入試に関して 臨床心理学研究科は, 一般選抜に加え, 社会人特別選抜, 外国人特別選抜という3つの選抜方法に より, 門戸を開放します。入学者選抜にあたっては, 公平性・開放性・多様性の理念を最大限に活か し, 次のようなアドミッション・ポリシー(入学者受入方針)のもとで, 選抜を行います。 1. 入学者受入方針 求める人材像 ア)臨床心理学に関する専門的技能を身 につけたい人 イ)臨床心理学に関する実践力を身につ けたい人 ウ)臨床心理士資格の取得を目指す人 エ)臨床心理士資格を有しており, リカレン ト入学としてより高度な技能や実践力 を身につけたい人 入学前に身につけておいて欲しいこと ア)学士レベルの基礎的な知識と技能を 修得しておいてください。 イ)臨床心理学及び心理学に関する経験 を積み, 幅広い知識を身につけておい てください。 入学者選抜の基本方針 教育目標に掲げる人材を育成する上で 必要となる, 専門科目 (臨床心理学及び 心理学に関するもの) ,外国語科目 (英 語), 及び口述試験を課し, 専門分野に 関する知識や能力, 英語の基礎的能 力, 臨床心理士になるための目的意識 や適性等を評価します。 2. 入学試験の概要 ∼臨床心理学専攻 専門職学位課程∼ 募集人員 募集人員は, 15名です。一般選抜, 社会 人特別選抜, 外国人留学生特別選抜の いずれかで選抜します。 出願資格 3つの選抜それぞれに出願資格を設け ています。 なかでも, 社会人特別選抜では, 心理職, その他の臨床心理学等に関連す る職場において2年以上の勤務経験を有 する者を対象とした選抜に加え, 過去に2 年以上の前述の勤務経験を有する者も 対象とします。 選抜方法 出願書類で提出されたTOEICのスコア (TOEIC Official Score Certificate) , 筆 記試験(臨床心理学及び心理学), 口述試 験,による総合判定とします。 ①外国語(英語)試験は, 提出されたTOEIC のスコアを用いて, 選抜時の外国語(英語) 得点とします。 ②筆記試験は, 専門科目 (臨床心理学及び 心理学に関するもの) です。 ③口述試験は, あらかじめ提出された心理臨 床活動計画書等の書類を中心に, 臨床心 理学の知識を問うとともに, 臨床心理士にな る意志の確認や対人援助職としての適性 など審査し, 総合的に合格者を判定します。 選抜回数 年1回実施します (年内を予定)。 学修環境と設備について ・・・専門職大学院(6校) ・・・第1種指定大学院(149校) ・・・第2種指定大学院(11校) (平成27年3月31日現在) 交通のご案内 JR 鹿児島中央駅から徒歩約 28 分 バス 市営バス⑨⑪⑱⑳番線又は鹿児島交通バス 19 番線「法文学部前」 南国交通バス 30 番線「鹿大教育学部前」 下車徒歩約 3 分 市電 「唐湊(とそ)」又は「工学部前」下車徒歩約 5 分 J R 指宿枕崎線「郡元駅」下車徒歩 12 分 鹿児島中央駅 ■総合教育研究棟の中に, 臨床心理学研究科の学内実習施設として心理臨床相談室があります。 市電唐湊 ■学修環境として院生室があり, 20台以上のパソコンを配備しています。 ■特定の科目によっては, インターネットを活用した学修形態をとる場合があります。 就職先について 本研究科修了生のこれまでの主な就職先は, 家裁調査官補, 法務技官, 県職員(児童相談所), 市町 村(福祉課, 学校教育課) , 総合病院, 精神科病院, 医院(精神科, 心療内科, 小児科クリニック) , 社会福 祉施設, 発達支援センターなどがあります。なお, 本研究科修了生の就職率は,平成19年度の本研 究科設立以後,平成26年度修了生まで100%を維持しています。 部前 市電鹿児 工学部 JR 郡元 駅 鹿児島大学 農学部 理学部 法文学部 教育学部 ★ 前 教育学部 バス鹿大 甲突川 必修科目を含めた所定の単位を修得したのち, 「臨床心理修士(専門職)」の学位が授与されます。 また, 本研究科を修了後, 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が実施する直近の臨床心理 士資格試験の受験資格を得ることができます。その際, 小論文試験は免除されます。 前 島中央駅 市電工学 中洲通り 修得可能学位と資格について 九州新幹線 至 鹿児島 I.C 臨床心理学研究科 学部前 バス法文 鹿児島大学法文学部 専門職大学院係 問い合せ先 〒890-0065 鹿児島市郡元 1-21-30 ☎ (099)285-7504 ※問い合わせは 9 時∼17 時まで(土・日・祝を除く) 〔 E -ma il 〕 hd a iga k uin@ k ua s .k a gos hima -u.a c.jp 〔 U R L〕 http ://www.l e h.k a gos hima -u.a c.j p /k um c p/ Professional Graduate School of Clinical Psychology, Kagoshima University 21世紀の国民の こころの健康に寄与する 【教育上の理念】 個別支援,集団支援,地域支援,危機介入支援のできる人材の輩出 地域文化を視野に入れた心理臨床ができる人材の輩出 【目指す人材育成】 上記の教育理念及び目的に基づき,以下のような専門 的心理支援能力を持つ人材を育成する。 個別に心理支援ができる人材 個人を対象とした心理支援ができる人材 集団に対応できる人材 学校・施設・機関などさまざまな集団・組織を見立て,介入できる人材 地域文化を理解することができる人材 地域の歴史や文化を視野に入れ,それらの理解に立って心理支援が できる人材 危機介入ができる人材 さまざまな危機的状況に介入し,心理支援ができる人材 これらの人材は,教育,福祉,医療,司法・矯正など の領域において即戦力として求められている。また,修 了生は,地域文化を視野に入れた臨床心理実践能力をも とに,全国各地域で活躍することが期待される。 教育課程の編成の考え方及び特色 Curriculum 臨床心理学基幹科目群 3領域4箇所の充実した学外実習と充実したスーパービジョン体制 個別の心理支援能力は,従来の指定大学院の教育 課程においても養成可能である。しかし,その他のスキ ルは,対応する専門授業科目だけでなく実践的な実習 体験が必要である。本研究科では,社会のニーズに即 応できる人材を養成するために,2 年間にわたる実習の 継続と,臨床経験豊富な実務家教員による個別・少人 数指導による教育体制を整備し,理論に根づいた実践 臨床心理学原論,臨床心理面接学原論,臨床心理査定演習Ⅰ,臨床心理査定演習Ⅱ, 臨床心理面接演習Ⅰ,臨床心理面接演習Ⅱ,臨床心理事例研究演習Ⅰ, 臨床心理事例研究演習Ⅱ,臨床心理査定・面接実習Ⅰ,臨床心理査定・面接実習Ⅱ, 臨床心理査定・面接実習Ⅲ,臨床心理査定・面接実習Ⅳ 的教育課程を提供する。 学内実習では,実務家教員を中心とした全教員の指 導のもと,1 年前期より段階的に実習体験を積み上げる。 学外実習では,各領域におけるエキスパートである実 務家教員の指導のもと,1 年次から集中実習や半期継 続実習を行い,2 年次修了までに 3 領域 4 箇所におい て実務経験を積る実習モデルを提供する。 臨床心理学展開科目群 臨床心理関連行政論,臨床心理実践研究Ⅰ,臨床心理実践研究Ⅱ,臨床心理実践研究Ⅲ, 臨床心理実践研究Ⅳ,臨床心理地域援助実習Ⅰ,臨床心理地域援助実習Ⅱ, 臨床心理地域援助実習Ⅲ,臨床心理地域援助実習Ⅳ,総合的事例研究演習Ⅰ, 総合的事例研究演習Ⅱ 本邦初の講義・演習・実習を三位一体とした教育課程 教育研究教員と実務家教員がコラボレートした科目を 配置し,講義・演習・実習を三位一体とした教育課程 を編成する。講義は,演習の基盤となる理論を提供し, 演習は,実習の基盤となる体験的学習を提供する。さら 授業科目(平成 27 年度現在) 選択必修科目群 【領域科目群】 学校心理臨床論,福祉心理臨床論,医療心理臨床論,司法・矯正心理臨床論,臨床精神医学特論 , 臨床心理倫理特論 【発達科目群】 児童期心理臨床論,青年期心理臨床論,成人・老年期心理臨床論,発達障害者心理臨床論 【技法科目群】 エスノグラフィック心理臨床論,臨床心理査定特論,遊戯療法論,集団心理臨床論, ストレスマネジメント論,認知行動療法論 に,演習は,実習による体験を深化・内在化させ,同 時に講義で提供された理論と照合する。これらにより, 演習が講義と実習の架け橋となり,臨床心理実践能力 の定着・深化を実現する。 教育,福祉,医療,司法・矯正領域を充実・強化した教育課程の整備 ①教育領域 ③医療領域 選択基礎科目群 教育領域では,不登校,いじめ問題などへの対応と して心理支援に対する社会的ニーズが高まっている。 「学校心理臨床論」をはじめ,「臨床心理実践研究Ⅰ ∼Ⅳ」及び「臨床心理地域援助実習Ⅰ∼Ⅳ」において, 教育領域における心理支援のあり方を学ぶ。 医療領域は,多くの臨床心理士が勤務する領域であ り,精神科や小児科に加え,近年は,多様な診療科で の心理支援のニーズが高まっている。 「医療心理臨床論」をはじめ,「臨床心理実践研究Ⅰ ∼Ⅳ」及び「臨床心理地域援助実習Ⅰ∼Ⅳ」において, 医療領域における心理支援のあり方を学ぶ。 臨床心理学入門,学習・行動心理学特論,認知心理学特論,生涯発達論, コミュニティ心理学特論,臨床精神薬理学特論,社会心理学特論 ②福祉領域 近年,児童虐待の問題及び発達障害者の支援に即 応できる臨床心理士が求められている。 「福祉心理臨床論」をはじめ,「臨床心理実践研究Ⅰ ∼Ⅳ」及び「臨床心理地域援助実習Ⅰ∼Ⅳ」において, 福祉領域における心理支援のあり方を学ぶ。 ④司法・矯正領域 深刻な事件や犯罪の増加に伴い,司法・矯正領域 への心理専門家の貢献が期待されている。 「司法・矯正心理臨床論」をはじめ,「臨床心理関 連行政論」等の講義及び少年鑑別所等の見学実習に より,司法・矯正領域における心理支援のあり方を学ぶ。 宇都宮 敦浩 (教授・臨床心理士) 非行臨床心理学・犯罪心理学 少年鑑別所や刑務所における実務経験をもとに,再非行・再 犯防止のための有効な心理査定と処遇指針の策定に取り組 んでいるほか,司法矯正領域を目指す臨床心理士の育成カリ キュラムの開発について研究している。 地域特性や文化的風土を見立てた心理支援のあり方 を学べる科目として,「エスノグラフィック心理臨床論」や 「コミュニティ心理学特論」を配置している。また,地域文 化の特徴を踏まえた実践的な心理支援能力を養成する ために県内各地域をフィールドにした実習を提供している。 本研究科では地域支援プロジェクトを立ち上げ,その拠 点として専門職大学院支援室を設置し,地域文化の特 徴を踏まえた実践的な心理支援研究活動を行い,教育 課程への還元を目指している。 以上 4 つを具現化するために実務家教員を配置 これらを実現するために,2 年間にわたる学内実習や 学外実習,スーパービジョンなどの実習を確立し,臨床 経験豊富な実務家教員による個別・少人数指導を通し た実践的な教育体制を整備する。 高齢者臨床領域で,認知症高齢者,家族介護者および福祉 専門職を対象として支持的心理療法やストレス支援,また行 動アセスメントに基づく臨床実践を行い,バリデーション法に関 する国際的な研究活動をしている。 中原 睦美(教授・臨床心理士) 松木 繁(教授・臨床心理士) 地域文化を視野に入れた地域支援のための教育課程 稲谷 ふみ枝 (教授・臨床心理士) 高齢者臨床心理学 臨床心理学 学校臨床心理学における方法論を,個別カウンセリング的視 点・コミュニティ心理学的視点・予防的視点から総合的に 開発,研究している。 金坂 弥起(准教授・臨床心理士) 臨床心理学 精神力動的な理解に基づく心理療法,および,医療領域,特 に精神科医療における心理臨床や心理学的介入に関する実 践的研究に取り組んでいる。 松浦 隆信 (准教授・臨床心理士) 臨床心理学・臨床社会心理学・森田療法 不安障害をはじめとする心理的諸問題に対する外来森田療 法の実践および不安・抑うつの発生メカニズムに関する基礎 研究を行っている。 臨床心理学 自我心理学の理論を踏まえた支持的心理療法をベースとした 心理療法及び心理査定(ロールシャッハ法),コラージュ法など に関する臨床実践や質的研究に取り組んでいる。 山中 寛(教授・臨床心理士) 臨床心理学・スポーツ心理学 臨床動作法やイメージ療法の観点から心理的構えと体験の 相互作用について研究し,その成果をカウンセリングやストレス マネジメントの実践に応用している。 小澤 永治(准教授・臨床心理士) 臨床心理学・コミュニティ心理学・発達心理学 社会的養護のもとにいる児童,発達障害を抱える児童に対して, 個別心理療法,集団心理療法,コミュニティアプローチなどを活 用した多面的な援助実践に関する研究を行なっている。 髙橋 佳代(講師・臨床心理士) 臨床心理学・発達心理学 発達障害児や虐待児など,様々な背景のある子どもの心身の 発達を促進させる援助技法の研究を行っている。特に,プレイ セラピーやドラマ法,描画法など非言語アプローチに注目した 実践実証研究を行っている。
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