第 4 回 JAMP-IT 相談会議事要旨 1. 開催日時:2015 年 5 月 15 日(金) 14:00~16:00 2. 場所:産環協 6F AB 会議室 3. 出席者:(敬称略) GP 会員:川下セットメーカ 2 社、商社 1 社 SME 会員:川下セットメーカ 1 社、川中部品メーカ 4 社 コーディネータ:情報基盤技術委員会 濱川委員、鍵野委員 JAMP 情報センタ:清國(ファシリテータ)、近田、杉本、星野 4. 議事次第 1) 各社自己紹介 2) JAMP-IT 最新動向 3) 商社 GP 会員 JAMP-IT 活用事例紹介 4) JAMP-IT での拒否回答への対応やその他運用に係る討議 5. 議事概要 1) 各社自己紹介 1) JAMP-IT を使い始めたが、事前調整の為のメールを送ってもなかなか回答を得られないことが多い のが悩み。この場にも取引先がおられ JAMP-IT を利用していることがわかったので、今後の活用に 繋げられるようにしたい。(川下 A 社) 2) JAMP-IT で情報入手依頼をした場合、納期を過ぎても回答を得られず回答遅延メールが来ることが 多い。そのため JAMP-IT を使いこなせず別ルートから情報入手することもある。JAMP-IT をもっと活 用したいと考えている。(川中 B 社) 3) まだ JAMP-IT を使えていない。商用 AS の操作も難しいと感じている。(川中 C 社) 4) 川上に近い川中にいる。当社も JAMP-IT で情報提供したいが情報入手の要求がない為活用できて いない。(川中 D 社) 5) 取引先の GP 会員の勧めで、JAMP-IT に入会したが、まだその取引先が JAMP-IT を利用できていな い為、情報流通が始まっていない。この取引先以外に情報提供できそうな会員を見つけて、情報提供 を始めたい。(川中 E 社) 6) JAMP-IT を利用し、活用している。後程活用事例紹介で詳細をお話ししたい。(商社 F 社) 7) 主に JAMP-IT で情報入手をしている。(川下 G 社) 8) 放送用装置を開発・製造している。JAMP-IT をフルに活用できていない。(川下 H 社) 9) JAMP 立ち上げの頃から JAMP に携わっている。前職は、川中部品メーカに所属していたので、それ らの経験から皆さんと共通する課題も多いと思う。(情報基盤技術委員) 10) JAMP-IT に 5 年ほど携わっている。昨年は情報基盤技術委員会の委員長として JAMP-IT 普及の施 策を行った。川下セットメーカに所属しており、情報入手の立場から皆さんと問題意識を共有したい。 (情報基盤技術委員) 11) 今回は、討議のテーマとして「JAMP-IT での拒否回答の運用」を挙げている。これは過去に実施した 会員向けアンケートでも、JAMP-IT を利用する企業に共通する課題であると認識している。尚、本討 議前に JAMP-IT の最新動向と JAMP-IT を活用頂いている商社 F 社の事例を紹介したい。この内容 も皆さんの JAMP-IT 利用に役立つ内容となると思う。(JAMP 情報センタ) 1 2) JAMP-IT の最新動向説明 JAMP 情報センタ 2 3) 商社 F 社 JAMP-IT 活用事例紹介 1) AIS 採用の経緯 1) 当社は、電子部品やメカトロニクス系の製品を主に扱う商社で、2011 年から取引先の川中部品メ ーカと共に JAMP-IT を活用している。 2) 20 年前から注文書を EIAJ 標準による EDI 化を推進している経緯から JAMP の AIS を含有化学 物質調査に使用することとした。 2) AIS 調査の為の社内体制や IT システムの整備 1) 上記調査を効率的に行うため、2009 年 4 月、在庫管理を実施している当方所属の業務部が環境 調査の窓口を行うこととなった。 2) 2010 年 6 月に社内の営業に取引先に AIS に切り替えてもらうよう働きかけを行う指示を出した。 3) 2010 年には現在主に JAMP-IT で情報流通をしている川中部品メーカが主要 6000 品目の AIS の作成を開始し、彼らと協力の上、これらの品目を JAMP-IT で情報流通することとした。 4) 2011 年 11 月に川中部品メーカが主要 6000 品目の AIS を JAMP-IT に登録を完了したので、当 社も JAMP-IT で情報入手が可能となった。 5) 2012 年には 2010 年 6 月の時以上に、社内の営業に取引先に AIS に切り替えてもらうよう強く指 示を出している。それらの甲斐があって、個社個別のフォーマットなどが減り、含有化学物質調査 が AIS に統合されつつある。 6) 2013 年以降は、社内 SNS として環境情報についての討論などを行う場を開設し、営業への啓蒙 や支援を行っている。2013 年 10 月には、業務部が提供する含有化学物質情報シートは AIS の みとし、他のフォーマットでの要求は営業自身が対応することにしている。 7) 今年 1 月には数千集まった AIS を社内の共有ドライブに公開し、営業が自由に利用できるように した。AIS の営業への認知度は高まってきたと感じている。 3) 調査業務の効率化実現 3 1) このような取り組みの結果、当初は含有化学物質調査全体で AIS の割合は 30%程度だったが現 在は 60%を超え、調査納期の短縮を始めとする業務効率化がなされている。 2) 4) 今後は JAMP-IT で情報入手・提供出来る企業を増やすことで更なる効率化を進めたい。 有難う御座います。当事例は JAMP-IT の成功事例の一つで、このような事例が増えればかなりの業 務の効率化が望めるので我々も同様なケースを増やしたいと思っている。また、当事例にある GP 会 員間の情報流通を更に促進する為に、今後も本事例の商社殿と協力し JAMP-IT を利用できるサプラ イチェーンを拡大してゆきたいと考えている。(J 情セ) 4) JAMP-IT での拒否回答への対応やその他運用に係る討議 ①JAMP-IT で要求後回答がもらえない場合、調査方法を切替える運用で情報入手 1) 本日の議論のテーマは、過去のアンケートからのユーザの声を元に課題抽出を行い、JAMP-IT での 拒否回答を減らすための対応として、「情報流通基盤利用ガイドライン」の作成や、「JAMP-IT ポリシ ーシート」を会員のみなさんに提供してもらい運用を始めている。汎用品なら全て JAMP-IT に登録頂 ける川中 GP 会員の場合でも、お客さんを事業所まで特定しなければ情報提供出来ないものもあり、 そういうものの情報入手依頼が来た時は、拒否回答になってしまうという話を伺った。(J 情セ) 2) 拒否回答ならまだわかりやすいが、「回答遅延」メールが延々と商用 AS から配信される場合がある。 その場合、JAMP-IT での調査を継続してよいかどうか判断できず拒否回答以上に対応に困る。(川中 B 社) 3) 回答遅延メールが続く場合、当社では先方と連絡を取って状況を確認する。JAMP-IT で回答頂けな い場合は、別ルート(メールなど)でもらう場合もある。その際に、システム上ではまだ回答がなされて いない為、回答遅延メールが延々と続く結果となってしまう。(川中 C 社) 4) 上記のような場合、やはり情報提供側に一旦「回答拒否」をしてもらわないと延々と商用 AS からメー ルが送られることになると思う。(川下 G 社) 5) 以前ある GP 川下会員が、JAMP-IT での情報入手をする場合、JAMP-IT で要求をして 2 週間以上回 答がない場合は、他のルートでの入手に切り替えるという運用を行っていた。全部を JAMP-IT で情報 入手するのは現状では難しいと思われるので、このような運用を社内ルールとして取り決めて行うこと も効果的だと思う。(J 情セ) ②SVHC 更新毎に川下から AIS の再提出や不含有保証を求められる。購買契約などで対応も可能 1) 当社は JAMP-IT を使いたいがまだ使えていない。理由は、川下から JAMP-IT での情報提供依頼が 全くないため。川下から要求があれば出したいが、JAMP-IT では要求が来ない。IT 以外に要求される 場合は、AIS に法的担保を求められたり、SVHC が更新されるたびに再調査が来たりと対応に苦慮し ている。(川中 D 社) 2) JAMP の AIS は原則として法的な保証をするシートではないが、個社間の購買契約などで法的保証と みなすような運用をする場合もある。(情報基盤技術委員) 3) JAMP で公開されている AIS や MSDSplus の解説書に AIS などを不含有保証として使う場合の解釈な ども記載されているのでそれらの文書は参考になると思う。(J 情セ) 4) 再調査については、明らかに含有化学物質に変更がない場合は特に情報提供する必要はないのが 原則。但し各社グリーン調達基準はまちまちであるため、確認が必要。情報提供をする側は、ベストエ フォートでの提供が求められるが、いつの時点の最新の情報であるかが明確であれば、問題はない。 4 (J 情セ) 5) しかし実際のサプライチェーンでは、日付が変わっただけで含有化学物質情報に変化がなくても更新 情報として情報提供するよう求められ場合も多い。妥当な理由があれば対応するが、妥当な理由と思 えない要求もある。(商社 F 社) 6) 情報提供する側だけでなく、情報入手する側にも知見が必要ということはよく理解できるので、当社も 注意して情報入手依頼をしている。(川下 G 社) ③JAMP-IT で更新情報が配信されると情報提供側&入手側双方の工数削減につながる 1) 情報更新をする場合が JAMP-IT の利用に一番メリットが出るときである。一度 JAMP-IT で情報入手 をしている取引先には、更新情報が一気に配信される。(J 情セ) 2) また情報入手側もバケツリレーでなく、IT ならば一気に情報入手が可能となるのもメリット。(情報基盤 技術委員) 3) JAMP-IT のメリットを享受するためには、やはり情報入手から情報提供という含有化学物質調査の一 連の流れが JAMP-IT 上で行わなければ、難しい。JAMP-IT で情報入手依頼が来ても、当該製品が JAMP-IT 上で情報入手出来ていない場合は、システムで紐づかないため、JAMP-IT での情報流通に つながらない。当社でも 1 社から情報入手は出来ているが、他の取引先からの情報入手も進めたいと 思っている。(商社 F 社) ④JAMP-IT 経由の調査への切替えは、取引先に直接交渉するのが一番効果的 1) 確かに更新情報が自動的に配信されるメリットは大きいと当社では感じている。JAMP-IT に情報入手 を一元化しようと JAMP-IT での調査を実施してきたがなかなか情報入手出来ないのが現状。当社は 放送用機器を扱っており、一度購入されると 10 年ほど使用するお客様が多い。一方で部品のライフ サイクルは短い。情報流通基盤のガイドラインの記述に「生産中止部品の AIS は提供できず回答拒否 される」、というものがあるが、それでは困る。(川下 H 社) 2) 本ガイドラインの記述は、生産中止部品の AIS は提供しなくていい、と言っているわけでなく、あくまで も個社の対応になる。たいていの会社は生産中止の部品であっても、社内ルールに従い AIS を提供し ており、その提供する行為を JAMP-IT で行っても何ら問題はない。(情報基盤技術委員) 3) 了解した。JAMP-IT で情報入手がしきれないものについては、現在分析などの手段を使う場合もある。 そのようなことをしなくても情報入手できるようにしたいのだが。(川下 H 社) 4) 今までは JAMP-IT で情報入手出来ない場合でも、相手方の企業に JAMP-IT 経由での情報提供を依 頼する事で、JAMP-IT に切り替わった事例も多々ある。(J 情セ) ⑤提供側はまずは JAMP-IT に登録、入手側は入手依頼を出してみることが早期情報流通の鍵 1) お客様からの意見が一番重要だと思われるので、情報入手したい企業に直接 JAMP-IT での情報入 手をうったえることが必要。(情報基盤技術委員) 2) 当社は川上に近い川中だが、ぜひとも JAMP-IT での情報入手を依頼してほしいと思っている。 JAMP-IT で要求をして頂く事はとても重要。(川中 D 社) 3) 了解。やむを得ない場合は分析し情報入手をすることも今後あり得ると思うが、JAMP-IT での情報入 手状況を見てゆくことにする。(川下 H 社) 4) 御社の様な場合、サプライチェーン単位で入会するのが最も効果があると思われる。情報入手や情 5 報提供先を伴うことで、サプライチェーンが JAMP-IT でつながる。そのためのサプライヤー支援なども JAMP 情報センタでは実施しているので活用頂きたい。(J 情セ) 5) 当社は、現在 JAMP-IT での情報提供が出来ていない理由が、情報入手依頼が来ないから。しかし、 今この場にも同じく JAMP-IT 利用を待っている取引先がいることが判明したので、是非 JAMP-IT で情 報提供を開始したい。他の課題としては、標準の AIS での情報提供依頼でなく、個社フォーマットでの 情報提供依頼が多い事。個社基準での提供は当社だけの業務負荷の問題ではなく、更に川上の零 細企業にも多大は負荷を生んでいる。また、当社の部品は一品当たりの単価も高くないので、分析な どで対応することは不可能。そのような状況で現状一生懸命情報提供をしており、これが JAMP-IT 利 用で楽になればかなり助かると思う。(川中 D 社) ⑥その他 1) AIS 自身が国際標準となれば個社フォーマットも減ると思うので、そのような動きを JAMP には期待し ている。(川下 H 社) 2) 了解。国際普及分科会ではそのような動きも視野に入れ活動している。JAMP の仕組みを受入れる東 南アジアの団体等とも戦略的に覚書を締結している。今後も継続して国際的普及を推進すると思う。 (情報基盤技術委員) 3) 時間もそろそろ迫ってきた。最後に行っておきたいあるいは共有したい課題等あれば発言頂きたい。 (J 情セ) 4) 商用 AS の操作画面が煩雑すぎる。速度も遅い。日々の調査業務に使うには負荷が大きい。(川中 B 社) 5) 同感。100 点程度の部品の調査依頼をするのに数時間かかってしまうようでは合理化にならない。(川 下 G 社) 6) そのような声が多く当センタにも届いた為、6 月に商用 AS 別オリエンテーションを実施する。是非参加 頂きたい。(J 情セ) 7) 了解。(各位) 8) 大手川下 GP 会員の勧めで JAMP-IT に入会したが、その川下 GP 会員がまだ JAMP-IT を利用して いないので困っている。しかし今日の議論で、JAMP-IT を利用できる他の取引先もいることが分かっ た。まずできるところから JAMP-IT を使ってゆきたいと思った。(川中 E 社) 9) 次回は来年 2 月頃実施する予定。テーマもまた皆様の課題に応えられるような内容としたい。6 月の オリエンテーションと併せて是非参加頂きたい。(J 情セ) 以上 6 当日利用した拒否回答に関する資料 7 8 9 10 11
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