平成 27 年度研究プロジェクト計画概要 研究種別 ■共同研究 12 主査名 森本章倫 ・ 早稲田大学理工学術院社会環境工学科 教授 研究テーマ LRT導入と沿線土地利用に関する研究 研究概要: 世界各地で LRT(次世代型路面電車システム)の整備が進む中で、その導入は交通流の整流化のみなら ず、地域経済の活性化に寄与している事例も多い。中心市街地に賑わいが戻ったり、LRT 沿線地価が上昇し たりするなど、まちづくりの装置としての役割も期待されている。また沿線土地利用の変化は、人口減少下での 都市機能集約への効果も報告されており、コンパクトシティ形成のためのツールとしても活用できる。得られた 知見は今後、各都市で立地適正化計画の立案時に、駅周辺を集約拠点として設定する際の参考となると思わ れる。 また、平成 26 年度の「我が国における LRT 導入時の課題に関する研究」の成果をふまえつつ、国内外の LRT 導入都市を対象に沿線土地利用の変化を分析することで、研究の展開を図る。 特に、本研究では以下の3つの観点から、調査分析を実施する。 ① 海外事例の動向把握 ドイツ、フランスなど欧州の都市を対象に、沿線土地利用の変化に関する文献整理を行う。また、特定の都市 を対象に沿線土地利用に関連するデータを取得して、導入前後の傾向を把握する。 ② 我が国の路面電車の沿線土地利用の変化 路面電車導入都市を対象に、沿線土地利用について分析を行う。また、我が国で唯一 LRT を導入した富山 市の LRT 沿線土地利用の変化について、人口、地価、開発の3つの指標を用いて評価を行う。 ③ LRT 導入による土地利用変化 我が国で LRT 導入を計画している都市を対象に、導入後の土地利用変化についてシミュレーションを実施す る。特に 2019 年開業を目指している宇都宮市を対象に、将来都市構造(ネットワーク型コンパクトシティ)や立 地適正化計画との関連性について検討を行う。 研究の方法: 研究メンバーが所属する各研究機関においてテーマごとに研究を実施し、年に5回程度開催する研究会に おいて、その成果を発表する。また研究会において自由討議を行うことで、研究者間の相互連携を図る。各回 の研究会の概要は以下のとおりである。 第 1 回: 研究テーマについての自由討議 第 2 回~第 4 回:テーマごとに、毎回 2 名の専門家から話題提供をいただく。 第 5 回: 研究集約と報告書作成、主査の研究室が中心となって行う。 - 18 -
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