絶滅危惧種ウシモツゴ 52年越しの新種記載 資料提供

資料提供
(県政・南部同時)
提 供 日:平成 27 年(2015 年)4 月 28 日(火)
部
局:琵琶湖環境部
所
属:滋賀県立琵琶湖博物館
担
当:川瀬成吾・松田征也
電
話:077-568-4811
E - m a i l:[email protected]
絶滅危惧種ウシモツゴ 52 年越しの新種記載
まだ学名の付いていなかったウシモツゴが、琵琶湖博物館 川瀬成吾 特別研究員の研究に
よって、Pseudorasbora pugnax(シュードラスボラ・プグナックス)として新種記載されま
した。
ウシモツゴは濃尾平野に分布する日本固有のコイ科魚類で、伝統的な水田や水路、ため池
などに生息していました。しかし、圃場整備や都市化による生息地の消失、外来魚の侵入な
どの影響で激減し、環境省版レッドデータブック(2014 年)で絶滅危惧 IA 類に指定されて
います。これまでウシモツゴには学名が無かったことから、保全対象として正式に認められ
ず、保全活動に支障をきたしていました。しかし、この度の命名によりその存在が明確にな
ったため、今後、一層の保全活動の進展が期待されます。本種は琵琶湖博物館の水族展示で
見ることができます。
詳細説明
ウ シ モ ツ ゴ Pseudorasbora pugnax
Kawase and Hosoya, 2015
コイ目コイ科
全長 ♂60~70 mm ♀50~60 mm
分布 愛知県、岐阜県、三重県など
伊勢湾、三河湾周辺の平野部。日本固
有種。
ウシモツゴ ♂ 提供=近畿大学
食性 雑食性 藻類、底生動物などを食べる。
産卵期 3 月下旬から 7 月上旬 石や木の枝など固い産卵基質を中心に雄が縄張りを持ち、雌を誘って
産卵が行なわれる。雄は、卵がふ化するまで世話をする。
ウシモツゴは 52 年間、近縁であるシナイモツゴ Pseudorasbora pumila の亜種(Pseudorasbora pumila
subsp.)とされていた。これはシナイモツゴに酷似し、成長に伴い体側の黒色縦帯が不明瞭になることだ
けで区別されていたことによる。しかし、両者は、側線鱗数や頭部側線系などの形態的差異、ミトコンド
リア DNA などの遺伝的差異に加え、日本の生物相形成に重要な役割を果たしたフォッサマグナを挟んで
分布していることから、別種と判断された。
学名(種小名)の pugnax は攻撃的で気性が荒いという意味がある。生息地ではケンカモロコと呼ばれ
るほど、喧嘩っ早い本種の生態的特徴を表している。
参考
シナイモツゴ Pseudorasbora pumila
東北地方、関東地方および中部地方の一部に分布する。日本固有種。生息数の減少に伴い環境省版レッ
ドデータブック(2014 年)で絶滅危惧 IA 類に指定されている。