ー ー 乳酸菌乾燥菌体 による食品製造用 スタ タ の開発 ( 第 1 報 ) ( H 6 ∼H 7 ) ―味噌、生 もと清酒、水産発酵 食品用 ス ター ターの試作 一 応用技術部 池 田隆幸 一 浅野行蔵 富 永 哉 下 林義昭 長島浩三 中 川良二 八 十川大輔 清 水條資 加 工 食 品部 田 村吉史 川上誠 井 上貞仁 発酵食 品部 吉 川修 司 1.研 究 の 目的と概要 ー ー 【 今、求 め られている乳酸菌 スタ タ 】 乳酸菌 で食品を発酵 させると、 pHを 低下 させ る他 に、マイル ドな香 りや味を付 ー 与 した り、 テクスチ ャ を変化 させ るな ど、食品の熟成 に寄与 して い る。 ー ー 乳酸発酵食品を工業的規模 で安定生産す る上で スタ タ は欠かせない。 しか し、 ー ー ー 北海道 の食品企業 において、平L酸菌 スタ タ は ヨ グル トな ど発酵乳製品で使用 され るのみであるが、乳製品以外 で も潜在需要 は高 い と思われ る。 ー ー よって、取扱 いと発酵管理 が容易 な低価格 の乳酸菌 ス タ タ が望 まれ る。乳酸 発酵食品へ の利用によ り、品質 の安定化 に資す る。 本研究 は食品に好適な乳酸菌を生きたまま乾燥 させ る菌体加工方法を確立 し、食 品の製造工程の安定化 と高品質化を図ることを 目的として行 った。 2.試 験研究 の方法 【乳酸菌を生 きたまま乾燥 】 S ευ “″″θεOε fゴ パ ρf"ιar囲 、味噌乳酸菌 乃ι わaεゴ 試験 に用 いた菌株 は、ιactθ rOノ θ “sの 3種 である。 O〃θ S“ι 力aれ″ ″a、 生 もと清酒乳酸菌ιθυθ“Ostθ 流動層乾燥法を用 いたのが本法 の特徴 で、食品分野用 に低 コス トで乾燥が可能で ある。乳酸菌を液体培 地で培養後、菌体を遠心分離 で集 め、乾燥処理 か ら菌体を守 る糖 などの物質 (保護剤)の 溶液を加 えて混合 した。流動層 の 中で温風で舞 い上が る粉体 (基材)に 菌懸濁液を スプ レー して乾燥 した (図 1)。 ″ 圧 搾空 気 拠 菌懸 ;蜀‖ ヽ 口 │ 「 ‐ ,自 卜 ¬ `ヒ 会 合 温 風 流 劃j 層乾 燥 機 内 里 図 1 流 動層 乾燥 法 に よ る ス ター ター の 製造 原 王 ―-85-一 3.実 験結果 【 乾燥 の成否 の決め手】 20 試験 に用 いた乳酸菌 ご とに、乾燥に 18 用 いる基材 の種類、保護剤 の種類や濃 16 諸条件を検討 した。味噌用乳酸菌につ いて、保護材 と して 2糖 類、 3糖 類を ︵ S ︶時 藤 川 度な ど乳酸菌の生残率を高めるための 14 12 10 8 使用 した場合 の乾燥後 の生残率を図 2 6 に示 した。用 いた糖 の種類や濃度によ 4 り、生残率 が左右 される ことがわか っ た。 シュー クロースが有効 であった。 0 2 10 0 乾燥 に用 いる基材 の種類 によって も、 生残率が左右 され る事がわか った。特 にスキ ム ミル クが有効であった (図 3) 【 優れ た保存性 ・広がる品揃え】 20 30 ―…――+ ―……… トレハ ロニ ス ………×……… シュー ク ロー ス ー 菌懸濁液 の送液速度な どを検討 した 図2 結果、生残率 はほぼ100%とな り、 2週 …… ー ー×… ラク トー ス マ ル トー ス 保護 材 の 種 類 に よ るス タ ー タ ー の 乳 酸 菌 の 生 残 率 ・水 分含量 間の 4℃ での冷蔵保存 も可能 であった。 他 の菌について同様 に検討 した結果、 ο わac〃′ “ 乾燥後 の生残率 は、ι∂οι “ι ar囲 の場合約100%で、 スター タ ρ′ ーは 1カ 月冷蔵保存 が可能 であった。 生 もと清酒用乳酸菌 ιθ口ε"θstOε 〃θ s"ιttOブ 酔sの 場合 は、生残率 は約 90%を示 した。 4℃ でのスターター保存 試験では、 2週 間保存が可能であった。 4.要 約 25 0 20 0 150 100 50 0 発酵食品 に好適な乳酸菌を生きたま ま流動層乾燥法によ り乾燥 し、粉末ス ター ターを製造す る試験を行 った。味 口 Э fa、 曽乳酸菌 λ拡ィ“οc ““s 加 ゴ phゴ θ わaθゴ 〃υ s 水産発酵食品乳酸菌 ι∂ει ι ar囲 、および生 もと清酒乳酸菌 ρfa″ ιθ口ε“Osι θε″θ s"ιttθ ノ めsの 3株 で、 100%に高める 乾燥処理後 の生残率を90∼ 事 に成功 した。 4℃ 、 2週 間の保存性 試験 の結果 も良好であった。 ―-86-一 40 保 護 材 濃 度 (%) キ ナコ ムミ ス ルク キ □ 生残率 (%) M水 図3 基 ・ ー ン コ ツ クリ ッ 分含量 (%) 材 の 種 類 に よ るス ター タ ー の 乳 酸 菌 の 生 残 率 ・水 分 含量
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