第5回耕読会「STEP④真因を考え抜く」(レジュメ)

第5回耕読会「STEP④真因を考え抜く」
(レジュメ)
1 「なぜ」を 5 回繰り返せ(156 頁)
(1)真因を取り除かないと問題が再発してしまう
・STEP④の意義は STEP②「現状を把握する」で明らかになった原因を究明し、真の要因(=真因)を
突き止めることにある(真因とは問題を再発させる真の要因のこと)
。
・問題を発生させた真因を追及し、抜本的な解決を図ることが大切。目の前の要因に飛びつくと、同じ問
題に直面することになる。
(2)真因に迫れないと中途半端な対策で終わる
・
「なぜなぜ 5 回」の習慣づくり…必ずしも 5 回の「なぜ」で真因が見えるわけではない。2~3 回で分か
ることも、5 回以上繰り返して分かることもある。大切なことは、途中で真因と早合点せずに、真因を
最後まで絞り込んでいくこと。
2 「特性要因図」で真因に迫る(162 頁)
(1)
「特性要因図」とは?
・解決すべき問題を特性(=悪さ)と言い、これを分析するために活用するツールのこと。
・特性要因図で分析したものは真因になり得る要因であり、この段階では真因ではない。
(別紙:
「特性要因図のつくり方について」を参照してください)
(2)切り口を考える 2 つのポイント
①大骨(切り口)を見つけること…ヒントとなるのが問題解決手法の 4M(Man:人・Machine:機械・
Material:材料・Method:方法)だが、人、モノ、カネ、情報、QCD(Qualty:質・Cost:コス
ト・Delivery:納期)
、心・技・体などの切り口も存在する。
②特性要因図の完成形に正解はない
・きれいな特性要因図(フィッシュボーン)を描くことが目的ではない!
・多くのメンバーから、多くの意見を出し合うことで視点が増え、真因にたどりつきやすくなる。
・特性要因図の「特性」部分には STEP②「現状を把握する」で導き出した課題を当てはめること。
3 「真因かどうか」を確認する 3 つのポイント(170 頁)
例外的に STEP④については、経験と勘に頼っても構わない(仕事の経験値が高い人に参加してもらうこと
が大切)
。真因と思われる要因(=推定要因)をピックアップしマルで囲む。
①その要因に手を打てば問題が解決され、同じ成果をあげられるか。
②もう一度「なぜ」を繰り返した時に問題が拡散しないか。
③「なぜ」で結んだ因果関係は逆方向で考えても無理なく成り立つか。
4 正真正銘の「真因」に迫れ(176 頁)
(1)正真正銘の真因を絞り込むための「なぜ?」
特性要因図で絞り込まれた推定要因は、三現主義にもとづき、事実との検証を行って要因をあぶりだして
行く。→この段階でも「なぜ」は有効。
(2)真因かどうかをチェックする 3 つのポイント…上記3の①~③を再度意識する。
真因の目星がついたら現場の状況やデータと一致させることにより、はじめて真因と判断できる。
(3)
「これならできそう」ではなく、
「これをやらなければいけない」という視点で真因を見定める。
(4)真因へとつながるプロセスを明確にする
「なぜなぜ 5 回」のプロセスをメンバー間で共有しておくことで、個々により異なる問題と真因との間
にある思考のプロセスを埋め、一致させることができる。→メンバー全員で因果関係が明確につながって
いないと、全員が理解・納得できないまま次のステップに移行してしまう。
※特に経験のあるマネジメント層は、因果関係を飛ばして対策を立てる傾向があるので要注意!
5 「真因」を他人に押しつけてはいけない(184 頁)
(1)
「患者さまが悪い」
「病院が悪い」では問題解決にはならない。自分の責任の範囲で問題解決に結びつけ
られる真因(≒自分たちでできること)を探すこと。
(2)感覚的な要因に結びつけないこと…真因にたどりついているのにさらに「なぜ」を繰り返し、感覚的な
要因を真因としてしまわない。
(推定要因…感覚も必要 ⇔ 真因…因果関係が必要)
・
「なぜ」は事実ベースでつながなければ、あらぬ方向に拡散してしまう。
・真因を人の意識や意欲に結び付けてしまうケースも、感覚が作用している可能性がある。