フサフサ荘にやってきた野々瀬朱莉さん - タテ書き小説ネット

フサフサ荘にやってきた野々瀬朱莉さん
小鳥遊なとり
タテ書き小説ネット Byヒナプロジェクト
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︻小説タイトル︼
フサフサ荘にやってきた野々瀬朱莉さん
︻Nコード︼
N0645BH
︻作者名︼
小鳥遊なとり
︻あらすじ︼
完全趣味の身内ネタですのでご了承下さい。
1
人物紹介
一階
しのざき
はな
101号室 篠崎 花 職業は漫画家︵PN.太郎︶
いつの間にかフサフサ荘に転がり込んできてた女子。
何だかんだで世話になってる房野に感謝している。
みなと
房野の自称嫁だが、その割には房野と他の住人の絡みを見ては漫画
のネタにしている。
たかなし
102号室 高梨 湊 職業はホスト︵源氏名は優︶
女の子をとりあえずで口説くような誑し。
意外に真面目な部分もあり、みんなから慕われてる。
みらい
なかむら
りこ
人をからかうのが大好きで、相手を弄れるなら多少の犠牲は厭わな
い。
ほしの
103号室 星野 未来 中村 莉子
職業は喫茶店﹃空の音﹄のマスターとウエイトレス
同棲中のカップル。
イケボで彼の声を聞くためだけに店に通う女性の常連もいるらしい。
そして、気さくなウエイトレスに勘違いする男性客も後を絶たない
らしい。
2
オウ
シーミン
104号室 王 世民
中国人留学生
近所の中華料理店﹃華伝﹄でアルバイト中。
ふうた
106号室に引っ越してきた野々瀬に好意を持つ。
酒癖が悪い。
にのみや
105号室 二宮 楓太
大学生 ゲーセンに足繁く通い万年金欠。
よく他の住人から弄られる。
あかり
容姿は整っているのにどこか残念。
ののせ
106号室 野々瀬 朱莉 主人公 大学生 コンビニと喫茶店掛け持ちして学費や生活費を稼ぐ。
はづき
自分は普通だと信じてるツッコミ役。
テンションは高め。
いちのせ
107号室 一ノ瀬 葉月 職業はディトレーダー
滅多に姿を現さずに部屋で黙々と作業をしている。
初対面では男女が判別できない程の中性。
しおり
永瀬 詩織
ながせ
一人称はあたし。
108号室
職業は昼が花屋で夜はホステス
3
見た目清楚なのに中身おっさんな人。
あまね
可愛いものが大好き。
下ネタを吐く。
二階
あまみや
201号室 雨宮 天音 高校生 礼儀正しい子。
大家の房野が大好きでたまにタガが外れるが平常運転。
みんなから可愛がられている
ゆうすけ
202号室 高梨が床を一部ブチ抜き、二階として使用している。
むとう
203号室 武藤 祐介
大学生
定食屋でアルバイトしている。
きょうすけ
よくフサフサ荘の面々がハメを外して何故か店長に怒られる。
色々と残念な子。
ふさの
204号室 房野 恭介
職業はフサフサ荘の大家
よく縁側で白猫のこうすけと戯れている。
毎日、住人たちに振り回される34歳独身。
ヘビースモーカー。
4
ゆいざき
そうた
205号室 結崎 蒼太
高校生 野球部に所属し毎日部活に打ち込んでいる。
冷静なツッコミ役として野々瀬と共に頑張っている。
ひさし
何故か高梨と篠崎を兄や姉のように慕う。
よねざわ
205号室 米沢 久志
職業は公務員 フサフサ荘の良心とは彼のこと。
房野が隣室の石川とくっつけようとしてくるのに困惑している。
たまみ
フサフサ荘で最年長。
いしかわ
207号室 石川 珠実
職業はホステスのママ
みんな頭が上がらないフサフサ荘のドン。
みんなを可愛がっている。
怒ると正座させる。
208号室 物置 フサフサ荘全員が使っていいものが入っている。
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第零話
野々瀬朱莉の入居
﹁だから俺は変態じゃナーイ!﹂
﹁ダウト﹂
必死に祐介さんはそう叫ぶがみんなは口々にダウトと言う。私も
今日会ったばかりだがダウト⋮⋮嘘だと思う。
それにしても⋮⋮これは酷いよね。辺りを見渡せばみんなやりた
い放題だよ。何が酷いって大家さんが上半身を剥かれていたり、そ
の絵を嬉しそうにスケッチしたりしている人がいるところ。
しかも、それを誰も疑問視していないし。なんで私はここに入居
を決めてしまったのだろ? いや、家賃がリーズナブルで立地条件
が良かったからだけどさ⋮⋮
それにしても住人達がぶっ飛びすぎじゃない? 不動産屋さんと
のやり取りを思い出す。うん、どこか様子が変だった。あのハゲめ
⋮⋮
﹁ののちゃん?﹂
﹁え? あ、はい﹂
私が頭の中であのハゲの髪を毟ってやろうかとしていたところで
声を掛けられ、反射的に返事をする。そこには、えーと⋮⋮
シーミン
﹁どうしたネ?﹂
﹁⋮⋮世民さん?﹂
﹁あれ、忘れられかけてたヨ﹂
世民さんは苦笑しながらそう言うが、どこか柔らかく不快に思っ
ている感じはなかった。
﹁いや、今日は色々ありすぎて脳みその情報処理が⋮⋮﹂
あんだけインパクトのある出会いだったんだ。忘れられるわけな
い。ただ他の人達もインパクトがあって埋もれていただけなんだと
主張したい。
6
﹁気にしナイ、気にしナイ。それとワタシのことはミンとでも呼ん
でくれればいいヨ﹂
﹁⋮⋮じゃあ、ミンさんで﹂
﹁さん付けしなくていいネ﹂
﹁なら、ミンくんで﹂
﹁これからよろしくネ、ののちゃん﹂
そう言って笑うミンくん。こうしてれば普通の人なんだけどなー。
﹁朱ちゃん、ちょっとこっちおいで﹂
﹁っ!?﹂
みなと
今この空間で私のことを朱ちゃんと呼ぶのは一人しかいない⋮⋮
というか声でわかる。
﹁はい、何ですか? 湊さん?﹂
﹁んー、そんな端っこにいないでこっちおいでよ。主賓なんだから﹂
﹁そーだよ、ののちゃん。こっち来なよ﹂
二人して手招きするのはフサフサ荘の最恐コンビ︵私命名︶の湊
さんと詩織さん。年上なのもあるけど、この二人にはどうあっても
勝てる気がしない。というか戦いたくない。だって弄り方がすごい
んだもん。
二人の間にいる大家さんの格好が凄すぎて近寄りたくないのが本
音だけど⋮⋮
﹁おいで﹂
﹁⋮⋮ハイ﹂
この声には逆らえない。好きな声って卑怯だ。
﹁楽しんでる? ののちゃん?﹂
﹁えぇ、一応﹂
年下二人に弄られてる大家さんを尻目に私は静かにため息を吐く。
良く見れば三人の周りには缶ビールが1、2、3⋮⋮うん、たくさ
ん転がっている。
﹁大家さんにそんなことして怒られないんですか?﹂
﹁これがここの日常だからね、ねー、きょう兄﹂
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﹁君が来てからな、みなくん﹂
﹁そんなこと言って実は嬉しいんでしょ? きょうさん﹂
﹁ちょ、そこはヤメロ⋮⋮いや、ヤメてください。って、みなくん
もヤ、ヤメ⋮⋮﹂
こんな日常は嫌なんですけど⋮⋮思わず目を逸らす私。逸らした
視線の先は少し離れたところにいる花さんで止まる。何やらイイ笑
顔でペンを走らせている。
あまね
花さん、あなたさっき大家さんの自称嫁とか言ってませんでした
? 隣では天音ちゃんが何やら複雑そうな表情で三人のやり取りを
見たり、スケッチブックを後ろから覗いたりしている。これも日常
なのだろうか⋮⋮そうなんだろうなー。
私がフサフサ荘に来て何度目かわからないため息を吐くと背中を
ポンと叩かれる。後ろを振り向くとそこには蒼太くんが静かに首を
振っていた。どうやら私の今の心境を察したようだ。
私は無言で手を差し出す。蒼太くんも無言で手を握り返す。
︱︱︱ツッコミ頑張ろうね。
︱︱︱そうだね、のんちゃん。
目でそう語り合う私達。
﹁蒼太くんと握手してどうしたの、ののちゃん?﹂
﹁莉子⋮⋮いや、何と言うかお互い励まし合っていた的な?﹂
﹁何それ﹂
莉子は楽しそうに笑う。その横では星野さんが気怠げに珈琲を飲
んでいた。
﹁もう! 未来さんもつまんなさそうな顔しない!﹂
﹁⋮⋮別につまらないわけじゃないよ、莉子。ただあのノリについ
て行くのが億劫なだけさ﹂
﹁むう⋮⋮﹂
仲がいいなー、羨ましい。二人の邪魔をする気もないのでその場
から退散することにした。空を見上げれば綺麗な月が見えた。
確かに住人達は濃いけど、フサフサ荘自体は結構好きだ。部屋や
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建物も綺麗だし、中庭でこうやって騒げるのも楽しい。
しかし、この大量の食べ物とお酒やジュースはどこから出てきた
んだろ?
﹁どうした、野々瀬? 腹でも痛いのか?﹂
﹁ふぅくんか⋮⋮いや、この大量の食べ物とか飲み物はどこからっ
て思って﹂
声を掛けてきたのは同じ大学のふぅくん。何だかんだ入学してか
らの付き合いだ。大学から近いのもあってここには、フサフサ荘に
は同じ大学の人が多い。
﹁あぁ、料理は未来さんや詩織さんが作ってくれたんだ。飲み物は
みなにぃが買ってきた﹂
﹁すごいね⋮⋮この量だとお金もバカにならないだろうに﹂
これから一人暮らしをする身としてはついお金のことも考えてし
まう。
﹁みなにぃはこういう楽しいことにはお金に糸目つけないから⋮⋮﹂
二人して湊さんのことを見る。あ、大家さんを押し倒している。
詩織さんはケタケタ笑っているし、花さんは物凄い速さでペンを走
らせている。
﹁ついでにブレーキとかハンドルもない暴走人間になるから⋮⋮﹂
﹁それは今日会ったばっかりだけどわかる﹂
期せずして二人のため息が重なる。
﹁お二人さん、幸せ逃げますよ﹂
﹁はづねぇ⋮⋮﹂
﹁はづねぇ?﹂
﹁一ノ瀬葉月ですよ、野々瀬さん。先程はゴメンネ﹂
声が聞こえてきた先には、女の⋮⋮男の人? あれ、でもふぅく
んははづねぇって?
﹁あ、いいえ⋮⋮大丈夫です。こちらこそお仕事の邪魔をしてしま
ったようで﹂
﹁大丈夫ですから気にしないでください﹂
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﹁はぁ、わかりました﹂
﹁これからよろしくお願いしますね﹂
﹁はい、お願いします﹂
そう言い残して一ノ瀬さんは料理を取りにいった。
﹁珍しいな∼、はづねぇが部屋の外に出てくるの﹂
﹁そうなの?﹂
﹁俺でもたまにしか見ないもん﹂
﹁へぇ∼、あ! ちなみに一ノ瀬さんって男の人だよね?﹂
﹁一応。でも本人は中性って言ってるから俺らもそう思ってる﹂
なら私もそういう認識でいよう。
大学でもよく絡むからかふぅくんとの絡みは気楽だな、とか思っ
ていると湊さんから呼び出されるふぅくん。
行ってくる、と言い残したふぅくんの背中が何故か仕事に疲れた
父の背中と重なった。が、頑張れ、ふぅくん。
﹁楽しんでいますか、野々瀬さん?﹂
﹁あ、はい。なんとか⋮⋮﹂
﹁それは良かったです。ここの人達は濃いけど良い人ばかりだから
野々瀬さんもすぐに馴染みますよ﹂
﹁だと良いんですけどね⋮⋮やっぱり米沢さんはこのフサフサ荘の
良心ですね、良い人﹂
﹁何ですか、それは?﹂
米沢さんは面白そうに笑う。
﹁呼んだ?﹂
﹁へ?﹂
後ろを振り向くと妙齢の女性⋮⋮石川さんだ。
﹁えぇ、珠実さんも良い人ですよ﹂
﹁久志さん、褒めても何も出ないよ﹂
年長組のやり取りにどうしていいかわからないでいると、再び湊
さんに呼び出される。
﹁何ですか、湊さん?﹂
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﹁まだ言ってなかったからさ﹂
湊さんは大家さんへの馬乗りをやめて立ち上がる。
﹁?﹂
﹁ようこそ、フサフサ荘へ。俺達は朱ちゃんを歓迎するよ﹂
﹁あ、ありがとうございます﹂
波乱万丈な生活の始まりは目に見えているけど、退屈するよりか
はいいと思うことにした。元々私もハイテンションで楽しいこと大
好きだし。
フサフサ荘での生活を目一杯楽しもう!
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第一話
野々瀬の入籍
第二話 野々瀬の入籍
ここが私の新しい住居のフサフサ荘かぁ⋮⋮
立地条件も家賃も良いし、これで睡眠時間が二時間は伸びる!
とりあえず大家さんに挨拶しに行こうかな。引き戸を開けて中に
入る。
﹁こんにちわー、今日からお世話になる野々瀬 朱莉です﹂
﹁こんにちは、野々瀬さん。これからよろしくね﹂
初めて顔を合わす大家の房野恭介さんが柔和な笑みで出迎えてく
れる。足元では白猫が大家さんの愛に擦り寄っていて可愛い。
﹁ん? あぁ、この子はこうすけって言うんだ﹂
﹁こうすけくん⋮⋮可愛いですね﹂
﹁だそうだ、こうすけ。うん、ここで話すのもなんだし、とりあえ
ず部屋に荷物でも置いてからここの案内をするよ﹂
﹁あ、はい。お願いします﹂
靴を脱ぎ、私はフサフサ荘に足を踏み入れる。Hの形をしていて
二階建てのフサフサ荘の一階右側に私の部屋がある。
﹁ここが野々瀬さんの部屋でこれが鍵ね。荷物はもう運ばれてきて
るから﹂
﹁はい、わかりました﹂
私は鍵穴に鍵を差し込み扉を開ける。まだダンボールだらけだけ
ど、ここが私の部屋かー。うん、テンションあがる。
﹁野々瀬さん、案内と店子達の紹介に行こうか?﹂
﹁はい、お願いします﹂
﹁とりあえずあっちの棟の101号室から案内してこうかな。じゃ
あ行こうか﹂
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﹁はい﹂
真ん中の渡り廊下を通り左側の棟へ行く私達。突き当りを右に曲
がり一番奥の部屋の前で大家さんは立ち止まる。
﹁ここが101号室﹂
扉には可愛らしいネームプレートが掛けられていて、そこには⋮⋮
﹁篠崎 花さん⋮⋮﹂
﹁花、いるかい?﹂
﹁は∼い、何ですか∼、ふささん?﹂
大家さんが扉越しに声を掛けると中から可愛らしい声が聞こえて
きた。ちょっとワクワクするじゃないか。どんな可愛い人なんだろ?
﹁新しい店子が来たから紹介にね。一旦作業を止めて顔を出してく
れないかい?﹂
﹁今行きま∼す﹂
そして、中では何やら慌ただしい音が⋮⋮
﹁えっと⋮⋮作業中断させてしまっても良かったんですか?﹂
何をしているかわからないが作業を止めさせてまでというのは気
が引ける。
﹁まだ修羅場の時期じゃないから大丈夫だよ﹂
﹁修羅場?﹂
私が首を捻っていると扉が開いた。中から一人の女性が出てきた。
﹁こちらが101号室の篠崎花さん。で、こちらが新しく106号
室に入居してきた野々瀬朱莉さん﹂
﹁初めまして、野々瀬朱莉です。今大学一年生してます﹂
﹁わたしは篠崎花。漫画家やってます。ペンネームは太郎って言う
んだけど知ってるかな?﹂
﹁!? 進め!帰宅部!を描いている太郎さん!?﹂
思わず声が大きくなってしまい大家さんが驚いているけど仕方な
いよね、だって今テンションマックスだし。
﹁うん、そうだよ。もしかして読んだことあるの?﹂
﹁はい! 私大ファンでここにも漫画全巻持ってきてます! うわ
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ー、まさか作者さんに会えるとは⋮⋮サインとか貰ってもいいでし
ょうか?﹂
今すぐ部屋に戻ってダンボールを開け、漫画を持ってきたい衝動
に駆られるがそれも何だか恥ずかしいのでやめておく。別にこれか
ら一緒に同じ屋根の下に暮らすし、また今度でいいや。
﹁うん、いいよ。何ならキャラも描くよ、誰が良い?﹂
﹁えっと⋮⋮智明も捨てがたいけど、やっぱりせつひので!﹂
﹁おぉ∼、わたしもこのカップルお気に入りなんだよね! 気が合
うね﹂
﹁もう切なくて大好きです!﹂
もう作者さんだから当たり前に知っているだろうけど、あの二人
の切なさにはキュンキュンする。毎回続きが気になって仕方ない。
﹁だよね∼、というか野々瀬さん可愛いね。もうののちゃんって呼
んでいい?﹂
﹁え、あ、はい。大学の友達にもそう呼ばれていますし﹂
いきなりの話題転換に驚きながらもやっぱりそのあだ名になるの
か⋮⋮などと考えてしまう。
﹁⋮⋮﹂
﹁あ、あの⋮⋮どうしました?﹂
篠崎さんはまだジーッと見つめてくる。何だろ、何か居心地が悪
い?
﹁いや、可愛いな∼って。それに髪の毛も綺麗だね。絵のモデルに
ならない? というかわたしの嫁にならない?﹂
﹁!?﹂
予想の遥か上空を吹っ飛んでいく発言に思わず目を見開いてしま
う。
﹁ふささん、いいよね?﹂
﹁何故僕に確認を取るのだい?﹂
私も同じことを考えた。一体どういう意味での確認なんだろう?
﹁だってふささんの嫁だし、わたし﹂
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﹁えっ!?﹂
え、この二人結婚しているの? でも苗字が違うし⋮⋮え、え?
﹁君の自称だけどね、好きにすればいいさ﹂
大家さんはため息を吐きつつ答える。どこか諦めの境地が見え隠
れするのは何故だろうか?
﹁じゃあ、そうします。ということでののちゃんはわたしの嫁!﹂
﹁え? え? えぇぇぇ∼﹂
思わず大きな声を出してしまったけど許して欲しい。まさかこん
な展開になるなんて1ミリも想像出来るはずがなかったのだから⋮⋮
﹁花はもう少し女の子に対して節操を持つべきだ。僕の立場がない
よ﹂
﹁そんなの知りません! ののちゃんは今日この瞬間から私の可愛
い嫁です!﹂
野々瀬朱莉は篠崎花さんと入籍しました⋮⋮?
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PDF小説ネット発足にあたって
http://ncode.syosetu.com/n0645bh/
フサフサ荘にやってきた野々瀬朱莉さん
2012年10月16日12時58分発行
ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。
たんのう
公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ
うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、
など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ
行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版
小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流
ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、
PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル
この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。
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