レザミンPシリーズ総合カタログ

熱可塑性ポリウレタンエラストマー レザミンP
RESAMINE
P
レザミンP シリーズ
レザミン P シリーズは、当社の独自技 術で開発した成形用の熱可塑性ポリウレタンエラストマー( T P U)です。
広い硬度範囲と加硫ゴムに似た諸特性を持ちながら、一般プラスチックと同じような成形加工ができる材料です。
◆レザミン P の特 性
◆レザミン P の用途
1. 機械的特性
●射出成形
機械的強度が高く、硬度範囲が広い成形材料です。
【工業部品】
2. 低温特性
グリスカバー、ハンマー、ギアー類、パッキン、ダスト
カバー、ローラー、ボールジョイント
低温下でも優れた柔軟性を発揮します。低温脆化温度は
◆レザミン P の 硬さの範 囲 -70℃以下であり、低温屈曲性にも優れています。
【スポーツ・レジャー部品】
スキーブーツ、サッカー・ゴルフ・野球等のスポーツシュー
3. 耐摩耗性
ソフト
ハード
JIS A30
JIS A90
JIS D50
耐摩耗性はエラストマー中で最も優れています。
【その他】
ゴムの数倍の耐久性があります。
ヒールトップリフト、時計バンド、キャスター
4. 耐油性
JIS D 80
レザミン P シリーズ
ゴム
ズ、スノーチェーン
プラスチックス
耐油性ゴムの代表であり、鉱物油、動植物油等に対する抵抗
●押出成形
性が優れています。
【ホース、チューブ】
5. 耐候性
耐圧ホース、塗装ホース、燃料チューブ
耐候性の点でも良好な性質を持ち、特にオゾンに対して優れ
【シート、フィルム】
た耐久性があります。
ベルトコンベア、ターポリン、キーボードシート 、衣 料
6. 成形性
【その他】
電線ケーブル、丸ベルト
一般の熱可塑性樹脂用の成形機を転用できます。
◆レザミン P の三本柱概念図
さらにレザミン P シリーズは成形法別に加工適正を付与して
●カレンダー成形
おり、容易に加工できます。また、再生品の混入も可能です。
当社の TPU 製品コア技術である、
お客様のご要望にお応えします。
また、カタログ販売だけでなく、
整えています。
7. ポリマーブレンド
他の樹脂とのブレンドが可能です。軟質塩ビ・ABS・アク
●溶液加工
リル 樹脂・スチレンへのブレンドで、耐衝撃性向上、摩耗性
各種容器類、フィルム
接着剤、合成皮革
改善、柔軟性改善の効果を付与します。
分散加工
共重 合
◆代表的なエラストマーの主要特性と用途比較
TPE 名称
ウレタン系
ポリエステル系
スチレン系
オレフィン系
塩ビ系
ポリアミド系
略号
TPU
TPEE
TPS
TPO
TPVC
TPAE
比重
1.1 ∼ 1.25
1.17 ∼ 1.25
0.91 ∼ 0.95
0.88
1.2 ∼ 1.3
1.01
ショア硬さ
80A ∼ 80D
90A ∼ 70D
37A∼ 71A
60A ∼ 95A
40A ∼ 70A
40D ∼ 62D
引張強さ(MPa)
29.4 ∼ 49
25.5 ∼ 39.2
9.8 ∼ 34.3
2.9 ∼ 18.6
9. 8 ∼19. 6
11.8 ∼ 34.3
300 ∼ 800
350 ∼ 450
500 ∼ 1200
200 ∼ 600
400 ∼ 500
200 ∼ 400
30 ∼ 70
60 ∼ 70
45 ∼ 75
40 ∼ 60
30 ∼ 70
60 ∼ 70
耐摩耗性
◎
△
△
×
△
○
耐屈曲性(室温)
◎
◎
○
△
○
◎
耐熱性
∼ 100℃
∼ 140℃
∼ 80℃
∼ 120℃
∼ 100℃
∼ 100℃
耐油性
◎
◎
×
△
○
◎
伸び(%)
反発弾性(%)
2
●ブロー成形
す。
樹脂合成
樹脂合成・共重合・分散加工の 3 本柱が
ニーズに合った「オーダーメイド」の 開発・販売体制を
ターポリン、ベルト、合成皮革
なお、着色剤としてレザミン CP シリーズをご用意していま
耐候性
△∼○
△
×∼△
○
△∼○
○
低温脆化温度
<-70 ℃
<-70℃
<-70℃
<-70℃
-50℃∼ -30℃
<-70℃
主な用途分野
シューズ
工業用品
日用雑貨
医療用品
自動車
電気・電子
工業用品
シューズ
樹脂ブレンド
粘・接着剤
土木
(アスファルト改質)
自動車
ホース・チューブ
日用雑貨
自動車
電線・ケーブル
土木・建築
スポーツ用品
工業用品
3
標準グレード
標準グレード
P-1288
品名
タイプ
主な特徴
試験項目
P-1078
P-1098
P-4038
P-4070
P-4090
P-2280
P-2283
P-2288
P-2294
P-2298
P-880
P-890
アジペートエステル系
カプロラクトン系
エーテル系
カーボネート系
標準タイプ
耐水性
耐熱性
耐加水分解性
抗菌性
耐加水分解性
耐熱性
試験方法
P-895
比重
JIS K 7311
1.22
1.22
1.22
1.18
1.19
1.20
1.11
1.11
1.12
1.13
1.13
1.20
1.21
1.22
硬さ(JIS A )
JIS K 7311
87
91
96
80
92
95
80
83
88
94
98
83
93
98
硬さ(JIS D)
JIS K 7311
-
-
55
-
-
50
-
-
-
-
60
-
-
55
100 % モジュラス(MPa) JIS K 7311
5
8
13
4
7
11
4
5
6
10
15
5
9
17
引 張 強 さ(MPa )
JIS K 7311
47
54
62
36
52
55
36
39
46
47
45
45
44
51
伸び(%)
JIS K 7311
550
530
490
580
540
540
570
630
570
510
430
450
410
400
引裂強さ(kN/m)
JIS K 7311
89
120
159
80
114
150
70
87
100
128
155
84
119
178
反発弾性(%)
JIS K 7311
52
39
29
66
42
32
70
69
52
37
22
45
27
36
摩耗量(mg)
JIS K 7311
40
48
52
37
30
43
30
30
30
35
40
34
39
43
DMA 法 113
141
147
103
141
148
-
132
134
149
171
135
145
134
圧縮永久歪(%)
JIS K 6262
50
45
38
42
45
45
-
45
49
48
46
52
38
-
低温脆化温度(℃)
JIS K 6261
<-70
<-70
<-70
<-70
<-70
<-70
<-70
<-70
<-70
<-70
<-68
<-60
<-60
-
ガラス転移点(℃)
DMA 法
-28
-20
-5
-41
-24
-19
-50
-50
-35
-28
5
-17
-10
-
射出成形
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
押出成形
○
○
○
○
○
○
○
○ ○
○
○
○
○
○
軟化点(℃)
加工適性
4
機械強度
◎
◎
○
◎
耐熱性
◎
◎
△
◎
耐寒性
○
○
◎
△
耐加水分解性
△
△∼○
◎
◎
耐菌性
△
△
◎
◎
耐油性
◎
◎
△
◎
耐摩耗性
◎
◎
◎
◎
5
機能性グレード
機能性グレード
◆ハイサイクルグレード
◆低硬度グレード
ハイサイクルシリーズは、標準グレードと比較して高流動性と速い固化特性を持っており、射出成形性に優れています。
P-6165
品名
タイプ
P-1275
アジペートエステル系
P-2275
P-8175
エーテル系
カーボネート系
試験項目
試験方法
比重
JIS K 7311
1.18
1.22
1.11
硬さ(JIS A)
JIS K 7311
69
77
100% モジュラス(MPa)
JIS K 7311
3
引張強さ(MPa)
JIS K 7311
伸び(%)
P-4580
品名
タイプ
P-4585
P-4590
P-4597
P-2588
カプロラクトン系
P-2593
P-2597
エーテル系
試験項目
試験方法
1.19
比重
JIS K 7311
1.18
1.18
1.20
1.22
1.12
1.12
1.13
76
75
硬さ(JIS A)
JIS K 7311
80
85
90
97
88
93
97
4
3
4
4
5
7
10
6
8
12
30
51
36
39
引張強さ(MPa)
JIS K 7311
39
46
47
62
39
40
46
JIS K 7311
880
620
600
570
伸び(%)
JIS K 7311
640
570
600
530
500
590
520
引裂強さ(kN/m)
JIS K 7311
59
85
61
59
引裂強さ(kN/m) JIS K 7311
75
95
107
147
96
117
163
反発弾性(%)
JIS K 7311
66
55
70
63
反発弾性(%)
JIS K 7311
67
59
48
37
57
49
36
摩耗量(mg)
JIS K 7311
25
30
30
13
摩耗量(mg)
JIS K 7311
40
40
43
45
26
34
38
軟化点(℃)
DMA 法
94
96
96
98
軟化点(℃)
DMA 法
121
133
152
163
143
156
161
ガラス転移点(℃)
DMA 法
-45
-42
-42
-34
ガラス転移点(℃)
DMA 法
-45
-41
-38
-28
-47
-43
-40
(MPa) JIS K 7311
100% モジュラス
◆耐 熱 性グレード
レザミン PH シリーズは、同じ硬さの標準グレードと比較して、軟化温度の高い耐熱性ポリウレタンです。
また、良好な圧縮永久歪値を示します。
◆高硬度グレード
品名
タイプ
P-1330
P-4200
P-2564
アジペートエステル系
カプロラクトン系
エーテル系
試験項目
試験方法
比重
JIS K 7311
1.24
1.22
1.18
硬さ(JIS D)
JIS K 7311
80
70
69
100% モジュラス(MPa)
JIS K 7311
35
22
21
引張強さ(MPa)
JIS K 7311
52
55
53
伸び(%)
JIS K 7311
340
450
450
引裂強さ(kN/m)
JIS K 7311
270
217
202
反発弾性(%)
JIS K 7311
53
34
35
摩耗量(mg)
JIS K 7311
36
33
79
軟化点(℃)
DMA 法
183
179
188
ガラス転移点(℃)
DMA 法
32
5
40
6
PH-2285
品名
タイプ
PH-2289
PH-2295
エーテル系
PH-890
カーボネート系
試験項目
試験方法
比重
JIS K 7311
1.11
1.12
1.13
1.20
硬さ(JIS A)
JIS K 7311
85
89
95
93
100% モジュラス(MPa)
JIS K 7311
5
7
10
11
引張強さ(MPa)
JIS K 7311
30
26
35
36
伸び(%)
JIS K 7311
670
570
570
330
引裂強さ(kN/m)
JIS K 7311
89
105
157
106
軟化点(℃)
DMA 法
157
168
181
183
圧縮永久歪(%)
JIS K 6262
42
37
28
25
7
◆難黄変グレード
◆機能性付与手段
レザミン P LS シリーズは、耐光処方により黄変性を軽減したポリウレタンです。
標準グレ ードと比較して、耐光黄変性に優れます。
① TPU 自体の化学・物理構造の調節
② 他ポリマーとのポリマーアロイ
(共重合・ポリマーブレンド)
③ フィラー、添加剤のコンパウンディング
品名
タイプ
主な特徴
試験項目
P-4590LS
P-4597LS
P-2287LS
カプロラクトン系
難黄変
ハイサイクル
試験方法
P-2593LS
P-2597LS
エーテル系
難黄変
ハイサイクル
難黄変
1.22
1.12
1.12
1.13
硬さ(JIS A)
JIS K 7311
90
97
88
93
97
100% モジュラス(MPa)
JIS K 7311
7
10
6
8
12
引張強さ(MPa)
JIS K 7311
47
62
46
40
46
伸び(%)
JIS K 7311
600
530
570
590
520
引裂強さ(kN/m)
JIS K 7311
107
147
100
117
163
低 反発
導電性
難燃性
機能性
BG
ΔE
35
35
開
レザミンPAD-FA
ΔE
*
b
また、レザミン P シリーズ とレザミン CP シリーズをブレンドしたバッチブレンドタイプ、レザミン P シリーズを着色した
P- 2593
P- 2593LS
15
15
カラードタイプでの提供も可能です。
●試験条件
10
10
5
5
0
0
0
200
400
600
時間(H)
800
※ b*は黄味の強さを表します。
1000
カーボンフェードメーター
試料厚み 2.0mm 射出板
0
200
400
600
800
1000
時間(H)
※Δ E はブランクとの色差を表します。
温度 63℃
試験時間
100、500、1000 時間
◆滑性付与グレード
レザミン P CLシリーズは、滑性を付与することにより金 属離 型性を改良したポリウレタンです。
標準グレ ードと比較して、カレンダー成形性に優れます。
P-1078CL
品名
タイプ
主な特徴
試験項目
比重
硬さ(JIS A)
JIS K 7311
JIS K 7311
100% モジュラス(MPa) JIS K 7311
引張強さ(MPa)
JIS K 7311
引裂強さ(kN/m)
JIS K 7311
伸び(%)
P-8175CL
アジペートエステル系
試験方法
JIS K 7311
P-880CL
カーボネート系
滑性付与
滑性付与
低硬度
滑性付与
1.22
91
8
54
530
120
1.19
75
4
39
570
59
1.20
83
5
45
450
84
※レザミン P シリーズに添加することで、滑性を付与するマスターバッチでの提供も可能です。
8
※その他、開発品・架橋剤等も販売しています。
ご相談ください。
ポリウレタンとブレンドして成形することが可能です。
20
P- 2593
P- 2593LS
20
品
レザミン CP シリーズは、ポリウレタン着色用のカラーマスターバッチです。
25
25
発
◆大日精化の TPU カラーリングシステム
30
30
シリコーン
変性
発泡
B-
b*
P87
94
S
高滑性
抗菌性
耐光変色性
40
ザ
ミ
ン
バイオマス
PM
※レザミン P シリーズに添加することで、耐光黄変性を付与するマスターバッチでの提供も可能です。
レ
レザ ミンPS
1.20
ン
ミ
ザ
レ
JIS K 7311
レザ ミンFG
比重
ン
ミ
ザ
レ
レザミン PB
EC
1.
2.
打ち合わせ
お客様の元見本サンプル
マット調・グロス調に対応
カラーサンプルの提出
・マスターバッチ・バッチブレンド
・カラード
既 存 製品対応 時
新規 調色
色見本帳からの選択
新規 調 色
製品サンプル提出
試作サンプル提出
3.
お客様の評価:成形物の評価(成形性・寸法・色相・隠蔽性等)と判定
4.
色承認:判定結果を報告
5.
製品名決定
6.
受注・量産化 : ●お客様のご希望に沿った生産対応を承ります(製品形態、Lot、サイズ)
。
●受注量・納入日程についてご相談に応じます。
承認時、同一品名で
受注対応
承認時、新規製品
設定・登録
9
◆耐菌性
レザミン P シリーズ 技術資料
組成
レザミンP の各種データ
◆耐加水分解特性
◆耐熱性
TPU の耐加水分解性(引張強さ)
120
引張強さ保持率
( %
)
引張強さ保持率
( %
)
60
40
20
00
1
2
3
4
5
時間(Week)
薬品
評価
薬品
○
ジメチルホルムアミド(DMF)
エチルアルコール
2 週間
○
テトラヒドロフラン(THF)
3 週間
○
クレゾール
4 週間
○
ベンズアルデヒド
1 週間
○
アセトン
S
S
S
S
2 週間
△
3 週間
△∼×
4 週間
△∼×
1 週間
○
2 週間
○
トルエン
3 週間
○
クロルベンゼン
4 週間
○
トリクレン
カプロラクトン系
80
カーボネート系
60
40
20
P- 2288
P- 890
評価
1 週間
TPU の耐熱性(引張強さ)
100
80
放置時間
エーテル系
120
100
P-1078
P- 4590
◆耐薬品性
00
6
●試験条件
試料厚み 2.0mm 射出板
温度 80℃
湿度 95%
試験時間 1、2、4、6 週間
シクロヘキサノン
メチルエチルケトン(MEK)
酢酸エチル
ベンゼン
キシレン
スチレン
○ : クラック、劣化は観察されず
P-1078
P- 4590
1
2
3
フルフリルアルコール
△ : クラック、劣化がある
P- 2288
P- 890
ギ酸
× : クラック、劣化が多い
4
時間(Week)
5
6
5 % 過マンガン酸カリウム
●試験条件
ガソリン
ブタノール
酢酸
ジオクチルフタレート(DOP)
蒸留水
食塩水
グリセリン
パラフィン
重油
灯油
10%塩酸
10% 硫酸
10% 酢酸
10% 苛性ソーダ
試験方法 : 25℃ 1 週間浸漬
・水分の多い土に、チューブを強く折り曲げ、埋没
判定基準 : 容積変化率 ◎ : 1%以下
○ : 1 ∼ 5 %
●試験結果
・エーテル、カーボネート系劣化なし
●試験条件
試料厚み 2.0mm 射出板
温度 120℃
試験時間 1、2、4、6 週間
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
ベンジン
評価
△
△
△
△
△
◎
◎
◎
◎
◎
◎
○
◎
◎
○
○
△ : 5 ∼ 10 % ●カプロラクトン系の劣化原因
× : 著し い 膨 潤
①土中のカビ・バクテリア等の菌類による加水分解
S : 溶解
②局部的に加えた力
◆耐油特性
◆耐光性
◆耐候性
TPU の耐光性(引張強さ)
110
TPU の耐候性(引張強さ)
110
100
(1)耐 ASTM オイル性
)
%
引張強さ保持率( %
)
引張強さ保持率(
90
80
70
アジペートエステル系、カプロラクトン系、カーボネート系
P-1078
P- 4590
50 0
200
400
600
800
●試験条件
カーボンフェードメーター
試料厚み 2.0 mm 射出板
温度 63℃
試験時間 100、500、1000 時間
1000
試料厚み 2.0mm 射出板
80
浸漬温度 100℃
●試験条件
試験結果は保持率として表示。ただし硬さは実数値。
浸漬温度 80℃
浸漬時間 3 日
試料厚み 2.0mm 射出板
浸漬時間 3、10、20、30 日
60
アルバニア EP-2 グリース(昭和シェル石油㈱)
40
20
P- 2288
P- 890
TPU のグリースに対する抵抗性は右図の通りです。
00
P-1078
P- 4590
200
P- 2288
P- 890
400
油
600
800
時間
(H )
●試験条件
ウェザォメーター
試料厚み 2.0mm 射出板
温度 63℃
噴霧時間 60 分中 12 分
試験時間 100、300、500、1000 時間
1000
ASTM
No.1 オイル
ASTM
No.3 オイル
物性
P-1078
P-4070
P-2288
引張強さ
保持率
98%
102%
100%
伸び保持率
110%
104%
94%
硬さの変化
0 ∼(-1)
0 ∼(-1)
0 ∼(-1)
引張強さ
保持率
100%
105%
96%
伸び保持率
104%
108%
108%
硬さの変化
0 ∼(-1)
0 ∼(-1)
-1
グリース浸漬による引張強さ保持率
140
引張強さ保持率
( %
)
60
(2)耐グリース性
●試験条件
100
時間(H)
10
耐油特性は試料の厚みにより大きく変わりますので、下記試験条件に
ご留意ください。
120
100
80
60
40
P - 1078
P - 4070
20
0
P - 890
0
5
10
15
20
時間
(Day)
25
30
35
11
◆温感性(硬さ及びモジュラスの温度依存性)
◆汎用樹脂との相溶性
1. 射出成形
レザミン P シリーズは熱可塑性エラストマーですので、温度変化に
レザミン P シリーズは、ソフトセグメントと称される動きやすい長
レザミン P シリーズは一般のスクリュー式射出機で成形することが
<ゲート>
よるモジュラス・硬さの変化は生じますが、他の熱可塑性樹脂に比
鎖部分と、ハードセグメントと称される極めて結晶性の強い部分か
できます。成形条件は射出機の形式、成形物の形状によってそれぞ
●円形、半円形、長方形のいずれのゲートでもご利用できます。一
較して温度変化による特性変化は同等もしくは優れています。
らなり、このため一般の樹脂との相溶性はあまり良くありません。
れ最適の条件がありますので、次の例を作業条件設定の参考として
般の汎用樹脂と同じく、ゲートの位置は成形品の比較的断面積の大
下表に定性的な相溶性を表示しました。
ください。
きいところで、かつウエルドラインに応力が余りかからない所を選
60
レザミン P-1288 モジュラスの温度依存性
び、つけるようにしてください。
樹脂名
軟質塩ビ 300% モジュラス
200% モジュラス
100% モジュラス
50
△∼○
モジュラス( MPa
)
アクリル樹脂 30
20
正温度以下ではモーター負荷が大きく、適正温度を大幅に越えると
AS
△∼○
ヒケを生じやすいため、下表の標準成形温度を参照し、使用機械に
SBS
△
適合する成形温度を設定してください(3 オンス射出成形機の場合)。
塩素化ポリエチレン △
ポリスチレン △
0
20
40
60
温度(℃)
80
100
120
硬さの温度依存性
硬さ
×
ポリプロピレン -20
ウレタン樹脂は一般汎用樹脂に比べて溶融時の粘度が高いため、適
△∼○
ナイロン
10
後部温度
×
ポリエチレン
×
ポリアセタール
△
ポリカーボネート
△
EVA
×
シリコーン樹脂
×
98
レザミン P シリーズ / 他樹脂 : 80 / 20(重量比)
○ : 相溶性 良 P- 2288
96
94
硬さ(
92
JIS )
A
90
JIS D
80
85
90
95
98
51
65
前部温度
ノズル温度
150 ∼ 165
160 ∼ 175
165 ∼ 175
170 ∼ 185
175 ∼ 185
170 ∼ 180
175 ∼ 185
180 ∼ 190
185 ∼ 195
190 ∼ 200
180 ∼ 190
185 ∼ 195
190 ∼ 200
195 ∼ 205
200 ∼ 210
180 ∼ 190
185 ∼ 195
190 ∼ 200
195 ∼ 210
200 ∼ 215
ー般のレザミン P シリーズは射出圧力が高いほど広い射出温度範囲
相溶性が比較的良好な軟質塩ビ、ABS、ポリスチレン等でもウレタ
い。表示の圧力範囲内で成形樹脂硬度が高い場合、また小型の多数
ンの持つ優れた特性が大幅に悪くなる傾向がありますので、できる
個取り等の時は圧力を高い位置で射出してください。
86
だけウレタン樹脂単独でのご使用をおすすめします。
84
なお、他の樹脂をブレンドする際は、摩耗性、耐寒性、永久歪等の
-40
-20
0
20
40
60
80
スクリュー 形状
レザミンP の成形法
乾燥時間による水分量変化
0.6
ブン、ホッパードライヤー等により、80 ∼ 100℃で 2 ∼ 6 時間乾燥させてください。特に棚段
)
%
式オーブンで乾燥させる場合には樹脂層の厚さを 3cm 以下にしてください。乾燥が不充分の場
合、成形時に樹脂の劣化を招き、成形物中に気泡が生じることがありますので、ご注意ください。
専用の着色剤として、レザミン CP カラーをご使用ください。
0.2
0
0.12
着色剤によっては、分散不良や成形品の物性劣化をひき起こすものがありますので、ご注意くだ
1
水分量(
)
%
加熱によりガスが発生する場所には、局所排気装置を設けてください。
乾燥時間(H)
2
3
乾燥温度 : 100℃
ゲージ圧
背圧
ゲージ圧
(4)突出しピン及びガス抜き
一般汎用樹脂に比べて射出温度が高く、また熱保留性が比較的良い
特に冷却が不充分の場合、硬度が低いほど突出しピンで変形やマー
クが残ることがありますのでご注意ください。突出しピンが一般的
ですが、薄肉成形品についてはエア突出を行うことも可能です。エ
ア突出しの場合、圧力は 0.3 ∼ 0.6 MPa です。
ガス抜きは必要となります。成形品に影響を与えない所で、ゲート
0.06 mm 程度の幅と深さのミゾが用いられます。
(5)金型温度
金型温度は 20 ∼ 40 ℃位にしてください。夏場は金型に冷凍機で冷
却した水を通すと良い結果が得られます。
してください。
(6)離型
レザミン P シリーズは離型が容易な樹脂ですが、離型剤を用いる場
合はシリコーン系の離型剤を用いてください。このとき離型剤中の
溶剤が残留すると変形やヒケを生じますので注意してください。
また成形品を後工程で他の成形品と接着する場合は、接着力をよく
確認しご使用ください。
す。一般的には試作金型による実験をしてから本金型を設計してく
ださい。次表に樹脂の本質的な収縮率を示します。
<スプルー>
一般に円形で 1.5 ∼ 3.5 ゜位のテーパーをつけ、 できるだけ短くして
スプルー抜きも使用することができます。
0.08
<ランナー>
0.04
0.00 0
P-1288
円形または台形のランナーを用いますが、汎用樹脂と比べて断面積
P-1098
はできるだけ大きくしてください。例えば、円形ランナーの時には
P-1078
0.02
1
2
経過時間(H)
3
静置条件 温度 : 25℃、湿度 : 50%
収縮率は樹脂の性質以外に製品形状・成形条件等によって変化しま
は下記の諸項目を参照してください。
樹脂は冷却されると極めて弾性がありますので、アンダーカットの
0.06
(7)収縮率
く、流れにくい樹脂のため、ゲート径はやや大きくし、金型設計に
ください。通常は約 3 ∼ 4 cmです。
時間経過による吸湿性
0.10
さい。
保圧
90 ∼ 120 r .p.m.
3 ∼ 5MPa
0.5 ∼ 2MPa
ウレタン樹脂は流動性に対する温度依存指数・圧力依存指数が大き
(2)レザミン P の着色方法
レザミン P シリーズは 230℃前後から除々に分解が始まりますので、操作上注意してください。
15 以上
2.5 ∼ 3.5
(3)金型
0.3
0.0
限り避けてください。
P-1098
0.4
下です。
直射日光及び湿気を避け、室温で保存してください。
L / D
圧縮比
5 ∼ 10 MPa
P-1078
0.1
乾燥時間と水分量、及び放置時間と水分量の関係を右図に示します。水分量の目安は 0.06% 以
(3)保存
ゲージ圧
P-1288
0.5
水分量(
ウレタン樹脂は他樹脂と比較し、吸湿性が高い傾向がありますので、使用直前に熱風循環式オー
数値
スクリュー 回転
(1)樹脂の予備乾燥
(4)分解温度
項目
射出圧
軟質塩ビの場合は耐加水分解特性に特に留意してください。
レザミン P シリーズは、一般の熱可塑性樹脂の成型機を転用できます。ただしウレタン樹脂は溶
充填不良や摩擦熱の発生による焼けの原因となりますので、できる
薄物の大型成形品や流れの悪い形状の場合は金型温度を40 ∼ 60℃に
諸物性を事前に試験してください。
融粘度が非常に高く、吸湿性が高いので、下記の条件設定をご参照ください。
ゲート、エッジゲート等が用いられますが、ピンポイントゲートは
ガス抜きの形状は成形品によって異なりますが、一般的には 0.04 ∼
がとれますが、下表に標準的な成形圧力を示しますので参照くださ
-60
●一般のゲートの他にディスクゲート、リングゲート、ダイレクト
ため、冷却を充分行ってください。
(2)射出圧カ
× : 非相溶性
温度(℃)
12
JIS A
中間部温度
樹脂より大きめにしてください。
からできるだけ遠い所へガス抜きを設けてください。
△ : 相溶するも白濁
88
82
-80
●ゲート断面積は成形品の形状・重量によって変化しますが、汎用
(1)成形温度
○
ABS
40
0-40
相溶性
一般に 5 ∼ 8 mm 位の直径が良いとされます。ランナーの末端にはス
ラグだまりをつけると、品質の安定を図ることができます。
硬さ
JIS A
80
85
90
95
98
JIS D
-
収縮率 %
1.5 ∼ 2.0
-
1.3 ∼ 1.8
51
65
0.6 ∼ 0.9
-
0.8 ∼ 1.3
0.5 ∼ 0.7
収縮率の測定は下記形状の射出品の測定結果です。
寸法:100mm × 100mm × 2mm
13
(8)エイジング
レザミン P シリーズは完全線形のウレタン樹脂なので、射出成形時
(11)射出成形における不良の原因
成形不良の原因としては下表のような事柄が考えられます。
すなわち配向に若干の時間が必要です。
成形不良の原因としては、下表のような事柄が考えられます。
射出圧力が低い
樹脂温度が低く、流動性が不足
レードの成形物の表面粘着や硬度の確認は時間をおいてから行って
射出速度が遅い
ください。また、成形品の形状や射出条件により、応力歪が生じてい
る場合は 80 ∼ 100℃で 8 ∼16 時間程エイジングしてください 。
ショートショット
ゲートバランス不良
排気不良
ゲート、ランナー、スプルーの過小
スプルー、ランナー、成形不良品等は粉砕して、未使用樹脂にブレ
ばり
この場合は、2 0% 以内でブレンド後、乾燥してご使用ください。再
成形時の樹脂粘度が低い
金型間に異物が付着
・成形条件
射出圧力が低い
・成形品の外観
射出圧力保持が短い
・成形品の物性
射出速度が遅い
再生品使用の参考として、 レザミン P を 100 % 再生した場合の熱履
ひけ
歴特性を下表に示します。
樹脂温度が高い
100%
1回
99
98
2回
94
93
3回
81
80
トランジション部、メータリング部の 3 区分帯になりますが、下記
樹脂の乾燥不足
項目
数値
樹脂の溶融不足
2.5 ∼ 3.5
圧縮比
ミゾ深さ
メータリング部
フィード部
温度が低い
3.3mm 以下
5 ∼ 10mm
スクリューピッチ
スクリュー直径程度
L/D
金型、スプルーの仕上げ不良
射出速度が遅い
金型温度が低い
スラグだまりの過小
樹脂の流れが悪い
残存のウレタン樹脂は熱分解による変色を起こし、次に射出成形す
る際に初期成形品に色がつくことがあるのでご注意ください。
また、レザミン P シリーズは特に有害な分解ガスを発生しませんの
14
射出速度が速すぎる
ゲート、ランナー、スプルーの過小
材料中に水分や揮発分がある
樹脂温度が低く、流動性が不足
射出圧力が低い
ウェルド
不良
不適
樹脂のダイ部での滞留
射出速度が遅い
金型温度が低い
ゲートの位置や形が不適当
特にカレンダー加工用としてレザミン P CLタイプをそろえていま
硬さ
す。これらのシリーズはロールからの離型性を付与しています。
ゾーン ℃
カレンダー設備としては通常の軟質塩ビ・ABS・合成ゴム等に用い
JIS A
JIS D
C1
C2
C3
D
80
85
90
95
98
51
65
150 ∼ 160
150 ∼ 160
160 ∼ 170
160 ∼ 170
160 ∼ 170
175 ∼ 185
175 ∼ 185
180 ∼ 190
185 ∼ 195
185 ∼ 195
185 ∼ 195
185 ∼ 195
190 ∼ 200
195 ∼ 205
200 ∼ 210
185 ∼ 195
185 ∼ 195
190 ∼ 200
195 ∼ 205
200 ∼ 210
(3)スクリュー回転スピード
ウレタン樹脂は摩擦による熱の発生が激しいため、スクリュー回転
こすことがあります。レザミン P シリーズの押出成形の場合、スク
られている装置が使用できます。加工に際しては下記の事項にご注
意ください。
(1)装置
4 本 Z タイプ
温度制御範囲
部的な樹脂滞留がない構造をとってください。マンドレル・ダイ部
の流動をスムーズにするため、急勾配の設計を避けてください。ス
クリーンメッシュは 60 ∼ 80 メッシュ位の組み合わせで行ってくだ
さい(例 60-80-60)。
(5)パージ
80 ∼ 240℃
動力 軟質塩ビより 20 ∼ 10 0%UP が必要
(2)標準成形温度
硬さ JIS A
加工温度 ℃
80
85
90
140
150
160
(4)ダイ構造
滞留により樹脂の劣化や成形品の外観不良をまねきやすいので、局
4 本 逆 L タイプ
ロール型式
リュー回転数は 40 r.p.m. 以下をおすすめします。
材料中に水分や揮発分がある
樹脂の流れが悪い
ます。したがってレザミン P シリーズをそのままカレンダー加工用
の素材として使用することはできません。
数を上げすぎると、加工しにくいだけでなく、樹脂の劣化をひき起
樹脂が過熱分解している
残らないようにしてください。
スクリーン及びブレーカープレートの
パージ不足
(2)標準成形温度
金型、スプルーのテーバー不足
樹脂温度が低く、流動性が不足
ABS 等の一般汎用樹脂を少量流し、シリンダー内にウレタン樹脂が
スクリューの形状の不適
成形品の
ツブ、ヤケ
及びコブ
22 ∼ 30
メータリング部のミゾが深すぎないことが必要です。
金型温度が高い
成形サイクルが短い
作業の中断または終了時のパージには、アクリル・ポリスチレン・
ダイ部温度が低い
の仕様が一般的です。
一般の熱可塑性ポリウレタンは、溶融時に金属に対する粘着があり
樹脂の固化が遅い
(10 )パージ
ダイランドが長すぎる
表面あれ
くとりすぎないことと、樹脂の滞留が起きないようにすることで、
潤滑処理が不適当
銀条及び
表面くもり
樹脂温度が低い
基本的には汎用樹脂に使用されるスクリューと同じく、フィード部、
3. カレンダー 成形
射出保持圧が大
フロー
マーク
スクリューの設計が不適当(急圧縮)
スクリュー設計の留意点としては、トランジション部の勾配を大き
樹脂温度が高い
100%
樹脂温度が高い、局部加熱
ゲート、ランナー、スプルーの過小
射出圧力が高い
ブランク
気泡
キャビティに厚肉部がある
材料の収縮率が大きい
型離れ
不良
樹脂の乾燥不良
(1)押出機
各ゾーン部の長さの比
フィード部長 / トランジション部長 / メータリング部長
1.0
1.3 ∼ 1.6
1.3 ∼ 1.6
金型温度が高すぎるかまたは不均一
引張強さ保持率 P-1078
スクリューの設計が不適当
ご利用ください。
金型の芯が合っていない
金型の合わせ面が不良
生品のブレンド量の決定には下記項目を確認してください。
樹脂の滑性過剰
載します(65mm 押出機の場合)。
ンドして使用することができます。
ヘッド圧不足
以下の例をレザミン P シリーズの押出成形の標準作業の条件設定に
材料の流れが悪い
樹脂温度が高い
フィード部の温度が高い
サージング
す。
レザミンPシリーズの押出成形に適するスクリュー形状を下表に記
型締力が弱い
(9)再生品使用
非常に高いため、スクリュー形状やダイ構造に多少の工夫が必要で
金型温度が低い
射出圧力が大
で、スクリュー等をいためることはありません。
樹脂のホッパーでのブリッジ
機で行うことができます。ただしウレタン樹脂は一般に溶融粘度が
一般的には室温で 24 時間程度で充分とされます。特に硬度の低いグ
P-1288
(6)押出成形における不良の原因
レザミン P シリーズの押出成形は一般のフルフライトタイプの押出
に 特 別 な 化 学 構 造 的 変 化は起こしませんが、樹脂の物理的 構 造 、
サイクル数
2. 押出成形
(3)注意事項
●耐熱性に限界があるので、ロール上での滞留はできるだけさけて
ください。混練時間は 30 ∼ 40 分以下をめどにしてください。
●パージには、軟質塩ビが適当です。
●加工温度は同一銘柄でもロットにより多少異なりますので、予め
テストロール等でチェックをしてください。
●同一ロットの最適加工温度の幅は± 3 ∼ 5℃程度ですので充分な温
前述射出機のパージの項を参照してください。スクリューの完全パー
度管理を必要とします。温度が高すぎるとロールへの粘着が強く、
ジは一般の場合と同じく、スクリューをぬき、ワイヤブラシで落と
劣化が早まり、低すぎると肌荒れします。
してください。
15
・本製品をご使用になる前に、必ず製品安全データシート( SDS )をお読みください。
情報、
・本カタログの記載内容は現時点で入手できる資料、
データに基づき作成しており、法令の改正や新しい知見により改訂される
ことがあります。
・記載内容は情報提供です。本カタログの数値は所定の試験方法による 測定値であり、実際の最終製品の品質、安全性を保証するも
のではありません。
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