MUTANT - トレラン王国

LA
SPORTIVA
MUTANT
ラ・スポルティバ/ミュータント 16,800円+税
ブランドサイトはコチラをクリック
http://www.sportivajapan.com/
新機能「スパイラルタン
・テクノロジー」
タンを甲からサイドに巻き込むデザイン
にすることで、足を包み込むような高い
フィット感を実現。シューズ内への小石
や泥などの侵入を防ぐ機能もある。
CLO
SE U
P!
伝家の宝刀
「フリクション XF」
「インテグレーテッド
・フュージョンゲート」
山型の突起物がランダムな方向に配置さ
れているアウトソール。フリクションも
高く、とくマディーなサーフェスや急な
登り下りで抜群のトラクションを発揮。
サイドの補強用に設けられたサーモプラ
スチック。
この中に通したレースとシュー
レース本体とを直結することで甲からカ
カトに向けた広い面でホールドできる。
やや内振りにカーブした
アナトミカルな形状
このシューズを真上から見下ろすと、
トゥに向かってやや内振りにカーブして
いるのが分かる。人間の足に合わせた人
間工学的な形状だ。
PROFILE
革新派のスポルティバが放つ
中・長距離向けのブランニュー
中・長距離用のプロテクション重視のモデル。
レーシングモデル
『ブシドー』
と、ロングツアラー向
け
『ウルトララプター』
の中間的な位置づけになる。
まずは本モデルから新採用された
「スパイラルタ
ン・テクノロジー」
と
「インテグレーテッド・フュー
ジョンゲート」
にご注目。まるで一枚の皮がぴった
りと覆うようなイメージで足全体にフィットする。
とくに後者の技術では、通常のシューレースを締め
ることでアッパーサイドに張りめぐらされたレース
が連動してタイトになるため、足裏を含めた全体か
らのホールド感が味わえる。
アウトソールは過去に展開していた
『Cライト
2.0』や
『アナコンダ』などで採用されていたランダ
ムパターンで、どちらかというと土や泥に強い。ま
た、前述の
「スパイラルタン・テクノロジー」
によっ
てゲイターを装着しているかのような感覚で履ける
ため、小石や泥の侵入も防げる。
ドロップ差は10㎜。ミッドソールもそこそこ厚
い。快適性は高く、スピードが最優先事項ではない
ランナーであれば非常に守備範囲が広い一足となる。
OTHER COLOR
ブルー×レッド
SPEC
■サイズ:23.1 ~ 29.7cm(0.6cm刻み)
■カラー:ブラック×イエロー(紹介モデル)
、ブルー×レッド
■素材:<アッパー>ブレサブルメッシュ、<ライニング>メッ
シュ、<アウトソール>FriXion XF、<生産国>中国
------------------------------------------------------------------------------------------■重量
(1/2ペア)
:313 g
■ソール長:310 ㎜
■ワイズ:108 ㎜(前半部最大幅)
■ドロップ:10 ㎜(ヒール高-トゥ高)
※編集部計測/ 26.5cmモデル
IMPRESSION
& RECOMMEND
LA
SPORTIVA
MUTANT
入門者から、レースで攻めた走りをする上級者まで
オールマイティに対応する
局面とターゲット
まず印象に残ったのがホールド感。シュータンが足の甲全体をラッピン
グするような感触がとてもいい。若干蒸れるような感じもしたが、そこは
ご愛嬌なのかも。合わせてカカトのホールドもばっちりで、足首を包むよ
うな安心感がある。とにかく足入れ感が心地よかった。実際に走ってみる
とソールはよく粘る感じで、前後左右と全方位的によくグリップする。つ
ま先のガードもしっかりしていてぶつけても痛くない。安定感があるので
下りをハイスピードで攻めることができる。
(石田)
テスター陣からも大きな注目を集めていたニューモデル。
実際に走り終えた彼らの感想を一言に集約すると
「オールマ
イティ」
というキーワードが浮かび上がってきた。
曰く、グリップ力に優れる。クッション性が高い。耐久性
もある。スピードレースでは厳しいが、プロテクションに優
れたオールラウンダーという特徴があるようだ。
ソールパターンはスパイク状のものを採用。マディーな
サーフェスや急登、激下りなどに向いており、比較的日本の
IMPRESSION
トレイルに向いていると言える。ゴムの粘度も高く、グリッ
プのよさはこのシューズを履いた誰もが実感できるポイント
だろう。これはスピードを最優先したランナーの場合、この
トラクションの強さがブレーキとして働き、逆に下りで脚に
負担をかけるようなきらいがあるかもしれない。しかしロン
グレースを走るときなど、高いトラクションを確保すること
で無駄な体力のロスを防ぎ、快適に安全にトレイルを楽しん
でもらいたいというメーカー側の狙いが見えてくる。
どんな路面にも対応する
マルチパーパスシューズ
かといって鈍感なシューズでは決してない。シュータンと
アッパーが一体になったような仕様で、さらにアッパー全体
TESTER
から脚を広い面でホールドする作りになっている。まるで足
の一部になったかのような感覚で履きこなせるのだ。重量も
石田賢生
長距離レースを念頭に置いたモデルとしてはやや軽量な部類
KENSEI ISHIDA
伊東をベースに伊豆半島で活動す
るトレイルランナー。昨年TJAR
では3回目の出場にして念願の完
走を果たす。その栄誉を武器に今
年2年ぶりにシューズテスターに
復帰。永遠の少年顔と
「山足」
と呼
ばれる筋肉モリモリの足で耐久系
への挑戦は続く。
渡辺裕治
YUJI WATANABE
学生時代サッカーで鍛えた足腰で、
短距離からハセツネクラスまでこ
なすスピードランナー。ハセツネ
では過去2度8時間9分代を記録。
実家の事業を営むため主戦場は関
東圏ながら、地道に自己タイム更
新を狙う。現在イケメンからイク
メンに変身中。
礒村真介
(313g / 26.5㎝)
だ。100マイルレースで表彰台を争うような
選手が履いていてもおかしくはない。
ここまで書けばトレラン王国のスタンスがお分かりいただ
けるであろう。トレイルという不整地を走るのに自信を持っ
ておすすめできる、まったくもってトレイルランニング
足を包み込むような
高いプロテクション性能に感動
丈夫なアッパー素材に加え、カカトが深くくるぶしまで
しっかり包み込んでくれるような高いプロテクション性能が
あり安心感を覚えた。一方で足首はしっかり動かすことがで
きるのため、走りの妨げになることはない。アウトソールの
グリップ力もよく、とくに下りの局面ではしっかりトレイル
をとらえてくれる。路面凹凸による衝撃を吸収するクッショ
ン性にも確かなものが感じられた。足元が不明瞭な夜間走行
やガレ場など悪路の多いレース、距離の長い耐久レースなど
におあつらえ向きだろう。
(渡辺)
SHINSUKE ISOMURA
恋焦がれていた自分史上No.1モデルを
思い出させてくれるハイアベレージ
トレイルランナーの一方でフリー
ジャーナリストとして専門誌で活
躍 中。12年 のUTMFで9位 入 賞
を果たし、ウルトラランナーとし
ての実力を示した。昨年から
『ウ
ルトラトレイルワールドツアー』
に参戦。海外のレース事情にも詳
しい。
以前、同社の初代
『ワイルドキャット』
を愛用していた。現行の後継モデ
ルよりも軽量で、ファンランに留まらず、ミドル~ 100マイルレースの
多くを戦ったオールマイティな一足だった。まさにそれと同じ感覚で履け
るモデルが帰ってきた!という印象。プロテクション、走行性、グリップ
力、レスポンスなどが高いバランスで実現されたまっとうないい靴。ヤワ
なシューズではないのだが、トゥ周りのアッパーが柔らかく、フィット感
も吸いつくよう。長時間履いていてもストレスは皆無だった。
(礒村)
シューズらしいトレイルランニングシューズなのだ。
(礒村)
RECOMMEND
望月将悟
アルプスから里山まで
オールラウンドで使える
足を入れた時の安定感が気に入っ
ています。足全体を包み込んでくれ、
一体感が段違いです。クッション性
能も今までのモデルより一段増して
います。まっすぐ着いて、まっすぐ
力が伝わる感もあるかな。アウト
ソールは以前展開していた
『Cライ
ト』
と同じで、土、山道の路面、岩
場の食いつきが最高にいいです。