固体の溶解に関する問題 完全攻略チャート①

固体の溶解に関する問題 完全攻略チャート①
固体の溶解度
まだまだ溶けますよ!→ 不飽和溶液, もうこれ以上溶けません → 飽和溶液
一般に,固体の溶解度は,ある温度で溶媒(ふつうは水)100gに溶かすことのできる最大限の溶質の
質量[g]で表される。ただし,水和水(結晶水)を含む化合物が水に溶ける場合には,水和水を含まない
溶質の質量[g]で表される。※溶解度は,物質の種類と温度だけで決まり,固体の溶解度は,温度が高く
なるほど溶解度は大きくなる。(例外もある)
例えば,ある温度で水100gに溶質を40gまで溶かすことができるなら,その温度での溶解度は40と表す。
溶質が限界まで溶けた溶液を飽和溶液という。
例えば,ある温度で飽和溶液となっている場合,溶媒100gあたり,溶質は溶解度g溶けている。 gはつけない
固体の溶解度の解法タイプ
固体の溶解度の問題には,大きく「Ⅰ.溶解度曲線から読み解くタイプ」,「Ⅱ.無水物(水和水を含ま
ない)タイプ」,「Ⅲ.水和物タイプ」の3通りのタイプがある。ⅡとⅢにはさらに,それぞれには,
冷却や蒸発・濃縮などの操作を行わない「ⅰ.単純タイプ」と操作を行う「ⅱ.複雑タイプ」タイプの
2通りのタイプがある。どのタイプも基本的な解法の考え方,手順は同じとなる。
Ⅰ.溶解度曲線から読み解くタイプ
Ⅱ.無水物(水和水を含まない)タイプ
ⅰ.単純(操作を行わない)タイプ
ⅱ.複雑(操作を行う)タイプ
a.冷却タイプ
……冷却や蒸発・濃縮などの操作を行わない単純
なタイプ。
……冷却や蒸発・濃縮などの操作を行う複雑なタイプ。
b.蒸発・濃縮タイプ
Ⅲ.水和物タイプ
チャート④,⑤参照
ⅰ.単純(操作を行わない)タイプ
ⅱ.複雑(操作を行う)タイプ
a.冷却タイプ
チャート②,③参照
……冷却や蒸発・濃縮などの操作を行わない単純
なタイプ。
……冷却や蒸発・濃縮などの操作を行う複雑なタイプ。
b.蒸発・濃縮タイプ
すべて求めなくても解ける場合もあるが整理する上で大事
基本的な解法の手順
STEP1 条件から,溶質,溶媒,溶液の質量を1つ1つ求めてイメージ図(下図参照)を描く。
Point1:「溶液の質量」=「溶質の質量」+「溶媒の質量」となる。
イメージ図
Point2:溶質の求め方には,次のように2通りある。
① 質量パーセント濃度がわかっている場合
溶質の質量[g]=溶液の質量[g]×
質量パーセント濃度[%]
100
●℃
飽和溶液or
不飽和溶液
溶質=●●
●g
溶媒=水
●g
溶液 ●g
② 飽和溶液の場合
溶質の質量[g]=飽和溶液の質量[g]×
溶解度
100+溶解度
Point3:析出した固体(結晶)は,溶液の質量には含めない。
STEP2 求めるものの質量をx gとおく。
●℃
飽和溶液
析出 溶質=KNO3
●g
●g
溶媒=水
●g
蒸発
●g
溶液 ●g
溶液:溶媒も一定になるが計算が複雑になる!
STEP3 ある温度の飽和溶液(不飽和溶液ではダメ!)において,溶媒:溶質,溶液:溶質の質量比は
Point !
常に一定であることより
溶解度
溶質 溶解度 溶質
=
=
100 , 溶液
100+溶解度
溶媒
飽和溶液
から求める。
溶質 溶解度g
溶媒 100g
溶液 (100+溶解度)g
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固体の溶解に関する問題 完全攻略チャート②
Ⅰ.溶解度曲線から読み解くタイプ
溶解度曲線
溶解度と温度の関係を表したグラフを溶解度曲線という。ある温度の溶媒100gに溶ける溶質の
グラム数を表す。一般に,固体の溶解度は,溶媒の温度が高くなると大きくなる。(例外もある。)
溶解度曲線の見方
気体の溶解度は,温度が高くなると
水 に溶ける溶質の質量
80℃で水100gに化合物Xを40gを溶かした水溶液を考える。この水溶液 小さくなる!
はグラフ上で点A●にあたる。点Aは溶解度曲線の下側にあるので
100
不飽和溶液の状態にある。
80 曲線上の点で
次に,この水溶液の温度を下げていく場合,グラフで考えると
飽和溶液となる!
100g
点Aから左に進むことを意味し,点B●で飽和溶液になる。
60
さらに,冷却すると,結晶ができはじめ,20℃まで冷却したとき(点C●),
A
C
『点C−点D●[g]』に相当する結晶が析出することになる。
冷却
冷却
40
Point1:溶解度曲線上は,その溶液が飽和溶液であることを示す。
B
Point2:溶解度曲線より下にある場合は,その溶液が不飽和溶液である
20
ことを示す。
D
Point3:溶解量が曲線より,上にある場合は,そのオーバーした分が
0
20
40
60
80 100
結晶の析出量にあたる。
温度[℃]
Ⅱ.無水物(水和水を含まない)タイプ
化合物Xの溶解度曲線
この分の量が析出する!
ⅰ.単純(操作を行わない)タイプ
冷却や蒸発・濃縮などの操作を行わない単純なタイプ。
解法のポイント
解法の手順を具体的に下記の例題で解説する。
例 題
30%の硝酸カリウム水溶液が150gある。この水溶液を80℃で飽和させるには,さらに何gの
硝酸カリウムが必要か。硝酸カリウムの溶解度は,80℃で169である。有効数字3桁で示せ。
解 答
まず,30%の硝酸カリウム水溶液150g中の
30%の硝酸カリウム水溶液150g中の溶質である
溶質,溶媒,溶液の質量をそれぞれ求める。
硝酸カリウムの質量は
質量パーセント濃度[%]
溶質の質量[g]=溶液の質量[g]×
より
100
30
150 ×
= 45[g]
100
溶媒の質量は,「溶媒の質量」=「溶液の質量」−「溶質の質量」より
150 −45=105[g]
求めるものの質量をx gとおく。
加える硝酸カリウムの質量をx gとすると,
80℃での飽和溶液をつくるので
解答①
溶質=KNO3 加える溶質 溶媒 水
80℃
45g
xg
105 g
飽和溶液
溶液 (150 x )g
コレが一番計算が楽!
飽和溶液において,「溶質:溶媒=溶解度:100」
を用いる解法。
溶質
169
45+ x
=
=
105
100
溶媒
解答②
このように図を描くと
わかりやすい!
飽和溶液
溶質 溶解度
=
100
溶媒
これを解いて,
x=132.45…=132[g] ……(答え)
飽和溶液において,「溶質:溶液=溶解度:(100+溶解度)」を用いる解法。
溶質
169
45+ x
=
=
150+ x
100+169
溶液
飽和溶液
溶解度
溶質
=
100+溶解度
溶液
これを解いて,
x=132.4…=132[g] ……(答え)
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固体の溶解に関する問題 完全攻略チャート③
ⅱ.複雑(操作を行う)タイプ
主に,「A.冷却タイプ」,「B.蒸発,濃縮タイプ」の2通りのタイプある。さらに,操作前の溶液が
飽和溶液か不飽和溶液かの2通りのタイプがある。不飽和溶液の場合は,質量パーセント濃度が
与えられている場合が多い。
Point !
a.冷却タイプ
溶質の質量は, 溶液の質量[g]×
質量パーセント濃度[%]
100
より求める。
『高温の飽和or不飽和溶液を冷却させた場合,何gの結晶が析出するか?』というような問題で,
高温の溶液を冷却していくと,その分だけ溶解度は小さくなり,溶けきれなくなった溶質(結晶)が析
出してくる。
解法のポイント
結晶析出後の溶液は,必ずその温度における飽和溶液となることに着目して解く。
解法には,主に下記3つの方法があり,解法②が計算が楽になる場合が多い。
高温の溶液が飽和溶液の場合に限って,簡単な解き方(特殊解法)がある。特殊解法は下記例題を
用いて解説する。
解法①:操作の前後で,溶質の質量は変わらないことより,
溶質についての等式をつくり求める。
解法②:低温の飽和溶液において,
『溶質:溶媒=溶解度:100』を用いて解く。
解法③:低温の飽和溶液において,
『溶質:溶液=溶解度:(100+溶解度)』を用いて解く。
例 題
解 答
80℃の塩化カリウム(KCl)の飽和水溶液300gを20℃に冷却したとき,
析出するKClは何gか。KClは水100gに対し,80℃で50g,20℃で35gまで溶ける。
特殊解法「操作前(高温)の飽和溶液の質量」:「析出量」の比は一定となることより解く!
KClは80℃で水100gに対し,50g溶けることより,溶媒(水)100gに溶質(KCl)が50g溶けている場合
を考える。このときの溶液の質量は150gで,20℃に冷却した場合,水100gに35gまでしか溶けない
ので,析出する量は,50− 35=15g となる。左下図参照。
溶液が300gのときの析出量をx gとすると
15
x
析出量
=
=
∴ x=30 g
操作前の溶液 150 300
溶質:KCl
50g
溶媒:水
100g
溶液:150g
20℃
飽和溶液
析出
(50− 35)g
溶質:KCl
35g
溶媒:水
100g
Point !
溶液の量が2倍になれば
析出量も2倍になる!
80℃
飽和溶液
80℃
飽和溶液
溶質:KCl
溶媒:水
溶液:300g
20℃
飽和溶液
析出
xg
溶質:KCl
溶媒:水
b.蒸発・濃縮タイプ
『温度を変えずに,飽和溶液から水を●g蒸発させたら,何gの結晶が析出するか?また,●gの
結晶が析出したとき,何gの水が蒸発したか』というような問題で
イメージ図
飽和溶液から温度を下げないで水を蒸発させ,濃縮する場合は,
操作前
溶質
溶媒:水
蒸発した水に溶けていた溶質が析出してくる。
解法のポイント
溶液
冷却タイプ同様,結晶析出後の溶液が飽和溶液となることに着目して 操作後 析出 溶質 溶媒:水 蒸発
溶液
解く。蒸発した水の質量をx gとおき,蒸発後の飽和溶液について,
蒸発した分,溶媒の
溶質:溶媒=溶解度:100 または 溶質:溶液=溶解度:(100+溶解度) 析出したことより
飽和溶液になっている! 水の質量は減る!
を用いて解く。
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固体の溶解に関する問題 完全攻略チャート④
Ⅲ.水和物タイプ
水和物とは,硫酸銅(Ⅱ)五水和物CuSO4・5H2O,炭酸ナトリウム十水和物Na2CO3・10H2O,などのように
水分子を含む物質のことで,含まれる水を水和水(結晶水),水和水を含まない物質を無水物という。
水和物が水に溶けると,無水物が溶質になり,水和水が溶媒に加わる。
また,Na2CO3・10H2Oを1molとると,その中にNa2CO31molとH2O10molがある。
基本的な解法の手順とポイント
基本的な解法は,無水物の場合と同様となるが,水和物の場合は,水和物に含まれる無水物と水和水の
質量をそれぞれ求めて,溶質,溶媒,溶液の質量を考えることがポイントとなる!
無水物,水和水の質量は,下記のように無水物と水和水の式量から比例配分して求めればよい。
無水物の質量=水和物の質量×
無水物の式量
,水和水の質量=水和物の質量×
水和物の式量
例えば,CuSO4・5H2O(式量=160+5×18=250)x gに含まれる
160
90
g H2Oの質量は, x×
g となる。
CuSO4の質量は, x×
250
250
水和水の分子量
水和物の式量
Point1:無水物の溶解度で表させる。
Point2:水和物を水に溶解したとき,水和水の質量分だけ溶媒の質量が増加する。
Point3:冷却により水和物が析出するとき,その水和水の質量分だけ溶媒の質量が減少する。
Poin4:「析出前の溶液中の無水物の質量」
=「析出した水和物中の無水物の質量」+「析出後の溶液中の無水物の質量」となる。
基本的な解法の手順は無水物タイプと同様となる。
ⅰ.単純(操作を行わない)タイプ
質量パーセント濃度 a%の水溶液100g
に含まれる溶質の質量はa[g]
冷却,濃縮・蒸発などの操作を行わないタイプ。下記,例題を用いて解説する。
例 題
60℃の水に対する硫酸銅(Ⅱ)の溶解度は40であり,60℃で25%の硫酸銅(Ⅱ)水溶液が100gある。さらに
何gの硫酸銅(Ⅱ)五水和物が溶けると飽和水溶液となるか(式量・分子量は,CuSO4 =160,H2O=18)
方針:溶質,溶媒,溶媒の質量を1つ1つ求めて図を描いてイメージ!
Point !
次に,飽和溶液で「溶質:溶媒=溶解度:100」or
CuSO ・5H O CuSO
5H O
溶質:溶液=溶解度:(100+溶解度)」を用いる!
水和物 = 無水物 + 水和水
25%の硫酸銅(Ⅱ)水溶液100gに含まれる溶質である硫酸銅(Ⅱ)CuSO4
の質量は25g,溶媒の質量は75g,溶媒の質量は100gである。
溶質になる 溶媒になる
溶かす硫酸銅(Ⅱ)五水和物の質量をxgとすると
溶質=CuSO4 溶媒=水
60℃
x gに含まれるCuSO4(=無水物)の質量は,
25g
75g
不飽和水溶液
160
無水物の式量
溶液=100g
g
無水物の質量=水和物の質量×
x×
水和物の式量
250
Point !
溶かすCuSO4・5H2O = x g
溶媒(水和水)の質量は
90
160
90
水和水の分子量
g
g H2O= x×
g
x×
水和水の質量=水和物の質量×
CuSO4= x×
250
水和物の式量
60℃
250
250
飽和溶液
飽和溶液において,60℃の水に対する
解 答
硫酸銅(Ⅱ)の溶解度は40であるので,
160
x
飽和溶液
25+
40
溶質
250
溶質 溶解度
=
=
=
100
溶媒
90 x
100
溶媒
75+
250
これを解いて,x≒ 10[g]……(答え)
4
2
=
2
=
=
4
溶質=CuSO4 溶質=CuSO4 溶媒=H2O 溶媒=水
160
90 x g
25g
75g
xg
250
(
250
160
250
溶液= 100+ x +
)
90 x g
250
溶質:溶液=溶解度:(100+溶解度)」を用いてもよい!
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固体の溶解に関する問題 完全攻略チャート⑤
ⅱ.複雑(操作を行う)タイプ
a.冷却タイプ
問題の内容は基本的に無水物タイプと同じ。水和物タイプの場合,析出した結晶に水和水を含むので,
溶媒が減ることになる!
5H2O
=
Point !
基本的には無水物の解法と同じである。
=
解法のポイント
=
CuSO4・5H2O CuSO4
水和物 = 無水物 + 水和水
溶質になる 溶媒になる
CuSO4・5H2O(式量=160+5×18=250)x gが析出するときの
160
160
g, 溶媒の一部となるH2Oの質量は, x×
g となる。
溶質となるCuSO4の質量は, x×
250
250
60℃で硫酸銅(Ⅱ)飽和水溶液210gを20℃まで冷却した。このとき析出する硫酸銅(Ⅱ)五水和物の析出量を
有効数字二桁で求めよ。硫酸銅(Ⅱ)の無水物の溶解度は60℃で40,20℃で20,(式量は,CuSO4 =160,H2O=18)
例 題
解 答
溶質,溶媒,溶媒の質量を1つ1つ求めて図を描いてイメージ!
次に,飽和溶液で「溶質:溶媒=溶解度:100」or溶質:溶液=溶解度:(100+溶解度)」を用いる!
60℃で硫酸銅(Ⅱ)飽和水溶液が210gに含まれる溶質(CuSO4)の質量は
溶解度
より
溶質の質量[g]=飽和溶液の質量[g]×
100+溶解度
40
60℃
210×
= 60[g]
100+40
不飽和溶液
溶媒の質量は 210 −60=150g,溶液の質量は 210g,
20℃に冷却したときに析出するCuSO4・5H2Oの
質量をx gとすると,x gに含まれるCuSO4(=無水物)の質量は,
x×
160
g
250
無水物の質量=水和物の質量×
無水物の式量
水和物の式量
水和水の質量は
90
g
x×
250
溶質:CuSO4
60g
溶媒:水
150g
溶液:210g
析出: 溶質:CuSO4
20℃
160
CuSO4・5H2O
g
60−x×
飽和溶液
250
xg
溶媒:水
150−x×
90
g
250
溶液:(210− x )g
水和水の質量=水和物の質量×
水和水の式量
水和物の式量
析出した物質は
溶液には含まれない!
20℃における溶質CuSO4の質量は,
(
60−x×
90
160
gとなる。
g,溶液の質量は,(210− x )gとなる。溶媒の質量は, 150−x×
250
250
)
(
)
飽和溶液において,「溶質:溶液=溶解度:(100+溶解度)」を用いる解法。
飽和溶液
160
60−x×
これを解いて,
溶解度
溶質
20
溶質
250
=
=
=
100+溶解度
溶液
x=52.8…=53[g] ……(答え)
210− x
100+20
溶液
解答①
解答②
溶質
=
溶媒
飽和溶液において,「溶質:溶媒=溶解度:100」を用いる解法。
160
20
250
=
100
90
g
150−x×
250
60−x×
飽和溶液
溶質 溶解度
=
100
溶媒
これを解いて,
x=52.8…=53[g] ……(答え)
b.蒸発・濃縮タイプ
問題の内容,解法の手順は基本的に無水物タイプと同じ。水和物タイプの場合,析出した結晶に
水和水を含むので,溶媒が減ることになる!
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東京理科大学 2012年 無水物(複雑 冷却)タイプ 溶解度に関する以下の問題文を読み, ア に該当する最も適当な数値を解答群から選びなさい。
KClの溶解度(100gの水に溶ける固体のグラム数)は10℃で30,80℃で51である。
またKNO3の溶解度は10℃で20,80℃で170である。これらの溶解度は,KClとKNO3が共存する
場合でも変わらないものとする。
80℃の水200gにKCl90gとKNO3110gを溶かし,この水溶液を10℃に冷却した。このとき
析出する塩の混合物においてKNO3の純度は質量の割合で ア %である。
アの解答群 0. 30 1. 40 2. 45 3. 50 4. 55 5. 60
6. 65 7. 70 8. 75 9. 80 10. 90
解答
本問は,飽和溶液において,「溶質:溶媒=溶解度:100」を用いて解く。
80℃のKClの溶液において,
溶質の質量は90g,溶媒の質量は200g
10℃において,析出するKClをx gとすると,
溶質の質量は,(90 − x )g,
溶媒の質量は,変化せず200g,
析出したことより,10℃において,飽和溶液
となっており,KClの10℃での溶解度は30より
90 − x
溶質
=
200
溶媒
30
=
100
飽和溶液
溶質 溶解度
=
100
溶媒
KCl
80℃ 溶解度:51
KNO3
80℃ 溶解度:170
10℃ 溶解度:30
10℃ 溶解度:20
このように表を
書くとわかりやすい
80℃
不飽和溶液
80℃のKNO3の溶液において,
溶質の質量は110g,溶媒の質量は200g
10℃において,析出するKNO3をy gとすると,
溶質の質量は,(110 − y )g,
溶媒の質量は,変化せず200g,
析出したことより,10℃において,飽和溶液
となっており,KNO3の10℃での溶解度は20より
飽和溶液
溶質 溶解度
=
100
溶媒
これを解いて,y= 70[g]
70
×100 =70[%]
30+70
KCl:30g
10℃
析出 溶質=KCl
飽和溶液 x g (90 − x )g
溶媒=水
200g
溶液=(290− x )g
析出した物質は
溶液には含まれない!
80℃
不飽和溶液
溶質=KNO3
110g
本問ではコレは
求める必要はない!
溶媒=水
200g
溶液=200g
10℃
析出 溶質=KNO3
飽和溶液 y g (110 − y )g
よって,KNO3の純度は,
よって,正解は,7
溶媒=水
200g
溶液=200g
これを解いて,x= 30[g]
110 − y
20
溶質
=
=
200
100
溶媒
溶質=KCl
90g
溶媒=水
200g
溶液=(310− y )g
KNO3:70g
析出した物質は
溶液には含まれない!
本問ではコレは
求める必要はない!
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弘前大学 2012年
無水物(複雑 冷却)タイプ 以下の文章を読み,各問いに答えよ。
結晶は,結晶格子を作る原子間の結合に注目すると,いくつか
の種類に分類できる。それらは,金属,分子結晶,共有結合
の結晶,そしてイオン結晶などである。
この中でイオン結晶は,電荷をもった原子または原子団に
よる陽イオンと〔 ア 〕とからできている。陽イオンの
例として,ナトリウムイオン,カルシウムイオンや,
アンモニウムイオンがある。
アンモニウムイオンは,アンモニアを水に溶かすと
窒素上の〔 イ 〕を水素イオンに与えて〔 ウ 〕結合を
形成することにより生成する。この結合は結果として,
アンモニア分子中にあった窒素−水素間の〔 エ 〕結合と区別できない。
イオン結晶は固体のままでは電気伝導性がないが,〔 オ 〕したり〔 カ 〕したりすると
電気伝導性を示す。図1は,各種のイオン結晶の水に対する溶解度を質量パーセントで表わしたもの
である。
問1 〔 〕内のアからカにあてはまる適切な語を入れよ。
問2 図1および表1において,80℃の塩化アンモニウムの飽和水溶液100gを20℃に冷却したときに
析出する塩化アンモニウムの質量を記せ。計算の過程を示し,答えは有効数字3桁で求めよ。
解答
問1 ア.陰イオン イ.非共有電子対 ウ.配位 エ.共有 オ.融解 カ.溶解
問2 本問は,『高温時飽和溶液かつ無水物』より特殊解法で解ける!
塩化アンモニウムNH4Clの溶解度は,表1より,80℃で水100gに対し,39.6g溶けることより,
溶媒(水)100gに塩化アンモニウムが39.6g溶けている場合を考える。
このときの溶液の質量は(100+39.6)=139.6gで,20℃に冷却した場合,表1より,
水100gに27.0gまでしか溶けないので,析出する量は,39.6− 27.0=12.6g となる。(左下図参照。)
溶液(塩化アンモニウムの飽和水溶液)が100gのときの析出量をxgとすると(右下図参照。)
12.6
x
析出量
=
=
操作前の溶液 139.6 100
80℃
飽和溶液
20℃
飽和溶液
溶質=NH4Cl
39.6g
溶媒=水
100g
溶液=139.6g
析出
(39.6− 27.0)g
溶質=NH4Cl
27.0g
溶媒=水
100g
Point !
∴ x=9.0257≒9.03 [g] ……(答え)
80℃
飽和溶液
20℃
飽和溶液
溶質=NH4Cl
慣れれば一気に!
x
39.6−27.0
=
100+39.6
100
溶媒=水
溶液=100g
析出
xg
溶質=NH4Cl
溶媒=水
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日本大学 2011年 無水物(複雑 冷却)タイプ 改
Aに入る値を①∼⑤の中から選べ。
70℃で質量パーセント濃度50%の硝酸カリウム水溶液100gを作った。
この水溶液を30℃に冷却したときに析出する硝酸カリウムの結晶は A gになる。ただし,
70℃,30℃における硝酸カリウムの溶解度をそれぞれ144および44とする。
① 0 ② 6 ③ 28 ④ 41 ⑤ 45
70℃ 溶解度:144
解答
70℃で質量パーセント濃度50%の硝酸カリウム水溶液
KNO3aq100gに含まれる溶質の質量は50[g]
溶媒の質量は50[g],溶液の質量は100[g]である。
30℃に冷却したときに析出するKNO3をx gと
このように表を
書くとわかりやすい
30℃ 溶解度:44
質量パーセント濃度 a%の水溶液100g
に含まれる溶質の質量はa[g]
70℃では水100gに144gまで溶ける
ので,不飽和溶液となっている!
すると,溶質の質量は,(50 − x )g,溶媒の質量は,
変化せず50g,溶液の質量は,(100 − x )gとなる。
析出したことより,30℃において,飽和溶液と
70℃
不飽和溶液
溶質=KNO3
50g
溶媒=水
50g
溶液=100g
なっているので
解答①
溶質の質量」から等式を作る解法
溶質の質量[g]=飽和溶液の質量[g]×
溶解度
100+溶解度
44
(100 − x )×
= 50 − x
100+44
30℃
析出 溶質=KNO3
(50 − x )g
飽和溶液 x g
溶媒=水
50g
溶液=(100 − x )g
析出した物質は
溶液には含まれない!
これを解いて,x= 28[g]
解答②
飽和溶液において,「溶質:溶媒=溶解度:100」を用いる解法。
50 − x
44
溶質
=
=
50
100
溶媒
コレが一番計算が楽!
飽和溶液
溶質 溶解度
=
100
溶媒
これを解いて,x= 28[g]
解答③
飽和溶液において,「溶質:溶液=溶解度:100+溶解度」を用いる解法。
飽和溶液
50 − x
44
溶質
=
=
100+44
溶液 100 − x
溶解度
溶質
=
100+溶解度
溶液
これを解いて,x= 28[g]
よって,正解は③。
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センター試験 2004年・本試験 無水物(複雑 蒸発)タイプ 図2は,硝酸カリウムの溶解度(水100gに溶ける溶質の最大質量[g]の数値)
と温度の関係を示す。55gの硝酸カリウムを含む60℃の飽和水溶液を
つくった。
この水溶液の温度を上げて,水の一部を蒸発させたのち,20℃まで冷却
したところ,硝酸カリウム41gが析出した。
蒸発した水の質量[g]はいくらか。最も適当な数値を,以下の①∼⑤
のうちから一つ選べ。
① 3 ② 6 ③ 9 ④ 12 ⑤ 14
解答①
飽和溶液において,「溶質:溶媒=溶解度:100」を用いる解法。
60℃における溶解度は,溶解度曲線より110であり,
55gの硝酸カリウムを含む60℃の飽和水溶液において,溶媒の質量
をx gとすると,
飽和溶液
55
110
溶質
より
=
=
x
100
溶媒
溶質 溶解度
=
100
溶媒
これを解いて, x= 50[g]
解答②
32
飽和溶液において,「溶質:溶液=溶解度:100+溶解度」
を用いる解法。
飽和溶液
55
100
溶質
=
=
55+ x
100+110
溶液
溶解度
溶質
=
100+溶解度
溶液
60℃
飽和溶液
溶質=KNO3
55g
溶媒=水
50g
溶液=105g
これを解いて, x= 50[g]
次に,20℃まで冷却したところ,硝酸カリウム41gが
析出したことより,20℃で飽和溶液となっており,
溶質の質量は,55 − 41=14[g],蒸発した水の質量
20℃
飽和溶液
析出 溶質=KNO3
41g
14g
をygとすると,溶媒の質量は( 50 −y )g,
溶液の質量は,( 50 −y ) + 14=(64− y)[g]となる。
20℃における溶解度は,溶解度曲線より32であるので,
解答①
( 50−y )g
蒸発
yg
溶液:(64− y )g
析出した物質は
溶液には含まれない!
飽和溶液において,「溶質:溶媒=溶解度:100」を用いる解法。
14
32
溶質
=
=
50 − y
100
溶媒
溶媒=水
蒸発した分,溶媒の
水の質量は減る!
コレが一番計算が楽!
飽和溶液
溶質 溶解度
=
100
溶媒
これを解いて, y= 6.25[g]
解答②
飽和溶液において,「溶質:溶液=溶解度:(100+溶解度)」を用いる解法。
飽和溶液
14
32
溶質
=
=
64− y
100+32
溶液
溶解度
溶質
=
100+溶解度
溶液
これを解いて, y= 6.25[g] よって,正解は②。
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センター試験 2002年・本試験 無水物(複雑 冷却)タイプ 80℃で,100gの硝酸カリウムKNO3を水100gに溶かした。この溶液を27℃まで冷却したところ,
硝酸カリウムが析出した。次の問いに答えよ。ただし,硝酸カリウムは,
水100gに対して27℃で40g,80℃で169gまで溶ける。
析出した硝酸カリウムの質量として最も適当な数値を,次の①∼⑤のうちから一つ選べ。
① 100 ② 80 ③ 60 ④ 40 ⑤ 20
50℃ 溶解度:80
解答
30℃ 溶解度:40
80℃の溶液において,
「溶液の質量」=「溶質の質量」+「溶媒の質量」より,
溶液の質量は,100 + 100=200[g]
27℃において,
析出するKNO3をx gとすると,溶質の質量は,
このように表を
書くとわかりやすい
80℃では水100gに169gまで溶ける
ので,不飽和溶液となっている!
80℃
不飽和溶液
溶質=KNO3
100g
溶媒=水
100g
溶液=200g
(100 − x )g,溶媒の質量は,変化せず100g,
溶液の質量は,(100 − x ) + 100=(200− x)[g]
となる。析出したことより,27℃において,飽和溶液と 27℃
析出 溶質=KNO3
なっており,硝酸カリウムの27℃での溶解度は40より 飽和溶液 x g (100 − x )g
解答① 「溶質の質量」から等式を作る解法
溶質の質量[g]=飽和溶液の質量[g]×
(200− x)×
溶解度
より
100+溶解度
溶媒=水
100g
溶液=(200− x )g
析出した物質は
溶液には含まれない!
40
= 100 − x
100+40
これを解いて,x= 60[g]
解答② 飽和溶液において,「溶質:溶媒=溶解度:100」を用いる解法。
100 − x
40
溶質
=
=
100
100
溶媒
コレが一番計算が楽!
飽和溶液
溶質 溶解度
=
100
溶媒
これを解いて,x= 60[g]
解答③ 飽和溶液において,「溶質:溶液=溶解度:(100+溶解度)」を用いる解法。
100 − x
40
溶質
=
=
200− x
100+40
溶液
飽和溶液
溶解度
溶質
=
100+溶解度
溶液
これを解いて,x= 60[g]
よって,正解は③。
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センター試験 2000年・本試験 無水物(複雑 蒸発)タイプ 20℃において46gの塩化ナトリウムが溶けている水溶液1000gがある。この水溶液を加熱して
濃縮した後,再び20℃に保ったところ,10gの塩化ナトリウムが析出した。このとき蒸発した
水の質量として最も適当な数値を,次の①∼⑤のうちから一つ選べ。ただし,20℃では純水
100gに塩化ナトリウムが36gまで溶けるものとする。 ① 854 ② 864 ③ 900 ④ 954 ⑤ 964
解答
20℃では水1000gに360gまで溶ける
ので,不飽和溶液となっている!
20℃において,溶質である塩化ナトリウム
の質量は46g,
20℃ 不飽和溶液
溶質=NaCl
46g
溶媒=水
954g
溶液=1000g
溶液の質量は1000g,溶媒の質量は,
「溶媒の質量」=「溶液の質量」−「溶質の質量」より,
1000 − 46=954gである。
再び20℃に保ったときに,10gの塩化ナト
20℃ 飽和溶液
リウムが析出したことより,この溶液は
飽和溶液となっており,溶質の質量は,
析出 溶質=NaCl
10g
36g
溶媒=水
( 954−x )g
蒸発
xg
溶液=(990− x )g
析出した物質は
溶液には含まれない!
蒸発した分,溶媒の
水の質量は減る!
46 − 10=36g,蒸発した水の質量をx gとすると,
溶媒の質量は,( 954 −x )g,
溶液の質量は,( 954 −x ) + 36=(990− x)[g]となる。
20℃における溶解度は36であるので,
解答①
飽和溶液において,「溶質:溶媒=溶解度:100」を用いる解法。
36
36
溶質
=
=
954 − x
100
溶媒
コレが一番計算が楽!
飽和溶液
溶質 溶解度
=
100
溶媒
これを解いて,x= 854[g]
解答②
飽和溶液において,「溶質:溶液=溶解度:100+溶解度」を用いる解法。
36
36
溶質
=
=
990− x
100+36
溶液
飽和溶液
溶解度
溶質
=
100+溶解度
溶液
これを解いて,x= 854[g]
よって,正解は②。
http://fastliver.com/ Manabu Sato(C) 2012
センター試験 1998年・本試験 溶解度曲線から読み解くタイプ
図1は,硝酸カリウムの溶解度(水100gに溶ける質量[g])と温度の
関係を示す。さまざまな温度で水100gに硝酸カリウム40gを加え,
十分にかきまぜたのち,それぞれの温度に保ったままろ過して
水溶液をつくった。これらの溶液に関する次の記述①∼④のうち
から,誤りを含むものを一つ選べ。
① 30℃でつくった溶液は,硝酸カリウムの質量パーセント
濃度が約29%である。
② 30℃でつくった溶液の沸点は,20℃でつくった溶液
の沸点と等しい。
③ 40℃でつくった溶液に,同じ温度で硝酸カリウムを
18g加えると,すべて溶ける。
④ 40℃でつくった溶液を10℃に冷やすと,約18gの結晶が
析出する。
解答
①
61
図1より,30℃での溶解度は,約44なので,40gの硝酸カリウムは
すべて溶けている。溶質の質量は40g,溶媒の質量は100g,
「溶液の質量」=「溶質の質量」+「溶媒の質量」より,
溶液の質量は140gなので
質量パーセント濃度[%]=
溶質の質量[g]
溶液の質量[g]
×100 より
44
32
22
40
×100 =28.5 ≒29[%] よって,正しい。
100+40
②
図1より,20℃での溶解度は約32,30℃では約44なので,
20℃の溶液には32g,,30℃の溶液には40gの硝酸カリウムが溶けている。
沸点上昇度は,一定質量に溶けている溶質の粒子数に比例するので,30℃の溶液の方が
沸点が高くなる。よって,誤り。
③
図1より,40℃での溶解度は約61である。よって,18gを加えた
ときの溶質の質量は40 + 18=58[g]と61を越えていないので,
すべて溶ける。よって,正しい。
④
A
40℃でつくった溶液には,上述より40gすべてが溶けている。
(点Aの状態)10℃に冷却したときに,曲線と交わる交わる点B
で析出する。析出する量は,点A−点Bとなるので
22
B
40 − 22=18[g]となる。
よって,正しい。
よって,正解は②となる。
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センター試験 1997年・本試験
溶解度曲線から読み解くタイプ
図3は,水に対する硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの溶解度曲線であり,縦軸(溶解度)は
水100gに溶ける無水物の最大量[g]を示している。硝酸ナトリウム90gと硝酸カリウム50gの
混合物を,60℃で100gの水に溶かした。この溶液に関する以下
の記述①∼⑤のうちから,誤りを含むものを一つ選べ。
ただし,溶解度は他の塩が共存しても変わらないものとする。
① 硝酸カリウムが析出し始めるのは,およそ32℃まで
冷却したときである。
② 22℃まで冷却すると,硝酸ナトリウムと硝酸カリウム
の混合物が析出する。
③ 20℃から0℃に冷却したときに析出する量は,
硝酸カリウムの方が硝酸ナトリウムより多い。
④ 10℃まで冷却したとき,溶液中に含まれる溶質の
質量パーセント濃度は硝酸カリウムの方が高い。
⑤ 60℃から0℃の間で,硝酸ナトリウムのみを析出させる
ことはできない。
解答
溶質:KNO3 50g
溶媒:水100g
溶液:150g
① 60℃で100gの水に硝酸カリウム50gが溶けている溶液(点A)を
冷却して行く(矢印を左に動かす)と,溶解度曲線との交点(点B)
B
50
冷却
A
の温度約32℃で結晶が析出しはじめる。
よって,正しい。
32℃
② 100gの水に50gの硝酸カリウムを加えた溶液を22℃まで冷却した
点(点C),100gの水に90gの硝酸ナトリウムを加えた溶液を22℃
まで冷却した点(点D)は,いずれも溶解度曲線より上になる。
溶解度曲線より,上の領域は,結晶と飽和溶液が共存する領域
90
D
である。よって,硝酸ナトリウムと硝酸カリウム
の混合物が析出する。よって,正しい。
50
C
③ 20℃において,2つとも飽和溶液
の状態にあるので,0℃に冷却
したときに析出する量は,
87
74
グラフより,点E−点F,点G−点H
硝酸ナトリウム:87 − 74=13[g]
硝酸カリウム:32 − 14=18[g]
が析出量となる。
E
F
32
14
22℃
G
H
よって,硝酸カリウムの方が多い。
よって,正しい。
http://fastliver.com/ Manabu Sato(C) 2013
センター試験 1997年・本試験 溶解度曲線から読み解くタイプ
解答
④
10℃まで冷却したとき,図3の溶解度曲線より,
溶液中には,硝酸ナトリウム(点A)が80[g]
硝酸カリウム(点B)が22[g]が溶解している。
質量パーセント濃度[%]=
溶質の質量[g]
溶液の質量[g]
A
×100
で求められるが,この溶液は硝酸ナトリウムと
22
B
硝酸カリウムの混合溶液であることから
溶液の質量は,硝酸ナトリウムと硝酸カリウム
について共通なので多く溶解している
硝酸ナトリウムの方が質量パーセント濃度が高い。
よって,誤り。
⑤
具体的に計算する必要はない!
60℃で,100gの水に硝酸ナトリウム90gが溶けている点(点C) ,
E
60℃で,100gの水に硝酸カリウム50gが溶けている点(点D)
冷却
C
から冷却(点を左に動かしていく)していくと,曲線と
交わる点で溶質が溶けきれなくなって析出してくる。
50
F
冷却
D
つまり,硝酸ナトリウムは,点E(温度は23℃)で,
硝酸カリウムは,点F(温度は32℃)で,析出するので,
60℃から0℃の間で,硝酸ナトリウムのみを
23℃ 32℃
析出させることはできない。
60℃から32℃・・・どちらも析出しない。
32℃から23℃・・・硝酸カリウムのみ析出する。
以上より,正解は④。
23℃から0℃・・・硝酸ナトリウムと硝酸カリウムのどちらも析出する。
http://fastliver.com/ Manabu Sato(C) 2013
センター試験 1996年・追試験 無水物(複雑 冷却)タイプ 50℃で,水100gに塩化カリウム(KCl)を40.0g溶かした。この水溶液100gを20℃に冷却したとき,
析出するKClは何gか。最も適当な数値を,次の①∼⑤のうちから一つ選べ。ただし,
KClは水100gに対し,50℃で42.9g, 20℃で34.2gまで溶ける。
① 2.9 ② 4.1 ③ 5.8 ④ 7.2 ⑤ 8.7
解答
50℃ 溶解度:42.9
50℃の溶液において,
このように表を
書くとわかりやすい
20℃ 溶解度:34.2
「溶液の質量」=「溶質の質量」+「溶媒の質量」より,
溶液の質量は,40.0 + 100=140[g]
50℃では水100gに42.9gまで溶ける
ので,不飽和溶液となっている!
20℃において,
析出するKClをx gとすると,溶質の質量は,
(40.0 − x )g,溶媒の質量は,変化せず100g,
50℃
不飽和溶液
溶質=KNO3
40.0g
溶媒=水
100g
溶液=140g
溶液の質量は,(40.0 − x ) + 100=(140− x)[g]となる。
析出したことより,27℃において,飽和溶液となって
おり,硝酸カリウムの20℃での溶解度は34.2より
20℃
析出 溶質=KNO3
飽和溶液 x g (40.0 − x )g
解答① 「溶質の質量」から等式を作る解法
溶質の質量[g]=飽和溶液の質量[g]×
(140− x)×
溶解度
より
100+溶解度
溶媒=水
100g
溶液=(140− x )g
析出した物質は
溶液には含まれない!
34.2
= 40.0 − x
100+34.2
これを解いて,x= 5.8[g]
解答② 飽和溶液において,「溶質:溶媒=(溶解度:100)」を用いる解法。
40.0 − x
34.2
溶質
=
=
100
100
溶媒
コレが一番計算が楽!
飽和溶液
溶質 溶解度
=
100
溶媒
これを解いて,x= 5.8[g]
解答③ 飽和溶液において,「溶質:溶液=溶解度:(溶解度:100)」を用いる解法。
飽和溶液
40.0 − x
34.2
溶質
=
=
140− x
100+34.2
溶液
溶解度
溶質
=
100+溶解度
溶液
これを解いて,x= 5.8[g]
よって,正解は③。
http://fastliver.com/ Manabu Sato(C) 2013
センター試験 1995年・本試験 溶解度曲線から読み解くタイプ
KNO3とKClの混合物を分折した結果,KClの含量(質量%)は80%であった。この混合物50gを
水100gに溶解するには,溶液を何℃以上にする必要があるか。
図1に示すKNO3とKClの溶解度曲線を参考にして,
最も適当な数値を,次の①∼⑤のうちから一つ選べ。
ただし,溶解度は他の塩の共存によって影響を受けない
ものとする。
① 10 ② 20 ③ 30 ④ 40 ⑤ 50
解答
混合物50g中のKClの含量(質量%)は80%であることから
KClの質量は
50×
80
= 40[g]
100
よって,KNO3の質量は
50 − 40=10[g]
右図,溶解度曲線から水100gに40gのKClが溶ける温度
は約40℃,水100gに10gのKNO3を溶かすには,
0℃以上であればよい。
よって,40℃以上にすれば,この混合物は,すべて
100gの水に溶ける。
よって,正解は④。
例えば,20℃では,KNO3の溶解度は,約33なので,KNO310gはすべてが
溶けるが,KClの溶解度は,約35なので,KCl 40gのうち5gは溶けない!
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学習院大学 2011年 水和物(複雑 冷却)タイプ 次の問に答えなさい。なお,20℃の水に対する硫酸銅(Ⅱ)の溶解度は20であり,
原子量はCu:64,S:32,O:16,H:1.0とする。数値で答える解答は有効数字2桁でよい。
計算の過程も示しなさい。
(a) 硫酸銅(Ⅱ)五水和物125gを純水に溶かし,20℃で1.0Lの溶液をつくった。この硫酸銅(Ⅱ)
水溶液のモル濃度を求めなさい。
(b) (a)の水溶液を加熱して40℃に保ち,さらに250gの硫酸銅(Ⅱ)五水和物を溶かした。
この溶液の密度は1.1g/cm3であり,容積は1.1Lであった。この硫酸銅(Ⅱ)溶液の濃度を
質量パーセント濃度で表しなさい。
(c) (b)で作成した溶液を20℃に冷却すると,何gの硫酸銅(Ⅱ)五水和物結晶が析出するか。
解答
問題はすでに1.0Lの溶液となっている!
(a) 硫酸銅(Ⅱ)水溶液のモル濃度は,1.0Lの溶液中の硫酸銅(Ⅱ)CuSO4(=無水物)の物質量
125[g]×
無水物の式量
水和物の式量
H 2O
水和物 = 無水物 + 水和水
に含まれるCuSO4(式量=160)(=無水物)の質量は
無水物の質量=水和物の質量×
=
=
CuSO4・5H2O CuSO4
硫酸銅(Ⅱ)五水和物 CuSO4・5H2O(式量=250)125g
=
を求めれば,その値がモル濃度となる。
溶質になる 溶媒になる
より
160
=80[g] ……①
250
よって,CuSO4の物質量は
80[g]
=0.50[mol]
160[g/mol]
質量[g]
物質量[mol]=
モル質量[g/mol]
∴ 硫酸銅(Ⅱ)水溶液のモル濃度は,0.50[mol/L] ……(答え)
(b) 加えた硫酸銅(Ⅱ)五水和物 CuSO4・5H2O250gに含まれるCuSO4の質量は
250[g]×
160
=160[g]
250
無水物の質量=水和物の質量×
無水物の式量
水和物の式量
加える前のCuSO4の質量は,①より80[g]なので,溶質であるCuSO4の全質量は
80[g]+160[g]=240[g] ……②
溶液の質量は,密度は1.1g/cm3であり,容積は1.1L=1100cm3であることから
1100[cm3]×1.1[g/cm3]=1210[g] ……③
質量パーセント濃度[%]=
240[g]
1210[g]
溶質の質量[g]
溶液の質量[g]
質量[g]=体積[cm3]×密度[g/cm3]
×100 より
×100=19.8…≒20[%] ……(答え)
有効数字二桁で表した
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学習院大学 2011年 水和物(複雑 冷却)タイプ 水和物の溶解度は,無水物の溶解度で表させる!
CuSO4・5H2O CuSO4
=
(b)で作成した溶液の溶質の質量は②より,240g,
5H2O
=
(c)
本問は,本問は,飽和溶液において,「溶質:溶液=溶解度:(100+溶解度)」を用いて解く。
=
解答
水和物 = 無水物 + 水和水
溶液の質量は③より,1210gである。
溶質になる 溶媒になる
20℃に冷却したときに析出するCuSO4・5H2Oの
質量をx gとすると,x gに含まれるCuSO4(=無水物) 40℃
不飽和溶液
160
g となるので,
の質量は, x×
250
無水物の質量=水和物の質量×
無水物の式量
水和物の式量
溶質=CuSO4
240g
溶液=1210g
析出 溶質=CuSO4
20℃
160
CuSO4・5H2O
g
240−x×
飽和溶液
250
xg
析出した物質は
溶液には含まれない!
( 240−x× 250 ) g,溶液の質量は,(1210− x )gとなるので
160
溶質
=
溶液
160
20
250
=
1210− x
100+20
溶媒=水
970−x×
90
g
250
溶液=(1210− x )g
20℃における溶質であるCuSO4の質量は,
240−x×
溶媒=水
970g
本問ではコレは
求める必要はない!
飽和溶液
溶解度
溶質
=
100+溶解度
溶液
これを解いて,
x=80.9…=81[g] ……(答え)
有効数字二桁で表した
http://fastliver.com/ Manabu Sato(C) 2012
関西大学 2012年
無水物(複雑 冷却)タイプ 改
次の文の①∼④に入れる整数値を,必要なら四捨五入して求め解答欄に記入しなさい。
なお,原子量はH=1,O=16とする。
一般に,固体の溶解度は,ある温度で溶媒100gに溶かすことの
できる最大限の溶質の質量[g]で表される。ただし,結晶水を
含む化合物が水に溶ける場合には,結晶水を含まない溶質の
質量[g]で表される。図1に化合物A,Bの無水塩の水への
溶解度曲線を示す。なお,水溶液から析出するときには
Aは無水塩として析出し,Bは五水和物(B・5H2O)として
析出する。また,Bの式量は180である。
30℃のAの飽和水溶液が240gある。この飽和水溶液の質量
パーセント濃度は ① %である。この飽和水溶液を20℃まで
冷却すると, ② gのAが析出する。Bの五水和物180gを
溶かした50℃の水溶液が320gある。この水溶液のBの質量パーセント
濃度は ③ %である。この水溶液を30℃まで冷却すると,
Bの五水和物が ④ g析出する。
解答
①は 30℃のAの溶解度は,溶解度曲線(●参照)より60となるので,Aの
飽和水溶液の溶質:溶液の質量比は
60:100+60=(60:160)となる。
実際の質量を求めなくても
比がわかればよい!
よって
質量パーセント濃度[%]=
60[g]
160[g]
溶質の質量[g]
溶液の質量[g]
×100 より
60
×100=38[%]……(答え)
②は 本問は,『高温時飽和溶液かつ無水物』より特殊解法で解ける!
Aは,溶解度曲線(●参照)より,30℃で水100gに対し60g溶ける
ことより,溶媒(水)100gに溶質Aが60g溶けている場合を考える。
このときの溶液の質量は(100+60)=160gで,この溶液を20℃に冷却した場合,溶解度曲線
(●参照)より,水100gに50gまでしか溶けないので,析出する量は,60− 50=10g となる。
(左下図参照。)ここで,溶液(求める溶液)が240gのときの析出量をxgとすると(右下図参照。)
慣れれば一気に!
10
x
析出量
=
=
操作前(高温)の溶液 160 240
30℃
飽和溶液
20℃
飽和溶液
溶質=A
60g
溶媒=水
100g
溶液=160g
析出
(60− 50)g
溶質=A
50g
溶媒=水
100g
Point !
∴ x=15 [g] ……(答え)
30℃
飽和溶液
20℃
飽和溶液
溶質=A
x
60−50
=
100+60
240
溶媒=水
溶液=240g
析出
xg
溶質=A
溶媒=水
http://fastliver.com/ Manabu Sato(C) 2012
関西大学 2012年 無水物(複雑 冷却) 改
解答
③は
50℃ 溶解度:80
このように表を
書くとわかりやすい
30℃ 溶解度:40
Bの五水和物180gに含まれる溶質(無水物)Bの質量は,Bの式量=180,
五水和水の式量=18×5=90,水和物B・H2Oの式量=180+90=270
無水物の質量=水和物の質量×
無水物の式量
80
より
水和物の式量
180
180[g]×
=120[g]
270
40
溶液の質量は320gなので
×100=38[%] ……(答え)
×100 より
溶解度曲線より50℃で
100 gに80 g(200 gに160 g)
まで溶けるので不飽和溶液
となっている。
CuSO4・5H2O CuSO4
水和物 = 無水物 + 水和水
④は 本問は,飽和溶液において,
「溶質:溶液=溶解度:(100+溶解度)」
を用いて解く。
50℃の水溶液において,上記より溶質Bの質量は
120g,溶媒は320−120=200gである。
50℃
不飽和溶液
5H2O
=
320[g]
溶液の質量[g]
=
120[g]
溶質の質量[g]
=
質量パーセント濃度[%]=
溶質になる 溶媒になる
溶質=B
120g
溶媒=水
200g
溶液=320g
30℃に冷却したときに析出するB・5H2Oの質量
をx gとすると,x gに含まれる
析出
溶質=B
30℃
B・5H2O 120−x× 180 g
飽和溶液 x g
270
溶質(無水物)Bの質量は,
x×
180
g となるので,
270
無水物の質量=水和物の質量×
溶媒=水
200−x×
90
g
270
溶液=(320− x )g
析出した物質は
溶液には含まれない!
無水物の式量
水和物の式量
30℃における溶質であるBの質量は, 120−x×
本問ではコレは
求める必要はない!
180
g
270
50℃の溶質Bの質量
溶液の質量は,(320− x )g,30℃でのBの溶解度は溶解度曲線より40となるので
溶質
=
溶液
180
40
270
=
320− x
100+40
120−x×
飽和溶液
溶解度
溶質
=
100+溶解度
溶液
これを解いて,
x=75[g] ……(答え)
http://fastliver.com/ Manabu Sato(C) 2013
大阪市立大学 2010年 水和物(複雑 冷却)タイプ 改 問1 次の文章を読み,(1),(2)の問いに答えよ。
溶解度とは,一定温度で一定量の溶媒に溶ける溶質の限度量のことである。固体の溶解度は,
溶媒100gに溶ける溶質のg単位の質量の数値で表す。溶質を溶解度まで溶かした溶液を ア 溶液という。
(1) ア に当てはまる最も適切な語句を記せ。
(2) 水100gに対する硫酸銅(Ⅱ)CuSO4の溶解度曲線を図1に示す。溶媒が水である場合,水和物
の溶解度は,無水物を溶質として考える。次の文を読み,(ⅰ)∼(ⅲ)の問いに答えよ。
(A)硫酸銅(Ⅱ)無水物CuSO4(式量160)の粉末25gを60℃の水80gに溶解した。(B)このCuSO4
水溶液を冷やしていくと,(C)ある温度で(D)硫酸銅(Ⅱ)五水和物CuSO4・5H2O(式量250)の
結晶が析出し始めた。
(ⅰ) 下線部(A)の粉末,(B)の溶液,および(D)の結晶の色として適当なものを次の選択肢から
それぞれ1つずつ選べ。同じものを何度用いてもよい。
選択肢 白色
赤色 黄色
青色
黒色
(ⅱ) 図1に示す溶解度曲線をもとに,下線部(C)の温度は,次の
温度範囲(a)∼(d)のいずれにあるかを記号で記せ。
選択肢 (a)20℃以上30℃未満 (b)30℃以上40℃未満
(c)40℃以上50℃未満
(d)50℃以上60℃未満
(ⅲ) 下線部(B)のCuSO4水溶液を20℃に冷却すると,
CuSO4・5H2Oは何g析出するか,小数点以下を
四捨五入して答えよ。計算式も記せ。図1から読みとれる
20℃のCuSO4の溶解度は20である。
解答
Point !
(1) ア:飽和
(2) (ⅰ) (A) 白色
(B) 青色
(D) 青色
(ⅱ)
CuSO4:白色
CuSO4水溶液(Cu2+):青色
CuSO4・5H2O:青色
硫酸銅(Ⅱ)無水物CuSO425gを60℃の水80gに溶解した水溶液を
水100gに換算したときの硫酸銅(Ⅱ)無水物の質量をx gとすると
25:80=x :100 より
x=31.25[g]
溶解度曲線より,硫酸銅(Ⅱ)無水物31.25 gを
31.25
冷却
60℃から冷却したとき,曲線と交わる●点で
析出する。
よって,そのときの温度はグラフより,43℃付近なので,
選択肢より(c)40℃以上50℃未満……(答え)
http://fastliver.com/ Manabu Sato(C) 2012
大阪市立大学 2010年 水和物(複雑 冷却)タイプ 改 解答
5H2O
=
=
=
CuSO4・5H2O CuSO4
(ⅲ)
水和物 = 無水物 + 水和水
60℃のCuSO4水溶液の溶質は25g,溶媒は80gである。
溶質になる 溶媒になる
20℃に冷却したときに析出するCuSO4・5H2Oの
質量をx gとすると,x gに含まれるCuSO4(=溶質)
の質量は, x×
60℃
不飽和溶液
溶質=CuSO4
25g
溶液=105g
160
g となるので,
250
無水物の質量=水和物の質量×
溶媒=水
80g
無水物の式量
水和物の式量
析出= 溶質=CuSO4
20℃
160
CuSO4・5H2O
g
25−x×
飽和溶液
250
xg
20℃における溶質であるのCuSO4の質量は,
160
g,溶液の質量は,(105− x )g,
25−x×
250
溶媒=水
80−x×
90
g
250
溶液=(105− x )g
析出した物質は
溶液には含まれない!
本問ではコレは
求める必要はない!
60℃の溶質(CuSO4)の質量
20℃でのCuSO4の溶解度は溶解度曲線より20となるので
溶質
=
溶液
160
20
250
=
105− x
100+20
25−x×
飽和溶液
溶解度
溶質
=
100+溶解度
溶液
これを解いて,
x=16[g] ……(答え)
http://fastliver.com/ Manabu Sato(C) 2012
センター試験 1992年・本試験
無水物(単純 操作なし)タイプ
次の記述のAに入れるのに適当な数値を,それぞれの解答群①∼⑤のうちから一つずつ選べ。
28℃における無水炭酸ナトリウム(Na2CO3)の水への溶解度(水100gに溶ける無水物の
グラム数)は40である。水和物(Na2CO3・10H2O)の1molを完全に溶解させて,28℃の飽和水溶液
をつくるのに必要な水の量はAgである。(原子量 Na=23.0,O=16.0,H=1.0,C=12.0)
① 79 ② 85 ③ 159 ④ 265 ⑤ 715
解答
10H2O
=
Na2CO3の式量=106,H2Oの分子量=18より
=
=
Na2CO3・10H2O Na2CO3
水和物 = 無水物 + 水和水
Na2CO3・10H2O1mol中には,Na2CO31mol(質量は106g)
溶質になる 溶媒になる
H2O10mol(質量は180g)が含まれている。
そして,Na2CO3・10H2O1molを完全に溶解させると,Na2CO3は溶質に
10H2Oは溶媒となる。
必要な水の量をx gとすると
28℃で飽和溶液となっていて,溶解度は40となるので,
解答①
飽和溶液において,「溶質:溶媒=溶解度:100」を用いる解法。
106
40
溶質
=
=
180+ x
100
溶媒
飽和溶液
溶質 溶解度
=
100
溶媒
これを解いて,x= 85[g]
解答②
水和水は,溶媒の一部なる!
28℃
溶質=Na2CO3 溶媒=10H2O 溶媒=水
106g
180g
xg
飽和溶液
溶液=(286+ x )g
飽和溶液において,「溶質:溶液=溶解度:100+溶解度」を用いる解法。
106
40
溶質
=
=
106+ 180+ x
100+40
溶液
飽和溶液
溶解度
溶質
=
100+溶解度
溶液
これを解いて,x= 85[g]
よって,正解は②。
http://fastliver.com/ Manabu Sato(C) 2012