よ り 良 い 外 用 指 導 を 求 め て

大槻 マミ太郎
先生
自治医科大学臨床医学部門皮膚科学 教授
[講演1]
アトピー患者は
何故その外用薬を希望するのか?
安部 正敏
先生
札幌皮膚科クリニック 副院長
[講演2]
乾癬の治療を考える
∼外用療法、
生活指導の側面から∼
高橋 英俊
先生
高木皮膚科診療所 院長
2015年 6 月 20日[土] 17:50
回日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会 イブニングセミナー
札幌医科大学医学部皮膚科学講座 教授
第
先生
より良い外用指導を求めて
山下 利春
アトピ ー性皮膚炎と乾癬の視点から
[座長]
31
Abashiri City
2
18:50
オホーツク・文化交流センター[エコーセンター2000]第2会場
〒093-0072 北海道網走市北2条西3丁目3番地 TEL 0152-43-3704 FAX 0152-45-0733
共催:第31回日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会/鳥居薬品株式会社/帝國製薬株式会社
アトピー患者は
何故その外用薬を希望するのか?
皮膚科診療において、
外用薬の重要性は
特定の外用薬を好む場合もある。
その理
論を俟たない。
湿疹皮膚炎群はもとより、 由は、眼からウロコの場合もあれば、基
皮膚潰瘍、表在性真菌症など、殆どの皮
剤を誤って認識している場合も存在す
膚疾患で外用療法が選択され、実際に
る。ステロイド外用薬における基剤の知
様々な軟膏やクリームが処方されている。 識の伝授は、
患者のアドヒアランス改善に
安部 正敏 先生
医療法人社団 廣仁会
札幌皮膚科クリニック
略歴
1993年3月 群馬大学医学部卒業
4月 群馬大学医学部附属病院研修医
(皮膚科学)
1994年4月 群馬大学大学院医学研究科博士課程入学
1998年4月 群馬大学大学院医学研究科博士課程修了
群馬大学医学部皮膚科学教室助手
外用療法が効果を発揮するためには、当
つながることも多い。
アトピー性皮膚炎を
2001年1月
たり前であるが患者が実際に塗布しな
代表とする湿疹皮膚炎群の治療におけ
2003年6月 群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学講師
ければならないが、外用療法はそのアド
る外用療法は、その理論と実 践の裏付
ヒアランスを如何に高く維持するかが治
けをもつ皮膚科医がなしうる確実な治療
療成功の決め手となる。特にアトピー性
ストラテジーであり、効果的にそして安
皮膚炎は、ステロイド外用薬を基本とし
全に使用する為には、教科書に書かれて
て、免疫抑制外用薬や保湿薬など外用
いないコツが存在する。演者は、多くの
療法を駆使して診療にあたらねばならな
患者から外用薬の好選理由を教わり?
い。
皮膚科医は実際の診療において、
数多
大きな感銘を受けた。本講演では、患者
く存在する外用薬の中から目の前の患者
の好選性を踏まえた演者が行っている外
日本褥瘡学会
(理事)
日本在宅褥瘡ケア推進協議会
(理事)
に対し最も適切な、そして継続塗布して
用アドヒアランス向上の為の、工夫をご紹
日本結合組織学会 日本研究皮膚科学会
もらえそうな外用薬を部位に応じて選
介する。あまり学術的ではない駄話では
択する。そこには疾患と患者の個性両者
あるが、ご容赦頂ければ幸いである。
アメリカ合衆国テキサス大学
サウスウエスタンメディカルセンター細胞生物学部門研究員
群馬大学医学部附属病院感覚器・運動機能系皮膚科外来医長
2013年4月
医療法人社団 廣仁会 札幌皮膚科クリニック 副院長
医療法人社団 廣仁会 褥瘡・創傷治癒研究所
東京大学大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻
老年看護学/創傷看護学分野 非常勤講師
2013年6月
東京慈恵会医科大学皮膚科 非常勤講師
専門分野:
創傷治癒、乾癬、スキンケア
所属学会:
日本皮膚科学会 日本臨床皮膚科医会
(常任理事)
日本創傷・オストミー・失禁管理学会(理事)
日本乾癬学会 日本創傷治癒学会 日本潰瘍学会
日本リウマチ学会 米国研究皮膚科学会 米国細胞生物学会
社会活動:
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 専門委員
金原出版
「皮膚科の臨床」
(鉄道と皮膚に関する)
エッセイ連載中
を考えあわせ、時に敢えて特殊な処方を
する場合も少なくない。
逆に、患者自らが
乾癬の治療を考える
∼外用療法、
生活指導の側面から∼
乾癬の治療には外用療法、紫外線療法、 では外用療法は有効性が高い治療法で
内服療法、生物学的製剤があり、乾 癬
あるが、患者が決められた用法に従って
治療ピラミッド計画に示されているよう
外用薬を用いないなどのアドヒアレンス
に外用療法は乾癬治療の基本である。
の悪さから治療効果が得られないこと
外用療法に用いられる活性型ビタミンD3
がある 。また 、乾 癬 患 者 では 糖 尿 病 、
外用薬はステロイド外用薬に比べてやや
高血 圧、高脂血 症の合併が多く、乾 癬
治療効果が現れるまで時間がかかるため、 患者において体重コントロールが 乾 癬
ステロイド外用薬との併用が行われ、最
治療に際して重要であることが 認識さ
近ではその合剤が使用可能となり乾癬
れつつある。医師と患者とがともに乾癬
治療の寛解導入に用いられることが多
治療に向き合えるよう、生活指導などを
くなってきた。しかし、合剤およびステロ
通じてコミュニケーションを取ることで
イド外用薬にみられる皮膚萎縮、感染、 患者の外用薬を含めた治療へのモチベ
治 療 効 果 の 減 弱が 懸 念され 、また 顔
ーションを高めることが重要と考える。
面部の使用は躊躇される。一方、活性型
本講演では活性型ビタミンD3外用薬の
ビタミンD3外用薬はこれらの副作用は
位置づけについて乾癬患者への外用及び
なく安全性が高い治療法で、
比較的長期
生活指導の側面から述べたい。
の寛解維持が可能である。実際の治 療
高橋 英俊 先生
高木皮膚科診療所
略歴
生年月日
昭和35年9月15日
昭和60年
旭川医科大学卒
平成 1 年
旭川医科大学大学院卒
平成 1 年
オレゴンヘルスサイエンス大学 リサーチフェロー
平成 2 年
旭川医科大学皮膚科助手
平成 4 年
名寄市立病院皮膚科医長
平成 5 年
旭川医科大学皮膚科助手
平成 8 年
旭川医科大学皮膚科講師
平成26年
高木皮膚科診療所院長
現在に至る