素材・デバイス・システム融合による 革新的ナノ

2015年4月7日
素材・デバイス・システム融合による
革新的ナノエレクトロニクスの創成
Innovative nano-electronics through
interdisciplinary collaboration among
material, device and system layers
JST CREST・さきがけ領域
総括:
桜井貴康
副総括: 横山直樹
東京大学生産技術研究所 教授
(株)富士通研究所 フェロー
T.Sakurai
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2015年4月7日
CREST
出口を見据えた基礎研究
JST CREST・さきがけ領域総括
桜井貴康
東京大学生産技術研究所 教授
T.Sakurai
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安全・安心・豊かな暮らしを創るエレクトロニクス
IT基盤の高度化
社会の課題を解決するエレクトロニクス
交通
減災
救助
観光
Cyber-space
(仮想空間)
セキュリティー
ビル
都市
監視
街角
環境
Physical space
(物理空間)
ヘルスケア
医療
ホーム
一次産業
農業
見守り
ボディ
ロボット
子育て
Natural Human Interface
T.Sakurai
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強いナノエレをベースに
Japan’s Science and Technology Status
(Citation based radar chart)
Courtesy of S.Kawamura
T.Sakurai
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Nano-electronics: CREST & Sakigake
Through cooperation among layers
Service / Application
Auto‐learning
Bio‐inspired
Resiliency
Platformization
Reconfigurable
Middleware
Storage‐class
Many‐core
Distributed server
Secure hardware
Low‐power RF
Auto‐navigation
System / Architecture
On‐chip DCDC
Circuits / Assembly
Near‐field interface
Interface
Beyond CMOS
Steep‐S device
Spintronics
Low variation More-than-Moore
Interconnect
Imager
New memories
Si
Compound semiconductor
レイヤー
Cyber
App.
Stochastic resonance
BMI
Programmable analog
Componentization
Compressed sensing
Deep‐learning
Micro‐cube
Vital data measurement
System on a film
Large‐area electronics
Wireless power
3D
Tera‐hertz
Physical
App.
Ultra‐environmental Power electronics device
resistance High‐voltage
Sensor
Energy harvester
Actuator
High‐freq. L & C NEMS
Photonics
Bio
Meta‐material
Organic Oxide Diamond electronics
semiconductor
Printable
Nano-device
High‐mu
Sustainable
High‐k
Nano-material
T.Sakurai
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領域概要
本研究領域は、材料・電子デバイス・システム最適化の研究を連携・融合するこ
とにより、情報処理エネルギー効率の劇的な向上や新機能の実現を可能にする研究開
発を進め、真に実用化しイノベーションにつなげる道筋を示していくことを目指します。
本研究領域で目標とするような、桁違いの情報処理エネルギー効率の向上と
新機能提供の達成には、単に微細化技術の進展だけに頼るのではなく、革新的基盤技
術を創成することが必要です。これらは、インターネットや情報端末などをより高性能化し
充実してゆくのに必須であるとともに、センサやアクチュエータなどを多用して物理世界と
一層の係わりをもった新しいアプリケーションやサービスを創出するのにも役立ちます。
具体的な研究分野としては、新機能材料デバイス、炭素系や複合材料・単原子
層材料など新規半導体や新規絶縁物を利用した素子、量子効果デバイス、低リークデバ
イス、新構造論理素子、新記憶素子、パワーマネージメント向け素子、物理世界インター
フェイス新電子デバイス、非ブール代数処理素子などのナノエレクトロニクス材料や素子
が考えられていますが、これらに限定することなく、新規機能性材料や新材料・新原理・
新構造デバイスの追求を進めていきます。一方、これらを真のイノベーションにつなげる
ためには、アプリケーションやシステム、アーキテクチャ、回路技術などがシナジーを持っ
て連携あるいは融合する必要があります。そのために、実用化を見据えることによる、素
材技術やデバイス技術の選別や方向性の最適化を積極的に推進します。
このような領域横断的な科学技術の強化ならびに加速によって、革新的情報デ
バイス基盤技術の創成を目指します。
T.Sakurai
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募集・選考の方針:技術レイヤー間の融合
本研究領域は、ナノ材料、ナノデバイス、設計・回路、アーキテクチャ、システムな
どの技術レイヤーの融合による革新的な情報処理デバイス基盤技術創成を目指します。
取り分けCRESTタイプ(チーム型研究)では、各レイヤー間の有機的連携や融合
を促進するために、異なるレイヤーの研究者が協働して成果を出すことを推奨します。PI
(研究代表者)はどのレイヤーを専門にしていても結構ですが、他のレイヤーを専門とする
共同研究者を組み込んでチームを構成して提案することを必須とします。チームには、ナノ
材料レイヤーあるいはナノデバイスレイヤーの研究者が参加していることが条件です。単
に異なるレイヤーの研究者が名を連ねているのではなく、研究者が有機的につながること
によってシナジー効果が生まれることが研究提案書の中で明確化されていることが必要で
す。レイヤーが異なると、最初に基盤に近いレイヤーの成果が出ないとそれを使用する上
位技術レイヤーの研究ができないというタイミング的な齟齬が生じることもありますが、モ
デルやシミュレーションの活用、規模を徐々に拡大するなど、いくつかの工夫によってコン
カレントな研究ができるような配慮が必要となります。この配慮に関しても、研究提案書に
明確化されていることが強く望まれます。
一方、さきがけタイプ(個人型研究)では、ナノ材料、ナノデバイス、それぞれ単独
レイヤーでの提案も採択の対象としますが、設計・回路やシステムについても言及した提
案を推奨します。さらに、設計・回路、アーキテクチャ、システム、それぞれのレイヤーでの
提案も採択の対象としますが、それを実現するためのナノ材料やナノデバイス技術が現存、
あるいは、近い将来手に入る可能性が高い提案を推奨します。
T.Sakurai
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連携・融合:レイヤーとは、ナノテクとは
レイヤーとは
レイヤー
サービス
アプリケーション
ソフトウェア
(ストーリーの中に示す)
システム
アーキテクチャ
設計・回路
(連携が望ましい)
ナノテクとは
100nm以下の部分が重
要な役目を果たす技術
(厚さ方向でも良い)
それから、外れても良い
が、徐々にナノテクから
外れていく、と考える。
ナノデバイス
ナノ材料
(必須)
T.Sakurai
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連携・融合
連携・融合の例
研究代表者(PI)
(レイヤー1)
単に名前があるのでは
なく、シナジーがある連
携・融合協働が望まれる
共同研究者
(レイヤー2)
共同研究者
(レイヤー3)
異なるレイヤー間で
コンカレントな研究がで
きる仕組みに言及
T.Sakurai
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募集・選考の方針:目標
これまで情報化社会を下支えしてきたシリコンデバイスですが、近年その進歩
の根源をなしていた微細化や集積化が限界を迎え始めています。それを踏まえ、本研究
領域は微細化の進展だけに頼らずに、今後ともナノエレクトロニクスが情報化社会基盤
の向上に貢献し続け、エネルギー環境問題、少子高齢化問題、健康安全社会の実現、イ
ンフラの老朽化など、わが国あるいはグローバルな社会的課題を解決する一助として活
用されるよう、革新的なナノエレクトロニクス基盤技術の創成を目指しています。また、こ
のような努力を通じて産業の国際競争力を高めることを指向しています。この目的を達成
するためには、情報処理エネルギー効率の桁違いの向上や新規機能実現が必須と考え
ています。情報処理エネルギー効率の向上とは一定のエネルギー(電力 × 時間)で、よ
り多くの情報処理ができることであり、低消費電力化や高速化さらには多機能化が有効
と考えられます。提案には、エネルギー効率の桁違いの向上の理由が定量的に記述さ
れていることが望まれます(ベンチマークを含む)。ここで、情報処理とは広義に解釈し、
情報蓄積や情報伝送も含まれることとします。
T.Sakurai
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募集・選考の方針:目標
一方、新規機能実現に関しては、情報処理基盤の向上やスマート社会の実現、
スマートハウス、交通、ヘルスケア、医療、パーソナルモビリティー、ロボット、セキュリ
ティーやヒューマン・インターフェイスなどエレクトロニクスがより広範に人々の生活に貢献
できるような提案を期待します(位置同定、時間同定、エネルギーハーベスト、無線給電、
セキュアな短距離無線通信、神経インターフェイス、多様さに対応したハードウェアなどに
資する基盤ナノエレデバイスなど)。提案では研究成果はどのような分野でどのように活
用され、どのような効用をもたらすのかが、その理由とともに定量的に明確化されている
ことが望まれます。
現在、自動運転や自動学習など高度な情報処理を低電力で行う要求も高くなっ
ています。リアルタイム性の向上、画像認識、暗号などのセキュリティー、ディープラーニ
ングやデータストーレッジなど新たなアルゴリズムを低電力で行う情報処理デバイス基盤
技術の提案も期待します。
T.Sakurai
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目標
エネルギー
(電力 × 時間)
を桁違いに低減
数値目標を明示。(例:遅延時間
1/2かつ消費電力1/10など)
Best Known Practiceと比較し
て桁違いに低減されているベンチ
マークがあること
and / or
新規機能の実現
どのような分野で
どのように活用され
どのような効用をもたらすのか
その理由とともに定量的に明確化
T.Sakurai
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募集・選考の方針:イノベーション戦略
科学技術を実用化し、真のイノベーションにつなげるために、アプリケーション
に言及することも重要です。従って、創出された基盤技術がどのようなアプリケーションや
サービスの強化や新規創出につながるかについても、その理由とともに記述されている
ことが望ましいと考えます。このように実用化やイノベーションを常に意識しながら研究内
容を吟味し、選択し、修正してゆくことを推進すべく、研究の最終フェーズでは実システム
によるデモンストレーションをしていただきたいと考えています。
CRESTタイプでの研究提案は、成果を示す実デバイスを使用したデモンスト
レーションを必須とし、どのようなものを考えているかについて、定量性をもって明確に記
載されていることを条件とします。また、イノベーションを加速する上で産業界の参画を強
く歓迎いたします。
さきがけタイプでの研究提案は、実デバイスによるデモンストレーションを必須
としませんが、さきがけ終了後2年以内にデモンストレーションができるものを推奨します。
本研究領域では、CRESTタイプとさきがけタイプの一体的運営を進め、さきが
けタイプ研究のCRESTタイプ研究への取り込みを推進します。また、研究の進展に応じ
て、全国の研究機関や枠組み(つくばイノベーションアリーナや文部科学省ナノテクノロ
ジープラットフォーム、関係団体等)との連携や協働を促進します。
T.Sakurai
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イノベーション戦略
机上の議論だけでなく、実証を
期待
実システムによる
デモンストレーション
デモを考えることで、課題の発
見や目標のブラッシュアップを
デモ成功のためには、たまたま
やったらできた、ではなく理論面
での整備が必要
産業界の参画も歓迎
産業界には、アプリケーション
などの方向性の適確化や受け
手としての役割なども期待
T.Sakurai
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CRESTとさきがけの関係
既存CRESTプロジェクト
選択的に、さきがけタイプ研究
のCRESTタイプ研究への取り
込み
さきがけプロジェクト
T.Sakurai
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CRESTの研究提案における留意事項
通年の研究費総額(直接経費)の上限は3億円です。
これまでの採択課題のポートフォリオからセンサ以外
の分野の研究提案を期待します。
平成25年度採択
○ 多機能呼気センサ
○ 磁気センサ
○ トンネルFET
平成26年度採択
○ 加速度センサ
○ テラヘルツイメージング
○ アルゴリズム・
処理機構融合型コンピューティング
女性研究者も奮ってご応募ください。
T.Sakurai
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以下、さきがけ
さきがけの特徴
さきがけ・・・横の分野連携による新しい基本技術の確立
および新しい芽の創出(技術の多様性の確保)
+
常識に惑わされない若い研究者の発想
市場につながるシーズ(新しい芽)
CRESTとの複合化による縦の分野連携
昨年度までのさきがけ採択者と研究テーマのレイヤー分類
設計・回路
デバイス
材料
理論
河野 福田
原
(設計) (回路) (有機)
山本、山崎
(量子)
安藤、戸川、関
(スピン)
吾郷、宮田、安武、長汐、友利
(原子層薄膜)
横軸:研究者数(総数23名)
内女性研究者3名
井上、高橋、廣理
(光)
岡田、長田 大野
山田
(CMOS) (酸化物)(強誘電体)
望月、荒井 青野
(スピン) (回路)
注.材料レイヤーはすべてデバイスを志向した研究である。
平成27年度の採択に向けて
①次代のエレクトロニクスを担う独創的・先進的な提案であるか
②さきがけ内で分野間・技術レイヤー間の連携・融合が促進され
シナジー効果が生まれる提案であるか
③CRESTの技術シーズになり得る提案であるか
平成25年度採択課題
アメーバ計算パラダイム、次世代低電力デバイス高信頼化設計
スピンホールエンジニアリング、スピン位相エレクトロニクス、
トポロジカル磁気テクスチャ、 抵抗変化型新材料メモリ、
二次元原子薄膜成長と応用、有機シリコン融合光変調器、単一
電子量子回路・・
平成26年度採択課題
ニューロモルフィックシステム設計、シリコン神経ネットワーク、
スピントルク発振素子、電磁波制御デバイス、ひずみグラフェン/
2層グラフェンギャップ制御、 フッ化物高誘電体薄膜、テラヘル
ツ光の制御、ナノ薄膜ポリマー、量子オプトメカニカルシステム・
・・
平成27年度に提案を期待する研究テーマ(限定するものではない)
新しいSteep Slopeデバイス、回路応用
二次元原子薄膜を利用した新デバイス
ヘルスケア・バイオミメティクス関連
その他、新材料、新原理素子・・
地域分布
空席: 北海道、中部、四国、他
女性研究者の応募にも期待