「電力自由化に向けての消費者の 電力小売企業

「電力自由化に向けての消費者の
電力小売企業・サービス選択基準に関する意識調査」
調査レポート
みずほ情報総研株式会社
環境エネルギー第2
環境エネルギー第
2部
2015年
2015
年6月8日
目次
調査の背景と目的
調査方法
調査の主な結果
調査結果
•
•
•
•
•
•
電力供給会社選択時に重視する点
購入を検討したい電力供給会社
電気料金の条件と乗り換えの意識
電源種別による価格受容性
サービス組み合わせによる料金削減へのニーズ
付加価値サービスへのニーズ
考察
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2
調査の背景と目的
背景:家庭部門の電力小売自由化による電力小売市場の企業間競争の開始
2016年4月からの家庭部門の電力小売自由化開始に向けて、様々な企業が
家庭用電力小売市場への新規参入を表明、検討しており、今後それぞれの
参入企業が価格やサービスで差別化を図り、競争が起こると考えられている。
目的:一般消費者における電力小売企業・サービス選択基準の把握
家庭部門の電力小売市場への参入企業が、どのように価格やサービスで
電力小売事業の差別化を図るかを検討する上で必要となる、一般消費者の
嗜好性や選択基準に関する情報収集を目的に、一般消費者へのアンケート
調査を実施した。
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3
調査方法
本調査では、一般消費者における電力供給会社※の選択にあたっての電気料金
の考え方や、電力供給サービスの条件などを明らかにするため、一般消費者を
対象としたアンケートを実施した。
アンケートは、家庭用電力購入にあたっての意思決定者、3,500(350×10電力
会社管内)を対象に、インターネットにより2015年2月に実施した。
※従来電力会社および自由化後に参入する電力小売企業のこと
調査対象
全国20歳以上の男女のうち、世帯主・世帯主の配偶者、
且つ光熱費を詳しく・おおよそ把握している消費者
調査方法
インターネットによるアンケート調査
調査件数
配布数:6,780
サンプル(回収)数:3,500
(350×10電力会社管内、男女内訳 男:1,750 女1,750
年齢層内訳 20代:624、30代:772、40代:728、50代:702、60代以上:674)
調査期間
2015年2月10日(火)~2015年2月23日(月)
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4
調査の主な結果
電力供給会社を
電力供給会社を選択時に
選択時に重視する
重視する点
する点は、「電力供給
、「電力供給の
電力供給の安定性」
安定性」や「電気料金の
電気料金の安さ」
•
安定した電力供給や緊急時に充実した顧客サポートがあるなどの「電力供給の安定性」を 重視する人が
約8割、「電気料金の安さ」を重視する人が約7割
乗り換え候補先として
候補先として有利
として有利なのは
有利なのは、
なのは、地方自治体やエネルギー
地方自治体やエネルギー関連事業者等
やエネルギー関連事業者等
•
乗り換え候補先として「乗り換えを是非検討したい・してもよい」との回答が最も多かったのは、地方自治体
やエネルギー関連事業者等で約5割。
•
現在エネルギーと関連性が少ない業界に対しては、「乗り換えを是非検討したい・してもよい」との回答は
約2割~4割にとどまり、約5割の回答者が「どちらともいえない」と態度を保留。
83%
83%が「電気料金が
電気料金が現在より
現在より低
より低ければ、
ければ、電力供給会社を
電力供給会社を乗り換えたい」
えたい」と回答
•
電気料金が現在より低ければ乗り換えたい人が83%、料金に関わらず乗り換えたくない人は10%。
•
電気料金が現在より低ければ乗り換えたい人のうち、電気料金の低減率が5%では19%が乗り換えを検討
するにとどまるが、低減率20%となると66%が乗り換えを検討。
再生可能エネルギー
再生可能エネルギー利用電力
希望する消費者
限定的。一方、
一方、32%
32%が原子力を
原子力を利用したく
利用したく
エネルギー利用電力を
利用電力を強く希望する
する消費者は
消費者は限定的。
ないと考
ないと考えている
•
電気料金が高くなっても、再生可能エネルギーのみを利用している電力を利用したいと考えている人は5%。
•
原子力利用電力を利用したくないと考えている人は32%。
電力供給以外に
電力供給以外に想定されるサービスは
想定されるサービスは、「
されるサービスは、「価格
、「価格が
価格が同程度であれば
同程度であれば利用
であれば利用したい
利用したい」
したい」が最多の
最多の6割超
•
電力使用量の見える化サービスや省エネ診断サービスなど、電力供給以外に想定されるサービスに
ついては、価格が同程度であれば利用したいと回答した人が最多の6割超。
•
料金が現在より高くなっても上記サービスを利用したいと考える人は、1割未満と限定的。
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5
調査結果
6
電力供給会社選択時に重視する点
電力供給会社を選択する場合に、電力供給の安定性を重視する人が約8割、電気料金の安さを
重視する人が約7割以上を占めている。「安定性」を重視する人が多い一方、電力供給会社の規模を
重視する人は5割程度であり、必ずしも大手企業であることを重視する人が多い状況ではない。
→「安定性」「安さ」が選択判断時に重要なポイントである。会社規模は必ずしも重視されていない。
環境配慮電源を重視する人は約6割を占める。原子力は、否定的な人、肯定的な人と五分五分である。
→環境配慮電源であることは比較的重視される。原子力電源については意見が2極化している。
Q. 電力供給会社選択時に貴方は以下の点を重視しますか?
0%
10%
緊急時・災害時等にも停電せず、安定した電力の供給を重視
20%
40%
50%
34%
いざというときの充実した顧客サポート体制があることを重視
28%
他の要素よりも、とにかく電力料金が安いことを最も重視
28%
電力使用量の見える化サービスの提供を重視
30%
60%
70%
80%
47%
100%
12%
51%
6%
14%
47%
12%
90%
7%
17%
55%
24%
7%
9%
エネルギー関連の技術的知見や運用ノウハウ・実績が豊富にあることを重視
9%
54%
環境に配慮した取り組みを率先して実施していることを重視
9%
52%
28%
11%
再生可能エネルギーによる電力を積極的に使用していることを重視
10%
51%
28%
11%
環境に負荷のかからない電源によって発電していることを重視
10%
サービスなどを極力排除し効率的な運営をしていることを重視
9%
技術に明るい先駆的な企業で、技術開発に重きを置いた企業経営をしていることを重視
9%
最新技術を駆使し、先駆的な製品、サービスを提供していることを重視
7%
地域経済への寄与をしていることを重視
7%
発電所が地域主体で運営されていることを重視
7%
原子力による電力を使用していないことを重視
48%
45%
44%
42%
35%
6%
43%
電力供給会社の規模(資本金、従業員数など)が大きいことを重視
6%
41%
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33%
47%
14%
あてはまる
28%
48%
ITなど様々な技術を組み合わせたサービスを提供していることを重視
n=3,500
28%
どちらかというとあてはまる
32%
37%
13%
12%
11%
12%
11%
39%
どちらかというとあてはまらない
環境配慮電源は
比較的重視
10%
36%
39%
電気料金の
安さを重視
10%
39%
34%
電力供給の
安定性を重視
16%
原子力は
意見が2極化
12%
14%
あてはまらない
会社規模は比較
的重視されない
7
購入を検討したい電力供給会社
地方自治体、エネルギー関連事業者等から購入を前向きに考えている人が5割弱と多い。一方、家電
メーカーや携帯電話通信会社など、現在エネルギーと関連性が少ない業界に対して購入に前向きな人
は約2~4割に留まり、どちらともいえない人が5割弱、消極的な人が2~3割と比較的多くなっている。
なお都市ガス会社に対する意見は地域で大きく異なり、購入を前向きに考えている人が一番多いのが
関西電力管内で57%、一番低かったのが四国電力管内で33%であった。
→地方自治体、エネルギー関連事業者等で検討してもよいと考えた主な理由には、安心できるから、
信頼できるからという意見が多くみられる。安心、信頼感の消費者への訴求が重要なポイントとなる。
Q. 以下の電力供給会社から電力を購入することについてどのように思われますか?
0%
10%
20%
30%
地方自治体
8%
エネルギー関連事業者(石油商社など)
7%
41%
他地域の電力事業者
8%
38%
都市ガス会社
40%
50%
60%
41%
7%
70%
80%
90%
39%
8%
41%
39%
100%
4%
8%
3%
39%
11%
4%
39%
10%
4%
家電メーカー
5%
31%
45%
14%
5%
携帯電話通信会社
6%
30%
44%
15%
5%
家電量販店
5%
27%
47%
自動車メーカー
5%
26%
46%
食品小売関連事業者(コンビニ、スーパーなど)
5%
23%
46%
19%
7%
住宅メーカー
4%
24%
46%
18%
8%
ケーブルテレビ事業者
4%
24%
47%
18%
7%
クレジット会社
4%
不動産会社
4%
n=3,500
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18%
44%
18%
是非検討したい
47%
検討しても良い
どちらともいえない
16%
16%
22%
22%
恐らく検討しない
安心できるから
が主な理由
6%
7%
12%
9%
検討したくない
8
電気料金の条件と乗り換えの意識
電気料金が現在より低ければ乗り換えたい人が約8割と大半を占めている。電気料金に関わらず乗り
換えたくない人は約1割程度に留まっている。
電気料金が、現在より低減されれば乗り換えたい人のうち、500円以上低減されれば乗り換えを検討
したい人が約2割程度であるのに対し、1,000円以上低減されれば約6割となった。
→電気料金の低減が電力供給会社選択の重要な要素である。
Q. どのような料金条件であれば、電力供給会社を乗り換えたいと考えますか。
電気料金に
関わらず
乗り換えたくない
10%
電気料金が
現在より高くなっても
乗り換えたい
2%
Q. 現在利用の電力会社から1ヶ月あたりどれくらいの料金
現在利用の電力会社から ヶ月あたりどれくらいの料金
が低減されれば乗り換えについて検討しますか。
が低減されれば乗り換えについて検討しますか。
100%
電気料金が
現在と同程度であれば
乗り換えたい
5%
7,500 円以上
5,000 円以上
90%
4,000 円以上
80%
3,000 円以上
70%
電気料金が
現在より低ければ
乗り換えたい
83%
2,500 円以上
2,000 円以上
60%
1,500 円以上
50%
1,200 円以上
1,000 円以上
40%
700 円以上
30%
500 円以上
n=3,500
300 円以上
20%
100 円以上
10%
n=2,910
100 円未満
0%
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9
電気料金の条件と乗り換えの意識
(属性別分析例)
前掲の電気料金の条件と乗り換えについて、年齢・性別、電力会社管内別に分析した結果が以下である。
電気料金に関わらず乗り換えたくない消費者は、50代以上が約12~13%と他年代と比較して多い。
また、中部電力管内で一番高く約13%、東京電力管内で一番低く約7%である。
電気料金が現在より高いまたは同程度でも乗り換えたいと考えている消費者は、東京電力管内で
一番高く約11%である。
Q. どのような料金条件であれば、電力供給会社を乗り換えたいと考えますか。
100%
10%
9%
8%
8%
12%
13%
10%
10%
9%
10%
7%
11%
13%
9%
12%
12%
11%
8%
90%
電気料金に関わらず
乗り換えたくない
80%
70%
電気料金が現在より
低ければ乗り換えたい
60%
50%
83%
84%
85%
86%
82%
81%
81%
78%
84%
83%
82%
84%
83%
86%
83%
83%
82%
86%
40%
電気料金が現在と
同程度であれば乗り換えたい
30%
20%
10%
0%
5%
1%
全体
5%
2%
4%
2%
20代
30代
5%
1%
40代
6%
1%
50代
7%
2%
60代
以上
年齢
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6%
1%
女
5%
2%
男
性別
9%
5%
1%
北海道 東北
電力 電力
2%
8%
3%
東京
電力
6%
1%
北陸
電力
3%
2%
中部
電力
4%
1%
関西
電力
4%
1%
中国
電力
4%
2%
四国
電力
7%
1%
九州
電力
4%
1%
沖縄
電力
電気料金が現在より
高くなっても乗り換えたい
n=3,500
電力会社管内
10
電気料金の条件と乗り換えの意識
(電気料金低減率と乗り換え検討割合の分析)
従来支払っていた電気料金からの料金低減率と乗り換えを検討する人の割合を分析した。
5%以上の料金削減で全体の5人に1人が、10%以上で全体の3人に1人が乗り換え、20%以上で全体の
3人に2人が乗り換えを検討する結果となった。
→電気料金の削減レベルによっては、大半が乗り換えを検討する。
電気料金低減率と乗り換え率の分析(各個人の電気料金情報と、前頁のアンケート結果(電気料金低減額)から計算)
3%未満
10%
3%以上
13%
5%以上
19%
7%以上
24%
電気料金低減率
10%以上
33%
12%以上
44%
15%以上
55%
20%以上
66%
25%以上
76%
30%以上
83%
40%以上
86%
50%以上
89%
75%以上
90%
0%
10%
20%
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30%
40%
50%
60%
乗り換えを検討する割合
n=3,500
70%
80%
90%
100%
11
電源種別による価格受容性
(再生可能エネルギーのみ利用、原子力を利用していない電力)
再生可能エネルギーのみを利用している電力を、電気料金が現在より高くなっても利用したい人は5%
程度。なお、電力管内別にみると、沖縄電力で一番高く7%、九州電力で一番低く2%となっている。
原子力を利用していない電力について、電気料金が高くなっても利用したい人は7%程度となっている。
→再生可能エネルギーを使用している電源、原子力を使用していない電源であれば価格が高くなって
もよいと考えている人は全体で見ると少数派である。
Q. 再生可能エネルギー(太陽光、風力発電等)のみを利用している
電力について、どのような料金条件であれば利用したいですか。
利用したくない
8%
電気料金が
現在より高くなっても
利用したい
5%
電気料金が
現在より低ければ
利用したい
51%
電気料金が
現在と同程度であれば
利用したい
36%
n=3,500
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Q. 原子力を利用していない電力について、どのような料金条件
原子力を利用していない電力について、どのような料金条件
であれば利用したいですか。
利用したくない
7%
電気料金が
現在より低ければ
利用したい
51%
電気料金が
現在より高くなっても
利用したい
7%
電気料金が
現在と同程度であれば
利用したい
35%
n=3,500
12
電源種別による価格受容性
(化石燃料のみを利用、原子力を利用している電力)
化石燃料のみを利用している電力は、電気料金が現在と同等または低くなれば利用したいと考えている
人は約9割と大半を占める。
原子力を利用している電力については、電気料金が現在と同等または低くなれば利用したいと考えて
いる人が約7割。一方、利用したくないと考えている人が約3割程度と他の電源よりも多く、最も多いのは
沖縄電力管内(43%)、最も少ないのは関西電力管内(24%)であった。
→化石燃料・原子力利用電力に関わらず、価格が安ければ利用したいと考えている人が大半であり、
電源種類に関わらず価格が安いことが重要である。ただし原子力を利用している電源は利用したくない
と考える人も比較的多い。そのような人に向けて原子力を利用していない電源を提供することが差別化
となる可能性がある。
Q. 化石燃料(石炭、石油、天然ガス等)のみを利用している電力
について、どのような料金条件であれば利用したいですか。
利用したくない
12%
電気料金が
現在より高くなっても
利用したい
1%
電気料金が
現在と同程度であれば
利用したい
24%
Q. 原子力を利用している電力について、どのような料金条件で
原子力を利用している電力について、どのような料金条件で
あれば利用したいですか。
電気料金が
現在より高くなっても
利用したい
1%
電気料金が
現在と同程度であれば
利用したい
13%
利用したくない
32%
電気料金が
現在より低ければ
利用したい
63%
電気料金が
現在より低ければ
利用したい
54%
n=3,500
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n=3,500
13
電源種別による価格受容性
(属性別分析例)
前掲した再生可能エネルギーおよび原子力電源に対する価格受容性を年齢・性別ごとに分析した結果
が以下である。
再生可能エネルギーのみを利用している電力は、60代以上では約9%が「電気料金が現在より高くなって
も利用したい」としており、他の年代よりも割合が高い。
原子力を利用している電力について、年齢が高くなればなるほど利用したくないと考える人が増加する
傾向がある。20代では22%であるが、60代以上では46%と半数程度が利用したくないという結果である。
→再生可能エネルギー、原子力を利用していない電力について訴求する場合、比較的年配の方のほう
が効果的と考えられる。
Q. 再生可能エネルギー(太陽光、風力発電等)のみを利用している
再生可能エネルギー(太陽光、風力発電等)のみを利用している
電力について、どのような料金条件であれば利用したいですか。
100%
8%
8%
10%
7%
9%
7%
7%
10%
90%
100%
利用したくない
51%
60%
44%
55%
50%
55%
50%
電力料金が現在より
低ければ利用したい
50%
40%
40%
20%
40%
36%
34%
36%
34%
38%
3%
5%
4%
3%
20代
30代
40代
50代
39%
34%
10%
5%
全体
9%
4%
5%
60代
以上
男
女
年齢
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性別
32%
26%
35%
37%
46%
電気料金が現在より
低ければ利用したい
58%
56%
54%
57%
59%
54%
電力料金が現在より
高くなっても利用したい
0%
51%
42%
電力料金が現在と
30%
同程度であれば利用したい
20%
10%
0%
32%
24%
60%
50%
30%
22%
70%
50%
52%
利用したくない
90%
80%
80%
70%
Q. 原子力を利用している電力について、どのような料金条件で
原子力を利用している電力について、どのような料金条件で
あれば利用したいですか。
13%
1%
全体
18%
18%
1%
20代
2%
30代
9%
0%
40代
年齢
11%
0%
50代
10%
1%
60代
以上
電気料金が現在と
同程度であれば利用したい
15%
11%
1%
女
1%
男
電気料金が現在より
高くなっても利用したい
性別
14
サービス組み合わせによる料金削減へのニーズ
参入企業のビジネスモデルとして、電力供給サービスと他サービスとの組み合わせによる料金削減が
想定される。どの組み合わせを一番使用したいか聞いたところ、都市ガスとの組み合わせによる料金割
引を「一番使用したい」とした人が最も多く、次にクレジットカード、LPガスと続いた。
「一番使用したい」では4位に留まった携帯電話通信は、「三番目に使用したい」まで含めると1位となった。
→消費者の組み合わせへのニーズを考慮した場合、乗り換え先として都市ガス会社が有利である。
Q. 電力供給サービスと以下サービスとの組み合わせにより料金削減が可能な場合、どの組み合わせを使用したいですか?
(料金削減額はいずれの場合も同じ)
0
200
400
都市ガス(料金割引)
452
LPガス(料金割引)
448
携帯電話通信(料金割引)
ケーブルテレビサービス(料金割引)
436
212
282
84
181
93
1,400
1,600
96
441
119
462
154
1,200
656
290
176
1,000
177
388
自動車の燃料(料金割引)
マンション・アパートの契約(賃料割引等)
800
874
クレジットカード(ポイント等)
食品日用品スーパー・コンビニ等(金券やポイント等)
600
479
385
389
138
112
住宅(購入費割引等) 48 47 53
自動車(購入費割引等) 43 63 83
地域の商店街等(金券やポイント等) 29 90
130
家電量販店(金券やポイント等) 25 87
130
デパート百貨店等(金券やポイント等) 24 77
112
電車等の交通サービス(金券やポイント等) 1441 87
居酒屋やレストラン等での食事(金券やポイント等) 727 52
一番使用したい
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二番目に使用したい
三番目に使用したい
n=3,500
15
付加価値サービスへのニーズ
電力供給会社が提供する電力供給以外に想定されるサービスについて、利用したいかどうかを聞いた
ところ、電気料金が高くなっても利用したいという人は3~6%とごくわずかであった。料金が現在と同程度
であれば利用したい人を含めると、各サービスとも7割以上を占めている。
→一般的に電力供給以外のサービス提供による増収は狙いにくいと見られる。例えば、これらの
サービスを無償や低価格で提供し、他社との差別化を図るほうが有効的な可能性がある。
Q. 電力供給会社が提供する以下のサービスについて利用したいですか?
0%
10%
電力使用量の見える化
3%
省エネ診断サービス
3%
ユーティリティ関連機器修繕サービス
3%
高齢者見守りサービス
6%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
16%
81%
20%
77%
23%
73%
64%
電力会社へ支払う料金が現在より高くなっても利用したい
100%
29%
電力会社へ支払う料金が現在と同程度であれば利用したい
利用したくない
n=3,500
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16
付加価値サービスへのニーズ
(電力使用量の見える化の利用目的と重視機能)
電力使用量の見える化サービスの利用目的について聞いたところ、節電による電力使用量・料金削減
が4割を占めており最も多かった。重視する機能は、各家電機器別の電力使用量、料金の閲覧および
リアルタイムデータの閲覧を挙げている人が多い。
→節電にすぐつなげられるよう、どの家電機器が現在どれくらいの使用量であるかといった情報を
知りたいと考える人が多い。これらの見える化が実現できれば他社との差別化を図れる可能性がある。
Q. 電力使用量の見える化サービスを利用する目的
その他
0%
サービス自体に
興味がない
12%
Q. 電力使用量の見える化サービスにおいて重視する機能
0
節電による
電力使用量・料金削減
41%
電力使用量・料金削減
に興味なし、
情報として知りたい
5%
各家電機器別の電力使用量、料金の閲覧
1,000
1,093
電力使用量、料金のリアルタイムデータの閲覧
生活時間や習慣の
見直しによる
電力使用量・料金削減
11%
935
電力使用量、料金の推移
332
479
平均家庭との使用量、料金の比較
316
450
長期間の過去データの蓄積サービス
省エネ機器への
買い替えによる
電力使用量・料金削減
15%
500
240
462
1,500
2,000
670
339
697
2,500
464
755
414
580
外出先での電力使用量、料金データの確認 63150 207
電力料金プラン
変更による
電力使用量・料金削減
16%
その他 734
n=3,080
一番重視する
二番目に重視する
三番目に重視する
n=3,500
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考察
電気料金低減率20%
電気料金低減率20%が
20%が高い市場シェアを
市場シェアを取
シェアを取るための一
るための一つのベンチマークとなるか
•
•
電力供給会社の乗り換えにあたっては、電気料金の削減が非常に重要な要素であることが
わかった。近年の燃料費の高騰などの影響もあり、電気料金の削減には限度があるが、
20%の削減率で3人に2人が乗り変えを検討する分析結果となった。
新規参入企業にとっては、このレベルでの削減率を達成できるかどうかが、市場での高いシェア
を取りにいくための一つのベンチマーク指標となるのではないか。
再生可能エネルギー
再生可能エネルギー電源
エネルギー電源の
電源の供給を
供給を考えている企業
えている企業は
企業は油断せず
油断せず、
せず、さらなる料金低減努力
さらなる料金低減努力を
料金低減努力を
•
•
料金が高くても再生可能エネルギーのみの電源を利用したいと考える消費者は5%とわずかである。
再生可能エネルギー電源での供給を考えている企業も、再生可能エネルギー電源であることに
油断せずに料金の低減努力を怠らないことが重要である。
ただし、 60代以上では約9%が電気料金が高くなっても再生可能エネルギーを利用したいという
結果となった。高い市場シェアを狙わないのであれば、年配の消費者など比較的再生可能
エネルギーに理解のあるターゲット層に絞り込んで顧客獲得活動をしていくことも考えられる。
無償・
無償・低価格の
低価格の付加価値サービス
付加価値サービス提供
サービス提供、
提供、高度な
高度な電力見える
電力見える化
える化による差別化
による差別化を
差別化を目指す
目指す
•
•
電力使用量の見える化や、省エネ診断サービスなどの付加価値サービスについて、電気料金が
高くなっても利用したいという人は3~6%とごくわずかであるが、料金が現在と同程度であれば利
用したい人を含めると7割以上が利用したいという結果となった。電気料金の低減のみに注力する
のではなく、これら付加価値サービスの無償・低価格提供によって他社との差別化を目指す方法
も考えられる。
また、各家電機器別の電力使用量、料金の閲覧、リアルタイムデータの閲覧など、高度な電力
見える化サービスへのニーズは高く、これらを低価格で実現できる技術・製品を開発することで、
電気料金以外の面で他社との差別化を図れる可能性がある。
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その他の分析例
例えば、以下の属性別にさらに分析が可能です(有償)。詳細はお問い合わせください。
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基本属性(男女、居住地、世帯主年齢、世帯年収、世帯構成、職業など)による分析
住居形態別の分析
電力料金、ガス料金別の分析
エネルギー利用状況別の分析
契約電力会社別の分析
契約都市ガス会社別の分析
契約携帯電話会社別の分析
保有自動車種類別の分析
保有エネルギー設備別の分析 など
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お問い合わせ先
わせ先
みずほ情報総研株式会社
みずほ情報総研株式会社
環境エネルギー
環境エネルギー第
エネルギー第2部
TEL 03-5281-5286
担当:
担当:並河 昌平