金沢の歴史的重層性 他の都市にない個性

新企画
る。金沢なのに兼六園や金沢城、
から﹁ かな ざわ
建 築の博 物
館︱歴史と現代の共存﹂をスタ
しかも2月の寒い時期なので参加
く、ひたすら現代建築巡りである。
歩きもグルメもショッピングもな
茶屋街、尾山神社には行かず、街
ート させ ま す。 金 沢 は、 藩 政
北 國 総 研の自 主 研 究 は4月
期から現代までの歴史層が年輪
者が集まるのかと危惧していた。
8割が ∼ 代、その7割が女性
日前に参加者は一般市民が多数で
進めた。ところがツアー催行の3
ろうと予測してレクチャー準備を
する建築士、デザイナー、学生だ
参加者は建築やデザインを専門と
そんなツアーなのに募集2日目
で満席になったという。それゆえ
のように重なり、他の都市にな
い魅 力 を 持っていま す。 北 陸 新
幹 線 が 開 業 し、 全 国 から 注 目
が集まるふるさとを、建築の視
点で研究していきます。スター
トに 先 立 ち 研 究 員であ る 金 沢
工 業 大 学の水 野一郎 教 授に 金
沢の文 化や建 築の魅 力について
語ってもらいました。
しなかった。幸い参加者は目を輝
長野を出発し、まず、しいのき迎
ることになった。ツアーは早朝に
て一安心した。
ど興味を示し、質問までいただい
昼食後﹁ 世紀美術館﹂
﹁鈴木大
賓館にてレクチャーを受け、弁当
方が良いのではと思い直し、変更
﹁金沢の現代建築を巡る﹂とい
う長野市からの日帰りバスツアー
かせ、うなずき、時には微笑むな
めるには、専門の領域を披露する
沢を訪れる﹂という強さを受け止
ったが﹁現代建築だけを鑑賞に金
内容の変更にとりかからねばと思
と聞きビックリ、早速レクチャー
70
参加者 名に対してレクチャーす
長野の女性が関心示す
60
この体験で二つのことを確認し
た。一つはツアーが組めるほど現
40
学して帰路につくという内容であ
﹁海みらい図書館﹂の4カ所を見
拙館﹂
﹁駅もてなしドームと鼓門﹂
金沢に鑑賞に価する現代建築が建
も存在していること、もう一つは
代建築に関心を示す市民が地方に
金沢には一向宗が御坊を築いた
時代の思想、百万石の繁栄を表現
ることである。
ち並んでいて、それが知られてい
イル、技術等を表現した建築や環
代の価値観、美意識、ライフスタ
ること。もう一つは今の我々の時
を消し去ることなく保存・継承す
層の優れた文化、いとなみ、建築
い仕事は二つある。一つは過去の
ムクーヘン都市にとって欠かせな
としてスタートしたが、一方で近
が蓄積された。戦後は非戦災都市
って大正ロマンや西欧近代の建築
正・昭和に入ると民間企業も加わ
機能が開花モダンで、さらに大
入ると陸軍、学校、教会などの新
茶屋街などを築いてきた。明治に
沢城、成巽閣、社寺、武家屋敷、
ができたら良いと考えている。更
した人々の心について触れること
共に、その建築を創った人や利用
建築群を見て楽しんでいただくと
金沢の歴史的重層性
他の都市にない個性
した江戸期の文化や産業、北陸の
境を創造して新しい層として付け
れの時代の生活スタイルや価値観
いて、それらの空間の中でそれぞ
まちなかにモザイク状に存在して
屋、社寺、教会、公共建築として
その営みの場が住まい、商家、茶
み重ね﹂と相通ずるものである。
那衆がよく言う﹁伝統は創造の積
を継続することであり、老舗の旦
うした二つの営みは歴史的重層性
うかを評価することでしょう。こ
去の歴史層として優れているかど
作層が創られた。
や鈴木大拙館に至る現代建築の秀
森ホール︶から金沢 世紀美術館
美術館や厚生年金会館︵現本多の
その中で公共建築において、県立
る。
を得ることができればと願ってい
れらに匹敵する建築や街を築く力
このように都市として歩み始めて
時代に学び街を築く
の特徴を有する層を積み重ねてい
﹁かなざわ建築の博物館︱歴史と
から今に至る各時代の歴史層が年
金沢が都市として歩み始めたの
は一向宗が御坊と門前町を構えた
現代の共存﹂にてその各層をたど
る。今回の北國総研ふるさと講座
沢をバウムクーヘン都市と呼んで
時であり、江戸期は百万石城下町
ってみたい。そして金沢の多彩な
輪のように見えることから私は金
いる。
として町割りを定め、その中に金
水野 一郎
卒 、 年 、東 京 芸 大 修 士 課 程 建 築 学 専 攻 修
︶年、東大工学部建築学科
39
了。 年から金沢工大教授
79 66
21
歴史的重層性を個性とするバウ
1964︵昭和
や美意識を味わうことができる。
バウムクーヘン都市
中枢都市として明治・大正・昭
に欲張れば各時代の価値観や美意
日曜日 午後1時∼
代化という目的で不燃化、再開発、
(デジタル009chほか)
「ときめきQハイビジョン」
加えることである。その新しい層
土・日曜日 午前11時∼、午後5時∼、同9時∼
和・平成の各時代に合わせてゆっ
「北國新聞ニュース・プラス」(地デジ9chほか)
識に学びながら、我々の時代もそ
北國総研の自主研究「かなざわ 建築の博物館」
は毎週土・日曜日に放送している45分の教養番
組です。
区画整理などでの改造を重ねた。
かなざわ 建築の博物館
を 年後、100年後の人々が過
北國総研のふるさと講座
くり築いてきた市民文化がある。
金沢ケーブルテレビネット
このように金沢の建築史はまさ
にバウムクーヘンのように各時代
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北國総研
自主研究
もてなしドームの下で金沢の魅力を語る研究員の水野氏
(左)
=金沢駅