公益財団法人 損保ジャパン日本興亜美術財団 平成27年度(2015年度)事業計画 (平成27年4月1日~平成28年3月31日) Ⅰ 方針 1. 展覧会開催により、「みんなに愛される美術館」として芸術・文化の振興に寄与する。 (1) 当館の特性を活かし、多方面のネットワークを充実させて、国内外の美術館等から 優れた美術作品を招致し、質の高い展覧会を開催する。 (2) 館外展も視野に、館蔵品の貸与を通じて、国内外地域との文化交流を図る。 2. 美術鑑賞教育の普及支援活動を推進し、地域及び社会に貢献する。 3. 優れた美術家の表彰と支援により、日本の美術界の発展に寄与する。 Ⅱ 事業 1. 美術作品の収集、保存、公開 (1) 展覧会の企画開催 ① 特別展 1)ユトリロとヴァラドン-母と子の物語 –スュザンヌ・ヴァラドン生誕150年(4月18日~6月28日) 2)旅の風景 安野光雅 ヨーロッパ周遊旅行 (7月7日~8月23日) 3)最後の印象派 1900-20’sパリ –ロダンからル・シダネルまで-(仮称) (9月5日~11月8日) ② 企画展 1)青児と戦後パリの美術~東郷青児のコレクションより~(仮称) (11月21日~12月23日) 2)絵画のゆくえ2016 FACE受賞作家展 (1月9日~2月14日) 3)FACE展 2016 損保ジャパン日本興亜美術賞展 (2月20日~3月27日) ③ 併設展示 1)常設展示コーナー ゴッホ《ひまわり》、セザンヌ《りんごとナプキン》、ゴーギャン《アリスカンの並木路、ア ルル》は原則常時展示する。 ただし、ゴーギャン《アリスカンの並木路、アルル》は4月中旬から6月上旬まで、他館 への貸与のため、展示されない。(代替展示なし) 2)収蔵作品展示コーナー 特別展・企画展会期中、収蔵作品展示コーナーを併設し、東郷青児作品ならびにグラ ンマ・モーゼス作品他を展示する。 (2) 館蔵品・資料・文献の充実 ① 館蔵品の修復・点検 館蔵品の保存状態を的確に把握するため、定期的に点検及び記録写真の撮影を行い、 作品の劣化防止に適切な手段を講じる他、必要に応じて作品の修復、額縁の修理・取り 替え等を行う。 1 ② 資料・文献の収集・整備 「FACE 2016 損保ジャパン日本興亜美術賞」においてグランプリを受賞した作品を収 蔵する。 館蔵品及び展示作品に直接あるいは間接的に関連した資料・文献を収集し、学芸研究 及び展示活動の充実を図る。 (3) 館蔵品の貸与 ① 東郷青児《超現実派の散歩》を三重県立美術館で開催される「空飛ぶ美術館」展に貸与 する。 会期:平成27年3月7日~5月6日 ② 東山魁夷《潮音》を島根県立美術館で開催される「川端康成と東山魁夷 巨匠が愛した美 の世界」展に貸与する。 会期:平成27年3月20日~5月10日 ③ ポール・ゴーギャン《アリスカンの並木路、アルル》を福井県美術館で開催される「ゴー ギャンとポンタヴァンの画家たち展」に貸与する。 会期:平成27年4月17日~5月31日 ④ 東郷青児の油彩画2点をホテルオークラ東京で開催される「チャリティーイベント 第21回 秘蔵の名品アートコレクション展」に貸与する。 会期:平成27年8月3日~8月20日 ⑤ 東郷青児の油彩画2点を「二科100周年展」(仮称)に貸与する。 会期・会場: 平成27年8月18日~9月6日・東京都美術館、9月12日~11月1日・ 大阪市立美術館、11月7日~12月27日・石橋美術館 ⑥ 東郷青児《花炎》を二科100回展で戦後二科の主な作家を紹介する特別展示に貸与する。 会期:平成27年9月2日~9月14日 ⑦ ピカソ《長いひげの裸体男性像》をふくやま美術館で開催される「ピカソ展 誰でもわかる 天才の名画」(仮称)に貸与する。 会期:平成27年9月20日~11月23日 ⑧ ピカソ作品の油彩画1点、素描4点を愛知県立美術館で開催される「ピカソ、天才の秘密 少年時代~青の時代~バラの時代」展に貸与する。会期:平成28年1月3日~3月21日 ⑨ グランマ・モーゼス作品の油彩画6点を大阪なんば高島屋グランドホール、京都高島屋グ ランドホール、日本橋高島屋ホール、横浜高島屋ギャラリーで開催される「グランマ・モー ゼス展」に貸与する。 会期:8月末~10月末 (4) 調査・研究 ① 学芸職員の研修 学芸職員の作品研究あるいは保存・展示技術の研修を奨励する。 また、学会や各種機関の研修会・講座等への参加や特色ある美術館や展覧会の視察 等を通じ、学芸職員の能力向上を図る。 ② 図録等の刊行・頒布 展覧会図録やジュニア版ブックレット等を作成する。 当館が収蔵する人気作品・重要作品の解説と当館の概要を紹介するガイドブックである 「東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館 コレクション選」(仮称)と現在の「収蔵品 目録」に記載されている作品のうち東郷青児だけの作品目録である「東郷青児の収蔵作 品目録」(仮称)を作成する。 (5) 展覧会鑑賞支援 ギャラリートーク、講演会、ワークショップ、一般向け対話による鑑賞会<ギャラリー★で★ トーク・アート>により、初心者でもわかりやすく、楽しんでもらえるような鑑賞支援サービスを 展開する。 2 2. 展覧施設の運営管理 (1) 施設の整備・その他 ① IPM(総合的有害生物管理)の手法も取り入れ、展示環境の保全に努める。 ② 美術館におけるリスク管理、危機管理体制を引き続き推進する。 3. 美術鑑賞教育の普及支援 (1) 新宿区立小中学校 新宿区との覚書に基づき、公益財団法人新宿未来創造財団やガイドスタッフ等多方面と連 携し、新宿区立小中学校で「対話による美術鑑賞」を実践し、小中学校の美術鑑賞教育を支 援する。 (2) その他の活動 ① 新宿区以外の学校、国・地方自治体等からの美術鑑賞教育に関する視察・支援等に対し ては、可能な範囲において対応する。また、他の美術館等の取組を研究し、当館の活動 に活かしていく。 ② ギャラリートーク、ワークショップや一般向け対話による鑑賞会<ギャラリー★で★トーク・ アート>等の実施により、来館者の鑑賞を支援する。 ③ ガイドスタッフ第7期生を採用・養成するとともに、ガイドスタッフ全員を対象にした研修会・ 講演会を開催する。 4. 美術家の支援、表彰 (1) 「FACE 2016 損保ジャパン日本興亜美術賞」の全国公募 全国から応募された作品を審査会で選考し、入選・受賞作品を表彰する。 入選・受賞作品は、「FACE展 2016」を開催し展示する。さらに、グランプリ受賞作品は、 翌年開催する「FACE展 2017」において、収蔵作品として展示する。 また、グランプリ・優秀賞受賞作家によるグループ展を3年ごとに開催し(初回は来年1月 に開催する「絵画のゆくえ2016 FACE受賞作家展」)、受賞後の成長・活躍を紹介するこ とで、受賞作家を継続して支援する。 (2) 「損保ジャパン日本興亜美術財団賞」の授与 新進美術家の支援・育成を目的に、38の美術団体を通じ、各公募美術展平面部門の受 賞者に授与する。 5. 広報・情報収集活動 (1) 広報活動 展覧会広報を幅広く実施する。また、「FACE 損保ジャパン日本興亜美術賞」の更なる知 名度向上にも努める。 ① マスメディアの活用 新聞、雑誌、テレビ等マスコミの取材に積極的に対応する他、インターネットの積極的活 用等広告媒体の多様化を進め、展覧会及び美術館の広報を行う。 ② 他の法人・団体との連携 既存の法人・団体だけでなく、新たな連携先を増やし来館者の誘致を図る。 3 ③ 美術館ホームページ及び各種SNSの活用 美術館や展覧会、収蔵作品の情報、各種イベント情報等をホームページやSNSを通じて 積極的に発信していく。 (2) 他の美術館等との連絡・協調 日本博物館協会、全国美術館会議、私立美術館会議等に出席して情報交換を行う他、随 時視察等を行い、他の美術館、諸団体との連絡・協調を密にする。 6. 公共への協力 公共体、教育機関あるいは美術研究家等からの美術に関する調査・研究・実習による施設 及び資料共用の要請に対し、可能な限り協力する。 以上 4
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