都市型農業ICTに向けた ⽔耕栽培システムの開発 情報理⼯学研究科 情報・通信⼯学専攻 佐藤証 1 研究者略歴 国⽴⼤学法⼈電気通信⼤学 情報理⼯学研究科教授 佐藤証 1989年 早稲⽥⼤学⼤学院理⼯学研究科電気⼯学専 攻修⼠課程修了 同年 ⽇本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所⼊所 ⾼性能回路技術に関する研究開発に従事し,メイン フレームやストレージデバイスに暗号,データ圧 縮,エラー訂正機能を導⼊ 1999年 早稲⽥⼤学より博⼠(⼯学)授与 2007年 (独)産業技術総合研究所⼊所 ICカード等の暗号デバイスの安全性評価⼿法の国際標準化,近距離無線 規格IEEE802.15.6の標準化とヘルスケアへの応⽤の研究等に従事 2013年 国⽴電気通信⼤学赴任 顧問として電通⼤ベンチャーの⽴ち上げ,物理セキュリティ評価装置の ビジネス,無線センサネットワークの⽤いた植物⼯場への応⽤の研究等 に従事 2 研究領域 研究 ⼩型・⾼速・省電⼒実 装 セキュリティ ディペンダビリティ 近接無線・センサー技術 微⼩信号 検出 PUF 暗号 プライバシー保護 NFC 組み込みSW/HW 電磁波モニタ FPGA動的再構成 トレーサビリティ 真贋判定 ICカード・RFID 無線規格 半導体・医薬品・⾷料品 IEEE 802.15.6 医療・ヘルスケア Body Area Network セキュリティ評価 ISO/IEC 19790/24759/17825 模倣品対策 GS1 BarCodes/EPCglobal ISO PC246/TC247 T20/T21/T22 標準化 脈拍センサ カプセル 内視鏡 健康管理 ⾒守り介護 アミューズメント スマート フォン等 ⾎流センサ ⾞載システム ⾞内ネットワーク データセキュリティ リアルタイム制御 ⾮正規品混⼊防⽌ 実⽤化・事業化 概要 4 ⽬的 電気通信⼤学で開発中の無線センサーネットワーク技術を広 島上野園芸の『空宙栽培⽅式』に適⽤し,⽣育環境をモニ ター・制御,栽培のノウハウのデータ化することで,低コス トで効率的なスマート農業システムを開発する 都市部の屋上やベランダ等の中⼩規模の遊休スペースを利⽤ し,無農薬で⾼糖度のトマトを⽔耕栽培により育て,地産地 消としての加⼯・販売による6次産業化,屋上緑化や憩いの スペースとしての活⽤など付加価値の⾼いビジネスを⾏う 5 新規性と優位性 新規性 - 地⽅での⼤規模集中化と逆の省スペース都市型分散農業 農地ではなく屋上等の遊休地を利⽤した空宙⽔耕栽培 無線センサで⽣育環境をモニタ・管理しながら栽培のノウハウをDB化 葉物だけでない多品種の果菜類の栽培に対応 優位性 - ⾷の安全に応える無農薬栽 培や⾼いトレーサビリティ - 液肥の管理による⾼品質果 菜の栽培(トマトは糖度12 度とくだもの並) - ビルの屋上緑化や憩いのス ペース等の付加価値の創出 - 栽培・加⼯・販売まで6次産 業化による究極の地産地消 - 都⼼型農業により⽇本の農 業の後継者を育成 6 現在の状況 広島上野園芸の技術『空宙栽培⽅式』と電気通信⼤学のセン サー技術を組み合わせたトマト・キウリ等の試験栽培を開始 - ⼤学屋上,横須賀の企業の屋上,⼤学近隣の農家 - トマトを4⽉末に苗を定植し,6⽉下旬から収穫の予定 - 同時期に栽培を始めたキウリは3週間⽬から収穫開始 東京都農林総合研究センターとト マトの⽔耕栽培について農学と⼯ 学の⽴場から協⼒ 銀座の三井不動産ビルで7⽉から 試験栽培を始め.収穫したトマト は⽇本橋のレストランに提供予定 病院や学校等への設置などの社会 貢献を検討中 研究開発の背景 8 植物⼯場の市場拡⼤ 中国等の外国産⾷材の問題から,安全・安⼼な国産⾷材を 求める消費者意識の⾼まり 天候に左右されない安定供給と⽣産性の向上 農業先進国のオランダの1/10の規模 (億円) 1,600 国内植物⼯場の市場規模 完全⼈⼯光型 1,400 完全人工光型 太陽光利用型 1,200 1,000 443 303 800 201 600 400 200 0 34 132 199 271 2013 2015 1,057 814 532 2018 2020 2025 2014年2⽉⽮野経済研究所推計 太陽光利⽤型 9 植物⼯場の特徴 環境モニタリングと⽣育予測に基いた計画的な⽣産 環境制御で⽣育や品質を調節 ⽣産技術 農薬・肥料・⽔分の使⽤量を低減 栄養成分・機能性成分の強化 施設内の快適な環境で⽐較的軽労働が中⼼ 天候に左右されず歩留まりが⾼く,定価での安定供給 販売 ⾍や異物の混⼊が少なく,洗浄や調製作業の縮減 完全なトレーサビリティ 設備 ⽴地場所を選ばず⾮農地・栽培不適地での⽣産 完全⼈⼯光型では多段化による⾼度な空間利⽤ 10 国内植物⼯場と栽培作物 2009年3⽉の50ヶ所が,2013年3⽉で383ヶ所に急増 しかし中⼼は葉物 平成21年3⽉現在 http://miraigroup.jp/vegetables/ 11 ⼀般家庭⽤⽔耕栽培装置 LED照明を⽤いた⽔耕栽培装置(1~2万円)が売れている 専⽤種800円/回,電気代300円/⽉なのでユーザは元を 取れないが,新鮮・安⼼,インテリアとして受けている 装置の売り切りでないビジネス 単純な機構で葉物の栽培しかできない http://store.greenfarm.uing.u-tc.co.jp/ 12 なぜ葉物なのか? 果実は葉が育っても売り物にならず,エネルギー効率 の点で⽣産コストが⾒合わない 果実は葉物の何倍もの場所を取る 果実は栽培にノウハウと⼿間を要し⾮常に難しい 低カリウムメロンなど付加価値の⾼い果実の栽培 ⼤規模⼯場ではなく,空き部屋,ベランダ,屋上等の スペースを活⽤ センサー・無線通信技術を⽤いて,環境・⽣育データ を監視し,栽培のノウハウやカンを知財として蓄積 ICT技術を⽤いた⾼付加価値植物の栽培 ⽔耕栽培装置の研究開発 〜完全⼈⼯光型〜 14 提供する製品・サービスと開発する技術 製品・サービス 実のなる野菜・果物を主とし,センサーによって育成状 況を監視し制御する⽔耕栽培システム 屋外農場を含め,センサ情報をサーバーにリアルタイム 送信し,モバイル端末で栽培を管理する無線システム 低カリウムや医薬品の原料等⾼機能な作物も視野に 開発技術 メンテナンス・ランニングコストを含めて低コストで⽣ 産性の⾼い⽔耕栽培装置・機構 栽培環境・育成状況をセンサーで監視し無線で制御を⾏ う電気・電⼦系システム 栽培のノウハウを,各種センサーデータと連動・解析し 知財として蓄積・活⽤する解析システム 15 試作システムの概要 ローカルサーバー 管理サーバー ⽣育データ蓄積 解析・制御 データ/制御 栽培サポート データ 制御 ⽔耕栽培装置 センサモジュール モバイル端末 16 太陽光利⽤型装置 循環ポンプ,エアー,ヒーターを備えた初号機を作製 制御は現在タイマーとサーモスタット 製作⽇数30⽇,製作費3万円 トマトといちごを試験栽培 17 太陽光利⽤型装置 ⽐較実験⽤に⼩型・簡易化した⼆号機を6台製作 初号機と基本機能は同じでLEDを設置 トマトとレタスを定植 I科の他研究室に配布 製作⽇数30⽇,製作費9,000円/台 単体の植物育成⽤の三号機を試作 三号機 ⼆号機 トマト・レタス定植 LED設置 18 完全⼈⼯光型装置 センサ制御による完全⼈⼯光型装置 - 植物育成⽤蛍光灯・LED - 循環ポンプ,エアレーション,ヒーター,ファン,冷却装置, ⽔位センサー,温度センサー 製作⽇数30⽇,製作費30万円 いちごの試験栽培中 19 開発状況〜センサーモジュール Arduinoに温度,湿度,照度,⼟中湿度センサーを実装し, SDカードにデータを記録するモジュールを開発 東京農⼯⼤学の屋外ブルーベリー園に設置し信頼性評価試験 ⽔位センサーを実装しRaspberry Piと通信(有線)しPCにロ グを記録するモジュールを⼆号機に設置 複数センサーの設置と,収集データ の収集には無線技術の導⼊が不可⽋ 20 最近の無線デバイス 500円SIM+SIMフリー3Gルーター - 携帯電話の3G回線を利⽤して低速(数百Kbps)ながら安価(500円/ ⽉〜)なデータ通信を⾏うサービスが登場 - 電波法の規制で利⽤可能な3Gルーターは限られ 価格も7,000円程度と安くはない 2.4GHz帯省電⼒通信デバイス - ZigBee:250kbpsと低速ながら消費電⼒が少な く乾電池で数ヶ⽉~2年利⽤可能 - Bluetooth LE (SMART):ヘルスケア,スポー ツ,IoT等の⽤途に開発された規格.通信速度 ~1Mbps.乾電池で数ヶ⽉〜2年利⽤可能 直進性が⾼い2.4GHz通信は 障害物に弱く⽔に吸収されやすい 21 EnOcean 独Siemens AGが開発したバッテリーレス無線通信技術 欧⽶で300社以上の企業が1,200種類以上の製品を販売 - メイン⽤途はビルオートメーションで,照明スイッチ,窓開閉検 知,動体センサー,各種スイッチ等 国内で無線通信には315MHzと928MHzが使⽤可能で, 2.4GHzのように⽔・⾦属等の障害物の影響を受けにくい 通信距離は⾒通し300mで広い耕作地にセンサーを点在さ せるのに有利 ⽔や遮蔽物の多い屋内の植物 ⼯場での利⽤にも有利 https://www.enocean.com/jp 22 LED照明の制御 多くの植物⼯場では電源オン/オフによる照明の点灯時間 の制御しか⾏われていない - ⽣育状況に応じた調光・光源(波⻑)制御も育成・省電⼒に重要 - 数百本の照明を有線で制御するのは困難 - ウシオライティングから2014年10⽉にEnOcean内蔵の無線制御 LED照明が発表された 複数作物・⾼付加価値作物の栽培に照明以外の制御も必要 植物⼯場の環境データ取得と 環境制御にもEnOceanを活⽤ http://www.ushiolighting.co.jp/cms/news/?p=4281#more-4281 ⽔耕栽培装置の研究開発 〜太陽光利⽤型〜 24 都⼼における植物⼯場の⼤きな可能性 ⼤きな消費地は東京・⼤阪だが,農業ICTや植物⼯場は 東北や北海道などが中⼼ 完全⼈⼯光型植物⼯場は電気を⾷う ⾍の侵⼊に細⼼の注意が必要 育成のために⼆酸化炭素ガスを⽣産している 広い⼟地・農地が必要なためだが,都⼼には使われて いない屋上が多数ある 屋上は⽇当たりがよい ⾍の⼼配がほとんどない 緑地化によりヒートアイランド対策のほかカーボンオ フセットや空調効率の向上などの効果が得られる 地産地消からさらにブランド化も 25 屋上・壁⾯緑化 都市部のビル屋上の緑化・菜園導⼊のメリット - 利⽤者のストレス緩和・宣伝効果 - ヒートアイランド現象対策・温室効果ガスの削減 ⾏政の⽀援・優遇制度 - 都市緑地法第34条は⼀定規模以上の建築物の新築・増築に敷地⾯積の ⼀定割合以上の緑化を義務付けている - 低利融資制度:⽇本政策投資銀⾏から建設費の融資が受けられる. - 都市計画上の優遇制度:容積率が割り増しされる. - 固定資産税の軽減:緑化施設整備計画認定制度で認定された緑化重点 地区内の建物は固定資産税が5年間1/2に軽減される - 助成制度:建設省住宅局,北区・板橋区・中央区・豊島区など ⼆番町ガーデンの壁⾯緑化 なんばパークス ゴーヤのカーテン 26 屋上・壁⾯緑化実績 国⼟交通省『平成25年 全国屋上・壁⾯緑化施⼯実績調査』 http://www.mlit.go.jp/report/press/toshi10_hh_000171.html - 2014年中で屋上緑化23.8ha(サッカーコート約33⾯分),壁⾯緑化 約6.3ha(同約9⾯分) - 2000〜2013年の14年間で,屋上緑化約383ha,壁⾯緑化約62ha - 2013年は医療福祉施設における屋上緑化空間の創出が過去最⾼の 施⼯実績 屋上緑化施⾏⾯積 壁⾯緑化施⾏⾯積 27 屋上・壁⾯緑化実績 建築着⼯数はH21〜25年でほぼ横ばいで推移 屋上緑化の施⼯件数はH21〜24でほぼ横ばい,H24〜25 年で減少 壁⾯緑化の施⼯件数はほぼ横ばいで推移 屋上緑化は壁⾯緑化に⽐べてコストやメンテナンスの課題 が⼤きい 建築着⼯数は『建築着⼯統計調査(H25 国⼟交通省)』における鉄⾻鉄筋コンクリート造着・造着⼯数 28 防⽔ 屋上緑化の課題 - ⼀般的な屋上の防⽔⼯事以上に慎重な計画と施⼯が必要 防根 - 根が⼟壌を貫通し防⽔⾯を破ると⽔漏れ・構造物の破壊が⽣じる 灌漑・排⽔・通気性の確保 - ⼈⼿での⽔やりのコストやスプリンクラー設置の検討 軽量化 - 芝類で300kg/m2,⾼⽊で1000kg/m2の荷重⾒込みが必要 ⼿⼊れの簡便化 - 吸⽔・剪定の⼿間は⼀般的な庭園同様かそれ以上に必要 ⽔耕栽培⽅式の空中トマトは これらの問題が解決できる 29 空宙トマト 広島の上野園芸の⽔耕栽培システム 地⾯から離れた空間で栽培 広い空間を⽴体的に活⽤ ⽴ったまま農作業が可能 夏場に⽇陰で作業が可能 タイマーでタンクの⽔を循環 他の制御は⼀切なし 太陽電池で駆動可 環境制御により収穫量は向上する 30 空宙トマト ⽴林⽅式で狭い⾯積で集約的な栽培 果菜類や葉物野菜,根菜類等も栽培可能 - いちご,キャベツ,レス,きうり,すいか,芋 栽培指導の⼿間から広島市内数ヶ所での栽培 - 上野農園の他,学校やデパート屋上ビヤガーデン等 1セット(売価20万円)で4m×4mのトマトに よる緑化が可能 導⼊が容易で制御系の設置も簡単 太陽電池で ⽔を循環 トマトの栽培も可能 ⼤学屋上での栽培実験 4月22日 装置の組み立て 6月6日 32 4月30日 5月8日 5月13日 土での栽培 33 空宙トマト 無線技術による遠隔管理により導⼊エリアの拡⼤が可能 - センサ・カメラ・通信機器等は各数千円で⼊⼿可能 - 通信料⾦も500円/⽉〜 家庭菜園的な簡易装置には⼗分だが,中〜⼤規模のビジ ネス化には装置の信頼性,機能の充実,保守管理が重要 環境に応じた育成のノウハウが不可⽋ 都⼼のビル屋上の緑化ビジネスに有望 ⼀番多いトラブルは⽔切れ … バビロンの空中庭園(B.C.700) 天空の城ラピュタ ©スタジオジブリ 34 空宙トマト+無線技術 国⼟交通省『全国における「緑のカーテン」取組み状況』 (http://www.mlit.go.jp/common/000996286.pdf)による と2012年度「緑のカーテン」へ取組む地⽅公共団体の数は 369団体で前年の231団体の1.6倍.⼤都市に限らず全国的な 広がりを⾒せている 空宙トマト装置 Intel Edisonによる 育成環境のモニター 春から電通⼤の屋上でも無線センサーを⽤いた 空宙トマトの試験栽培中 35 個⼈住宅での環境問題に関する調査 2009年の三井不動産レジデンシャル株式会社の住宅購⼊検討者 へのアンケートで,9割以上が「環境問題に関⼼がある」と回答 導⼊を希望する環境対応型設備機器は、「省エネ型家電」が トップで導⼊意向は97.5% 「屋上・壁⾯緑化」の 55.5%は12項⽬で最下位 だが「環境への効果が しっかりと実感できそ う」との導⼊意向理由は 71.5%で他の項⽬に⽐べ 極めて⾼い 緑化は設備・機器に⽐べ 導⼊の敷居が⾼いが 環境対策のイメージが ⾮常に良い http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2009/1014/index.html 36 個⼈住宅での環境問題に関する調査 2014年の環境省の『グリーンカーテンに関するアンケート結 果』(http://www.env.go.jp/earth/setsudenco2/green.pdf)に よるとグリーンカーテンの認知度は約8割と⾼く,約5割が栽 培に関⼼を持っているが,2013年に育てた⼈は約1割,育て た経験のある⼈は約2割 主な良かった点 - 植物の栽培を楽しめた,植物により,癒やしを得た,直射⽇光を 遮ることができた 主な困った点・育てない理由 - 植物・⼟の後⽚付け,うまく育たなかった - コストより設置時・育成の問題や⼿間・煩雑さ,情報の不⾜ 主なグリーンカーテン育成のための条件 - プランター・ネット・種・⼟等の資材提供,利点・楽しみ⽅・栽 培⽅法の情報提供,植物が枯れた後の処理や廃棄のサポート 個⼈住宅でも緑化の関⼼は⾼く 課題はコストではなく⼿間と栽培ノウハウの不⾜ 37 屋上緑化の事業における利点と課題 空中トマトの利点 - 従来の⼟を⼊れる緑化に対して導⼊・栽培・維持が簡単 極めて低コストで既存の建物にも⼯事なしで導⼊可能 ⽇照条件がよいため⼩型の太陽電池で駆動できる 頭上を緑化した下のスペースを有効活⽤できる 緑化に加えて実や果物が収穫できる キウリ・スイカ・メロンなども収穫でき話題作りに 課題 - トマトは夏場多くの⽔が必要で広い屋上では給⽔設備(⽔道 の蛇⼝)が必要 - 屋上の⾵の影響・対策を検討する必要がある - 助成⾦は⼟の厚さで決まるため,空宙トマトは対象外 ⇒ 逆の意味でこれまでにない新しい技術 ⇒ 今後助成対象として要求 その有効性を実証することが今後の事業化において重要 38 屋上緑化の事業展開について ビジネスの対象 - 従来の屋上緑化において,荷重やコスト,メンテナンスなど の点で導⼊できなかった施設 - 従来の屋上緑化が可能な施設に対しても新たな選択肢として - 壁⾯緑化への導⼊も - 現在の屋上緑化ビジネスの調査が必要 新たなビジネス - 収穫した果物の販売 上野園芸はトマトの販売で利益を上げている 「皇居のはちみつ」のようなブランド化 ⾍のいない屋上で栽培した無農薬野菜の付加価値化 ビル内の⾷堂での究極の地産地消 - オーナー制度(売り上げに応じた利益還元) 初期導⼊コストの回収 - 空宙トマトのシステムのリース 関⼼は⾼いが設備や⼿間で⼆の⾜を踏んでいた個⼈にも 39 まとめ 安全・安⼼・安定供給の植物⼯場の市場が拡⼤ 葉物を中⼼とする集約⽣産でコスト競争に センサーと無線技術を利⽤した⾃動制御・遠隔監視 による⽔耕栽培システムの研究開発 カンやノウハウをデータ化した果菜類の栽培 「空宙トマト」による屋上緑化ビジネスへの参⼊ 収穫した果実のブランド化,6次産業化,装置リース, オーナー制度など周辺ビジネスの拡⼤ Technologies for Sustainable Society 40 おまけ ~⼯学+農学 コンピュータ上のシミュレーションで終わるので はなく実際に物を作り動かすことが⼯学では重要 装置が完璧でも実世界では予期しない問題が発⽣ - トマトの根っこが排⽔⼝を塞いで⽔があふれ出す - 窓の隙間から侵⼊した⾍の⼤群にトマト壊滅 - 夜にたぬきがセンサーを引っこ抜く ⾃然に学び利⽤し,⼯学の⼒で栽培をサポート 天空の城ラピュタ ©スタジオジブリ ©スタジオジブリ ⾵の⾕のナウシカ 電⼦回路の歴史はわずか6秒 平成狸合戦ぽんぽこ ©スタジオジブリ IoT Internet of T mat
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