IBMテクノロジーと オープンソースを強みに

パートナーのクラウドビジネス攻略術
Sof tLayer
AIT
こう売る!
は
http://www.ait.co.jp/
IBMテクノロジーと
で、日本のユーザーにその知見を提供するサービ
スを展開している。とりわけOSSの定番データベ
ースとなっている「PostgreSQL」のサポートでは、
オープンソースを強みに
“国内最高水準である”と評価が高い。
「従来のハードウェア購入型に比べてコストを
平準化しやすいパブリッククラウドのSoftLayer
と、商用パッケージソフト製品に比べてライセン
クラウドビジネスを強力に推進
ス料を抑えられるOSSを組み合わせることで、IT
基盤部分への投資を節約し、ユーザーの付加価
値の部分、ライバル他社と差異化したい領域へ
SRAホールディングスグループで、IBMビジネスパートナーのAITは、
「SoftLayer」とオー
のIT投資を重点的に拡大できる」
(小関翼・クラ
プンソースソフトウェア(OSS)を組み合わせたビジネスを伸ばしている。OSSを使ったシ
ウド&ソリューション営業本部ソリューション 営
ステムをSoftLayer上で構築、サポートするサービスメニューを整備するとともに、今後は
業部係長)と、メリットを強調する。
OSSと密接に関連する「IBM Bluemix(Bluemix)
」利用者へのサポートも視野にいれている。
AITはIBM Power SystemsやIBM Storageの構
IBMテクノロジーをベースとしつつ、クラウドとOSSを組み合わせる独自のサービスを打ち
築を多く手がけてきたIBMのソリューションプロ
出すことで競争優位性を高めているのだ。
バイダに位置付けられIBM構築ビジネスへの顕著
な貢献に対して贈られるIBMサービス・エクセレ
ント・アワードを2年連続で受賞した実績を誇る。
一方、SoftLayerの前身であったIBM SCEの時代
から現在に至るまでクラウドビジネスへもシフト
「OSSサポート
for SoftLayer」を投入
してきた経緯がある。またSoftLayer上でAITが取
り扱う主力製品の中には、米SugarCRM(シュガ
AITが打ち出した「OSSサポートサービス for
ー・シーアールエム)が商用化しているOSSベ
SoftLayer」は、SoftLayerのプラットフォーム上
ースのCRM/SFAシステムの「SugarCRM」が
での主要なOSSを網羅し、支援するものだ。サ
あり、ここにSoftLayerを活用するケースが現れ
ポートメニューの最小構成はウェブサーバーの
ITサービス事業本部
第一ITサービス部部長
勝田径代 氏
「Apache」
、ウェブアプリケーションサーバーの
「Tomcat」
、データベースの「PostgreSQL」の3
ソリューション営業本部
クラウド&ソリューション
営業部係長
小関翼 氏
はじめている。大手製造業向けには、そのヘルプ
デスクシステムにSugarCRMが採用された実績を
持つ。
つを組み合わせたサービスで、「ポピュラーな3つ
そのOSSサポートサービスの中核を担うのは、
のOSSに特定し、さらにSoftLayer利用者に限定
AITと同じSRAホールディングスグループのSRA
した魅力的な価格体系の【ライト】メニューを設
OSSだ。SRA OSSは、オープンソースビジネス
定した」
(勝田径代・ITサービス事業本部 第一IT
推進協議会(OBCI)やPostgreSQLエンタープ
AITでは今後利用が一層進むであろうBluemix
サービス部部長)とSoftLayer利用を意識した事
ライズ・コンソーシアムなどOSS推進団体の中
利 用者のOSSサポートも視 野に入れている。
を強調する(図参照)
。
心的役割を担いOSSの技術動向をいち早く掴ん
BluemixはPaaSに位置付けられ、開発フレーム
Bluemixも視野に入れた
サービスメニュー
ワークやアプリケーション・サービスといった開
発者にとって便利な機能が準備されており、クラ
ウド・アプリケーションの作成、デプロイや管理
「OSSサポートサービス for SoftLayer」サービスメニュー(一部)
ライト
ベーシック
プロフェッショナル
を簡単・迅速に行う事ができる。Bluemixのライ
ウェブサーバー(Apache)
○
○
○
アプリケーションサーバー(Tomcat)
○
○
○
ンアップのなかにはIBM独自のソフトウェアモジ
データベース(PostgreSQL)
○
○
○
メールサーバー(sendmail 他)
○
○
LDAPサーバー(OpenLDAP)
○
○
長)とし、IBMテクノロジーとOSSの分野でAIT
DNSサーバー(Bind)
○
○
の強みを生かせる領域と位置づける。
FTPサーバー(ProFTPD 他)
○
○
キャッシュサーバー(Squid)
○
○
AITは、IBMのハードウェアやソフトウェア販
ロードバランサ/リバースプロキシ(Pound)
○
○
ファイル/プリントサーバー(Samba)
○
○
セキュリティ(OpenSSL)
○
○
構築を従来のビジネスに付け加えるかたちで成長
KVS(Memcached 他)
○
○
を持続させている。
「収益モデルが異なるなかで
HAソフトウェア(DRBD 他)
○
○
もIBMプラットフォーム上で構築を行うという点
分散処理(Hadoop)
○
シングルサインオン(OpenAM)
○
運用監視(Zabbix、Hinemos)
○
AITの資料をもとに『週刊BCN』編集部で作成
ュールだけでなく、多くのOSSも含まれており、
「BluemixとOSSとは密接な関係にある」
(勝田部
売中心に成長してきたソリューションプロバイダ
であるが、それが今ではクラウド上でのシステム
では大きな違いはない」
(勝田部長)と、従来の
ビジネスモデルにIBMテクノロジーとOSSの強み
を加えたAITの今後のSoftLayer推進力に大いに
期待が持てる。
photo by Hirokazu Hasegawa
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Case Study
BCN 2015 5 /11
MON
vol.1578
第3種郵便物認可