中1 物質の姿と状態変化(第1時 サイエンスホール)

出雲科学館理科学習指導案
新しい科学1年 (東京書籍)
pp.108~120
中1 物質の姿と状態変化(第1時 サイエンスホール)
1 本時の目標
・いろいろな物質の状態変化の観察を通して融点及び沸点の概念について理解し,身の回りの物質の状態変化に興味や関心をもつことができる。
2 展 開
学 習 活 動
○本時の学習内容を知る。
・窒素の沸点を測定する。
内容および支援(または留意点)
(★ 理科担当)
★代表生徒を指名する。(液体窒素で硬化させたネギを握る)
時間
35 分
5
・皮手袋
・液体窒素の温度を測定する。
・保護眼鏡
・液体窒素を床に撒いて気化する様子を提示し,物質には固体・液体・気体の3つの姿があ
・デジタル温度計
・ネギ
・小学 4 年生の水の加熱(沸騰)や冷却の実験を想起させ,融点と沸点について説明する。
・デュワー瓶
・物質の融点と沸点について知る。
・柄杓
○冷却した時の物質の状態変化について観察す ・身近な物質を冷却して,それぞれの物質が状態変化する様子や温度を調べることを説明す
【気体の冷却】
・二酸化炭素の固化する様子を観察する。
・窒素の液化する様子を観察する。
・酸素の液化する様子を観察する。
・液体窒素
・液体窒素中にネギを入れて凍結させ,手袋をした手で握らせ,その変化の様子を見せる。
ることを示す。物質が状態を変えるとき,熱の出入りが関わっていることを説明する。
る。
教材・教具など
15
る。
・液体窒素
・デュワー瓶
・小学6年生,燃焼の科学館理科学習で用いた資料をもとに,空気に含まれる物質を想起させ
・窒素
る。
・二酸化炭素
・液体窒素中で冷却し,二酸化炭素を固体に,窒素と酸素を液体にする実験を行う。そのと
・酸素
き体積が変化することに気づかせる。
・風船
・液体酸素に火のついた線香を入れ,酸素の助燃性を確かめる。
・試験管
・ガスライター
・物質の種類によって融点や沸点は異なるこ ・物質によって沸点・融点が決まっていることをグラフで示す。
・線香
と,熱が出入りすることで状態変化するこ ・熱の出入りと物質の状態変化について説明する。
・皮手袋
とを知る。
・保護眼鏡
【液体の冷却】
・窒素の固化を観察する。
・真空ポンプ
・液体窒素をデュワー瓶中で減圧して固体にする実験を行う。
・極低温型デジタル温度計
※可能であれば,固体の窒素が液体の窒素へ沈む現象を見せる。
・エタノール
・20℃1気圧で気体状態にある物質も,熱を奪って低温にすると液体,固体へと姿を変え,
・ピンセット(大型)
状態変化することを説明する。
・駒込ピペット
・アルミニウムトレイ
・エタノールが固化し,再び液化する様子を ・液体窒素を用いて,エタノールを固化する実験を行う。それを放置して再び液体に状態変
観察する。
化する様子を観察させる。
○加熱した時の物質の状態変化について観察す ・身近な物質を加熱して,それぞれの物質が状態変化する様子を調べることを説明する。
11
・エタノール
る。
・沸騰石
【液体の加熱】
・ガスコンロ
・エタノールが沸騰する様子を観察する。
・エタノールを加熱し,液体から気体に状態変化する実験を行う。
・ビーカー
・エタノールの沸騰の様子を観察しながら,蒸発と沸騰の違いを説明する。
・試験管
【固体の加熱】
・デジタル温度計
・アルミニウムが融解する様子を観察する。 ・固体も加熱されると液体や気体へと状態変化すること,物質の種類によって融点・沸点が
・食塩,アルミニウム
・食塩が融解する様子を観察する。
・るつぼ
異なることを説明する。
・石英蒸発皿
・すべての物質には三つの姿があり,温度の違いによりその姿を変えること,また,その温
・ガストーチ
度は物質に固有であることをまとめる。
・放射型デジタル温度計
・保護眼鏡
・皮手袋
○物質の状態変化を粒子のモデルで考える。
・物質が状態変化するときの体積変化を粒子のモデルで説明する。
3
○次時の学習内容を知る。
・実験室では,混合物を加熱して出てくる物質を調べる実験を行うことを伝える。
1
- 20 -
出雲科学館理科学習指導案
中1 物質の姿と状態変化(第2・3時 実験室・実習室)
新しい科学1年(東京書籍)
pp.121~123
1 本時の目標
・混合物(赤ワインまたは水とエタノールの混合物)を熱して出てきた物質を調べる実験を適切に行い,実験結果を整理することができる。【 観察・実験の技能 】
・混合物からエタノールと水が分離されたのは沸点の違いによることを説明できる。【 科学的な思考・表現 】
2 展 開
内容および支援と評価
学 習 活 動
T1(理科担当)
○本時の学習を知る。
時間
T2・T3
・状態変化について粒子のモデルで確認す
る。
・水とエタノールの沸点と融点を確認する。
・混合物の状態変化について調べることを
伝える。
※沸点や融点など重要な用語について振り
返る。
○学習課題を設定する。
・混合物を加熱し出てくる物質を調べる。
○出てくる物質を予想する。
・成分の確認
・予想,発表
・混合物の成分,蒸留装置の仕組みの説明をする。
85 分
5
55
○結果の分析
・結果から対象の物質をエタノールと水に絞り,これら
の物質を特定する方法について考えさせ発表させる。
・水とエタノールの性質(色・におい・燃え方・沸点)
を確認する。
※エタノールの燃え方を演示し,においは実際に確認さ
せる。
。
・集めた液体それぞれのにおい,火を近づけたときの様
子について調べる方法を説明する。
○物質の特定方法を考える。
○実験をして集めた液体を特定する。
+水+食紅
・蒸留装置一式
(枝付きフラスコ,ス
タンド,リービッヒ
冷却器,温度計等)
・液量計
・沸騰石
・ガスバーナー
・蒸発皿(芯入り)
・ガスライター
・エタノール入りの
小瓶
・蒸発皿
・アルコールランプ
の芯
・ガスライター
・濡れ雑巾
・安全で正確な実験が行えるよう指導する。
○結果を発表する。
※1
混合物選択
・エタノール
・安全で正確な実験が行えるよう指導する。特に弱火で完全燃焼させるように指導する。
・出てくる蒸気の温度帯と色を記録する。
2~4 人の班で 12
班まで実験でき
る。
・赤ワイン
・加熱するとどのような物質が出てくるか予想し,発表
させる。
・物質の集め方について説明する。
・ガスバーナーの使い方について説明する。
・弱火で完全燃焼させるように指導する。
※室内の換気を十分に行う。
○実験をして出てくる物質を集める。
教材・教具など
・集めた液体のにおい,火を近づけたときの様子につい
て結果を発表させ,まとめる。
◆混合物を熱して出てきた物質を調べる実験を適切に行い,
実験結果を整理することができる。
【 観察・実験の技能 】<行動・記録分析>
○集めた液体を調べた実験結果から考察する。
・それぞれの液量計に集まった物質は何かを ・液量計1~3のそれぞれに含まれる液体は
考察し,発表する。
何かを考察させる。
20
・棒温度計イラスト図
・液量計1~3で,出てくる物質とその割合が ・エタノール→水の順に出たこと,出てき
変化していった理由を考察し,発表する。
たときの温度帯をおさえ,その理由につ
いて考察させる。
・「エタノールの沸点が水より低いため,
先に沸騰し冷却され液体となって出てく
るから」とまとめる。
◆混合物からエタノールと水が分離されたのは沸点のちがいによることを説明できる。
【 科学的思考・表現 】<発言・記録分析>
○蒸留について知る。
・液体を熱して沸騰させ,出てくる気体を冷やして再び
液体にして取り出すことを「蒸留」といい,沸点の違
いを利用するとそれぞれの物質に分離することができ
ることを説明する。
・原油を分留したサ
ンプル
・原油の分留などの話をし,身近な生活の
中で蒸留が利用されていることを説明す
る。
○本時のまとめをする。
・
「学習を終えて」を記入する。
・今日の学習について肯定的な評価をする。
・今日の学習について振り返らせ,学習プリントの「学
習を終えて」を記入するよう指示する。
備考 ※1 蒸留に使用する混合物を「赤ワイン」または「エタノール+水+食紅」から 1 つ学校選択してください。
- 21 -
5
出雲科学館理科学習指導案
新しい科学1年(東京書籍)
pp.140~141,149~157
中1 光と音の世界(第1時 サイエンスホール)
1 本時の目標
・音は物体が振動することで生じ,空気中を伝わっていく実験や音の大小・高低と物体の振動との関係を調べる実験などを行い,音について興味や関心を高めることができる。
・光の全反射などの現象を見て,光の性質について興味や関心を高めることができる。
2 展 開
学 習 活 動
○本時の学習課題を知る。
内容および支援(または留意点)
(★ 理科担当)
・雷の映像から,光と音について学習することを知る。
○音とは振動であることを観察する。
・音が出ているものは振動していることを観 ・音源は振動していることを確認する。
察する。
・音が聞こえているときには振動が伝わって ・スピーカーから大きな音を出すことで音の振動を感じさせる。
きていることを確認する。
○音の伝わり方を調べる。
・真空鈴の実験を観察する。
・音源まわりの空気の様子を観察する。
・空気中の音の伝わり方について知る。
時間
35 分
2
・雷の映像
20
・大太鼓
・ギター
・音叉
・スピーカー
・CDラジカセ
・ウーハー
・パワーアンプ
・定周波発信器
・大型真空デシケーター
・真空ポンプ
・目覚まし時計
・小型扇風機
・吹き流し
・重低音スピーカー
・ろうそく
・レーザー光線発生装置
・音叉
・回転鏡
・マイク
・オシロスコープ
・キーボード
・弦楽器など
・人の声
・デシケーター内の空気を真空ポンプで抜くと目覚まし時計の音が聞こえなくなることから,音が
伝わるためには空気などの物質が必要であることを説明する。
★代表生徒を指名する。(太鼓をたたく)
・太鼓のまわりの空気が振動していることを確かめるために、ろうそくの炎のゆれを観察す
ることを説明する。
・音源から耳までの音の伝わり方を空気の振動に着目して説明する。
○音の振動を調べる。
・音の振動をオシロスコープによる波形で観 ・音叉の振動がレーザー光線を使うと波形に表わせることから,音が波の形で表現できるこ
察する。
とを説明する。
・音の大小,高低の違いを振動の波形として ・楽器の音をオシロスコープで波形として表し,「振幅」「振動数」について説明する。
観察する。
★代表生徒を指名する。(キーボードや弦楽器などを操作したり声を出したりする)
・実験結果から,音の大小は振幅によって,音の高低は振動数によって,音色は波形によっ
てそれぞれ異なることを説明する。
○音の性質の利用について知る。
・超音波画像
・体外衝撃波結石破砕治療
・音の性質を応用した医療機器等について,身の回りで利用されている例を挙げ紹介する。
○音を光で伝える。
・光ファイバーの特徴について知る。
教材・教具など
・超音波画像
・治療機器等の紹介画像
★代表生徒を指名する。(光ファイバーで音を伝える)
・光通信の実験を行い,音を光に変えて伝えることができることを説明する。
・光ファイバー中での光の進み方は全反射であることを説明し,光ファイバーの特徴と通信
技術の進歩についてふれる。(材質と通信量の比較)
7
・CDラジカセ
・光通信実験機器
・光ファイバー原理説明機
・レーザー光源装置
・光ファイバー(単線)
○目に見えない光(赤外線,X線)について知 ・可視光線以外にも光には赤外線や X 線などがあることを説明する。これらの光が身のまわ
る。
りで利用されている例を赤外線カメラや軟 X 線装置を使って紹介する。
・赤外線カメラ
・軟X線装置
3
・赤外線カメラ
・軟X線装置
○次時の学習内容を知る。
3
・実験室では,凸レンズを使った実験を行うことを伝える。
- 22 -
出雲科学館理科学習指導案
中1 光と音の世界(第2・3時 実験室・実習室)
新しい科学1年(東京書籍)
pp.142~146,p.148
1 本時の目標
・凸レンズによってできる像について,光学台による実験を正確に行い,実験結果を記録することができる。【 観察・実験の技能 】
・凸レンズによってできる像について,実像の位置や大きさ,実像ができる条件など,その規則性を理解することができる。【 自然事象についての知識・理解 】
2 展 開
内容および支援と評価
時間
学 習 活 動
T1(理科担当)
○本時の学習課題を知る。
T2・T3
・凸レンズを使ってできることを確認し, ・凸レンズで光を集められること,像が大きく見えること,
凸レンズでできる像について調べていく
像が上下左右逆に見えること,像を映すことができる
ことを伝える。
ことを虫眼鏡(凸レンズ)を使って確認させる。
・光を集められること
・虫眼鏡で日光を集めた経験や,凸レンズを使って望遠
・像が大きく見えること
鏡を作った経験などを想起させる。
・像が上下左右逆に見えること
・光の屈折,焦点と焦点距離について説明する
・像を映すことができること
○光学台を使い,焦点を境に実像と虚像が入れ
替わることを確かめる。
・凸レンズを通して見える像には,実像や虚像と呼ばれ
る向きや大きさの違う像があることを伝え、2つの像は
焦点を境に入れ替わることを確認させる。
○実像を観察する。
・凸レンズを通して景色を見ながら,スクリーンの位置
を動かしていくと,スクリーンに映る像が鮮明に見え
る位置があることを演示する。
・光学台上の物体およびスクリーンを動かし,スクリー
ンに物体の像がはっきり映る位置があることを演示し,
光学台の説明をする。
○物体の位置を動かすと,実像の大きさがどの
ように変わっていくのか観察させる。
・物体を自由に動かしながら,できる実像の
大きさを調べる。
教材・教具など
90 分
10
・凸レンズ
・スリット付き光源
装置
・スクリーン
・虫眼鏡
40
・光学台
(LED光源,
凸レンズf=75㎜,
スクリーン)
2~4人の班で12班
まで実験できる。
・物体と凸レンズの距離を意識しながら,できる実像の
大きさを観察させる。
・物体,凸レンズ,実像の位置関係を意識しながら実験ができるように支援する。
○物体と同じ大きさの実像ができるときの物体
と凸レンズ,スクリーンの位置関係を調べる。
・物体と同じ大きさの像がスクリーンに映るときの物体
と凸レンズ,スクリーンの位置関係を調べることを説
明する。
・LED光源と同じ
大きさの「点」を
記した紙
◆物体と同じ大きさの像が映るときの物体とスクリーンの位置を調べ,その結果をまとめること
ができる。
【 観察・実験の技能 】〈行動・記録分析〉
○実験結果を発表する。
・実験結果から,物体と同じ大きさの像が ・焦点距離の異なる凸レンズでも,同様の関係になって
スクリーンに映るとき,「凸レンズから
いることを確認する。
物体までの距離」と「凸レンズからスク
リーンまでの距離」は,「凸レンズの焦
点距離の2倍」になっていることを導く。
○物体が,凸レンズの焦点距離の 2 倍の位置に
ないときの実像の大きさや位置について,光
学台を操作しながらまとめる。
・焦点距離の異なる
凸レンズ
・物体が,凸レンズの焦点距離の 2 倍の位置にないとき
の実像の大きさや位置を,光学台を操作しながら調べ
させる。
・光学台で観察できる範囲を超え,さらに実像を大きく
したり小さくしたりできることを演示等で示す。
・物体,凸レンズ,実像の位置関係を確かめながら実験ができるように支援する。
◆実像の位置や大きさについての規則を理解することができる。
【 自然事象についての知識・理解 】〈行動・記録分析〉
○簡易カメラを製作し,その焦点距離を調べる。
・カメラは凸レンズ等が利用されたものであり,凸レン
ズによる像のでき方の規則性が利用されていることを
説明する。
・簡易カメラの作り方を説明する。
・簡易カメラを使い,焦点距離を調べる。
30
・カメラキット
f=100㎜
・セロハンテープ
・両面テープ
・はさみ
・製作で困っている生徒に個別に支援する。
○本時のまとめをする。
・
「学習を終えて」を記入する。
・今日の学習について肯定的な評価をする。
・光学台による実験結果とカメラ内部の仕組みとの関連
性について説明し,生活の中で科学的な知識が生かさ
れていることを伝える。
・ヒトの目もカメラ内部の仕組みと同じ原理であること
を紹介する。
・今日の学習を振り返らせ,学習プリントの「学習を終
えて」を記入するよう指示する。
- 23 -
10
・ブタの目の写真等
・目の模型
出雲科学館理科学習指導案
新しい科学2年(東京書籍)
pp.13~51
中2 物質どうしの化学変化(第1時 サイエンスホール)
1 本時の目標
・物質を燃焼させたり,その際の質量変化を調べたりしながら,物質が燃えるときの化学変化について興味や関心を高めることができる。
・物質どうしが結びついて別の物質ができる化学変化を,原子や分子のモデルで説明できることを理解する。
2 展 開
学 習 活 動
○本時の学習内容を知る。
・燃焼の 3 条件を復習する。
○物質を酸素中で燃やす実験を観察する。
内容および支援(または留意点)
(★ 理科担当)
時間
40 分
2
・小学 6 年生の時に学習した,物質が燃えるための 3 条件を確認する。
・燃焼は化学変化の 1 つであり,化学変化を原子や分子のモデルで考えると,理解しやすい
ことを伝える。
・物質を酸素中で燃やす実験をし,燃えた後にできた物質を調べることを伝える。
・水素の燃焼を観察する。
・水素と酸素の混合気体に点火すると,水ができることを確認する。
・100m ホースを用いた全員参加の水素燃焼実験の際に,安全のためホースを折り曲げないよ
う生徒に注意を促す。
※水素の燃焼に関して,演示実験では内径 10 ㎜のホースを使うが,生徒の実験では内径6㎜
のホースを使用し,大音量の爆鳴を生じないように配慮する。また,ホースの破損がない
か使用前に毎回点検をする。
・ダイヤモンドの燃焼を観察する。
・ダイヤモンドは燃えてなくなり,二酸化炭素ができることを確認する。
・どちらの燃焼も,燃えた後の物質は,燃える前とは異なる物質に変化していることを示す。
○化学変化と状態変化の違いを知る。
○化合の定義を知る。
・化学変化の定義を説明し,化学変化と状態変化の違いを原子や分子のモデルで示す。
・
「化合」は 2 種類の物質が結びつく変化であることを説明する。
○化学変化を原子や分子のモデルで説明でき
ることを知る。
・
「物質は小さな粒子(原子)からできている」と考え,水素やダイヤモンドの燃焼を原子や分
子のモデルを用いて説明する。
○ドライアイス中で物質は燃えるのか調べる。
・ドライアイス中でのマグネシウムの燃焼を ・二酸化炭素を満たした集気瓶へ火のついたろうそくを入れたときの様子を想起させておく。
観察する。
・ドライアイス(二酸化炭素)の中でマグネシウムが燃焼した後には「白い粉と黒い粉」がで
きていることを示す。
白い粉状物質:酸化マグネシウム
黒い粉状物質:炭素
13
・透明ホース
・圧電素子
・スタンド
・水素‐酸素混合気体
・濡れ雑巾(静電気除去用)
・ダイヤモンド
・ダイヤモンド燃焼装置
・酸素ガスボンベ
・スライダック
・石灰水
6
・マグネシウム
(粉末,削り節状)
・薬品さじ
・ドライアイス(本体とフタ)
・ガストーチ
・防護カバー
・保護眼鏡
・防炎マット
・濡れ雑巾
7
・電子顕微鏡で見た原子の写真
・周期表
・元素鉱物(金・銀・銅)
・酸素や窒素,二酸化炭素を詰
めた袋
・電子天秤
・透明容器
・二酸化炭素スプレー缶
・ろうそく
・ガスライター
11
・スチールウール
・丸底フラスコ(砂入り)
・ピンセット
・酸素ボンベ
・電源装置
・電子天秤
・
「黒い粉は何なのか」を原子や分子のモデルを想像して推測させる。その後,この実験を
原子や分子のモデル図とアニメーションで説明する。化学変化は,原子や分子のモデルで
表すことで理解しやすいことを伝える。
※ここでは還元について,物質間での酸素の授受であることに簡単に触れる。
○身のまわりの物質に含まれる原子を知る。
・原子の電子顕微鏡写真を見る。
・電子顕微鏡で見た原子の様子を紹介する。
・物質を構成している単位は原子や分子であることを,金・銀・銅などの金属や酸素・窒素など
の非金属を例に,実物と周期表を用いて確認する。
・原子の記号を知る。
・原子は記号で表されることを,炭素や鉄や酸素などで例示する。
・原子に質量があることを知る。
・透明な容器に二酸化炭素を注入し,はじめよりも質量が増えたことを確認する。その後,容
器を傾けることで空気よりも重い二酸化炭素が下に移動し,ろうそくの炎を消すことを確認
する。
○空気中で物質を燃焼させた時,反応前後の質
量の変化について調べる。
・スチールウールの燃焼実験について,開放 ・物質を燃やすと反応後の物質の質量はどうなるのか,開放系及び閉鎖系それぞれの結果に
系と閉鎖系を比較して調べる。
ついて原子や分子のモデルを想像して予想させる。
★代表生徒を指名する。
(開放系でスチールウールを燃やす。
)
・スチールウールの燃焼前後の質量を調べる。・開放系での実験結果から,
「鉄が酸素と化合し酸化鉄ができた。酸化鉄は結びついた酸素の
・スチールウールの燃焼前後で,密栓した容
分,質量が増えた」ことを原子や分子のモデルを用いて説明する。
器全体の質量を調べる。
・閉鎖系での実験結果から,
「密閉した容器内で実験をすると,その前後で全体の質量は変わ
らない」
「化学変化によって物質をつくる原子の組み合わせが変わっても,全体の原子の数
は変わらない」ことを原子や分子のモデルを用いて説明する。
・質量保存の法則を知る。
○次時の学習内容を知る。
教材・教具など
・化学変化の前後で物質全体の質量は変わらない「質量保存の法則」を説明する。
・実験室では,マグネシウムを燃やした時の質量変化について詳しく実験することを伝える。
- 24 -
1
出雲科学館理科学習指導案
中2 物質どうしの化学変化(第2・3時 実験室・実習室)
新しい科学2年(東京書籍)
pp.52~55
1 本時の目標
・金属(マグネシウム)を熱して,反応の前後の質量を正しく測定し,その結果を表やグラフに表すことができる。
【 観察・実験の技能 】
・金属(マグネシウム)の質量と化合する酸素の質量との間には,一定の関係が成り立つことを理解することができる。
【 自然事象についての知識・理解 】
2 展 開
内容および支援と評価
学 習 活 動
T1(理科担当)
○本時の学習課題を知る。
・
「マグネシウムを熱するとどれだけの質
量の酸素と化合するのか。
」加熱回数と
質量変化のグラフ例をもとに生徒に予
想させる。
○マグネシウムを空気中で燃焼させ,化合する
酸素の質量を求める。
・班ごとに,異なる質量のマグネシウムの質
量変化について調べる。
時間
T2・T3
・班ごとにマグネシウムの質量を変えて実験すること,
マグネシウムに結びつく酸素の質量には限界があるか
について調べることを伝える。
・電子天秤の皿の上に熱い状態の燃焼皿が乗せられるよ
うにタイルを利用するなど,実験方法を演示する。
・空のステンレス皿の質量を量り,プリントに記入する。
・燃焼時に明るく発光するマグネシウムの光と熱に十分
注意するよう伝え,その飛散による事故を防ぐために
保護眼鏡の着用を指示する。
40
・強火で熱するため,火力調整の支援をする。火力調整を終えた班へ加熱開始の指示をする。
・燃焼後には燃焼皿を一旦冷まし,質量を速やかに測定
させる。
・未反応のマグネシウムを完全に燃焼させるため,加熱
を繰り返し行い,十分に酸素と化合させる。
・班や個人への支援をする。特に安全面に配慮するよう心がけさせる。
・実験結果を記録する。
◆マグネシウムを熱して,反応の前後の質量を正しく測定することができる。
【 観察・実験の技能 】
〈行動・記録分析〉
・各班のデ-タからグラフを作成する。
・グラフ作成における留意点を伝える。
・記入する点の大きさ
・変化の見極め(直線か曲線か)
・すべての測定値のなるべく近くを
通る線の引き方 等
・ホワイトボードに各班の実験結果を書き込む。
・プリントの表に各班の実験結果を記入するよう
に指示する。
・化合するマグネシウムと酸素の質量にどのような関係
があるのかを調べるために,実験結果をグラフにする
とよいことに気づかせる。
・保護眼鏡
・マグネシウム(粉末)
・薬品さじ
(プラスチック)
・ステンレス皿
・タイル(大・小)
・電子天秤
・三脚
・三角架
・ガスバーナー
・るつぼばさみ
・ステンレスヘラ付
き薬品さじ
・ステンレストレイ
・濡れ雑巾
2~4 人の班で 12
班まで実験でき
る。
・一定の質量のマグネシウムに化合する酸素の質量には,
限度があることを確認する。
・マグネシウムの量の多い班ほど,結びついた酸素の量も
多くなっているのか問いかける。
○マグネシウムの質量と化合する酸素の質量との関
係を調べる。
・各班の実験結果を整理する。
教材・教具など
80 分
5
30
・提示用グラフ
・マグネット
・提示用直線
・表やグラフ作成に困っている生徒を支援する。
◆実験結果を表やグラフに適正に表すことができる。
【 観察・実験の技能 】
〈行動・記録分析〉
○化学変化する物質の質量には,一定の関係が ・グラフから,マグネシウムの質量とマグ
あることを確かめる。
ネシウムに化合する酸素の質量の限界は
比例関係にあり,質量比が 3:2 になる
ことを確かめる。
・マグネシウムと化合する酸素の質量比 3:2 は,原子
1 個ずつの質量比であることを,化学式や原子のモデ
ル,原子量などをもとに説明する。
◆マグネシウムと酸素から酸化マグネシウムができる時,一定の関係で化合することを理解す
ることができる。
【 自然事象についての知識・理解 】
〈発言・記録分析〉
○本時のまとめをする。
・実験の結果をまとめる。
・生活の中で見られる化学変化について考
える。
・互いに反応する物質の質量の比が一定であることを,
化学式や原子のモデルなどによって説明する。
・カイロ(酸化鉄)などを紹介し,生活の中にも化学変
化が使われていることを紹介する。
5
・今日の学習について肯定的な評価をする。
・
「学習を終えて」を記入する。
・今日の学習について振り返らせ,学習プリントの「学
習を終えて」を記入するよう指示する。
備考 学校の希望に応じ,各班ごとに担当する質量を変えて燃焼実験操作を 2 度実施する,技能面重視の内容とすることも可能です。(グラフ化は学校での対応となります。)
- 25 -
出雲科学館理科学習指導案
新しい科学2年(東京書籍)
pp210~211,222~233
中2 天気とその変化(第1時 サイエンスホール)
1 本時の目標
・空気中の水蒸気と気圧や温度の変化との関わりから,雲ができるしくみについて興味や関心を高めることができる。
2 展 開
学 習 活 動
内容および支援(または留意点)
(★ 理科担当)
時間
40 分
教材・教具など
○本時の学習内容を知る。
・地球全体の雲の動きと偏西風の動きを観察 ・天気の変化を左右する雲ができるしくみについて学習することを伝える。
する。
・大型球体スクリーンに地球全体の衛星雲画像を投影し,雲の動きと偏西風が西から東へ蛇
行しながら吹いている様子を観察させる。
3
・大型球体スクリーン
・プロジェクター
・ダジックアース
○雲の発生と上昇気流の関係について知る。
・上昇気流ができるところに雲ができやすい ・赤道付近で雲が常に発生していることから,上昇気流のあるところに雲ができやすいこと
ことを知る。
に気づかせる。
・上昇気流ができやすい場所について説明する。
(地面があたためられたとき,山の斜面に空気がぶつかったとき,寒気と暖気がぶつかっ
たとき)
7
・画像
・前線モデル実験器
・線香
・ペットボトル
・お湯
・保冷剤
・温度計
29
・飽和水蒸気量説明モデル
・大型円筒容器
・たらい
・線香
・ぬるま湯
・ドライアイス
・角型デシケーター
・丸型デシケーター
・袋入り菓子
・アルミ風船
・無色透明な袋
・真空ポンプ
・デジタル気圧計
・デジタル温度計
・ペットボトル
・炭酸キャップ
・エタノールと水の混合液
・冷凍庫
・LEDライト
・エアキャップ
・寒気と暖気を実験装置に入れ,仕切り板を ・前線モデル実験器内に寒気と暖気を作り,仕切り板をはずして前線面を作る。
はずしたときの空気の移動の様子を観察す ・寒気が暖気を押し上げながら移動することで上昇気流が発生していることを説明する。
る。
・温帯低気圧は寒気と暖気がぶつかることによって発生することを説明し,前線面では上昇
気流によって雲が発生していることを理解させる。
○雲の発生のしくみを知る。
・雲の正体は小さな水滴であることを知る。 ・雲は水蒸気が冷やされた小さな水滴でできていることを説明する。
・飽和水蒸気量と露点について知る。
・溶解度曲線を想起させながら,飽和水蒸気量と露点について説明する。
★代表生徒を指名する。
(モデルの操作を行う。
)
・モデルを操作させ,空気中に含まれる水蒸気と水滴の量は,温度によって変化することを
視覚的にとらえさせる。
・雲ができるための 3 つの条件を知る。
・雲ができるための 3 つの条件を確認する。
・冷却によって雲が発生する様子を観察する。★代表生徒を指名する。
(ぬるま湯と線香の煙を水槽内に入れ雲を作る。
)
・大型水槽の中にぬるま湯と線香の煙を入れた後,容器上部を冷やし,雲が発生する様子を
観察する。
・地表と上空の気圧の違いを実験で調べる。 ・減圧するとお菓子の袋が膨張する様子を示し,地上の空気が上昇すると膨張することを理
解させる。
・無色透明な袋を用いて,減圧によって袋内に雲が発生することを示す。
・気圧低下による空気の膨張と温度変化を調 ・角型デシケーター内にアルミ風船,温度計,気圧計を設置し,減圧すると風船内の空気の
べる。
温度が低下することを示す。
・雲ができるしくみを理解する。
・実験結果をふり返りながら,雲ができるしくみを整理する。
地上の空気が上昇 → 気圧低下 → 空気が膨張し温度が下がる → 露点に達し,水蒸気が
水滴に変化し,雲ができる
・ペットボトル内で雲を発生させる実験を行 ・ペットボトルに炭酸キャップをつけた装置で,生徒一人一人に雲発生実験をさせ,雲粒を
う。
観察させる。
・氷晶を観察させる。
○次時の学習内容を知る。
★代表生徒を指名する。
(冷凍庫内に呼気を吹き込む。
)
・冷凍庫内に氷晶を発生させ,観察させる。
・上空の雲には氷晶が存在し,水蒸気や水滴を付着して成長し,地上へ落ちてきたものが雨
や雪であることを伝える。
・実験室では,雪の結晶を作ったり,雲の移動する様子を調べたりすることを伝える。
1
備考 ※1 サイエンスホールの学習後、強風(風速 20m,風力 8)の体験ができるように大型送風機をホワイエに準備します。強風体験を希望する生徒には服装に留意するよう伝えてく
ださい。
- 26 -
出雲科学館理科学習指導案
中2 天気とその変化(第2時 実験室)
新しい科学2年(東京書籍)
p.235 科学の歴史
1 本時の目標
・雪の結晶を人工的に作ることに関心をもち,進んで実験・観察をすることができる。【 自然事象への関心・意欲・態度 】
・できた結晶の形から,雪ができた場所の水蒸気の量と気温は中谷ダイヤグラムや小林ダイヤグラムを活用して推測できることを理解する。【 自然事象についての知識・理解 】
2 展 開
内容および支援と評価
学 習 活 動
T1(理科担当)
○本時の学習課題を知る。
○人工雪をつくる。
・実験方法について知る。
・各班で実験装置を設置する。
T2・T3
・雪の結晶を「天から送られた手紙」であ
ると表現した中谷宇吉郎博士を紹介し,
この表現の意味(手紙にどのような情報
が記されていたのか)を考えながら実験
に取り組むように伝える。
時間
55 分
17
・雪の結晶を作る材料と条件を整理する。
・実験方法について説明する。
・ドライアイスを扱う際,軍手を使用するなど安全面に
配慮するよう促す。
・実験の方法で困っている生徒に個別指導を行う。
・しばらく静置する必要があるので,設置した後,第 3
時の学習を行うことを伝える。
教材・教具など
・ペットボトル
・発泡スチロール
容器
・釣り糸
・おもりになるもの
・ゴム栓
・ハンマー
・板
・軍手
・雑巾
・ドライアイス
・ドライアイスを入
れる袋
・ガムテープ
2 人組の班で 20 班
まで実験できる。
・雪の結晶が落ちるのを防ぐため,実験装置に振動を与えないよう静かに移動,着席するよう
指示する。
実習室に移動して,パソコンを利用した学習
を行う。
(学習時間 25 分 移動 5 分)
5
30
・雪の結晶が落ちるのを防ぐため,実験装置に振動を与えないよう静かに移動,着席するよう
指示する。
○人工雪を観察する。
・人工雪をルーペで観察する。
・スケッチや気づいたことを記入する。
・観察方法について説明する。
◆雪の結晶作りに関心をもち,進んで実験・観察をすることができる。
【 自然事象への関心・意欲・態度 】〈行動・記録分析〉
○観察結果を発表する。
○ペットボトル内の水蒸気の量と気温を推測す
る。
・観察結果(結晶の形,できていた場所など)
を発表させる。
・中谷ダイヤグラムと小林ダイヤグラムを紹介し,結晶
の形から雪ができた場所の水蒸気の量と気温を推測で
きることを理解させる。
・雪を作成したペットボトル内の結晶ができた場所の
水蒸気の量と気温を推測させる。
◆雪の結晶を観察し,できた結晶の形が樹枝状であることに気づき,小林ダイヤグラムから雪
ができた場所の水蒸気の量と気温を推測することができる。
【 自然事象についての知識・理解 】
〈行動・記録分析〉
○「天から送られた手紙」の意味を考える。
・
「天から送られた手紙」とはどのような意味なのか考え
させる。
○高層気象観測が天気予報の作成に役立ってい
ることを知る。
・高層気象観測の 1 つとして用いられているラジオゾン
デを紹介する。
・天気予報はたくさんのデータをコンピュータで解析し
たのち,最終的には人間が判断し,作成されているこ
とを伝える。
○本時のまとめをする。
・
「学習を終えて」を記入する。
・今日の学習について肯定的な評価をする。
・本時の学習について振り返らせ,学習プリントの「学
習を終えて」を記入するよう指示する。
- 27 -
3
・ルーペ
・中谷ダイヤグラム,
小林ダイヤグラム
資料
・ラジオゾンデ
出雲科学館理科学習指導案
中2 天気とその変化(第3時 実習室)
新しい科学2年(東京書籍)
pp.208~221
1 本時の目標
・雲の連続画像の情報から,日本付近の雲(低気圧)の移動する方角および移動距離を調べることができる。【 観察・実験の技能 】
2 展 開
内容および支援と評価
時間
学 習 活 動
T1(理科担当)
○本時の学習課題を知る。
○雲の移動について調べる。
・雲の移動する方角を確認する。
・雲(低気圧)の移動する距離を調べる。
T2・3
25 分
・気象衛星「ひまわり」からの雲の連続画像を利用して,
雲の移動について調べることを伝える。
25
・雲は西から東へ移動していくことを確認させる。
・偏西風の影響で雲は西から東へ移動していくことを説
明する。
教材・教具など
・2 人一組でパソコン
1 台を使用
・雲の連続画像
(雲,低気圧,台風)
・定規 ※1
・雲(低気圧)の移動距離の計測と算出方法を説明する。
・雲の移動距離の計測や算出に困っている生徒に個別指導を行う。
◆日本付近での雲(低気圧)の移動する方角および移動距離を調べることができる。
【 観察・実験の技能 】
〈発言・記録分析〉
・調べた結果を発表する。
・結果を発表させ,1 日に約 1000 ㎞移動していることを
確認する。
・参考として日本付近の雲(低気圧)は 1 日に 500 ㎞~
1000km 移動することを伝える。
・雲の移動の規則性が,天気の予測に役立つことに気づ
かせる。
○台風の動きを観察する。
・夏の台風の動きと秋の台風の動きの連続画像を観察さ
せ,進路が季節によって異なることを紹介する。
備考 ※1 雲の移動距離を調べる際に定規が必要です。
※2 台風の動きについては,連続画像を観察する活動にとどめます。季節によって進路が変化する理由については,学校で学習を行ってください。
- 28 -
出雲科学館理科学習指導案
新しい科学3年(東京書籍)
pp. 2~15,30~33
中3 化学変化とイオン(第1時 サイエンスホール)
1 本時の目標
・水溶液中のイオンの存在や生成,電極への移動に興味や関心をもつことができる。
2 展 開
学 習 活 動
○本時の学習内容を知る。
内容および支援(または留意点)
(★ 理科担当)
・イオンについて学習することを知らせる。
○うすい塩酸の電気分解を行い,どのような変 ★代表生徒を指名する。(通電実験と電気分解実験を行う)
化が起こるのか調べる。
・電解質であることを確認する。
・うすい塩酸が電解質であることをプロペラ付モーターをつないだ回路に電流を流して確認
する。
時間
25 分
1
7
・電気分解によって発生した気体を調べる。 ・うすい塩酸を電気分解し,陰極,陽極に発生した気体は何か調べる。
陽極:塩素・・・におい,インクの脱色
陰極:水素・・・マッチの火を近づける
○イオンの生成と塩酸の電気分解のしくみを知 ・電解質の水溶液には「電気を帯びた原子のもと」になるイオンが存在していることを説明
る。
する。
教材・教具など
・9V 電池
・電極,導線
・プロペラ付モーター
・ビーカー
・H型試験管
・マッチ
・うすい塩酸
・ろ紙
・シャーレ
・インク
・スポイト
5
・陽イオンになりやすい原子,陰イオンにな ・原子の成り立ちと電子配列を示し,陽イオンになりやすい原子,陰イオンになりやすい原
りやすい原子があることを知る。
子があることを簡単に説明する。
・原子が電子を受け取ったり,失ったりすることでイオンができることを説明する。
・塩酸の電気分解のしくみを理解する。
○身近な水溶液と指示薬の反応を観察する。
・塩酸の電気分解のしくみをイオンのモデルで説明する。
・小学 6 年時に学習した身近な水溶液の性質調べを想起させ,水溶液には酸性,中性,アル
カリ性のものがあることを確認する。
6
・指示薬によっての色の変化が異なることを ★代表生徒を指名する。
(指示薬に水溶液を加える実験を行う)
知る。
・中性に調整したフェノールフタレイン溶液,紫キャベツ液,万能指示薬に身近な水溶液を
数滴加え,指示薬の色の変化を観察させる。
・万能指示薬が pH によって色が連続的に変
化していく様子を観察する。
・アルカリ性に調整した万能指示薬にドライアイスとうすい塩酸を順に加え,指示薬の色が
変化していく様子を観察させる。
○酸性やアルカリ性の性質は水溶液中のイオン
が関係していることを知る。
5
・酸性,アルカリ性の性質を示すイオンの存 ・酸性やアルカリ性の水溶液には,それぞれの性質を示すイオンが共通して含まれているこ
在を知る。
とを知らせる。
・イオンが移動する様子を観察する。
・フェノールフタレイン溶液入り寒天と水酸化ナトリウム水溶液を使って,イオンが電極へ
移動する様子を観察させる。
・イオンは電気を帯びているから移動し,その性質を利用すればアルカリ性を示すイオンが
陽イオンか陰イオンかを調べることができることを理解させる。
・BTB 溶液の色の変化を確認する。
○次時の学習内容を知る。
・次時は BTB 溶液を使用して酸性,アルカリ性の性質を示すイオンは何かを調べることを知
らせ,酸性・中性・アルカリ性での BTB 溶液の色の変化を確認する。
・実験室の活動内容を伝える。
2 時間目:酸性やアルカリ性の性質を示すイオンは何イオンか調べる実験をすること。
3 時間目:電気分解の原理を利用しためっき実験をすること。
- 29 -
1
・万能指示薬
・フェノールフタレイン溶
液
・紫キャベツ液
・ショットグラス
・身近な水溶液
・マドラー
・大型メスシリンダー
・ドライアイス
・うすい塩酸
・ピンセット
・スポイド
・BTB 溶液
・フェノールフタレイン入
り寒天
・水酸化ナトリウム水溶液
・電源装置
・導線
・炭素棒
・呈色皿
・うすい塩酸
・うすい硫酸
・水酸化カリウム水溶液
中3 化学変化とイオン(第2・3時 実験室・実習室)
新しい科学3年(東京書籍)
pp.34~37
1 本時の目標
・電気泳動や金属めっきの実験を,安全に配慮して正しく行うことができる。
【 観察・実験の技能 】
・酸性の性質を示すイオンは水素イオンであること,アルカリ性の性質を示すイオンは水酸化物イオンであることを理解できる。
【 自然事象についての知識・理解 】
・金属めっきの実験を通して,イオンを利用した身のまわりの事例に興味や関心をもつことができる。
【 自然事象への関心・意欲・態度 】
2 展 開
学 習 活 動
T1(理科担当)
○本時の学習課題を知る。
時間
95 分
内容および支援と評価
教材・教具など
T2・T3
・電圧を加えるとイオンが移動することを
利用して,酸性・アルカリ性の性質を示
すイオンは何かを調べることを伝える。
5
・性質を示すイオンが陽イオン,陰イオン
だった場合の BTB 溶液入り寒天の色の変
化と移動の方向を確認する。
○うすい塩酸,硫酸と水酸化ナトリウム,水
酸化カリウムをしみこませた寒天に電圧を
加えて,BTB 溶液の色の変化と移動の方向
を調べる。
・2~4 人で 1 班として実験することを伝え,実験方法を
説明する。
・電気泳動中の寒天の様子を観察し,BTB 溶液の色の変化
の幅を記録することを説明する。
・グループや個人への支援を行う。特に安全面に配慮するよう心がけさせる。
・グループごとに実験する。
・結果を発表させる。
・酸性の水溶液の陽イオンとアルカリ性の
水溶液の陰イオンが BTB 溶液を変化させ
たことを確認する。
○実験結果と電離式から何イオンが BTB 溶液の ・4 種類の水溶液の電離式を提示し,何イ
色を変化させたのかを考察する。
オンが BTB 溶液の色を変化させたのかを
考えさせる。
・電離式を書く。
◆酸性の性質を示すイオンは水素イオンであること,アルカリ性の性質を示すイオンは水酸化
物イオンであることを理解できる。
・何イオンが BTB 溶液を変化させたのか考え
【 自然現象についての 知識・理解 】
〈行動・記録分析〉
る。
○電気分解の原理を利用して,金属の表面を別
の金属でめっきする実験を行う。
・めっきの原理を知る。
・各自で実験する。
・硫酸ニッケルは電解質であり,その水溶液には電流が
流れることを伝える。
・塩化銅水溶液の電気分解と関連させながら,めっきの
原理を説明し,金属板と電極のつなぎ方を考えさせる。
・1 人で 1 実験セットを使用することを伝え,乾電池 2 個
(3.0V)を電源としためっきの実験方法を説明する。
・電気分解後,陰極表面に析出したニッケル部分を研磨
するよう指示する。
35
◆金属めっきの実験を,安全に配慮し正しく行うことができる。
【 観察・実験の技能 】
〈行動・記録分析〉
・めっきの実用性や有用性について具体的な例を挙げて
紹介する。
・イオンが利用されているものを紹介する。
(シャンプー,イオンエンジンなど)
◆金属めっきの実験を通して,イオンを利用した身のまわりの事例に興味や関心をもつことが
できる。
【 自然事象への関心・意欲・態度 】
〈発言・記録分析〉
○本時のまとめをする。
・
「学習を終えて」を記入する。
・今日の学習について肯定的な評価をする。
・今日の学習について振り返らせ,学習プリントの「学
習を終えて」を記入するよう指示する。
- 30 -
※電気分解用の
電源は乾電池 2
個(3.0V)とし,
1人で1実験とす
る。
・保護眼鏡
・メッキ用の水溶液
(硫酸ニッケルと
塩化アンモニウム,
ホウ酸を溶かした
水溶液)
・ビーカー
・陰極(銅板)
・陽極(ニッケル板)
・キーホルダー部品
・乾電池 1.5V
・電池ホルダー
・みの虫クリップ付
導線
・研磨剤
・フェルト
・油性ペン
・竹串
・クリップ
・ストロー
・グループや個人への支援を行う。特に安全面に配慮するよう心がけさせる。
○めっきやイオンの利用例について説明を聞く。
2~4 人の班で 10
班まで実験でき
る。
・保護眼鏡
・塩酸
・水酸化ナトリウム
水溶液
・硫酸
・水酸化カリウム水
溶液
・ビーカー
・電極(炭素棒)
・電源装置
・ストロー
・導線
・目玉クリップ
・押しピン
・つまようじ
・目盛付台紙
・BTB 溶液
・硫酸ナトリウム入
り寒天
◆電気泳動の実験を,安全に配慮し正しく行うことができる。
【 観察・実験の技能 】
〈行動・記録分析〉
・実験結果を記録する。
・実験結果を発表する。
50
5
出雲科学館理科学習指導案
新しい科学3年(東京書籍)
pp.208~225
中3 科学技術の発展(第1時 サイエンスホール)
1 本時の目標
・私たちの日常生活の便利さや豊かさは科学技術によって生み出されていることを知り,科学技術の発展について関心をもつことができる。
・最先端ロボットの動きを観察することで,ロボットに利用されている技術とその可能性について興味や関心をもつことができる。
2 展 開
学 習 活 動
○本時の学習内容を知る。
内容および支援(または留意点)
(★ 理科担当)
・私たちの生活と密接に関わりのある科学技術について調べていくことを伝える。
○私たちが利用している科学技術について,特
に新素材の開発,進歩している科学技術につ
いて関心をもつ。
・超伝電導とその応用について知る。
(輸送分野・医療分野への応用など)
時間
45 分
教材・教具など
1
20
・-196℃に冷却した超電導物質にネオジム磁石を近づけ,磁石が浮遊する様子を観察させる。
・超電導の状態となったコイル(超電導電線コイル)に電流を流すと,電気抵抗がゼロのた
め豆電球が明るく点灯する様子を観察させる。
この電線を用いると極めて強力な電磁石(超電導磁石)を作ることができることを伝える。
・超電導の技術を応用して開発されているリニア新幹線や MRI などを紹介する。
・超電導物質
・超電導電線
・ネオジム磁石
・液体窒素
・発泡スチロール容器
・電磁石
・豆電球
・電子セラミック部品を観察し,製品の小型 ・カーナビゲーションの基板や部品を示し,IT 機器の性能の飛躍的向上は部品の小型化技術
化について知る。
にあることを知らせる。
・生徒に配布済みの電子部品(チップ積層セラミックコンデンサー)をルーペで観察するよ
う促す。※1
・コンデンサーの役割としくみ,小型化への工夫について地元企業の方から説明を受ける。
・カーナビゲーション基板
・チップ積層セラミックコン
デンサー
・繰り出しルーペ
・コンデンサー実験装置
・新技術や新素材について知る。
・新技術、新素材に関する物
例:ユーグレナバイオ燃料
ナノテクノロジー
発光ダイオード
光触媒
など
○最先端ロボットの技術に関心をもつ。
・ロボットの動く様子を観察する。
・ロボットと人間の共通性について知る。
・新技術や新素材をいくつか取り上げ,科学技術の発展の過程を紹介し,その進歩への関心
を高める。
23
・世界初の自律型二輪走行ロボットの演示を見せる。※1
・人間の行動のしくみを研究することによりロボットが開発されたことを説明し,その共通
性に気づかせる。
・最先端ロボット(二輪型)
・二輪走行ロボットの開発映像
・500 枚紙束
・ロボット技術の中で,モーター制御技術と ・搭載されている各種センサーについて簡単に説明し,認識技術とモーター制御について説
センサー技術について知る。
明する。
ロボット演示 1:前進~不倒停止~後退(ジャイロセンサーの利用とモーター制御)
ロボット演示 2:無線通信(加速度センサー,ジャイロセンサーによる認識技術と無線通信,
モーター制御)
ロボット演示 3:S 字平均台走行(アイカメラによる画像認識技術とモーター制御)
★代表生徒を指名する。
(演示 2 で,無線通信用のコントローラーを動かす)
・研究開発の様子の映像を示し,ロボットの完成に至るまでの研究者の試行錯誤の思いや完
成時の喜びを紹介する。
・地元企業の方の話を聞く。
・技術開発や仕事に対する思いなどを聞き,次の技術開発を担っていくのは生徒たちの世代
であることを伝える。
○次時の学習内容を知る。
・実験室ではセンサーを使ってロボット制御に取り組むことを伝える。
1
備考 ※1 出雲村田製作所の協力によりコンデンサーの説明,ムラタセイサク君(ロボット)の演示および搭載されているセンサーや通信技術などについて解説します。
- 31 -
出雲科学館理科学習指導案
中3 科学技術の発展(第2・3時 実験室・実習室)
新しい科学3年(東京書籍)
pp.208~225
1 本時の目標
・センサー型ロボットの仕組みやプログラミングに関心をもち,進んでロボット制御に取り組むことができる。
【 自然事象への関心・意欲・態度 】
2 展 開
時間
内容および支援と評価
学 習 活 動
T1(理科担当)
T2
○本時の学習課題を知る。
・目標とするロボットの動きを演示し,2 人 1 組で考え
ながら取り組むことを伝える。
・ロボットの制御は,コンピュータを使ってプログラミ
ングし,その命令をロボットに伝達して行うことを説
明する。
2
○プログラミングの基本を学習する。
・プログラムの入力や伝達方法等,ロボット制御の基本
について説明する。
58
○基本プログラムを応用し,発展的な動きに挑
戦する。
・演示用ロボット
※選択 A~D の
各ロボット
は,2 人1組で
使用する。各
学級に 5 セッ
トずつまで準
備することが
可能。
・プログラムの入力とロボットの動きとを相互に確認しながら,よりよい動きができるよう支
援する。
・操作方法等で困っている生徒を支援する。
◆ロボットの仕組みに関心をもち,進んでロボット制御に取り組むことができる。
【 自然事象への関心・意欲・態度 】
〈行動分析〉
【選択A:キャッチロボ】
(光センサー,タッチセンサー)
教材・教具など
75 分
【選択A】
課題1:前進
課題2:タッチセンサーによる制御をしよう
課題3:光センサーによる制御をしよう
発展 :ボールレスキューに挑戦しよう等
・ノート PC
・レゴNXT
【選択B】
課題1:前進
課題2:音センサーによる制御をしよう
課題3:超音波センサーによる制御をしよう
発展 :ナイスシュートに挑戦しよう等
・ノート PC
・レゴNXT
【選択C】
課題1:明暗センサーによる制御をしよう
課題2:接触センサーによる制御をしよう
課題3:ライントレースに挑戦しよう
発展 : LED 点灯や液晶画面への文字表示等
・ノート PC
・e-Gadget
【選択D:虫型ロボ2】
(明暗センサー,接触センサー)
【選択D】
課題1:明暗センサーによる制御をしよう
課題2:接触センサーによる制御をしよう
課題3:迷路脱出に挑戦しよう
発展 : LED 点灯や液晶画面への文字表示等
・ノート PC
・e-Gadget
○ロボット技術の進歩について考える。
・最先端ロボットの映像を視聴させ,科学技術がどんど
ん進歩していることを知らせる。
・開発の方向性や開発された技術をどのように活用する
のかを科学者や技術者だけでなく,利用者である私た
ちも考えていくことが大切であることを伝える。
※
1 回あたり,最大 4 学級(160 人)
が 8 部屋に分かれて学習する。
【選択B:ホッケーロボ】
(音センサー,超音波センサー)
・各部屋での生徒の取り組み状況
について確認する。
【選択C: 虫型ロボ1】
(明暗センサー,接触センサー)
・プログラムの入力とロボットの
動きとを相互に確認しながら,よ
りよい動きができるよう支援す
る。
・操作方法等で困っている生徒を
支援する。
○本時のまとめをする。
・
「学習を終えて」を記入する。
・今日の学習について肯定的な評価をする。
10
・最先端ロボットの
映像
5
・今日の学習について振り返らせ,学習プリントの「学
習を終えて」を記入するよう指示する。
備考 ※ 各学校では,事前にロボット(A~D)を生徒に選択させ,その生徒名簿を科学館へ送ってください。学級内で希望に偏りがある場合,合同で学習する学級(学校)間で調整を
してください。
- 32 -