(金属光造形複合加工機)最新技術!

ハイブリッド金属3Dプリンタ「LUMEX Avance-25」
(金属光造形複合加工機)最新技術!
「LUMEX1Avance-25」のスタートは、文部科学省・科学技術振興事業団の支援による、福井県地域結集型共同研
究事業です。松浦会長が事業総括として「光ビームによる機能性材料の加工創成技術基盤の確立」のテーマで進めら
れ、試作機が平成14年に金属光造形複合加工機「M-SINT」として誕生しました。誕生から13年、ハイブリッド金属
3Dプリンタ「LUMEX1Avance-25」の最新技術を紹介致します。そしてマツウラは、LUMEXという新しい技術を掲
げ、次の10年に向かいトップランナーであり続け、お客様に広くLUMEXを提案します。
金型製作から部品製作に
LUMEXの開発当初のコンセプトは、日本のお家芸である金型製作の革新を目指し、金型産業を中心とした技術を蓄
積してきました。しかし、世界的な3Dプリンタの市場を見渡すと、航空機部品や、医療部品、更にはファッション分野
へと展開が進み、市場規模も拡大しています。3Dプリンタにより設計者は、発想の転換、革新的アイディア創造が可能
になります。マツウラは、部品製作のアプリケーション技術を開発し、部品製作市場に積極的に展開します。
1.航空機部品ブリスクの軽量化
LUMEX活用で44%軽量化達成
航空機市場からの要望として、部品の軽
量化があげられます。LUMEXでブリスク
ワークの軽量化を実現しました。ブリスク
とは、航空機のジェットエンジンに使わ
れ、ブレードとディスクを一体にしたもの
です。この事例では、強度が必要な箇所
は、ソリッド焼結を行ない、強度が不要な
箇所は中空かつ3Dメッシュ構造にするこ
とで、フルソリッドモデルと同じ機能を満
たし、最大44%の軽量化を実現していま
す。
部品製作分野へのLUMEXを使うこと
で、既存の加工方法にとらわれず、設計者
の自由な発想が技術革新を生み出します。
フルソリッドモデル
重量:775g
軽量化モデル
重量:437g
2.航空機エンジン関連部品
航空機エンジン関連部品は、マシニングセンタや旋盤加工で作成されていますが、更に効率を上げるために様々な改
善が検討されていす。今回航空機エンジンに使われるノズル試作品をLUMEXにて製作しました。従来加工方法では不
可能な形状を部品内に取り込んでいます。材料はマツウラマルエージングⅡを使用しています。
モデル概観
断 面
加工後
加工後断面
試作品の断面図(複雑な内部構造)
※ノズル試作部品のモデルと実物写真(サイズ:φ17.6×30.8mm)
6|2015
May|Matsuura News!
マツウラのホームページ http://www.matsuura.co.jp
焼結材料のバリエーション
● LUMEX対応材料一覧表
現在、LUMEXで対応可能な材料を右表にま
材 料
とめました。金型製作では、鉄系材料が主流で
鉄系材料
したが、部品製作ニーズの高まりにつれて、
マルエージング鋼
様々な材料に対応することが必要となります。
純チタン
航空機部品の製作では、チタン系、ステンレス
系、医療機器部品では、コバルトクロムなどが
Ti-6Al-4V
代表的な材料です。今後マツウラでは、アルミ
SUS630
や銅などより汎用的で、技術的にチャレンジが
SUS316L
必要な材料開発を進めます。
Co-Cr
名 称
マツウラ スチールⅠ
マツウラ マルエージングⅡ
マツウラ チタン 00 ※
マツウラ チタン 6Al4V ※
マツウラ ステンレス 630
マツウラ ステンレス 316L
マツウラ コバルトクロム
※チタン系材料焼結時、アルゴンガス充填、チタン対応パッケージが必要となります。
マツウラ独自のLUMEX CAMの開発
ユーザーが作成した3次元CADデータを基にLUMEXでは、新しいモノ作りが行なわれます。3次元CADデータと
LUMEXを結ぶCAMの技術が、3Dプリンタ加工の可能性を高めるために重要な鍵となります。マツウラでは、独自に
「LUMEX CAM 2014」を開発し販売を開始しました。部品加工で必須となるバックテーパ部(バックテーパは通常の
台形を逆さまにした形状でついている傾斜のこと)の加工にも対応しています。
今後、LUMEX本体とLUMEXaCAMの開発、ならびに技術サポートを行なうことで、LUMEXでしか実現できない技
術を、お客様に提供いたします。
▲LUMEX CAM バックテーパ加工
LUMEX CAM 特長
▲LUMEX CAM 加工条件設定画面
・3次元CADデータからLUMEXデータを一括作成
・部品加工に必要なバックテーパ加工の実現
・画面案内により簡単操作
品質工学会:第2回「田口賞」受賞
マツウラは、平成11年から技術開発や生産技術で品質工学を取り入れて、様々な成果を出しています。この度
マツウラは第2回「田口賞」を受賞しました。欧米ではタグチメソッドの名称で有名な品質工学の創始者である
田口玄一博士の名前を冠した「田口賞」は、品質工学の組織的活用により企業・組織
における研究・開発・生産の体質強化や事業成果に着実な実績を上げ、品質工学の価
値を明示し、更にその質を高めた企業・組織に授与される賞です。賞自体は平成9年
に田口玄一博士の米国の自動車の殿堂入りを記念して田口博士からの基金により設立
され、平成18年にマツダ株式会社技術本部が第1回「田口賞」を受賞しました。田
口賞が授与されるのは9年ぶりでマツウラが2社目となりました。6月15日(月)
に開催される第23回品質工学会研究発表大会で表彰を受けます。
マツウラのホームページ http://www.matsuura.co.jp
Matsuura News!|2015 May|7