ダウンロード - とうほく学生演劇祭

≪初めに≫
諸君の日頃の活動には大変満足している。
常々、我々は諸君に「東北」で暴れまわることを求めてきた。しかし、本日は諸君に日頃の活動フィールドを離れ更に広大
なフィールドで活躍することを求める。
待たせたな、特別指令(special mission)だ。
(文責:とうほく学生演劇祭実行委員会
→「全国で、盛り上がれ」
朽木雄介)
Case#1「学生演劇祭ノミリョクヲサグレ」
「学生演劇祭に参加して得られたものはなにか?」
この問いに対し報告会参加者から以下のような答えがあがった。
【創り手として】
るようになった。新奇性。例えば僕が新作を出すとしたら 2016 年の第一歩で
【部活動として】
→一挙に友達 100 人!~知名度向上のための演劇祭
あるとしたら、2020 年代にとっての第一歩でもある。社会が変わっていくな
→見事にハマった!~夏を盛り上げる演劇祭
猪股修平「キョウシュウが産声を上げたのは去年の4月だったんだけど、当時
かで、学生があたらしいことをやっていくことが大事だと思う。マネは一つの
成田紫野「夏はけっこう活動が空くんだけど、学生演劇祭のおかげで夏にやる
はまったく知名度がなかった。でも、学生演劇祭に出たらバンバン知り合いが増
手段だけど、マネが目的になってはいけないと思う。」
ことができた!」
えていった。団体としての知名度を上げることに関してはかなりメリットがあ
るのではないでしょうか。
」
→時代性への気づき~2020 年代を担うのは、ぼくら
鈴木あいれ「劇評も含めてなんだけど、時代性とか、この先っていうのを考え
→僕らは一人じゃない~とうほく、全国の演劇バカたちとの出会い
→余計なしがらみとは、おさらば~少数精鋭創作の魅力
佐藤智也「全国での作品は予想外のお芝居がたくさんあって、いろんなことを
中村大地「少数精鋭な感じがあった。やりとり、意志疎通が普段よりも楽そう
やってみたい、いろんな地域でやってみたいと思うようになった。自分が全く
だった。宮城の4団体に関しては今まで見た中でもかなりおもしろかった。
」
思い浮かばないようなことをやっているんだなということに気づけた。」
Case#2「学生演劇トハ」
「学生らしさっていうのはいいものなのか?悪いものなのか?学生らしさというものを突き詰めていくことで、
『学生演劇っていいね』って思えるようになれるんじゃないか?」という猪股修平くんの問いから、
「学生演劇とは、なにか」を考える話し
合いに発展した。
→社会への自由な批判~学生が担える社会での役割
→学生演劇祭で評価されるべき作品~大人が学生に求めること
成田紫野「審査員の方々に社会とのリンク、社会性について言及されたことが
朽木雄介「八巻さん※が前に言っていた。社会に出ていない人だからこそ、自
鈴木あいれ「刺激を与えられる、新奇性をもたらせる作品が評価されるべきな
あったんですけど、それは必須なんだろうか?」
由に批判することができる。自由に表現することができる。
」
(※せんだい演劇
のかな」
中村大地「大人はそういうのを欲しがるんだよね。いまやっている意味って
工房 10-BOX 工房長八巻寿文さん)
中村大地「全国学生演劇祭委員会賞は「この作品を、うちの演劇によびたい!」
何?ってなる。僕は時代性と社会性ってニアピンなんだと思う。学生のうちは、
鈴木あいれ「学生が社会人と違うのは、仕事や家庭をもっていないから、守る
という視点で決めていった。」
社会性っていうものに対してピンとこないところはあると思う。
」
「大人が求め
べきものがない。だからこそ、いろんなことができることだと思うんです。
」
るものとしては、やっぱりあたらしい作品なんだろうね。
」
「昔は大学が演劇をすること自体が珍しかったけど、今は大学が社会に溶け込
んでいるから、独立性を担保する役割を担っている」
≪終わりに≫
我々学生は今後、どのような作品を発表していくべき、または発表したいと希求していくのだろう。皆の頭の中には次のような疑問が頭を巡っているものがいるかもしれない。
「僕たちは大人に求められるものを作らなければいけないのか?」
「社会性
とは何なのか?」「新規なものじゃないと受け入れられないのか?」だが、そこで立ち止まってもしょうがない。これ以上進むのが難しいのならば、創作の始まりに戻ろうではないか。
まずは自分に誠実であること。そして、同時に、自分を疑い続けること。相手と意見の食い違いが起きても、そのまま相手を認めること。と同時に自分の意図を伝える努力を途絶えさせないこと。
フランスの哲学者ヴォルテールがこんな一節を残している。「私はあなたの意見には反対だ。だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」
学生演劇祭、あるいは劇場がすべての人の多様性を保障する場であることを切に祈り、また覚悟を刻みつつ我らの合言葉を思い出そう。
「とうほくで、盛り上がれ」