URA事業成果報告書はこちらから - 新潟大学 研究企画室 –URA

文部科学省研究支援体制整備事業費補助金
「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」
(リサーチ・アドミニストレーションシステムの整備)
専門分野強化型
事業成果報告書
平成24年度~平成26年度
国立大学法人新潟大学
1
はじめに
新潟大学では,平成24年度に文部科学省研究支援体制整備
事業費補助金「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保
するシステムの整備(リサーチ・アドミニストレーションシス
テムの整備)
」に15大学の一つとして採択され,
「プロジェク
ト企画型」に特化したリサーチ・アドミニストレーション機能
としてのURA組織を整備いたしました。
本学のURAの特徴は,専門分野の強化に向けて,新潟大学
を代表する研究プロジェクトとして選定された「超域学術院研究プロジェクト」などによる外
部資金獲得に向けた企画・計画に関わる研究支援活動を中心に行い,トップ研究プロジェクト
の拠点化を目指すとともに,次世代を担う若手研究者の「優れた研究プロジェクト」を発掘し,
新しいトップ研究への支援をすることにあります。併せて,政府系の研究・教育関連の大型外
部資金の獲得のための支援も重要な任務としています。
このようなURA支援体制の機能強化のため,本学における支援対象研究プロジェクトとし
てURAの役割を定め,
「超域学術院研究プロジェクト」に対して重点的な支援を実施した結
果,COIサテライト拠点のような大型外部資金の獲得にURAが多大な貢献をしました。ま
た,次世代を担う若手研究者向けの支援として科研費申請支援も実施いたしました。これはU
RAが自発的に企画したもので、支援の結果,URAが個別に支援を行った若手研究種目の採
択率が大きく向上するなど,URA体制の整備効果が確実に出始めております。今後もURA
支援対象研究プロジェクトを戦略的に選定するなど,効果的なURAによる支援体制を充実し
て参ります。
一方,URAによる支援体制の機能強化には,優秀なURAの確保は必須です。本学では,
完成されたURAを採用するだけでなく,本学独自のURAを育成する方針を「新潟大学ジュ
ニアURA育成プログラム」として定めました。そこでは育成したURAの業務評価基準とし
て「新潟大学ジュニアURA学内資格認定基準」を整備いたしました。この育成制度,評価方
針と一体となったURAキャリアパスの構築に引き続き取り組み,魅力あるURA職の確立に
努めて参ります。
平成27年度からURAをさらに増員することが決定しています。本学の研究力強化を担う
専門職としてURAを位置づけ,今後もURAが活躍できる環境の整備を進める所存です。
平成27年4月
国立大学法人新潟大学
学長 髙橋
2
姿
URA組織体制整備状況
平成 24 年 4 月 ・文部科学省研究支援体制整備事業費補助金「リサーチ・アドミニストレー
ターを育成・確保するシステムの整備(リサーチ・アドミニストレーショ
ンシステムの整備)専門分野強化型」に申請
平成 24 年 6 月 ・文部科学省研究支援体制整備事業費補助金「リサーチ・アドミニストレー
ターを育成・確保するシステムの整備(リサーチ・アドミニストレーショ
ンシステムの整備)専門分野強化型」に採択
平成 24 年 10 月 ・新潟大学研究推進機構にリサーチ・アドミニストレーター(以下「UR
Aという」
)を配置 URAを2名採用
・教員等兼務型シニアURAを5名配置
平成 25 年 2 月 ・URA1名追加採用(合計3名)
平成 25 年 3 月 ・URA1名追加採用(合計4名)
平成 25 年 3 月 ・URA1名任期満了退職(合計3名)
平成 25 年 4 月 ・新潟大学リサーチ・アドミニストレーション推進室設置
・教員等兼務型シニアURA1名追加(合計6名)
・事務職員兼務型事務系URA1名配置
平成 25 年 8 月 ・URA1名追加採用(合計4名)
平成 25 年 10 月 ・専任シニアURA配置要求に伴う,文部科学省研究支援体制整備事業費補
助金「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備
(リサーチ・アドミニストレーションシステムの整備)専門分野強化型」
の計画変更が承認
・事務職員兼務型事務系URA2名追加配置(合計3名)
平成 26 年 4 月 ・新潟大学研究企画室設置
(新潟大学リサーチ・アドミニストレーション推進室を廃止)
・URA4名,事務職員兼務型事務系URA2名は新潟大学研究企画室に配
置転換
平成 26 年 8 月
・専任シニアURA1 名配置(新潟大学研究企画室配置)
現在に至る。
3
URA組織体制図
4
URA組織等関係構成員(平成27年3月現在)
○研究推進機構
機構長
高橋 均
(研究・社会連携担当理事,研究・社会連携担当副学長)
副機構長
宮田 等
(研究担当副学長)
副機構長
白石典之
(基盤研究推進センター長,兼任シニアURA)
副機構長
寺尾 豊
(研究プロジェクト推進センター長,兼任シニアURA)
○産学地域連携推進機構
機構長
高橋 均
(研究・社会連携担当理事,研究・社会連携担当副学長)
副機構長
門脇基二
(社会連携担当副学長,知的財産創成センター長,兼任シニアURA)
センター長 大坪研一
(産学地域連携推進センター長,兼任シニアURA)
センター長 原田修治
(産学地域人材育成センター長,兼任シニアURA)
○研究企画室
室長
石川幸秀
(研究企画推進部長,兼任シニアURA)
副室長
若松伸一
(研究企画推進部研究推進課長)
副室長
渡辺明弘
(研究企画推進部研究推進課研究企画主査)
副室長
尾坂康弘
(研究企画推進部産学連携課長)
室員
進藤典男
(シニアURA,特任専門職員,特命教授)
室員
長谷川佐知子 (URA,特任専門職員)
室員
久間木寧子
(URA,特任専門職員)
室員
星野鉄哉
(URA,特任専門職員)
室員
小嶋英人
(研究企画推進部研究推進課研究企画係長,兼任事務系URA)
室員
石添慶太
(研究企画推進部研究推進課研究企画係,兼任事務系URA)
室員
藤井あずさ
(事務補佐員)
○研究企画推進部産学連携課
特任専門員 嶽岡悦雄
(特命教授,兼任シニアURA)
5
URA事業整備概要
○URA支援対象プロジェクト
URAによる支援対象プロジェクトを下記の図のとおり定め,戦略的にURAを活用する。
専門分野の強化を目指し,超域学術院のプロジェ
クトリーダーなどに対して,外部資金公募情報の収
集,提案,申請書作成支援など,主として外部資金
獲得のための支援を行うことにより,本学トップ研
究をさらに強くすることを目的とした支援を実施す
る。加えて,若手研究者の育成を重視し,URA育
成のためのオン・ザ・ジョブトレーニング(以下「
OJT」という。
)や学内へのURAの浸透を図るこ
とも兼ねて,特に科研費申請に際しての留意事項な
どの情報提供や,URAの視点から申請書の内容に
対して助言するなど,研究の底上げを目指した支援
を実施する。
平成27年度より,新たに各学系教員向けの支援
として,コア・ステーション制度により立ち上げた
グループ研究プロジェクトの支援を開始する。
(コア・ステーショ制度とは,学部,研究科等の既存の学内組織にとらわれない本学の教員等
のグループが,高度な大学教育プログラムの開発や卓越した研究拠点の形成を目指して行う教
育・研究活動を,申請に基づき学長が認定する制度である。
)
このコア・ステーション制度による研究プロジェクトは教育プロジェクトも含め,30程度
のプログラムが進行しており, 研究プロジェクトの循環を目指し,次世代のトップ研究プロ
ジェクトに発展させるための支援を開始する。
また,これまでもURAによる全学的な教育・研究プロジェクトの申請支援は,OJTの位
置づけで実施してきたところであるが,URAは各府省が要求している概算要求事項の内容を
精査し,申請に際して新たに学内プロジェクトチームのビルディングを担わせるなど,戦略的
にURAを活用していく。
6
○新潟大学ジュニアURA育成プログラムの整備
専門分野の研究強化に向けた外部資金獲得を目指し,URAとしてのスキル向上を図るため,
産学地域人材育成センターを中心に研究推進機構やURA推進室で検討を重ね,URA会議承
認の下,
「新潟大学リサーチ・アドミニストレーター育成プログラム」を試行版として平成2
5年度に整備した。
本学が採用するURAは,採用時期やURA自身が持つ専門分野の能力が異なるため,「新
潟大学リサーチ・アドミニストレーター育成プログラム」に基づき,各々の能力に応じたOJ
TならびにOFF-JT育成プログラムを用意したところである。
OJT育成プログラムは,主として外部資金の申請に関わるものであり実践的な育成プログ
ラムとして超域学術院研究プロジェクトや,若手研究者に対する外部資金申請支援,将来的に
本学全体の研究企画を担う人材として,全学的な教育・研究プログラムにおける外部資金申請
支援などの実地トレーニングにあたるものである。
OFF-JT育成プログラムは,主としてURA業務に必要なスキルに関わる育成プログラ
ムであり,具体的には,各種外部資金の公募説明会,研究評価・分析研修,他大学等が実施す
るURAに関するシンポジウムへの出席など,URAスキル向上のために知識を得る研修と位
置付けている。
これらの育成プログラム受講中のURAを,ここではジュニアURAと称し,職層に応じた
育成プログラムとして4つのランクを設けたものである。
(8ページの図はOJT育成プログラムの抜粋版である。)
7
○新潟大学ジュニアURA学内資格認定基準の整備
ジュニアURAを4つのランクに細分化した「新潟大学ジュニアURA学内資格認定基準」
を平成25年度に整備した。具体的には,「JURA1:基礎的業務の理解」
,「JURA2:
小規模プロジェクトでの自立した支援」,
「JURA3:大規模プロジェクトでの企画力・提案
力」
,
「JURA4:大規模プロジェクトでの企画力・提案力リーダーシップ」に細分化し,ど
のくらいのスキルを有しているかを判断できる資格制度としている。
ジュニアURAとして採用した者は,全てURA候補者の位置づけとし,採用後2年程度を
目途として,初級・中級レベルである「JURA1」,
「JURA2」の資格認定に向けた業務
評価を行う。この時点で資格認定を受けた者は,次の2年程度を目途として,中級・上級レベ
ルである「JURA3」
,
「JURA4」の資格認定に向けた業務評価を行い,この時点で「J
URA4」の資格認定を受けた者はテニュア職に移行する制度とする。さらに,テニュア職に
移行したジュニアURAは,平成27年度中に整備予定の「新潟大学シニアURA学内資格認
定基準」に基づき,シニアURAへの昇格に挑戦する制度である。
(下記の図は「新潟大学ジュニアURA学内資格認定基準」の抜粋版である。)
8
URA業務実績(*印…採択)

平成24年度
申請支援
事業名
支援内容
事業主体
リサーチ・アドミニストレータを育成・確保す
申請書作成支援、作図支援
文部科学省
るシステムの整備事業*
グローバル人材育成推進事業*
情報収集、提案の構造化、 文部科学省
内容に関する提案、作図
第 22 期学術の大型施設計画・大規模研究計画
情報収集、記載内容・体制
日本学術会
に関するマスタープラン「学術大型研究計画」 図の提案
議
科学研究費助成事業(基盤 S)
JSPS
作図支援
関連業務
URA 組織体制整備 : HP・パンフレットの作成、業務計画の作成
学内 URA 周知活動
競争的資金に関する情報収集
米国大学(URA 部局)訪問準備(Stanford, UC Berkeley, UC Davis, Kansas State)
ユニバーシティ・リサーチ・アドミニストレーターに係る書籍原稿執筆
能力開発・研修等
URA シンポジウム参加(九州大学、名古屋大学)
URA 研修・教育プログラム試行的研修会参加(早稲田大学)
NCURA Pre Award Research Administration Conference 参加
URA 事業先行大学訪問・実施調査・情報交換(名古屋大学、金沢大学、山口大学)
URA 人材育成に関する情報交換(早稲田大学)
UCIP 合同研修参加(信州大 URA との情報交換)
米国大学 URA 事業 訪問調査
トムソンロイター研究評価研修 参加

平成25年度
申請支援
事業名
支援内容
事業主体
COI ビジョン実現のためのアイデア募集
申請書校正、学内調整
文部科学省
博士課程教育リーディングプログラム
申請書校正、作図
JSPS
9
A-STEP【FS】ステージ探索タイプ*
申請書校正、コーディネー
JST
ター
大学等シーズ・ニーズ創出強化支援事業(イノ
申請書作成、作図、WS 開催
ベーション対話促進プログラム)*
支援、学内外調整
COI STREAM*
申請書作成、作図、ヒアリ
文部科学省
文部科学省
ング対応、学内調整、
Post-Award ( 事 業 計 画 作
成、学内外調整、広報対応
など)
地域イノベーション戦略支援プログラム
申請書作成(一部)
文部科学省
厚生労働科学研究費
申請書校正、作図
厚生労働省
先端科学シンポジウム(FoS)推薦
申請書校正
JST
科学研究費助成事業*
説明会、若手研究者個別支
文部科学省
援、全学的申請書チェック
/JSPS
関連業務
JST 新技術説明会 個別相談対応
イノベーション・ジャパン 2013 ブース対応
新潟大学 URA 講演会 企画・開催
研究大学強化事業 評価項目分析
URA ネットワーク準備会合への参加
JSPS との科研費勉強会(科研費支援企画)
能力開発・研修等
URA 情報交換会 出席 (筑波大学、九州大学)
URA 懇親会・セミナー 出席(福井大学)
URA シンポジウム 参加(大阪大学、京都大学)
ドイツ研究振興協会(DFG)・科学技術振興機構(JST) 共同開催シンポジウム
参加
審議会等の聴講 : 学術分科会、科学技術・学術審議会 等
URA 育成の大学院集中講義
出席(東京農工大学)
第 10 回 UNITT 年次総会 2013 参加
国際情報発信に関する勉強会&ワークショップ 参加(NINS)
トムソンロイター研究評価研修 参加
目利き人材育成・研究支援マネジメントコース、競争的資金活用コース 参加
URA スキル標準の作成 研修・教育プログラムの作成合同シンポジウム 参加(東京大学)
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
平成26年度
申請支援
事業名
支援内容
事業主体
スーパーグローバル大学創成支援
作図
文部科学省
海外特別研究員
申請書校正
JSPS
二国間交流事業 共同研究・セミナー
申請書校正、作図
JSPS
大学の世界展開力強化事業*
申請書作成、校正、作図、 文部科学省
ヒアリング対応
SIP*
申請書作成、ヒアリング資
内閣府
料作成
革新的技術による脳機能ネットワークの全容
事業内容の説明、校正
文部科学省
ナショナルバイオリソースプロジェクト
申請書校正、作図
文部科学省
頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワ
申請書校正、作図
JSPS
申請書校正、コーディネー
JST
解明
ーク推進プログラム
A-STEP【FS】ステージ探索タイプ*
ター
我が国の未来を拓く地域の実現に関する調査
申請書校正、調査研究参加
JST
申請書校正
文部科学省
申請書校正、作図、ヒアリ
文部科学省
研究*
国費外国人留学生の優先配置を行う特別プロ
グラム*
感染症研究国際展開戦略プログラム*
ング対応
科学研究費助成事業*
説明会、個別支援、科研費
文部科学省
専用 HP による情報提供
/JSPS
関連業務
ロシア向け研究材料・実験機器輸出手配(農林水産省補助事業)
URA 事業説明と意見交換(琉球大学)
来年度 概算要求の確認、周知資料の作成
文科省発表資料「平成 26 年度 科研費の配分について」の分析
科研費審査員経験者・事務担当者のヒアリング
目利き人材育成・研究支援マネジメントコース 出席
コア・ステーション研究者ヒアリング
中・上級者向け研究マネジメント人材養成、競争的資金活用コース 参加
研究者シーズ集の作成支援
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新潟大学 URA シンポジウム
企画・開催
全学を対象とした研究推進制度の企画立案及び予算案の作成
能力開発・研修等
URA シンポジウム 出席(北海道大学、九州工業大学)
第 11 回 UNITT 年次総会 2014 参加
大学研究力強化ネットワーク・意見交換会 参加(NINS)
大学研究力強化ネットワーク・カンファレンス(第 1 回、第 2 回)参加(NINS)
個人評価用調書作成
信州大学訪問 研究推進事業実施調査
目利き人材育成・研究支援マネジメントコース 出席
中・上級者向け研究マネジメント人材養成、競争的資金活用コース 参加
コラボ産学官訪問 産学官連携調査
URA 事業調査の実施 : 金沢大学、熊本大学
URA 事業報告会 聴講 : 大阪大学
12
新潟大学 URA シンポジウム開催(平成 27 年 3 月 24 日)
平成 27 年 3 月 24 日(火)に新潟大学駅南キャンパス「ときめいと」にて,
【第 10 回新潟大
学研究推進セミナー「新潟大学 URA シンポジウム」
】を開催した。本学は平成 24 年度文部科学
省「リサーチ・アドミニストレーター(URA)を育成・確保するシステムの整備」事業に,専
門分野強化タイプで採択されており,本整備事業終了に伴う 3 年間の事業活動報告を行った。
また,新潟大学の更なる研究力強化に向けて,学内研究者や他大学・産業界でご活躍の有識者
をお招きし,講演やパネルディスカッションを通じて今後の方向性を共有した。
本シンポジウムでは,髙橋姿学長から研究力向上に向けた URA の活動への期待を込めた開会
のご挨拶を頂き,続いて,高橋均理事(研究・社会連携担当)より,科研費採択データから新
潟大学の現状を分析した結果が示され,それを踏まえて今後本学が「限りなく研究大学へ」進
むために,研究者と URA が果たすべき役割を示して頂いた。また,文部科学省の山下洋大学技
術移転推進室長からは,
「イノベーション創出を支える URA の今後の展開」という演題でご講
演いただき,URA 制度定着のための課題と解決方法について貴重な示唆を頂いた。
シンポジウム会場の様子
本学 URA からは新潟大学の研究推進体制や,3 年間の URA 活動を具体的事例で紹介し,更に
PDCA サイクルを重視した科研費支援の詳細,及び今後の科研費改革に対応した支援活動の在
り方についての報告と問題提起を行った。それを受けて新潟工科大学の髙橋正子 URA と電気通
信大学の橋本俊幸 URA からはそれぞれの所属大学での特徴的な取り組みについてご紹介頂い
た。
そして,シンポジウム後半には,本学の小野寺理教授(脳研究所)
,寺尾豊教授(歯学部),
児玉竜也教授(工学部)
,小浦方格准教授(産学地域連携推進機構)と,山口大学の野利本悠
URA 部門長,日立製作所の城石芳博主管研究長にご登壇いただき,
「研究力向上に向けての今
後の専門分野強化を考える」というテーマでパネルディスカッションを行った。各分野からの
研究推進へ必要と考える支援や現在の課題など,多くの意見が出された。
最後に、本シンポジウムを踏まえて大学の研究経営を考えて行きたいと宮田副学長より閉会
の挨拶を頂いた。
13
パネルディスカッションの様子
学内外から総勢 63 名にご参加頂き、URA の活動が良く分かった等の他、今後の研究力強化
に向けたご意見も多数頂いた。
※シンポジウムの配布資料(一部のみ)はこちらから http://www.ura.niigata-u.ac.jp/
14
URA利用者の声
1)URA・HP 内「URA 利用者の声」
学内外に URA の活動をアピールすることを目的として、URA の HP 内に URA 利用者のインタ
ビュー記事を掲載している。以下に抜粋を記載する。
URL
http://www.ura.niigata-u.ac.jp/index.php/usercomment#kix_RIYOUSHA_01_YAMAMOTO
○第 1 回:2014 年 8 月 12 日 大学院医歯学総合研究科附属腎研究施設 山本 格 教授 より
(平成 25 年度文部科学省 COI STREAM の申請支援)
【URA 支援の良かった点】
「申請イメージを固めながら申請書の項目ごとに書いていきますが,自分だけで読んでいると
どうしても自己満足になってしまいますし,足りないところもあります。COI では, URA が
別な視点から情報を集めてくれて,そういった部分を補って加筆してくれたり,視覚的にもこ
ちらのアイデアが伝わるように良い図を作成してくれましたよね。すべて一人ではとても時間
が足りません。それに,いろいろな人が関与することで良い申請書になると思います。」
【URA に期待すること】
・
「まずは,大学の戦略として大型の競争的資金を取りに行くしくみが必要だと思います。そ
のためには大学が情報を取ってくるような,国や外部との連携にも取り組んでほしいです。
新潟大学単独での申請は難しくても補完できるグループ作りまでできるような連携のしく
みですね。 URA がまず,その実働部隊になって成功例を沢山作ってください。」
・
「現在は採択までの支援が中心のようですが,採択後も URA が必要ですね。できれば一貫し
て担当してもらう方が良いのでしょう。 URA の人材としては,一定以上のサイエンスの知
識と社会経験があり,研究者が不得意な渉外交渉力のある人。私自身は, URA を専門分野
別に配置するより,分野を問わず研究者とは違った視点で考える人が揃っていた方がいいの
ではと思います。それぞれ得意なことを活かしてほしいです。
」
○第 2 回: 2014 年 12 月 8 日 大学院自然科学系 (農学部) 大坪 研一 教授 より
(平成 26 年度内閣府 SIP の申請支援)
【URA 支援の良かった点】
・
「新しい事業で,公募開始まで自分が応募出来る分野があることを知りませんでした。URA
から情報を得て,チーム作りからサポートして頂いたお蔭で,締切りまで 1 ヶ月,実際の
作業時間は 2 週間強と非常に短期間でしたが,申請することができました。申請書作成で
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は特に作図や,申請登録など事務手続きもサポートして頂きました。ヒアリング資料の図は,
ほぼすべて作成してくれましたね。資料は当日持込みでしたが,一目で我々の提案内容が伝
わり決め手となったと思います。」
・
「URA が農芸化学分野出身で,元々私の研究をよく理解してくれていたこと,URA として
医歯学系の研究内容も把握していることから,今回の適切なチーム作りができたと思いま
す。
」
【URA に期待すること】
・
「URA には自信とやりがい,仕事の意義を持っていて欲しいと思っています。老 (わたしの
ような・笑)・壮・青年など色々な世代が入って,経験と知識,人脈を活かし,継続的に活
動できる組織になって欲しいと思います。また,今後も SIP のような異分野融合の申請で
すぐにチームが組める様に,学内の研究情報を URA が集約すると,研究者はそこに聞け
ばわかるというようになり効率が良いですね。外部資金や外部のニーズに関する情報も集約
し,情報発信から共同研究推進へ立体的に活動して頂きたいと思います。例えば,当該プロ
ジェクトの狙い,基礎・応用のどの段階で何が求められているのかなど,分かり易く研究者
に伝えて頂けると助かります。
」
2)科研費申請支援利用者の声
科研費申請支援では、公募終了後に科研費申請支援利用者にアンケートを実施し、支援業務
の改善とニーズの吸い上げに活用している。以下に抜粋を記載する。
【URA 支援の良かった点】
・
「科研費の申請自体が初めてであったので,必要な手続きについて丁寧な説明と対応をいた
だき,スムーズに申請手続きを進めることができました。」
・
「事前に個別相談に乗っていただき,頭の中の整理になったり新しい視点を提供してもらえ
た。申請書を書く意欲がわいた。」
・
「第三者が読んで分かりにくいであろう部分を指摘して頂いたこと,また分担・計画表の図
を提案して頂き,プロジェクト全体が方向性を持った感じになり,とても見やすくなりまし
16
た。
」
・
「申請者本人には思いつかない観点からのアドバイスがあった。
」
【URA に期待すること】
・
「①採択された申請書,されなかった申請書を比較・分析し,②その経験を重ねることで,
採択されるかどうかは URA では憶測できると思われます。そのような視点から厳しいアド
バイスをすることも時には重要と思われます。例えば,萌芽研究以外は,文章記述がいくら
良くても業績が無ければ採択は難しく,「今後の業績の上乗せを望む」といったアドバイス
を提供することで研究に対するモチベーションのアップに貢献できると思われます。その意
味で, URA の職務機能を上げるには URA 任期は短期間ではなく出来るだけ長期間にす
る必要があると思われます。」
・
「大学内 (大学間でも構いませんが) のまったく分野の異なる研究を結びつけるようなアイ
デアを出して頂くと,新しい学問が生まれて,面白いかもしれませんね。
」
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