運輸安全マネジメントに関する取り組み

2015年6月1日
2015年度 運輸安全マネジメントに関する取り組み
小田急バス株式会社は、輸送の安全を確保するため、社長以下全社員が一丸となって安全で快適な輸
送を実現すべく事故防止に取り組んでまいります。
1.輸送の安全に関する基本的な方針
(1)社長及び役員は、輸送の安全の確保が事業経営の根幹であることを深く認識し、社内において輸
送の安全確保に主導的な役割を果たしてまいります。また、現場における安全に関する声に真摯に
耳を傾けるなど現場の状況を踏まえるとともに、
「安全方針」の浸透を図り、社員に対し輸送の安全
確保が最も重要であるという意識を徹底してまいります。
安全方針
「安全はすべてに優先する」
● 安全確認の励行
● 法令の遵守
安全宣言
私たちは、お客さまに安全・快適なサービスを提供し、地域に貢献することを宣言いたします。
小田急バス株式会社
取締役社長
1
下岡 祥彦
2015年度
月
4月
月間安全目標
月間安全目標
月
信号標識の遵守
月間安全目標
基本動作の励行
10月
イエローストップの励行
5月
衝突事故防止
制限速度の遵守
11 月
適切な車間距離の保持
追突事故防止
6月
安全確認の励行
12 月
自転車・二輪車の動向に注意
接触事故防止
7月
車外人身事故防止
自転車・二輪車の動向に注意
1月
車外人身事故防止
8月
接触事故防止
危険予知運転の励行
2月
接触事故防止
9月
安全確認の励行
制限速度の遵守
イエローストップの励行
着席発車の徹底
3月
車内人身事故防止
車内の動向に注意
車内人身事故防止
(2)会社は、輸送の安全に関する計画の策定、実行、チェック、改善(Plan Do Check Act)を確実
に実施し、安全対策を丌断に見直すことにより全社員が一丸となって業務を遂行し、絶えず輸送の
安全性の向上に努めてまいります。また、輸送の安全に関する情報については、積極的に公表いた
します。
2.輸送の安全に関する重点施策
輸送の安全に関する方針に基づき、次に掲げる事項を実施いたします。
(1)輸送の安全の確保が最も重要であるという意識を徹底し、関係法令および安全管理規程に定めら
れた事項を遵守いたします。
(2)輸送の安全に関する費用支出および投資を積極的かつ効率的に行うよう努めます。
(3)輸送の安全に関する内部監査を年2回実施し、必要な是正措置又は予防措置を講じます。
(4)輸送の安全に関する情報の連絡体制を確立し、社内においてヒヤリ・ハット等必要な情報の伝達、
共有をいたします。
(5)輸送の安全に関する教育および研修の具体的な計画を策定し、これを的確に実施いたします。
(6)健康管理の充実により事故防止を図ります。
(7)小田急シティバス株式会社と相互に協力・連携し、一丸となって輸送の安全性の向上に努めます。
3.輸送の安全に関する目標および当該目標の達成状況
2014年度は、自動車事故報告規則第2条に規定する事故件数が7件となり、事故件数対前年25%
削減はできませんでした。本年度は有責事故件数対前年20%削減及び出勤時飲酒反応者0を目標に、
引き続き「安全・安心・信頼」を年間スローガンとし事故防止に努めてまいります。
さらに2012年6月より小田急グループバス事業者の分科会を設立し、情報交換及び情報の共有を
図っており、本年度も「発車時 3 秒の確認、走行時 3 秒の車間、停車時 3 メートルの車間」という「セ
ーフティドライブ 3・3・3」を統一スローガンとして引き続き事故防止に取り組んでまいります。
2
車内人身事故
4件
車外人身事故
2件
衝 突 事 故
1件
計
車両故障
7件
30件
4.輸送の安全に関する計画
輸送の安全に関する目標を達成すべく、次のとおり計画を策定いたしました。
(1)教育関係
社内教育体制の整備を行うとともに、年間教育計画に基づき教育の充実を図り、外部機関を活用し
た教育実施により、運行管理者および運転士の資質向上を図ります。
生田研修所
安全運転訓練車
モックアップ(模擬バス)
①運輸安全マネジメントを定着させるために外部機関による安全マネジメントコンサルティングを導
入いたします。
安全マネジメントコンサルティングによる研修
②「運転士教育大綱」に基づいた教育体制を継続し、実技教育の充実を図り、運転士の資質向上を目
指してまいります。
③年間教育・研修計画に基づき、本社では定期的に各種の運転士教育等を実施しする他、営業所単位
でも運行管理者による運転士の教育指導を継続してまいります。
3
④運転士作業標準を活用し、運転技能の平準化を図るとともに事故防止に努めてまいります。
運転士作業標準
従業員手帳(安全管理規程等を記載)
⑤外部機関(クレフィール湖東)による指導運転士教育を引き続き実施し、安全運転の基本習得およ
び指導運転士としての資質向上と教え方の平準化を図ってまいります。
⑥習熟教育の一環として、外部の自動車教習所と連携し本年度も引き続き新入運転士の運転技術の向
上に努めてまいります。
⑦適性診断システム(ナスバネット)を活用し、自社で適性診断の受診およびカウンセリングを行い、
指導の平準化を図るとともに事故防止教育の充実を図ってまいります。
⑧グリーン経営認証事業者として安全運転訓練車を活用したエコ運転技術の向上に努めてまいります。
⑨飲酒運転防止インストラクターを拡充し各種教材を活用した飲酒運転防止教育を実施するとともに、
アルコール検知器を個人貸不し酒気帯び出勤の撲滅を図ってまいります。
⑩接遇研修の実施を図り、接客接遇サービスの向上を図るとともに、2014 年度 7 月より新たなサー
ビスの取組みとして「おもてなしサービス№.1運動」を2ヶ年計画で行ってまいります。
ナスバネット
飲酒運転防止インストラクター
の養成及び飲酒教育
4
サービス向上
(2)設備投資
車両についてはエコ運転の実践で環境保全を推進するとともに、
本年度は24両の新型車両を導入いたします。また、やさしい乗り
心地のオートマチック車両をはじめ、扉式運転席仕切り板および車
椅子リトラクタ式固定ベルト、ならびに対向車や歩行者からの被視
認性を向上させるためデイライト用LEDランプを引き続き導入す
るとともに、新たに照射灯のLED化を図ってまいります。
左リアタイヤ巻き込み防止カバー
安全面では、今後も道路交通法改正による自転車に対する事故防止のため、左リアタイヤに巻き込
み防止カバーの設置に努めてまいります。
なお、本年度についても、主要停留所にバスロケーションシステム(接近表示機)を増設するとと
もに、運行の円滑化およびお客さまの利便向上にも引き続き努めてまいります。
(3)安全運動
年間を通してセイフティドライブ運動を実施する他、時期に応じた各種安全運動を以下のとおり年
4回実施することにより、輸送の安全性向上に努めてまいります。
①春の全国交通安全運動 5月中旬
②夏の事故防止運動
7月
③秋の全国交通安全運動
9 月下旬
④年末年始自動車輸送安全総点検 12 月上旬~1 月上旬
(4)立ち会い指導
毎月 4 日を「安全の日」
、毎月 15 日を「事故ゼロの日」と位置付け本社員および営業所管理職によ
る主要交差点において立ち会い指導を実施するとともに、お客さまへのサービス向上、さらには運転
士への安全意識向上に努めてまいります。
横断幕
立会い観察
胸 章
(5)統括運行管理者会議
毎月一度、安全統括管理者と統括運行管理者が安定輸送に向けた意見交換を行い、コミュニケーシ
ョンを図るとともに情報の共有を行っております。
5
(6)健康管理の充実
①定期健康診断の実施(年2回)
②産業医による健康相談の実施
③保健師による健康相談会の実施(年 1 回)
④疲労蓄積度自己診断チェックシートの活用
⑤全社員を対象とした、安全運動講習会の中で健康管理の重要性を取り上げ、充実を図ってまいりま
す。
⑥適性診断受診者を対象に睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査を春の健康診断より実施
5.輸送の安全に関する教育および研修計画
(1)安全統括管理者巡視
毎月、安全統括管理者が各営業所へ出向き、営業所長および統括運行管理者、運行管理者、整備管
理者と輸送の安全に関わる意見交換を行う他、社長も安全統括管理者巡視に同行し、従業員とのコミ
ュニケーションを図ってまいります。
(2)経営管理部門で安全管理に従事する者
毎月、運輸安全マネジメント委員会を開催し、情報の共有を図ることにより輸送の安全性向上に努
めてまいります。
(3)現業部門の代表者
毎月、運輸部会議および整備担当者会議を開催し、本社部門と営業所部門の代表者による意見交換
等を含め、情報の共有を図り輸送の安全性向上に努めてまいります。
(4)運行管理者および整備管理者等
安全運動講習会の直前に、社長以下本社員および運行管理者ならびに整備管理者等を対象とした講
習会を開催する他、運行管理者においては外部機関の講習を毎年受講してまいります。
また、新任統括運行管理者および新任運行管理者ならびに新任運行管理補助者には速かに昇格者研
修を実施し、知識習得を図るとともに安全意識の向上に努めてまいります。
(5)運転士
①安全運動期間前に全員を対象とした安全運動講習会を開催し、安全運行に関する意識の向上を図っ
てまいります。
②事故発生後は速やかに事故防止委員会を開催し、事故の原因究明および再発防止策を図るとともに
安全運転訓練車を活用した事故防止教育を実施してまいります。
③3年に1度の適性診断をナスバネットで実施し、受診結果に基づいたカウンセリングを行い、各自
の癖や注意点を把握することにより事故防止に努めてまいります。
安全運転訓練車
モニター
集音器
メスシリンダー
6
④運転士教育計画に基づき、経験に応じた各種研修を行い輸送の安全確保に向けた意識の向上を図っ
てまいります。
⑤運転ヒヤリハット情報を共有し、事故防止に努めてまいります。
⑥新入運転士教育においては、外部の自動車教習所と連携し、引き続き運転技術の向上に努めてまい
ります。
⑦指導運転士においては、担当部署による運転および接客サービスの資質向上ならびに教え方の平準
化を図る他、外部機関(クレフィール湖東)を活用した研修を引き続き受講してまいります。
日常点検の研修光景
モックアップ(模擬バス)活用接遇研修
車イス設置訓練
視覚障がい者対応訓練
外部教習所
適性診断受診
飲酒体験ゴーグル活用研修
クレフィール湖東研修
6.明日の小田急バスを考えよう
全従業員を対象に「事故防止策、増収・増益策、サービス向上策」の3本柱で提案を募り、292件
の応募があり、実施効果の優れたものより実施に向けて取り組んでまいります。
7.輸送の安全に関する内部監査結果および改善措置
運輸安全マネジメントの実施および浸透状況を確認するため、本社担当部署による内部監査を年2回、
また、ナスバの内部監査を実施し、問題点については速やかに改善しております。
7
8.輸送の安全に関する予算等の実績額
車両購入および安全装置の設置ならびに輸送の安全に関する研修等は、次のとおりとなります。
(1) 2014年度実績額
414,736 千円
内 訳
①ナスバネット受診費
②クレフィール湖東研修費
561 千円
20名
860 千円
③外部教習所実習費(136 名)
31,280 千円
④飲酒運転防止インストラクター資格取得(11 名)
204 千円
⑤産業カウンセラー資格取得
452 千円
⑥アルコールチェッカー(個人貸不)
1,100 千円
⑦ドライブレコーダー(増車 10 両分)
3,600 千円
⑧新型車18両購入
371,650 千円
⑨停留所等設備に関する費用
(2)2015年度予算額
5,029 千円
621,770 千円
内 訳
①ドライブレコーダー
16,292 千円
②アルコールチェッカー(個人貸不)
15,000 千円
③アルコールチェッカー(営業所固定式)
200 千円
④クレフィール湖東研修費
1 ,075 千円
⑤外部教習所実習費
14,250 千円
⑥ナスバネット受診費
1,048 千円
⑦安全にかかる幹部研修費
2,500 千円
⑧新型車 24両購入
556,000 千円
⑨停留所等設備に関する費用
20,500 千円
9.行政処分の公表
(1)監査指摘事項
2014年5月、武蔵境営業所において東京運輸支局の一般貸切監査が実施され、誤った認識が原
因で指摘がございました。
①チャート紙の未装着および保管(運輸規則第26条)
②運行管理者の適切な指導がなされていなかった。
(2)処分の内容
輸送施設の使用停止(20 日車)
(3)当該処分に基づき講ずる措置
①チャート紙を取り付け、記録されたチャート紙は乗務記録に添付することを義務付けました。
②運行記録計による記録をとり、乗務記録とともに保存することを義務付けました。
③運行管理者に指導監督をおこないました。
8
(3)処分を受けた日
2015年1月27日
10.安全管理体制図(別添1)
11.運輸安全マネジメント体制組織図(別添2)
12.安全統括管理者
小田急バス株式会社
取締役
須
藤
孝
13.安全管理規程(別添3)
9