Kojichuwa Chuli 6439m

© T.Onishi Osaka Alpine Club
ネパール/ムグ Kojichuwa Chuli 6439 m
チーム ホンダ事務局
本多電機(株) 品川区西五反田3-13-2 光洋ビル5F
Web http://www.team-honda.jp
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一歩、一歩
前へ進もう
2008年6月 極西ヒマラヤの未踏峰に挑戦しました。
そのときのヒマラヤ遠征は、スタートからつまずきの連続でした。
最初の予定地 タクプ・ヒマールの麓ハルジ村では、村民たちから入山を
拒否され目的地を急遽変更して挑戦をつづけるなど多くの試練に打ち勝ち
ついに未踏峰の頂上に全員で立つ事が出来ました。
そして山頂から隊員2名が、世界初のスキー滑降を成功させるなど多くの
ドラマが生まれました。
その遠征から3ヶ月後の10月1日、突然クーラカンリでチーム ホンダ
登攀隊長の加藤慶信君を雪崩で亡くし、一時は山に立ち向かう意欲もなく
なり失意の中におりました。
加藤君の一周忌も昨年9月に終わり、皆様の暖かい応援で新たな意欲と
情熱をヒマラヤに向けようと考え始めました。
そして今回の遠征には、加藤慶信君を受継いでくれる新たなクライマーも
参加することになりました。
今年のチーム ホンダの挑戦は、西北ネパールとチベットとの国境
『幻の地ムグ』Kojichuwa chuli(未踏峰6439m) タルチャーからキャラバンをスタートさせ、約2週間かけてBC予定地へ。
その道中の寒村では、昔ながらの伝統を守って生活しつづける人々との触
れ合いや、この地特有の貴重な高山植物の冬虫夏草やシラジット(ヒマラ
ヤ高所の岩石から採取する伝統的な若返り・精力増進剤)そして雪豹など
にも出遇える機会があると思います。
今回の山行は未踏峰なりの困難を乗り越えることが要求されます。
この苦難の道を隊員全員で分かち合いながら前進を続けてまいります。
「一歩、一歩 あきらめない。目指す夢がある限り、必ずかなう」。
そう信じて隊員全員で厳しい過酷な道に打ち勝って行く所存です。
是非とも皆様のご支援をお願い申し上げます。
2010年3月吉日
チーム ホンダ隊長
本多通宏
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Kojichuwa Chuli
(コジチュワ チュリ)
概要
Kojichuwa Chuli
タルチャー
Manggri
Chitai
MUGU
BC
C1
21 00 m
23 00 m
30 00 m
35 00 m
40 00 m
48 00 m
Kojichuwa Chuli 6439m
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大阪山の会の大西 保氏をお訪ねし、西北ネパールにある解禁峰であり未踏峰の
Kojichwa Chuli (6439m)について情報を戴きました。
Kojichuwa Chuli 全容 西壁を望む © T.Onishi Osaka Alpine Club
グーグルアースによる画像
グーグルアースを使った3D画像、動画ツアーをチームホンダHPにて配信予定
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Kojichuwa Chuli 全容
(前頁上部の分割写真)
© T.Onishi Osaka Alpine Club
© T.Onishi Osaka Alpine Club
BC付近から見た Kojichuwa Chuli 西壁とコル(コルへとアプローチし、スカイ
ラインの向こう側からピークを目指す
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Kojichuwa Chuli のコルから見たC-1方面(4800m)
© T.Onishi Osaka Alpine Club
登攀・滑降ルート
© T.Onishi Osaka Alpine Club
コル近くの参考写真 岩壁よりの雪原を行く。帰路はスキー隊員はスキー滑降が可能かもしれない。
懸垂氷河の崩落やクレバスなど要注意。天候もあわせ、状況を把握する能力が問わ
れる。
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キャラバンについて
ネパールガンジ → タルチャー泊 タルチャー → Manggri
Manggri → Chitai
Chitai連泊
Chitai → MUGU
MUGU連泊(もう一日泊まり順応日としてもよい)
MUGU → BC
Bc休養
タルチャー
Manggri
Chitai
MUGU
BC
C1
S ummit
2100m
2300m
3000m
3500m
4000m
4800m
6439m
高度順化を繰り返しながら、約2週間かけてBCを設置。(十分な高所順応が必要となる)
その後、偵察・登山活動へと入り頂上へとむかう。
Bcから上部へはC-1(前進キャンプ)を設置
C-1と頂上との標高差が1600mをこえるため、
状況に応じてC-2の設置。
ムグ・エリア
このエリアはフムラ、ムスタンに挟まれた場所に位置し、雨季の影響も少ない地域と言える。
西壁は標高差が1200m弱ある巨壁で、岩の状況は未踏峰であるがゆえ不明である。落石等には
十分注意。
冬虫夏草はどの地域であってもおおむね初夏が採取時期なため、このような秘境地域において地元
住民との交流が可能性として考えられる。
キャラバンコース概要広域図
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ララ湖 ネパールで最も大きい湖。以前は軍の管轄
で訪れることだけでも大変だった秘境。
エメラルドグリーンの美しい湖。また、生態系など
不明な点も多く、残された秘境の一つ。
冬虫夏草
(とうちゅうかそう、Cordyceps sinensis (Berkeley)
Saccardo)は、子嚢菌門核菌綱ボタンタケ目バッカ
クキン科冬虫夏草属の菌類の一種。コウモリガ科の
蛾の一種の幼虫に寄生する。
ヒマラヤ地方の海抜3,000mから4,000mの高山地帯
で、草原の地中にトンネルを掘って暮らす大型の
コウモリガ科の蛾であるHepialus armoricanus(中国
語:蝙蝠蛾)の幼虫に寄生する。
この種の蛾は夏に地面に産卵し、約一月で孵化して、
土にもぐりこむが、このときに冬虫夏草属の真菌に
感染すると、幼虫の体内で菌がゆっくり生長する。
幼虫は約四年で成虫となるが、幼虫の中で徐々に増え
た菌は、春になると幼虫の養分を利用して菌糸が成長
を始め、夏に地面から生える。
地中部は幼虫の外観を保っており「冬虫夏草」の姿と
なる。
シラジット
シラジットはヒマラヤ地方の岩石から採取されます。
ミネラルの1種で、数千年から1万年前の植物が微生
物により分解されたもので、地熱の圧力により岩から
押し出されています。主成分は岩石層のあいだで圧縮
された腐植土と植物性有機物です。
ネパールの地元民が山を登り崖に挑んでシラジットを
採取します。伝統的にシラジットは糖尿病治療、血糖
値の調整、膵臓機能の向上、血液浄化、脾臓機能の向
上、消化促進、代謝促進、脂肪の減少、腫瘍の破壊、
疲労の軽減、渇きの解消などに効果があるほか、
強力な若返り薬や性欲増進薬としても用いられてきま
した。
雪豹
ユキヒョウ(雪豹)は、ヒマラヤの山岳地帯に生息する
豹の中で最も美しいと言われるネコ科ヒョウ属の哺乳動
物です。寒い場所に住んでおり全身を灰褐色の長い体毛
で覆われ、黒斑があります。 俊足と高いジャンプ力を利
用して、鹿や野兎、猪等の獣や鳥を捕食します。 毛皮を
目的とした密猟により頭数が激減したので、今では絶滅
危惧種に指定され保護されています。
別名:Snow Leopard(スノー・レパード)
生息地:カシミール、チベット等の中央アジアやヒマラ
ヤなどの高山地帯
ヒマラヤの山岳地帯や中央アジアの高原 全長:100cm~ 体重:~70kg 体色:灰褐色に黒斑
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チーム ホンダ 2010 メンバー
本隊メンバー
本多 通宏 チーム ホンダ隊長
鈴木 彩乃 藤川 健
川村 雄太
サポートメンバー(ネパール)
コスモトレック(P)Ltd
サポートメンバー(日本)
加藤 進久 チーム ホンダ東京事務局
辰野 貴史 チーム ホンダ伊勢原事務局
チームドクター
松原 康朗 東芝病院内科医
服部 尚子 なおこ皮膚科クリニック院長
www.naoko-hifuka.com
スペシャルアドバイザー
大西 保 Osaka Alpine Club、日本山岳会会員
協賛
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チーム ホンダ 過去の遠征記録
1987年10月
カラパタール5550m
2001年4月
メラピーク C2よりスキー滑降(三浦隊に同行)
2001年10月
アイランドピーク C1到達(三浦隊に同行)
2002年3月
パルチャモ峰 BC(三浦隊に同行)
2002年3~5月
チョ・オユー峰 7000m到達(三浦隊に同行)
2004年3月
アイランドピーク
2004年8月
エルブルース 頂上直下まで到達も
ブリザードにて撤退
2004年10月
メラピーク 6473m完登
2005年3~6月
エベレストチャレンジ ネパールサイド
よりサウスコルC4(約8000m)到達
2008年7月
未踏峰チャレンジ 極西ネパール・フムラ
エリアの無名峰(5500m)に登頂
2010年
Kojichuwa Chuli に挑戦予定
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