序.本書の構成と使い方 本書は「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づく低炭素建築物新築等計画の認定(以 下「低炭素建築物認定」という。 )に係る技術的審査を行う審査機関を対象とし、平成 24 年経 済産業省・国土交通省告示第 119 号で定める外皮基準(外皮平均熱貫流率及び外皮平均日射熱 取得率) 、一次エネルギー消費量基準及びその他基準についての審査上のポイントを解説してい ます。 低炭素建築物認定は住宅及び非住宅建築物のいずれも対象としていますが、本書は住宅に係 る審査について登録建築物調査機関及び登録住宅性能評価機関の審査担当者が審査を行う際の 解説書として利用することを目的に、以下の 7 つの章で構成しています。 1章・2章 では「低炭素建築物新築等計画の認定制度」に関する概要の解説を 行なっています。認定までの手続きの流れや認定基準の枠組み、申請手続きに必要な図書を まとめています。 3章 では住宅に係る基準の解説として、外皮平均熱貫流率、外皮平均日射熱取得率、 一次エネルギー消費量に係る基準の要点を整理しています。告示等については枠で囲みその 下に解説を行なっています。文章だけでは理解しづらい項目については極力図表を使用し、 実務者の皆様が視覚的に理解しやすいよう工夫しています。 4章 では住宅に係る一次エネルギー消費量基準の概要と解説を行っています。特に基 準の解説では評価に必要な用語について整理をし、設備機器ごとに行うべき性能の確認方法 をまとめています。また、実際に(独)建築研究所の「住宅・住戸の省エネルギー性能の判 定プログラム」に入力することを前提とし、理解しづらい入力項目については具体的な計算例・ 判断例も掲載しています。 5章 では「建築物の低炭素化の促進のために誘導すべきその他の基準」として掲げら れている項目について解説しています。 6章 では審査上の注意事項として、共同住宅共用部における一次エネルギー消費量の 算出の考え方と共同住宅住戸部分の一次エネルギー消費量計算における、平均みなし値を用 いた計算方法の解説を行っています。 7章 01.indd 1 は資料編として、住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び 15.3.18 10:08:24 AM 維持保全の指針(平成 25 年国土交通省告示第 907 号)における別表第 1 から第 6 を掲載し、 その他外皮計算に必要な「取得日射量補正係数を求めるための数表」、「年間日射地域区分お よび暖房期日射地域区分」を掲載しています。 01.indd 2 15.3.18 10:08:24 AM 目次 目次 第 1 章 総論 第1章 低炭素建築物促進法の概要… ……………………………………… P.5 第 1 章 総論 第2章 低炭素建築物新築等計画の認定制度… …………………………… P.9 1.住宅の品質確保の促進等に関する法律の概要‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.1 第3章 住宅に係る外皮基準の解説… ……………………………………… P.21 2.住宅性能表示制度活用のメリット‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.2 1.住宅の品質確保の促進等に関する法律の概要‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.1 3―1 外皮平均熱貫流率(UA)の解説… ………………………… P.25 2.住宅性能表示制度活用のメリット‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.2 第2章 日本住宅性能表示基準の解説 3―2 外皮平均熱貫流率(UA)の計算の流れ… ………………… P.31 第2章 日本住宅性能表示基準の解説 3―3 外皮平均熱貫流率(UA)の基準の解説… ………………… P.35 第3章 項目別評価方法基準の解説 3―4 外皮平均日射熱取得率(ηA)の解説……………………… P97 第3章 項目別評価方法基準の解説 1.構造の安定に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.17 3―5 外皮平均日射熱取得率(ηA)の計算の流れ…………… P.101 2.火災時の安全に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.83 1.構造の安定に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.17 3―6 外皮平均日射熱取得率(ηA)の基準の解説…………… P.105 3.劣化の軽減に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.100 2.火災時の安全に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.83 第4章 住宅に係る一次エネルギー消費量基準の解説… ……………… P.123 4.維持管理・更新への配慮に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.114 3.劣化の軽減に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.100 4―1 一次エネルギー消費量基準の概要… …………………… P.125 5.温熱環境に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.121 4.維持管理・更新への配慮に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.114 4―2 一次エネルギー消費量基準の解説… …………………… P.129 6.空気環境に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.186 5.温熱環境に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.121 7.光・視環境に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.193 6.空気環境に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.186 4―3 一次エネルギー消費量基準の評価方法… ……………… P.147 8.音環境に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.199 7.光・視環境に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.193 第5章 その他基準に係る解説… ………………………………………… P.243 9.高齢者等への配慮に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.202 8.音環境に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.199 第6章 審査上の注意事項… ……………………………………………… P.257 10.防犯に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.230 9.高齢者等への配慮に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.202 6―1 共同住宅における一次エネルギー消費量の 10.防犯に関することの解説‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥P.230 算出について����������������� P.259 6―2 共同住宅共用部における一次エネルギー消費量の 算出について����������������� P.265 6―3 共同住宅における太陽光発電設備の評価について… … P.273 6―4 共同住宅における平均みなし値を用いた 計算について����������������� P.279 第7章 資料等… …………………………………………………………… P.301 7―1 設計施工指針に定める部位別仕様表… ………………… P.303 7―2 取得日射量補正係数(f1 及び f2)を求めるための 数表��������������������� P.315 7―3 市町村名別の地域区分及び年間日射地域区分等… …… P.371 7―4 部位別仕様表 DB 付外皮計算システム及び 温熱・省エネ設備機器等ポータルサイト����� P.449 01.indd 3 15.3.18 10:08:25 AM 01.indd 4 15.3.18 10:08:25 AM 1章 低炭素建築物促進法の概要 01.indd 5 15.3.18 10:08:25 AM 01.indd 6 15.3.18 10:08:25 AM 第1章 低炭素建築物促進法の概要 第2章 1章 低炭素建築物促進法の概要 第3章 都市の低炭素化の促進に関する法律(以下「低炭素法」という。 )は、低炭素・ 循環型社会の構築を図り、持続可能で活力のある国土づくりを推進するために、 くは建築物への空気調和設備の設置若しくは建築物に設けた空気調和設備の改修 建築物としての認定を受けることが可能となっている。さらに、低炭素建築物と ηA 第4章 を、所管行政庁(都道府県、市または区)に認定申請を行うことにより、低炭素 率 ( ) の基準の解説 築又は建築物の低炭素化のための建築物の増築、改修、修繕若しくは模様替若し UA 外 皮 平 均 熱 貫 流 率 外皮平均日射熱取得 低炭素法においては、市街化区域等内に建築物の低炭素化に資する建築物の新 ( ) の基準の解説 都市機能の集約や建築物の低炭素化等の普及を目的としてつくられた法律である。 しての認定を受けることにより、建築物の容積率の緩和を受けることができる他、 暖冷房 税制等の優遇を受けることが可能となる。 換 気 給 湯 照 明 発 電 第5章 第6章 第7章 7 01.indd 7 15.3.18 10:08:25 AM
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