展示室5 戦後日本美術 2015年7月11日(土)~8月30日(日) 第二次世界大戦後、占領下の日本では同時代の海外の美術動向に直接触れる機会は限られていましたが、1951 年のサンフランシスコ講和条約締結に前後して欧米の美術が展覧会で紹介されるようになり、同時に人の往来も 活発になります。 岡田謙三は1950年、戦後世界の美術の中心地として台頭しつつあったニューヨークに渡り、色面を対比させた 抽象絵画により抽象表現主義を担う作家の一人として活躍します。 菅井汲は1952年パリに渡り、象形文字の骨格を思わせる大胆な構成と繊細なマチエールを持つ作品により高く 評価されます。同年、今井俊満もイタリアを経由してフランスに渡り、55年パリに来た堂本尚郎と共に、評論家 ミシェル・タピエが主唱した抽象絵画運動「アンフォルメル」の主要メンバーとして国際的に活躍していきます。 戦前にも多くの日本人作家がヨーロッパに渡りましたが、そのほとんどは西洋の美術を吸収することを目的と した留学でした。今回ご紹介する戦後の作家たちは、欧米を拠点に活動し、同時代の美術として評価を得たので す。1950年代から60年代に彼らが欧米で発表した作品からは、自らの内にある日本的なものを見つめながら、そ れぞれの表現を確立していった様子がみてとれるでしょう。 No. 作者名 (生没年) 作品名 制作年 寸法(cm) 備考 (1902-1982) ファン 1958(昭33) 油彩・カンヴァス 130.4×162.2 寄託作品 岡田謙三 小屋 1968(昭43) 油彩・カンヴァス 181.6×176.5 寄託作品 3 岡田謙三 アッサンブラージュ 1972-73 (昭47-48) 油彩・カンヴァス 218.7×160.0 寄託作品 4 川端 実 (1911-2001) 強烈な赤 1961(昭36) 油彩・カンヴァス 162.0×130.0 寄託作品 5 菅井汲 (1919-1996) 天 1960(昭35) 油彩・カンヴァス 162.0×130.0 6 菅井汲 紫の鬼 1962(昭37) 油彩・カンヴァス 195.0×130.0 寄託作品 7 菅井汲 日蝕 1965(昭40) 油彩・カンヴァス 200.0×160.0 寄託作品 8 今井俊満 晩秋 1956-57 (昭31-32) 油彩・カンヴァス 195.2×114.0 9 今井俊満 東方の光 1960(昭35) 油彩・カンヴァス 200.0×600.0 寄託作品 10 堂本尚郎 (1928-2013) 絵画59-23 1959(昭34) 油彩・カンヴァス 162.0×113.8 寄託作品 11 田淵安一 (1921-2009) レ・モナド 1964(昭39) 油彩・カンヴァス 145.0×300.0 寄託作品 12 豊福知徳 (1925- ) Ventus (風) 1964(昭39) 木 140.5×114.5×15.0 寄託作品 13 白髪一雄 (1924-2008) 作品 1962(昭37) 油彩・カンヴァス 72.8×91.0 寄託作品 1 岡田謙三 2 (1928-2002) 技法・材質 ※都合により展示作品を変更する場合もございます。ご了承下さい。 群馬県立近代美術館
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