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30 Apr. 2015
Vol.
227
FC東京とチョンブリFC
(タイ)
の対戦。
ことしは初めて海外のチームも参加し、日本の選手たちは貴重な国際経験を積んだ
2015 Jリーグ U-16チャレンジリーグを開催
16 歳以下の選手を対象とした大会にJ1・J2・J3の49クラブが出場。ことしはアジアからも4チームが参加
Jリーグは3月22日~4月5日の期間に、茨城県、静岡県、大阪府の3会場で「2015 Jリーグ U-16チャレンジリーグ」
(主催:公益社
団法人 日本プロサッカーリーグ、独立行政法人国際交流基金アジアセンター)を開催した。Jクラブに所属する16歳以下の選手を対象とし
た大会で、2009年にスタート。トップレベルの選手育成に重要な年代へ試合出場の機会を提供し、個の育成を促すとともに、リーグ戦化に
向けた検討の機会とすることを目的としている。ことしの大会にはJ1・J2の全40クラブ、J3の9クラブが参加したほか、Jリーグ提携国
のタイ、マレーシア、インドネシア、ベトナムから初めてチームを招待した。
(2~3ページに関連記事)
編集・発行 公益社団法人 日本プロサッカーリーグ
30 Apr. 2015
Vol.227
1
2015Jリーグ U-16チャレンジリーグ
3会場で国内外の53クラブが熱戦
中学3年から高校1年のU-16(16歳以下)年代は、選手の成長にとって非常に重要な時期ながら、試合出場の機会が減少する傾向も
ある。U-18になるとトップチームでの出場も現実味を帯びてくるだけに、その前段階の新高校1~2年の育成をおろそかにはできない。
一種のギャップともいえる時期を埋めるために、2009年から行われているのがJリーグ U-16チャレンジリーグだ。関係者が試行錯誤を
繰り返しながら育ててきた大会も、ことしが6回目の開催(11年は東日本大震災の影響で開催されず)。今回は国際交流基金(ジャパンファ
ウンデーション)アジアセンターと共同で初めて海外からチームを招待するなど、画期的な大会となった。
静岡県(時之栖スポーツセンター)
1位となったチョンブリFCに表彰状を授与
大阪府(J-GREEN堺)
チームを代表して堂々とスピーチを行う
試合終了後、健闘をたたえ合い握手を交わす
若い選手たちは打ち解けるのも速い
茨城県(卜伝の郷運動公園多目的球技場)
麗峰を間近に望む素晴らしい環境のもとで行われた大会は、
選手にとっても指導者にとっても貴重な経験となった
1位・2位決定戦は鹿島 vs 水戸の茨城ダービー
グループ1
(3月22~24日)
【グループA】
順位 チーム
勝点 勝 引分 敗 得点 失点 得失点差
① 湘南 10
② チョンブリ 8
③ 大宮
6
④ 岡山
4
⑤ 盛岡
0
3
2
2
1
0
普段は対戦する機会のない東南アジアのサッカーを肌で感
じ、収穫も多かった(讃岐 vs プルタミナ)
【グループB】
1
2
0
1
0
0
0
2
2
4
順位 チーム
20 6 14
14 7 7
12 5 7
14 7 7
1 36 -35
①FC東京
②鳥栖
③山形
④金沢
【上位トーナメント】
(1回戦)
湘南 4-0 鳥栖
FC東京 1-1(PK9-10)チョンブリ
(3 位決定戦)
鳥栖 0-4 FC東京
(決勝)
湘南 1-2 チョンブリ
【最終順位】
1位:チョンブリFC(タイ)
2位:湘南
3位:FC東京
勝点 勝 引分 敗 得点 失点 得失点差
7
5
3
1
2
1
1
0
1
2
0
1
0
0
2
2
13 3
8 7
6 11
5 11
【下位トーナメント】
(1回戦)
岡山 5-0 金沢
盛岡 0-7 山形
(8 位・9 位決定戦)
金沢 5-0 盛岡
(2 回戦)
大宮 0-1 岡山
(決勝)
岡山 0-1 山形
4位:鳥栖
5位:山形
6位:岡山
順位 チーム
①甲府
②浦和
③栃木
④富山
⑤横浜FC
⑥長崎
13
10
8
4
4
3
①松本
13
②町田
10
③熊本
8
④YS横浜 7
⑤新潟
4
⑥群馬
0
4
3
2
1
1
1
1
1
2
1
1
0
0
1
1
3
3
4
11 3
8 5
6 5
3 6
6 10
5 10
8
3
1
-3
-4
-5
勝点 勝 引分 敗 得点 失点 得失点差
4
3
2
2
1
0
1
1
2
1
1
0
0
1
1
2
3
5
15 5 10
11 8 3
8 6 2
6 8 -2
6 8 -2
3 14 -11
【順位決定戦】
(1位・2 位決定戦) 甲府 6-0 松本
(3 位・4 位決定戦) 浦和 3-0 町田
(5 位・6 位決定戦) 栃木 1-1(PK4-3)熊本
(7 位・8 位決定戦) 富山 3-0 YS横浜
(9 位・10 位決定戦) 新潟 0-7 横浜FC
(11位・12 位決定戦)長崎 3-2 群馬
【最終順位】
1位:甲府 4位:町田
2位:松本 5位:栃木
3位:浦和 6位:熊本
7位:富山
10位:新潟
8位:YS横浜 11位:長崎
9位:横浜FC 12位:群馬
鹿島はグループステージから全勝の見事な成績で1位に
Vol.227
順位 チーム
勝点 勝 引分 敗 得点 失点 得失点差
①横浜FM 10
②名古屋 9
③神戸
6
④大分
4
⑤山口
0
3
3
2
1
0
1
0
0
1
0
0
1
2
2
4
12 5 7
23 4 19
9 4 5
4 10 -6
0 25 -25
【順位決定戦】
(1位・2 位決定戦) 仙台 1-2 横浜FM
(3 位・4 位決定戦) 広島 2-1 名古屋
(5 位・6 位決定戦) G大阪 1-1(PK0-3)神戸
(7 位・8 位決定戦) 長野 1-2 大分
(9 位・10 位決定戦) 愛媛 1-2 山口
【最終順位】
1位:横浜FM 4位:名古屋
2位:仙台
5位:神戸
3位:広島
6位:G大阪
7位:大分
8位:長野
9位:山口
10位:愛媛
MVP:阿部 隼人(横浜FM)
【グループA】
順位 チーム
①水戸
②川崎F
③柏
④徳島
⑤札幌
グループ5(4月3~5日)
【グループA】
【グループB】
勝点 勝 引分 敗 得点 失点 得失点差
9
9
6
3
3
3
3
2
1
1
0
0
0
0
0
1
1
2
3
3
15 2
5 3
5 5
6 12
2 11
13
2
0
-6
-9
順位 チーム
勝点 勝 引分 敗 得点 失点 得失点差
①鹿島
②フレンツ
③東京V
④福岡
⑤秋田
12
7
5
3
1
4
2
1
1
0
0
1
2
0
1
0
1
1
3
3
14 2
10 9
10 7
3 11
3 11
12
1
3
-8
-8
【グループB】
順位 チーム
勝点 勝 引分 敗 得点 失点 得失点差
順位 チーム
勝点 勝 引分 敗 得点 失点 得失点差
①千葉
②C大阪
③清水
④プルタミナ
⑤讃岐
⑥岐阜
12
10
10
6
4
1
①相模原
②京都
③PVF
④鳥取
⑤磐田
⑥北九州
10
8
8
8
6
0
4
3
3
2
1
0
0
1
1
0
1
1
1
1
1
3
3
4
20 5 15
18 8 10
11 5 6
7 22 -15
7 14 -7
1 10 -9
3
2
2
2
1
0
1
2
2
2
3
0
1
1
1
1
1
5
6 7 -1
13 5 8
6 2 4
9 6 3
7 5 2
4 20 -16
【順位決定戦】
(1位・2 位決定戦) 鹿島 4-1 水戸
(3 位・4 位決定戦) 川崎F 2-2(PK6-5)フレンツ
(5 位・6 位決定戦) 東京V 4-1 柏
(7 位・8 位決定戦) 徳島 6-1 福岡
(9 位・10 位決定戦) 札幌 4-0 秋田
【順位決定戦】
(1位・2 位決定戦) 千葉 3-1 相模原
(3 位・4 位決定戦) 京都 2-2(PK5-3)C大阪
(5 位・6 位決定戦) 清水 2-1 PVF
(7 位・8 位決定戦) 鳥取 3-1 プルタミナ
(9 位・10 位決定戦) 磐田 5-0 讃岐
(11位・12 位決定戦) 北九州 2-0 岐阜
【最終順位】
1位:鹿島
2位:水戸
3位:川崎F
4位:フレンツ(マレーシア)
【最終順位】
1位:千葉
2位:相模原
3位:京都
4位:C大阪
MVP:宮川 瑞希(甲府)
2
【グループB】
勝点 勝 引分 敗 得点 失点 得失点差
①仙台
12 4 0 0 12 2 10
②広島
7 211 5 4 1
③G大阪 6 2 0 2 9 4 5
④長野
3 1 0 3 3 13 -10
⑤愛媛
1 0 1 3 3 9 -6
グループ2(3月23~25日)
【グループB】
勝点 勝 引分 敗 得点 失点 得失点差
順位 チーム
参加者は県立カシマサッカースタジアムのピッチにも立った
グループ3(3月26~28日)
順位 チーム
【グループA】
7位:大宮
8位:金沢
9位:盛岡
MVP:サハラト・ソンティサワト
(チョンブリFC)
【グループA】
グループ4(3月31日~4月2日)
10
1
-5
-6
MVP:須藤 翼(鹿島)
30 Apr. 2015
5位:東京V
6位:柏
7位:徳島
8位:福岡
9位:札幌
10位:秋田
5位:清水
9位:磐田
6位:PVF(ベトナム)
10位:讃岐
7位:鳥取
11位:北九州
8位:プルタミナ(インドネシア) 12位:岐阜
MVP:榎本 啓吾(千葉)
大会を終えて
2009年の初開催以来、初めて国外のチームが参加したJリーグ U-16チャレンジリーグ。大
会運営に携わったJリーグ関係者の感想を紹介する。
異質なチームと対戦する必要性を再認識
戦しない他地域のチームが相
フットボール本部 強化・アカデミー部 重野 弘三郎
手だと刺激も多いという感想
中学から高校に上がり、体もぐっと成長する
もいただいている。チームに
時期に、公式試合出場の機会が非常に少なく
よって、
この大会に臨む姿勢は
なるという点に危機感を持ち、
これを何とか解
さまざま。それぞれのテーマ、
消したいとスタートした大会。このような状況
課 題を持って取り組むことが
で、
Jクラブが他地域のチームと対戦する機会
できているので、春 休みの強
もさらに少なくなることから、関係者の好評を
化の一環として定着してきた
得ている。この時期に外部から加わった新し
ようだ。
い選手を試すいい機会としても定着してきた。
外国チームのプレーも印象
学校制度という枠組みの中で、強化には難しい
的だった。例えば、鹿島に0-
面もある年代だが、可能なことをやっていく。
7と敗れたフレンツ(マレーシ
習字で自分の名前などに挑戦したフレンツの選手たち
© Jリーグ
グループ1で優勝したタイのチョンブリFC
ア)も、
中盤のボールの奪い合いでは一歩も譲
おけるサッカー交流、協働事業に関する覚書を
は、
いい意味で衝撃的だった。早生まれは何人
らず、
日本のチーム以上に積極的な姿勢を見せ
締結した。今回のASEAN諸国からのチーム
かいたものの、体つきはしっかりしているし、
た。PVF
(ベトナム)は攻撃がなかなか得点に
招待は、
その取り組みの一つ。大会に出場する
まずはゴールを目指そうとするサッカーは、
日本
結び付かなかったものの、3人目、4人目が絡ん
だけでなく、文化交流なども実施した。
では普段、なかなかお目にかかれないものだ。
で味方を追い越していくプレーなども披露し、
招待したのは、
Jリーグとパートナーシップ
こうした異質なチームとの対戦も増やさない
グループ5の優勝を争った千葉、相模原に劣ら
協定を締結しているリーグのある国のチームで、
と、日本はガラパゴス化してしまう恐れがある。
ぬ潜在能力の高さを見せてくれた。プルタミナ
それぞれの国のメディア関係者も招待した。
国内で勝った負けたではなく、
その力がどれくら
(インドネシア)は、国際大会に参加するのが
参加チームはいずれも各 国のトップクラス。
いなのか、自分の指導がどうなのかを国際レベ
初めてと聞いた。初戦で千葉に1-8と敗れたも
日本サッカーはアジアで最高レベルという認
ルで知ることが大切という認識は、参加チーム
のの、徐々に大会に慣れて随所に好プレーが
識があり、
その「日本のチームとわが国のトップ
の指導者の誰もが持ったようだ。
見られた。
クラスが対戦する」という切り口で、メディアも
重要なのは、いかに真剣勝負の場を増やす
外国チームとのプレーに最初は戸惑ってい
取り上げやすかったのではないか。
「東南アジ
か。その一環として、1級審判員を派遣してくれ
た日本の選手たちが、試合の中で次第に順応
アのチームが、実はこれだけやれる」ということ
る日本サッカー協会に感謝している。タイトル
していく姿を見せてくれたことも成果の一つ。
を、日本の育成関係者に知ってほしいという
が懸かれば、判定の重みが増す。選手はもちろ
異質なサッカーに対して前半は受け身に回っ
狙いも達成できたと思う。参加チームからは、
ん、指導者も審判も関わる人が真剣になれば
ていた試合でも、後半になるとピッチ上での会
レベルの高い大会への招待に対する感謝の
なるほど、
レベルも上がってくるだろう。今後は
話量も増え、自分たちで問題を解決しようとす
他、大会運営の充実ぶり、施設・環境の素晴ら
しさに称賛の声をいただいた。
1位となったチームによる大会開催なども検討
る光景を目にすることができた。より多くのクラ
しながら、観客が見守る中でプレーするような
ブがこのような外国チームとの試合経験を積む
文化交流は、国際交流基金の方々が中心と
機会もつくりたい。
ことが、選手・スタッフにとって必要と感じた。
なってプログラムを企画し、習字体験や和太鼓
観賞、夜桜見物などを行い、
サッカー以外にも
試合の中で選手たちが問題解決の糸口を
参加外国チームから感謝、称賛の声
楽しんでもらった。次回以降もこうした機会が
フットボール本部 強化・アカデミー部 茂木 剛史
国際部 小山 恵
あれば、
今回の経験を生かしつつ、日本と海外
各チームが春休みの育成スケジュールの中
Jリーグは昨年11月、日本サッカー協会、国
の選手が一緒になってできるような交流も考え
で、有意義に活用していると感じる。普段は対
際交流基金アジアセンターと共に、アジアに
ていきたい。
「2015Jリーグ U-14」開幕
~出場機会の少ない年代に定期的な試合出場の場を提供~
Jリーグはことしも、
Jリーグクラブにタウンクラ
これまでのJ1・J2・J3クラブ、タウンクラブ
ブを含めた第3 種チーム所属の選手を対象とし
に加え、グルージャ盛岡ジュニアユース、アルビ
た「2015Jリーグ U-14」を開催する。本大
レックス新潟U-15長岡、
レノファ山口FCU-
会は、試合出場機会の少ない年代の選手に定
15が新たに参加する。なお、試合日程の詳細に
期的な試合出場の場を提供し、個の育成を図る
ついては、各クラブの公式ホームページなどを
ことを目的に2008年にスタート。今シーズンは
参照。
FC東京U-15むさし vs 鹿島ジュニアユース
《2015Jリーグ U-14 大会概要》
(抜粋)
■大会名称:2015Jリーグ U-14
■主催:公益社団法人 日本プロサッカーリーグ ■開催期間:2015年3~12月
■参加チーム:合計65チーム(Jクラブチーム、既存参加タウンクラブチーム)※2014年は
62チームが参加
【各グループ2回戦総当たりリーグ戦】
◆ポラリスA・B(北海道・東北・北信越)13チーム(2グループ)/72試合
◆メトロポリタンA・B・C(関東)28チーム(3グループ)/252試合
◆ボルケーノ(東海)5チーム/20試合
◆サザンクロスA・B(中国・四国・九州・沖縄)19チーム(2グループ)/162試合
■試合方式:
〈 試合方式および勝敗の決定〉70分間(前後半各35分)の試合を行い、勝敗が決しない
場合は引き分けとする。
■入場料:全試合入場無料
■表彰:【優勝】優勝シャーレ 【MVP賞】記念品 【得点王】記念品
〈MVPの選出方法〉各試合が終了した時点で、MVP1人を勝利チームの監督が自チーム
より選出し、MIP1人を敗戦チームの監督が自チームより選出。ただし、引き分けの場合
は両チームの監督が自チームよりMIPを1人ずつ選出する。MVP:2ポイント、MIP:1ポ
イント
30 Apr. 2015
Vol.227
3
特別寄稿
垣間見た愛するクラブに懸ける想い
Jリーグ理事 小宮山 悟
2014 シーズンよりJリーグ理事を務めるプロ野球解説者の小宮山悟氏は、実家が日立柏サッカー場の近くということもあり、柏
レイソルのサポーターとして、2011シーズンのJ1優勝時には柏駅前での優勝報告会で市民を代表してあいさつするなど、Jリーグ
を愛する人物の一人としてファン・サポーターの間で広く認知されている。
理事就任後は精力的にJリーグの試合視察も行い、昨年4月には宮本恒靖特任理事と共に鹿島アントラーズのホームスタジアムであ
る県立カシマサッカースタジアムを視察し、FIFAワールドカップ仕様のサッカースタジアムを体感した。
今回は、2012シーズンにJ2加入後、チーム成績・入場者数とも右肩上がりで成長し、わずか3シーズンでJ1昇格を果たした
松本山雅FCのホームスタジアムである松本平広域公園総合球技場(通称アルウィン)を4月12日に視察。平均1万人を超える入場者
J2時代の2013シーズ
数を誇る松本のスタジアムで感じたことなどを報告してもらった。
ンから平均1万人を超える入場者数を誇る松本のスタジアムで感じたことなどを報告してもらった。
このたび初めて「アルウィン」を訪れ、松本
名門・松商学園出身の早稲田大学野球部
山雅FCサポーターの素晴らしい応援を目の
OBが数多くいる中、昭和33年入学の大月吉
当たりにして(もちろんアウェイの柏レイソル
史先輩が、松本の前社長・大月弘士さんの御
サポーターも素晴らしかった)、
「J1昇 格元
尊父ということで、
「小宮山くんよ、ぜひ、山雅
年」のファン・サポーターの喜びを感じた1日と
の試合を見に来てよ」と言われていたからでも
なった。
ある。さらに昨年の2014Jリーグキックオフ
私は、早稲田大学野球部の出身。浪人中に
カンファレンスで大月前社長にお会いしたとき
激励の手紙をいただいた「恩人」であり、入学
も「ぜひ、松本に」とのこと。かねてよりJリー
した後に野球部の先輩となったのが、夏の甲
グ関係者からも足を運んでみてほしいと言われ
子園最多出場タイ記録を誇る長野県の名門、
ていたこともあり、
今回タイミングが合ってアル
松 商 学園高等学 校 野 球 部の足 立 修監 督。
ウィンに出掛けた。
ターの、愛するクラブに懸ける想いを垣間見る
その足立さんが野球部監督に就任した2011
試合は、3-1で柏が勝利したが、松本は後半
ことができた。
クラブ愛を感じさせてくれた松本サポーター
年 、同高 野 球 部がちょうど創 部10 0 周年を
アディショナルタイムに阿部吉朗選手が一矢
さらに、忘れてはならないのが、11年8月に亡
迎えたその記念試合に、愚息の通う野球部を
を報い、松本サポーターの歓喜する、素晴らし
くなった「松田直樹」の存在。スタジアムの各
招待いただき父兄として訪れたのが、私にとっ
い光景を目の当たりにできた。
所で彼の名前を目にすることができた。それを
て最初の「松本」だった。今回の訪問は2度目
試合後は、
Jリーグ広報部の吉田国夫氏と
見ながら、松本がJ1に定着し、
今シーズン「J1
となる。
スタジアム探訪。まず、ピッチから見たスタンド
昇格1年目」以上のものを得られるように、陰
なぜ今回、アルウィンを訪れることとなった
は、空港が隣接しており、
「高さ」の制限があ
ながら応援したいと思った。後任の神田文之
のか。Jリーグ理事に就任してすぐに、
Jリーグ
るとのこと。それがかえってなだらかな感じで
社長、頑張ってください。
関係者より、地域全 体でクラブを盛り上げる
圧迫感がなく非常に良く感じた(野球場の横浜
アルウィンを後にして、
ンを後にして、
前社長である大月さん
大月先輩に郷土料理
松本のことは聞いており、
ぜひいつか足を運ん
スタジアムは、
マウンドから見るとスタンドが急
に郷土料理で満腹になるまでもてなしていただ
で満腹になるまでもてなしていただき帰路に
でほしいという話をいただいていた。そしてもち
傾斜で、
ものすごい圧迫感を覚えたものだ)。
き帰路に就いたが、
就いたが、何よりも印象的だったのは野球いち
何よりも印象的だったのは
ろん、柏との試合であったというのも否定でき
続いてスタジアム周囲で、
サポーターの方々
ずだったはずの大月先輩がすっかり松本山雅
野球いちずだったはずの大月さんがすっかり
ない…。が、理由はそれだけではなく、松本という
の姿をあらためて見てみると、
「レプリカユニ
FCに魅せられ、
松本山雅FCに魅せられ、
クラブについて雄弁に語る姿
クラブについて雄弁
クラブに、浅からぬ因縁があったからなのだ。
フォーム着用率」のすごいこと。松本サポー
に語る姿だった。
だった。また、伺いたいと思います。
また、伺いたいと思います。
※各項目の詳細については、Jリーグ.jp
(http://www.jleague.jp/)を参照
トピックス(3月20日~4月22日)
Jリーグ・立命館「JHC教育・研修コース」立命館マネジメント
講座(基礎)1 期生 43 人を選抜。Jクラブ所属の元選手も受講決定
Jリーグはスポーツクラブの経営人材育成プログラム「Jリーグ・立命館
実行委員選任
Jリーグは3月に開催した理事会で、名古屋グランパスの実行委員を福島
義広氏から久米一正(くめ かずまさ)氏へ変更することを承認した。
『JHC教育・研修コース』立命館マネジメント講座(基礎)」の受講者選
考会を実施し、43人が1期生として合格した。Jリーグ選手OBで、現在は
Jクラブのスタッフとして活躍する中田浩二(鹿島アントラーズ)、堀之内
聖(浦和レッズ)、黄川田賢司(コンサドーレ札幌)の各氏も同講座の1期
生として受講する。
実行委員
クラブ名
名古屋グランパス
※JHC=Jリーグヒューマンキャピタル
受験者数
第1期
(2015 年度)
合格者
開講期間
スケジュール
開催場所
4
Vol.227
書類選考:エントリーシート/課題シート選考 [実施日] 2015年2月中旬~3月中旬
最終選考:自己PR/プレゼンテーション/個人面接 [実施日] 2015年3月28、29日
書類選考:266人 最終選考:236人
合格者数:43人(平均年齢37.5歳/最年少26歳/最年長62歳)
合格者の主な職業:会社経営者、会社員(金融・コンサルティングほか)、行政・
団体職員、メディア関連、Jクラブ職員、他競技関連職員、公認会計士など
2015年5月9日(土)~2016年2月25日(木)
毎週1回/平日(火曜または木曜)/夜間
立命館大学東京キャンパス(丸の内)またはJFAハウス(本郷)
30 Apr. 2015
福島 義広
株式会社名古屋グランパスエイト
代表取締役副社長
変更後
久米 一正
株式会社名古屋グランパスエイト
代表取締役社長
参与選任
Jリーグ・立命館「JHC教育・研修コース」立命館マネジメント講座(基礎)
選考実施過程
敬称略
変更前
Jリーグは3月に開催した理事会で、2015年4月16日付で名古屋グラン
パスの実行委員を退任した福島義広氏を参与に選任した。
参 与
敬称略
氏名
実行委員在任期間
福島 義広
実行委員 2008 年 2 月~ 2015 年 4 月(在任期間 7 年 1 カ月)
理事 2010 年 7 月~ 2015 年 4 月(在任期間 4 年 9 カ月)
公益社団法人 日本プロサッカーリーグ 組織変更
フットボール本部
大会運営/規律・登録・記録/審判・MC/
医学・DC/JSC対応/コンプライアンス(選
手)/選手契約/J-OB会・JPFA対応
競技・運営部
理事会
規律委員会/マッチコミッショナー委員会/
労使協議会/選手・ステータス協議会
JDC
役員会
強化・アカデミー部
チェアマン:村井 満
専務理事:中野 幸夫
公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)
は、4月1日付で組織の改編を行った。
事業・マーケティング本部
事業部
常務理事:大河 正明
コンプライアンスオフィサー(正)
常務理事:中西 大介
マーケティング部
技術・アカデミー/強化支援
ビジネス戦略グループ
パートナー、
サプライヤー戦略/放送局戦略/
商品化戦略
イベント戦略グループ
主管イベント企画
コミュニケーション戦略グループ
特命担当部長:藤村 昇司
JFA/Jリーグ
将来構想委員会
経営企画本部
企画部
デジタル技術活用/チケッティング戦略
チケットEC戦略グループ
マーケティング委員会
総括グループ
会議運営・組織/事業計画・管理会計/
JSC窓口・IT化推進
PT=プロジェクトチーム
経営人材育成グループ
ホームタウンPT
クラブ拡大PT
人事・労務管理・採用・人材育成・
研修・キャリアデザイン
キャリア開発部
ホームタウン活動
自治体対応
総務本部
広報部
総務部
J3・百年構想
クラブ支援
取材対応・広報業務/IR
経理グループ
総務・秘書グループ
JFA・Jリーグ協働PT
クラブ経営戦略部
強化・アカデミー関連育成
プロジェクト
経営人材育成
クラブライセンス事務局
予算・決算・経理業務/
寄付・コンプライアンス
総務・秘書・庶務・IT運用管理
裁定委員会
クラブライセンス/
クラブ経営戦略・法務・百年構想クラブ
法務委員会/AB・FIB
デジタル2022PT
スタジアム推進グループ
デジタル技術活用
国際部
スタジアム・施設
アジア戦略/FIFA・AFC対応
3月度の月間ベストゴール、月間MVPが決定
各月の明治安田生命J1リーグで最も優れたゴールを表彰する「月間
ベストゴール」の3月度受賞ゴールに、サンフレッチェ広島のFW佐藤
寿人が1stステージ第1節のヴァンフォーレ甲府戦(3月7日)で10分に
決めた得点が選ばれた。月間ベストゴールは、年間で最も優れたゴー
ルに与えられる「年間最優秀ゴール賞」のノミネートゴールとなり、同賞
は12月に行われる2015Jリーグアウォーズで表彰される。
また、各月の明治安田生命J1・J2リーグで最も活躍した選手を表彰
する「明治安田生命Jリーグ コカ・コーラ 月間 M V P」の3月度受賞者
に、明治安田J1はFC東京のFW武藤嘉紀、同J2はジェフユナイ
テッド千葉のMFパウリーニョが選出された。受賞選手には賞金として、
J1は30万円、J2は20万円が授与される。
佐藤は「ゴールまでの距離や角度を熟 3月は単独 1 位となる3 得点 パウリーニョはチームの開幕
知している」
(選考委員会の総評)
をマークした武藤
ダッシュに大きく貢献した
海外視察メディア説明会を開催
Jリーグは4月9日、
JFAハウスで海外視察
メディア説明会を開催した。中西大介Jリーグ
つぶさに視察したのは、
「Jリーグ発展への戦略
を策定する上で、世界の動きを把握し、絵を描く
する見解を報道関係者と共有した。
べきだと考えている」ことが基本にある。そのた
説明会では視察先の現 状や取り組みなど
めには、外部の持つ技術やアイデアを取り入
常務理事が主に説明を行い、藤村昇司 同特命
を紹介した。GDP
(国内総生産)が10年後に
れて革新的で新しい価値をつくり出すオープン
担当部長が補足を行った。説明の内容は、昨年
日本を逆転することも考えられるASEANで
イノベーションを重視する。同常務理事は「われ
からことしにかけて同常務理事が実施した欧
は、
サッカー選手の報酬もJリーグを上回る可
われにとってのオープンイノベーションのパート
州、カタール、中国、ASEAN(東南アジア諸
能性がある点を指摘。
「日本も安 穏としていら
ナーは、
メディアの皆さん。こうした情報を公開
国連合)諸国、アメリカ、
メキシコなどの視察に
れない。こうした状況の中でJリーグ、
日本サッ
することでたくさんの知恵をいただき、
Jリーグ
基づくもの。世界のサッカーを取り巻く著しい環
カーが発展するためには、打つ手を考えないと
の中でイノベーションを起こしたい」と抱負を述
境の変化や、
Jリーグ、
日本サッカーの現状に関
いけない」
と危機感を抱き、
各国・地域の現状を
べた。
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ことしも東京、大阪で実施
Jリーグは2007年から協力。子どもたちが仕事に触れて考えるきっかけに
Jリーグとガンバ大阪は、3月26日
(東京)
、31
20人がJFAハウスを訪問。村井 満Jリーグ
した。2015Jリーグ女子マネージャーの佐藤
日
(大阪)
にJリーグトップパートナーの株式会
チェアマンのあいさつ後 、
Jリーグ選 手 O Bの
美希さんも付き添い、チームの練習見学では
社アイデムが開催した
「アイデムしごと探検隊」
北澤 豪氏が進行役を務め、プロフェッショナル
長谷川健太監督や遠藤保仁選手との記念撮
に協力した。春休みの恒例となったこの企 画
レフェリーの西村雄一氏らがそれぞれの仕事
影も。その後、
クラブスタッフからクラブでの仕
は、小学生が「しごと」の現場を訪問、見学し、
について話した。質 疑 応 答では子どもたちの
事について話を聞き、今秋に完成予定の新ス
働く人々からじかに話を聞くことによって、仕事
活発さが目立ち、次々に手が挙がった。最後に
タジアム建設現場では、作業に従事する関係
者からの説明を受けた。
や働くことについて考えるきっかけを提供する。
北澤氏からプロサッカー選手の仕事について
Jリーグは2007年から協力を続けており、子ど
「世界を笑顔に、元気にする。人のためにどれ
参 加した子どもたちは訪 問を終えた後 、グ
もたちがJリーグやサッカーに関わる仕事をして
だけ頑張れるかが大切」
という話を聞いた子ど
ループごとに話し合いながら見聞の結果や感
いる関係者の話に耳を傾け、試合を行うために
もたちは、
チェアマン室やJリーグ関連会社な
想をリポートにまとめ、その成 果を発 表し合っ
多くの人々が携わっていることを知ってもらい、
どを見学し、仕事の現場にも触れた。
た。なお、当日の模様はアイデムが毎週発行
仕事の楽しさ、大切さを学んでほしいという願い
大阪では関西圏の小学4~5年生(同)18
している求人フリーペーパー「ジョブアイデム」
を込めている。
人が、
Jリーグ選手OBの永島昭浩氏の引率
に掲載が予定されている
(東京は5月11日発
東京では、首都圏の小学4~5年生
(実施時)
で、
G大阪のクラブハウス、練習場などを訪問
行号、大阪は同18日発行号)。
東京
Jリーグフォトで写真やカードについての説明を聞く
日本サッカーミュージアムを見学して記念撮影。後方は進行役を務めた北澤氏
西 村 氏( 右 端 )の話の際にはバニシング・ 村 井チェアマンは参 加 者の一 人 一
スプレーにもトライした。左は北澤氏
人と握手を交わして迎えた
大阪
女子マネの佐藤さんも子どもたちと一緒にクラブハウス内を見学
遠藤選手
(後方)
と共に、
建設中の新スタジアムをバックに記念撮影
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30 Apr. 2015
新スタジアムのピッチ部分で建設の様子を見 アイデム大阪支社に戻って一日の成果を
学する貴重な経験もできた
まとめた後、
仲間たちの前で発表を行った