第一席 真の優しさとは〜厳しさの中にあるもの〜 藤女子中学校二年(北海道) てしまう。そのことを考え、「厳しい」と言われる先輩方は、部員に 注意してくれるのだと思う。また、にぎやかな雰囲気のまま誰も注 意しないと、新入部員もこのような雰囲気で良いのだと思ってしま い、これから先もずっとダラダラした部活になってしまう。 つまり、私が何を言いたいかというと、ただ怖いことが優しさと いうわけではないが、それなりの厳しさがあってこそ、優しさだと 思う。それは、私達が本番当日、失敗しないようにという思いや、 ていた。確かに怒られると怖いため、優しい先輩を好きになると思 多くの割合で「厳しい先輩よりも、優しい先輩の方が良い」と言っ 優しく教える先輩と厳しく教える先輩がいた。私の同学年の人達は、 新入部員の私達に先輩方が教えてくださった。教えてくださる中で、 し方、お茶碗の持ち方とその高さ、おじぎの仕方など、沢山の事を 学校祭に向けてのお稽古は、お客さんが座る畳の番号、お菓子の出 ので、今年、二年生で初めて学校祭のお茶会に参加させてもらった。 が入部した時は学校祭という茶道部の一大イベントは終わっていた 道部に入部したきっかけは、茶道を習っていた母の影響だった。私 私は、中学一年生の後期に茶道部に入部した。他の部活とは違い、 茶道部だけ新規入部の人は後期からしか入部できないのだ。私が茶 とではなく、これからもずっと続くことだから厳しかった先輩方の の茶道部の伝統はこれからも守りたいと思う。私が一人でできるこ を積んでいないが、先輩方が何年も何年も守ってきた藤女子中学校 導してくれる機会が減るだろう。私はまだ指導できる程茶道の経験 してくれていた五年生(高校二年生)の先輩方も今年から部活で指 次の学校祭はまた来年で、今年の部長も来年には変わり、主に指導 員が来た。一年生も入部したので、私は先輩という立場になった。 さった先輩方に感謝したい。九月から後期になり、茶道部に新入部 茶会は一度も失敗せずに成功できた。私は、当日まで指導してくだ 私達は、このような先輩方もいてくださったおかげで、学校祭のお 面白く、明るい先輩であるため部活との切り替えができているのだ。 関下 真 由 う。しかし、先輩方が学校祭当日のことや、これからの茶道部のこ ようになり、この部活の伝統を後輩に受け継いでいきたいと深く思っ 藤女子中学校の茶道部がはずかしい思いをしないようにという思い とを考えていると思うと、少し私の考え方が変わった。学校祭では、 た。 から来ているのだと思うからだ。お稽古で厳しい先輩方も、普段は とても緊張感の漂う雰囲気の中でお茶会をする。しかし、お稽古の 時に部員が水屋で話してにぎやかになっていると、初めてお茶会に 参加する部員は本番でのイメージがつかめず、各自、緊張感を持っ て取り組めなくなり何も分からないまま本番をむかえることになっ
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