天体プラズマ分光学入門-太陽外層大気を例題として - 物理学専攻

大学院集中講義・開講案内
科目名
授業番号
物理学特別講義 I (1単位)
博士前期課程 R225
博士後期課程 R226
題目
天体プラズマ分光学入門−太陽外層大気を例題として−
講師
渡邊鉄哉 (国立天文台)
日時・教室
2013 年 1月 9 日
(水) 4-5 限 8-301
10 日 (木) 3-4 限 8-302
16 日 (水) 4-5 限 8-301
17 日 (木) 3-4 限 8-302
1 月 17 日(木)4 限は,受講生以外の学生や教員も対象としたセミナーです。
セミナー演題:
「ひので搭載・極端紫外線望遠鏡(EIS)の見た太陽コロナプラズマのダイナミズム」
講義概要:
宇宙を構成する基本的要素である恒星は,宇宙を明るく輝かす光源としても重要な
役割を担っている。この意味において,その表面を具に観測できる唯一の恒星である
太陽の研究は,恒星を物理的に理解する上での大切な基礎を与えてきた。近年の観測
技術の発展,特にスペースからの太陽観測によって高品質のデータが大量に得られる
ようになり,飛躍的な発展を遂げつつある。このような太陽物理学の躍進は,太陽を
広大な宇宙のひとつのプラズマ実験室と考え,プラズマ物理の素過程やプラズマ診断
に関する研究をしようとする試みも可能にしつつある。
本講義では,身近で平均的な恒星である太陽を例題として,晩期型恒星の外層大気
におけるエネルギー・輻射輸送過程を考察し,それらの分光学的診断方法について解
説する。また,スペース観測,特に我が国の太陽観測衛星「ひので」により得られた
最新のデータに基づき,太陽外層大気プラズマ中に発生する多様な磁気活動現象の物
理機構について考察し,「母なる」太陽の極め細かくも荒々しい素顔に迫りたい。
1.宇宙の光源:恒星としての太陽
2.恒星大気におけるエネルギー輸送と発光機構
3. 光球の分光診断:輻射平衡・一層モデル(成長曲線)
4. 彩層の分光診断:熱的分化と NLTE
5. 太陽コロナ・(彩層−コロナ)遷移層:衝突輻射モデル
6. フレアと太陽風:非平衡プラズマ
7.恒星の磁気活動
上記の通り開講します。
履修申請は開講 1 週間前までに理工学系教務係へ。
理工学研究科物理学専攻
原子物理実験研究室 田沼
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