江 口 夏 実 - 女子美術大学

江口夏実
J O S H I BI
no.181
年に デ
年には作品がアニメ
立古和智
Text
にかく描くことが好きな子ど
福 岡 秀敏 Photo
に迎合しない氏の強さに迫ります。
反 対 に ど こ か ク ー ル で 、安 易 に は マ ス
で 人 気 急 上 昇 。作 品 の 急 騰 ぶ り と は 正
る 江 口 夏 実 さ ん は 、現 在『 鬼 灯 の 冷 徹 』
化 ── 。
「 ブ レ な い 自 分 を 大 切 に 」と 語
ビュ ー 、
会 社 員 生 活 を 経 て、
大 切 に。
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1
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ブレない 自分を、
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4
歳
6
年 次 か ら は 念 願 の一人 暮 ら し も ス
まれました。これは美大ならではです。
美では考え方を共有できる仲間にも恵
変 わ り 者 扱 い さ れ て き ま し た が 、女 子
美 術 に 関 心 の あ る 友 人 は 皆 無 で 、私 は
好 き に な り ま し た 。高 校 ま で は 周 囲 に
が 楽 し か っ た で す ね 。は じ め て 学 校 が
で す 。女 子 美 で は 実 技 が 多 く て 、毎 日
分の意志で決めた進路が美大だったの
進 学 校 に 進 み ま し た 。そ し て 初 め て 自
思 い ま す 。高 校 ま で は 親 の 言 う ま ま に
両親からは厳しく育てられたほうだと
と 思 い 込 ん で い た の で す 。教 員 だ っ た
な か っ た で す し 、親 か ら も 反 対 さ れ る
ま せ ん で し た 。実 現 す る 方 法 も わ か ら
マンガを仕事にしようとは長らく思い
く ら い か ら 描 い て い ま し た ね 。た だ し
川 に 落 と さ れ る 。そ ん な マ ン ガ を
パ ン ダ が 、カ ッ パ に 足 を 引 っ 張 ら れ 、
も で し た 。買 い 物 に 出 か け た
と
の あ っ た 小 売・流 通 系 の 会 社 へ 。こ の
が 残 念 な こ と に 縁 が な か っ た の で 、縁
かを創る仕事に就きたかったのです
卒 業 後 は デ ザ イ ン 関 係 の 仕 事 な ど 、何
に最高の思い出です。
自 由 を 得 た の は 、あ れ が 初 め て 。本 当
タ ー ト 。放 課 後 を 自 分 の 好 き に 過 ご す
2
り ま せ ん が「 こ れ し か な い 」と い う 心
ンガで食える自信があったわけではあ
て 会 社 員 に は 戻 り た く な か っ た し 、マ
に い る わ け に は い き ま せ ん 。か と い っ
し た 。さ す が に 無 職 の ま ま 何 も や ら ず
いろんな編集部に片っ端から送りま
を描いては投稿するの繰り返しでした。
を 受 賞 し て デ ビ ュ ー す る ま で は、作 品
感 じ て 、 カ 月 ほ ど で ピリ オ ド を 打 ち
疲 弊 し ま し た 。そ ん な 生 活 に は 限 界 を
そ ん な 余 裕 は ほ と ん ど な く 、す っ か り
ガを描 き 続 け よ う 」と思って い た の に 、
いて」
「 恋 愛 も の を 描 い て 」と 言 わ れ
い た ら 、そ の う ち「 ス ポ ー ツ も の を 描
の言葉を何でもかんでも真に受けて
ら 、合 う 媒 体 を 探 せ ば い い 。周 囲 か ら
て い ま し た 。そ れ に 媒 体 に 合 わ な い な
も「 一 定 数 に 好 か れ れ ば い い 」と 考 え
し た 。そ の 影 響 な の か 、自 分 の 作 品 で
鬼 太 郎 」の よ う に 読 み 手 を 選 ぶ 作 品 で
ガ も 王 道 も の と い う よ り は「 ゲ ゲ ゲ の
ま せ ん 。実 際 、私 が 愛 読 し て き た マ ン
みんなが万人受けを狙う必要もあり
分 も あ る と 思 っ て い ま す 。そ も そ も 、
が 、創 り 手 と し て ブ レ て は な ら な い 部
部 分 が あ る の で 、耳 を 貸 す べ き で す
す し 、作 家 自 身 で は 客 観 的 に 見 れ な い
と 言 わ れ る と や っ ぱ り ヘ コ み ま す 。だ
重 々 承 知 で す 。自 認 し て い て も 下 手 だ
い て き ま し た 。批 判 の 声 が あ る こ と も
癖 の あ るタ ッ チ に コ ンプ レ ッ ク ス を 抱
絵 が う ま い わ け で は あ り ま せ ん 。こ の
て 偉 そ う に 言 っ て ま す が 、私 も 決 し て
匂 い ま で 知 っ た 上 で 描 き た い 。… な ん
で す 。な る べ く 直 に 触 れ て 、大 き さ や
ま す 。風 景 に 限 ら ず 動 物 だ っ て 同 じ
景 と で は 、絵 が 発 す る 匂 い も 異 な り
目にした絵を下敷きにして描いた風
で 目 に し た 風 景 を 描 く の と 、何 か で
の が 必 ず 滲 み 出 ま す 。実 際 に 足 を 運 ん
る も の に は 、こ れ ま で に 触 れ て き た も
エ ッ セ ン ス を 散 り ば め て き ま し た 。創
す が 、こ れ ま で に 知 り 合 っ た 人 た ち の
ラ ク タ ー も 然 り で す 。誇 張 す る 、性 別
境 で し た 。と り あ え ず 投 稿 し て 小 さ な
か ね ま せ ん 。こ の ふ た つ は 経 験 も 少 な
か ら と い っ て 批 判 を無 視するの も 良 く
変 え て ほ し い 」な ど と 言 わ れ る ん で す。
賞 で も 獲 れ れ ば 、親 か ら も「 就 職 し ろ 」
い し 苦 手 分 野 で す の で 、私 に は 無 理 で
な い し 、気 に し 過 ぎ る の も 良 く な い 。
会社での毎日が猛烈に忙しかったの
と 怒 ら れ ず に 挑 戦 し て い ら れ る 。そん
す( 笑 )。そ う 考 え る と 続 け る 上 で 大
自 惚 れ を 避 け る た め に も 、両 方 の 意 見
を変えるといったアレンジはしていま
な 考 え で し た ね。そ う 思 っ て い る と 投
切 な の は や っ ぱ り 経 験 で す ね 。女 子 美
に 耳 を 澄 ま せ た い 。そ の 上 で ブ レ な い
たしかに媒体によって方針がありま
稿 先 か ら は、い く つ か の 小 さ な 賞 を 頂
で の 楽 し い 思 い 出 。会 社 員 と し て 過 ご
自 分 を 大 切 に し な が ら 、今 後 も 描 き 続
で す 。自 分 で は「 仕 事 を し な が ら マ ン
け ま し た。そ の 流 れ で 出 版 社 の 方 々 と
し た 大 変 な 日 々 。こ れ ら は す べ て 作 品
けていきたいですね。
そこから
ます。
や り と り を は じ め る と、い ろ ん な 雑 誌
に 生 き て い ま す 。作 品 に 登 場 す る キ ャ
年 に「ち ば て つ や 賞 」
で「 こ う い う 設 定 に し て ほ し い 」
「こう
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04
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江口夏実(えぐち・なつみ)
1983年東京都生まれ。2007年芸術学部絵画科日本画専攻卒。2010年『非日
常的な何気ない話』で第57回ちばてつや賞佳作を受賞。その中の一編「鬼」に
登場したキャラクター、鬼灯を主人公とした『地獄の沙汰とあれやこれ』が週刊
モーニング誌に掲載され、2010年にデビュー。その後、作品タイトルを『鬼灯
の冷徹』と改め、現在にわたって連載中。2014年にはアニメ化も実現した。
プロダクトデザイン専攻6名
「 意 匠 登 録 出 願 支 援 対 象 者 」に 選 出
インドの 育 成 や 知 的 財 産 権 制 度 理
解の向 上に積 極 的に取 り 組んでいる
日、芸 術 学 部デザ イン・工 芸
学 科プロダクトデザ イン専 攻の学 生
姿 勢 が 評 価 さ れ、文 部 科 学 省 科 学
月
年 度デザ インパテン
技 術・学 術 政 策 局 長 賞 を 受 賞 し ま
名 が、平 成
トコンテスト( 主 催:文 部 科 学 省、特
した。
部 では、 年 度 日 本 弁
許庁、日本 弁 理 士 会、独 立 行 政 法 人
件
表彰式第
録 出 願 支 援 対 象 者( 総 応 募 数
理 士 会 会 長 賞 を 受 賞 した 松 本 華 那
年 )が意 匠 権 取 得 者
て選 考、表 彰され ました。今 後は弁
に、
「 自 分 が 良いと思 う 物 を 作 れば、
を代 表し、出 願 までの苦 労 話 ととも
さん( 同 専 攻
理 士による 出 願のアドバイスを 受け
他 人に伝 わる 」とプレゼンテーション
件 )とし
な がら、意 匠 登 録の出 願 を 行 い、意
名 は 既に 意 匠 権 を 取 得で き
を 行いました。なお、昨 年 度 表 彰 さ
件中
25
匠 権の取 得 を 目 指していき ま す。な
/
( 大学部 門 )応 募
二
3
れた
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工 業 所 有 権 情 報・研 修 館 )の意 匠 登
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お、弁 理 士のア ドバイスや、意 匠 登
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たため、物 品や 物 品の部 分にお ける
年 間、
20
こと に な り ま す。
類 似のデザインから権 利 保 護 される
公に 認 められ、登 録 日 よ り
録 出 願 料・意 匠 登 録 料( 第 1 年 分 )
年間
形 状・模 様・色 彩に関 するデザインが
3
の全 額 を 主 催 者 が 負 担 す る 特 典 が
あ り ま す 。ま た、本 学はこ の
名の表 彰 者 を 輩 出 しているこ
と等により、大 学 全 体で知 的 財 産マ
で計
2
〔出願支援対象者〕
(写真 左から)
土屋和子さん/事務用クリップ
「ひらまる」
森田茜さん/手動掃除機「Colon」
山田亜樹さん/調理器具スタンド「perax」
園田星絵さん/ Kanpai touch ! 小林明日美さん/絵の具
福岡蘭さん/クレヨン専用グリップ「iroron (いろろん )」
松本華那さん/昨年度出願支援対象者
※昨年度出願支援対象者で意匠登録がされた 3 名
(写真 中央)
早弓奈々さん/マスキングテープカッター/意匠登録第 1514519号
組み立て式食器で、使用しない際はシート状に戻すことができ、持ち運びや運搬に便利です。
テープを親指の爪でカットするときと同じような動作で、無理な力を加えることなくテープをカット
(写真 左)
及川美樹さん/バングリップ/意匠登録第 1517182号
でき、
また刃が内側に向いているため、指が直接刃に接触することが少なく、安全に使用できます。
レジ袋や紙袋等、鞄など手荷物の保持具で、凹みに掛けることで、力の弱い女性でも無理なく使
日、本学と独立行政法人水産
周年記念
原理事長に水産資源や海の素晴ら
り ま し た。一 方 本 学 は、以 前 よ り 宮
かりやすく伝えることに課題があ
の取組や研究成果を広く、そしてわ
専門的な分野でもあることから、そ
な が ら 研 究 開 発 を 進 め て い ま す が、
所。各地の研究機関や大学と連携し
開発を行っている日本最大の研究
応用、そして実証まで一貫して研究
モ ニ タ リ ング 等 に 関 す る 基 礎 か ら
産 資 源 の 管 理 や 増 養 殖 、海 洋 環 境
し た。水 産 総 合 研 究 セ ン タ ー は、水
智理事長が協定書に署名を行いま
より宮原正典理事長、本学から大村
ホールにおいて執り行われ、同法人
日、本学杉並 キャンパス
協 定 を 締 結 し ま し た。調 印 式 は 同
合力を発揮するため包括的な連携
開発能力および人材を活用した総
総 合 研 究 セ ン タ ー は、相 互 の 研 究
月
年長崎県で開催され
年高知県
用できます。アクセサリーとしても身につけることができます。
ことを 目 標 と し て い ま す。
コミュニケーター」を育成していく
るような「ヴィジュアルサイエンス
専 門 家 と一般 の 方 々 の 架 け 橋 に な
作がより充実されると考え、海洋の
な 知 見 か ら 高 精 度 の コ ンテ ン ツ 制
の協定締結により、専門家の科学的
く親しみやすい内容へと昇華。今回
で女子美生の視点からわかりやす
を、水産資源のヴィジュアル化など
合研究センターの取組や研究成果
した。このつながり を元 に、水産総
したコンテンツ制作を行ってきま
への協力など、海洋生物をテーマと
で 開 催 さ れ た「 か つ お フ ォ ー ラ ム 」
た「まぐろ祭り」、
では
ザ イ ン 表 現 学 科 メ ディ ア 表 現 領 域
た だ い て お り、芸 術 学 部 ア ー ト・デ
しさに関する特別講演を開いてい
水産総合研究センターと 包括連携協定を 締結
サ イ エ ン ス を わ か り や す く“ 視 覚 的 に ”伝 え る
(写真 右)
松本華那さん/ Orizara /意匠登録第 1514232号
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東 京 都 美 術 館にて 華やかに 開 催 !
(NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクト代表理事)
回テーマは【 ネコとカフェオレとリボンとワタシ】
さ な 作 品 から 見 上 げるよう な 大 き
ました。女 子 美スタ イルのメインイ
だからこそ 追い求 め、そ れ を 磨いて
のには時々裏 切られたり もし ま す 。
授 。ディレクターとして「 好 き な も
ロデュース表 現 領 域 日 沼 禎 子 准 教
アート・デザ イン表 現 学 科アートプ
ンセプトについて話 すのは 芸 術 学 部
述べら れ ま し た。今 回 受 賞 者 に は
芸 術 学 部アート・デザイン表 現 学 科
ら
説 を 聞 く な どして、全 展 示 作 品 か
の前で作 者の女 子 美 生に 質 問 し 解
員 が 会 場 を 巡 り、興 味のあ る 作 品
だロゼット を 胸につけ た
Awa r作
d 品 を 選 出 し ま し た。
賞 者 が 発 表 されるたびに 歓 声 と 拍
」授 賞 式では、受
Rainbow Awa rd
な 甘い表 彰 楯 に 会 場の 賑いは 頂 点
呈 され、今 まで見 たことのない素 敵
のア イシングクッキーの表 彰 楯 が 贈
(建築家/女子美術大学学長)
女 子 美スタイル
第
3月3日から8日にわたり、上 野の東 京 都 美 術 館にて「 女 子 美スタイル2014
【 ネコとカフェオレとリボンとワタシ】」を 開 催し ました。今 回で9回 目 を 迎 える
現 〉になっていくのではないでしょう
こそ 自 分の追 究 する〈 美 〉、
〈 心の表
選 抜された作 品 と、本 学 付 属 高 等 学 校の卒 業 制 作の全 作 品が展 示され、例 年
「 女 子 美スタイル」。大 学 院、芸 術 学 部、短 期 大 学 部の全 卒 業・修 了 制 作の中から
以上に迫 力のある展 覧 会 となり ました。
年 度 の 女 子 美スタ イルの
テーマ【 ネコとカフェオレとリボンと
年 度の『 超 少 女 』に続 き いろいろな
な作 品 まで“ 観る人が新しいおもし
か 」とコメント。手のひらよ り も 小
意 味 が 込 め られ た ものに なってい
ろさを発 見できるかどうか”をポイ
ワタシ 】。今 回のテーマは
ます。
「 好 きなものを原 動 力にして
ントに 選 出 さ れ た 女 子 美 ら しい約
点の作 品 は 会 場 を 華やかに 彩 り
のを 最 終 的に〈 作 品 〉へと 昇 華でき
ベント「
アートプロデュース表 現 領 域の学 生
手 が おこ り 会 場 は 大 盛 り 上 が り 。
に。作 品 展 示 中の真 剣 な 表 情 から
に ち なんだ 虹 色
Rainbow Awa rd
審 査 員の方々も その熱 気に 応 える
Jo s hi b i
7
『UNMANNEDⅢ』
竹内 七月姫
大学院美術研究科 修士課程
美術専攻 立体芸術研究領域
Violet Prize
日沼禎子賞
Indigo Prize
横山勝樹賞
『今、みえること』
戸田 泰子
芸術学部 美術学科 洋画専攻
一転、笑 顔 あふれる 女 子 美 生 たちの
(駐日フィンランド大使館 報道・文化担当参事官)
(
「ARTizan」プログラムディレクター/アート
NPOリンク理事/女子美術大学准教授)
かのように作 品の選 出 理 由 を 熱 弁、
た ちの 企 画・運 営 に よる「
名の審 査
日に 開 催 。 Rainbow
に ち なん
」
Joshibi Rainbow Awa rd
る。それが女 子 美 生の強みではない
は
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でしょう か 」。テーマにこめられたコ
てそのアクションによって、好 き な も
いろんなアクションを 起 こ す 。そ し
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『虫たちのあそび』
井上 寧
芸術学部 デザイン・工芸学科 工芸専攻
『return 奈良新薬師寺編』
龍道 真友子
芸術学部 アート・デザイン表現学科
アートプロデュース表現領域
姿がとても 印 象 的でした。
Blue Prize
森 司賞
『Mavourneen』
澤田 優紀穂
芸術学部 アート・デザイン表現学科
アートプロデュース表現領域
(株式会社レントゲンヴェルケ代表取締役)
07
Special Report
Special Report
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女 子 美 生の 今 後の 活 躍 に 期 待 を
(公益財団法人東京都歴史文化財団 東京文化発信
プロジェクト室 東京アートポイント計画ディレクター/
「Art Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化
を活用する被災地支援事業)
」ディレクター)
Green Prize
ミッコ・コイヴマー賞
『8484』
髙田 実希
芸術学部 デザイン・工芸学科
プロダクトデザイン専攻
『本』
竹石 ちか
短期大学部 造形学科 デザインコース
Yellow Prize
下川一哉賞
(Arts Initiative Tokyoディレクター )
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Orange Prize
塩見有子賞
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Red Prize
池内 務賞
Jo s h i b i A r t G a l l e r y
アジアのア ー ト シーンを 活 性 化 す る ギャラ リ ーへ
学 生の 交 流 を 深 める
年 の 始 ま り は、中 国 伝
本学学生と中国伝媒大学学生との交流
写真展。本学芸術学部アート・デザイン
表現学科メディア表現領域川口吾妻教
授監修
アジア高校生アートアワード
2014 入賞作品展
年 夏に決 定した日 本・韓 国・
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4
年より 参 加して
ド
」の 受 賞 作 品 が
Joshibi
の 若 手 芸 術 家 を 育 成 し、国 際 芸 術
に展 示 され ま し た。こ
Art Gallery
満 を持して
としては自 国での展 覧 会 開 催のた
び と な り ま し た。中 国 伝 媒 大 学
よるもの。多 くの作 品の中から大 賞・
国 )、広 州 美 術 学 院( 中 国 )の共 催に
本 学( 日 本 )、誠 信 女 子 大 学 校( 韓
交 流 を 促 進 することを 目 的 として、
め、指 導 教 員の于 然 先 生のほか学
金 賞・銀 賞・銅 賞・特 別 賞・入 選 を受 賞
校 での 展 覧 会 を 開 催 す る 運
生らも 北 京から上 海に駆 け 付 け、
し た 作 品 が、各 校 な らびに
上海 Love Story
「ONE SUN ONE EARTH in Shanghai –
写真家・伊島薫」展
日か ら
2015年3月7日[土] ~ 3月29日[日]
写真家・伊島薫氏による滞在制作型展示。
2006年から続く
「ONE SUN ONE EARTH」
の上海版をJoshibi Art Galleryで開催。
日の2日 間、相
修了制作展、開催
15
2014年度卒業制作展 /
ンパス を 訪れました。
す るため、多 くの 来 場 者 が キャ
い る 大 学 院の 修 了 制 作 を 鑑 賞
卒 業 制 作や、同 期間 に 開 催 し て
開 催 。学 生 生 活の 集 大 成である
文 発 表 会 が 相 模 原キャンパスで
卒 業 研 究および大 学 院 修 士 論
最 終 日には 、芸 術 表 象 専 攻 優 秀
が 開 催 さ れ ま し た。 開 催 期 間
年度卒業制作展/修了制作展
術 学 部・短 期 大 学 部 の 2 0 1 4
模 原 と 杉 並の両 キャンパス で 芸
3月
14
日本・韓国・中国の高校生作品によるコン
ペティションの受賞作品巡回展。女子美
術大学、誠信女子大学校(韓国)、広州美
術学院 (中国)の共催。
2015年2月14日[土] ~ 3月1日[日]
を 巡 回 し ま し た。
Art Gallery
Joshibi
賑 や か な 展 覧 会 と な り ま し た。
で
Joshibi Art Gallery
のコンペティションは 未 来のアジア 発
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いる合 同 写 真 展 ○ ま( る 展) より 継
本 学は、
中 国の高 校 生による作 品のコンペティ
2015年1月17日[土] ~ 2月8日[日]
媒 大 学 と 本 学の 学 生 に よ る 交 流
― 光 ・ 夢 ・ 故郷 ―
中国伝媒大学 × 女子美術大学
学生交流写真展
ション「 アジア 高 校 生 ア ー ト アワ ー
展覧会報告
写 真 展 。元 よ り 中 国 伝 媒 大 学 と
Joshibi Art Gallery
続 的に交 流 をしてお り、この度 は
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Report 03
Report 04
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新任教員からみなさんへ
MESSAGE 02
竹中 明子
大﨑 綾子
短期大学部 造形学科
芸術学部 デザイン・工芸学科
デザインコース 特任准教授
工芸専攻 特任助教
杉並校舎の正門をくぐると、大きな桜の木が長い年月の間、どんな日も変
現在、日本国内で日本刺繡を専門的に学べる大学は女子美だけになってい
わらず私たちを迎えてくれます。桜の木は地球からのエネルギーを吸収し
ます。学校創設期から続く刺繡の伝統技術の継承と、女子美らしい刺繡の
ながら、燃えるような花を咲かせるために粛々とその日を待って毎日を過
デザインをいかに表現していくかを考えていきたいと思います。大学時代
ごしているのでしょう。
「創造する生命の樹」である皆さんにとって、この
は自分と向き合う時間をたっぷり使える大切な時間です。学生の皆さんが
女子美での日々が「美しい感性が育つ豊かな土壌」であることを今日もこの
有意義な時間を過ごせるよう頑張ってまいります。どうぞよろしくお願い
桜の木の下をくぐりながら思うのです。
いたします。
1964年千葉県生まれ。女子美術短期大学テキスタイル教室卒業。2002年より同
短大非常勤講師。第42回三軌展新人賞受賞、日本テキスタイル協会会員、テキ
スタイルアーティストとして毎年、個展等で作品を発表。
新入生に 向けて
MESSAGE 01
学校法人女子美術大学
1967年東京生まれ。女子美術大学大学院美術研究科美術専攻工芸研究領域
(刺繡)修了。日本色彩学会、服飾文化学会、文化財保存修復学会、会員。
理事長 大村 智
本学は、115 年前、女性の社会進出がままならない時代
生活の中で創立者横井玉子、佐藤志津両先生をはじ
に、女性に美術教育を施すことで専門家として積極的
め先人達が何を求め、いかに生き、どのように創造
に社会に参画できる女性を養成するという、高邁な精
性豊かな世界を切り開いてこられたかを学んでいた
神の下、設立されました。人生で最も尊いことは、個
だきたいと思います。そして、皆様には本学におい
性と創造性をもって、いかに社会に貢献するかである
て美術に係わる知識や技術を学ぶと共に、しっかり
と思います。このような気概を持つことで、人生が一
とした人生観と社会観のもとで、正しい判断を導き
層の輝きを増すことになります。これには、皆様の先
だすことができるよう、日頃の研鑽を心掛けていた
輩達の生き方が、この上ない手本となります。学生
だきたいと願っています。
学長 横山 勝樹
渡部 直也
内田 沙希
芸術学部 アート・デザイン表現学科
短期大学部 造形学科
ファッションテキスタイル表現領域 特任助教
共通科目 特任助教
アート、デザインに関わらず何か物を作る時、人の感情を動かすことが最
みなさんには、この世界がどのように見えていますか。芸術による表現には、
終的な目標となるのだと思っています。自分自身だけのためだけで作り
この世界に対する認識が表れていると思います。また、教育には、学習者の認
続けられません。自分以外の誰かのためにそれを作り、その相手を通し
識を広げたり深めたりする働きがあると考えます。みなさんに芸術について
て自分に喜びが返ってきます。作品を通じて伝えたい想いがあれば、そ
教えていただきながら、学習者の認識を広げたり深めたりするということは
れを表現するために自然と技術も向上します。まずはどういった世界を
どういうことなのかを一緒に考えていきたいと思います。教育について学ぶ
見せたいのか、作っていきたいのかを様々な影響を受けつつ構築してく
ことが、みなさんのより豊かな表現の一助となれば嬉しいです。
ださい。常に新しい感覚で突き進んで欲しいと思います。
新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。
の精神を受け継いできました。みなさんもこの言
私たち「女子美」は、新しい仲間となったみなさん
葉の意味をぜひ心に留めて、これからの大学生活
を心から歓迎しています。
を送ってください。21世紀は、地球環境・世界平和
女子美術大学・女子美術大学短期大学部の建学の
の問題など、難しい問題が山積している時代です。
精神は、
「芸術による女性の自立」
、
「女性の社会的
それゆえに日々の制作と研究を通して、女子美の
地位の向上」
、
「専門の技術家・美術教師の養成」で
建学の精神を世界に発信していくことが、私たち、
す。女子美の先生たちは、この言葉の意味を考えな
つまりみなさんの使命です。女子美でたくさんの
がら、美術とデザイン、そして関連する学問の世界
仲間を見つけてください。そしてみなさんの活躍
で日々制作と研究を実践している人々です。みな
に期待をしています。
さんの先輩たちも、先生たちとともに115年間こ
1982年北海道生まれ。多摩美術大学美術学部生産デザイン学科テキスタイル専
攻卒業。MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 2007にて柏木博賞
を受賞。
退職された先生方
12
1986年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群人間学類卒業。筑波大学大学院人
間総合科学研究科博士前期課程教育学専攻修了。
芸術学部
美術学科
洋画専攻
教授
上 明広( 2015 年 5月31日付)
芸術学部
デザイン・工芸学科
工芸専攻
教授
岡田宣世
Message 02
短期大学部
造形学科
共通科目
教授
佐藤善一
短期大学部部長
芸術学部長
大学院美術研究科長
小林 信恵
橋本 弘安
上 明広
Message 01
11
世界的フォトグラファー伊島薫氏
大 学 での 初 講 演 を 女 子 美 で 開 催
会では 伊 島 氏のドキュメンタリー映 画 も
各 地で大 き な 反 響 を 呼 び ま し た。講 演
在 も 広 告 写 真の第一人 者 として活 躍され
上 映、フォトグラファー伊 島 薫 氏のこれま
分 間でした。
90
年 代 よ り 作 品 制 作 を 始 め、現
ている伊 島 薫 氏の講 演 会 が、相 模 原キャ
での取 組みが 凝 縮 された
年から始 まった新シリー
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ンパスにて 開 催 さ れ ま し た。伊 島 氏 の
そして
”の 巨 大 な一作 品 を 講 演 会 の
Beautiful
代 表 作で あ り、国 内 外で 高い評 価 を 受
チャーが 講 演 会の中 心に。このシリーズ
教 室 前にサプラ イ ズで 準 備 し、
「 あ りの
You are
は「 も し 自 分 が 死ぬならば、どんな 風に
ま まに写した正 直な人 体のヴィジュアル」
ズで あ る“ あ な た は 美 しい”
“
死にたいか 」をテーマに 出 演 者の希 望 を
を 提 示 。女 子 美 生 に 大 き な インパク ト
け た「 死 体のあ る 風 景 」シリーズのレク
叶 えつつ、着 用 している 衣 装 を 紹 介 す る
Joshibi Art
02
を 与 える講 演 会 となり ました。フォトグ
査を長期にわたって取り組む意欲的な姿は、学生たちにとって大いに刺激
となり、勇気づけられるものとなりました。
ファッション写 真 として 撮 影 を 開 始 。木
しい。思い続ければ夢は叶う」とお話しになりました。第一線にて発掘調
P.9
ラファー伊 島 薫 氏 の個 展 を
底的に追求して生きていくために「夢は捨てちゃいけない、思い続けてほ
参照)
掘資料の紹介、夢を叶える秘訣など幅広く展開。自分の好きなものを徹
村 佳 乃、篠 原 涼 子、小 泉 今 日 子 ら 著 名
村作治先生による特別講演「古代エジプト文明の魅力」が杉並キャンパス
にて行われました。講演では、発掘現場ならではのエピソードや貴重な発
( 中 国・上 海 )にて 開 催いたし ま
Gallery
宙・人間・アート」で、エジプト考古学者であり早稲田大学名誉教授の吉
した。
( 詳 細は
2014年12月、芸術学部アート・デザイン表現学科主催の公開講座「宇
な女 優 を次々に起 用し、国 内のみならず
吉村作治早稲田大学名誉教授、
古代エジプト文明の魅力を語る
ド イツ、イ タリア、アメリカな どの 欧 米
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9
8
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芸術表象専攻 4 年生、
卒業研究発表会を開催
芸術学部美術学科芸術表象専攻では、2015年1月、相模原
キャンパスにて「卒業研究発表会」を開催しました。4年間の
集大成を学生一人ひとりが自分なりにまとめ、ひとり10 分間で
発表。発表会の終わりには同専攻北澤憲昭教授・杉田敦教授
より全体を通してのコメントがありました。この発表会には他
専攻の学生や大学院生、教職員など数名が聴講。卒業制作
展を控える学生にとって、まずは自分の研究を見詰める機会に
なったのではないでしょうか。
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News & Topics
伊島薫
1954年京都生まれ。広告写真の 第一人者として活躍する一方、80年代より作
品制作を始め、木村佳乃などを起用した
「死体のある風景」シリーズでは国内外
で高い評価受け、個展を数多く開催。特にドイツ、
イギリス、
イタリア、
アメリカなど
欧米各地では大きな反響を呼んだ。2012 年には展覧会のメインビジュアルとして
も起用され、
その作品か 大きな存在感を示した豊田市美術館「カルペ・ディエム」
展は約 2 万人を動員。
Report 05
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03
05
シルクスクリーンとミシン刺繍で日韓交流
杉並区立杉並第四小学校にて、
「いきものファッションショー」を開催
<ワークショップ参加人数>
杉並区立杉並第四小学校の小学生216名
女子美生50名 女子美教職員15名
2014年12月杉並区立杉並第四小学校にて、芸術学部アート・デザイン
1月下旬、相模原キャンパスに本学の学術交流協定校である、韓国 誠信
表現学科季里先生、鈴木理恵子先生、山村美紀先生、日沼禎子先
女子大学校工芸科の学生のみなさんが教員の方々とともに研修にいらっ
生が中心となり同学科有志学生50名を含む数十名が、小学校全学年
しゃいました。1日目は芸術学部デザイン・工芸学科工芸専攻のアトリエや
対象のワークショップ「いきものファッションショー」を行いました。これ
実習室の見学を中心にレクチャーを受講。つづく2日目は大判ハンカチに
は、人間以外の「いきもの」を1匹決め、形や色から創造した衣装を制
シルクスクリーンで植物柄をプリントし、そのプリント地にミシン刺繍で蝶
作し、ファッションショーを行うことで、表現力や創造力を高めるための
模様を施すことを実習体験しました。誠信女子大学校のみなさんは、明度
取り組みです。衣装の素材は米袋や色紙、セロハンなどさまざま。体育
の高い色の顔料や絵の具ついて興味津々。透明感のあるグレーやブルー
館で行われたファッションショーでは、一人ひとりがポーズを決め、ラン
の発色を見て「この色を使った作品を作りたい」と熱望。実習では韓国人
ウェイに見立てたマットの上を堂々とウォーキング。教員の方々も変身し
留学生が女子美生と誠信女子大生の交流をサポートしました。
て参加され、3人で1体のキリンを表現するという大作もみられました。
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大村智理事長「朝日賞」受賞
1929年に朝日新聞創刊 50 周年記念事業として創設された朝日賞。学
術・芸術の分野で傑出した業績をあげ、日本の文化や社会のさらなる発
展、向上に貢献した個人・団体に贈られています。さまざまな分野から注
目を浴びるなか2014年度の受賞者として本学 大村智理事長が選ばれ
ました。抗寄生虫薬の発見・開発と国際保健活動への貢献だけでなく、
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説得力のある提案スタイルで、来場者からも大好評
エコプロダクツ2014に女子美ブースを出展
美術振興にも尽力する姿が高く評価され、このたびの受賞となりました。
1月28日に日比谷の帝国ホテルで開催された贈呈式では、建築家・坂茂
世界共通の課題である「環境問題」。その予防と保全だけではなく
「エ
等を提案。試作品を効果的に配置したレイアウトは、わかりやすいと来
さん、脚本家・山田太一さん、熊本大教授・満屋裕明さんとともに表彰
ネルギー」
「住まい」
「食」といったテーマに対してもさまざまな提案を行
場者の方々から好評。指導教員として出展に付き添った同専攻教授 松
され、朝日新聞文化財団より正賞のブロンズ像と副賞500万円が贈られ
う日本最大級の展示会「エコプロダクツ2014」に、芸術学部デザイン・
本博子先生も「提案したいプランが形になっているので、手にとって見る
ました。また、来賓の青柳正規文化庁長官からは、大村理事長にご懇
工芸学科プロダクトデザイン専攻から女子美ブースを出展しました。
ことができる。それが大変効果的でした。なんといっても普段ほぼ接点
篤なご祝辞と称賛の拍手が贈られ、大村理事長は周囲への感謝の気持
ブースでは「自分たちにできることを、着実に形にしていこう」という主旨
のない業種の方々と、交流をもてたことがいちばんの収穫だと思います」
ちや今後の目標も交えたスピーチをされました。
のもと、廃棄物を利用したインテリアグッズや、野菜の新しい販売方法
と手応えを話されていました。
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News & Topics
News & Topics
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ノーベル物理学賞受賞 小柴昌俊先生
絵画のなかのカミオカンデに感動
太陽から放出されるニュートリノ観測装置として、岐阜県 神岡鉱山地下
深くにあったカミオカンデ。3000トンの超純水を蓄えたタンクと、壁面に
設置した1000本もの光電子増倍管で形成された巨大装置です。そのカ
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バティック
インドネシア伝統工芸 BATIKについての
特別講義を開催
ミオカンデの設計を指導・監督、自然発生のニュートリノ観測に成功し
た功績で2002年ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊先生が、1月24
日に女子美アートミュージアムにいらっしゃいました。1月7日から2月2日
2015年1月、学術交流協定を締結しているインドネシアジョグジャカルタ
やかな色彩表現と植物や動物などをモチーフとした模様が目をひくBATIK
まで開催された「平成26年度 退職教員記念展」には、芸術学部美術学
芸術大学 Institu Seni Indonesia Yogyakarta ( IS I)より3名の先生が来校
はインドネシアの伝統的なろうけつ染めのことで、民族衣装や工芸品など
科洋画専攻上葛明広教授がカミオカンデ訪問時の印象を描いた連作を
され、芸術学部デザイン・工芸学科プロダクトデザイン専攻の学生約20
幅広い表現領域で制作が行われています。講義では大学で行われている
出展。神岡鉱山のある飛騨市は上葛生の故郷であり、そのご縁から小柴
名を対象にBATIK(バティック)についての講義が行われました。講義をし
授業風景やファッションショー、教員や学生の作品などが紹介され、学
先生とも親交を深められていたとのこと。作品出展を知った小柴先生より
てくださったのはアリフ先生、スミノ先生、スーカン先生。実作品を手に
生たちは熱心に聴講しました。2月には、同専攻田村俊明教授によるISI
相模原キャンパスでインドネシアの工芸についてお話しくださいました。鮮
の学生作品についての講評が、ISIにて行われました。
「ぜひ観てみたい」とのお話があり、今回の来訪となりました。
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いせひでこ客員教授 特別講義
洋画専攻4年生による「女子美百景」
相模原キャンパスに登場
12月22日、杉並キャンパスにて芸術学部アート・デザイン表現学
科ヒーリング表現領域客員教授いせひでこ先生の特別講義が開
かれました。テーマは「創作の工房と記憶のひきだし」。前半で
12月17日から19日までの3日間限定で、芸術学部美術学科洋画専攻の4
は、いせひでこ先生の作品「ルリユールおじさん」の創作秘話をス
年生が企画実施する学内卒業制作展、Pre-Exhibitionが開催されました。
ライドで紹介。パリでの出会いからルリユールという職業の取材、
会場はいままで自分たちが制作の場としていた相模原キャンパスの1号館
いせひでこ
ストーリーの誕生、完成後のサプライズなど、具体的なエピソー
や8号館などのアトリエ。今回で3回目となる学生主体運営のこの企画、
1949 年北海道生まれ。1972 年東京芸術大学美術学部デザイン科卒業。
ドを交えて講演していただきました。後半は記憶をテーマに、子
2014年は102名のさまざまな卒業制作が出展されました。Pre-Exhibition
の運営は授業の課題のひとつでもあるため、同専攻4年生にとっては同級
生と取り組む学生生活最後の企画です。ゲストによる講評会やオープニン
グレセプションも開催され、女子美視点にあふれる展覧会となりました。
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News & Topics
『マキちゃんのえにっき』
(講談社)
で野間児童文芸新人賞、宮沢賢治作品
『水仙月の四日』
(偕成社)
では 産経児童出版文化賞美術賞を受賞。そ
の後も
『1000 の風 1000 のチェロ』
『にいさん』
(偕成社)
など多くの作品を
発表。
『ルリユールおじさん』
(理論社)
は講談社出版文化賞絵本賞を受賞
し、世界各国の言語で翻訳出版されている。絵本の他にエッセイ『旅する
絵描き パリからの手紙』
(平凡社)
など。
どもの感覚的記憶と、3.11震災の記憶について。いせひでこ先生
が度々訪れスケッチしていた1本のクロマツ、そのたった1本の木に
も、壮大なストーリーがある。便利な時代だからこそ、手を動かし
て描くことが大切とのお話に、学生たちは大きく頷いていました。
News & Topics
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加藤成之記念賞
福沢一郎賞
大学院
大学院
畠山里枝
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平成 26 年度 卒業制作賞・優秀作品賞 等 受賞者
美術研究科修士課程芸術文化専攻色彩学研究領域
女子美術大学美術館賞
坂内直美
美術研究科修士課程美術専攻洋画研究領域
中村花絵
美術研究科修士課程美術専攻版画研究領域
芸術学部
大学院 中村花絵
美術研究科修士課程美術専攻版画研究領域
佐藤善一先生、最終講義
教育の原点を振り返る
芸術学部
小松美里
美術学科洋画専攻
渡邊 葵
美術学科日本画専攻
小松美里
美術学科洋画専攻
大久保婦久子賞
高屋 緑
巾崎知佳
美術学科立体アート専攻
美術学科日本画専攻
李
美術学科立体アート専攻
齋藤桃花
美術学科芸術表象専攻
大学院
長谷川祐実
デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻
吉高百音
デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻
中村美穂
美術研究科修士課程美術専攻版画研究領域
小林美菜
デザイン・工芸学科プロダクトデザイン専攻
代市成美
デザイン・工芸学科プロダクトデザイン専攻
橋本亞里須
美術研究科修士課程美術専攻工芸研究領域
神山尚子
デザイン・工芸学科環境デザイン専攻
崔 守然
デザイン・工芸学科環境デザイン専攻
徐 倩文
美術研究科修士課程デザイン専攻視覚造形研究領域
石瀬華子
デザイン・工芸学科工芸専攻
井上 舞
デザイン・工芸学科工芸専攻
工藤 遥
美術研究科修士課程デザイン専攻環境造形研究領域
片山裕季子
アート・デザイン表現学科ヒーリング表現領域
小川未央
アート・デザイン表現学科メディア表現領域
梁 丞延
美術研究科修士課程芸術文化専攻美術史研究領域
清野優奈
アート・デザイン表現学科ファッションテキスタイル表現領域
池田桃子
アート・デザイン表現学科ヒーリング表現領域
飯島真理子
美術研究科修士課程芸術文化専攻芸術表象研究領域
澤田優紀穂
アート・デザイン表現学科アートプロデュース表現領域
清野優奈
アート・デザイン表現学科ファッションテキスタイル表現領域
古市晶子
アート・デザイン表現学科アートプロデュース表現領域
栗田恵子
造形学科美術コース
大学院
増田茉里奈
専攻科造形専攻創造デザインコース
中村花絵
中村恵里花
1月13日杉並キャンパスにて行われました。佐藤先生は1994年
より本学で教鞭をとられ、教職課程や共通科目の教授としての
みならず、常務理事として本学の経営にも携わっていただきまし
た。最終講義のテーマは「教育方法 もう一つの視点」。大学
進学が当たり前になって久しい昨今で、相対的貧困率が先進諸
国の中でも上位の日本の課題について言及。佐藤先生の教育
の原点でもあるバイパススクールの事例を交えながら、教育基
短期大学部
女子美術大学美術館収蔵作品賞
短期大学部
2014年度で本学を退職された佐藤善一教授の最終講義が、
専攻科造形専攻創造デザインコース
本法の進展に期待を寄せていました。講義の終わりには学生の
みならず、多くの教員、職員が駆けつけ花束を贈呈。いつでも優
しい言葉で、学生・教職員と接していた先生の笑顔を忘れること
美術研究科修士課程美術専攻版画研究領域
はありません。佐藤善一先生、30年間ありがとうございました。
優秀作品賞
卒業制作賞
卒業制作賞
芸術学部
芸術学部
漆畑 流
美術学科洋画専攻
上野ゆめ子
美術学科洋画専攻
小松美里
美術学科洋画専攻
木村光里
短期大学部 造形学科
美術学科洋画専攻
美術学科洋画専攻
清水千恵里
清水智香子
廣畑聡美
美術学科洋画専攻
美術コース
横山芙実
美術学科日本画専攻
杉本麻菜美
樋口綾香
美術学科洋画専攻
デザインコース情報デザイン
金 智圓
美術学科立体アート専攻
鈴木千尋
佐藤恵美奈
美術学科洋画専攻
デザインコース情報デザイン
デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻
山本芹奈
宮林 冴
臼井くるみ
美術学科洋画専攻
デザインコース創造デザイン
中川美香
デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻
池田真依子
奥原聡美
美術学科日本画専攻
デザインコース創造デザイン
増田薫子
デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻
近藤ひかり
鈴木聖乃
美術学科日本画専攻
冨樫宝子
デザイン・工芸学科プロダクトデザイン専攻
中村風香
橋本小也香 デザインコース創造デザイン
美術学科日本画専攻
デザイン・工芸学科環境デザイン専攻
新井夏菜
古澤美夏子
神山尚子
美術学科立体アート専攻
井上 舞
デザイン・工芸学科工芸専攻
菅田比歩海
美術学科立体アート専攻
石川彩乃
アート・デザイン表現学科メディア表現領域
神谷美香
デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻
片山裕季子
アート・デザイン表現学科ヒーリング表現領域
栗原 萌
デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻
清野優奈
アート・デザイン表現学科ファッションテキスタイル表現領域
品川陽香
短期大学部 専攻科 造形専攻
デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻
関澤見公
美術コース
中本ちはる
デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻
情報デザインコース
神田さ希
小泉彩夏
デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻
創造デザインコース
矢田沙和子
緒方智子
デザイン・工芸学科プロダクトデザイン専攻
創造デザインコース
米村亜貴子
鶴田紗弓
デザイン・工芸学科プロダクトデザイン専攻
創造デザインコース
鄭 潤智
増田茉里奈
デザイン・工芸学科プロダクトデザイン専攻
中川温喜
デザイン・工芸学科環境デザイン専攻
加藤佳苗
短期大学部 造形学科
デザイン・工芸学科工芸専攻
小野澤久美
美術コース
廣瀬結香
デザイン・工芸学科工芸専攻
美術コース
山中 優
加藤衣美
デザイン・工芸学科工芸専攻
美術コース
澤田夏海
疋田 彩
アート・デザイン表現学科メディア表現領域
デザインコース情報デザイン
齋藤千鶴
岩見佳奈
アート・デザイン表現学科メディア表現領域
篠﨑志歩
デザインコース情報デザイン
鳥居未乃莉
アート・デザイン表現学科ヒーリング表現領域
デザインコース創造デザイン
前嶋規子
鈴木尚子
アート・デザイン表現学科ヒーリング表現領域
デザインコース創造デザイン
安保茶々
美澤はるか
アート・デザイン表現学科ファッションテキスタイル表現領域
デザインコース創造デザイン
寺田くるみ
脇本沙紀
アート・デザイン表現学科ファッションテキスタイル表現領域
※共同制作にて受賞
大西香澄
アート・デザイン表現学科メディア表現領域
田所日菜子
アート・デザイン表現学科メディア表現領域
古市晶子 アート・デザイン表現学科アートプロデュース表現領域
卒業研究賞
芸術学部
齋藤桃花
美術学科芸術表象専攻
久保田結衣 アート・デザイン表現学科アートプロデュース表現領域
優秀研究賞
芸術学部
金子知帆
美術学科芸術表象専攻
松田紗奈
アート・デザイン表現学科アートプロデュース表現領域
※共同制作にて受賞
秋山 葉
アート・デザイン表現学科メディア表現領域
石川由貴
アート・デザイン表現学科メディア表現領域
美術コース
デザインコース創造デザイン
優秀作品賞
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アーティストになるための方法はあるのか?
卒業生 蔵屋美香さん“五美大展”で講演
2月19日から3月1日まで、国立新美術館で開催された「平成26年度・第
ヴェネチア・ビエンナーレでキュレーションを手掛けた日本館が特別表彰
38 回 東京五美術大学連合 卒業・修了制作展」。通称“五美大展”にて、
を受けるなど世界を舞台に活躍中です。講演テーマは「学校を出て、こ
講演会が開催されました。講演者のひとりは文部科学省 教育課程課
の先わたしはどんなふうに美術とつきあって行くのだろう」。会場は本学
教科調査官の東良雅人氏、講演テーマは「見つめること、感じ取る~子
どもたちが自分の中で新しい価値をつくりだす創造活動~」。ご自身が
学生の他、他美大生や高校生で席は埋まり、熱心に聴き入っていました。
「アーティストになるためのセオリーはないです。けれども、アーティスト
教壇に立って感じた事から美術教育の現状、そして生徒との接し方につ
になるために必要なことはあります」。講演後の蔵屋さんには、感想を伝
いて講演いただきました。そしてもうひとりは東京国立近代美術館 美術
えるための来場者が列をなし講演会は成功に終わりました。
課長の蔵屋美香さん。蔵屋さんは本学の卒業生で、2013年には第55回
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News & Topics
News & Topics
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展覧会報告
JAM 女子美アートミュージアム展覧会情報
JAM
平成26年度
女子美術大学大学院修士課程修了制作作品展
3 /11 (水)
3 /20 ( 金 )
※女子美ガレリアニケと同時開催
平成26年度大学院美術研究科修士課程修了生の展覧会を開催。JAMで
は洋画、版画、日本画、工芸、立体芸術、視覚造形、環境造形、芸術表
象を専攻した学生の作品を展示しました。
女子 美ガレリアニ ケ
平成26年度 女子美術大学大学院
修士課程修了制作作品展
女子美術大学AP(アートプロデュース表現領域)卒業制作(南嶌ゼミ+日沼ゼミ)
AP Theatre 2015 -AP劇場2015-
1/16 (金)
3 /11 (水)
2 /4 (水)
アートプロデュース表現領域4年生による卒業制作展。アートの枠組みに囚われ
ない自由な作品をご紹介しました。
3/20 (金)
※JAMと同時開催
平成 26年度大学院美術研究科修士課程修了生の展覧会を開催。女子美
ガレリアニケではメディアアート造形、ヒーリング造形、ファッション造形を
専攻した学生の作品を展示しました。
歴史資料展示室
平成26年度収蔵資料展
収蔵資料にみる女子美の歩み
9 /4 (木 )
3 /15 (日)
収蔵資料により本学の歴史を紹介。本展では、昭和24年(1949)新制大学・
女子美術大学発足時より1960年代までの資料を中心に展示しました。
展覧会予告
JAM
4 /6 ( 月 )
女子美ガレリアニケ
4 /26 (日)
5 /13 (水)
※4月19日(日)
特別開廊
Exhibition information
26
年度
今年度の
「 退 職 教 員 記 念 展 」で は、上 葛
明広先生(芸術学部美術学科洋画専攻教
Exhibition information
授、大学院美術研究科教授)と 岡田宣世
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先生(芸術学部デザイン・工芸学科工芸
本学短期大学部1年生の自由選択授業で制作された学生作品を展示します。
専攻教授、大学院美術研究科教授)の 作
女子美術大学短期大学部 1年前期 学生作品展
品を 紹介しました。会場には、両先生の
※7月19日(日)7月20日(月・祝)
特別開廊
学生時代の 作品から、近作に 至るまでの
8 /5 ( 水)
多 数 の 作 品 が 展 示 さ れ、多 く の お 客 様
6 / 26 (金)
で 賑 わい ま し た。会 期 中 に は お 二 人 の
収蔵資料展示を通じて本学の110余年の歴史を紹介するとともに、一部コーナー
にて創立100年を迎えた本学付属高等学校・中学校の関係資料を展示します。
ギャラリートークも 開催され、先生方を
-女子美術大学付属高等学校・中学校創立100周年記念-
2/ 2 (月 )
慕うたくさんの 卒業生や 在校生が 来館
平成 27年度収蔵資料展 収蔵資料にみる女子美の歩み
本学美術館所蔵コレクションの中から、本学卒業生で元教授である洋画
家・森田元子の新収蔵作品をご紹介します。
されました。長年にわたり 教鞭をとり、
休室日:火・日・祝日、8月5日~ 9月5日、10月30日、12月25日~1月6日
※7月19 ~ 20日、9月6日、10月25日、3月13日特別開室
女子美術大学美術館収蔵記念
森田元子 -真実の形象 - 展
後進の 育成に 携わるとともに、作家とし
3/13 (日)
6 / 17 ( 水)
て 創作活動に 取 り 組んできたお 二人に
4/3 (金)
5 /22 (金)
2015/1 / 7 ( 水 )
よる 華やか な 展 覧 会と なりました。
歴 史 資 料展 示 室
J A M 展 覧 会報 告 P I C K UP
平成
本学絵画学科出身で第17回岡本太郎現代芸術賞展 岡本敏子賞を受賞し
たサエボーグをご紹介します。
女子美術大学
Slaughterhouse -13
退職教員記念展
新収蔵作品とパリ賞の作家たち展
4 /6 (月)
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女子美術大学広報誌
発
行
学校法人女子美術大学
〒166-8538
東京都杉並区和田1-49-8
企画 • 編集
総務企画部広報グループ
監修担当
浅野正博•林規章
デザイン協力
株式会社 Kitchen Sink.
印
株式会社 ヒーローズ
発
刷
行
日
2015 年 4 月 3 日
c 2015 学校法人女子美術大学
広報グループでは女子美のニュースを募集し
ています。お気軽に下記までお知らせくださ
い。また、
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グループ
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