「ケーブルテレビ60周年」&「ケーブルコンベンション・ケーブル技術ショー」

3号連載「ケーブルテレビ60周年」&「ケーブルコンベンション・ケーブル技術ショー」大特集❸
ケーブル 3団体 理事長に聞く
※ これまでの「ケーブル3団体理事長に聞く」は、第1回目「日本ケーブルラボ 編」
(5月号)
、
第2回目「日本CATV技術協会 編」
(6月号)
。
「ケーブルテレビ業界が今実行すべき技術課題は何か」
③ 日本ケーブルテレビ連盟 編
無線・4K・マイナンバー・ID連携で
全国規模の業界連携を進めていく
「ケーブルコンベンション2015」とその関連イベント「ケーブル技術ショー 2015」が 6月10
日・11日に都内で開催される。同月は1955年6月に群馬・伊香保温泉で日本初のケーブル
テレビが開業してから60周年に当たる。そこで本誌は「ケーブルテレビ60周年」と「ケー
ブル技術ショー」の大特集を5月号から3号にわたって連載。この連載大特集の中では、
「ケ
ーブルテレビ業界が今実行すべき技術課題は何か」をケーブル3団体理事長に聞く。今号
の第3回目「日本ケーブルテレビ連盟編」では、西條 温理事長に聞いた。また、4K/8K、
無線、ケーブルプラットフォーム、マイナンバー、ID連携などの分野別に、日本ケーブルテ
レビ連盟の各責任者が注目点と取り組みを語った。
取材・構成:渡辺 元・本誌編集部、高瀬徹朗・放送アナリスト
ケーブルテレビには
無線サービスへの挑戦が必要
でに昨年12月以降順次サービスを始めて
備を非常にやりやすい環境にあります。
います。ケーブルテレビの強みは各世帯
しかしその割には、短期的に大きな利益
に入っていることです。全国2,900万世
が得られないと予想し、Wi-Fiの整備に
今年3月からNTTの光サービス卸が始
帯という大変な数のお客様に直接営業
消極的なケースもあり、アクセスポイント
まりました。ケーブルテレビとNTTとの
できます。お客様への技術的なサポート
を増やすことに積極的なケーブルテレビ
競合のフロントが、NTT東西からNTTド
も丁寧にできます。Dual SIMで2.5GHz
事業者はまだ多くありません。短期的な
コモに移ります。NTTは携帯電話とBフ
帯も使える携帯電話端末がいずれ出てく
利益のみを追求するのではなく、Wi-Fi
レッツをセットにして売り出します。その
ると思います。現在は携帯電話キャリア
に取り組むことによってお客様がケーブ
ためケーブルテレビにとっては無線が非
が携帯電話の端末を指定するのではな
ルテレビを解約しなくなるという効果に
常に重要なサービスとなり、技術的な部
く、発売されている端末をキャリアが選
着目するべきです。キャリアはモバイル
分も含めて対応が必要です。
ぶという形態に変化していますから、ケ
サービスとFTTHの両方を提供するよう
地域BWAへの参入には名古屋地域の
ーブルテレビのMVNOにとっては戦いや
になり、その上で映像コンテンツも配信
ケーブルテレビ事業者やイッツコムが手
すい状況です。
します。ケーブルテレビがWi-Fiなどの
を挙げています。MVNOへの参入には
地域Wi-Fiもケーブルテレビにとって
無線サービスを提供しなければ、お客様
現在80社のケーブルテレビ事業者が手
重要です。2020年の東京オリンピックを
に解約されてしまいます。ケーブルテレ
を挙げていますが、その中でJ :COMグ
睨み、Wi-Fi整備が大きな課題になって
ビを選んでいただくためには、全国すべ
ループは30社を占めていて、愛媛を皮切
います。自社の回線を持っているケーブ
てのケーブルテレビ事業者が相互乗り入
りに約30社のケーブルテレビ事業者がす
ルテレビは、Wi-Fiのアクセスポイント整
れできる全国規 模のオールケーブル
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7-2015