第3章 環境衛生

第3章 環境衛生
平成27年6月24日
3時間目と4時間目
第3章 環境衛生
•  1.総論
•  2.大気環境
•  1)空気 (1)二酸化炭素 (2)一酸化炭素 (3)アンモニア (4)浮遊塵
埃 a. 家畜と塵埃 b. 浮遊塵埃への対策 (5)大気汚染物質 (6)空
気の自浄作用
•  2)気温・気湿・気流 (1)家畜の体温と環境への適応 a. 体熱の生産、
吸収 b. 体熱の放散 放射 対流 伝導 蒸散 c. 体温調節と特徴的
な生体の反応 d. 臨界温度および適応限界温度 e. 暑熱が家畜の生
産性に及ぼす影響 飼料摂取量と増体率 肉質の悪化 泌乳 産卵 繁
殖機能 産毛 (2)気温 (3)気湿 a. 至適湿度 b. 体感湿度 c. 湿
度が家畜の衛生に及ぼす影響 (4)気流(気道) (5)放射熱 (6)暑
熱・寒冷対策
•  3)気候
•  4)光 (1)赤外線 (2)可視光線 a. 光周期 b. 光線管理法 (3)紫
外線 a. ドルノ b. 紫外線殺菌法 (4)光線過敏症
2.大気環境
•  1)空気
•  (1)二酸化炭素
2.大気環境
•  (2)一酸化炭素
2.大気環境
•  (3)アンモニア
2.大気環境
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(4)浮遊塵埃
a. 家畜と塵埃
b. 浮遊塵埃への対策
(5)大気汚染物質
(6)空気の自浄作用
2)気温・気湿・気流
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(1)家畜の体温と環境への適応
a. 体熱の生産、吸収
b. 体熱の放散 放射 対流 伝導 蒸散
c. 体温調節と特徴的な生体の反応
d. 臨界温度および適応限界温度
e. 暑熱が家畜の生産性に及ぼす影響 飼料摂取量と増体率 肉質の
悪化 泌乳 産卵 繁殖機能 産毛
(2)気温
(3)気湿 a. 至適湿度 b. 体感湿度 c. 湿度が家畜の衛生に及ぼす
影響
(4)気流(気道)
(5)放射熱
(6)暑熱・寒冷対策
家畜生産において、日本では暑熱の影響
が最も大きい
(1)温度 生産適温域と熱的中性圏の定義:覚える!
•  生産適温域:家畜には生産のために最も適した環境温度
域=温度ストレスの小さい温度域=飼養効率が高い温度
条件
•  熱的中性圏:気温が変化しても体表面の血管運動、発汗、
呼吸、立毛によって一定レベルの体温を維持することが可
能なために、体内で代謝による熱生産量を変化させる特
別な努力を必要としない温度域
寒冷環境の影響
•  環境温度が10度以下の寒冷環境
•  3週間飼育された豚の場合
•  摂食量は約5%の増加
•  増体率は約27%の減少
暑熱の影響
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乳牛(ホルスタイン種)の原産地:オランダ北部地方 品種改良は北アメリカ、カナダの冷涼な地域 ホルスタイン種は寒さには強いが暑さには弱い 生理的に大量の牛乳を生産するため。大量の 養分を
摂取し、摂取した飼料を第1胃内で発酵させ、多量の
熱産生を起こす。 •  体温調節機能が不十分であるため放熱が十分でない。 •  このため暑熱時には生理、生産への影響は極めて大
きい。
熱的中性圏
•  同一家畜種でもその成長段階によって熱的
中性圏が異なる。
•  新生子豚、雛は成豚や成鶏に比べて熱的中
性圏が高い
•  快適温度域(最適温度域):熱的中性圏で最
もエネルギー損失の少ない温度域
•  体感温度 Effective temperature
•  臨界温度 Critical temperature
•  熱的中性圏 Zone of thermoneutrality
Thermoneutral range
Thermal neutral zone
体温調節と体熱平衡
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生体の体熱平衡の概念 M=E ± C ± K ± R ± W ± S 熱産生=蒸発 ± 伝導 ± 対流 ± 放射 ± 仕事 ± 蓄熱量 熱産生は熱喪失のバランスが保たれている
時には、体温の上昇や下降はない。
放熱経路に影響する要因
ヒトの場合:輻射(放射)/伝導/蒸発=60:15:25�
放熱経路
•  蒸発
•  伝導
•  放射
•  対流
放熱経路:蒸発
•  蒸発:汗腺から分泌された汗や水浴びなどで体表に存在する
水分が外気中に蒸散することにより生じる放熱の一種。
•  不感蒸発:明瞭な汗(感蒸発)としては認められないが体表面
や呼吸気道の粘膜から蒸発が生じていること。
•  気化熱:体表面や呼吸気道から水分が蒸発するときに奪われ
る気化熱は、水分1g当たり0.58kcal
放熱経路:蒸発
•  蒸発量:気温と気湿の影響を強く受け、気温が高く気湿が低
いときには多く蒸発。
•  汗を分泌する汗腺(能動汗腺)が最も発達している動物:馬。
わずかに牛。
•  能動汗腺の発達が貧弱な動物:牛>水牛>山羊>羊>豚 •  能動汗腺を持たない動物:鶏 鳥類
皮膚、気管粘膜が接している水を蒸
発させる放熱方式を、蒸発という
•  安静時も、成人からは、毎時50mlの水分が、水蒸気
として排出 •  高温環境で運動すると、蒸発水分量は30倍 •  水分が蒸発する部位は、主に、皮膚と気管粘膜 •  皮膚からの発汗は、明確に「汗をかいている」と意
識される発汗と、意識にのぼらない発汗 •  気管粘膜から蒸発し、呼気から失われる水蒸気も、
意識されずに失われる水分 •  意識にのぼらない発汗と、呼気中の水蒸気とを合わ
せて、「不感蒸泄」
放熱経路:蒸発 人類の体毛が薄くなった理由
•  人類の場合、体毛による外圧保護より
も、毛穴=汗腺の数を増やすことで体
温調整を可能にして来た結果なのだ
ろうと推測されます。 •  体温調節機能の発達した動物は持久
型、つまり長距離移動の得意な鳥類
や馬等に見られる特徴でもあり、洞窟
内での歩行訓練(踊り)や長距離移動
(拡散)適応の結果であろうと想われ
ます。
体毛が薄くなり、肌が黒くなる
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体毛が無い 発汗により劇的に冷却可能 脳のオーバーヒートを避ける 脳の熱を皮膚から出す サバンナにおける長時間の活動が可能 紫外線に対する保護:体毛 毛を無くして、メラニン色素で紫外線カット 紫外線による葉酸の破壊を阻止 太陽光はビタミンDの合成に必要 少ない紫外線の地域に定住:肌の色を薄くする対応 アフリカに20万年前に発祥し、6万年頃から移動
伝導
•  伝導:生体と生体が直接接触して
いる物体との間に生じる熱移動。
•  両者の接触面が大きいほど熱伝
導効率は高くなる。
•  接している物体の温度が体温より
低いほど多くの熱が奪われる。
•  生体内部においても生じる:生体
の核心温度は体表面の表層温度
より高く、核心部と表層部との間
に温度勾配が形成。
伝導
•  暑熱環境下:皮膚血管が拡張して
表層部を流れる血液循環量が増
加するために核心部と表層部との
間の温度勾配が小さくなる。
•  寒冷環境下:皮膚血管が収縮して
表層部を流れる血液循環量が減
少するために、核心部と表層部の
間の温度勾配が大きくなる。
放射・対流
•  家畜の蹄や四肢:対向流熱交換機能が発達し
ており、体温調節で重要な働き。
•  馬や人以外の動物は能動汗腺が発達してい
ないので、呼吸による熱放散が生理的には重
要な役割。
対流
•  対流:体表面をおおっている空気層の移動。
•  家畜では被毛が発達しているため皮膚に直接接して
いる空気層の移動は人に比べて起こりにくい。
•  体表近くの空気は体温によって熱せられると空気密
度が低下して上昇する。
•  このときに空気の入れ替わりが生じる。
•  従って、対流の起こりやすさは体表面温度と空気と
の間の温度差や風の影響を受ける。
一般的に体の小さな動物ほど外界の温度変化
に影響されて脳温が変わりやすい
(参考書籍:汗の常識・非常識 講談社)
暑さ、寒さをどう凌ぐか?
•  暑さの程度は次式によって示すことができる •  暑さ=気温+気湿+放射熱−気動 •  一般に暑さとは、家畜の飼養場所の気温によっ
て代表されているが、気温だけでなく床や壁の
温度、太陽からの放射熱も直 接・間接に影響す
る。
•  暑さを規制する温度以外の要因として湿度と気
動である。
熱産生
熱産生:脳、心臓、肝臓、骨格筋、脂肪組織など全身
の臓器や器官における代謝の結果
•  安静時:肝臓と脳で高い 褐色脂肪組織(乳児)
•  運動時:骨格筋(収縮)熱生産で高くなる
•  熱源:グルコース、脂肪も重要
•  摂食後:腸管(特異動的作用)
熱産生の機序
•  動物体内では寒冷時には熱を増加させる工夫
•  非ふるえ産熱
(non-shivering heat production)
•  ふるえ産熱
(shivering heat production)
消費エネルギーの70%は、熱になります。 代謝そのものが、主たる熱源です。
非ふるえ産熱
•  内臓や骨格筋の日常的な活動、褐色脂肪細胞の
代謝による産熱
•  産熱の増大
•  交感神経活動の亢進
•  甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、グルカゴ
ンなどの内分泌物質の増加
ふるえ産熱
•  ふるえ産熱:寒冷刺激によって生じる骨格筋の不随意的な小
刻みな収縮活動。
•  基礎代謝の2 3倍の産熱量がもたらされるが、エネルギー消
耗が激しいために長期間にわたってこの働きによる熱産生を
維持することは困難。
•  寒冷馴化した動物:ふるえ産熱に対する依存度が低下し、非
ふるえ産熱の効率が高まる。
熱産生と動物
•  人や齧歯類、冬眠動物:皮下脂肪のような白色脂
肪の他に、褐色脂肪組織が肩甲骨間、大動脈周囲、
腎臓周囲、腋下に多く存在。
•  若齢羊:骨格筋の他に、腹部内臓、特に腎臓周囲
に褐色脂肪を多く有する。
褐色脂肪細胞
•  褐色脂肪組織は褐色脂肪細胞を主な構成細胞
とし肩甲骨間, 腋窩, 後頚部, 心臓, 腎周囲に存
在
•  交感神経系の支配のもとに組織内で脂肪を酸化
分解して熱を発生させ、寒冷から臓器を守ること、
過食後の余分なエネルギーを熱として体外へ放
散するラジエーターとして働く。
•  この点が、褐色脂肪組織が白色脂肪細胞の機
能と大きく異なる。
白色脂肪細胞 vs 褐色脂肪細胞
•  両者の細胞は形態学的にも異なる。
•  白色脂肪細胞は単房性の大脂肪滴で満たされてお
り、核や細胞質は細胞周辺へおしつけられている。
•  褐色脂肪細胞は多房性の脂肪滴と豊富なミトコンド
リアで満たされている。
白色脂肪細胞
•  白色脂肪組織は一般に脂肪組織として知られてい
るもので量的にも多く、全身に広く分布。
•  白色脂肪組織は、食物摂取後の余剰エネルギーを
中性脂肪の形で貯め込み、必要な時に脂肪酸とグ
リセロールの形で全身に再供給するために特殊化
した器官
•  白色脂肪細胞は少なくともこのような脂肪の合成と
分解の両能力を同時に有する細胞と定義
暑熱が家畜の生産性に及ぼす影響
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飼料摂取量と増体率 肉質の変化 泌乳 産卵 繁殖機能 産毛 暑熱ストレス
•  飼育環境における気温の変化は家畜、家禽の健
康や生産性を左右する重要な要因。
•  暑熱ストレスによる影響:
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食欲低下、
肥育効率の低下、
泌乳量の低下、
生殖機能の低下、
産卵率の低下、破卵率の上昇、
各種感染症罹患率の増加
暑熱ストレス
生殖機能の低下:
造精機能の低下、
精子奇形率の上昇、
精液濃度の希薄化、
精子運動の抑制、
着床率の低下・・・これらを総称して夏季不妊症Summer
sterility
•  30℃以上の高温に曝されると、
豚:体脂肪融点の上昇がおこり、肉質悪化。
肉牛:脂肪組織の減少により肉質の低下。
気温が高いと受胎率も低下!�
体温が39.5℃以上になると受胎率
が低下を開始、39.8℃以上で顕著
に低下。�
気温�
ストレスも活性酸素!?
•  夏季の暑熱環境は初期胚発生や生殖細胞レベルで悪影響
を及ぼし、繁殖成績の低下などを引き起こすことが報告
されている。 •  近年の研究により、暑熱による障害は細胞内活性酸素の
増加と関係することが指摘されている。 •  2細胞期からブラトシストまでの間に暑熱ダメージが大
きい。 •  対策:暑熱ダメージを受けていない新鮮胚を暑熱ストレ
スを受けた牛に移植
暑熱ストレス
•  一般的に家畜は低温環境に強く高温環境に
は弱い。
•  特に草食動物では第一胃や盲腸などの消化
管内で微生物による食餌の分解を行っている
ため、その分解過程で生じる発酵熱によって
体温が上昇している。
暑熱ストレス
•  特に代謝が活発な泌乳牛は肉牛や乾乳牛に比べて
体温が高く、ホルスタイン泌乳牛の標準的な体温は
38.6℃程度である。
•  乳牛では気温が24℃を越えると泌乳量の減少や食
欲の低下が現れはじめ、27℃では泌乳量の明瞭な
減少、30℃以上では著しい摂食量の低下や摂食停
止が生じる。
•  乳牛では泌乳量の低下だけではなく、乳脂率、蛋白
含有率、乳糖率も低下。
暑熱ストレス
•  ホルスタイン牛:
•  暑熱ストレス→摂食量の減少と甲状腺ホルモン合成
の抑制→増体率の低下。
•  家畜の産熱量: •  1日の産熱量は明暗周期に同調した日内変動があり、
夜間に低く、夕方の日没頃に最も高い変動。摂食行
動によっても体温が上昇。
乳牛の熱産生量の日内変化
産乳量でも歴然と違う!
採卵鶏の熱産生量の日内変化
日内変動は明暗周期でコントロール!
暑熱環境における対策
•  舎飼いの場合:換気扇で温度と湿度の低下に努める。
•  猛暑時は家畜への冷水散布、扇風機による風当てが効果
的。
•  畜舎構造(断熱材など)、木立、畜舎配置などを留意。
•  夜間の温度管理が特に重要・・夜間放牧は意義がある。
•  夏季に繊維質や高蛋白飼料の多給は体温上昇。
•  飲水は脱水症の防止と体温上昇防止に必要。
•  放牧の場合:日中に熱射病や、日射病:疵蔭林、水飲み場
の適切な配置 暑い時は、どうしたら良いのか?
•  暑熱時の乳牛の損耗や乳量の減少は、酪農経営にとって大きな課題
である。このため、大型送風機の利用やエネルギーの増給など、
様々な対策が取られているが、繁殖障害等の被害は減少していない。
この原因として、暑熱対策が人間の感覚によって実施されるため、
乳牛の暑熱感受時期と暑熱対策実施時期にずれが生じていること、
実施されている対策が期待される効果を上げていないこと、等が考
えられる。 •  細霧!呼吸数を低下させ、暑熱ストレスの低
減に有効
2)寒冷ストレス
生産適温域を超える寒冷刺激
•  生産性に影響
•  増体量、泌乳量、産卵率の低下
•  →摂食によって獲得されたエネルギーの多くが体温維
持に消費される。
•  新生子豚:初乳の消化管からの吸収が抑制
•  →産熱のためのエネルギー不足と
初乳中免疫グロブリンの吸収不足
→各種感染症に罹患
2)寒冷ストレス
寒冷刺激→四肢などの末梢の皮膚循環血液量の減少→乳
房などの凍傷
•  寒冷適応の個体はそうでない個体に比べて寒さに対する
耐性が高い
•  寒冷環境下:交感神経の緊張亢進によるノルアドレナリ
ンの分泌亢進によって脂肪が分解され、その結果生じる
遊離脂肪酸の利用効率が高まり熱産生が促進
新生子豚の寒冷死と適温
•  子豚は生まれてから、急激に体温が低下す
る。体表から温度が失われていく。多くの動
物では、このように急激な温度低下を防ぐた
め褐色脂肪が体の中に存在している。また、
牛や馬、犬や猫では生まれたら、親が子供の
体温を下がらないように体を舐めて、母親の
体温で体温の喪失を少なくする。この様な母
性本能が、豚の場合には行動が欠けている。
この事を良く理解した上で分娩舎での管理す
ることが必要である。
分娩時の管理 •  1) 子豚の体を拭いて、胎
水を取り除く。 体温の低下
と初乳摂取までの時間を
短縮する。また、牛では免
疫グロブリンの吸収が高ま
ることも報告されている。 •  2) 分娩時の加温 分娩時に
は、生まれるところを暖かく
し、生まれたら直ぐに体に
付着している胎水を取り除
くことが重要であることが
分かる。 分娩舎と離乳舎の温度管理
•  1) 分娩舎の温度管理 分娩舎の温度は、母豚の適温に合わせる。子豚
は保温箱などで暖かい所を作って寒さ、風から守れるようにする。母豚に
合わせることにより、飼料摂取量が多く、泌乳量が増す。結果的に子豚
の状態が良くなる。筆者は、16∼20度を適温と考え、設備、管理人の技
術などを考慮に入れてアドバイスしている。 注意する点として、床面の
温度とピット下の温度には気をつける。ピット下は冷気が溜まっていて、
風ガスブルーダーなどにより冷気が上がらないようにするため、ゴムマッ
トなどを敷く。 •  2) 離乳舎の温度管理 離乳は、母豚という180ワットの熱源が無くなるた
め、温度管理が重要である。寒いと感じさせないためには、分娩舎の温
度よりも離乳舎は高めに設定することが基本である。豚は二度生まれる
と言われているように、分娩時と離乳時の温度は管理が重要である。 筆者は、25度を大まかな目安としているが、日齢、設備などで大きく異な
る。
子牛の体温を下げる4つの熱放散
新生子牛は寒冷ストレスに敏感
○子牛が生まれたらの体表をタオルで拭き、早く乾燥さ
せる ○初乳を確実に飲ませる ○敷料を十分に敷き、「子牛の腹を冷やさない」 ○風が直接あたらないように畜舎を補修する ○保温ジャケットや保温ランプを活用する ○換気、畜舎の清掃を励行し、アンモニア濃度の上昇
を避ける ○栄養不足が見られるようなら、増し飼いをする
暑熱ストレスと寒冷ストレスの違い!
•  乳牛の場合 •  暑熱ストレス:エサを食べることが酷くする! •  寒冷ストレス:エサを食べることが和らげる! • 
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どういうこと? 牛の熱を生産する方法は二つある 代謝による熱生産 ルーメン発酵による熱生産
ここがポイント
•  ルーメンとは乳牛の体に埋め込まれた暖房器
具のようなもの •  エサを食うという行為が暑熱ストレスを酷くす
る!! •  暑熱ストレス時に相応しい飼料設計が必要!
(2)気温と気湿
•  湿度は気温と同様に体温調節に大きく影響する要因
•  熱放射のうち、蒸発は湿度が高くなると効率が悪くな
る。
•  湿度70%以上では蒸発による熱放射の抑制度が大き
い。
•  高温高湿条件では体温上昇、低温高湿では伝導に
よる熱の喪失が大きい。
•  暑熱環境:暑熱湿潤型(95%以上の熱帯雨林)、
暑熱乾燥型(砂漠)
湿度
•  空気中の水蒸気は空気の成分としては取り扱わない。
•  水蒸気の重さは空気よりも軽いので、湿潤空気は乾
燥空気より軽い。
•  空気の水蒸気含有力(水上気圧)は気温に支配され
るので温度の高い気温ほど水蒸気含有力が大きい。
•  気湿は緯度の高くなるほど減少し、寒帯に少なく熱帯
に多い。
•  湿度の日変化は気温と逆の関係。早朝が最大で14
時頃が最小。年変化は夏季に大きい。
不快指数
•  気温や気湿など幾つかの気候要素とを組み合わせ
て人体の感じる、快、不快の程度を表す指数。
•  温湿指数ともよぶ。Thomが冷房の必要度に対する
目安として考案。1959年ニューヨークの気象台で採
用。
不快指数
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不快指数(Discomfort index:DI) DI=0.72 (t1+t2)+40.6℃
t1:乾球温度、t2:湿球温度
70:10%のヒトが不快感を感ずる。
•  75:50%のヒトが不快感を感ずる。
•  80:殆どのひとが苦痛を感ずる。
•  85:我慢ができなくなる。危険となる。
3)気候
日本の気候:家畜の適温域
•  平均気温で適温域の上限温度内は採卵鶏の
み •  東京、熊本:5−9月までは乳肉牛、ブタの適温
域を超える! •  生産性が落ちる・・・・これが大問題! •  温暖化が拍車をかける! 日本各地の平均温度と家畜の適温域
牛・豚は、東京以西では5月から10月までが適温上限を超す
ブロイラーでは、6月から9月が適温上限を超す�
鶏の飼育羽数トップ10
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成鶏羽数 産卵数 1.茨城県 茨城県 2.千葉県 千葉県 3.愛知県 鹿児島県 4.鹿児島県 広島県 5.広島県 岡山県 6.岡山県 愛知県 7.北海道 北海道 8.三重県 新潟県 9.新潟県 青森県 10.香川県 兵庫県 熱射病
16%
16%
[死亡羽数上位病名]
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
熱射病
壊死性腸炎
外傷・不慮の事故・その他
大腸菌症(敗血症)
肝硬変
鳥獣害
その他新生子疾患
その他ブドウ球菌症
コクシジウム病
その他ウイルス感染症
羽数
5,082
983
867
660
646
312
292
77
74
46
9,039
鳥獣害
3%
肝硬変
7%
その他
その他新生
ブドウ球菌症
子疾患
1%
3%
コクシジウム病
1%
その他ウイルス
感染症
1%
大腸菌症
(敗血症)
7%
外傷・不慮
の事故・その
他
10%
壊死性腸炎
11%
死亡原因の56%が熱射病!!!
飼養環境が如何に重要か!!!�
熱射病
56%
肉用・乳用牛・豚の飼育頭数トップ10
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肉用牛 乳用牛 豚 1.北海道 北海道 鹿児島県 2.鹿児島県 栃木県 宮崎県 3.宮崎県 岩手県 茨城県 4.熊本県 熊本県 千葉県 5.岩手県 群馬県 群馬県 6.栃木県 千葉県 北海道 7.宮城県 愛知県 岩手県 8.長崎県 茨城県 青森県 9.沖縄県 宮城県 栃木県 10.福島県 長野県 愛知県 青森県13位 中位 平成22年の被害7月1日∼9月30日 全国の暑熱による家畜の死亡又は廃用頭羽数
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(1)乳用牛 2,405頭(7月447頭、8月1,344頭、9月614頭) (2)肉用牛 535頭(7月155頭、8月261頭、9月119頭) (3)豚 1,309頭(7月378頭、8月782頭、9月149頭) (4)採卵鶏 238千羽(7月69千羽、8月155千羽、9月15千
羽) •  (5)ブロイラー 619千羽(7月144千羽、8月395千羽、9月
79千羽)
4)光
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(1)赤外線
(2)可視光線
a. 光周期
b. 光線管理法
(3)紫外線
a. ドルノ線
b. 紫外線殺菌法
(4)光線過敏症
(3)光線
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日光は電磁波の一つで波長により、
赤外線、可視光線、紫外線に大別
波長(nm)
生体に対する作用
赤外線
760 1000
熱作用
可視光線
380 800
性腺刺激作用
明暗周期による生体内リズムの規制
視聴に対する作用
紫外線
180 400
化学的作用
ビタミンDの合成、
胆汁色素の分解、皮膚紅斑
(3)光線
•  可視光線
•  赤外線:熱作用
•  紫外線:化学作用
•  良い点:ビタミンD3の生成、殺菌作用
•  悪い点:細胞のDNA障害 メラニン色素の合成→紫外線の吸収
余談:皮膚ガン:フィンラン ドでは年間 10 万人当たり 50 人
であるのに対し、オーストラリアでは 800 人の発生が見られ
る(2000万人だから16万人)。日本では年間発生数が2000
症例前後(極めて低い)�
産卵と光線
•  光は鶏の脳下垂体前葉を刺激し、その結果、
性腺刺激ホルモンが分泌され、産卵を促しま
す。 •  また、排卵をひきおこす黄体形成ホルモン放
出のタイミングは1日の明暗周期に関係し、放
卵時刻を規制します。 •  雌鶏は明るい時間に卵を産みますが、もしも
終日照明を行うと、雌鶏は個体によりバラバラ
の時刻に卵を産むようになります。 産卵と光線
•  産卵促進のため1日の照明時間は最低でも
10時間必要であり、いったん産卵を開始した
ならば、照明時間を短くしてはいけません。 •  明るさは鶏のいる場所で5-­‐10ルクスとし、光
源は白熱電球か蛍光灯のどちらかを使用し
ます。
人工照明の役割
•  鶏は季節にかかわりなく繁殖する周年動物に属しま
すが、春は活発で、秋は定期換羽がおこり休産する
といった傾向があります。 •  日の長さが短くなっていくことが産卵活動を低下さ
せるので、照明を朝夕点灯して、雌鶏に秋の訪れを
感じさせないようにするのが「光線管理」という飼育
管理法の基本です。 •  1日の明期は17時間を限度とし、照明時間を段階的
に伸ばすか、夏至の日長にあわせて約15時間、一
定に保ちます。
光線管理法
•  (1)性成熟抑制型−1 •  照明時間を4週齢時に14時間と
して以降漸減し、20週齢時には8
時間とする。産卵期は35週齢時
に14時間となるように漸増し、以
降一定とする。 •  (2)性成熟抑制型−2 •  照明時間を4週齢時に12時間と
して以降漸減し、20週齢時には
10時間とする。産卵期は30週齢
時に14時間となるように漸増し、
以降一定とする。 光線管理法
•  (3)性成熟促進型−1 •  照明時間を4週齢時に10時間として以降漸増し、
20週齢時には12時間とする。産卵期は25週齢時に
14時間となるように漸増し、以降一定とする。 •  (4)性成熟促進型−2 •  照明時間を4週齢時に8時間として以降漸増し、20
週齢時には14時間とする。産卵期は引き続いて14
時間一定とする。 •  光線管理法
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想定される雛の性成熟は (1)の場合は175日齢前後、 (2)では160日齢前後と性成熟を遅延することが可能 (3)を採用すると145日齢前後、 (4)では140日齢前後と性成熟は促進される。 目標とする性成熟を145日齢前後に調整しようとする場合に
は、(3)を採用する。
採卵鶏の光線管理の原則
ブロイラーの 日長時間
(3)光線
•  適度な日光浴は衛生管理上有益
•  放牧地では夏季の紫外線が目に強く照射され
るとピンクアイを誘因
•  波長の290 320nmでは皮膚の発赤、水疱形
成、皮膚癌
光線過敏症
•  蛍光物質ピペリジンを含むオトギリソウ、ソ
バの葉、茎、種子などを食べた牛、羊、馬が
皮膚炎や皮膚の潰瘍を起こすことがある。
•  ピペリジンは紫外線吸収作用が強いため皮
下組織での紫外線作用が顕著になり、牛で
は摂取後1 4日後に鼻鏡部や皮膚の発赤、
発疹、皮膚の剥離が起こる。
牛、山羊
雑談:ヒトの場合 日光アレルギーとも
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1. 代謝異常(肝障害によってポルフィリン代謝不全) 2. 先天性(ポルフィリン代謝機構が遺伝的に欠損) 3. ビタミンやミネラルの不足 4. 特殊な食事 5. 化粧品 6. 薬物の摂取・・・ピリドンカルボン酸類、ニューキ
ノロン類、テトラサイクリン類スルファミン類、利尿剤
(サイアザイド、ループ利尿)カルシウム拮抗剤三環系
こう鬱剤など。さまざまなのでだから、主症状が出たら
必ず服用してる薬を調べることです。 赤外線
•  輻射熱をもたらす電磁波。
•  温熱効果が高い。
•  冬場の暖房には有益だが暑熱時には熱射病
(熱中症)などの原因となる。
光線
ラットの脳の横断面
•  光は生体の日周リズム(サーカディアンリズム)
の形成や生理学的指標の季節変動に深く係わる
•  生体の概日リズム(がいじつリズム、サーカディアンリ
ズム)は基本的には脳内の視交叉上核と呼ばれる部
位で形成。
•  光線は視交叉上核から発信されるリズムに対して同
調因子として作用
•  日周リズムは家畜の繁殖や産卵性に多くな影響を及
ぼす因子
体内時計のリズムを刻む
•  生物に備わる体内時計は、1日約24時間の時刻を体で
推し量る、生まれながらの不思議な能力であり、睡眠・
覚醒、血圧、体温を含む体全体のあらゆるホメオスタシ
スのリズムをコントロールしている。ほ乳類の脳の中に
は、視交叉上核と呼ばれるごく限られた領域にある
16000個の細胞群があり、体全体のリズムを作る親時計
となっている。体全体には、親時計に支配された子時計
が存在して、それはまるでオーケストラの指揮者と演奏
者のような美しいリズムを形成しているのである。この
リズムが壊れると精神的にも身体的にも不調をきたす
「リズム異常症」が引き起こされ、現在、深刻な社会問
題となっている。
水環境
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1)水の生理的意義
2)給与水の条件
3)給与水の消毒
4)水の自浄作用
土壌環境
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1)土壌の性状
(1)土壌の物理的性質
(2)土壌の化学的性質
(3)土壌の生物学的性質
2)土壌と疾病
(1)土壌病
飼料作物中の成分欠乏
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コバルト欠乏 くわず病 マグネシウム欠乏 グラステタニー マンガン欠乏 繁殖傷害 カルシウム欠乏 くる病・起立不能など •  第5章 338頁で詳細を説明 アラル海
ワルシャワ市内の風景:世界遺産�
第二次世界大戦後に全て昔の風景を再現した�
キュリー夫人の生家�
キュリー夫人の生家は博物館�
体温を一定に保つために、「汗」をか
いたり、「血液の流れる量」を変化させ
ることで調節 発汗、皮膚血管拡張は、体温低下からの負のフィード
バックで調節されている。
何故、こうなるか分かる?
•  飼料原料の海外依存に基づく加工型畜産 •  太平洋ベルト地帯に位置する都市の周辺に都市近郊酪農:
都市における飲用乳需要供給 •  年間 2500万トンに及ぶ配・混合飼料の原料は、そのほぼ全
量を海外からの輸入に依存 •  我が国の配合飼料産業ではアメリカ産原料の搬入を前提とし
た生産立地が形成・・・港に近い所! 最適な気候ではない! •  国内の畜産生産地帯と併行して、北海道の主要港湾、八戸、
鹿島(茨城県)、神戸、水島(岡山県)、 福岡、志布志(鹿児島
県)等の港湾地区に配合飼料工場 が多く立地しているのもそ
のためである
ヒトの体温の概日リズム(がいじつリズム)
=Circadian rhythmサーカディアン・リズム
ラクダの直腸温の日周変化 2−3℃
脱水状態では6℃もある!
ラクダの話
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砂漠の植物の葉や芽を食する その植物は、まばらで硬く、塩分を多く含む 1日50kmも餌を求めて歩き回る 塩分の摂取に適応している 天然の塩分が無い場合45-­‐50g/日必要 ラクダは15日間も水を飲まない 脱水状態のラクダが水を飲む時は一気に200リット
ルも水を飲む場合もある •  しかし、ラクダの赤血球は水中毒にはならない ラクダの話 2
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全体重の20-­‐30%の脱水も可 人は12%で死亡 ラクダ体内から奪われる水は細胞間隙にある水分 体内に水を保持する機構 発汗量を減らす 少ない水分に塩分と尿素を多く含む高濃度の尿を
生成 •  水分の少ない糞をする
ふるえや鳥肌は、体温上昇を促進。体温調節の負
のフィードバックにおいては、ふるえや鳥肌が「原因」
であり、体温上昇が「結果」となる。
2010年の猛暑 埼玉県の場合
•  さいたま市、川越市、熊谷市にある県家畜保健衛生所を通
じて県畜産安全課が調べたところ、7月1日から8月31日ま
での間に乳用牛33頭、肉用牛2頭、豚48頭、採卵鶏1万1
454羽が死亡していた。 •  同課は搾乳量が昨年と比べて約10∼20%減少するとみて
おり、家畜の発育や繁殖などにも影響が出る可能性を指摘
する。 •  農林水産省のまとめによると、全国(宮崎県を除く)の家畜の
死亡状況(7月1日∼8月15日)は乳用牛959頭、肉用牛2
35頭、豚657頭、採卵鶏13万6千羽となっている。 2010年はヒトも熱中症で多数死亡
2010年の夏は記録的な猛暑の影響で熱中症で救急搬送され
た人が5万4千人、熱中症で死亡した者が1,718人(年間)にの
ぼった。�
熱中症
��熱中症の発生には、気温・湿度・風速・輻射熱(直射日光な
ど)が関係します。同じ気温でも湿度が高いと危険性が高くな
るので注意が必要です。また、運動強度が強いほど熱の発生
も多くなり、熱中症の危険性も高まります。暑いところで無理に
運動しても効果は上がりません。環境条件に応じた運動・休
息・水分補給の計画が必要です。�
放射
•  放射:電磁波(赤外線)による熱の移動。
•  波長が5,000 20,000nmの範囲で特に熱の移動効
率が良い。
•  皮膚と外界との間には電磁波によって熱の移動。
•  太陽からの放熱は白い皮膚は反射しやすく、黒い皮
膚は反射しにくい。
•  黒い皮膚は紫外線を表層部で吸収することによって
生体内部を紫外線の有害作用から保護するうえで
は有益であるが、体熱放射のうえでは不利。
皮膚から(空気を介さず)周囲へ伝達する放熱方式を、輻射(放射)と
いう。皮膚血管が拡張していると、多くなり、体温を低下させる。
•  イメージとして、「速暖」とか言って販売している脱衣
場用のハロゲンヒータを考えてみましょう。 •  遠赤外線の輻射(放射)による暖房効果であり、空
気を温めて(室温を上げて)の暖房効果ではありま
せん。 •  太陽の熱も、輻射(放射)により地球に届きます。
(太陽と地球の間の空気を温めることなど、宇宙空
間ではできません。) 人体からも同様の機序で、周囲へ熱が伝達してい
ます。
余談 ヒトの熱的中性域
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裸のヒトの場合 外気温が25 28℃ ゴリラやチンパンジーの住むアフリカ熱帯林 雨期と乾期があり、気温変化も激しい 南アフリカの雨期の平均最高気温は23.5℃ 1日の平均はもっと低い しかし、森林の上部の温度は高くなる チンパンジーは樹上のベットの中で寝て暮ら
す 人類の出アフリカは定説より早かった?
太古の石器類は、アラブ首長国連邦のジャベ
ル・フェイ(Jebel Faya)遺跡で2003年から2010
年にかけ発見された。手斧など一部の道具は、
以前は初期アフリカだけで見られた両面加工が
施されているという。�
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��初期現生人類の出アフリカ時期が定説より2万年早まるかもしれない。アラビ
ア半島の太古の石器を発掘した研究者が発表した。
��初期人類は約6万年前、ナイル渓谷や現在のエチオピア経由でアフリカを出
たと考えられてきた。しかし太古の石器の発見により、現在のソマリアあたり、
いわゆる アフリカの角 から直接半島へ渡った可能性が出てきた。しかも、道
具はアフリカ独特のデザインが施されているという。 �
余談 乾期が問題 •  暑い乾期は雨期よりも危険 •  高気温は熱的中性域の数度を越えると体温
調節の機能が追いつかず生命の危険 •  洞穴のようなところで過ごすことなる 白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞
雑談:熱効率 ヒトvs車
•  内燃機関で熱効率(燃焼時に動力に転換さ
せる熱量の比率)はガソリンエンジンで32% ディーゼルエンジンでは46% •  ガソリンエンジンと動物の消費エネルギー(燃
費)は同程度か・・
家畜は経済動物:代謝量を落とせない!
•  乳牛は乳生産のために暑くても生産活動をす
る! •  暑熱時は生産に回らない熱代謝を押さえ、熱
放散を最大限に高めることが必要 •  次は、熱の放射・・・・今年の夏は大変だ!