日本ヘルスケア歯科学会報告 中澤桂一郎 2014 年 11 月 23-24 日神戸のラッセホールに「患者の老いに私たちはどうかかわるべきか」をテーマに 全国から 300 人を超える歯科関係者が集まり熱い討論をしました。 利根歯科診療所からは中澤、飯島の 2 名で参加しました。同じ医療生協の北医療生協、神戸医療生協の歯科 衛生士さんも参加し交流を深めました。 歯科の外来には健康な方は来られるものの、入院や入所をきっかけにたちまち歯科との関係が断たれる方が 多いのが現状です。シームレスな歯科診療―入院しても入所しても在宅に戻られても歯科が関わり口の健康 を保つことができるような取り組みをしていくべきとこの学会で痛感しました。 日本へルスケア歯科学会が前身のヘルスケア研究会設立時から入会していましたが、非常に価値ある学会で す。 米山武義先生の言葉から 要介護者の口腔環境はだれかがケアをしない限り、悪くなることはあっても自然に改善 することはない そして心も老化してしまう 口腔は死を迎えるまで大切な器官である 坂本まゆみ 高知学園短期大学講師 レクレーションを取り入れた口腔のケア おいしく安全に食べるー口は呼吸、消化の入り口 食べても食べなくても口は汚れる 歯磨きの時の呼吸と食事の時の呼吸は似ている ブクブクー頬が膨らまないー口唇閉鎖、息止めができない 飲んでしまうー軟口蓋、舌後方の動きが悪い ガラガラー 呼吸器―右気管支は 34°太くて短い角度がゆるいために右肺が肺炎を起こしやすい 左気管支は 64° タニタ食堂―カロリーだけでなく噛みごたえのある食事をどう提供するか 満足感、満腹感―口腔機能の向上へ 右片麻痺の患者―義歯の右側に残渣がある、口腔機能と口腔衛生の課題 ただ綺麗にするだけではダメ レクレーションとして口と喉の準備体操 ① カルタの活用 ② イ、ウ、パタカラの入っている歌をうたう ③ 舌打ちをする 楽しくやること ④ 日常生活に置き換え 明日もやってみようかと思えるものを提案しないと定着しない 男性なら髭剃り、女性なら洗顔後のローション、お化粧 歯磨き、食事、レクレーション 歌―ずいずいずっころばし、鳩ポッポ、お馬はみんなぱっぱっか走る。 。 。。 訓練をすることで何がどこがどのようにどう良くなるのかを判断する 顔じゃんけんー表情筋 カードで舌体操―舌の筋力 吹き矢―さくらんぼ種飛ばし 診療所に勤務する歯科衛生士は薬 10 万人 他―10000 人内訳は 病院-5200 老健-366 米山武義先生 従来の高齢者歯科医療は診療室での医療と在宅、訪問歯科医療と別物であった これからは加齢への対応、そして多職種連携をしていく ささえあいが必要 ケアの本質は心--患者さんのところにおりていく 夜明け前の歯科医療--生命を守る、生活を支援する、生きる意欲を引き出す、人生を全うする 社会との関わりが試される、歯科の本質が問われる 54397 人--100 歳以上の高齢者数 1963 年 153 人 高齢化が急峻に進行している 急速な高齢化と要介護の方の増加--多死時代 口のケアをすることで利用者の笑顔が出てきた 口は心の窓口、 口腔ケアが施設に定着した頃から熱発が減った 義歯なしの方が肺炎発症率は高くなる 経管栄養だった方が経口栄養になっていった 口腔ケアを支え、口腔を守る歯科治療 口は自分の思いを伝える、心の出口 在宅医療で肺炎予防 高齢者の楽しみは食べること 口を引き出し、口を刺激する 超高齢社会という現実 簡単な抜歯でも大変 同意書を必ずとる 8020達成者は 38 パーセント 虚弱な高齢者が増える 残存歯が増える 歯周病治療の究極のゴール--診療室で終わるわけではない 高齢化ととともに薬剤による副作用が増える メンテナンスをしっかりやってくれば歯周病だけの問題ではない 入院して来院できなくなったらどうするのか 菌血症--歯石除去後 6 分後に 9 割で菌血症を起こしている 老年歯周病学確立の意義--診療室が予防の最前線に立つこと 診療室からシームレスに関わることが大切 口腔ケアが感染症を引き起こすかもしれない 地域完結型医療一診療室完結型医療からの転換が求められる 杉山総子さん(米山歯科勤務の歯科衛生士) その人らしい人生と生活を支える口腔のケア 美味しく食べる口の機能を守る 水を飲む咽頭の機能、口の機能を維持する 人間の本能である口の機能を引き出す 友達と楽しむ--心を表す 笑える口、歌う口 口腔の機能は--歯科医療は生きる力を支援する 患者さんとの会話の中で気づく口腔機能低下-- 1 硬いものが食べにくくなった、2 水や汁物でむせるこ とが多くなった、3 食事中むせることが多くなった、4 味を感じにくくなった--低栄養に繋がる 5 口が 乾きやすい、水分摂取がおちているのではないか、口呼吸ではないか、夜中口が乾いて目が覚める。 6 朝起きた時に口がカラカラになっている--朝起きた時が最も細菌が多い、7 薬が飲みにくくなった--薬 が口の中にも残っている--まずい、薬効が落ちる、 8 頬や唇、舌を噛みやすくなった、9 会話がしにくい、10 唾液が口角に溜まる 些細なことを早めに解決したい 診療室にいる間に手をつけたい 在宅訪問--医科歯科連携 多職種連携、顔の見える連携 要介護高齢者への歯科としての関わり 足立融先生 歯を残すだけ?来院患者さんの定期管理の行き着く先は? 診療室でしっかり仕事をしてから訪問診療をやれ--加藤先生 高齢者の 3 割が要介護へ 健康寿命と平均寿命の差--9 年 メンテナンスの意義--歯を残すこと 介護予防前の予防が歯科の仕事 何でも食べられる口を作る 口だけ健康というのはありえない 今きている人がくることができなくなる前にやるべきこと 患者さんが来れなくなったから訪問に行く 患者さんが来なくなるような医院が 訪問に行ってはいけない 在宅では介護力がキーワード 多職種との連携なしには地域住民のサポーターになれない
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