の機能高度
化を図るための更新、再整備、付帯機能施設の設置に対する助成
《機械・施設の導入》
【農業振興課】経営体育成支援事業費(国費)
278,561(310,925)
※事業主体:市町村等
事業内容:人・農地プランに位置づけられた担い手が融資を主体として農業用機械施
設等を導入する場合、融資残の自己負担部分について助成
【園芸農産課】強い農業づくり交付金事業費(国費)
579,350(2,406,244)
※事業主体:農協、農事組合法人、農業者の組織する団体等
事業内容:農業用共同利用施設整備の支援(乾燥調製施設、農産物加工処理施設)
補助率 :1/2 以内、定額
<参考>
26 年度2月補正予算により、27 年度に予定していたトマト・メロン集出荷施設整備
(924,200 千円)を前倒しして実施
【園芸農産課】
―(-)
※事業名:燃油価格高騰緊急対策のうち施設園芸省エネ設備リース導入支援事業
事業主体:愛知県燃油高騰対策推進協議会
事業内容:施設園芸における省エネ設備のリース導入に対する支援
補助率:1/2 以内
【農業振興課】山間地営農等振興事業費(単補)
31,000(26,000)
※事業主体:市町村、農協、農業者が組織する法人等
事業内容:山間地・離島地域の農林漁業者組織等に対し、農林漁業用施設・機械の導
入等に助成
補 助 率:1/2 以内(家畜ふん尿処理施設は 3/5 以内)
【園芸農産課】農畜産業振興事業のうち地域農業振興事業費(単補)
2,513(2,894)
※事業主体:農協、農事組合法人、農業者の組織する団体等
事業内容:平坦地の農業者組織等に対し、農業用施設・機械の導入等に対し助成
(集出荷機械、農業用機械への補助(3件))
補助率:1/3 以内
【食育推進課】6次産業化支援事業費のうち6次産業化ネットワーク整備事業費補助金(国費)
34
【再掲】
※事業主体:六次産業化・地産地消法に基づく認定事業計画者
事業内容:加工施設・機械等の整備に対する助成
補助率:3/10 以内
19,951(134,364)
《都市地域農業振興》
【農業振興課】地域農政総合推進費のうち交流ネットワーク推進事業費(消県)
439(2,993)
※事業主体:県
事業内容:都市近郊の地域特(農)産物やその直売所、農業体験施設(市民農園等)などの農山
漁村資源の情報を収集・整理し、県民への情報発信を実施
《耕作作放棄地対策》
【農業振興課】
―(-)
※事業名:耕作放棄地再生利用緊急対策交付金(国費)
平成27 年度期首基金残額:134,966 千円(見込み)
事業主体:愛知県耕作放棄地対策協議会、地域耕作放棄地対策協議会
事業内容:耕作放棄地を再生する取組に対して5 万円/10a(重機を用いて行う等の場合は費用の
1/2 以内)を助成
再生作業に附帯する施設等の補完整備は費用の1/2 以内を助成
(9)農業制度資金にかかわる予算の拡大について
農業者の資金需要に応えるため、農業近代化資金、農業経営安定資金について融資枠
の拡大と農業経営安定資金に対する県預託金の拡大を図られたい。
また、農業融資における無担保・無保証人制度は、資金の円滑な融通により担い手育
成を図るために必要不可欠な制度であるため、基金協会における特別準備金の積み立て
に対して交付される特別準備金造成費補助金の拡大を図られたい。
《農業制度資金の拡大》
【農業経営課】農業近代化資金利子補給補助金
113,244(113,311)
※事業主体:農協等の融資機関
事業内容:認定農業者等に農協等の融資機関が貸し付けた農業近代化資金に対して利
子補給
融資目標額:20 億円
【農業経営課】農業経営安定資金貸付金
12,500(12,500)
※貸付先:愛知県信用農業協同組合連合会
事業内容:認定農業者以外を対象に低利な運転資金を融通するため、愛知県信用農業
協同組合連合会に対して無利子で原資を貸し付け
融資目標額:5,000 万円
【農業経営課】愛知県農業信用基金協会特別準備金造成費補助金
3,794(3,276)
※事業主体:愛知県農業信用基金協会
事業内容:認定農業者等が制度資金の融通に際して、愛知県農業信用基金協会による
債務保証に伴う保証引受リスクに対する引当金の造成を支援
(10)農業機械の盗難防止対策について
大型トラクターの盗難事件が多発する中、生産者への盗難防止グッズの紹介や損害保
険への加入指導を行うなど、大型トラクター使用者に対する自己防衛について指導して
きているが、依然として盗難事件が発生している。
35
県においても、マスコミを利用した盗難手口の公表、名古屋港税関との連携による検
閲体制の強化を図るなど、盗難抑制に向けた取組みを実施するほか、生産者の格納倉庫
敷地における防犯カメラの設置等への助成を講じられたい。
《盗難抑制の取組》
【農業経営課】農作業安全対策事業のうち農業機械作業安全対策
58(87)
※事業主体:県
事業内容:農作業事故ゼロ運動重点対策の推進、農業機械士等の認定及び高性能農業
機械の適正導入を指導
4.優良農地の保全
重(1)担い手に対する農地の集積促進について
農地中間管理事業については、JA等の委託先での事業推進に支障がないよう機構集
積協力金や委託費等の十分な予算を確保されたい。また、人・農地プランを活用した現
場での十分な話し合い、地域の農業委員会、JAとの連携・協力のもとに地域内の農地
利用の調整を図り、借地の再配分に伴って担い手農家の経営に支障が生ずることがない
よう、又、農地利用集積円滑化事業等からの農地中間管理事業の活用へ移行する者の手
続き等に支障が生ずることがないよう事業の推進を図られたい。
受け手が当面見つからないものの、整備を図ることによって十分に活用できる遊休農
地については、事業実施状況を踏まえた上で、県農地中間管理機構が借り受け全額国費
により整備を行い、担い手に貸しつけられる仕組みとすることについて検討されるよう
国に働きかけられたい。
標準小作料制度に代わり、農業委員会は農地の利用関係の調整に資するため、農地の
賃貸借契約を締結する場合の目安となるよう地域の実勢を踏まえた賃借料水準を情報
提供することとされていることから、農地の貸し借りにあたって、契約当事者の参考と
なるような情報提供に努めるよう農業委員会を指導願いたい。
《農地中間管理事業の推進》
【農業振興課】農地中間管理事業等推進基金積立金(国費)
225,744(539,355)
※農地中間管理事業やその他農用地の利用の効率化等を促進するための事業の財源(国
庫支出金等)を基金へ積立
【農業振興課】農地中間管理事業推進費のうち機構集積協力交付金(国費)1,313,184(173,766)
※事業主体:市町村
事業内容:機構へ農地を貸し出す個人、地域に対して市町村が交付する協力金を交付
・経営転換協力金
271,600 千円 ・耕作者集積協力金
28,064 千円
・地域集積協力金
1,013,520 千円
【農業振興課】農地中間管理事業推進費のうち農地中間管理事業費交付金(国費・消県)
251,747(87,552)
※事業主体:農地中間管理機構(愛知県農業振興基金)
事業内容:農地中間管理機構が行う事業、運営に関する経費を助成
【農業振興課】農地中間管理事業推進費のうち推進事業費(国費・消県)
939(1,063)
※農地中間管理事業の推進・指導等を実施
【農業振興課】農地集積推進事業費のうち人・農地プラン作成費補助金(国費)3,719(3,435)
※事業主体:市町村
事業内容:人・農地プランの作成・更新等に要する経費を助成
【農業振興課】農地集積推進事業費のうち推進指導費(国費)
309(309)
※事業内容:人・農地プランの作成・更新に関する助言・指導等を実施
36
《国への働きかけ》
【農業振興課】 要請の趣旨について、国に対して働きかけ
―(-)
・東海農政局長(平成 26 年 10 月 23 日)
・農林水産省・財務省(平成 26 年 10 月 24 日)
(要請内容)
○農地中間管理事業の円滑な実施のため、機構集積協力金については、事業の確実な実施
に必要財源を確保すること
<参考> 国予算案 ( )は前年度
平成 26 年度補正予算 200 億 29 百万円(153 億 4 百万円)
平成 27 年度予算
90 億円(100 億 9 百万円)
《農業委員会への指導》
【農業振興課】地域農政総合推進費のうち農業委員会・農業会議指導費(消県)
※農業委員会、農業会議の指導体制の調整等を実施
36(42)
(2)遊休農地発生の抑制策について
JAグループでは、担い手の少ない中山間地域や都市近郊地域において、JAが直接
出資する農業生産法人を設立し、将来の担い手育成を兼ねて従業員や研修生を雇いなが
ら、耕作する者がいなくなった農地の耕作を行っている。しかし、その性格上、耕作す
る農地は条件不利地の割合が高く、経営面では厳しい状況にあるため、JA出資法人や
これに代わる受託組織に対して支援を願いたい。
また、農業委員会が行う遊休農地対策については、実効性のあるものとなるよう、県
が実態調査を実施するなど、県と農業委員会とが連携して遊休農地の解消を進められた
い。
《JA出資法人への支援》
【農業振興課】地域農政総合推進費のうち担い手総合支援事業指導事務費(消県)【再掲】
231(271)
※事業内容:JA出資法人の実態及び課題の把握等を実施
《遊休農地の解消》
【農業振興課】
―(-)
※事業名:耕作放棄地再生利用緊急対策交付金(国費)【再掲】
平成 27 年度期首基金残額:134,966 千円(見込み)
事業主体:愛知県耕作放棄地対策協議会
地域耕作放棄地対策協議会
事業内容:耕作放棄地を再生する取組に対して 5 万円/10a(重機を用いて行う等の場
合は費用の 1/2 以内)を助成
再生作業に附帯する施設等の補完整備は費用の 1/2 以内を助成
【農業振興課】地域農政総合推進費のうち農業委員会・農業会議指導費(消県)【再掲】
36(42)
※事業内容:農業委員会、農業会議の指導体制の調整等を実施
【農業振興課】地域農政総合推進費のうち耕作放棄地解消推進指導事務費
106(124)
※事業内容:耕作放棄地対策の指導等を実施
37
5.全国屈指の技術開発力を活かした品質や生産性の向上
重(1)農業総合試験場における試験研究の強化について
先端的な試験研究が可能となる試験研究施設の整備を図り、県産品のブランド化の推
進とも連動した新品種育成や新技術の開発を促進し、新品種、新技術の普及、定着を、
普及組織と一体となり加速されたい。
また、試験研究成果の普及、課題提案等について、普及組織と協力しながら、試験場
と担い手農業者との交流、情報交換を進めていただきたい。
さらに、特許権や品種登録等の知的財産権の保護と取得推進に取り組まれたい。
特に、農業者から要望の強い以下の新品種・新技術の開発に力を注いでいただきたい。
なお、新品種の育成にあたっては、普及組織・農業者の意見・要望を十分に反映し、
育成段階からの現地実証等において、農業者、実需者等の評価を踏まえた対応を願いた
い。
① 湿害に強く、熟期の早い、麺用及びパン用の良質で実需者の評価が得られる小麦品
種の育成・実用化
② 多収性で高温障害への耐性を兼ね備えた水稲の早生・中生品種の新品種の育成・実
用化
③ 本県の基幹品目であるイチゴ、トマト、おおば、ナス、イチジク、早生ミカン、ブ
ドウ等について、実需者や消費者の評価を得られる全国に認められる県独自品種の
育成、産地への普及・定着の促進、消費側に対するPR
④ 本県花き園芸の基幹品目である輪ギク、スプレーマム、バラ、カーネーションの低
温開花性・低温伸長性のある新品種の育成、無側枝性輪ギク品種の育成
⑤ 切り花の品目ごとの日持ち性向上技術の開発
⑥ ミナミアオカメムシ、スリップス(アザミウマ)や帰化アサガオ類の新しい病害虫
や雑草の効果的な防除技術、生物農薬(ダニ剤)の効果的な防除技術の開発
⑦ 燃油価格の上昇に対応した無加温品目の導入、省エネ技術の導入等による低コスト
栽培体系の確立
⑧ 施設園芸の振興のため、LED電球の農業利用技術、夏季高温対策技術等気候変動
に対応した新技術、環境制御による生産性向上技術の確立
⑨ 菊の下葉枯れや転作田の麦・大豆の収量低下などの新たな技術課題に関する原因究
明と対応技術の確立
⑩ 飼料用米を利用した「みかわ牛」の効率的な肥育・品質向上技術
《試験研究》
【農業経営課】試験研究費の一部(国費、消県)【再掲】
306,271(275,941)
※事業主体:農業総合試験場
事業内容:重点目標に基づき計画的に試験研究を推進(研究課題数 151 課題)
(1)消費者の信頼に応える食料等の生産・供給の確保
(2)気象変動に強く環境に配慮した持続的農業の推進
(3)高度な技術や新たな品種による農業経営の向上
(4)地域の資源や特性を活用した多様な付加価値の創出
38
《知的財産》
【農業経営課】種子供給安定事業費のうち種苗育成推進費(消県)
8,630(8,258)
※農林水産分野の県開発新品種について育成者権の維持確保とその利用
(知的財産の確保状況(平成 27 年1月時点))
・特
許:登録 10 件、出願中1件
・育成者権:登録 40 品種
出願公表中 8 品種
出願中 2 品種
《担い手農業者との交流・情報交換》
【農業経営課】
※実用化技術研究会や場公開デーなどの機会を積極的に設け、交流を推進
(2)普及指導員による技術指導の強化について
全国屈指の農業県として技術革新を進め農業者のニーズに応えられるようなレベル
の高い普及事業を展開するため、十分な予算と要員を確保するほか、普及指導員の短期
間の異動については、特段の配慮を願いたい。特に、普及センターの総合庁舎への移転
に際して、土壌診断等の普及指導に支障がないように配慮されたい。
普及事業の実施にあたっては、地域の振興作物や担い手の状況、地域農業の状況・課
題等に対応するとともに、県産米の品質低下、新たな病害虫の発生、鳥獣害の拡大など
緊急な対応が必要な課題については、早期に対策が確立されるよう農業者に直接接する
積極的な対応を願いたい。また、愛知県の立地を生かしたICT(情報通信技術)を活
用した効率的な大規模農業の展開、施設園芸作物の環境制御技術を活用した多収栽培技
術の普及及び担い手の経営管理、農産物加工については、普及指導員の持つ広い領域で
の能力を活かした多面的な指導を願いたい。
さらに、農産物の販売低迷が続く中、所得確保の観点から、大型稲作部門における野
菜の導入、花き部門における品目転換・複合経営化、園芸部門における新規品目の導入
等の経営転換が増加している。これら農業者では、未経験の園芸品目に係る情報や栽培
技術、知識の不足から優良な農産物生産を実現できない場面が散見されるので、栽培指
導等を強化されたい。
【農業経営課】農業改良普及事業の 一部(国費、消県)【再掲】 1,427,880(1,364,081)
※事業内容:協同農業普及事業の実施に関する方針(平成 23 年 3 月策定)において、普
及指導活動の課題として、「意欲ある担い手の育成・確保」、「産地の収益力
向上に向けた取組の支援」、「環境と安全に配慮した農業の推進」、「活力あ
る地域つくりに向けた取組の支援」に重点を置き、普及事業を実施
【普及指導員等 217 名】 ※普及職員人件費を含む
【農業経営課】農業普及指導センター運営費のうち県有施設利活用プログラム移転費、施設整
備費
-(11,825)
※事業内容:平成 26 年度は、県有施設利活用プログラムに基づき、海部農林水産事務所
農業改良普及課、西三河農林水産事務所農業改良普及課西尾駐在室を移転
し、知多農林水産事務所農業改良普及課の土壌測定診断室を移転
平成 27 年度については移転計画なし
39
(3)あいち米並びに本県産麦・大豆の品質向上対策について
あいち米並びに本県産麦・大豆の品質向上の基礎デ-タ集積と、食品安全性確保のた
めに実施する成分検査等とJAにおける生産指導への活用を目的とした品質分析機材
の導入に対して助成措置を講じられたい。
また、夏季の高温に起因したとされる登熟障害やカメムシ被害により品質・収量が低
下している傾向にあるため、引き続きその対策について指導願いたい。
【園芸農産課】主要農作物生産総合対策事業費補助金(消県)
※事業主体:愛知県米麦振興協会
事業費:1,500 千円
補助率:定額(1/2 以内)
※米麦振興協会が実施する生産対策事業により実施
300(346)
(4)米・麦・大豆の原種生産体制の整備・拡充について
種子更新率の向上のための原種確保体制の整備や、種子採種ほ場の確保対策への助成
などの支援措置を講じられたい。
また、「きぬあかり」導入に際しての計画的備蓄に対して、助成措置を講じられたい。
《原種確保体制》
【農業経営課】原種生産事業費(消県)
12,689(12,861)
※事業主体:県
事業内容:「主要農作物種子法」に基づき、米・麦・大豆の原種の品質を確保
《優良種子の生産及び種子の備蓄》
【園芸農産課】主要農作物生産総合対策事業費補助金(消県)【再掲】
300(346)
※事業主体:愛知県米麦振興協会
事業費:2,800 千円
補助率:定額(1/2 以内)
※米麦振興協会が実施する種子対策事業により実施
(5)園芸優良種苗の供給について
昭和 59 年に優良種苗供給施設を県が整備し、JAグループは、県等の関係機関と連
携・協力しながら現在の優良種苗の供給体制を築いてきたが、現在、県補助金や農業振
興基金助成金の減額により事業運営の見直しが迫られるとともに、種苗生産施設の老朽
化など将来的な課題を抱えている。
このため、将来に亘って安定かつ継続して園芸優良種苗を供給できるような体制の維
持・整備と生産者負担が増加しないよう種苗供給に対する予算確保を強く要望する。
【園芸農産課】園芸優良種苗供給施設整備費(消県)
0(0)
※平成 27 年度指定修繕工事 2,3 号棟 天窓工事
492 千円
(6)優良種畜の供給の継続と保全について
本県が造成した優良種畜(アイリス、名古屋コーチン)について、改良・維持、安定
供給を図るとともに、農業者への普及定着を図られたい。また継続した優良種畜が供給
できるように、将来にわたり、計画的・継続的な系統造成に取り組まれたい。
併せて、PEDの発生を踏まえて、家畜伝染病等の発生で種畜を失うことがないよう、
農業総合試験場、畜産総合センター連携での、リスク分散対策を講じられたい。
40
《優良種畜の改良・造成》
【農業経営課】試験研究費の一部(消県)
※事業内容:農業総合試験場における優良種畜の造成に関する研究
(主な研究課題)
・繁殖性に優れた大ヨークシャー種系統豚の開発
・肉用名古屋コーチンの改良
・卵用名古屋コーチンの改良
18,084(14,781)
《種畜の供給継続と保全》
【畜産課】種豚育成指導推進費(消県)
106(159)
※事業内容:系統豚適正交配システムの確立、系統豚の利用指導や検討会を開催
【畜産課】畜産総合センター費のうち種豚管理費(消県)
504,170(55,151)
※事業内容:畜産総合センターにおいて、血統の管理や能力の調査等を実施
【畜産課】畜産総合センター費のうち施設整備費(公共)
14,247(0)
※事業内容:PEDまん延防止のための車両消毒装置、除菌のためのシャワー施設の整備。
【畜産課】養鶏振興事業費(消県)
73(682)
※事業内容:本県の優良ひな、種鶏の安定確保のため、ふ化場、種鶏場及び生産者を対
象に飼養環境改善指導を実施
【畜産課】畜産総合センター費のうち種鶏場業務費(消県)
38,513(38,698)
※事業内容:畜産総合センター種鶏場において名古屋コーチンの系統の維持・保存及び
種ヒナの供給、信頼確保事務を実施
(7)園芸農業の振興について
加工・業務用野菜の生産振興を図るため、生産性の向上(省力・増収等)や生産体系
の構築に対する技術指導への支援を願いたい。
また、「愛知県農業生産振興支援活動」について、愛知県農業生産振興支援活動の活
動母体となる愛知県農業生産振興協議会や生産振興支援活動サポート部会、さらには地
域に設置する生産振興支援チームへの積極的な参画(特に生産振興支援チームにおける
モデル実証支援)を引き続き願いたい。
【農業経営課・園芸農産課】
―(-)
※事業主体:愛知県農業生産振興協議会
事業内容:・雨よけほうれんそうの周年栽培経営実証による新規産地育成
・長ねぎの収穫作業受託の効率化と育苗コスト低減
・加工・業務向けたまねぎの収穫から出荷作業の効率化
・いちじくの大規模経営農家の育成、西三河いちじく産地振興具体策策定
・省力化・規模拡大・計画出荷による小菊の生産振興
・JAあいち海部鍋田地区での水田におけるキャベツ産地振興
・たまねぎの栽培および収穫作業の機械化
(8)農作物の病害虫防除対策について
農薬による環境への負荷軽減や適期防除を適切に実施するため、発生予察事業の強化
を図るとともに、カメムシ防除については、カメムシの越冬場所である河川敷の除草、
野焼き等による広域的な一斉防除が可能となるように関係機関、行政との調整について
支援願いたい。
41
また、安全・安心な農産物を生産するためには、適正な農薬を適正に使用することが
必要であるので、総合的病害虫・雑草管理(IPM)の考え方に基づく総合的な防除対
策の強化を図られたい。
【農業経営課】農作物病害虫発生予察事業費(国費、消県)
60,745(12,513)
※事業主体:県
事業内容:病害虫の発生状況に応じた的確な防除が行われるよう、現地における病害
虫の発生状況や気象条件等に基づき、病害虫発生予察情報を発表
各市町村における発生予察事業その他防除に関する事務に従事する病害虫
防除員を設置
(9)家畜伝染病の発生防止と発生時対応について
口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザ、豚コレラ等の家畜伝染病の発生防止について、
防疫・マニュアルの整備、家畜保健衛生所による衛生指導の強化等、一層の推進を図ら
れたい。
特に、迅速診断、情報提供、地域実態に応じた埋却地の確保、自衛隊への要請、国・
市町村・畜産関係団体との連携など、発生時の迅速な準備と対応を図られたい。
また、高病原性鳥インフルエンザ等の発生により、GPセンター、食鳥処理場等の畜
産関連施設では、家畜伝染病予防法により事業が停止され、その際に発生する損害につ
いては、同法に基づく費用負担の対象となっていないことから、関連施設への被害の費
用負担についての制度を創設していただくよう国に働きかけられたい。
【畜産課】家畜伝染病予防費(国費・消県)
48,584(50,276)
※事業主体:県(家畜保健衛生所)
事業内容:家畜伝染病予防法に基づき監視検査等を実施
《国への働きかけ》
【畜産課】要請の趣旨について、国に対して働きかけ
・東海農政局長(平成 26 年 10 月 23 日)
―(-)
(10)BSE検査、輸送、化製処理に対する支援措置について
BSE対策特別措置法により、24か月齢以上の死亡牛について検査の実施が義務化
されている。我が国は、平成25年からOIEよりBSEリスクを無視できる国とされ
たことから、死亡牛検査の月齢の緩和ならびに輸送方法等について規制の緩和を講じる
とともに、死亡牛のBSE検査及び処理が円滑に実施されるよう検査体制を堅持し、死
亡牛の輸送、処理についての農業者の負担を軽減するため、国の助成措置の継続・拡充
について働きかけられたい。
併せて、死亡牛・豚に対する適正な化製処理に対する体制整備を講じられたい。
《死亡牛》
【畜産課】牛海綿状脳症対策事業費
25,453(30,857)
※事業主体:県(家畜保健衛生所)
事業内容:中央家畜保健衛生所に死亡牛の一時保管施設を設置管理し、24 か月齢以上
の死亡牛に対するBSE検査を(年末年始の 5 日間を除く)実施
【畜産課】
―(-)
※事業名:死亡牛緊急検査処理円滑化推進事業
42
事業主体:愛知県酪農農業協同組合
事業内容:死亡牛の運搬、処理等に係る生産者負担について、国が生産者に対し一部
助成(参考:H26 事 業 費:72,755 千円 )
《死亡豚関係》
【畜産課】農畜産業振興事業費補助金のうち畜産振興事業費補助金(単補) 1,312(1,312)
※事業名:畜産経営改善事業
事業主体:愛知県養豚農業協同組合
事業内容:死亡豚の円滑処理に必要な機器の整備に対して助成
補助率:1/3 以内
【畜産課】豚流行性下痢対策費補助金
1,575(0)
※事業主体:愛知県養豚農業協同組合
事業内容:PEDの発生予防、まん延防止のため自衛防疫として事業実施主体が行う
消毒ポイントの設置に係る経費に対し助成
(26年度は28,000の補正で対応)
重(11)生産性に及ぼす家畜疾病対策の充実強化について
畜産経営の環境は厳しく、その中でも疾病による生産性の低下により、経営困難にな
る農業者が見受けられる。養豚でのPED(豚流行性下痢)、PRRS(豚繁殖・呼吸
障害症候群)等をはじめとする生産性に影響を及ぼす疾病に対する検査・指導体制の強
化を図るとともに、防疫対策等に対する支援措置を講じられたい。
特に、本年、感染が拡大したPEDについては、県の積極的な関与、指導により交差
汚染防止対策が図られるよう体制の整備を図られたい。
また、PEDのように届出伝染病であっても生産性に大きく影響を及ぼす疾病につい
ては、防疫対策等の指導及び支援の強化が可能となるような制度の整備を国に働きかけ
られたい。
オーエスキー病については、県外から種豚を導入する農業者が散見される中、国の防
疫対策要領に基づき県外からの導入豚の検査体制を堅持し、本県への本病の侵入防止を
徹底願いたい。
《防疫対策等の支援》
【畜産課】家畜病性鑑定事業費(消県)
6,687(6,100)
※事業主体:県
事業内容:家畜疾病の病性鑑定を実施、原因を迅速的確に究明しそのまん延防止
【畜産課】家畜衛生技術指導事業費(国費)
484(728)
※家畜保健衛生所を中核とした地域の家畜衛生体制を整備するとともに、検査や調査の
結果に基づく家畜衛生技術について指導
《交差汚染防止対策》
【畜産課】豚流行性下痢対策費補助金(国費)【再掲】
1,575(0)
※事業主体:愛知県養豚農業協同組合
事業内容:PEDの発生予防、まん延防止のため自衛防疫として事業実施主体が行う
消毒ポイントの設置経費に対し助成(26 年度は 28,000 の補正で対応)
【畜産課】汚染除去施設整備費(消県)
14,247(0)
※事業主体:県
事業内容:畜産総合センター本場において、PED等のウイルスの侵入を防ぐための
施設整備を実施
43
《国への働きかけ》
【畜産課】 要請の趣旨について、国に対して働きかけ
・東海農政局長(平成 26 年 10 月 23 日)
―(-)
《侵入防止徹底》
【畜産課】家畜伝染病予防事業費
48,241(50,276)
※事業主体:県
事業内容:県外導入種豚のオーエスキー病検査等家畜伝染病予防法に基づき監視検査
等を実施
6.食品の安全・安心の確保
(1)GAP・トレーサビリティの取組等に対する支援について
県内では愛知県版GAPやJAあいち版GAP等のGAP手法の導入が進んでいる
ことから、安全性向上など経営改善につながるようGAP手法の適切な運用に向けて、
県関係機関の指導・協力を願いたい。
また、農林水産省作成の生鮮野菜の衛生管理指針「栽培~出荷までの野菜の衛生管理
指針」の農家段階での実践についての周知、啓発指導を願いたい。
さらに、安全・安心な県産農産物の生産を進めていくため、生産履歴管理システムの
導入、運用に対して支援を願いたい。
《GAP手法への指導・協力》
【農業経営課】環境保全型農業推進費(消県)【再掲】
400(3,559)
※事業内容:平成 25 年 11 月に国のガイドラインに基づいて愛知県版GAPである愛知
県農産物環境安全推進マニュアルを改正し、推進
JAあいち版GAPについても、ガイドラインを踏まえて平成25年11
月に改正
愛知県版GAPとJAあいち版GAPは同等のものとし、普及指導員やJ
A営農指導員等による効果的な普及促進
《生産履歴システム運用支援》
【園芸農産課】野菜振興対策費の一部(消県)
※事業内容:生産履歴に関する情報を収集
8(27)
(2)地域特産物等の農薬登録拡大対策の強化等について
安定的な生産に必要な農薬登録拡大に向け、農業総合試験場及び農業改良普及課での
試験体制の維持、産地の要望に合う農薬登録試験数の確保、代替技術(IPMの考え方
に基づく総合的な防除方法による効率的・効果的な防除体系の確立等)の開発とその普
及等についての取組みを強化願いたい。
また、マイナー作物の適用農薬の拡大を図るため、経済連が国の助成を受けて行う農
薬適用拡大加速化事業の実施についての県の指導を願いたい。
さらに、マイナー作物に対する登録農薬の拡大、「大グループ名」「中グループ名」
での農薬登録認可の拡大、食品衛生法での残留基準値で設定されている食品名と農薬登
録における適用農作物名の一致などについて、引き続き、国に対して制度の改善を働き
かけられたい。
44
《農薬登録拡大》
【農業経営課】農作物病害虫発生予察事業費のうち地域特産作物の総合的な防除体系確立事業
費(国費)
314(470)
※事業内容:農業総合試験場において、地域特産作物の農薬登録拡大に必要な薬効・薬
害試験を実施
【農業経営課】農作業安全対策事業費のうち農産物の農薬残留確認調査(作物残留分析調査)
(国費)
382(574)
※事業内容:農業総合試験場において、地域特産作物の農薬登録拡大に必要な作物残留
試験(試料調製)を実施
【農業経営課】試験研究費のうち病害虫試験研究費(新農薬の登録試験)(消県)
22,525(21,484)
※事業内容:新規開発された農薬の登録申請に必要な薬効試験等を実施
《代替技術の実証・普及》
【農業経営課】農業改良普及事業の 一部(国費、消県)【再掲】 1,427,880(1,364,081)
※事業内容:生産者団体が行う農薬登録拡大の取組に対して支援
《地域特産作物への農薬適用拡大加速化事業》
【農業経営課】
―(-)
※事業主体:経済連、(公社)愛知県植物防疫協会
事業内容:農業団体が行う地域特産作物の農薬登録拡大に必要な薬効、薬害等の試験
を支援
《国への働きかけ》
【農業経営課】 要請の趣旨について、国に対して働きかけ
―(-)
※作物群登録の拡大について、継続的に東海農政局を通して、国に対して要望
・東海農政局長(平成 26 年 10 月 23 日)
(3)農薬の適正使用に関する支援について
より適切な農薬使用を図るため、残留農薬の検査費用に対する助成措置について継
続・拡充されたい。
また、農薬使用時の注意事項である散布器具の適切な洗浄方法、ドリフトの回避、間
違いやすい適用作物の周知徹底、さらに、輪作体系における適切な農薬使用について指
導協力を願いたい。
《残留農薬の検査費用》
【農業経営課】農薬残留実態調査補助金(国費)
50,400(50,400)
※事業主体:農業協同組合等
事業内容:平成 22 年度から農業協同組合等が行う農薬残留分析費用の一部を助成
補助率:1/2 以内、実施予定数:3,200 検体
<参考>残留農薬基準値を超過した農産物については、残留農薬対策事務取扱要領の
規定に基づき対応
《農薬使用の指導協力》
【農業経営課】農作業安全対策事業費のうち農薬安全使用対策事業費(国費)
240(360)
※事業主体:県
事業内容:農薬の適切な使用方法について、農薬安全使用対策講習会、各農林水産事
務所農業改良普及課が実施する農薬危害防止講習会等で農薬販売者や農薬
45
使用者に周知
農薬販売者や農薬使用者を対象に農薬管理指導士を養成しており、農薬管
理指導士の責務として、農薬販売時や周囲の農薬使用者に対して農薬の安
全使用を啓発
《輪作体系の農薬指導》
【農業経営課】試験研究費のうち経営環境調査研究費
(病害虫防除農薬環境リスク低減技術確立)(国費)
244(368)
※事業内容:農業総合試験場において、主要な農薬の土壌残留性及びその低減技術につ
いて調査研究を実施
(4)農産物直売所の衛生管理に関する指導について
農産物直売所では、漬物等加工品の取扱いが増えており、取扱商品の製造から販売ま
での各段階で実施されるべき衛生管理や食品表示等のリスク管理措置の徹底が求めら
れている。
このため、関係部局が連携して、加工者に対する製造工程管理(衛生管理、異物混入
対策)指導、食品表示指導を強化するとともに、指導マニュアルの整備を図られたい。
【食育推進課】農林物資品質表示適正化指導費(消県)
634(758)
※事業内容:平成 27 年4月に施行される食品表示法の説明会を県内の農業者団体や生産
者向けに実施
食品表示の適正化を図るため、表示の遵守状況の調査を行うとともに、必
要に応じて指導等を実施
【農業経営課】農業改良普及事業の 一部(国費、消県)【再掲】 1,427,880(1,364,081)
※事業内容:農業者等に対して食品衛生に関する情報提供
【生活衛生課】食品衛生責任者講習会事業(消県)
2,830(2,830)
※委託先:(一社)愛知県食品衛生協会
事業内容:食品衛生責任者養成講習会及び食品衛生責任者再講習会を開催し、食品衛
生及び食品表示に関する知識及び最新の知見等を取得
【生活衛生課】 食品衛生教育講習会事業
―(-)
※事業内容:食品関係者及び一般住民等の要望に応じて、食品衛生に関する知識並びに
食品添加物、放射性物質、食品表示及び輸入食品等に関する最新の知見を
取得してもらうため、食品衛生教育講習会を開催
Ⅱ.県産農林水産物の適切な消費及び利用の推進
1.食や農林水産業に対する県民の理解と活動の促進
(1)食育・花育の推進について
小中学校における食育・花育の推進には教育側の理解と積極的な関与が重要であるの
で、農林水産部と教育委員会との連携を強化され、単に農産物を食べる、触れ合うだけ
の機会から、農産物を生産する、農業を学ぶといった農業理解を進める食育・花育活動
に取り組まれたい。また、小中学校での出前授業や体験学習の実施などに対して支援を
願いたい。
46
さらに、働く世代への食育は、健康管理や生活習慣病予防等の点から重要なため、企
業内部での食育啓発活動、外食企業との連携、企業食堂での県産農畜産物の利用拡大に
よる食育活動にも取り組まれたい。
特に、花育については、愛知県花き温室園芸組合連合会などの生産者団体、地元行政・
JAグループなどの地域組織が取組む活動への支援とともに、県民が花きと触れ合うこ
とができるより効果的なイベント・消費活動に取り組まれたい。また、花壇コンクール
については多くの小学校で取り組めるよう予算の拡充を願いたい。
《食育の推進》
【食育推進課】食育推進事業費のうち食育推進計画の取組推進(国費)
1,668(1,635)
※事業内容:「あいち食育いきいきプラン 2015(第2次愛知県食育推進計画)」の推進、
地域食育推進支援会議の開催、愛知県版食育白書「あいち食育いきいきレ
ポート」の作成、先進事例報告会を開催
【食育推進課】食育推進事業費のうち食育推進ボランティアの育成及び活動の充実等(消県)
408(587)
※事業内容:食育ボランティアの登録・活動支援、食育劇「食まるファイブ」の上演支
援、ウェブページ「食育ネットあいち」の充実等
【食育推進課】食育推進事業費のうち地域食育推進事業費補助金(国費)
3,774(3,906)
※事業主体:農業協同組合連合会、農業協同組合、生活協同組合、特認団体
事業内容:地域の実情に応じた食育活動に対して助成
《働く世代への食育》
【食育推進課】地産地消推進費の一部(消県)
1,062(1,656)
※事業内容:「いいともあいち運動」の一環として、愛知県で生産された農林水産物を
積極的に販売する店舗(販売店)や、食材として利用する飲食店などを「い
いともあいち推進店」として登録推進し、県産農畜産物の利用拡大を推進
《花育の推進》
【園芸農産課】花の王国あいち需要拡大推進事業の一部(消県)
1,573(1,180)
※事業主体:花の王国あいち県民運動実行委員
事業内容:花育ティーチャーの登録と小学校等において花育教室を開催
《花壇コンクール》
【園芸農産課】花き振興事業指導事務費の一部(消県)
※事業主体:フラワー・ブラボー・コンクール実行委員会
事業内容:小中学校において学校花壇コンクールを開催
375(393)
2.県産農林水産物の消費と利用の促進
重(1)地産地消の推進について
「いいともあいち」運動については、取組みを一層充実し、ネットワーク会員や推進
店、シンボルマークを表示した商品開発等の拡大を図られたい。
また、「あいちの農林水産フェア」等の効果的な開催、直売所の設置や各地域で開催
するイベントへの支援等により地産地消の一層の推進を図られたい。
学校給食については、給食メニュー等に県産・地元産表示を行うことや給食に愛知県
産ブランドを紹介するなど、県下の児童・生徒・保護者に対して愛知県農畜産物の認識
を向上し、消費拡大を図る取組み、栄養教諭、学校栄養職員や学校給食会に対し県産・
47
地元産農畜産物、その加工製品を優先して利用するなどの働きかけ等について支援を願
いたい。
特に、愛知県の野菜摂取量は、全国 47 都道府県で男女ともに最下位であることから、
県民の野菜摂取量を向上させるため、学校給食事業を通じた県産野菜の普及促進や食育
活動等の取組みを強化されたい。また、農業者団体・農業者等が行う野菜摂取量の増大
に向けた消費喚起等の取組みに対して支援を願いたい。
《地産地消》
【食育推進課】地産地消推進費の一部(消県)
1,062(1,431)
※事業内容:「いいともあいち運動」のネットワーク会員推進店、シンボルマーク表示
商品の拡大
【食育推進課】食と緑普及啓発事業費(消県)【再掲】
903(853)
※事業主体:あいちの農林水産フェア実行委員会
事業内容:情報の交流やふれあいの場づくり、県民活動を促進するため、「あいちの
農林水産フェア」を開催し、食育や花育・地産地消・環境について、県民
の理解を促進
【農林政策課、園芸農産課、畜産課】あいちの農林水産物ブランド力強化事業費のうち、あい
ちの農林水産フェア出展費(消県)【再掲】
1,200(0)
※あいちの農林水産フェアのイートインコーナーでの、「名古屋コーチン」「あさり」
「抹茶」などの魅力を発信
《直売所の設置》
【農業振興課】
―(-)
※事業名:農山漁村活性化プロジェクト支援交付金
※国直接採択事業
事業主体:都道府県、市町村、農協、農業者・農業法人等の組織する団体等
事業内容:農山漁村活性化法に基づき市町村等が作成した定住・交流促進のための活
性化計画の実現に向けて、施設整備を中心とした総合的な取組を支援
《学校給食》
【食育推進課】地産地消推進事業費のうち県産農産物の学校給食活用促進(消県)160(225)
※農林水産事務所ごとで地元農産物学校給食導入促進会議等を開催、栄養教諭等に地元
産農産物の積極的な利用を働きけ、県産農産物を円滑に利用できるよう情報提供
《野菜の消費拡大に関する取組支援》
【園芸農産課】
―(-)
※農業者等が行う野菜の消費拡大(喚起)の取組に対し、そのPR活動等を支援
(2)県産米の米粉・麦・大豆の需要拡大について
愛知県産の新規需要米(米粉用米)を使用した加工品の普及促進活動に対する支援・
助成を講じられたい。また、新たな品種の普及拡大を促進するために、県産米粉・麦・
大豆を使用した製品開発・加工適性試験及び需要拡大策に対する支援を継続願いたい。
48
【園芸農産課】主要農作物生産総合対策事業費補助金(消県)【再掲】
300(346)
※事業主体:愛知県米麦振興協会
事業費:1,500 千円
補助率:定額(1/2 以内) ※米麦振興協会が実施する生産対策事業により実施
【園芸農産課】水田農業経営所得安定対策推進指導費うち経営所得安定対策支援プロジェクト
推進費(消県)
1,776(2,670)
※事業内容:新たな品種、新戦略作物の普及拡大を促進するための新商品開発・PR等
Ⅲ.自然災害から守られ、緑と水に恵まれた生活環境の確保
1.災害に強く安全で快適な生活環境の確保と農山漁村の活性化
重(1)鳥獣の捕獲・追い払い対策の強化について
市町村における鳥獣害防止計画の樹立、鳥獣被害の実態把握、的確な防止対策の実施
等、主体的な取組みを指導されるとともに、組織の構築、捕獲者等の専門家の育成、監
視体制の整備、わなの設置、捕獲、侵入防止柵の整備、放任果樹等の除去や緩衝帯の設
置、捕獲鳥獣の処理などの取組みについて財政的支援・技術指導を強化願いたい。
また、市町村を超えた広域的な追い払い対策、捕獲鳥獣の処分・加工利用等の対応が
必要である場合もあることから、近隣市町村間の連携が図られるよう指導されたい。
《市町村への指導、財政的支援等》
【農業振興課】鳥獣害防止総合対策事業費補助金(国費)
537,662(710,591)
※事業実施主体:地域協議会
事業内容:推進事業(個体数調整、被害防除、生息環境管理) 整備事業(侵入防止
柵の設置等)
補助率:推進事業:1/2 以内(新規地区、実施隊が行う取組は定額(1市町村当たり
2,000 千円、広域連携の場合1市町村当たり 2,200 千円))(捕獲
活動経費の直接支援(追加)については、獣種等に応じて定額(捕
獲1頭当たり8千円以内等))
整備事業:1/2 以内(自力施工の場合は 10/10))
【農業振興課】山村地域鳥獣被害防止対策事業費補助金(単補)
15,170(15,170)
※事業主体:岡崎市、豊田市、新城市、設楽町、東栄町、豊根村
事業内容:鳥獣の捕獲や処分、電気柵や捕獲檻等の被害防止施設の整備に対し助成
補助率:1/2(設楽町、東栄町、豊根村は 1.7/3)
《広域対策》
【農業振興課】鳥獣被害防止活動推進費(国費・消県)
3,069(389)
※事業内容:鳥獣被害防止支援体制を整備、農作物鳥獣害防止対策の人材育成
(2)農業用水の安定的な確保等について
異常気象により局地的な豪雨に見舞われる地域がある一方で、本県の矢作川水系や豊
川水系においては、毎年のように渇水が頻発し、取水制限による節水により農作物の生
育不良等の被害が生じていることから、基幹的な農業水利施設の計画的な整備や水源開
49
発等に取り組まれ、農業用水の安定的な確保を図るとともに、大区画化やパイプライン
等の基盤整備の推進を図られたい。
【農地計画課】大規模用水事業
9,080,000(概算要求額)(7,356,000)
※事業主体:国、水資源機構
事業内容:老朽化施設の改築及び、耐震対策
国営総合農地防災事業 新濃尾地区、矢作川総合第二期地区
国営施設機能保全事業 尾張西部地区
水資源機構営 豊川用水二期事業
【農地整備課】農業農村整備事業
16,129,655(15,563,762)
※事業主体:県、市町村、土地改良区
事業内容:農業農村整備
(3)農業農村多面的機能支払事業について
農業農村多面的機能支払事業については、対策の取組地域に対し、国の交付金と同額
の地方財源の確保が求められている。県として必要な財源を確保するとともに、本対策
に取組む地域を含む市町村に対し、必要な財源の用意並びに事務体制の整備を指導され
たい。
【農地計画課】農業農村多面的機能支払事業のうち交付金
1,531,614(511,742)
※事業主体:活動組織
事業内容:農業・農村の有する多面的機能の維持・向上を図る地域活動に支援
【農地計画課】推進交付金
57,306(32,306)
※事業主体:県、市町村、推進協議会
事業内容:農業農村多面的機能支払事業の適正かつ円滑な実施に資するため、事業主
体に支援
2.環境への配慮と資源の再生・循環利用を図る取組の強化
(1)耕畜連携の推進について
飼料自給率の向上を図り、環境にやさしい効率的な循環型農業の推進、飼料価格の高
騰にも対応した低コストな畜産経営を確立するため、稲作農業者における飼料用米、W
CSの生産拡大と畜産農業者への提供、流通システムの確立、各種の助成措置により畜
産部門での県内産稲わらの利用促進、家畜排せつ物の耕種部門での利用促進を積極的に
進められたい。
また、家畜排せつ物の利用促進を図るため、畜産部門における堆肥の製造技術や耕種
部門における利用技術の確立普及、適正な処理や優良な堆肥の製造についての指導、処
理施設・流通施設の整備等に対する支援を継続・拡充されたい。
《耕種農家への推進》
【畜産課】農畜産業振興事業費補助金のうち畜産振興事業費補助金(単補)
1,312(1,312)
※事業主体:市町村
事業内容:地域における飼料作物、稲わら等の生産利用や良質堆肥の生産利用を促進
補助率:1/3以内
【畜産課】自給飼料生産振興事業費(消県)
485(561)
※事業内容:自給飼料増産推進検討会等の開催、飼料増産技術普及啓発指導、乳用牛へ
の飼料用稲給与モデル実証、飼料用稲利用に関する普及啓発等の実施
50
《畜産農家への推進》
【畜産課】環境対策推進費
509(684)
※事業内容:家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律に基づく立入検査、指
導等を実施
【畜産課】家畜ふん尿資源化利用推進事業
6,028(6,848)
※事業主体:県
事業内容:良質な堆肥の生産や家畜排せつ物中のリンの回収等の新技術の確立に向けた検証
等を実施
【畜産課】畜産環境整備機構受託事務費
185(185)
※事業主体:(一財)畜産環境整備機構
事業内容:一般財団法人畜産環境整備機構が実施する家畜排せつ物処理高度化施設の整備に
係る申請書類の審査、技術指導等を実施
(2)環境保全型農業の推進について
環境保全型農業直接支払制度については、地方負担分の措置が行われるよう財源を確
保されるとともに、肥料・農薬5割低減とセットで取組む営農活動の拡大を図られたい。
エコファーマー制度については、補助事業、融資の特例を設けるなどメリットの付与
等によりエコファーマー認定を推進するとともに、エコファーマーマークの商標権の再
取得等により、エコファーマー制度について消費者に理解してもらう取組みを強化され
たい。
《環境保全型直接農業支払制度》
【農業経営課】環境保全型農業直接支援対策費のうち環境保全型農業直接支払交付金(国費)
26,672(9,460)
※事業主体:自然環境の保全に資する農業生産活動に取り組む農業者組織
事業内容:地球温暖化防止、生物多様性保全等に効果の高い営農活動に取り組む農業
者組織への助成
負担率:国 1/2、県 1/4、市町村 1/4
《エコファーマー制度》
【農業経営課】環境保全型農業推進費(消県)【再掲】
400(3,559)
※事業内容:25 年 4 月に認定要領を改正し、団体申請による申請手続きの事務軽減を図
るとともに、高い技術水準に達した計画の認定要件を緩和
エコファーマーは環境保全型農業直接支払制度の交付要件であるほか、農
業改良資金の借り入れが可能
エコファーマー制度を県のホームページに掲載し、消費者等へ情報発信
【本県のエコファーマー認定状況】
平成 25 年度末 3,735 名(新規認定 109 名)
(3)農業用使用済プラスチック等の廃資材の適正処理に対する支援措置について
農業用使用済プラスチック・廃農薬等の廃資材の回収・処理に関して負担が増加して
いるので、廃資材の適正処理のための組織回収体制の強化等について支援を願いたい。
【園芸農産課】野菜振興対策費のうち施設園芸振興推進指導費(消県)
129(194)
※事業主体:県
事業内容:地域協議会を通じて、市町村等協議会に対して農業用使用済プラスチック
の適正処理の取組を支援するため、実態調査を実施、情報提供
51
Ⅳ.農村地域における医療体制の整備
(1)へき地医療拠点病院の医師確保について
厚生連は公的医療機関としてへき地における住民の医療確保を担っているが、医師不
足により十分な医療提供が困難になりつつあり、より一層の医師確保対策を推進された
い。特に、自治医科大学卒業医師の派遣については、平成26年度は知多厚生病院に継
続派遣していただいているところであるが、平成27年度以降については、知多厚生病
院への継続派遣及び足助病院への新規派遣を実施されるよう特段の配慮を願いたい。
【健康福祉部】
―(-)
※自治医科大学卒業医師の派遣については、へき地医療拠点病院、へき地診療所等にお
ける医師の確保状況を見ながら、不足している医療機関に配置
※平成 27 年度の派遣については、知多厚生病院へ継続派遣するとともに足助病院へ新規
派遣することを検討
(2)病院内保育施設運営費補助金の増額及び病院内保育所施設整備に係る支援について
医師・看護師不足の中で医療を確保していくためには、子供を持つ医師・看護師の定
着を図ることが重要となっており、そのために病院内保育施設の運営を充実させる必要
があるが、運営費が増大し経営を圧迫しているため、運営費助成を増額されたい。また、
海南病院においては、改築工事において保育所施設整備を計画しており、これに係る費
用の支援についても特段の配慮を願いたい。
【健康福祉部】〔厚生連関係分〕病院内保育所補助金【運営費】(消国)【整備費】(公共)
379,143(228,877)
※運営費
対象:安城更生病院、海南病院、知多厚生病院、江南厚生病院、稲沢厚生病院、
豊田厚生病院、渥美病院
事業内容:病院内保育所運営費
補助率:2/3[基金]
※整備費
対象:海南病院
事業内容:病院内保育所施設整備費
補助率:1/3[基金]
(3)臨床研修医の募集定員について
へき地の中小病院等、研修医の募集定員数が少ない病院では年度により希望人数の増
減があり、安定した確保が出来ないこともあるため、中小病院の定員未達の積み重ねが
県全体の研修医確保不足、ひいてはへき地医療等におけるマンパワー不足を引き起こす
恐れがある。愛知県全体での研修医確保のため、県があらかじめ中小病院用の調整枠を
持ち、中小病院において希望人数が定員数を上回る病院が出た際に、県への申し込みに
より枠を与える等、定員数の少ない病院に対する配慮を願いたい。
【健康福祉部】
―(-)
※平成 26 年度に決定した臨床研修医の募集定員の配分方法は、病院規模や指導体制に見
合った募集定員が配分されるような仕組みのため、病院規模に応じた募集定員が確保
できると見込む
平成 27 度も基本的には平成 26 年度と同じ枠組みで募集定員を配分していく予定
52
(4)がん診療連携拠点病院の指定及び機能強化事業費補助金の増額について
江南厚生病院はがん診療拠点病院の指定を受けるべく、院内体制の整備を行っている。
地域におけるがん医療連携体制の充実のため、がん診療拠点病院の指定については、国
への推薦、県指定を含め、1医療圏内の指定医療機関数について柔軟に取り扱われたい。
また、近年がん診療連携拠点病院においては求められる体制、取り組みが増加しており、
人件費等の増加を招いている。これに対しがん診療連携拠点病院機能強化事業費補助金
は減額傾向にあるため、今後同補助金の増額を願いたい。
【健康福祉部】
―(-)
※国指定の拠点病院については、平成 26 年 1 月に改正された「がん診療連携拠点病院等
の整備に関する指針」に基づき、原則、2次医療圏に1か所を推薦する考え方で、平
成 27 年 4 月当初の指定について、愛知県がん診療連携拠点病院推薦基準等専門検討会
議の意見を踏まえ、平成 26 年 10 月末に 17 病院を国へ推薦
※県指定の制度については、国の指針の見直しにより、指定要件が厳格化されたことか
ら、前述の検討会議での意見を踏まえ、国基準のうち、診療実績要件のみを一部緩和
した基準に改正し、平成 27 年度当初指定の手続きを進めているところ
【健康福祉部】(厚生連関係分)がん診療連携拠点病院機能強化事業費補助金(消国)
71,390(71,390)
※対象:海南病院、豊田厚生病院、安城更生病院
事業内容:質の高いがん医療の全国的な均てん化に資するために実施する事業に対し
補助 補助率:10/10(国 1/2 県 1/2)
(5)救命救急センターの指定について
江南厚生病院は尾張北部医療圏の北部において多数の救急患者を受け入れており、救
命救急センターの指定要件を満たすよう院内体制の整備を進めている。当該地域におけ
る救急医療の充実のため、同病院の救命救急センターの指定について、特段の配慮を願
いたい。
【健康福祉部】
―(-)
※救命救急センターとしての体制が確保されているかどうかについて資料提出などによ
り確認中
(6)臨床研修環境充実への支援について
海南病院は海部医療圏における地域基幹病院であり、毎年多数の研修医を確保し研修
医育成に力を注いでいる。
同病院は現在実施中の施設整備において、さらなる研修環境の充実を目指し、教育研
修棟の設置を計画している。愛知県における将来の医師確保に資する研修医の研修環境
充実への支援として、研修医のための研修施設整備事業補助金の交付につき特段の配慮
を願いたい。
【健康福祉部】研修医のための研修施設整備費補助金
(-)
※研修医のための研修施設整備費補助金については、18 年度から公的医療機関は国庫補
助対象外となり、県単独補助事業となる
厳しい財政状況であり予算化は難しい
53
(7)へき地における訪問看護体制維持への支援について
訪問看護事業は在宅医療の充実において重要な位置を占めているが、へき地における
同事業においては参入事業者が少なく、1 つの事業者エリアが広く 1 日に巡回できる件
数に限りがあり、都市部に比較し看護師の増員や車両の配備等負担が大きくなっている。
同地域における訪問看護提供体制維持のため、訪問看護ステーション運営に対する支援
について、特段の配慮を願いたい。
【健康福祉部】
―(-)
※過疎地域においても訪問看護等の居宅系サービスが推進できるよう、人員基準の緩和、
加算報酬算定要件の合理的見直し等必要な方策を講ずるよう、平成 26 年 7 月に全国主
要都道府県民生主管部(局)長連絡協議会を通して国に要望
(8)介護福祉士養成拡大に関する国への働きかけについて
少子高齢化が進展し、福祉・介護ニーズが増大する中、今後介護労働力の確保は極め
て重要なものとなってくるが、賃金水準等の理由から介護福祉士を目指す学生が少なく、
養成校の減少や定員削減により、介護福祉士の確保はきわめて厳しい状況であり、自施
設での介護福祉士養成についても、実務者研修(外部施設研修)の時間要件が450時
間以上と厳しいことが課題となっている。介護福祉士養成校への支援の実施と、賃金格
差是正及び養成促進ため、暫定的な措置である介護職員処遇改善加算の継続又はそれに
代わる措置の新設並びに実務者研修時間緩和の国への働きかけについて配慮願いたい。
【健康福祉部】
―(-)
※現在、地方厚生局において実施している介護福祉士に係る一部の養成施設(専門学校)
の指定等の権限が、来年度より都道府県に移譲されることから、養成施設への指導を
通じた技術的な支援等を必要に応じ実施
【健康福祉部】
―(-)
※介護職員の処遇改善については、介護報酬の基本部分に組み込むなど恒久的なものと
するよう、平成 26 年 11 月に国に要望
同月、処遇改善に確実に繋がることが担保される仕組みを構築した上で基本報酬にお
いて評価すること、この措置が講じられるまでの間、加算について現行の課題等を検
証し必要に応じて見直した上で継続することについて、全国知事会を通じて国に要望
(9)地域医療構想(ビジョン)策定への参画について
平成26年度は病床機能報告制度の実施が予定され、次年度には地域医療構想(ビジ
ョン)を策定することとされている。愛知県厚生連は都市部に4つ、郡部に4つの病院
を有し、各病院それぞれが地域医療に対し一定の役割を果たしている。地域医療構想(ビ
ジョン)策定時には診療の学識者の団体に意見を聞くとされているが、会議等における
厚生連の参画を検討願いたい。
【健康福祉部】
―(-)
※地域医療構想の策定に当たっては幅広く関係者の意見を聴く必要があると考えている
が、検討組織も含めた構想策定のプロセスについては、国が今年度中に作成する予定
のガイドラインを踏まえ、検討
54
平成27年度国予算及び税制改正要望事項と措置状況の概要
重 :重点事項(農林水産大臣、国会議員要請)
【下段
(囲み)内は政府の26補正:○
補 、27予算案:○
27 、及び税
制改正大綱等での措置状況、
( )内は前年度当初予算:○
前】
1.農政全般
重(1)将来展望のある農政の確立と農業予算の確保について
TPP交渉への参加、燃油・資材価格の高騰と市場価格の低迷による農業所得の減
少、国産農畜産物の消費減による食料自給率の伸び悩み、相次ぐ自然災害の発生もあ
り、農業者は将来の農業に大きな不安を抱いている。
国は、攻めの農林水産業を展開するとして、農林水産業・地域の活力創造プランを
策定し、農業・農村の全体の所得を倍増するとしているが、プランは具体像にかける
ものとなっており、将来における個々の生産農家の経営と農村地域の具体的な姿、こ
れを達成するための具体的な道筋、戦略を示し、必要な予算の確保を図られたい。そ
の上で、自給率50%目標の達成を目指すとともに、農家子弟等や新たに農業に就こ
うとする若者が、意欲と希望をもって農業に勤しみ、農業で生計が立てられ、農業経
営が持続的に継承される農業施策の推進を積極的に推し進められることを要望する。
また、産業競争力会議、規制改革会議等で行われている農政改革議論については、
委員の中に農業関係者が含まれないこともあり、農業現場の実態とかけ離れたところ
での議論がなされている。農業関係者を委員に含めるとともに、真に農業者の意見や
要望を踏まえた検討が進められることを要望する。
○「農林水産業・地域の活力創造プラン」に沿って、農林水産業の競争力強化に重点化し、
構造改革を推進。担い手へ農地集積、集約化、輸出促進、6 次産業化等の農林水産業の成
長産業化を推進。畜産・酪農の競争力を強化。
緊急経済対策等として、26 年度補正予算を措置
27 23,090 億円
○
補 2,781 億円(○
前 23,267 億円)
○
○食料・農業・農村基本計画の策定
・食料・農業・農村基本計画を見直し
○農協・農業委員会制度の見直し
・農協法・農業委員会法の改正
2.TPP交渉関係
重(1)TPP交渉について
TPPは、その帰趨によっては、わが国の「食とくらし・いのち」に大きな影響を
及ぼす問題であり、農業・農村の崩壊につながるものとなる。
このため、国は、TPP交渉にあたり、「米、麦、牛肉・乳製品、甘味資源作物な
どの農林水産物の重要品目を除外又は再協議の対象とする」とした、平成25年4月
55
の衆参農林水産委員会の決議を遵守し、交渉プロセスで国益が守れないと判断した場
合には、即刻、交渉から脱退することを明確に国民に約束するなど、決して国民不在
のTPP交渉合意を行わないよう強く要望する。
○昨年の経過
・継続的に首席交渉官交渉、閣僚会議を開催
○当面の状況
・2 月下旬:TPP閣僚会議(報道)、5 月:日米首脳会談(報道)
、5 月:APEC貿易担
当大臣会合、6 月:G8 サミット
○日豪EPA協定、27 年 1 月 15 日発効
3.農業振興・経営安定対策関係
重(1)経営所得安定対策及び米政策について
経営所得安定対策については、制度の安定した継続と予算措置を担保するとともに、
豊凶による価格変動にも十分対応した土地利用型農家の安定した所得確保と、米・麦・
大豆等の地域における集団的な土地利用が継続される仕組みとして確立されたい。
水田活用の直接支払交付金については、地域の実態に即して、主食用米と麦・大豆
等の戦略作物を組み合わせた産地づくりの推進が図られる助成水準を確保されたい。
特に、飼料用米の生産については、既存の麦・大豆産地との調和、飼料用米導入に伴
う用水確保や流通への課題を十分に踏まえた上で推進を図られたい。
また、産地交付金、各種加算措置については、産地の独自の取組みが拡大できる予
算を確保し、地方での柔軟な裁量を認め、地方の実情にあった対応が図られる仕組み
とされたい。
さらに、地域農業再生協議会については、責任の所在を明確にするためにも、行政
主体での運営とし、その活動に対しても必要十分な予算の確保を図られたい。
○経営所得安定対策等
①畑作物の直接支払交付金(麦・大豆等の品質に応じた数量払い)
27 2,072 億円(○
○
前2,093 億円)
②水田活用の直接支払交付金(水田活用の麦、大豆、米粉用米・飼料用米等に助成)
27 2,770 億円(○
○
前2,770 億円)
・飼料用米・麦・大豆などの戦略作物の本作化
27 804 億円(○
・うち産地交付金
○
前804 億円)
多収性専用品種の導入、加工用米の複数年契約、地域の特色ある産品の産地化、自
主的な生産拡大を支援
③米の直接支払交付金(29 年産までの時限措置 7,500 円/10a)
27 760 億円(○
○
前806 億円)
27 802 億円(○
④収入減少影響緩和対策
○
前751 億円)
・米・麦・大豆の収入が過去の平均収入を下回った場合に 9 割を補てん
(加入者:国=1:3)
・認定農業者・集落営農・認定就農者が対象、規模要件をかけない
27 385 億円(新規)
⑤収入減少影響緩和対策移行円滑化対策
○
・収入減少影響緩和対策に加入していない農業者に対して、収入減少影響緩和対策の
56
国費相当の 5 割を補てん(26 年産限り)
27 50 億円(新規)
⑥米穀周年供給・需要拡大支援事業
○
・米の年間を通じた安定販売・需要拡大に向けた産地の自主的な取組を支援
27 5 億円(○
⑦収入保険制度検討調査費
○
前3 億円)
○関連対策
補 59 億円
○
①飼料用米の利用拡大に向けた畜産機械リース事業
・畜産クラスター計画に位置付けられた畜産経営体が行う飼料用米の保管・加工・給
餌機械のリース導入を支援
補 4 億円
○
補 200 億円
○
②配合飼料供給体制整備促進事業
③稲作農業の体質強化緊急対策事業
・稲作農家が生産コスト低減計画を策定、資材費低減又は労働時間短縮の取組み(2
課題)
、直播栽培、機械の共同利用を行う場合に定額助成
(2)園芸農業の振興について
野菜、果樹、茶、花き等の園芸分野は、最近の燃油や資材の高騰、消費の伸び悩み、
販売価格の低迷等により経営環境は非常に悪化してきており、施設・機械の更新や規
模拡大が停滞している。このため、老朽化した機械・施設、共同集出荷施設の更新に
対する支援を図るとともに、作物別の生産対策、消費拡大対策を強化されたい。
また、園芸産地の維持拡大、振興を図っていくためには、大規模農家に対する支援
だけでなく、新規に園芸農業を開始する者、規模拡大を図る者に対する支援が必要で
あり、機械・施設の助成又はリース事業の創設によって、これらの者への支援を強化
されたい。
さらに、先進的にコスト低減や生産性向上を図る者に対する省エネ施設・LED・
環境制御装置、ICT技術の導入に対する助成、夏季高温等の気象変動、災害に強い
園芸技術の開発・普及等への支援を図られたい。
加工・業務用野菜については、生産性向上やコストダウンを飛躍的に進め、産地形
成が図られるよう、国・民間農機メーカーによる農業機械の開発や産地の機械導入に
対する助成、農家の作業性や流通効率を高めるための通い容器等の導入に対する個人
助成、JAの流通・加工施設に対する助成等の支援をお願いする。
○強い農業づくり交付金
27 231 億円○
○
補 176 億円
(○
前234 億円)
○次世代施設園芸導入加速化支援事業
27 20 億円○
○
補 40 億円(○
前20 億円)
・次世代施設園芸拠点を種苗供給・生産・流通に亘り一貫して整備(定額・1/2助成)
27 8 億円○
○
補 12 億円(○
前10 億円)
○加工・業務用野菜生産基盤強化事業
・加工・業務用野菜(キャベツ、たまねぎ、にんじん、ねぎ、ほうれんそうに加え、か
ぼちゃ、レタスを追加)への転換産地の作柄安定技術導入に定額助成(1 年目 7 万円/
10a:2 年目 5 万円/10a:3 年目 3 万円/10a)
)
○農林水産業におけるロボット技術開発実証事業
補 31 億円
○
・生産、加工・調製、出荷作業、品質・収量の向上安定化に資するロボット技術、高度
環境制御技術の実証(定額・1/2・2/3助成)
、
57
○産地リスク軽減技術総合対策事業のうち施設園芸産地防災実証モデル導入事業
27 3.2 億円(新規)
○
・施設園芸防災プログラムの作成と防災対策に必要な防災機能付燃油タンク、補強資材
の導入を支援(定額・1/2助成)
○新品種・新技術活用型産地育成支援事業のうち国産原材料供給力強化支援事業
27 4.4 億円(○
○
前5.8 億円)
・加工・業務用の種苗、機械化の導入を支援(定額・1/3助成)
27 55 億円(○
○果樹等生産出荷安定対策事業
○
前54 億円)
27 14 億円(○
○茶支援関連対策
○
前15 億円)
・優良品種・品目への転換のため、改植・未収益期間に対する支援(定額助成)
27 6.5 億円(○
○国産花きの生産・供給対策
○
前5 億円)
・広域連携による花き加工流通の実証(定額・1/2助成)
(3)畜産農家の経営安定対策の充実について
畜産物の経営安定対策については、再生産が可能となるような政策価格等の決定と
畜種ごとに積み立てられた各事業主体の基金〈保険基盤〉が枯渇することのないよう
十分な予算の確保を図るとともに、農家負担の軽減を図られたい。また、生産コスト
の期別変動にも対応した政策価格の期中変更、追加対策などを行い、コスト増に連動
した機動的な対策として再構築されたい。
さらに、畜産農家の経営安定には飼料の安定的確保が重要であるので、耕種農家と
の連携による飼料用米やWCSの生産拡大・保管対策、輸入を含めた稲わらの安定確
保対策を強化されたい。
○畜産・酪農経営安定対策(畜種ごとの経営安定)
・対策の内容は継続
27 1,830 億円(○
○
前1,710 億円)
27 75 億円○
○
補 201 億円(新規)
○畜産収益力強化対策
・畜産クラスター計画に位置付けられた畜産経営体が行う収益性向上、環境問題対応へ
の機械のリース整備、施設整備(1/2助成)
27 11 億円○
27(○
○
補 20 億円 ○
前14 億円)
○飼料増産総合対策事業
・コントラクター等に対する支援(定額・1/2・1/3助成)
27 59 億円(新規)
○飼料用米の利用拡大にむけた畜産機械リース事業
○
27 66 億円(○
○飼料生産型酪農経営支援事業
○
前62 億円)
・環境負荷軽減、二毛作・二期作、耕種農家による契約栽培などによる飼料生産の拡大を
支援(定額 15,000 円/ha)
(4)都市農業の振興について
将来の都市における土地利用のあり方、災害や食料安保等への対応を考慮した都市
農地・都市農業の位置づけなど、総合的な都市農業政策を確立し、都市農業が持続で
きるような生産緑地制度や税制の見直し、市街化区域内における農業振興策の適用等
を図られたい。
58
○都市農業基本法の制定(議員立法で提出準備)
27 20 億円(○
○都市農村共生・対流総合対策交付金
○
前21 億円)
・福祉農園の開設、空き家、廃校を活用した交流、観光需要の拡大(定額・1/2助成)
27 62 億円○
○
補 19 億円(○
前65 億円)
○農山漁村活性化プロジェクト支援交付金
・農産物加工・販売施設、地域間交流拠点等の整備を支援
27 1.9 億円(新規)
○都市農業機能発揮対策事業
○
・国土交通省と連携し、都市農業に関する制度の検討を実施、福祉農園の開設を支援(定
額・1/2助成)
(5)農商工連携・6次産業化に向けての支援について
農業法人や規模の大きな農家だけでなくJA女性部や個人農家も対象として、幅広
い農商工連携、6次産業化への取組みが支援できるよう関係予算の要件緩和及び予算
の拡大を図られたい。
農産物の輸出については、国レベルでの輸出団体・協議会による統一的な輸出・販
売に取り組むとともに、為替変動リスクや流通経費に対する直接助成を行い、農家の
手取りの増加につながる輸出対策を講じられたい。
27 27 億円○
○
補 12 億円(○
前27 億円)
○6次産業化支援対策
・農業者と事業者が連携して行う商品開発・販路開拓・施設整備等を支援(定額・1/2・
1/3助成)
27 9 億円○
○
補 5 億円(○
前7 億円)
○輸出戦略の実行体制の強化
・国別・品目別輸出戦略の着実な実施に向け、品目別輸出団体の育成、産地間連携の促
進、輸出環境整備等(定額・1/2助成)
27 14 億円○
○
補 1 億円(○
前10 億円)
○輸出総合サポートプロジェクト
・商談支援、マーケティング拠点の設置等ジェトロを通じて事業者を支援
27 20 億円○
○
補 131 億円(○
前30 億円)
○輸出対応型施設の整備
・低温貯蔵施設や食肉処理施設等を整備(強い農業づくり交付金で実施)
(6)農業用水の安定的な確保と農村環境の整備について
渇水が恒常化している豊川水系、矢作川水系における安定した農業用水の確保、農
地集積の加速化・高付加価値化のための農地の大区画化・汎用化、老朽化した農業水
利施設の長寿命化・耐震化対策の推進、並びに、良好な農村環境を確保するための農
道、集落排水等の整備・更新に必要な公共事業予算の確保を図られたい。
○農業農村整備事業
27 2,753 億円○
○
補 158 億円(○
前2,689 億円)
○農山漁村地域整備交付金
27 1,067 億円○
○
補 50 億円(○
前1,122 億円)
(7)日本型直接支払制度について
日本型直接支払制度については、法的な整備を図り、全額国費での予算措置を行い、
全国一律で取組めるように措置されたい。
59
また、農地維持支払については、水路・農道等の維持管理、畦畔管理等において地
域と農地の受け手とが協力し合えるような体制づくりや協定の締結、受け手への支弁
の支払い等についての事例を示されたい。
○多面的機能支払交付金
①農地維持支払
田 3,000 円/10a 畑 2,000 円/10a
②資源向上支払
田 2,400 円/10a 畑 1,440 円/10a
○中山間地域等直接支払交付金
○環境保全型農業直接支払交付金
27 483 億円(○
○
前483 億円)
27 290 億円(○
○
前285 億円)
27
○25 億円(○
前25 億円)
4.担い手育成関係
重(1)担い手の育成・確保対策について
担い手対策については、都道府県を跨ぐ全国レベルでの就農相談と地域段階での就
農相談・研修の実施など、就農希望者に対するきめ細やかな対応が必要である。この
ため、全国段階、地域段階での相談体制の整備のほか、新規参入者、親元で就農する
農業後継者、Uターン者等の幅広い層を対象にした農業基盤の確保や技術習得などに
ついて、営農開始・営農定着のそれぞれの段階ごと、就農形態ごとにも対応した支援
策を講じられたい。
青年就農給付金については、給付金の減額も可能とし、所得と給付金を合わせて4
00万円とするなど要件緩和を図られたい。農家子弟が親元で就農する場合について
は、規模拡大や新たな施設設置等により、経営全体として大きな投資とこれによるリ
スクも伴うことから、親元就農の場合についても、安定した農業経営の継承、規模拡
大が図られるよう農地の自己所有に拘わらず、親の経営と経理の面で独立していれば
対象とするなどの要件緩和を図られたい。
また、今後60歳以上の定年退職者の増加が見込まれることから、非農家の定年退
職者が農業従事者として定着できるよう、定年退職者を雇用する農業者に対する支援
を図られたい。
さらに、農の雇用事業等の継続と年間雇用等の要件緩和、外国人技能実習生の技能
実習2号への移行対象事業への「肉牛」の追加、畜産・園芸部門におけるヘルパー制
度の充実等により農業者の労働環境の改善と労働力確保についての各種支援措置を講
じられたい。
27 195 億円○
○
補 58 億円(○
前218 億円)
○新規就農・経営継承総合支援事業
27 122 億円○
○
補 50 億円(○
前147 億円)
うち青年就農給付金
・親の経営から独立した部門経営(税申告は別でなくても良い)
、農地について親族から
の貸借が主であっても対象(5 年以内に所有権移転)
・27 年度からは前年の所得に応じて金額を変動(最大前年の所得 350 万円まで給付)
27 67 億円○
○
補 8 億円(○
前66 億円)
うち農の雇用事業
60
重(2)農地の利用集積と有効利用について
農地中間管理事業については、農地の中間的受け皿として十分な機能を果たすよう、
県機構の運営費、委託費等の十分な予算を確保するとともに、農地集積において農地
利用集積円滑化事業等からの農地中間管理事業の活用へ移行する者の円滑な手続きに
支障がないようお願いする。また、「人・農地プラン」を活用した現場での十分な話
し合いに基づき地域内の農地利用が進められ、再配分に伴って担い手の経営に影響を
及ぼさないように制度運用を行われたい。
また、機構の借受対象農地については、施設園芸農家、果樹・野菜作農家の規模拡
大、土地利用型農業の畑作との複合化による経営安定を図る観点から、積極的に畑地
も対象として集積が図られるよう指導されたい。
優良な市街化区域内農地についても、
借受けを行い、市民農園への利用等を行い農地としての有効利用を進められたい。
さらに、相続により非農家が所有している農地については、税制等の優遇措置によ
り優先的に農地中間管理機構に預けられる仕組みを創設し、相続による農地の細分化
と耕作放棄地化の解消を図られたい。
耕作放棄地の解消と農地の有効利用を図るため、耕作放棄地対策を強化するととも
に、担い手が自ら簡易な整備、改修を行い農地の有効利用を進める場合への助成措置
を講じられたい。
○農地中間管理機構事業
・農地中間管理機構の業務の運営支援(定額助成)
27 72 億円(○
○
前177 億円)
27 90 億円○
○
補 200 億円(○
前100 億円)
○機構集積協力金交付事業
・制度内容は継続
①地域集積協力金(補正+当初:92 億円)
・機構にまとまった農地を貸し付ける地域に対する支援
②経営転換協力金(補正+当初:109 億円)
・経営転換・リタイアする場合の支援
③耕作者集積協力金(補正+当初:86 億円)
・農地の集積・集約化に協力する場合の支援
27 17 億円○
○
補 2 億円(○
前19 億円)
○耕作放棄地再生利用緊急対策交付金
・耕作放棄地の再生作業、再生のための基盤整備・農業用機械の導入支援(定額・1/2
助成)
27 100 億円(新規)
○農地耕作条件改善事業
○
・農地中間管理事業の重点実施区域における簡易な整備(区画の拡大、暗渠等、自力施
行も可)
(定額・1/2助成)
(3)認定農業者が借り受ける資金の金利負担の軽減措置等について
農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)の金利負担の軽減措置については、中心
経営体だけではなく、すべての認定農業者が対象となるよう拡充するとともに、農業
近代化資金についても、認定農業者の金利負担の軽減等の優遇措置を設けられたい。
また、農産物価格の長期低迷や、燃油の高騰等の外的要因により、農業経営が長期
にわたり赤字となっている状況にかんがみ、
低利で容易に調達できる運転資金の融通、
61
借換えによる金利負担の軽減、金利負担が軽減される期間の拡大、貸付限度額の引き
上げの措置を講じられたい。
○スーパーL資金の金利負担軽減措置
・貸付当初5年間の金利無利子化、制度の拡充は措置なし
27 73 億円(○
○
前77 億円
5.生産対策関係
重(1)補助事業の予算額の確保と使いやすい仕組みへの変更について
農業従事者の高齢化や減少、農産物価格の低迷が続く中で、活力ある農業経営の確
保を図り、自給率向上を図るためには、担い手の育成・確保と農業生産の体質強化が
必要である。このためには、国費助成等による支援措置が有効な手段であるので、各
種補助事業については、以下のような充実・強化、仕組みの改善を図られたい。
① 強い農業づくり交付金、水田フル活用実践緊急対策事業、経営体育成支援事業及
び花き、園芸関係予算の確保
② 担い手農家の経営基盤の強化に資する個人農家に対する補助対象機械・施設の拡
大、リース事業の拡充等
③ 個人の園芸施設ハウス、畜産環境施設、並びにJA等の穀類乾燥調製貯蔵施設、
集出荷貯蔵施設等共同利用施設の再整備、更新又は大規模修繕に対する助成
④ 流通業者・小売業者が求める商品化に対して産地が応えるために必要な集出荷場
に附帯する商品加工施設、機器・通い容器等に対する助成
⑤ 飼料用米に係る生産から流通、保管に関する機械・施設の整備に対する助成
⑥ 既に高いレベルに達している産地にとって採択が不利とならないような成果目
標基準の見直し
⑦ 認定就農者、認定農業者、人・農地プランで位置づけられた地域の中心となる経
営体、エコファーマー認定農家等、国の制度の認定を受けた農家に対する補助率の
上乗せなどのメリット付与
⑧ 農地中間管理事業、経営体育成支援事業等の担い手育成に関する補助事業につい
て、市街化区域内にある優良な農地等への対象地域の拡大
⑨ 補助事業の公募における農家やJAへの情報提供、応募期間の長期化、申請様式
の簡素化
27 231 億円○
○
補 176 億円(○
前234 億円)
○強い農業づくり交付金
27 23 億円(○
○産地活性化総合対策事業
○
前29 億円)
・新品種等を活用した強みのある産地形成、先端技術を利用した生産・流通システムの
高度化を支援(1/2・1/3助成)
27 32 億円○
○
補 50 億円(○
前45 億円)
○経営体育成支援事業
27 20 億円○
○
補 40 億円(○
前20 億円)
○次世代施設園芸導入加速化支援事業
27 8 億円○
○
補 12 億円(○
前10 億円)
○加工・業務用野菜生産基盤強化事業
62
27 75 億円○
○
補 201 億円(新規)
○畜産収益力強化対策
27 11 億円○
27(○
○
補 20 億円 ○
前14 億円)
○飼料増産総合対策事業
○飼料生産型酪農経営支援事業
27 66 億円(○
○
前62 億円)
○飼料用米の利用拡大に向けた畜産機械リース事業
○配合飼料供給体制整備促進事業
○稲作農業の体質強化緊急対策事業
○果樹等生産出荷安定対策事業
○茶支援関連対策
○国産花きの生産・供給対策
補 59 億円
○
補 4 億円
○
補 200 億円
○
27 55 億円(○
○
前54 億円)
27
○14 億円(○
前15 億円)
27 6.5 億円(○
○
前5 億円)
○基本的な補助事業の要件・補助率については継続
重(2)生産資材の高騰対策について
燃油価格高騰緊急対策については、27年度以降についても予算措置されたい。ま
た、国の負担率の引き上げによる農家負担の軽減、施設園芸農家以外への適用、燃油
削減目標等の要件緩和を図られたい。また、産地として燃油削減目標を策定し、施設
導入等により燃油削減に取り組むことが要件となっているセーフティネットについて
は、この要件を改め、燃油を利用するすべての農家が対象となるような仕組みとされ
たい。
配合飼料価格差補てん事業については、補てんに必要な基金の予算を確保されたい。
また、発動価格は原則直近 1 年の平均価格となっており、飼料価格が高止まりしてい
る状況では補てん金が支払われることなく生産コストを償えないことから、発動価格
の算定方法の見直し、据え置き等の措置を講じられたい。
さらに、円安の進行等により肥料、被覆資材、乾燥牧草等の輸入粗飼料等の生産資
材価格も急騰していることから、緊急対策を講じられたい。
○燃油価格高騰緊急対策(24 年度補正 (425 億円)
)
・27 年度まで延長、セーフティネットに茶を追加
27 122 億円(新規)
○配合飼料価格安定対策事業
○
・制度の内容は継続、見直しなし
○その他の資材・粗飼料等の緊急対策の措置はなし、自給飼料の増産で対応
(3)野菜価格安定制度の充実について
野菜価格安定事業の生産者負担率の現状維持による継続実施とALIC((独)農
畜産業振興機構)、県基金の財政基盤強化と事業実施のための十分な予算の確保を図
るとともに、保証基準額の引き上げ、加入要件(面積、共販率)の緩和等をお願いする。
また、安定的な契約野菜産地の形成を図るため、契約野菜収入確保モデル事業につ
いては、恒久化対策として予算の拡充を図られたい。
63
27 167 億円(○
○野菜価格安定対策事業
○
前167 億円)
・補償基準額を改訂(直近 6 カ年の平均卸売価格を基に改訂)
・ばれいしょについて、全国一律から市場ブロック単価に変更
(4)環境保全型農業の推進について
環境保全型農業直接支払制度については、肥料・農薬5割低減とセットで取組む営
農活動を拡大するなど、多くの環境保全型農業に取組む農家が直接支払いを受けられ
るよう要件緩和を図られたい。
また、化学合成農薬に頼らない天敵農薬の開発・普及や総合的病害虫・雑草管理(I
PM)の考え方に基づく総合的な防除対策の強化を図られたい。
さらに、土壌中の肥料成分にかかる土壌の簡易分析については、計量法の証明事業
にあたらないこととし、数値データとして農家に提供できるよう制度改善を図られた
い。
○環境保全型農業直接支払交付金
・制度の内容は継続
27 25 億円
○
(○
前25 億円)
27 21 億円○
○
補 2 億円(○
前20 億円)
○消費安全対策交付金
○計量法についての制度改善は措置なし
(5)家畜疾病対策の充実について
畜産農家の経営環境は厳しく、その中でも疾病による生産性の低下により、経営困
難になる生産者が見受けられる。このため、養豚でのPED(豚流行性下痢)、PR
RS(豚繁殖・呼吸障害症候群)等をはじめとする生産性に影響を及ぼす疾病対策の
検査体制・助成・指導体制の強化を図られたい。特に、PEDについては、届出伝染
病ではあるが、その蔓延により養豚農家に大きな打撃を及ぼすことから、法定伝染病
と同様に国段階での防疫対策の強化及び支援をお願いする。
また、有事(鳥インフルエンザ発生等)に、消毒ポイントは設置されるようになっ
ているが、公設で常時消毒ができるポイントを畜産生産地帯に配置されたい。
○PED防疫マニュアルの作成(26 年 10 月)
27 21 億円○
○
補 2 億円(○
前20 億円)
○消費・安全対策交付金
・PEDのまん延防止対策の強化
27 55 億円(○
○家畜衛生総合対策
○
前56 億円)
・野生動物を対象とした伝染性疾病の監視強化、検疫探知犬の増頭等海外からの侵入防
止策の強化
(6)農業技術開発関係予算の増額について
国産農産物の競争力を高め、食料自給率向上を図るためには、経営努力による生産
コストの低減だけではなく、新しい技術や品種の導入による生産性向上、品質向上が
重要である。また、地球温暖化や海外からの雑草や病害虫の侵入に対処した技術対応
も促進する必要がある。このため、国(独立行政法人)研究機関における試験研究の
促進を図るとともに、県段階での試験研究推進への助成支援を強化されたい。
64
27 46 億円○
○
補 14 億円(○
前55 億円)
○攻めの農林水産業の展開に資する研究開発
・生産現場等のニーズに直結した革新的な新技術や新品種の開発、農林水産物の需要拡
大のための技術開発等を強化するとともに、収益力向上につながる農林水産物の生産
拡大等に向けた革新的な技術体系導入実証研究を推進
27 13 億円○
○
補 6 億円(○
前11 億円)
○民間活力等を活かした「地の集積」の推進
・産学連携の強化による異分野とも融合した研究開発の推進
27 14 億円○
○
補 35 億円(新規)
○先端ロボットなどの革新的技術の開発・普及
(7)農業共済制度の強化について
農業共済の予算の確保を図るとともに、自然災害が多発していることから共済制度
の農業共済制度の充実・強化を図られたい。また、農業機械の盗難被害が多くなって
いることから、農機具共済を「制度共済」に含めるなど、盗難保険制度の充実を図ら
れたい。
さらに、加入者が掛け金、補償率等を自由に選択できる仕組みや事故率によって掛
け金が変動する仕組みの導入・拡充等により、農業実態の変化にも対応した共済制度
に見直されたい。
27 890 億円(○
○農業災害補償制度
○
前891 億円)
・27 年 2 月から園芸施設共済の補償を拡充(耐用年数の見直し、再建築補償額の拡充等)
27 4.6 億円(○
○収入保険制度検討調査費
○
前3.2 億円)
・収入保険制度の検討を進めるため、事業化調査を実施
(8)農業分野における知的財産の創出と活用の推進について
経済のグローバル化や地球規模での温暖化の進展などに対応して、我が国農業の競
争力の強化、食料生産の安定供給を図っていくためには、農業分野における知的財産
を創出し、活用していくことが必要である。
このため、農家を含めた民間、公的機関での新品種の育成、新技術の開発を支援す
るとともに、特許権や品種登録等の知的財産権の取得推進とその保護について取り組
まれたい。
○地理的表示法の制定(26 年 6 月)
27 2.5 億円(○
○地理的表示等の知的財産の保護・活用
○
前2.0 億円)
・地理的表示保護制度の普及啓発・相談の実施、海外における知的財産の侵害対策の強
化、植物新品種の育成者権の保護
(9)鳥獣被害対策の充実について
野生鳥獣による被害が全県に拡大し、農業生産に深刻、甚大な影響を与えている。
このため、鳥獣被害の実態把握、的確な防止対策の実施等、地域や市町村における取
組みを推進するため、財政的支援の継続を図るとともに、生息環境や生態系をも考慮
した抜本的な対策を講じられたい。
○鳥獣被害防止総合対策交付金
27 95 億円
○
補 20 億円(○
前95 億円)
○
・捕獲活動経費の直接支援を追加、市町村が作成した被害防止計画に基づく取り組みを
65
総合的に支援(定額・1/2助成)
6.農畜産物の消費拡大・安全管理関係
重(1)国産農畜産物の消費拡大対策、原料等の原産地表示について
地域段階での地産地消、
直売所の設置、
学校給食における地元農畜産物の利用拡大、
朝給食等における米飯の利用への取組みに対する支援を強化するとともに、国産農畜
産物、国産原料の加工品すべてでの「こくポ制度」の適用と認知向上等を図るなど、
全国レベルでの国産農畜産物の消費拡大対策を推進していただきたい。
また、消費者の購入形態が変化し、業務用等へはコストの安い輸入農畜産物の使用
が増加していることから、消費者に安全・安心で、品質の良い国産農畜産物を選択し
てもらうためにも、外食等の業界での表示の義務化を含めて、加工食品原料や切花等
の原産地表示の制度化を進めていただきたい。
さらに、輸入農畜産物・切花等の検疫の強化、中国からの飛散物質等に対する不安
の払しょく、国産農畜産物の安全・安心への取組みについての消費者への啓発等にも
取り組まれたい。
27 5.3 億円(○
○国産花きイノベーション推進事業
○
前5.0 億円)
・国産花きの需要拡大に向けた花育の普及、オフィス等における花の利用等を推進
27 24 億円○
○
補 3 億円(○
前27 億円)
○日本食・食文化魅力発信プロジェクト
・国内外における日本食文化の普及、国民運動統一ロゴマークの活用の促進
・学校給食における地場食材の利用拡大(文部科学省のスーパー食育スクール事業との
連携)
・全国レベルでの国産農林水産物・食品の消費拡大
○地理的表示法の制定(26 年 6 月)
27 2.5 億円(○
○地理的表示等の知的財産の保護・活用
○
前2.0 億円)
(2)食育等の推進について
小中学校の「食育」・「花育」活動が定着できるような施策ついて、農林水産省と
文部科学省との連携により取り組まれたい。
また、働く世代への食育として、企業内部での食育啓発活動、外食企業との連携、
企業食堂での国産農畜産物の利用拡大を図るなど、全世代を対象にした食育を国民的
運動として取り組まれたい。
27 21 億円○
○地域における食育の推進(消費・安全対策交付金の内数)○
補 2 億円(○
前20 億円)
○消費者ニーズ対応型食育活動モデル事業
27 2.3 億円(○
○
前3.3 億円)
(3)口蹄疫をはじめとする家畜伝染病の防疫対策の強化について
口蹄疫をはじめとする家畜伝染病にかかる発生国からの侵入防止対策、発生時の対
策、被災者への対策等については、基本的には国の責任でもって行う必要がある。こ
のため、口蹄疫発生国からの人、あるいは物を介しての侵入の可能性が示唆されてい
66
ることから、輸入家畜の動物検疫や空港、港湾での旅行者等の防疫対策の強化・徹底
を図られたい。
また、農家段階における予防対策に必要な資材等への助成措置、発生時及びまん延
防止に必要な防疫体制の整備、被害農家、被災対策に対する十分な国費補償予算を確
保されたい。患畜等の死体の埋却地の確保については、農家個々で確保することは困
難であるので、自治体等で確保する仕組みに見直していただきたい。
さらに、高病原性鳥インフルエンザ等の発生により、GPセンター、食鳥処理場等
の畜産関連施設では、稼働制限等の防疫措置により稼働が制限され、その際に発生す
る損害については、補償の対象となっていないことから、関連施設への被害の補償に
ついての制度を創設していただきたい。
27 21 億円○
○
補 2 億円(○
前20 億円)
○消費・安全対策交付金
・PEDのまん延防止対策の強化
27 55 億円(○
○家畜衛生総合対策
○
前56 億円)
・野生動物を対象とした伝染性疾病の監視強化、検疫探知犬の増頭等海外からの侵入防
止策の強化
(4)種苗法の改正について
近年、種苗会社によって消費者の食の多様性の要求に対応し、さまざまな新品種が
育成されているが、これらの作物は農薬取締法上の適用作物名の分類が判然としない
ため、農薬使用者が適用作物名を誤って農薬を使用する恐れがある。このため、種子
容器へ農薬登録における適用作物名(大グループ-中グループ-作物名)を明記すべ
く種苗法の改正を図られたい。
○措置なし
(5)農薬登録制度の見直しについて
生産量の少ない農作物の農薬登録を促進するため、植物学的に類似性が高く、作物
としての利用部位が同一であり、形状等が大きく異ならない作物をグループ化した農
薬登録が行われているが、キク科葉菜類など要望の多い科については、新たなグルー
プ化の拡大を引き続きお願いする。
また、かき(葉)・なんてん(葉)等、形状が類似しているため、農薬の付着量の
差が少ない作物は、植物学的な類似性を問わず、グループ化して農薬登録をしていた
だきたい。
さらに、農薬メーカーは販売拡大の見込まれない農薬の登録には消極的であり、こ
のことが登録農薬の減少にもつながっていることから、登録経費を助成する等により、
登録の推進を図られたい。
○新たなグループ化を検討
27 6.3 億円○
○
補 1.9 億円(○
前6.7 億円)
○食の生産資材安全確保総合対策事業
67
(6)農薬残留基準値の見直し等について
食品衛生法に基づく検査において、農産物が残留農薬基準値を超過した場合に、流
通禁止とする措置がとられているが、当該農産物を一時的に摂取したとしても健康影
響がないと公表されることが多い。しかし、近隣からのドリフト等によって基準値超
過となった農家は、流通禁止や回収措置がとられるため、経営が圧迫される結果とな
っている。
一方で、ヨーロッパでは、残留農薬基準値を超過した場合、事故等で一時的に摂取
される場合は、ヒトへの急性影響を考慮するために設定されている急性参照用量(A
RfD)を、長期にわたって当該農作物を摂取する可能性がある場合は、ADIを元
に科学的にリスク評価を行い、回収の有無を決めている。
これらのことから、残留基準値超過での一律流通禁止ではなく、急性参照用量(A
RfD)に基づいたリスク評価を行い、その結果に基づき対応するなど、現行の食品
衛生法を見直して頂きたい。
○ADIの基準を残しつつ、ARfDの導入を検討(厳しくなる方向で見直し)
(7)農産物検査における指導的検査員の育成について
農産物検査については、検査登録機関において指導的役割を担う指導的検査員の仕
組みが導入され、人材の育成が行われているところである。
指導的検査員には、検査技術のスキルアップ、各種法令に関する知識向上等が求め
られているが、現在、指導的検査員向けには、国主体として程度統一会(米検査の目
合あわせ会)が年間2~3回実施されているのみで、指導力強化に向けての研修は行
われていない。このため、指導的検査員に対する国主体での研修機会の提供、指導員
の育成カリキュラム作成をお願いする。
○措置なし
7.税制改正関係(再掲、27年1月号にて掲載済)
(1)農林漁業用燃料に関する税制について
平成26年度末に適用期限を迎える軽油引取税については、恒久減税とするととも
に、免税申請様式の簡素化、部分作業受託でも認められるなどの適用範囲の拡大等の
措置を講じられたい。
○3年延長(単純延長)
重(2)農業経営基盤強化準備金等の課税の特例について
農業経営基盤強化準備金制度の延長を図るとともに、個人経営から法人経営に移行
した場合には、準備金が移行法人に引き継がれるものとされたい。
また、農地中間管理事業における地域集積協力金が地域から担い手に交付される場
合には、経営基盤強化準備金の対象とするよう措置されたい。
68
○2年延長
○一部の対象資産(建物、機械器具等)を拡充
(3)肉用牛の売却による農業所得の課税の特例措置について
肉用牛農家の経営は、飼料価格の高騰、消費の低迷等により経営が非常に厳しくな
っている。現在、肉用牛の売却については、一定価格以下での所得税の免税措置が講
じられているが、免税措置となる売却価格の引き上げ若しくは売却価格には補助金相
当を含まない措置とされたい。
○肉用牛売却の特例措置についての拡充は措置なし
(4)養豚・養鶏農家の所得税等の免除措置について
養豚、養鶏農家は、飼料価格の上昇等により経営が非常に厳しくなっている。そこ
で、養豚経営安定対策事業、鶏卵生産者経営安定対策事業が発動された場合、発動期
間中の農業所得については、課税対象から減額し、所得税等の減免措置を講じられた
い。
○措置なし
(5)国産食料品にかかる消費税について
国民生活に欠かせない基礎的な食料品、花を含む農畜産物の消費税については、軽
減税率を適用されたい。
また、消費税の引き上げに伴って農産物価格が実質引き下げられることのないよう
円滑な価格転嫁が図られる仕組みとすること、また、農家の事務負担を軽減するため
簡易課税制度の拡大が図られる仕組みとされたい。
○軽減税率について、関係事業者、国民の理解を得た上で、税率10%時に導入。対象品
目、区分経理等について早急に具体的な検討を進める
(6)固定資産税の評価方法の見直し等について
市街化区域内の農地の固定資産税については、農地の役割や機能を評価した評価方
法としての見直し、調整措置の実施、小規模宅地等の課税との整合等を図り減額され
たい。また、体験農園を行っている農地や学校農園用農地についての固定資産税の減
免措置を講じられたい。
さらに、資材費等のコストの高騰と価格低迷による農業経営の悪化に鑑み、再生産
が確保されるよう農業用機械、施設の償却資産税については、免除または引き下げら
れたい。
担い手への農地集積を促進するため、農地中間管理機構に貸し付けた農地について
の固定資産税の減免措置を創設されたい。
○農地の固定資産税については、現行と同様の負担調整措置を継続
○固定資産税の減免についての新たな措置はなし
税負担の公平性の確保及び制度の簡素化を図るため、
他の地目と整合をとる観点等から引
き続き検討
69
○農地中間管理機構に貸す場合の固定資産税の減免等については、農地中間管理事業の実
施状況等、農地間の税負担の公平性等を勘案して総合的に検討
(7)相続税・贈与税の基礎控除等の見直しについて
平成25年度の税制改正により、平成27年1月から、相続税の基礎控除の引き下
げ、相続税・贈与税の最高税率の引き上げが行われることとなった。これらの改正は、
相続による農地の細分化につながるものであるので、再度見直しを図られたい。
○相続税等の基礎控除の見直しについては、措置なし
重(8)農地税制について
農地税制は、遊休農地が増加することなく担い手に集団的に利用されるよう、また、
農業の後継者に農地がまとまって継承されるような税制の仕組みとされたい。
特に、相続税の納税猶予制度は、農地の分散を防止するための有用な制度であるの
で、制度を堅持されたい。また、継続届等の手続きを簡素化されたい。
農地等の譲渡に係る特例措置(特定の事業用資産の買換え・交換の場合の課税の特
例)について、現在、特例の対象者は認定農業者等に限定されているが、担い手への
農地集積にあたって農地の買換えを行う農家も対象にするなど、買換特例の対象者要
件について緩和していただきたい。
○納税猶予制度は継続
○利用権設定等促進事業により農地等を取得した場合の移転登記の税率の軽減措置の2年
延長(単純延長)
○買換特例の要件緩和については、措置なし
70
農 政 を め ぐ る 情 勢
平成27年4月22日
編集・発行
180部
愛知県農業協同組合中央会
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印
刷
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