WINDOWS 版 IMSL C ライブラリ Ver. 8.0 インストールガイド

2015.4.14 版
WINDOWS 版 IMSL C ライブラリ Ver. 8.0 インストールガイド
1.対応環境
2.インストール
3.ライセンスの設定
4.環境変数の設定
5.動作確認
6.Visual Studio を使用したコンパイル・リンク方法
7.オンラインドキュメント
8.OpenMP 並列化設定
9.ランタイム環境のインストール
10.IMSL 製品に関するお問い合わせ
2
3
8
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14
16
21
21
22
23
※ 弊社の他の IMSL 製品、もしくは IMSL C ライブラリの他のバージョンが
入っているマシンに IMSL C ライブラリ 8.0 をインストールする場合は、
各製品が実行時(Visual Studio 上でのデバッグ実行も含む)に正しいラ
イブラリを参照するよう、アプリケーション実行毎にバッチファイル等
を利用して環境変数 Path
の設定を行う必要があります。
ほか製品に関する最新の情報については、弊社ホームページ FAQ
(http://www.roguewave.jp/FAQ/FAQ_Release/index.html)をご参照下さい。
ローグウェーブ ソフトウェア ジャパン株式会社
〒102-0084 東京都千代田区二番町 5-5 番町フィフスビル 3F
Tel: 03-5211-7760 / Fax: 03-5211-7769
URL: http://www.roguewave.jp/
1.対応環境
このインストールガイドが対応している開発環境および CD の媒体番号は、次の通りです。
Hardware Chip
製品種別略称 媒体番号
OS
Compiler
Intel IA-32
Windows
Microsoft Visual Studio 2010 ※ winms100i32 P10742
(注)
(x86-32)
Intel x86-64,
Windows x64 Microsoft Visual Studio 2010 ※ Winms100x64 P10742
(注)
AMD Opteron (x8664)
媒体番号は各 CD の表面ラベルと、CD ケースの裏側にあります。
※(注)対応コンパイラは Professional Edition 以上です。
※C ライブラリ Ver.6.0 以前のバージョンからのバージョンアップ時の注意事項
IMSL C ライブラリ 7.0 以降では、リンク用環境変数($LINK_CNL など)や IMSL の
ライブラリ本体(Imslcmath_dll.lib など)の MKL 関連の規定値が、IMSL C ライブラ
リ 6.0 以前と変更になっています。
『5.動作確認』でのリンク用環境変数と、『6.Visual Studio を使用したコンパイ
ル・リンク方法』での追加するライブラリでの MKL の説明にご注意下さい。
2
2.インストール
1) Administrator の権限を持つユーザーでログインし、CD-ROM を CD ドライブにセットし
て下さい。ダウンロード版の場合は、zip ファイルを解凍して下さい。
2) CD-ROM 版の場合は自動的にインストーラが立ち上がります。
インストーラが立ち上がらない場合やダウンロード版の場合は、Explorer を開いて CD-ROM ドラ
イブ直下、もしくは zip ファイルを解凍したフォルダの直下にある setup.exe をダブルクリックし、
インストーラを実行させて下さい。
※(注)Windows Vista 、7、Windows server2003、2008 にインストールする場合は、自動的に立
ち 上 が っ た イ ン ス ト ー ラ や 、 setup.exe の ダ ブル ク リ ッ ク は 行 わ な い で 下 さ い 。
Explorer の画面で setup.exe を右クリックし、「管理者として実行」を選択してインス
トーラを立ち上げて下さい。
3) インストールする製品を選択し、”Next>”をクリックして下さい。
※(注)
32bit ( x86-32 ) の 製 品 を ご
使用の方は、IA32 を選択し
て下さい。
64bit の 製 品 を ご 使用 の方
は、x86-64 を選択して下さ
い。
※(注2)
こ こ で は 媒 体 P10742 の
IA32 のインストール画面で
紹介していますが、基本的
なインストール方法は各製
品とも同じです。
3
4) “Yes”をクリックして下さい。
5) “Install MKL-enabled, CUDA-enabled, and IMSL versions of CNL 8.0.0”を選択して”Next”をクリッ
クして下さい。
※
“MKL-enabled versions”には Intel
Math Kernel ライブラリ(MKL)
と CUDA BLAS が含まれていま
すが、 IMSL の利用規約にはこれ
らは含まれていません。
MKL の利用規約は Intel のホーム
ペ ー ジ 、 CUDA の 利 用 規 約 は
NVIDIA のホームページにて御確
認下さい。これらの利用規約に了
承できない場合は、下の”Only the
IMSL Version” を 選 択 し て 下 さ
い。
6) 環境変数の自動設定について問い合わせがあります。通常は ”はい” をクリックして下さい。
4
7) “Next”をクリックして下さい。
※ ウィンドウのタイトルバーに
表示されるタイトルは、
インストールされる製品によ
って異なります。
8) 各画面で“Yes”をクリックして下さい。
5
9) ライセンス番号を入力して “Next>”をクリックして下さい。ライセンス番号がわからない場合ま
たはトライアルでご利用の場合は”999999” を入力して下さい。
10) インストール先を選択して、”Next>” をクリックして下さい。インストール先のデフォルトは、
C:\Program Files\VNI です。
※ 64bit 版 CNL のインストール先に
ついての注意事項は次ページをご
参照下さい。
※ 3 ページ 2)の注に書かれている
方法でインストーラを実行して
いないと、OS によっては、ここ
で C:\Program Files の下にフォ
ルダを作成できずインストール
が失敗することがあります。
11) インストールが開始されます。
6
10)
インストールが終了したら、”Finish”ボタンを押して下さい。
※【注意事項】64bit 版のインストール先について
64bit 版の IMSL C ライブラリは 64bit ライブラリですが、64bit OS でのインストール先の既定値は、
64bit 用の C:\Program files ではなく 32bit 用の C:\Program files(x86)になっています。IMSL C ライ
ブラリのライセンス環境に 32bit 版のアプリケーションがあるため、Windows の仕様によって 32bit
アプリケーションであると判定されてしまうためです。
Windows の仕様では、32bit アプリケーションを 64bit OS の C:\Program files にインストールする
ことはできません。C:\Program files をインストール先に指定すると、C:\Program files(x86)に自動
的にインストールされてしまいます。ご注意下さい。(C:\Program files 以外の環境には、自由にイ
ンストールできます)
。
7
3.ライセンスの設定
IMSL の使用前に、ライセンスの設定が必要です。ご契約内容にあわせて、次のとおり設定して下さい。
(注) ライセンスファイルの中にはディレクトリパスのようなものが記述されている場合がありま
すが、これはインストール環境にあわせて特に修正する必要はありません。そのままお使い
下さい。
1) トライアルで使用する場合
弊 社 か ら お 送 り し た 日 付 制 限 つ き の ラ イ セ ン ス フ ァ イ ル を 、 IMSL C ラ イ ブ ラ リ の
<MAINDIR>\license フォルダの下に、”license.lic”の名前で書き込んで下さい。その後は 13 ページ
の『4.環境設定』にお進み下さい。
2) 正式購入したライセンスの場合
(ノードロックライセンス、フローティングライセンス、ランタイムライセンス)
① 『スタート』→『プログラム』→『アクセサリ』からコマンドプロンプトを開き、以下の
コマンドを実行
※【注意事項】デフォルトである C:\Program files 以下にインストールした場合は、コマンドプロンプトを
立ち上げる際に、右クリックして『管理者として実行』を選択して立ち上げて下さい。
cd <MAINDIR>\license\bin
get_host_info
-----> hostinfo.ホスト名 ファイルが作成されます。
② 同じフォルダに作成された”hostinfo.ホスト名”ファイルを弊社までメールでご送付ください
(E-mail: [email protected])。折り返しライセンスファイルを返送致します。
尚、ノードロック契約でリモート接続で製品を使用する可能性がある場合は、特殊なライセンス
ファイルが必要なため、メールにリモートで使用する場合のライセンスが必要な旨をお知らせ下
さい。
<hostinfo.ホスト名ファイルの内容例>
*********************************************************************
Fri Nov 4 17:45:43 2011
Server host name: [note1]
Server host id: ["001f3a2441dd 001c2338ef4d"]
[DISK_SERIAL_NUM=b886683d]
This information was extracted from the CPU where the
get_host_info program was run.
*********************************************************************
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③ 入手したライセンスファイルを、<MAINDIR>\license パスの下に license.lic の名前で書き
こんで下さい。リモート接続で使用しないノードロックと、リモート接続で使用する可能
性があるマルチユーザーノードロックライセンスの場合は、ライセンスの設定はこれで終
了します。『4.環境変数の設定』に進んで下さい。フローティング又はリモート接続で
使用する可能性があるシングルノードロックライセンスの場合は④~⑨へ進んで下さい。
④ 『スタート』→『すべてのプログラム』→『Rogue Wave Software』→『LMTOOLS』を
選択。
ライセンスマネージャーツールが立ち上がります。
※ 左 の 図 で は ”Intel License
Manager for FLEXlm”という文字が
見えますが、これは表示されてい
なくても問題ありません。
⑤ ‘Config Services'タブをクリックして各項目を入力した後、『Save Service』をクリックし
て下さい。
Service Name:下図では “Intel(R) License Manager for FLEXlm”になっていますが、他の
文字列でもかまいません。空白の場合は任意の名称を入力して下さい。
lmgrd.exe: <MAINDIR>\license\bin\ bin.i386nt\lmgrd.exe
License Files: <MAINDIR>\license\license.lic
Debug Log File: 任意のファイル名のフルパス
(規定値は<MAINDIR>\license\Debug.log)
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⑥ 『はい』をクリックして下さい。
⑦ 'Start/Stop/Reread タブをクリックして、
『Start server』ボタンを押してください。
⑧ Windows セキュリティの警告が表示されます。『ブロックを解除する』を二回クリックし
てセキュリティブロックを解除します。尚、ここでセキュリティブロックを解除されるプ
ログラム名は、lmgrd と VNI です。このセキュリティ警告の表示は、一度ブロックを解除
した後は同じ処理を行っても表示されません。
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⑨ ‘Server Status’タブをクリックして『Perform Status Enquiry』をクリックした後、以下の
ように license server, Vender daemon 共に”UP”と表示されていれば正常動作です。
フローティング契約またはノードロック契約でリモート接続で使用する可能性がある場合は、こ
の時点で IMSL が使用可能になります。
も し license server も し く は Vender daemon が ”UP” と 表 示 さ れ な い 場 合 は 、
[email protected] までお問い合わせ下さい。
ライセンスデーモンはマシン立ち上げ毎に実行が必要です。
マシン立ち上げ時に自動的にライセンスマネージャーを起動させるには、⑤ の画面で” Use Service”
と”Start Server at Power Up” にチェックを入れて下さい。
3) フローティングライセンスでのクライアントの設定
フローティングライセンスで同一ネットワーク上の別のマシンで IMSL C ライブラリを使用する
場合は、サーバー(ライセンスマネージャーを実行しているマシン)と同様に IMSLC ライブラ
リをインストールしたのち、<MAINDIR>\License の下に 2)-③の license.lic ファイルをコピーし
てください。これらのマシンでは、ライセンスマネージャーを実行する必要はありません。
クライアント側のライセンス設定は通常は上記で終了ですが、できればライセンスファイルを次
のように書き換えることをお勧めします。
① ライセンスファイルの一行目の”SERVER”行以外を全て削除する。
② 二行目に”USE_SERVER”と記述する。
クライアントライセンスファイル例:
SERVER HOST1 DISK_SERIAL_NUM=421814d9 27000
USE_SERVER
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このような修正を行うと、クライアントは製品の種類や契約内容についてはサーバーのラ
イセンスファイルを参照します。それによって今後はサーバーマシンが変わらないかぎ
り、製品の種類や契約内容が変更になってもクライアント側のライセンスファイルは修
正する必要がなくなります。
もしこれらクライアントのマシンからサーバーのホスト名が認識できない場合は、ライセンスフ
ァイルの一行目のホスト名を、IP アドレスに書き換えて下さい。
変更例: SERVER HOST1 DISK_SERIAL_NUM=421814d9 27000
↓
SERVER 10.200.9.153 DISK_SERIAL_NUM=421814d9 27000
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4.環境変数の設定
インストール時に環境変数を設定した場合( 2-6)で”はい”をクリックした場合)は、この処
理は必要ありません。
『5.動作確認』に進んで下さい。
インストール時に環境変数を設定しなかった場合( 2-6)で”いいえ”をクリックした場合)は、
次の環境変数の設定が必須です。環境変数は『コントロールパネル』→『システム』→『詳細
設定』→『環境変数』で設定して下さい。
環境変数 path に
<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\CUDA\v4.0\bin ;<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\mkl\<
MKLVER>\lib\<MKLENV>;<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\lib
環境変数 LIB に
<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\CUDA\v4.0\lib\<CUDAENV>;<MAINDIR>\ imsl\cnl800
\<ENV>\mkl\<MKLVER>\lib\<MKLENV>;<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\lib
環境変数 LM_LICENSE_FILE に<MAINDIR>\license
環境変数 IMSLERRPATH に <MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\bin
環境変数 IMSLSERRPATH に <MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\bin
環境変数 INCLUDE に<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\include
※<ENV> は 2 ページの表にある『製品種別略称』の値を指定して下さい。
<MKLVER>は MKL のバージョンです。実際のフォルダを見て確認して下さい。
<MKLENV>は 32bit 版の場合は”ia32”、64bit 版の場合は”intel64”です。
<CUDAENV>は 32bit 版の場合は”Win32”、64bit 版の場合は”x64”です。
同じ環境変数がすでに存在する場合は、セミコロン( ; ) でつないで先頭に値を追加して下さい。
インストール時に設定される環境変数はこれ以外にも多数ありますが、IMSL を使用する際、最低限必
要な環境変数はこの 6 種類です。
ただし、複数 CPU のマシン(デュアルコア含む)の場合は、次の値も指定して下さい。
環境変数 OMP_NESTED に FALSE
環境変数 OMP_NUM_THREADS に OpenMP 並列で実行する際に使用するスレッド数
上記以外の環境変数を確認したい場合は、 <MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\bin\cnlsetup.bat および
<ENV>.bat を参照して下さい。
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5.動作確認
コマンドモードでコンパイル・リンク・実行を行い、IMSL のインストールとライセンスの設
定を確認します。32bit モジュール、64bit モジュールの作成共にこの手順には従って下さい。
1) スタートメニューから、コンパイラのコマンドプロンプトを開きます。
『スタート』→『すべてのプログラム』→『Microsoft Visual Studio 2010』→『Visual
Studio ツール』→『Visual Studio コマンドプロンプト※』を選択
※(注) 64 ビット用実行可能ファイルを作成する場合、64 ビット環境では『Visual Studio
x64Win64
コマンドプロンプト』
、32 ビット環境では『Visual Studio x64 Cross Tools コマンドプロンプ
ト』と
読み替えてください
2) IMSL C ライブラリの環境変数を設定します。
> cd <MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\bin
※ <ENV> は 2 ページの表にある『製品種別略称』の値を指定して下さい。
> cnlsetup.bat
Setting environment for IMSL C Numerical Library と表示されます。
3) math 用、stat 用の検証プログラムで動作の確認を行って下さい。
①下記のコマンドでをコンパイル・リンクを行うと、Visual Studio からコンパイル・リ
ンクメッセージが表示されます。
> cd ..\examples\validate
> %CC% cmath.c %LINK_CNL%
> %CC% cstat.c %LINK_CNL%
※ IMSL C ライブラリには数種類のリンク方法があります。上記コマンドの環境変数
%LINK_CNL%を他の環境変数に変更することによって、別の方法でリンクするこ
とが可能です。リンク用の環境変数とそれぞれの内容は次のとおりです。
リンク用環境変数
内容
LINK_CNL
DLL リンクで BLAS、LAPACK 部分に MKL を使用。SMP
によるパラレル化に対応。
※(注)
LINK_CNL_STATIC
スタティックリンクで BLAS、LAPACK 部分に MKL を使
用。SMP のパラレル化に対応。 ※(注)
LINK_CNL_IMSL
DLL リンク。SMP によるパラレル化に対応。
LINK_CNL_STATIC_IMSL スタティックリンク。SMP のパラレル化に対応。
※インストール時に”Only the IMSL Version”を指定した場合は、LINK_CNL、LINK_CNL_STATIC
も MKL を使用しません。
一般的に MKL を使用すると性能が向上することがあります。MKL を呼び出すリンク方法は、
各ユーザーの環境で評価の上ご使用ください。
リンク内容についての詳細は<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\notes\README.txt を
ご参照下さい。
②次のように例題を実行し、下記のの内容が出力されれば正常終了です。両例題と
も ”TERMINAL Error” が出力されますが、これはエラーメッセージファイルの参照の
可否を確認するためにわざと起こしているエラーなので、特に問題はありません。
> cmath.exe
Library version: IMSL C/Math/Library Version 8.0.0
Solution, x of Ax = b
1
2
3
-2
-2
3
14
The next call will generate an error
*** TERMINAL Error from imsl_f_lin_sol_gen. The order of the matrix must be
***
positive while "n" = -10 is given.
> cstat.exe
Library version: IMSL C/Stat/Library Version 8.0.0
Least Squares Polynomial Coefficients
0
503.3
1
78.9
2
-4.0
The next call generates an error.
*** TERMINAL Error from imsls_f_write_matrix. "nra" = -10. "nra" must be
***
greater than or equal to 0.
4) NVIDIA CUDA4.0 が使用可能なシステムの場合は、CUDA を使用したプログラムの動作
確認を行って下さい。
① コンパイル・リンク方法
> %CC% cuda.c %LINK_CNL_CUDA%
CUDA を使用したリンク方法も Shared、Static の二種類があります。リンク時の環
境変数で変更が可能です。
リンク用環境変数
内容
LINK_CNL_CUDA
DLL リンクで CUDA と IMSL の BLAS を使用
LINK_CNL_STATIC_CUDA
スタティックリンクで CUDA と IMSL の BLAS を使用
② 実行方法
> cuda.exe
次のように表示されれば正常動作です。
The IMSL version of SGER was used.
The CUDA version of SGER was used.
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6. Visual Studio を使用したコンパイル・リンク方法
Visual Studio を使用して C ライブラリをコンパイル・リンクする方法を説明します。
1)『スタート』→『プログラム』→『Microsoft Visual Studio 2010』から、 『Microsoft
Visual Studio 2010』を立ち上げて下さい。
2) Visual Studio のメインメニューから、『ファイル』→『新規作成』→『プロジェクト』
を選択してクリックして下さい。
3) 下記ウィンドウの『プロジェクトの種類』で、
『Visual C++プロジェクト』→『Win32』
を選び、『テンプレート』で『Win32 コンソールアプリケーション』(あるいは『Win32 コ
ンソールプロジェクト』
)を選択して下さい。
任意のプロジェクト名を入力し、場所を選んで『OK』を押して下さい。
4) 『Win32 アプリケーションウィザード』が表示されたら『次へ』(あるいは『アプリケ
ーションの決定』
)ボタンをクリックして下さい。
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5)『追加のオプション』で『空のプロジェクト』をチェックしてから『完了』ボタンを押
して下さい。
6)
メインメニューから『プロジェクト』→『既存項目の追加』を選択して、
<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\examples\validate にある cmath.c または cstat.c を
追加して下さい(CUDA4.0 が使用可能な環境の場合は、cuda.c も同様にテストして
下さい)
。
7) 『プロジェクト』→『<プロジェクト名>プロパティ』を選択し、プロパティページが
開いたら、
『構成プロパティ』→『C/C++』→『全般』を選択し、右側の『追加のイ
ンクルードディレクトリ』に<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\include を入力して下
さい。
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8) 64bit モジュールを作成する場合は、以下の作業を行って下さい。32bit モジュールの場合
は、
『OK』ボタンを押してプロパティページを終了させ、9)に進んで下さい。
8)-1. プロパティページ右上の『構成マネージャ』をクリックして、構成マネージャ画面を表
示させ、『アプリケーションソリューションプラットフォーム』で “新規作成…” を選択し
て下さい。
8)-2 『新しいプラットフォームを入力または選択してください』で、”x64”を選択して、『OK』
ボタンを押して下さい。
8)-3 『プラットフォーム』が”x64”に変わっていることを確認して、『閉じる』をクリックし
て下さい。
8)-4 『OK』ボタンを押してプロパティページを終了させて下さい。
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9) DLL リンクの場合は 9)-A を、static リンクの場合は 9)-B を行って下さい。特別な理由がな
ければ、リンクが簡単でモジュールサイズの小さい DLL リンクをご使用下さい。
9)-A DLL リンクの場合
『プロジェクト』→『既存項目の追加』を選択し、
IMSL C ライブラリパス\imsl\cnl800\<ENV>\lib フォルダのライブラリを用途にあわせ
て追加して下さい。※(注1)
一般的に MKL(Intel Math Kernel Library)を使用すると性能が向上することがあります。
<追加するライブラリ>
リンク内容
追加するライブラリ
Imslcmath_dll.lib Imslcstat_dll.lib
DLL リンク・MKL 使用
Imslcmath_imsl_dll.lib
DLL リンク・MKL 未使用
Imslcstat_imsl_dll.lib
(IMSL の BLAS を使用)
DLL リ ン ク ・ MKL 未 使 用 ・ CUDA と Imslcmath_cuda_dll.lib
Imslcstat_cuda_dll.lib
IMSL の BLAS を使用
※(注2)
※(注1)ライブラリの追加時、『拡張子”.lib”を含むビルドファイルに対するカスタムビルド規則が見つか
りませんでした』といったメッセージが表示されることがありますが、『いいえ』をクリックして無
視して下さい。このメッセージは一度表示された後は、同じ操作をしても表示されません。
※(注2)cuda.c は DLL リンクではこのライブラリの指定でのみテストを行って下さい。逆に cmath.c、
cstat.c はこのライブラリの指定ではテストする必要はありません。
9)-B static リンクの場合
9)-B-1. 『プロジェクト』→『<プロジェクト名>プロパティ』を選択し、プロパティページ
が開いたら、
『構成プロパティ』→『C/C++』→『コード生成』を選択し、右側の「ラン
タイムライブラリ」の値を “マルチスレッドデバッグ(/MTd)” または “マルチスレッド
(/MT)に指定して下さい。
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9)-B-2. プロパディページ左側の『リンカー』→『全般』を選択し、右側の『追加のライ
ブラリディレクトリ』に
”<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\mkl\<MKLVER>\lib\<MKLENV>;<MAINDIR>
\imsl\cnl800\<ENV>\lib” を入力して下さい(フォルダ名の間は;セミコロン)
。
また CUDA を使用している場合は、<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\CUDA\v4.0\lib
\<CUDAENV>も指定して下さい。
※ <MKLENV> :MKL のバージョン。実際のフォルダを確認して下さい。
<MKLENV>:32bit 版の場合は”ia32”、64bit 版の場合は”intel64”
<CUDAENV>は 32bit 版の場合は”Win32”、64bit 版の場合は”x64”です。
9)-B-3. プロパディページ左側の『リンカ』→『入力』を選択し、右側の『追加依存ファ
イル』に 下記表のファイル名を入力して下さい(ファイル名の間は;セミコロン)
。
Math の関数を使用している場合
netapi32.lib comctl32.lib wsock32.lib oldnames.lib
Static リンク・MKL 使用
imslcmath.lib imslcstat.lib <MKL ドライバ>.lib ※(注
1)
mkl_sequential.lib mkl_core.lib
lmgr_md.lib libcrvs_md.lib libsb_md.lib libFNPload.lib
Static リンク・MKL 未使用 netapi32.lib comctl32.lib wsock32.lib oldnames.lib
imslcmath_imsl.lib imslcstat_imsl.lib
(IMSL の BLAS を使用)
lmgr_md.lib libcrvs_md.lib libsb_md.lib libFNPload.lib
Static リ ン ク ・ MKL 未使 netapi32.lib comctl32.lib wsock32.lib oldnames.lib
用 ・ CUDA と IMSL の imslcmath_cuda.lib imslcstat_cuda.lib
cublas.lib cudart.lib cufft.lib
BLAS を使用 ※(注2)
lmgr_md.lib libcrvs_md.lib libsb_md.lib libFNPload.lib
※(注1) <MKL ドライバ>.lib は、32bit のモジュールを作成する場合は mkl_intel_c.lib、
64bit の場合は mkl_intel_lp64.lib を指定して下さい。
※(注2) cuda.c は stastic リンクではこのライブラリの指定でのみテストを行って下さい。
また cmath.c、cstat.c はこのライブラリの指定ではテストする必要はありません。
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9)-B-4. さ ら に 『 特 定 の ラ イ ブ ラ リ の 無 視 』 に 9)-B-1. で ”MT” を 指 定 し た 場 合
は ”libcmt.lib”、”MTd”を指定した場合は ”libcmtd.lib” を指定して下さい。
10) 『ビルド』→『ソリューションのビルド』でコンパイル、リンクを行って下さい。
11) 『デバッグ』→『デバッグなしで開始』でプログラムが実行されます。15 ページのコマン
ドモードでの実行と同じならば正常動作です。
7.オンラインドキュメント
『スタート』→『すべてのプログラム』→『Rogue Wave Software』→『IMSL C Numerical Library
User’s Guide』でオンラインドキュメントのメニューが立ち上がります。IMSL C ライブラリ 8.0 には
PDF 版と HTML 版のオンラインドキュメントがありますが、内容は同一です。
8.OpenMP 並列化設定
IMSL C ライブラリ 8.0 は OpenMP の並列化に対応しており、デュアルコア以上のマシンで
OpenMP 用の環境変数を設定しておけば自動的に並列でジョブが実行されます。
IMSL のモジュールを並列で実行したい場合は、「スタート」→「コントロールパネル」→「シ
ステム」→「詳細設定」→「環境変数」を選択して、環境変数”OMP_NUM_THREADS”に値と
してスレッド数を指定します(デュアルコア時 2、クアッドコア時 4 など)
。
また、IMSL ライブラリでは多重ループの OpenMP のパラレル化を指定する環境変数、
OMP_NESTED の規定値を FALSE(多重ループのパラレル化をしない)としています。多重ル
ープのパラレル化を行いたい場合は、環境変数 “OMP_NESTED”の値を”TRUE”に変更して下さ
い。
21
9.ランタイム環境のインストール
ランタイム環境のインストール方法は、基本的に通常のインストール方法と同じです。ただ
し実際に必要なファイルや環境変数は開発環境よりも少ないので、ファイル容量等が気にな
る場合はインストールの後に不要なものを削除してください。
※ <ENV> は 2 ページの表にある『製品種別略称』の値を指定して下さい。
<MKLENV>は 32bit 版の場合は”ia32”、64bit 版の場合は”intel64”です。
<MKLVER>は MKL のバージョンです。実際のフォルダを見て確認して下さい。
<CUDAENV>は 32bit 版の場合は”Win32”、64bit 版の場合は”x64”です。
ランタイム環境で必要な環境ファイルとフォルダ:
<MAINDIR>\license\license.lic
<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\lib
<MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\bin
<MAINDIR>\ imsl\cnl800\<ENV>\mkl\
CUDA を使用する場合は<MAINDIR>\ imsl\cnl800\<ENV>\CUDA
ランタイム環境で必要な環境変数:
環境変数 path に
<MAINDIR>\ imsl\cnl800\<ENV>\mkl\<MKLVER>\<MKLENV>\bin
; <MAINDIR>\imsl\cnl600\<ENV>\lib
(CUDA を使用する場合は<MAINDIR>\ imsl\cnl800\<ENV>\CUDA\v4.0\bin も追加)
環境変数 LIB に
<MAINDIR>\ imsl\cnl800\<ENV>\mkl\<MKLVER>\<MKLENV>\lib
;<MAINDIR>\imsl\cnl600\<ENV>\lib
(CUDA を使用する場合は
<MAINDIR>\ imsl\cnl800\<ENV>\CUDA\v4.0\lib\<CUDAENV> も 追加)
環境変数 LM_LICENSE_FILE に<MAINDIR>\license
環境変数 IMSLERRPATH に <MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\bin
環境変数 IMSLSERRPATH に <MAINDIR>\imsl\cnl800\<ENV>\bin
(複数 CPU のマシンのみ)
環境変数 OMP_NESTED に FALSE
環境変数 OMP_NUM_THREADS に OpenMP 並列で実行する際に使用するスレッド数
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10.IMSL 製品に関するお問い合わせ
本インストールガイドに関するご質問及び IMSL 製品のインストールトラブルに関する
ご質問は下記まで、E-mail、FAX、または弊社ホームページの技術サポートフォームより
お問い合わせください。
尚、その際弊社発行のライセンス番号をお知らせくださいます様お願いいたします。
[お問い合わせ先]
ローグウェーブ ソフトウェア ジャパン㈱
E-mail
カスタマーサポートセンター
[email protected] (技術的なお問合わせ)
[email protected] (ライセンスファイル申請)
FAX
(03)5211-7769
技術サポートフォーム http://www.roguewave.jp/forms/tech_sprt_request.html
[受付時間]
年末年始 (12/30~1/3)
、祝祭日、弊社創立記念日(7 月第 2 月曜日)を除く
月曜日~金曜日の 10:00~17:00
[お知らせ頂く内容]
・ ライセンス番号
・ 所属機関、部署名
・ ご担当者名
・ ご連絡先:E-mail、電話番号、FAX 番号
・ お問い合わせの内容、トラブル内容
・ ご使用環境(OS の種類、バージョン)
以上
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別紙:Microsoft Windows Vista 上でのライセンスマネージャ設定
ローグウェーブ ソフトウェア ジャパン株式会社 カスタマーサポートセンター
本書の適用範囲
VNI 製品が採用するライセンス管理機構「FLEXnet」に関する問題のうち、下記に該当する場合
1. フローティングライセンスを利用する設定に失敗する。
2. システム起動時および任意のタイミングでサービスとして起動できない。
背景
Windows XP や Windows Server 2003 とは違い、Windows Vista や 7、Windows Server 2008 は
セキュリティ面が大幅に強化されています。具体的には、UAC (User Account Control) と呼ばれ
るシステムに影響を与えるような変更を不用意に行うことを防止する機能が実装されています。
このため、XP や WS2003 では管理者権限を持つアカウントであれば OS の設定変更を含めすべ
ての操作が許容されましたが、Vista や WS2008 では管理者権限を持つアカウントであっても再
度確認ダイアログが表示されることがあります。
弊社製品に同梱される FLEXnet のバージョンとその使い方によってはこの UAC との連携がうま
くいかず、上記のような問題が発生するケースがあります。
対応策
1.
lmtools.exe の起動方法の確認
サービスとして設定する際には、lmtools.exe を利用します。その際、管理者権限を持つアカ
ウントでのログオンに加え Vista や WS2008 ではさらに本ツールを「管理者として実行」す
る必要があります。
方法は、右クリックコンテキストメニューから「管理者として実行」を選択・実行してくだ
さい。再度確認ダイアログが出ますので、そこでは「許可(A)」を選択していただければ OK
です。
これを行わなかった場合、サービス設定内容を保存しようとするとエラーになることがあり
ます
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2.
lmtools.exe, lmgrd.exe の権限設定
次回以降マシンの起動時にサービスとして立ち上げる場合は、lmtools.exe および lmgrd.exe
のプロパティ(これらの右クリックメニューから「プロパティ」を選択)にて特権レベル設
定を行ってください。
方法は、「互換性」タブの下の方「特権レベル」の中の「管理者としてこのプログラムを実行
する」にチェックを入れてください。
それでも問題が解決しない場合
上記を行っても問題が解決しない場合は、FLEXnet モジュールを更新いただく必要がございます。
大変お手数ですがローグウェーブ ソフトウェア ジャパン株式会社カスタマーサポートセンターま
でご連絡いただき、更新ファイル(lmgrd.exe, vni.exe, lmtools.exe and lmutil.exe)の入手後下記
を実施してください。
1.
2.
3.
4.
5.
プロセスが残っていることによるコピー失敗を防ぐため、一度 Vista を再起動
再起動後すぐに上記 4 ファイルを上書きコピー
lmtools.exe を管理者として実行し、「Config Services」タブのライセンスファイル設定内容
を確認
同じく lmtools.exe の「Start/Stop/Reread」タブで「Start Server」ボタンを押し、"Server
Start Successful"メッセージが出ることを確認(すでにサーバが起動している旨のエラーが出
た場合は、一度「Stop Server」ボタンを押してから再度「Start Server」ボタンを押してくだ
さい)
もう一度 Vista を再起動し、起動後 IMSL/JMSL/PV-WAVE が正常に使えることを確認
以上
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