参考資料 (PDF:3.7MB)

参
考
資
料
(地方税財政常任委員会)
地方税財政常任委員会(H26.5.19)資料
【概要(法人実効税率の状況等)】
主要国の法人税率(基本税率)の推移
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〔H26.3.31 法D2-2 財務省
p3〕
1
国・地方合わせた法人税率の国際比較
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〔
〃
p4〕
2
〔
〃
p7〕
3
p8〕
4
p9〕
5
p2〕
6
国民負担率(対GDP比)の内訳の国際比較
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一般政府支出及び税収構成の対GDP国際比較(2011 年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
国・地方の一般政府支出(対GDP比)及び法人所得課税の実効税率の国際比較
法人関係税の国・地方の配分
・・・ 〔
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
地方の行政サービス(一般財源充当分)と法人所得課税等の状況≪H23 決算≫
〔H26.4.24 法D4-2 総務省
・・・・・
〃
〔H26.3.31 法D2-3 総務省
〔富山県作成〕
7
・・・・・・・
〔H26.3.12
法D1-1(抜粋)〕
8
石井隆一)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〔H26.3.12
法D1
9
・・・・・・・・・・・・・
〔H26.4.24
法D4〕
11
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〔H26.4.24
法D4-6〕
12
【 政府税調での論点 及び 石井特別委員 提出資料】
法人税改革の論点について(法人課税DG大田座長 論点整理ペーパー)
法人課税のあり方等に関する意見(特別委員
地方法人課税の論点(法人課税DG大田座長 論点整理ペーパー)
意見書:地方法人課税等について(特別委員
石井隆一)
机上配布〕
【法人実効税率を引き下げる場合の代替措置について】
法人税額(国税)と税引き前利益の関係(平成 24 年度)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 〔H26.3.31 法D2-1 財務省
p3〕
15
・・・・・・・・・・
〔H26.3.31 法D2-2 財務省 p17〕
16
外形標準課税制度の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〔H26.4.24 法D4-1 総務省 p10〕
17
外形標準課税導入の意義
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〔総務省資料〕
18
主要国における法人税率の引下げと課税ベースの拡大措置等について
【外形標準課税の拡大について】
外形標準課税導入と法人実効税率
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
外形標準課税の実績(平成24年度)
19
〔H26.3.31 法D2-3 総務省
p9〕
20
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 〔H26.4.24 法D4-2 総務省 p14〕
21
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
法人事業税の所得割、付加価値割、資本割の税収推移
法人事業税の沿革
〔H26.4.24 法D4-1 総務省 p11〕
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〔H26.4.24 法D4-5神野会長代理 p2〕
22
〔H26.4.24 法D4-1 総務省 〕
23
〔H26.4.24 法D4-1 総務省
p7〕
26
全国知事会「研究会報告」(H25.9 月)、「H26 税財政等に関する提案」(H25.10 月)(抄)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
27
諸外国における地方の外形標準課税の例
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〔総務省資料〕
28
付加価値額の各生産要素に対する中立性
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〔H26.4.24 法D4-2 総務省 p16〕
29
〔
p17〕
30
p1〕
31
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
32
政府税制調査会答申(抄)(H12.7 月、H14.11 月、H19.11 月)
・・・・・・・・・・・・・・・・
地方法人課税のあり方等に関する検討会報告書(平成 25 年 11 月)(抜粋)・・・・・・・
雇用安定控除について
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〃
【法人事業税等の損金算入について】
地方税の損金算入について
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
わが国税制の現状と課題(平成 12 年 7 月政府税制調査会答申)(抄)
〔H26.4.24 法D4-4 財務省
1
2
38.6
3
4
5
6
富山県資料
地方の行政サービス(一般財源充当分)と法人所得課税等の状況 ≪H23決算 ≫
都道府県
(単位:億円)
法人所得課税等
法人税割
6,391
法人事業税
22,404
歳出(一財充当)
商工・労働
6,789
農林水産
8,076
警察・消防
30,301 地方法人特別譲与税
教 育
83,870 法人税(法定率34%)
土 木
15,972
合 計
合 計
145,008
15,427
※ 13,897
58,119
市町村
(単位:億円)
法人所得課税等
法人税割
15,978
歳出(一財充当)
商工・労働
6,216
農林水産
7,213 法人税(法定率34%)
消 防
14,692
教 育
38,066
土 木
35,807
合 計
合 計
101,994
※
16,047
32,025
※地方交付税原資となる『法人税(法定率34%) 29,944億円』については、H23基準財政需要額により都道府県と市町村をあん分
都道府県
市町村
160,000
140,000
160,000
140,000
土 木 15,972
120,000
120,000
100,000
100,000
教 育 83,870
80,000
80,000
60,000
法人税(法定率34%)
13,897
40,000
警察・消防
30,301
20,000
農林水産 8,076
0
60,000
教 育 38,066
地方法人特別
譲与税15,427
40,000
法人事業税
22,404
20,000
商工・労働 6,789
法人税割6,391
歳出(一財充当)
法人所得課税等
土 木 35,807
0
消 防 14,692
法人税(法定率34%)
16,047
農林水産 7,213
商工・労働 6,216
法人税割15,978
歳出(一財充当)
法人所得課税等
7
H26.3.12 法人課税DG①
大田座長 論点ペーパー
法人税改革の論点について (2014.3.12)
大田弘子
1.これまでの議論を踏まえて、次の点を出発点にしてはどうか
(1)法人税改革の目的を明確にして取り組む
国内外の企業が日本に立地する魅力を高めることで、将来の雇用が生まれる
法人税は、投資や配当や賃金を通して家計に結びついている
企業の国際競争力を高め、国内への企業所得の還流を増やす
(2)法人税の税率引き下げが必要である
日本の法人税率は国際相場に照らして高い
法人税収への依存度が高い
(3)法人税の構造改革により、企業活動や業種に対して中立で簡素な法人税にする
課税ベースを拡大して広く薄い税にすることで、新産業や新規開業が起こりや
すくなり、産業の新陳代謝が促される
(4)単年度・法人税の枠内だけではなく税収中立をはかる
単年度ではなく中期的に税収中立をはかる
法人税の枠内ではなくより広い税目で税収中立をはかる
国税の枠内ではなく地方税も含めて税収中立をはかる
2.法人税の構造改革のためには、課税ベースの拡大が不可欠である。企業の選択
を歪めない公平な税にするために、とくに次の点を見直すべきではないか
(1)租税特別措置はゼロベースで見直すべきではないか
(2)減価償却制度や繰越欠損金制度を見直して課税ベースを拡大することが必要で
はないか
(3)一部の黒字法人に税負担が集中する要因を検証し、歪みがあれば是正すべきで
はないか
3.地方法人課税について望ましいあり方を検討すべきではないか
(1)地方税は行政サービスの費用を分担するものであり、法人への過度の依存は望ま
しくないのではないか。また、法人間でも、より広く分担すべきではないか。
(2)地方税収の偏りや不安定を改善するため、法人税改革と地方税改革はあわせて
検討することが必要ではないか
4.目標や行程を考えながら議論すべきではないか
以上
8
H26.3.12
政府税調 第1回法人課税DG
石井特別委員提出 意見書
税 制 調 査 会 会 長 中里
実 様
法人課税DG座長 大田 弘子 様
特別委員 石井 隆一
(富山県知事)
法人課税のあり方等に関する意見
第1回法人課税ディスカッショングループを所用により欠席しますので、書面にて
下記のとおり意見を述べさせていただきます。
記
1
地方団体の産業政策のあり方などをどう考えるか
今回の法人課税改革にあたっては、その目的の明確化、国内の産業構造の将来ヴィ
ジョン、都市部に集中しがちな国内産業の地域間アンバランスをどう解消するのか、
さらに地方団体においても一翼を担っている産業政策のあり方など多岐にわたる課
題について慎重に検討すべきです。我が国の地方団体は、中小企業の振興・支援、雇
用の安定、人材の確保・育成など様々な産業政策を展開しており、地方法人課税は、
こうした行政サービスの応益課税という面があることはもとより、地方が地域の固有
の資源を活かしながら多様な活性化策を講じ、その成果に応じて税収が増加するとい
う観点からも地方税として重要なものであり、これらの点についても十分留意して検
討を進める必要があります。
2
地方法人課税の目指す姿をどう考えるか
我が国の地方団体は、産業振興、雇用対策、教育による人材育成、警察のほか、道
路、港湾、治山、治水等の社会資本の整備・維持管理など多くの行政サービスを担っ
ており、法人も地方団体のこれらの行政サービスから受益していることから、受益に
応じた負担をしていただく必要があります。
対GDP比で国際的に比較してみると、我が国の一般政府支出のうち地方が占める
割合は国を大きく上回り、行政サービスの提供において地方が大きな役割を果たして
います。また、我が国のように地方の財政規模が大きい国では地方税収のGDP比も
高く、その中で法人所得課税が一定のウェイトを占めています。
このような受益と負担の関係、国と地方の行財政制度の違いをふまえた上で、そも
そも今後の我が国の地方法人課税のあり方をどう考え、どう位置付けるのかについて
1
9
慎重に検討する必要があります。
特に、地方法人課税のうち、法人事業税は、シャウプ勧告以来の応益性確保の努力
により平成 16 年度になって外形標準課税の導入にようやくこぎつけた都道府県にと
って今後とも堅持すべき地方税です。この税は、法人が地方団体の行政サービスの提
供を受けていることに着目し、法人の行う事業そのものに対して課税するものであり、
応益性の原則から見て外形標準課税は法人事業税の課税方式として望ましいことな
どから、所得の少ない法人にとって税負担が重くなることに理解が得られないのでは
ないかという課題があるものの、この際、例えば、資本金1億円超の企業について、
法人事業税の付加価値割の部分を拡充していくことなど、外形標準課税の拡大につい
ても議論すべきと考えています。
3
財政健全化との関係をどう考えるか
国と地方を通じた巨額の財政赤字が生じており、「中長期の経済財政に関する試算
(平成 26 年 1 月 20 日 経済財政諮問会議)」において、今後 10 年の名目GDP成長
率を3%程度と見込んでもなお国と地方のプライマリーバランスの黒字化が困難で
あるとされていること、今後の人口減少、高齢化の進展による社会保障経費等の増加
が避けられない中で、地方法人課税(法人住民税法人税割及び法人事業税所得割)の
税率引下げは、地方財政に深刻な影響を与えるものであり、また、国税である法人税
についても、その一定割合が交付税原資であるほか、法人住民税法人税割の課税標準
でもあることから、その軽減による地方財政への影響が懸念されるところです。
このため、国・地方を通じた法人実効税率の引下げの検討等を行う場合には、政策
減税の大幅な見直しによる課税ベースの拡大や他税目での増収策による代替措置に
より、必要な地方税財源を確保することも併せて検討し、地方の歳入に影響を与える
ことのないようにすべきです。
2
10
H26.4.24 法人課税DG④
大田座長 論点ペーパー
地方法人課税の論点
1.行政サービスの費用を分担する地方税の趣旨に照らして、また地方税収
の安定性を高めるために、法人事業税における付加価値割の比重を高め
るべきではないか。あわせて、より簡素な税にして、納税者の事務負担を
軽減することが必要ではないか
2.法人事業税の外形標準課税は現在資本金1億円超の企業(全法人の1%)
だけを対象としているが、行政サービスの費用を広く分担するために、対象
を広げるべきではないか
3.地方税負担における応益性の強化や、税収の偏在性の是正、税収の安
定性の確保の観点から、法人住民税均等割の増額を検討すべきではない
か。その際、資本金等の額と従業者数を基準とする仕組みも再検討が必
要ではないか
4. 費用を広く分担する観点から、地方法人課税だけではなく、固定資産税
や個人住民税のあり方も含めて検討すべきではないか
5.地域密着型のサービス産業の生産性を高めることは日本経済及び地域
経済の重要な課題である。この観点から、地方税においては生産性が高
い事業者にのみ負担が及ぶことがないよう応益性を高めることが必要では
ないか
6.事業税と固定資産税等は、法人税の課税所得算定上、損金算入が認め
られており、地方における超過課税や減免等により国税の課税ベースが
変動するなどの問題点がある。実効税率が上がらないように調整のうえ、
損金算入の措置を止めるべきではないか
以上
11
H26.4.24 法人課税DG④ 石井特別委員 提出資料
財政健全化との関係について
◎ 中長期の経済財政に関する試算(H26.1.20経済財政諮問会議 内閣府資料より)
○ 名目成長率を3%程度(経済再生
ケース)と見込んでも、2020年の黒字
化は困難
◎ 社会保障関係費に関する地方負担等の将来推計(H23.2月 総務省資料)
◎ 臨時財政対策債の累積残高(単位:兆円)
兆円
○ 臨時財政対策債の残高はH20か
らH25の5年間で2倍以上に増加す
る見込み
(見込)
(見込)
12
地方の行政サービスと法人所得課税(H23決算)
○ 地方団体は、産業振興、雇用対策のほか社会資本整備、教育、警察・消防など
多くの行政サービスを担っており、法人もこれらの行政サービスを受益
25.0
兆円
土 木 5.2
20.0
15.0
教 育 12.2
24.7
兆円
10.0
法人税(法定率34%)
3.0
地方法人特別譲与税1.5
警察・消防 4.5
5.0
法人事業税2.2
農林水産 1.5
商工労働 1.3
0.0
9.0
兆円
法人税割2.2
歳出(一財充当)
地方法人所得課税等
対GDP比国際比較(2010年)
○ 地方の財政規模(GDP比)が大きい国では、地方税収のGDP比も高い。
国際的には我が国以上の地方法人所得課税が行われている例もある。
一般政府支出
対GDP比(%)
国
地方
地方税収
【参考】法人実効税率
対GDP比 (2013年標準税率ベース)
地方/国
(%)
うち地方
日本
3.9%
11.0%
2.82倍
7.4%
37.0%
10.8%
ドイツ
2.2%
10.7%
4.86倍
10.4%
30.2%
14.4%
カナダ
4.0%
21.8%
5.45倍
14.7%
26.3%
11.3%
アメリカ
7.6%
12.0%
1.58倍
8.8%
39.1%
6.3%
イギリス
15.1%
10.1%
0.67倍
1.7%
23.0%
−
(H26.3.31第2回法人課税DG 総務省資料を基に作成)
13
国を大きく上回る行政改革の実施
◎ 給与カットの実施(H26.3月 全国知事会調べ)
H25はこのほか
「国の要請に基づく削減」を
44/47都道府県が実施
(H25.10.1時点調査)
ラスパイレス指数
H25.4.1 99.3
○ 全ての都道府県で独自の給与カットを実施
都道府県の削減額は約2.3兆円(H11∼25)
● 国は臨時特例法(H24・25)の2年間で約6,000億円
※臨時特例法による国の
給与減額がないと仮定
累計
2兆3,097億円
国の要請
に基づく
削減含ま
ず
◎ 職員数の削減(全国知事会調べ)
国(非現業)
○ 都道府県の職員数(一般行政)は△21%減少
(H13∼24) ※富山県△22%減少
● 国(非現業職員)は△3%減少にとどまる
⇒ 都道府県は国の7倍削減
都道府県(一般行政)
富山県(一般行政)
◎ 地方財政決算の推移(H13 ⇒ H23 比較)
社会保障経費が増加する中で、給与関係経費や投資的経費を大幅に削減
△3.8兆円
+9.2兆円
△9.7兆円
14
15
16
17
18
19
20
21
22
わが国税制の現状と課題−21世紀に向けた国民の参加と選択− (抄)
(平成12年7月政府税制調査会答申)
2.法人事業税
(4) 法人事業税への外形標準課税の導入
③ 望ましい外形基準のあり方
イ.外形基準の四つの類型の特徴等
(イ) 事業活動価値
a.法人の事業活動の規模は、その事業活動によって生み出された価値の大きさという形で把握することが可能と考えられます。
事業活動によって生み出された価値の算定については、生産要素である労働、資本財及び土地等への対価として支払われた
ものが当該価値を構成すると考えられることから、法人の各事業年度における利潤に、給与総額、支払利子及び賃借料を加
え、通算することによって行うことができます(この方式によって算定したものを以下「事業活動価値」(仮称)と言います。)。
b.事業活動価値は、事業活動によって生み出された価値に着目して法人に負担を求める税の課税標準として、法人の人的・物
的活動量を客観的かつ公平に示すと同時に、各生産手段の選択に関して中立性が高いものとなると考えられることから、外形
基準としては理論的に最も優れていると考えられます。
(ニ) 資本等の金額
a.資本金に資本積立金を加えた金額(以下「資本等の金額」と言います。)も、法人の規模をある程度表しており、事業活動の
規模もある程度示すものであると考えられ、納税・課税事務の負担の少ない簡素な課税の仕組みとして、資本等の金額に着目
した仕組みを考えることができます。
b.しかし、法人の事業活動規模を適正に反映させるという観点からは、法人事業税全体をこの形に改革することは現実的では
なく、所得基準による課税や他の外形基準による課税と組み合わせて用いるよう検討すべきであると考えます。
23
⑤ 導入の時期
法人事業税への外形標準課税の導入は、地方分権を支える安定的な地方税源の確保に資すること、応益課税としての税の性格の明確
化につながるとともに、地方の行政サービスによって受益を得ている法人が薄く広く税を負担することを通じて、税負担の公平化につなが
ること、さらに、所得に係る税負担を相対的に緩和することとなり、より多くの利益を上げることを目指した事業活動を促し、経済の活性化、
経済構造改革の促進に資すること等の重要な意義を有する改革であり、きわめて厳しい地方財政の現状等を踏まえれば、すべての都道
府県において幅広い業種を対象に、薄く広く負担を求める外形標準課税について、景気の状況等を踏まえつつ、早期に導入を図ることが
必要です。
平成15年度における税制改革についての答申−あるべき税制の構築に向けて− (抄)
(平成14年11月政府税制調査会答申)
第二 平成15年度税制改正における個別税目の改革
二 法人課税
2.法人事業税(外形標準課税の導入)
法人事業税への外形標準課税の導入は、税負担の公平性の確保、応益課税として の税の性格の明確化、地
方分権を支える基幹税の安定化、経済の活性化・経済構造 改革の促進などの重要な意義を有する改革である。
外形標準課税については、厳しい景気の状況を踏まえ慎重に対処すべきとの意見もあったが、受益と負担の関係
を明確にして真の地方分権の実現に資するため、早急に導入すべきである。
24
「抜本的な税制改革に向けた基本的考え方」(抄)
(平成19年11月政府税制調査会答申)
第2 各論
2.法人課税
(4)地方法人課税
法人事業税の外形標準課税は、税負担の公平性の確保、応益課税としての税の性格の明確化、地方分権
を支える基幹税の安定化、経済の活性化等の観点から、平成15 年度税制改正において導入されたところで
ある。
外形標準課税は、多数の法人が法人事業税を負担していないという状況の是正を図るとともに、法人所得
に対する税負担を軽減する一方、付加価値等に対して課税するものであり、応益性の観点から、将来的には
外形標準課税の割合や対象法人を拡大していく方向で検討すべきである。
25
26
全国知事会 地方税財政制度研究会 報告書(平成25年9月)(抄)
−地方税制における税源偏在の是正方策の方向性について−
○
地方法人課税の外形課税化
外形標準課税の拡大は地域間格差の是正の面で一定の効果は考えられるが、それほど大きくないのではな
いか、また、所得の少ない法人にとって税負担が重くなることに理解が得られないのではないかという課題
があるものの、地方法人課税の税収の変動への対応や応益性の強化という観点から、その拡大が検討される
べきである。その際には、地域間格差是正の効果や法人課税の実効税率の引下げにつながるメリットもある
ことから、例えば資本金1億円超の企業について、法人事業税の付加価値割の部分を拡充していくことが考
えられる。
また、法人事業税の資本割について、課税標準である「資本金等の額」が企業実態を反映しておらず課税
標準として適当ではないのではないかとの指摘もあり、この点についても、今後検討すべきである。
全国知事会「平成26年度税財政等に関する提案」(平成25年10月)(抄)
○
地方法人課税の堅持及び外形標準課税制度の拡充等
地方法人課税は、法人の事業活動を支える地方団体からの様々な行政サービス等に対して法人が応分の
負担をするという大原則に基づくものであり、地方団体の重要な財源である地方法人課税についての安易な
縮減などの議論は受け入れられるものではない。
また、景気動向に配慮しつつ、法人事業税の応益課税としての性格の明確化や税収の安定化の観点から、
対象法人の資本金要件の見直しや付加価値割の拡大、課税標準である「資本金等の額」の企業実態の適切な
反映など、外形標準課税制度の拡充・見直しを検討すべきである。
27
28
29
30
31
わが国税制の現状と課題−21世紀に向けた国民の参加と選択−(抄)
(平成12年7月 政府税制調査会答申)
2.法人事業税
(1)法人事業税の概要
①法人事業税の性格
地方公共団体が供給する行政サービスは、法人の事業活動に様々な形で寄与しています。その受益を定
量的に捉えることは難しいことですが、企業に対する直接のサービスのみならず、福祉、教育、環境保全、
産業・都市基盤整備、警察や消防・防災など、極めて広範に及んでいます。
法人事業税は、法人が行う事業そのものに課される税であり、法人がその事業活動を行うに当たっては地
方公共団体の各種の行政サービスの提供を受けていることから、これに必要な経費を分担すべきであるとい
う考え方に基づいて課税されるものです。昭和24 年のシャウプ勧告においても、「事業及び労働者がその
地方に存在するために必要となってくる都道府県施策の経費」を負担する税とされています。法人事業税の
負担額が法人所得計算において損金に算入されていることも、こうした法人事業税の性格を反映したもので
す。
このように、法人事業税は、法人に対し、その企業活動により得られる利益を基礎にして税負担を求める
法人税とは、課税の根拠、課税客体などを異にしているものです。
32