「データの統計処理」実習用資料

「データの統計処理」実習用資料
担当:生物情報工学研究室
2015 年 5 月 7 日

教育用計算機システム(ECCS)の利用について

教育用計算機システムの「利用の手引き」は以下の URL から参照できる。
http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/guide/tebiki/

教育用計算機システムの諸連絡事項、システムトラブル情報などは、ホームページ
http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/に掲載されるので、目を通しておくこと。

端末室は飲食禁止なので注意。
1. 端末の電源投入から Excel と Web ブラウザの起動まで
端末の利用手順の概要は次の通りである(利用の手引き「端末の利用(Mac 環境)
」参照)
。
(1) マウスやキーボードを操作しても画面が現れない(電源オフである)ことを確認する。
(2) 本体左背部の丸い電源ボタンを押して1,2分ほど待つと、MacOS 環境と Windows 環境
の選択画面が表示されるので、MacOS 環境の方の画像をマウスでクリックし、ユーザ名
とパスワードを入力して Return キーを押す。
(3) デスクトップ画面(図1)が表示されたら、画面下のメニュー(ドックと呼ぶ)の中に
ある Excel のアイコンを左クリックすると、新規シートが開く。2 日目の「バイオイン
フォマティクス基礎」の実習の際は、ドックの中にある Safari ブラウザのアイコンを左
クリックし、実習用ウェブテキストにアクセスする。
図1
MacOS 環境のデスクトップ画面の例
1
2. ファイルの操作
ユーザごとに作業を行うための決められたディレクトリ(フォルダ)が用意されている。
これをホームディレクトリと呼ぶ。ホームディレクトリの名前には、各自のユーザ名が含
まれている。Excel でファイルを扱う際(ファイルにデータを保存する、ファイルからデー
タを読み込む)は、MacOS 環境では、ホームディレクトリの下の「書類」
(Documents)
フォルダを用いるのがよいだろう。
3. プリンタの利用
プリンタは、プリンタ本体と操作用 PC が一体となっている。印刷したいアプリケーショ
ンから、プリンタとして「Main_Mono」
(カラー印刷の場合は「Main_Color」
)を指定して、
ジョブを登録する。次に操作用 PC のところに行って画面に触れ、メニューで「オンデマン
ドプリント」を選択する。ユーザ名とパスワードを入力すると、登録したジョブの一覧が
表示される)
。一覧の中から印刷したいジョブを選択して「印刷」ボタンを押し、カードリ
ーダにプリペイドカードまたは交通系電子マネーカードを挿入したあと「はい」ボタンを
押すと印刷が開始される。印刷が終わったら、プリペイドカードまたは交通系電子マネー
カードをカードリーダから取り出して「OK」ボタンを押す。
4. 作業中のメモの保存
2 日目の「バイオインフォマティクス基礎」の実習では、急なシステムダウンなどで、作
業途中の課題の解答などが失われてしまわないように、メモ用のファイルを作ってそこへ
結果を適宜書き込み、保存していくとよい。iMac ではテキストエディットを使うとよいだ
ろう。
画面下左端の「Finder(顔のアイコン)」→「アプリケーション(Application)
」と選択
し、「テキストエディット(TextEdit)」をダブルクリックすると、テキストエディットが
起動する。保存したい内容を書き込み、適当なファイル名をつけて保存する。
5. 利用の終了
利用を終了するときは、いきなり本体の電源を切ってはいけない。アプリケーションを
すべて終了したあと(Excel は左上の「Excel」メニューの「Excel を終了」
)、画面左上の
アップルマークをクリックし「システム終了...」を選択、さらに「システム終了」ボタンを
押す。他の人が続けて使う場合は「システム終了...」の代わりに「ログアウト」を選択する。
6. 農学部キャンパスにおける教育用計算機システムの利用について
以下の場所に教育用の端末室が用意されている。利用方法はこれまでの説明と同じ。
7 号館 B 棟 1F 133 号室(iMac 端末 28 台)
農図書館 3F PC 端末室 2(iMac 端末 16 台)
2
■ Excel 操作の基礎

Dock が Excel 作業の邪魔になる場合は、画面左上のアップルメニュー→Dock を選択
して、
「”自動的に隠す”機能を入にする」を選択しておく。こうすると普段は Dock は
表示されず、マウスを画面下端にもっていくと Dock が現れるようになる。

データの消失などを防ぐために、Excel の作業を終わるときは「×」ボタンを押すので
はなく、
「Excel」メニューから「Excel を終了」を選択して終了させること。

作成したデータを失わないために、作業中はこまめにファイルを保存すること。

データ処理の際は、手順を追うだけでなく、何を計算しているのかをよく理解するこ
と。計算結果の妥当性を少し考えれば、値の入力ミスなどにすぐ気づくことができる。

日本語入力モードの切り替えは、Command キー
と Space キーを同時に押す。また
は、Space キーの左隣のキーを押すと英語モード、Space キーの右隣のキー(Kana キ
ー)を押すと日本語モードとなる。

用語
ブック Excel の1つのファイル
シート(ワークシート) Excel の作業用の領域。
シートの切り替えはシート見出し(タブ)をクリックする。

数式バーが表示されていない場合は、「表示」メニューの中の「数式バー」を選択して
チェック印を入れる。
データ入力の基本
・ あとで見出しなどをつけられるように、データは端から少しあけて B1 セルあるい
3
は B2 セルから入力しはじめることが多い(入力データの移動はあとからでも可能)
。
・ 入力手順
1.
セルを左クリックする。
2.
数値、文字列、式などを打ち込む。
3.
Enter(Return)キーを押す。 ←これを忘れないこと!
・ 入力を間違えたときは:
「元に戻す」ボタン

を押す。
セルと数式バー
・ セルに入力できるものは、数値、数式、文字列など。
・ 数式は、最初に「=」を入力することで行う。←★重要ポイント
・ 数式を入力したときは、その数式を計算した結果の値がセルに表示される。数式そ
のものは数式バーに表示される。←★重要ポイント
・ セル番号を数式の中に含めると、そのセルを計算した結果の値が代入される。これ
をセル参照と呼ぶ。
例1
1.
B2 セルを左クリック
2.
B2: 1.2
Return
(セル B2 に下線部を入力して、最後に Return キーを押す。以下同じ)
3.
入力したセルに「1.2」と表示されることを確認
4.
B2 セルを左クリック
5.
数式バーにも入力した数値「1.2」が表示されている
6.
B3 セルを左クリック
7.
B3: =B2*2
8.
B2 セルの値を 2 倍した値「2.4」がセルに表示される
9.
B3 セルを左クリック
Return
10. 数式バーに入力した数式が表示されることを確認
11. B2 セルを左クリック
12. B2: 1.3
Return
13. B3 の値が B2 の値と連動して「2.4」から「2.6」へ変化することを確認
※ セル参照や関数名は、大文字でも小文字でもかまわない。
セルにある値が表示されているとき、セルに入力されているものは以下の 2 通りがある。
・ 値そのもの
・ 数式(表示されている値がその計算結果)
セルを左クリックして数式バーに表示される内容をみると、両者を区別できる。
4

コピーとペースト
・ あるセルを左クリックし、マウスの左ボタンを押したまま別のセルまでポインタを
移動してからマウスの左ボタンを離すと(この操作をドラッグと呼ぶ)、領域を選
択できる。選択された領域の周囲には太線が表示される。
・ 太線内を右クリックすると「コピー」などのメニューが表示される。
・ コピー→ペーストを行うと、セル内の値や数式などがすべてコピーされる。その際、
数式中のセル参照は、コピー先に合わせて自動変更される。←★重要ポイント!
例2
1.
B3 セルを左クリックして選択
2.
B3 セルの周りが太線に変わることを確認
3.
太線内を右クリックし、
「コピー」を選択(太線が流線に変化)
4.
B4 セルを右クリック、
「ペースト」を選択、Esc を押す(流線が消える)
5.
B4 セルに B3 セルの値「2.6」をさらに 2 倍した値「5.2」が表示される
6.
B4 セルを左クリックすると、数式バーに「=B3*2」と表示される。B3 セルを
左クリックして、数式の違いを確認する。このように数式をコピーすると、数
式中のセル参照はコピー先に合わせて自動的に変更される。

セル参照の固定
・ セル参照(
「B2」など)の「B」や「2」の前に「$」を付けると、コピーしたとき
にセル参照が自動変更されなくなる。←★重要ポイント
例3
1.
B4 セルを左クリック
2.
数式バーの「=B3*2」の「B」の直前を左クリックして$を入力、
「3」の直前を左ク
リックして$を入力、Return を押す
3.
B4 セルを左クリックして「=$B$3*2」となっていることを確認
4.
B4 セルを右クリックし、
「コピー」を選択(太線が流線に変化)
5.
B5 セルを右クリック、
「ペースト」を選択、Esc を押す(流線が消える)
6.
B5 セルを左クリックすると、式が「=$B$3*2」となっているはず。このように$を
付けるとセル参照が自動変更されなくなる(コピー元の B4 セルを左クリックして
確認する)
。

値のみのコピー
・ ペーストの際に、「形式を選択してペースト」を選択すると、式ではなく演算結果
の値のみをコピーすることができる。
5
例4
1.
B5 セルを右クリック、
「コピー」を選択
2.
B6 を右クリック、
「形式を選択してペースト」を選択
3.
「ペースト」を「値」
、
「演算」を「しない」にして OK を押す
4.
Esc を押す(流線が消える)
5.
B6 を左クリックして、数式バーに、式ではなく値「5.2」が表示されることを確認。
このようにすると、式ではなく、セルに表示されている値そのものをコピーできる。

セル参照の応用
・ コピー時のセル参照の自動変更を利用して、連番を簡単に作ることができる。
例5
1.
C2: 1
Return
2.
C3: =C2+1
3.
C3 を右クリック、コピーを選択
4.
C4 から C5 までをドラッグして選択
5.
太線内を右クリック、
「ペースト」を選択
6.
Esc を押す(流線が消える)
7.
C2 から C5 を左クリックして、入力されている数式を確認
Return
※ 3. でコピーを選択する代わりに、C3 を左クリックしてから C3 の右下角に表示されて
いる水色の四角形にカーソルを合わせ(カーソルの形状が小さな黒十字に変化するは
ず)
、そのまま C5 までドラッグすると、同じことが行える。

関数の入力 ←★重要ポイント
・ Excel は数式の中で、あらかじめ定義された関数を用いることができる。
「挿入」メ
ニューの中の「関数…」を左クリックすると、関数の説明を調べたり、関数の挿入
を行うことができる。
・ 複数の値の総和を求めるためには、SUM 関数を用いる。SUM 関数の引数には、和
をとる個々の値やセル番号、セル範囲(先頭セル:末尾セル)などを指定する。
・ 平方根は SQRT 関数で求めることができる。また累乗は「^」で表す。
例6
1.
D2: =SUM(C2:C5)
2.
D3: =SQRT(D2)
3.
D4: =D3^2
Return
Return
Return
※ ここで、いったんブックを保存する。データを失わないように、作業途中にもこまめに
ファイルを保存した方がよい。なお、ファイルフォーマットについては p.10 の「Excel
6
のファイルフォーマットについて」を参照のこと。
ブックの保存
1.
「ファイル」メニューを左クリック
2.
「名前をつけて保存」を左クリック
3.
「名前」に「test1.xlsx」などの適当な名前を入力(場所は「書類」)
4.
「保存」ボタンを左クリック
※ 一度ファイルに保存すると、次からはファイルメニューの「保存」を左クリッ
クすることで、更新結果を保存できる。

平均・分散の計算
例7
新しいシートで平均・分散などを計算してみる。
1.
「Sheet1」タブの右の「+」マークをクリックすると「Sheet2」が生成される
2.
B1: data
3.
B2 から B6 まで、順に以下のデータを入力する。
Return
(これは見出しである)
0.42, 1.23, 1.13, 0.10, -0.32
まず平均を求める。 ( X 
x
Return
i
/ N)
4.
A7: average
5.
B7: =SUM(B2:B6)/5
6.
B2 から B6 までの値の平均が B7 に表示されることを確認
(これは見出しである)
Return
(SUM は総和を表す関数)
次に分散を求める。分散は、各データから平均を引いて 2 乗したものの平均である。
~
母分散: V   ( xi  X ) 2 / N , 不偏分散: V   ( xi  X ) 2 /( N  1)
7.
C2: =(B2-$B$7)^2
Return
8.
C2 の上で右クリックして「コピー」を選択
9.
C3 を左クリック
($でセル参照を固定することに注意)
10. C6 を Shift キーを押しながら左クリック
11. C3 から C6 までが選択されたことを確認
12. 太線内を右クリックして「ペースト」を選択し、Esc キーを押す(流線が消える)
13. C3 から C6 までを順に左クリックし、正しい式が入力されていることを確認
14. A8: variance
Return
15. B8: =SUM(C2:C6)/5
Return
これは母分散。不偏分散も求めてみる。
16. A9: unbiased var.
Return
17. B9: =SUM(C2:C6)/4
Return
最後に不偏分散に対応する標準偏差を求めてみる。
(標準偏差  分散)
18. A10: unbiased s.d.
19. B10: =SQRT(B9)
Return
Return
7
※ 平均は AVERAGE 関数、母分散は VARP 関数、不偏分散は VAR 関数を用いて、直接求
めることもできる。それぞれ「=AVERAGE(B2:B6)」
「=VARP(B2:B6)」
「=VAR(B2:B6)」
とする。また母分散、不偏分散に対応する標準偏差は、それぞれ「=STDEVP(B2:B6)」
「=STDEV(B2:B6)」で求めることもできる。余裕があれば関数を用いて求めた平均、
分散、標準偏差が、上の計算で求めた値と一致することを確かめてみよう。

グラフの描画
・ x, y に対応する 2 列のデータを選択してから、リボンの中の「グラフ」タブを押す
ことで、さまざまなグラフを描画できる。
例8
例 7 で作成したデータの 2 列を用いてグラフを描画してみる。
1.
B2~B6 セルをドラッグして選択
2.
Command キー を押しながら、C2~C6 セルをドラッグして選択
3.
B2~B6, C2~C6 の両方が選択されることを確認する
4.
リボンの中の「グラフ」タブを押し、
「散布図」、
「散布図」と順に選択していくと、
グラフが表示される。
5.
グラフの枠内の白い部分(グラフの描画領域やタイトルなどの文字列以外の背景
部分)の上でマウスを右クリック
6.
「移動先シート…」
、
「新しいシート」を順に選択
(次ページへつづく)
8
例 8(つづき)
7.
右のボックスが「Chart 1」となっていることを確認して「OK」をクリック
8.
グラフが「Chart 1」という名前の単独シート上に移動する。
9.
リボンの「グラフレイアウト」タブを押す。
「グラフタイトル」、
「タイトルをグラ
フの上に表示」と選択すると「グラフタイトル」という文字列がタイトル位置に
挿入される。同様に「軸ラベル」、「横軸ラベル」、「軸ラベルを軸の下に配置」と
すると、横軸の下に「軸ラベル」という文字列が、また「軸ラベル」、「縦軸ラベ
ル」
、
「軸ラベルを回転」と順に選択すると、それぞれ横軸の下、縦軸の左に、
「軸
ラベル」という文字列が挿入される。挿入された文字列は、左クリックで選択し、
さらに選択範囲の中で左クリックすると編集することができるので、タイトルを
「test1」
、横軸ラベルを「data x」、縦軸ラベルを「deviation」などとしておく。
10. 元のデータのシートに戻るときは、画面左下の「Sheet1」タブをクリックする
※ X 軸の最小値などの変更は以下の手順で行う。
1.
X 軸目盛の数値上でマウスの左ボタンをダブルクリック
2.
「軸の書式設定」ウィンドウが開いたら「目盛」を左クリック
※ 注意:「目盛」が表示されていない場合は別のウィンドウを表示してしまっていると考
えられるので、
「キャンセル」をクリックして 1.に戻る。
3.
「最小値」の値(たとえば -3)を入力して、「OK」ボタンをクリック
9
※グラフを印刷するときは、以下の手順で行う。
1.
グラフの枠内の白い部分(グラフの描画領域やタイトルなどの文字列以外の背景部分)
の上でマウスを左クリック
2.
メニューバーの「ファイル」を左クリック
3.
「プリント...」を左クリック
4.
プリンタを「Main_Mono」にする
5.
表示されているプレビューを確認してから「プリント」ボタンを左クリック
最後に、ブックを保存する。「ファイル」メニューの「保存」を選択する。
※ 有効数字について
Excel を用いたデータ処理においては、計算の途中過程で有効数字を気にしすぎる必要はな
く、最後の結果の数値について有効数字を意識すればよい。有効数字は各実験の精度によ
るので状況に応じて判断する必要があるが、通常の学生実験レベルではせいぜい2~3桁
であることが多い。
※ Excel のファイルフォーマットについて
Windows 版では Excel 2007、Mac 版では Excel 2008 から、Excel の標準ファイルフォー
マットが「Office Open XML」
(拡張子は .xlsx)に変更になった。本実習で保存したファ
イルを、自宅などで旧バージョンの Excel で開きたいときは、本実習においてファイル保
存を行うときに、
「名前をつけて保存…」から「Excel 97-2004 ブック」(拡張子は.xls)を
選択して保存するとよい。
10
課題 1(検定)
以下のデータは、A, B の 2 種類の生育条件において生産されたある植物の種子の重さ(単
位はグラム)である。生育条件が種子の重さに有意な違いをもたらしているかどうかを危
険率 0.05 (5%)および危険率 0.01 (1%)の Student の t 検定により判定せよ。なお、A 群と B
群がそれぞれ抽出された元の母集団の母分散は互いに等しいと考えてよいことがあらかじ
めわかっているとする。
A: 15, 11, 23, 29, 28, 19, 21, 16
B: 32, 18, 27, 35, 27, 35
課題 2 でグラフを描画した方眼紙の余白または裏面に、以下の(i)~(vi)を記入して提出する
こと。(i)~(iii)は Excel で求めた数値を報告する。(v)はア~コの空欄を埋め、Student の t
検定の考え方を整理する。
(i)
A, B 群の平均と不偏分散(単位に注意!)
(ii)
t 統計量
(iii)
2 つの危険率に対する検定に用いたそれぞれの t の限界値
(iv)
今回は両側検定、片側検定のどちらを用いるのが適当か。理由とともに述べよ。
(v)
2 群のデータの間に有意な違いがあるかどうかは、さまざまな観点から調べること
ができるが、Student の t 検定は「2 群の
ア
に有意差があるかどうか」を調
べるものである。今回の場合、帰無仮説は「A, B 群各々の種子の重さの
差が
ある。計算の結果、もし
っているとすると
ウ
ウ
が
が
エ
エ
を超える確率は
のはずで
を超えていれば、「帰無仮説が成り立
」ということになり、帰無仮説は
され) 、
「A, B 群の種子の重さの
ア
に有意差が
ない) 」という結論となる。もし
ウ
が
仮説は
オ
カ(滅多に起きない・頻繁に起きる) はずのことが
きた・起きなかった)
(vi)
に
イ(ある・ない) 」とする。この帰無仮説が成り立っていれば、例えば危
険率 5%で検定を行う場合、
が
ア
エ
キ(起
ク(棄却されず・棄却
ケ(ある・あるとはいえ
を超えていなければ、帰無
コ(棄却されず・棄却され) 、
「A, B 群の種子の重さの
ア
に有意差
サ(ある・あるとはいえない) 」という結論となる。
今回の危険率 5%および 1%での t 検定の結論を、(v)をよく踏まえた上で述べよ。
ヒント:
1.
例 7 を参考にして A, B 群のデータを入力し、各群の平均と不偏分散を求める
2.
以下の式(1),(2)にしたがって t 統計量を求める(母集団の母分散が等しいと考えてよい
ので、等分散の検定は不要)
11
t
~
V 
3.
M : A群のデータ数 N : B群のデータ数
X Y
Y : B群の平均
~
~ X : A群の平均
V V

自由度 : M  N  2
M N
~
~
~
V
x : A群の不偏分散
( M  1)Vx  ( N  1)V y
M N 2
←合併分散
(1)
(2)
~
V y : B群の不偏分散
TINV 関数は「=TINV(危険率, 自由度)」というふうに、危険率(5%なら 0.05 と入力
する)と自由度を指定すると、その危険率と自由度に対応する t の限界値を返してくれ
る。この TINV 関数から得た t の限界値と 2.で求めた t 統計量をもとに、帰無仮説が棄
却されるかどうかを判断する(スクリーン投影用資料や教科書を参照)。なお、Excel
には t 検定を元データから一気に行う TTEST 関数(帰無仮説が棄却できる危険率の境
界値を出力する)も用意されているが、検定の原理を理解することが大切であるので、
本実習では敢えて用いていない。
課題 2(グラフの描画)
酵素反応における反応初速度(v)と基質濃度(S)との関係は、次に示す Michaelis-Menten 式
で表されることが多い。
v
Vmax S
Km  S
(3)
ここで Vmax は最大反応速度である。また K m は Michaelis 定数と呼ばれ、反応が解離に比べ
て十分遅い場合に、酵素-基質複合体の解離定数に近い値をとる。
12
式(3)は、その逆数をとると、次式となる。
Km
1
1


v Vmax S Vmax
(4)
x=1/S, y=1/v と置くと、
y
Km
1
x
Vmax
Vmax
(5)
この式は、下図に示すように、x (=1/S) に対して y (=1/v)をプロットすると直線となり、そ
の y 切片から Vmax 、x 切片から K m が得られることを示している。このようなプロットを
Lineweaver-Burk プロットという。
1/v
1/Vmax
x 切片、y 切片から、最大反応速度(Vmax)、
Michaelis 定数(Km)を求めることができる
-1/Km
0
1/S
アルコール脱水素酵素はエタノールと酸化型 NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
ド)からアセトアルデヒドと還元型 NAD を生成する。次に示すデータは、この反応におけ
る反応初速度 v と NAD の濃度 S の関係である。
S:
0.2
0.26
0.4
0.8
1.2
2.0
v:
0.0132
0.0152
0.0181
0.0239
0.0261
0.0287
[mM]
[mM/min]
1/v を 1/S に対してプロットして、上図のような Lineweaver-Burk プロットを作成する。ま
ず、方眼紙に上記プロットを記入し、定規を使って直線を引いて x, y 切片を求め、その値か
ら Vmax と K m の値を求めてみよう。方眼紙には自分の実験番号と名前を明記しておくこと。
方眼紙の余白または裏面に、求めた Vmax と K m の値を記入する。また、単位を忘れないよう
にすること。
13
課題 3(回帰直線)
今度は Excel 上で同じグラフを描画し、Vmax と K m の値を求めてみよう。Excel には、グラ
フ上のデータに対して回帰直線を表示する機能があるので、それを利用すると x, y 切片の値
を正確に求めることができる。
1.
S, v のデータを入力する
2.
1.で入力した各データに対して、1/S, 1/v を求める
3.
1/S を x, 1/v を y として、例 8 を参考にしてグラフを描画する。なお、x 切片のおよそ
の値を画面上で確認する場合は、X 軸の最小値を必要に応じて変更するとよい(例 8
の枠外下の手順を参考にする。-4 から-5 程度がよいはず)。
4.
回帰直線を表示したいグラフ上のデータ点を左クリック(各点に選択を示すマークが
つく)
5.
グラフメニューの「近似曲線の追加…」を選択すると「近似曲線の書式設定」ウィン
ドウが開く
6.
ウィンドウ左の「種類」を押してから「線形近似」を指定
7.
ウィンドウ左の「オプション」を押してから「グラフに数式を表示する」を選択
8.
「OK」ボタンを押す
回帰直線とその式が表示される。回帰直線の式から、x, y 切片さらには Vmax と K m の値を求
めることができる。課題 2 のグラフを描画した方眼紙の余白か裏面に、課題 2 で計算した
Vmax とKm の値と回帰直線の式を記入する。手で描画したグラフから求めた値と比べてみよ
う。手でも、おおよその値は十分に求められるということが感じられただろうか。学生実
験では、フリーハンドでもよいからその場でグラフを描画するようにすると、データの傾
向がよくわかり、実験を効率よく進めるのに役立つことが多い。
課題 4
(x, y)の 2 変数のデータの組 (x1, y1), (x2, y2), ..., (xn, yn) があり、両変数の間に、
y  a  bx
(6)
という関係が予測できるとき、係数 a、b を最小 2 乗法に基づき推定できる。y = a + bx の直
線とデータのずれ、すなわち yi - (a + bxi) の 2 乗の総和 d を最小にするための条件は、
d
d
 0 および
 0 で表され、これを整理すると次の「正規方程式」となる。
a
b
14
n
n
i 1
i 1
na  b xi   yi  0
n
n
(7)
n
a  xi  b  xi   xi yi  0
2
i 1
i 1
(8)
i 1
これらの式を、a, b を未知数とする連立一次方程式とみなして解を求めると、
 n  n 2   n
 n 
  y i   xi     xi y i   xi 
  i 1
 i 1 
a   i 1  i 1
2
n
n



2
n  xi     xi 
 i 1
  i 1 
(9)
 n  n   n

  y i   xi   n  xi y i 

b   i 1  i 1 2   i 1
 n 
 n 2
  xi   n  xi 
 i 1 
 i 1

n
となり、上式から、
 xi ,
i 1
n
 yi ,
i 1
n
(10)
 xi ,
2
i 1
n
x y
i 1
i
i
の4つの値を出せば a, b の値を求めら
れることがわかる。これまでの作業を参考にしながら、式(9),(10)を用いて a, b の値を求め、
課題 3 で Excel の機能を用いて描画した回帰直線の式と比較せよ。
なお、各課題で用いたブックは保存しておくこと。
[提出するもの]
課題2でグラフを描画した方眼紙(実験番号と氏名を明記)に、各課題の解答を書き込ん
で提出する。単位に注意すること!
課題1:(i)~(vi)の答え
課題2:手による作図で求めた Vmax と Km の値
課題3:回帰直線から求めた Vmax, Km の値と回帰直線の式
課題4:最小2乗法により求めた a, b の値
[課題 1, 3 の参考手順]
課題 1, 3 の手順がどうしてもわからないとき、うまくいかないときは、以下の手順を参考
にすること。
課題 1 の参考手順
1.
B1: A Return (これは見出し)
15
2.
B2: 15 Return
3.
同様に、B3~B9 に、残りの A 群のデータを入力
4.
C1: B Return (これは見出し)
5.
C2: 32 Return
6.
同様に、C3~C7 に、残りの B 群のデータを入力
7.
A11: average Return (これは見出し)
8.
B11: =SUM(B2:B9)/8 Return
(A 群の平均)
9.
C11: =SUM(C2:C7)/6 Return
(B 群の平均)
10. D2: =(B2-B$11)^2 Return
11. D2 セルを右クリック、
「コピー」を選択(D2 セルの周囲に流線が現れる)
12. D3 セルを左クリック
13. D9 セルを Shift キーを押しながら左クリック(D3 から D9 の周りが太線になるはず)
14. 太線内を右クリック、
「ペースト」を選択
15. Esc キーを押す(流線が消える)
16. E2: =(C2-C$11)^2 Return
17. 11.~15.と同じ要領で、E2~E7 に B 群の各データの平均からの差の 2 乗を計算する
18. A12: unbiased var Return (これは見出し)
19. B12: =SUM(D2:D9)/(8-1) Return
(不偏分散なので 6 ではなく(6-1)で割る)
20. C12: =SUM(E2:E7)/(6-1) Return
21. A13: pooled var Return (これは見出し)
22. B13: =((8-1)*B12+(6-1)*C12)/(8+6-2) Return
23. A14: t-statistic Return
(合併分散)
(これは見出し)
24. B14: =(B11-C11)/SQRT(B13/8+B13/6) Return (t 統計量)
25. A15: t-value (5%) Return (これは見出し)
26. B15: =TINV(0.05,8+6-2) Return (t の限界値)
27. B14 と B15 の値を比較して、
帰無仮説が危険率 5%で棄却されるかどうかを判断する。
28. A16 t-value (1%) Return (これは見出し)
29. B16: =TINV(0.01,8+6-2) Return (t の限界値)
30. B14 と B16 の値を比較して、
帰無仮説が危険率 1%で棄却されるかどうかを判断する。
課題 3 の参考手順
1.
B1: S Return
つづいて B2~B7 に S のデータを入力する
2.
C1: v Return
つづいて C2~C7 に v のデータを入力する
3.
D1: x=1/S Return
4.
D2: =1/B2 Return
5.
E1: y=1/v Return
さらに、この式を D3~D7 にコピーする
16
6.
E2: =1/C2 Return
さらに、この式を E3~E7 にコピーする
7.
D2 を左クリック、続いて Shift キーを押しながら E7 を左クリック
8.
リボンの中の「グラフ」タブを押す(例 8 参照)
9.
「散布図」
、
「散布図」と順に選択するとグラフが表示される
10. リボンの中の「グラフレイアウト」タブを押して、「グラフタイトル」「軸ラベル」な
どを選択すると、タイトルや横軸・縦軸のラベルを設定できる。
「横軸ラベル」を「1/S
[1/mM]」
、
「縦軸ラベル」を「1/v [min/mM]」としておく
11. 回帰直線を表示したいグラフ上のデータ点を左クリック(各点に選択を示す四角マー
クがつく)
12. グラフメニューの「近似曲線の追加…」を選択
13. ウィンドウ左の「種類」を押してから「線形近似」を指定
14. ウィンドウ左の「オプション」を押してから「グラフに数式を表示する」を選択
15. 「OK」ボタンを押す
17