Copyright © 2015, SAS Institute Inc. All rights reserved. C-01 共通ポイントプログラムデータ分析によって、 グループシナジーを高める組織的な活用方法 〜京阪グループの取組と展開〜 京阪電気鉄道株式会社 経営統括室事業推進担当(マーケティング・宣伝) 課⻑ 清水 裕介 Copyright © 2015, SAS Institute Inc. All rights reserved. 京阪電気鉄道㈱ 会社概要 設 ⽴ 1949(昭和24)年11月25日(12月1日営業開始) 創 ⽴ 1906(明治39)年11月19日 運輸開始 1910(明治43)年4月15日(大阪・天満橋-京都・五条間46.57km) 資 本 51,466,416,776円 ⾦ 従業員数 1,586名 本社事務所 主 要 な 事業内容 大阪市中央区大手前1丁目7番31号 ①鉄道事業(鉄軌道による旅客運輸) ②不動産事業(土地建物の販売および賃貸) ③レジャー事業(遊園地などの経営) ※2014年3月31日現在 ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 3 京阪電気鉄道㈱ 会社概要 SHIGA滋 賀 KYOTO京 都 OSAKA大 阪 ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 4 京阪電気鉄道㈱ 会社概要 「京阪のる人、おけいはん」おけいはんキャンペーン “主役”であるお客さまの目線 「センス」や「こだわり」をさりげなく表現 ストーリー性を重視した展開 経 緯 特 徴 2000年12月、それまでの有名タレントの知名度を活⽤ した旅客誘致キャンペーンから転換 京阪沿線の魅⼒をわかりやすく、“⾃分ごと”と感じられる キャラクターに変更 大阪と京都の移動の利便性をより具体的にアピール 完全オリジナルキャラクター 等身大のユーザーが主人公(親近感・共感・納得感) 細部の描き込みで物語仕⽴て(次回作への期待感) ・お客さまに親しみを感じていただき、京阪電⾞の認知向上にも貢献 ・5代目(現⾏)おけいはんでは、はじめて一般公募を実施 ・お客さま代表として、沿線でいろいろなことに「チャレンジ」 ▲5代目(現⾏)おけいはん「中之島けい子」 ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 5 京阪グループのご紹介 運輸業 叡山電鉄㈱ 京福電気鉄道㈱ ㈱京阪エンジニアリングサービス ㈱京阪レジャーサービス 中之島高速鉄道㈱ ㈱京阪ステーションマネジメント ㈱京阪エージェンシー 京阪ライフサポート㈱ 京阪バス㈱ 京都京阪バス㈱ 京阪京都交通㈱ ケービー・エンタープライズ㈱ 江若交通㈱ ㈱ザ・コジャック 京都バス㈱ ケーテー⾃動⾞⼯業㈱ 不動産業 京阪カインド㈱ 京阪電鉄不動産㈱ イースタン興業㈱ 京阪アセットマネジメント㈱ 京阪ビルテクノサービス㈱ 京阪産業㈱ ㈱かんこう ㈱文化財サービス 京阪園芸㈱ 流通業 ㈱京阪流通システムズ ㈱京阪百貨店 ㈱京阪友の会 ㈱京阪ザ・ストア ㈱京阪レストラン レジャー・サービス業 ㈱琵琶湖ホテル 琵琶湖ホテルサービス㈱ ㈱ホテル京阪 ㈱京阪アーバンシステムズ ㈱京阪リゾートシステムズ 京都タワー㈱ ㈱京都センチュリーホテル 琵琶湖汽船㈱ 琵琶湖汽船サービス㈱ びわこフードサービス㈱ 大阪水上バス㈱ 比叡山鉄道㈱ 比叡山⾃動⾞道㈱ ㈱ガーデンミュージアム比叡 ㈱樟葉パブリック・ゴルフ・コース その他 ㈱大阪マーチャンダイズ・マート ㈱京阪ビジネスマネジメント ㈱京阪カード ㈱ビオ・マーケット ㈱はちけんや ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 6 京阪グループカード「e-kenetカード」 グループ会社それぞれで発⾏していたポイントカードなどを統合し、2003年10月に e-kenet(イー・ケネット)カードを発⾏し、業種を問わず会員組織をひとつに 同時にグループ共通ポイントプログラム「おけいはんポイント」サービスをスタート 2004年8月には交通ICカードPiTaPaの京阪線への導⼊により、グループ施設のご利⽤に加え 鉄道のご利⽤でもポイントを進呈するサービスも導⼊(京阪レイルウエイマイレージ) e-kenetカードへの集約・統合 会員証 京阪スーパー カード デパート ポイント 販促におけるグループシナジー グループマーケティングの視点 鉄道利⽤データとの連携 ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 7 京阪グループカード「e-kenetカード」 カード種別 おけいはん ポイント クレジット 決済機能 クレジット ポイント 優 待 サービス ○ ○ ○ ○ ○ ○ 約20万人 ○ ○ ○ ○ - - 約6万人 ○ - - - - - 約24万人 PiTaPa レイルウェイ マイレージ 会員数 (201412) e-kenet VISA PiTaPa e-kenet VISA e-kenetポイント専⽤ ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 8 グループカード戦略スキームとデータ連携 鉄道利⽤者〜グループ施設 相互誘致 グループポイント利⽤データ <グループ顧客戦略> 顧客基盤の拡大と深耕 グループシナジーの最大化 <約35百万取引/年> グループポイントSV 交通ICカード利⽤データ <交通IC戦略> 交通ネットワークの強化 メンテナンスコストの削減 <約57百万取引/年> スルッとKANSAI SV 顧客基盤拡大への寄与 決済利⽤率向上への貢献 e-kenetクレジット決済データ <クレジット事業戦略> クレジット事業による 収益拡大 <約12百万取引/年> クレジットSV 顧客情報活⽤システム e-kenetカードとグループポイント を武器に企業価値の最大化を目指す 〜共通サービスとグループマーケティングの確⽴〜 ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 9 新システム(SAS)導⼊前の課題 <グループ各社> 経営資源・分析ノウハウの不⾜ ・データ分析に費やす時間がない ・多額のシステム投資ができない ・どのように活⽤すべきかわからない 等 <本社部門> 分析サポート・ノ ウハウ提供、活⽤ の牽引役を期待 ⇒データ活⽤の必要性を認識して いても、⾏動に移せない ⇒会社・組織・ヒトにより方針が変動 ・抽出や帳票作成に時間がかかる ・データの中身・項目が一部不明確 ⇒DM⽤データ抽出等、限定的な活⽤ にとどまる マーケティング専任部門の欠如 データ活用に対する温度差 ・システム導⼊やデータ活⽤は各社方針 ・上司が代わるとデータが活⽤されなく なった 等・・・ 分析システムの⽼朽化・機能不⾜ システム面・体制 面で応えられない ・グループをあげてマーケティング活動 を推進、マネジメントする体制がなく、 ノウハウも集約されない ⇒活⽤推進、ノウハウの集約・蓄積は 結果的に各社方針に依存 顧客データを継続的に有効活⽤するためには・・・ グループ全体として 活⽤できる仕組みづくり(システム・体制)が必要 ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 10 課題解決に向けての取り組み 2012年6月より、IT部門と共同でプロジェクト⽴ち上げ 環境整備(システム・活⽤風土醸成)、体制構築の2つの観点から課題解決を図る 1.環境の整備 ① 高度な分析を短時間で実現する分析システムの導⼊ =2013年5月、新システム(SAS)本稼動 ・分析スピード、分析精度が著しく向上 ・BIに加え、将来予測分析が可能なBAツール(SAS Enterprise Miner)も搭載 ・グループ各社には、Web経由でデータ検索やレポート閲覧が⾏える環境を⽤意 ・ツール選定時には “⾃ら使いこなす”ことを前提に、分析ノウハウのサポート体制も重視 ② グループ全体(経営幹部含む)における、データ活⽤に対する理解、風土醸成 ・新システム導⼊時のベンダーやツール選定、トレーニング(分析講習会、操作講習会) から各社担当者に加わってもらうことで、風土醸成の端緒に ・以降は、体制構築・浸透とあわせ、引き続き推進中 ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 11 課題解決に向けての取り組み 顧客分析 サーバー 交通系 共通 ポイント 旧システム クレジット CPU: 8 RAM:64GB HDD:294GB アドホック レポート 専用ツール でデータ抽出 Accessで データ加工 集計 MsOfficeで レポート 作成 <京阪グループ各社> 定型 レポート 顧客 リスト クレジット 交通系 共通 ポイント 新システム DWH アプライアンス SAS サーバー Enterprise Miner Enterprise Guide CPU:48Core RAM:48GB HDD:3TB CPU: 4Core×2 RAM:32GB HDD:3TB MsOfficeで レポート 作成 Web Report Studio 定型 レポート Add-in for MS office 顧客 リスト 分析 報告 アドホック レポート ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 12 課題解決に向けての取り組み 2.マーケティング・マネジメント体制の構築、浸透 ①専任組織「マーケティング事務局」発足(2013年7月〜) データ活⽤を⽀える関連システムの課題解決や計画進⾏、分析結果の施策への反映を 速やかに遂⾏できる組織に ②運営体制 マーケティング推進会議 <マーケティング事務局> (隔月実施) グループ連携提案・実施 施策情報共有 分析手法習得 マーケティング担当 IT推進部 <京阪グループ各社> 京阪カード 個別課題把握 分析・解決策提示 各社個別ミーティング (基本毎月1回実施) ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 13 課題解決に向けての取り組み(体制) ③グループ各社への浸透、拡充 継続的に活⽤していくためには、分析結果を施策実施につなげ、各社で成功体験を 積み重ねてもらう必要があるが・・・ 障壁1)各社の販促予算 ・既存の販促施策の改善提案や、安価に実施できるメール施策等の提案から始める ・一部施策については、ノウハウ蓄積のための研究と位置づけ、本社部門で費⽤負担 障壁2)各社内での意思決定 ・個別ミーティング開始にあたっては、各事業の担当役員や各社経営層などに事前に説明し、 理解と承認を得る → 個別ミーティングを単なる勉強会に終わらせないようにするとともに、ときには トップダウンも期待 ・個別ミーティングは、原則として⾃ら意思決定できるメンバーと実施 ・提供する資料は、各社担当者が社内で共有・説明しやすいことも意識 ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 14 顧客情報活⽤事例① 鉄道・バス連携 グループシナジー 電⾞・バス利⽤者とショッピングセンターの連携 ⾏こ! 営業施策への反映 課 題 直接的な販促 〜「電⾞・バスでeco ご来館×お買い上げ ポイント進呈キャンペーン」〜 【郊外型ショッピングセンター(くずはモール)】 近隣に類似商業施設が増加し競争激化 駅前⽴地の強みが活かしきれていない (⾃家⽤⾞が来館者の過半数) 鉄道・バス利⽤者の顧客像がみえない (プロモーションが考えられない) 施 策 電⾞・バスでショッピングセンターに お越しになり、お買い物をされたお客 さまに「おけいはんポイント」を進呈 (5,000円以上のお買い物で50ポイント) サービス対象者の分析結果を商業施設 担当者にフィードバック 【京阪電⾞・京阪バス】 少子高齢化や就労形態の変化で お客さまは全体的に減少基調 沿線グループ施設との連携策を模索 エコロジーの観点での公共交通機関の 魅⼒増大策を検討(⾃家⽤⾞からの移⾏) ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 15 顧客情報活⽤事例① 鉄道・バス連携 グループシナジー 電⾞・バス利⽤者とショッピングセンターの連携 ⾏こ! 営業施策への反映 環 境 グループポイント データ 交通IC利⽤データ クレジットデータ 〜「電⾞・バスでeco ご来館×お買い上げ ポイント進呈キャンペーン」〜 直接的な販促 顧客情報分析システム(SAS) 〜サービスの効果分析〜 従来は複数データソースの 一括分析は実質不可能 (データ量/解析手法/所要時間) 効 果 気づき 対象者データ取得 サービス プログラム 進呈データ 生成 (月1回) ⼣方〜夜間来館者の増加 ・会社学校帰りの⽴寄需要獲得(夜間構成比の増大) 都心商業施設からの需要移転 ・サービス対象会員の都心型ブランドとの高い相関 新たな顧客層の気づき ・メインターゲットではなかった“若い”顧客多い ・バスご利⽤のお客さまのイメージ一新 【お客さま】 ポイント進呈! 顧客ターゲットを従来のファミリー層に 「会社にお勤めの若い⼥性」を加え、 リニューアル時のMDコンセプトとし 周辺競合施設との差別化を図った ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 16 顧客情報活⽤事例② 鉄道・バス連携 営業施策への反映 課 題 実 ⾏ グループシナジー 駅構内レストラン街における営業時間延⻑ 直接的な販促 〜増収⾒込みの“⾒える化”によるテナントの信頼獲得〜 【レストラン街(パナンテ京阪天満橋:16店)】 昭和時代からの息の⻑い飲⾷店街で あり、比較的閉店時刻が早い傾向にある 営業時間延⻑に⾒合う効果が予測できず なかなか一歩が踏み出せない 提 案 鉄道事業者の視点から構内施設の サービス向上を図りたい意向もあり グループポイント データ 2014年12月より5店で試験的に営業 時間延⻑を実施 交通IC利⽤データ 当該店において夜間時間帯の利⽤者数 が大きく増加するとともに利⽤者属性 にも変化が生じた クレジットデータ 利⽤者の時間帯別や属性傾向より、 延⻑時の増収⾒込みを⾦額で提示 京阪グループ内外の他飲⾷店利⽤状況 を調べ帰宅到着地への需要逸⾛を提示 (本施設は都心側拠点に⽴地) 顧客情報分析システム(SAS) □グループ外も含めた顧客動向 をスムーズに把握 □最寄駅利⽤者の施設⽴寄比率も 時間帯別に提示 複雑な分析フローを簡単に設計可能 ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 17 顧客情報活⽤事例③ 鉄道・バス連携 営業施策への反映 課 題 背 景 グループシナジー 直接的な販促 拠点駅エリア販促による施設相互利⽤の促進 〜同一駅構内のグループ各施設の相互利⽤を促すきっかけづくり〜 【京都-大阪の中間拠点「枚方市駅」における取組】 百貨店・駅ビル商業・飲⾷店街・構内 店舗(CVSなど)など各業種を各別会社 が運営し、相互の関心はそれほど高くない 結果商業観点での拠点性が弱く、買い回り を示す相互の関連性が著しく低い 施 策 と 今 後 本社マーケティング部門で直接相互 利⽤を促す販促策を企画 (期間内○○店利⽤でポイント進呈) 今後の活性化にフォーカスすべき 施設・店舗の組み合わせを発⾒し、 重点的にサポートを⾏う予定 お買い物目的をもって本エリアに来て頂く お客さまを増加させる必要性がある 顧客情報分析システム(SAS) □BAツールで関連性の発⾒ (アソシエーション分析) 現状低い関連性について、施策 実施による変化をとらえ、今後 の戦略⽴案に活⽤ ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 18 現状の課題とこれからの展開 人と組織の 側面 いまだに残るグループ会社間のマーケティングへの温度差 会社の背景、人材配置による分析風土の偏りの改善 経営戦略、販売促進策へのマーケティングデータによる“考える”ことの定着 専門性に富む人材の継続的な確保と育成 属人性… ⻑期的視点でのマーケティング担当者の配置 グループ各社におけるマーケティング担当者の確保とレベルの維持 戦略反映 シナジー追求 グループ各社の自発的な取り組みの促進 グループ各社からの⾃発的なPDCAサイクル回転の促進と、事務局の⿊子化 ⾃社以外への関心を高める組織的取り組み ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 19 現状の課題とこれからの展開 データ・ 活⽤方法の 側面 基幹事業である鉄道・バスご利用データの拡充 少子高齢化などにより通勤・通学者の増加は⾒込めない環境 観光資源などで沿線外からのお客さまを誘引する戦略が重要 より機動性の高い判断に使える詳細データの活用 データの幅 流通⼩売業の要である“売場づくり”や“商品販促”に寄与するデータ分析 顧客データ収集シーンの拡充による、お客さまの“⾒える化”拡大 将来の予測 必然的な分析 非構造化データと予測分析 当社の主要マーケット“京阪沿線”の深い理解と変化への対応 お客さまの声や定量化されないデータの分析への取り組み ©2015 KEIHAN Electric Railway Co., Ltd All Rights Reserved 20 ご清聴ありがとうございました Copyright © 2015, SAS Institute Inc. 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