271062 全講座(7回) 271062a 漆原 徹 271062b 神野 潔

本講座は、古文書を読んだことがある方、博物館で古文書を見たことある方などを対象とします。
古文書の字を読むだけではなく、その文書の歴史性を探究します。
前近代の文書の多くは、いわゆるくずし字で、ほとんどは和様漢文であるため、現代人の私たちが
それを読み理解することは難しい。しかし、書かれた時代や書き手の身分などにより、こうした古
講義概要
文書には、法則があり、そうしたものを理解した上で、くずし字を多く読むと、現代人でも内容を
理解できるようになります。
本講座は、多くの古文書を読むばかりではなく、古文書の様式を体系的に理解し、古文書に書かれ
た内容から日本の歴史を考えることを目的とします。
※持ち物:筆記具、ノート、くずし字を読むための辞典類(お持ちの方のみ)。
講座 No.
271062
日 程
講 師
タイトル
全講座(7 回)
271062a
4 月 15 日(水)
271062b
5 月 13 日(水)
271062c
6 月 10 日(水)
271062d
7 月 8 日(水)
271062e
8 月 5 日(水)
271062f
9 月 2 日(水)
271062g
9 月 16 日(水)
本学教授
合戦と軍忠
漆原 徹
─軍忠状を中心に─
鎌倉時代の武家文書
東京理科大学准教授
神野 潔
─「入来院家文書」の裁許状・譲状を読む─
本学教養教育リサーチセンター研究員
東京大学史料編纂所非常勤職員
生駒 哲郎
本学政治経済研究所客員研究員
歴史研究者・歴史作家
信長文書を読む
桐野 作人
─ 長篠合戦を中心に ─
本学教養教育リサーチセンター研究員
板橋区公文書館公文書館専門員
西 光三
日本学術振興会特別研究員 PD
大薮 海
武士の証明書
─ 知行宛行状と由緒書を読む ─
本学教養教育リサーチセンター研究員
東京女学館大学講師
西 弥生
室町時代の古文書を読む
とう じ ひゃくごうもんじょ
─国宝『東寺 百 合 文書』─
国宝『醍醐寺文書』を読む
お金の借り方・返し方
─ 室町時代の金融 ─
時 間
15:00 ~ 16:30 (※4/15 「合戦と軍忠」のみ 16:45 ~ 18:15 )
受 講 料
*全講座(7 回)お申込み
*お好みの講座を選んでお申込み
場 所
武蔵野大学 三鷹サテライト教室(JR 三鷹駅北口より徒歩 1 分) 5 F 大教室
9,000 円(全 7 回)
1,500 円(1 講座につき)
・ 教室は講座の 15 分前よりお入りいただけます。
(前の時間に講座がある場合は教室の準備ができるまでお待ちいただくことがあります)
・ 教室前の机にある出席簿に をつけてから教室にお入りください。
・ 駐輪場・駐車場はありませんのでご了承ください。
担当講師
講 義 内 容
講座 No.271062a 合戦と軍忠 ─軍忠状を中心に─
本学教授
漆原 徹
南北朝期の軍事関係文書は、①幕府が守護・大将を通じて出す指令や、②守護などから幕府へ上申す
る報告、③戦闘に参加する武士の恩賞請求とその授与に関する過程で作成されたものなどがあります。
それらをわかりやすく解説します。
〈講師略歴〉文学博士 ( 史学 )
慶應義塾大学文学部国史学科卒業、同大学院修士課程修了、博士課程単位取得終了
慶應義塾大学・同大学院・日本女子大学講師
著書『中世軍忠状とその世界』
・吉川弘文館、
『今日の古文書』第三巻・雄山閣、
『日本法制史史料集』
・慶應義塾大学出版会、
『日本中世の政治と社会』
吉川弘文館、『長野県上田市殿城字岩清水地区の総合歴史調査』科研報告書、『麻布善福寺蔵・亜米利加ミニストル旅宿記』港区教育委員会、『南
北朝百話』二玄社など
講座 No.271062b 鎌倉時代の武家文書 ─「入来院家文書」の裁許状・譲状を読む─
東京理科大学准教授
神野 潔
世界的に知られた武家文書群である「入来院家文書」の中から、鎌倉時代の裁許状や譲状を読んでい
きます。そこに描写される当時の意識や武家の生活に対する理解を深めながら、古文書を“読む”とい
うことについて、考えていきたいと思います。
〈講師略歴〉1976 年神奈川県生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。同大学大学院法学研究科公法学専攻後期博士課程単位取得退学。修士
( 法学 )。武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部専任講師・准教授を経て、現在東京理科大学理学部第一部教養学科准教授。専門は日本法
制史・法社会史・法思想史。著書に『法制史講義ノート ( 第 2 版 )』( 霞信彦他と共著、慶應義塾大学出版会、2012 年 ) など、主要な論文に「鎌
倉幕府の寄進安堵について」(『古文書研究』第 62 号、2006 年 )」など。
とう じ ひゃくごうもんじょ
講座 No.271062c 室町時代の古文書を読む ─国宝『東寺 百 合 文書』─
本学教養教育リサーチセンター研究員
東京大学史料編纂所非常勤職員
生駒 哲郎
京都府立総合資料館が所蔵している『東寺百合文書』は、京都を中心に日本中世の歴史を知ることが
できる古文書群です。『東寺百合文書』と京都の東寺『東寺文書』を一緒に扱って室町時代の幕府を考
えます。
〈講師略歴〉専門は日本中世宗教史、日本古文書学会編集・大会運営委員。立正大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程満期退学。山梨県
身延山久遠寺、大田区池上本門寺、石川県羽咋市妙成寺などの史料調査委員を経て、現在、東京大学史料編纂所非常勤職員・東京都渋谷区文化
財審議員。
主要著書日本の名僧 6『重源 : 旅の勧進聖』( 共著 吉川弘文館 )、『中世の寺院体制と社会』( 共著 吉川弘文館 )、『中世の寺院と都市・権力』( 共
著 山川出版社 )、『山岳信仰と村落社会』( 共著 岩田書院 ) など。
講座 No.271062d 信長文書を読む ─ 長篠合戦を中心に ─
本学政治経済研究所客員研究員
歴史研究者・歴史作家
織田信長の数ある合戦のうち、有名な長篠合戦を取り上げます。信長自身が出した書状(黒印状)を
詳しく検討し、この合戦の実態に迫ります。
桐野 作人
〈講師略歴〉1954 年鹿児島県生まれ。歴史関係の出版社編集長から独立。独自の視点から史料を重視した歴史の再構築をめざす。
主な著書に『織田信長─戦国最強の軍事カリスマ─』『だれが信長を殺したのか』『真説本能寺』『関ヶ原 島津退き口』『さつま人国誌 戦国・近世
編』など多数。
講座 No.271062e 武士の証明書 ─ 知行宛行状と由緒書を読む ─
本学教養教育リサーチセンター研究員
板橋区公文書館公文書館専門員
西 光三
土地の統治者であることを示してくれる、“武士の給与証明書”である「知行宛行状」や、
“武士のファ
ミリーヒストリー”が書かれている「由緒書」などを読むことで、近世武士の「家意識」の実際に触れ
てみましょう。
〈講師略歴〉1971 年、宮崎県生まれ。私立立正大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程満期退学。現在、板橋区公文書館公文書館専門員、
( 公財 ) 徳川黎明会徳川林政史研究所非常勤研究員。
専門は日本近世史。『徳川幕府と巨大都市江戸』( 共著 東京堂出版 )、「徳川吉宗葬送考」(『寺院史研究』第 10 号 )、「近世武士の由緒意識の醸
成」( 特別展図録『鎌倉と江戸 ─中世と近世の武士─』千代田区教育委員会 )、「将軍徳川慶喜の御印判製作過程と御用達町人」(『日本歴史』
第 784 号 ) 等。
講座 No.271062f 国宝『醍醐寺文書』を読む
本学教養教育リサーチセンター研究員
東京女学館大学講師
西 弥生
真言密教を伝える醍醐寺には多くの貴重な古文書が伝えられています。本講座では、中世醍醐寺の宗教
的活動に関わる文書を丁寧に読んで解釈し、歴史的背景についても説明したいと思います。
〈講師略歴〉慶應義塾大学文学部史学科卒業、日本女子大学大学院文学研究科博士課程後期修了、博士 ( 文学 )。日本学術振興会特別研究員 PD
を経て、2013 年 4 月より東京女学館大学講師。
単著『中世密教寺院と修法』( 勉誠出版、2008 年 )、共著『生活と文化の歴史学シリーズ 年中行事・仏事・神事』( 竹林舎、2012 年 )、論文「中
世寺院社会における「東寺」意識」(『史学』第 81 巻、2012 年 )、「醍醐寺勝賢と「東寺」意識」(『古文書研究』78 号、2014 年 ) など。
講座 No.271062g お金の借り方・返し方 ─ 室町時代の金融 ─
日本学術振興会特別研究員 PD
大薮 海
室町時代の人々は、どのようにしてお金を借り、返していたのか?―現代人が知らない、あるいは一見
理解しがたいような室町時代の貸借契約について、実際のケースを取り上げて解説します。
〈講師略歴〉1982 年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻 ( 日本史学 ) 後期博士課程単位取得退学。博士 ( 史学、慶應義塾大学 )。慶
應義塾大学非常勤講師、日本学術振興会特別研究員 (PD) などを経て、現在早稲田大学エクステンションセンター講師。
著書に『室町幕府と地域権力』( 吉川弘文館、2013 年 )、論文に「中世後期の地域支配―幕府・守護・知行主―」(『歴史学研究』第 911 号、2013 年 )、
「北畠氏の神三群進出―『宏徳寺旧記』収載文書への検討を通じて―」(『寺社と民衆』第 9 輯 )、ほか。