ヤフーの財務会計システムを 短期間で「Oracle EBS

ヤフー株式会社
本社
設立
資本金
事業内容
URL
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー
1996年
82億7,900万円(2014年12月末現在)
インターネット上の広告事業、
イーコマース事業、会員サービス事業 等
http://www.yahoo.co.jp/
従来のERPの課題は?
● 事業規模に対してERPの処理能力が限界。
● IFRS対応の決算に、別ソフトの作業が必要。
TISを選択した理由は?
● ERP製品を公平に比較・評価できる客観性。
● 大規模システムでの豊富なERP導入実績。
ヤフーの財務会計システムを
短期間で
「Oracle EBS」
へ刷新
短期導入の決め手は?
● TISの経験に基づくプロジェクトのマネジメント。
● 既存システムと
「TIS自動仕訳エンジン」
を介
しての連携。
導入による効果は?
● ERP上で直接、
IFRS対応の決算業務が可能に。
● 経理情報の統合データベース化の基盤が
完成。
「Yahoo! JAPAN」
を運営するヤフー株式会社
(以下ヤフー)
は、財務会計等の
経理業務を行うERPの刷新を計画。コンサルティングから参画したTISは、候補
の各種ERP製品の性能評価を担うとともに、選定された
「Oracle E-Business
Suite」
(以下Oracle EBS)
の短期導入を支援した。
課題
事業の成長に遅れをとるERP
名実ともに日本最大級のポータルサイト
のパッケージを導入。だが、事業規模の拡大に
「Yahoo! JAPAN」
は、約605億ページビュー
伴い、売上が当時の約3倍へと成長したこと
/月※、アクティブユーザ約2,800万IDと、圧
で、ERPの処理能力は限界に近づいていた。
提供も遅れがちだった。さらに大きな課題は、
製品がIFRS
(国際会計基準)
未対応という点。
「2014年度からIFRS対応の決算開示が決定
倒的な閲覧数を誇る。運営を行うヤフーは、
「外部システムからデータを取り込むバッチ処
していました。当面は、ERPのデータを外部ソ
PCからスマートデバイスへと主役が移り変わ
理に時間を要し、時にはフリーズすることもあ
フトで計算処理する方法でIFRSを適用する予
る時代のなか、
2012年4月に経営体制を一新。
りました。決算開示の遅れには至らなかったも
定でしたが、作業工程が複雑化すると誤りが
のの、大きな金額を扱うには明らかに不都合
起きるリスクもあり、IFRS対応のERPへの早
が生じていました」
(経理部 中里秀行氏)
。
期移行は必須となっていました」
( 情報システ
ヤフーは2005年に、決算業務および債務
また、パッケージベンダーのサポート体制
ム本部 川上裕之氏)
。
管理
(支払等)
を行うERPとして、国内ベンダー
は十分と言えず、税金など法改正後のパッチ
※2014年10月〜12月の平均値
「第二の創業」
を掲げてスピード経営に取り組
んでいる。
選択
TISのコンサルティングで
「Oracle EBS」
を選択
2013年夏、ヤフーはまず、新たなERPパッ
に臨んでいました。一方、TISは製品にこだわ
ンで業務・組織が大きく変貌する、ヤフーのス
ケージを選定するため、SIベンダーをコンサ
らない公平な立場と、大規模ERPの導入経験
ピード経営への適性であった。
「 最終候補に
ルタントとして入れることを計画。
「我々は
が豊富であることが社内の評価を集めました」
は、
テンプレートの種類の多さをうたう製品も
Webエンジニアリングの知識はあっても、会
(川上氏)
。そして2013年9月から3カ月にわ
ありましたが、既成のテンプレートでは、当社
計は強みをもつ領域ではありません。専門的
たり、TISによる業務分析および各種製品の性
の変化の速さに追随できません。
これに対して
な意見を取り入れ、最適な製品を確実に見極
能評価が行われた。結果は逐次、TISが比較
『Oracle EBS』は、データソースの構造が公
めたいと考えたのです」
(川上氏)
。こうして、
コ
テーブルにまとめ、ヤフーに提出された。
「こ
開されており、業務に合わせて柔軟なカスタ
ンサルティングおよび導入を担うパートナー
のコンサルティングの結果と、実際に社員が
マイズが行える点を評価しました」
(川上氏)
。
として、10社以上のSIベンダーが候補となる。
操作を行った評価をもとに、
『 Oracle EBS』
さらに、モジュールを追加することで、適用業
そのなかから選ばれたのがTISであった。
など数製品に絞り込みました」
( 業務推進部
務の範囲を広げられる拡張性の高さも評価ポ
「ほとんどのベンダーは、各社それぞれ得
佐藤恭一氏)
。
イントとなった。
こうして新たなERPパッケージ
意とする製品があり、それを前提として提案
最後に決め手となったのは、数カ月のスパ
として
「Oracle EBS」
が選定された。
ヤフー株式会社
導入
綿密なプロジェクト管理で短期導入を実現
2 0 1 4 年 2 月に開 始した導 入フェーズで
と語る。
これは、既存システムのデータを
「Oracle
は、従来のERPと同じく
「財務会計(GL)
「
」債
今回の導入を成功させるうえで、ヤフーと
EBS」
に適したかたちに変換し、スムーズな受
務管理
(AP)
」
にモジュールを絞り、8カ月とい
TISは、社内に存在する約15もの既存システ
け渡しを可能にするツール。通常は連携する
う短期間で確実に導入することを最大の目
ムと
「Oracle EBS」
を連携させることが、ひと
システムごとに個別のアドオンを開発する必
標とした。
つの課題であると認識していた。
「これらシス
要があるが、本ツールを利用すれば専用の
プロジェクトにおけるTISの動きを川上氏は
テムは、激しく変化する業務内容に対応する
画面上で仕訳ルールを設定するだけで済む。
「当初は、ヤフー側が進捗をマネジメントする
ため、社内のエンジニアがその都度構築した
「プログラミングの工程を減らせたことは、
計画でしたが、定例会議でTISが提出する進
もので、それぞれが複雑に絡み合い動いてい
短期導入とコスト削減に成功した大きな要
捗管理表を見ると、まったく非の打ち所がな
ます」
( 佐藤氏)
。ここで効果を発揮したのが、
因です」
( 川上氏)。こうして2014年9月に予
い。すべてのマネジメントをTISに任せた方が
TISが「Oracle EBS」向けに独自開発した
定どおり導入フェーズが終了、翌10月から
うまくいくと判断し、方針を切り替えました」
効果
「Oracle EBS」
が本稼働を開始した。
「TIS自動仕訳エンジン」
であった。
会計情報の統合データベース化を目指す
ヤフーが2015年2月に開示した四半期
踏み出せました」
。
EBSのプロ”
であるTISが上流工程から加わっ
決算報告では、初めて「Oracle EBS」単独
コンサ ルティングから導入までを担った
たことで、私たちにはできない複数のERP製
で処理したIFRS対応の決算情報が用いられ
TISに対しての印象をこう語る。
「 ヤフー社内
品の性能評価が可能になり、プロジェクトで
た。
「 外 部ソフトによる計 算 処 理 が 不 要と
には必要なシステムは自分たちでつくる文化
は目が届きにくい細部までフォローしてもら
なったことで、決算業務がシンプルになり作
があり、ERPパッケージを独力で導入するこ
えました。今回の成功は、TISがいてこそ得ら
業手順がより厳密に。内部統制強化にもつ
とも選択肢のひとつでした。
しかし、
“ Oracle
れた結果だと思います」
(川上氏)
。
な がりました」
( 中 里 氏 )。処 理 速 度 の 面 で
も、データ集計のバッチ処理が半分に短縮
「Oracle EBS」導入後のイメージ
されたケースもあり、体感速度は大きく向上
したという。
は大きいと川上氏は語る。
「 従来のERPには、
BIツールで分析する程のデータソースが蓄
購買システム
人事システム
積されていませんでした。組織変更の履歴も
登録されておらず、部門によっては年ごとの
売上推移を確認することも困難でした。当社
既存の社内
システム群
が目指すのは、あらゆる経理情報をタイム
T I S 自 動 仕 訳エンジン
経 営 の 意 思 決 定 の 迅 速 化に取り組 むヤ
フーにとって、
「 Oracle EBS」
に寄せる期待
Oracle EBS
固定資産管理システム
リーに閲覧できる統合データベースの実現。
財務会計(GL)
月次/決算
残高管理
仕訳照会 等
債務管理(AP)
支払
債務計上
仕入先管理 等
『Oracle EBS』の導入で、その最初の一歩を
お客様の声
導入フェーズでは、突然の仕様変更にも迅速に対処いただき、TISの
柔軟な対応に感謝します。期待に違わない
「Oracle EBS」
の性能、そ
してSIベンダーとしてのTISに対する評価は、既に親会社にも報告済
みです。今後
「Oracle EBS」
を導入するグループ会社が増えれば、
それがバックエンドを担当する部門の“共通語”
となり、会社の違い
を超えて交流する機会につながることに期待しています。
ヤフー株式会社
経理部 主計チーム リーダー
中里 秀行氏
Oracle E-Business Suite
http://www.tis.jp/service_solution/oracle_ebs/
▲
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▲
本事例に掲載のTISサービスはこちら
ヤフー株式会社
ヤフー株式会社
システム統括本部
業務推進部 業務企画
情報システム本部 本部長(当時) 佐藤 恭一
氏
川上 裕之氏
http://www.tis.co.jp/
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2015年5月作成 TJ2015-05-2P-062