平成27年度 事業計画書 - 一般財団法人 日本みち研究所 RIRS

平成27年度
事業計画書
一般財団法人日本みち研究所(略称「みち研」、英文名 Japan Research Institute for Road
and Street 略称「RIRS」
)の移行2年度目となる平成27年度は、引き続き蓄積して
きた知見、経験、技術力、また、学会及び産業界等との繋がりを活かし、事業活動を強化
することにより、
「地球環境の保全」、「自然環境との調和」及び「生活環境の向上」、並び
に「道路空間及び沿道空間等の高度化利用を推進」するとともに、引き続き社会に貢献す
る新たな事業についても積極的に取り組んでいく。
Ⅰ.調査研究等事業
Ⅰ-1.調査研究等
1.大気汚染、道路交通騒音等と健康影響の関係等に関する調査・研究
昨年度の成果を踏まえ、微小粒子状物質の生成機構及び健康影響に関する疫学・
毒性学等の最新の知見について引き続き調査・研究を行う。
2.
環境影響評価に関する調査・研究
(1)
「道路環境影響評価の技術手法」に関する調査・研究
環境影響評価法の法改正及び平成 25 年4月の全面施行に向けて、
「道路環境影響
評価の技術手法」が平成 25 年3月に改定された。これを受け、技術手法の適切か
つ効率的な運用を支援することを目的として、昨年度の成果を踏まえ、解りやすく
情報提供を行うための調査・研究を引き続き行う。
(2)道路整備に係る猛禽類対策のための代替巣に関する調査・研究
オオタカの代替巣に関して、設置目安となるオオタカ巣の特性については、一定
の成果が得られており、この手引きを元に各地で代替巣の設置が進んでいる。代替
巣設置の情報の充実を図るため、受託研究等で得られた情報を整理し、昨年度の成
果に加えて引き続きデータ蓄積を図る。
3.道路環境、道路景観に関する調査・研究
(1)景観向上と防災力向上に資する斜面緑化技術に関する調査・研究
法面工を自然豊かで景観性に優れ、かつ、災害に強い緑化による新たな法面工に
関する技術の確立と普及を図るため、一昨年度設置した学識経験者や道路管理者か
らなる委員会の指導を受け、実証的な調査を引き続き実施する。
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(2)地球温暖化等の環境に配慮した道路のあり方に関する調査・研究
進行する地球温暖化への対応には、緩和策と適応策があるが、道路として適切に
対応する手法について、温暖化ガスの排出量削減策、降雨・降雪量変化に応じた対
策等を含め、昨年度の成果に加えて引き続き諸外国の情報を含め幅広く収集し、今
後の道路施策への反映を目指した調査・研究を行う。
(3)道路景観の一層の改善を実現する手法に関する調査・研究
歴史や文化等の地域固有の人文資源に配慮した、まちづくり等と一体となった道
路景観形成を促進する手法について引き続き調査・研究を行うとともに、既刊の「道
路のデザイン」
、
「景観からのみちづくり」の更なる一層の活用を実現する事業制度
等、道路景観の一層の改善を実現する手法について検討する。
4.道路と建築物等との立体的整備に関する調査・研究
(1)道路空間の高度化に関する調査・研究
立体道路制度の拡充に向けて、学識経験者からなる道路空間高度化研究会の指導
を受け、道路空間の活用に関するニーズ、課題、今後の道路空間の高度化や立体道
路制度のあり方等を引き続き調査・研究する。
(2)立体道路制度を活用した都市再生・まちづくりに関する調査・研究
立体道路制度等を活用した災害に強い都市再生・まちづくりを行うための方策等
について学識経験者等からなる都市再生研究会の運営を通じて調査・研究を引き続
き行う。
(3)道路空間を賢く使い、進化させる方策に関する調査・研究
昨年度の成果を踏まえ、既存道路空間の再配分等を含む有効利活用や立体道路制
度を活用した交通結節点等の道路空間の整備について検討を行い、そのために必要
となる法制度等の拡充等について引き続き調査・研究を行う。
5.駐車場等の整備・活用に関する調査・研究
道の駅等の道路の附属物である駐車場および路外に設置された駐車場等の空間
や施設を地域の活性化にどのように活用できるのか、その整備・運用方策について
実態を把握するとともに管理運営者同士の情報交換による活用方策の普及・向上の
効果について、昨年度の成果を踏まえ引き続き調査・研究を行う。
6.先進的モビリティ技術の交通政策への適用に関する調査・研究
地域の諸々の環境に配慮した交通政策の一層の向上を期するため、学識経験者等
からなる研究会の運営を通じてICTなど先進的モビリティ技術の交通政策への適
用可能性や将来展望について引き続き検討を行う。
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7.その他道路空間の有効かつ高度な利用に関する調査・研究
昨年度に引き続き立体道路相談室等に寄せられる質問に対応し、地方自治体や民
間の事業推進、技術協力の向上に協力するとともにニーズ等を把握し、今後の調
査・研究に活用する。
8.道の駅に関する調査・研究
道の駅は制度発足から 20 年、現在 1,040 カ所の施設が登録され、今後大きくゲ
ートウェイ型、地域センター型という「第 2 ステージ」へとステップアップを行っ
ているところであり、全国「道の駅」連絡会事務局との連携をとりつつ、全国の道
の駅の機能の更なる向上や底上げに資する調査・研究を行う。
9.道路構造物の維持管理システム作成等に関する調査・研究
道路管理者から提供された道路構造物の点検記録・点検結果のデータベース化等
について、より効果的かつ効率的で継続的に作業を実施することが可能となるシス
テム構築等の過年度の調査・研究成果を踏まえて、今後、本格運用に向けたシステ
ム改良について調査・研究を行う。
10.無電柱化の技術的支援に関する調査研究
無電柱化の技術的支援の推進を図ることを目的に、引き続き無電柱化相談室の運
営を行うと共に、昨年度の成果に加え無電柱化の整備・管理等に関する資料を収集、
整理し、今後の調査・研究に活用する。
11. 寄附研究
本財団の調査研究事業の一層の推進を図るため、平成25年度より継続して、国
立大学法人大阪大学への「市民協働による道路空間コミュニケーション・マネジメ
ント」寄附研究部門に引き続き寄附を行う。
Ⅰ-2.講習会等
1.
「みちと自然」シンポジウムの開催
自然環境分野の学識者による、道路と自然環境に関する講演会を開催する。
2.
「道路環境影響評価の技術手法」に関する講習会の開催
「道路環境影響評価の技術手法」の内容の理解と普及を図るため、実務者を対象に
講習会を開催する。
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3.
「景観からの道づくり」に関する講習会の開催
道路景観整備に必要な理論や実践例に関する知識の普及を図るため「景観からの道
づくり」について実務者を対象に講習会を開催する。
4.
「先進的モビリティと都市交通政策」に関するセミナーの開催
地域の諸々の環境に配慮した都市交通政策の一層の向上を期するため、先進的モビ
リティと都市交通政策についてセミナーを開催する。
5.(仮)地域創生に資する道の駅シンポジウム等の開催
地域活性化や地域連携に、道の駅がいかに貢献できるか等のテーマで、全国「道の
駅」連絡会と連携し、
「(仮)地域創生に資する道の駅シンポジウム」を開催し知見を
深める。
Ⅰ-3.道路高度化事業に関する推進協力、広報、普及及び啓発
無電柱化の技術支援(無電柱化相談室の運営)
、立体道路相談室及び駐車場相談室の運
営、技術者の育成等、道路空間高度化事業に関する普及・啓発・広報活動を行う。
Ⅱ.調査研究受託事業
1.環境影響評価に関する調査・研究
(1)予測・評価技術や保全対策等環境影響評価技術向上のための調査・研究
(2)計画段階評価や事後調査等環境影響評価の運用に関する調査・研究
(3)環境影響評価書のデータベース化に関する調査・研究
2.大気汚染、道路交通騒音等と健康影響の関係等に関する調査・研究
3.新たな緑化技術を活用した道路環境の向上に関する調査・研究
4.生態系に配慮した道づくりに関する調査・研究
5.その他の道路の環境対策に関する調査・研究
6.道路の周辺環境と調和した道路景観のあり方に関する調査・研究
7.道路空間(道の駅、駐車場を含む)の利活用に関する調査・研究
8.道路と建築物等の立体的整備に関する調査・研究
9.道路とその沿道地域との一体的整備に関する調査・研究
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10.無電柱化の技術的支援に関する調査研究
11.その他の道路空間の有効・高度利用に関する調査・研究
12.道路構造物等の実態や維持管理から得られる技術的知見を把握・蓄積し、今後の
維持管理に必要なデータ整備に関する調査・研究
Ⅲ.刊行物の発行等
引き続き次の刊行物の在庫販売を行う。
1.
「道路環境影響評価の技術手法①~③」改訂版
2.
「景観からの道づくり」
3.
「オオタカの人工代替巣設置に関する手引き(案)」
4.
「改訂版 立体道路事例集」
5.
「街なみを活かした低コストの無電柱化」
6.
「道路のデザイン」
7.
「道路環境影響評価の技術手法」講習会テキスト
Ⅳ.その他
以上の事業のほか、本財団の設立目的を達成するための必要な事業を行う。
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