平成27年度第2回研修 『《第2弾!》ここが聞きたい平成26年度改正法(意匠・商標)』 報告 研修委員 林 司 [はじめに] 平成27年4月27日に、平成27年度の第2回研修として『《第2弾!》ここが聞きた い平成26年度改正法(意匠・商標)~そのお悩み、ディスカッションでレッツ解決~』 と題する研修を行いました。 今回の第2回研修は、平成27年4月1日から導入された新しいタイプの商標と、同年 5月13日から導入される意匠の国際登録制度(ジュネーブ改正協定)に関する理解をよ り深めることを目的として、3月10日の第1回研修『平成26年度 意匠法・商標法改 正について』に引き続いて開催されました。 講師には、第1回研修と同様に、無名会会員の峯唯夫先生(特許業務法人レガート知財 事務所)と香原修也先生(秀和特許事務所)にお願いし、研修当日には、近年の合格者を 含む24名の方々にご参加頂きました。 [講義の内容] 第1回研修において、講師の先生から改正法の概要説明や留意事項に関して既にお話を 頂いておりましたので、第2回研修では、参加者から事前にご質問をお寄せ頂いた上で、 受け付けた質問を取り上げながら、講師と参加者とによりディスカッションを行うという 形式を採用しました。 第2回研修の開催時点においては、新しいタイプの商標として商標登録出願されて、既 に出願公開されていた事件が数多くありました。このため、今回は、出願公開されたもの の中から「色彩のみからなる商標」、「位置商標」、及び「動き商標」の商標登録出願につい て講師の先生が予め幾つかピックアップされ、それらの商標公報を講義の始めにスクリー ン上に映しながら、香原先生と峯先生とが掛合い話のような形で紹介するとともに、願書 における商標の表し方や、商標の詳細な説明の書き方等の出願時の留意事項について具体 的に説明して下さいました。 また、出願の実例が紹介された後、講師の先生や参加者が関心を惹かれた商標登録出願 をフォーカスし、どの部分を権利主張しようとしているのか、出願の意図はどこにあるの か、どのような拒絶理由が考えられるか、商標登録される可能性はあるのか(登録のポイ ントはどこか)等の様々な角度から活発な議論が展開されました。 なお、新しいタイプの商標に関する意見交換が盛り上がったことから、商標の内容だけ で研修の終了時間になってしまい、意匠の国際登録制度に関する内容は、次回(第3回) 以降の研修で改めて取り上げるという流れになりました。 [所感] 改正商標法が施行されて数週間が経過し、新しいタイプの商標登録出願を実際に手掛け られた先生方もいらっしゃると思いますが、新しいタイプの商標については審査基準が公 表されているものの、実際の審査がどのように行われ、どのようなものが商標登録される (又は拒絶される)かが判るのはこれからになります。 このような時期に、新しいタイプの商標について実例を検討しながら、講師の先生の鋭 くて的確なご意見を拝聴できたことは、各種説明会やテキスト等で得られた知識、理解を より一層深めて、実務に直接結び付けることができるものであり、また一方で、例えば色 彩のみからなる商標で実際に何ができるのか?等のように新しいタイプの商標の役割や有 り方について、これまで以上に深く考えさせられるものでした。 このような研修は、多くの先生方にとっても、面白く、刺激的な内容であり、新しいタ イプの商標の出願業務やクライアントへの説明を行う際等に大いに役立つ有意義なもので あったと思われます。 [懇親会] 研修後に行われた懇親会には、講師を含め総勢20名の多くの方々が参加され、お料理 や飲み物を頂きながら、講義内容についての更なる意見交換や、実務に関する様々な情報 交換等を行い、なごやかな雰囲気の中で親睦を深めることができました。
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