平成27年度事業計画書

平成27年度
事
業
公益財団法人
計
画 書
泉 屋 博 古 館
平成 27 年度事業計画 案
我が国文化の向上を目的として、「住友コレクション」の公開及び研究を通じ、
平 成 27 年度は 下 記 の 事 業 を 行 い ま す 。
1.保存公開事業
(1)公開事業
「来てよかった」と感じて頂ける展覧会を目指します。
展覧会名
期間
本館常設展「中国青銅器の時代」
下記企画展と同じ
本館企画展
「住友グループの企業文化力Ⅲ
3/21 ~5/17
フランス絵画の贈物 ―とっておいた名画」
〃 「住友コレクションの明清書画」
5/23 ~7/12
〃 「生誕 150 年記念Ⅰ
9/5~10/12
コレクター住友春翠の眼差しー西洋と東洋―」
〃 「生誕 150 年記念Ⅱ
10/20~11/29
数寄者住友春翠の眼差しー日本美術への想いー」
本館開館日数計
分館特別展「小川千甕展 縦横無尽に生きる」
〃 「住友グループの企業文化力Ⅲ
フランス絵画の贈物 ―とっておいた名画」
〃 「須坂クラシック美術館創設20周年記念
きもの モダニズム」
分館開館日数計
(名称は一部仮称。別紙展覧会スケジュール参照)
(2)修復事業
作品名
桜模様花瓶
修復内容
上半部の剥離した桜花紋を固定化
日数
162
49
44
33
36
162
3/7~5/10
5/30 ~8/2
56
56
9/26~12/6
62
174
金額
500 千 円
2.調査研究
青銅器研究及び住友コレクション研究の深化を図り、研究成果を展示にも反映
します。
( 1 ) 共通テーマ
テーマ
備考
継続テーマ
「青銅器研究」の更なる深化
当館を日本における青銅器研究の拠点とするべく、在日研究者の組織化、
研究会の実施、中国の博物館および研究機関との学術交流等を進める。
継続テーマ
「別子銅山遺物共同研究」
銅精錬技術研究の一環として、別子銅山関連遺物に関する科学分析を、
住友史料館と共同で実施する。
1
継続テーマ
「館蔵品来歴共同研究」
購入台帳に基づき住友コレクション形成過程を調査。年 4 回の企画会議
で調査結果を報告する。その成果の一部を春翠展ⅠⅡで発表。
継続テーマ
「本家什宝受贈準備」
調査完了の分野から順に外部評価を受け、平成 28 年春の受贈を目指す。
新規テーマ
「住友家邸宅建築の研究」共同研究
近代住友家の本邸・別邸の和洋館建築の資料を集成し全容解明をはかる
研究に着手する。建築物としてのみならず美術品鑑賞の空間として、住
友史料館、また建築史家と共同で行う。中間報告として春翠展にて展示
公開。特に須磨邸の模型を制作予定。
(2)個別テーマ
テーマ
備考
小南一郎
① 出土文物を中心とした中国古代文化・制度の研究
② 民衆信仰を通して見る中国基層文化の研究
科研費(分担者)
―目連救母と地獄の構造をめぐって
外山潔
① 大阪大学と共同で、日本アメリカ所蔵中国金銅仏の総合研究
② 館蔵と本家所蔵の中国陶磁器の総合研究
③ 受贈彫刻を中心とした平安から鎌倉時代木彫仏の研究
廣川守
① 高精細画像を利用した商周青銅器銘文の研究
科研費助成
② 館蔵編鐘の製作技法研究および復元鋳造
③ 青銅酒器の容量研究
実方葉子
① 高麗仏画の科学的・様式史的研究
科研費助成
修理竣工した徐九方「楊柳観音図」と同時代の仏画について、美術史、
分析科学などの観点から、制作技法や様式について、韓国人研究者を
交えた日韓共同研究を実施。
② 木島桜谷研究(写生帖の分析)
③ 住友コレクション形成史研究~住友寛一蒐集品を中心に~
村山順一郎
① 館蔵貨幣の蛍光X線分析調査
② 別子銅山関連資料の蛍光X線分析調査
③ 館蔵品の高精度分析法の総合調査
野地耕一郎
① 「住友グループ展」開催に向けた絵画作品調査。
フランス人画家を中心に調査
② 館蔵作品における関西文人画家の系譜・交友関係の調査
③ 須磨別邸に関わる黒田清輝・鹿子木猛郎らの作品研究
④ 「幕末・明治の文人画家研究」―安田老山の画業と作品についての
調査研究
森下愛子
① 近代の着物研究(東京文化財研究所、須坂クラシック美術館と共同研究)
2
② 茶会記にみる住友春翠のネットワーク
③ 江戸時代後期から大正期にかけての伊万里焼研究(香蘭社を中心に)
3.お客様満足度向上のための施策
「また来たい」と感じて頂くために、環境作りをします。
内容
(1) 近隣美術館との連携
【本館】
春翠展に関し、同時期開催の野村美術館「野村得庵展(仮
称)」と連携をはかる
【分館】
泉ガーデンイベントへの協力、アークヒルズ音楽週間へ
の参加、都内美術館との展覧会合同貴社発表
(2)イベントの開催
【本館】外部講師をお招きしての講演会
春翠展ではシンポジウムを予定
【分館】各展覧会でスペシャルギャラリートークを実施
ロビーコンサートの実施
(3) 青銅器解説ボランティアの質的向上
【本館】
好評を頂いているボランティア解説員の技能向上の
ため、継続フォローアップ研修を年 4 回程度実施
メンバーの高齢化に伴い、中堅層のレベルアップ、新規
解説員を募集
(4)学芸員による列品解説の開催
【本館】月 1 回列品解説
【分館】展覧会毎に 3~4 回実施
関連作家招聘「アーティストトーク」
展覧会毎に鑑賞の手引きをパネル展示
(5) 特別鑑賞会の実施
【本館】
庭園鑑賞とセットで、春秋各 2 日計 4 日
(6)入館券、紹介パンフレット等の作成【共通】
展覧会スケジュールを本分館共通作成(計 43,000 枚)
前売券の作成、販売
備考
相互借用・入館料相互割
引、共通イベントなど
1 回 100 名程度
複数年経過したベテラン
が活動の主体
1 日 25 名 程 度
継続
新規
4.普及啓発広報活動
我が国文化の向上に寄与するために、次の普及啓発・広報活動を行います。
内容
備考
( 1 ) 図録・紀要の発行
① 「泉屋博古館紀要」第 31 巻
750 部(平成 27 年 8 月)
②「住友春翠展」図録 1,000 部(平成 27 年 9 月)
③「フランス絵画」図録 2,000 部(平成 27 年3月)
3
( 2 ) 大学への出講
小南(龍谷大学・通期)
野地(成城大学・通期) 森下(実践女子大学・後期)
(3)博物館実習の受入
【本館】6 大学 12 名程度
【分館】2 大学 院生 4 名程度
継続
継続
5.施設への対応
施設の経年劣化対応および顧客対応力向上のため、必要な工事を実施します。
( 1 ) 分館設備リニューアル(第3期)
・分館展示スペースの拡大を図るため、展示ケース(仮設)、照明等を設置し、
ホールの展示室化を行う。
・館全体のセキュリティ増強
・美術品保存のための環境対策強化(開閉口防虫、温湿度管理機器更新等)
(2)本館吊り天井強化工事(平成 27 年度末着工予定)に備え、工事資金積立を継続する
とともに、設計着手、業者選定を行う。
(3)本館第5展示室への映り込みを低減させるため、低反射テープ貼付けを行う。
以上
4