テクニカルセンター - Act IMR 金属材料研究所のアクティビティー - 東北

第1章 テクニカルセンター
【構成員】
センター長・技術職員 : 伊藤敏行
アドバイザー・助教:芦野哲也、 アドバイザー・助手:石黒三岐雄
技術職員 :
笹森賢一郎、本郷健一、石本賢一*、佐藤香織*、
齊藤今朝美*、村上義弘*、戸澤慎一郎*、菅原孝昌*、野村明子*、成田一生*、
大村和世*、青柳英二*、板垣俊子*、早坂祐一郎*、坂本冬樹*、伊藤俊*、
阿部千景*、永井満家*、島田温彦*、
丹野伸哉*、細倉和則*、佐々木嘉信*、緒方亜里*、伏見和樹*、
三浦重幸*、山崎正徳*、渡部信*、鈴木克弥*、大河原学*、白﨑謙次*、千葉友幸*、
和田繁男、本郷徹男、佐藤寿和、伊藤学、臼井和也、井本勇吉、鈴木大介、
佐藤史弥、安藤幸輝、石川光、一関京子*、野手竜之介*、佐藤和弘*、大場正志*、
五十嵐伸昭*、安倍渉*
再雇用職員 :
猪狩博志、秋山庸子、小池英太郎、本郷雅雄、若生公郎*、小野幸一、高橋三幸*、松木邦美、
鈴木吉光*、大久保昭*、清水真人*、石川由実*、根本啓次*、永野勇、入間川克朗、
大友富美男
技術補佐員 :
布田勝
*印はテクニカルセンターから別の組織に出向している職員
-----------------------------------------------------------------------------【テクニカルセンター運営委員会】
委員長
所長:新家光雄
副委員長 教授:小林典男
委員
教授:後藤孝、松岡隆志
准教授:淡路智、木村久道
技術職員:伊藤敏行、笹森賢一郎、齊藤今朝美、三浦重幸、和田繁男
1.テクニカルセンターの概要
本所テクニカルセンター(以下、
「センター」という。)は、研究部、事務部との三位一体の一つとして、
研究者への専門的技術支援を行い、本所の研究進展に寄与している。
センターは、これまでの技術職員組織である技術部を改組して、平成19年4月1日に発足した。こ
の改組は、本所の中期目標・計画に「東北大学研究基盤技術センター、研究支援センターの設置を図り、
研究支援効率化、迅速化をすすめる。研修制度の充実と技術資格の取得により、高度先端技術の習得等、
技術力を向上させる。
」とあることから、その実現に向けて、これまでのライン制技術部組織をフラット
にして、それぞれの専門技術毎のグループとし、そのグループ内でマネージメントを行うことにより、
柔軟な技術支援、技術継承および技術の高度化を図ることを目的として実施したものである。
センターは、センター長以下技術職員で構成し、また従来の技術部に所属していた教員2名をアドバ
イザーとして配置している。組織としては、企画調整室、マテリアル開発技術室、特殊環境技術室およ
び基盤技術室の4室を置き、その室には材料創製技術グループ、評価・分析技術グループ、極限環境技
術グループ、放射線管理技術グループ、機器開発技術グループおよびコンピュータ・ネットワーク技術
グループの6グループを置いている。また、管理運営に関して、教授会の下に設置したセンター運営委
員会では、所長を委員長とし、副委員長の教授1名、委員が教授2名、准教授2名とセンター長、各室
長の構成により、センターの将来計画、人事等の重要事項を審議している。また、センター内に設置し
た室長会議では、センター長、各室長、各グループリーダー、技術専門職員1名およびアドバイザー1
名の構成により、将来計画の素案、実務上の案件等を協議している。
センターでは、高度・高速化する研究に対応するため、技術職員の資質向上として、自己啓発やスキ
ルアップを図り、また「研究の質の高さと活力を技術面から支え、新たな技術を創生し、最先端の技術
協力を行う。
」としたセンターの理念を具現化するため、日々努力している。
平成22年度にセンターとして取り組んだ課題は、人事評価制度の実施、本学総合技術部からの要請
への対応、東北地区国立大学法人等技術職員研修の本学開催における技術発表会の担当、第17回国立
大学法人附置研究所技術室室長会議の主催である。人事評価制度は、東北大学に働く職員の人材育成を
柱として、被評価者が自己評価を行うことで、評価に自ら係わる制度である。総合技術部からの要請へ
の対応としては、初任者キャリアプランセミナーにおける講義、職員採用合同セミナーにおける説明等
を行った。技術職員研修における技術発表会では、口頭発表の会場とポスター発表の会場設営等を担当
した。また、技術室室長会議では、事前資料の整備および会議の運営等を行った。
他、平成22年度における多数の実績などについては、2.テクニカルセンターにおける支援先、3.
平成22年度テクニカルセンター職員業務先技術協力支援状況、4.成果の発表状況、5.受賞状況、
6.教育活動状況、7.各技術職員の実務先における活動内容、8.テクニカルセンターの課題とその
方策、として、以下に示す。機器開発技術グループ以外のグループの活動状況については、支援先の報
告を参考にされたい。
2.テクニカルセンターにおける支援先
●企画調整室(6名)
支援先
笹森賢一郎、本郷健一、松木邦美(再)、秋山庸子(再)
(直属)
石本賢一
情報企画室点検評価情報 DB 担当
佐藤香織
安全衛生管理室
●マテリアル開発技術室(20名 内アドバイザー2名)
◇材料創製技術グループ(9名)
齊藤今朝美、村上義弘、戸澤慎一郎、菅原孝昌、野村明子、
成田一生、大村和世、若生公郎(再)、大久保昭(再)
金属ガラス総合研究センター
◇評価・分析技術グループ(11名 内アドバイザー2名)
芦野哲也(アドバイザー)、石黒三岐雄(アドバイザー)、
板垣俊子、坂本冬樹、伊藤俊、阿部千景、
永井満家、島田温彦、清水真人(再)
材料分析研究コア
青柳英二、早坂祐一郎
東北大学百万ボルト電子顕微鏡室
●特殊環境技術室(15名)
◇極限環境技術グループ(6名)
佐々木嘉信、伏見和樹、石川由実(再)
丹野伸哉、細倉和則、緒方亜里
強磁場超伝導材料研究センター
東北大学極低温科学センター
◇放射線管理技術グループ(9名)
山崎正徳、渡部信、鈴木克弥、鈴木吉光(再) 量子エネルギー材料科学国際研究センター
白﨑謙次、千葉友幸、高橋三幸(再)
アルファ放射体実験室
大河原学、根本啓次(再)
日本原子力研究開発機構原子力科学研究所内大学開放研究室
●基盤技術室(28名 内兼務3名)
◇機器開発技術グループ(19名内兼務1名)
和田繁男、本郷徹男、佐藤寿和、伊藤学、臼井和也、井本勇吉、鈴木大介、
佐藤史弥、安藤幸輝、石川光、本郷健一(兼)、猪狩博志(再)、小池英太郎(再)、
本郷雅雄(再)、小野幸一(再)、永野勇(再)、入間川克朗(再)、大友富美男(再)、
布田勝(技補)
(直属):技術棟にて機械加工
◇コンピュータ・ネットワーク技術グループ(9名内兼務2名)
一関京子、三浦重幸、野手竜之介、佐藤和弘、五十嵐伸昭
計算材料学センター
大場正志、安倍渉、三浦重幸(兼)、佐藤和弘(兼)
情報企画室情報班ネットワーク担当
*(再):再雇用職員、(技補):技術補佐員
3.平成 22 年度 テクニカルセンター職員業務先技術協力支援状況
海
人 所内 学内
外 支援
(国内)
員 件数 件数
件 数計
件数
数
学外
業務先名
機器開発技術グループ 18
材料分析研究コア
金属ガラス総合研究
センター
百万ボルト
電子顕微鏡室
計算材料学センター
(ネットワーク担当)
情報企画室
強磁場超伝導材料研究
センター
814
装
延日
置
数
数
56
0
0
870
86
3240
7
6006 1528
136
0
7670
32
5120
9
1581
419
543
61
2604
28
3394
2
263
112
0
0
375
4
5
295
21
26
25
367
21
2
30
4
0
0
34
4
1460
3
93
0
62
0
155
5
192
1748 1060
0
0
2808
10
2498
アルファ放射体実験室
3
3
1
10
0
14
7
375
4
48
61
840
30
979
-
8863
2
92
43
60
0
195
3
1
12
24
0
0
36
0
-
安全衛生管理室
1
58
0
0
0
58
0
-
企画調整室
4
5
0
0
0
5
0
-
東海原研
(点検評価担当)
情報企画室
合計
64 11048 3329 1677 116 16170
室工作室利用支援他
各種材料組成元素の化学分析、分析法及び分析結果
の比較検討実験データ提供他
新素材開発業務、元素分析、X線回折等各種測定、
粉末作製、単結晶作製支援他
7110 計算機資源の提供、サポート他
3
学国際研究センター
実験機器の設計・製作、試料作製、塑性加工と研究
402 電子顕微鏡設備の保守管理と研究支援、技術指導
極低温科学センター
量子エネルギー材料科
技術協力内容
メールサーバ、Web サーバー、所内ネットワーク管
理運用接続支援、パソコン関係利用支援他
強磁場環境の提供、周辺機器の点検整備、データ収
集、ソフト作成他
液体ヘリウム、液体窒素の供給と低温技術サポート
他
RI・核燃の安全管理、各種装置・設備の維持管理、
各種記録作成他
共同利用に係わる施設、設備等の管理運用管理、国.
県.町への報告、申請、届出他
420 中性子回折実験技術支援他
研究者業績評価関連、自己点検評価報告書(赤本)
の発行、東北大学情報 DB 関連
安全衛生委員会の開催、安全衛生連絡会議の開催、
安全衛生管理者による巡視他
テクニカルセンターの管理運用関する業務一般、報
告書等作成発行
200 33074
註釈:装置数とは施設等で支援のため運用している装置の数で、延日数はそれぞれの装置の運用日数の合計である。
また、施設によっては施設利用も含む。
平成22年度技術協力支援概況図
東北大学金属材料研究所技術支援職員が、業務先で技術協力(支援)を行った国内組織および海外組織
海外
スウェーデン(24)
オーストリア(18)
ドイツ(29)
フランス(11)
ロシア(2)
アメリカ(17)
中国(6)
インド(6)
ベトナム(1)
韓国(2)
大阪府
大阪大学(92)
大阪府立大学(15)
産業技術総合研究所(2)
神奈川県
茨城県
(株)住友電気工業(10)
北海道
湘南工科大学(41)
茨城大学(25)
兵庫県
北海道大学(25)
横浜国立大学(19)
筑波大学工学部(10)
神戸大学理学研究科(2)
北海道大学工学研究科(2)
横浜国立大学工学部(3) 筑波大学数理物質科学(3)
兵庫県立大学(1)
北海道大学理学研究科(2)
神奈川大学工学部(30)
物質・材料研究機構(56)
スプリング8(18)
北海道大学歯学研究科(1)
東京工芸大学工学部(3) 高エネルギー研究所(1)
岡山県
北見工業大学(8)
(財)クマール(1)
産業技術総合研究所(8)
岡山大学(1)
室蘭工業大学(72)
新潟県
日本原子力研究所(254)
広島県
青森県
長岡技術科学大学(15)
千葉県
広島大学先端物質科学(1)
青森公立大学(1)
石川県
東京大学物性研究所(1)
広島工業大学(10)
弘前大学(1)
金沢大学(1)
東京歯科大学(15)
島根県
秋田県
金沢大学医学部(1)
豊田工業大学クラスター(2)
島根大学(44)
秋田工業高等専門学校(1)
組註
組織名に続く(
)の数値は技術協力(支援)を行った件数織名に続く(
)の数(織
長野県
東京理科大学理工学部(6)
山口県
山形県
信州大学(30)
栃木県
山口大学(1)
山形大学(4)
宇都宮大学工学研究科(1)
岐阜県
山口大学理工学研究科(1)
宮城県
東京都
核融合研究所(11)
愛媛県
所内(11048)
東京大学工学系研究科(1)
愛知県
愛媛大学(34)
学内(3329)
東京工業大学(2)
名古屋大学理学部(1)
福岡県
註 組織名に続く( )の数値は技術協力(支援)を行った件数
東北学院大学(11)
東京工業大学大学院総合理 東北学院大学工学部(25)
名古屋工業大学(19)
九州大学(56)
工学研究科(6)
豊橋技術科学大学(9)
九州大学理学研究科(5)
国立仙台高等専門学校(35)
上智大学(16)
豊橋技大物質工学(12)
九州工業大学工学部(22)
金属学会(9)
東京理科大学(2)
名城大学理工学部(2)
九州工業大学生命体(4)
宮城県(2)
国士舘大学(55)
中部電力(6)
佐賀県
仙台市水道局(1)
国士舘大学理工学部(24)
京都府
佐賀大学理工部(3)
名取市水道局(1)
青山学院大学理工学部(3)
京都大学(129)
長崎県
岩沼市水道局(1)
日本鉄鋼連盟標準化セン(120)
京都大学工学研究科(4)
長崎大学(30)
河北ライティングソリュー(10)
(株)アクセルリス(2)
(株)積水インテグレー(1)
鹿児島県
埼玉県
(株)リガク X 線研究所(8)
奈良県
鹿児島大学(6)
理化学研究所(2)
奈良女子大学(1)
註 組織名に続く( )の数値は技術協力(支援)を行った件数
テクニカルセンター職員技術協力支援の主な内容
技術協力支援内容
国内(件数)
所内・学内(件数)
海外(件数)
企画調整室
テクニカルセンター活動報告発行
1
テクニカルセンターニュース発行
3
テクニカルセンター技術研究報告
1
情報企画室点検評価情報 DB 担当
自己点検評価報告書作成
1
東北大学情報 DB の管理
1
安全衛生管理室
安全衛生パトロールの実施
34
安全衛生委員会等の開催
22
労働安全衛生法関係届出支援
2
金属ガラス総合研究センター
33 名城大 2, 北大 1
スパッタ法による薄膜作製
元素分析
273 北大 13、東北学院大 7
X 線回折
589 山大 4、豊橋技科 9 他
XPS による表面分析
148 名工大 10、北見工大 1
焼結
157 横浜国大 18、北大 8
単結晶作製支援
180 仙台高専 35、信州大 30
スウェーデン 24、ドイツ 8
材料分析研究コア
化学分析
2978
電子顕微鏡観察
2035 物質・材料研究機構 16
イオンミリングによる試料作製
4901
イオンスライサーによる試料作製
48
鉄鋼標準試料認証値決定の分析
日本鉄鋼連盟標準120
百万ボルト電子顕微鏡室
電顕観察
375
強磁場超伝導材料研究センター
強磁場環境の提供
93 上智大 16,
北大 4 他
極低温科学センター
液体ヘリウムの供給
1025
液体窒素の供給
1783
原子力科学研究所内大学開放研究室
中性子回折支援
135 九州工大 9, 産総研 10
量子エネルギー材料科学国際研究センター
共同利用支援
109 日本原研 253,
京大 128
ドイツ 19、アメリカ 11
アルファ放射体実験室
3 奈良女子 1, 名古屋大 1
核燃料物質の使用の際の支援
宮城県 2, 仙台市 1 他
水道水の放射能汚染の検査
機器開発技術グループ
38
電顕フイルムデシケーター、他
電気抵抗測定用試料、他
9
ターゲットホルダー、他
44
Co 基合金の熱間鍛造、他
75
104
TNTZワイヤーの切断、他
計算材料学センター
計算機資源の提供、サポート
50 弘大 1, 阪大 1, 京大 1
スパコンシステム関連利用支援
29
アプリケーション関係利用支援
125
ホームページ・メーリングリスト
31
画像処理、B0 プリンタ出力支援
57 金属学会 9
アメリカ 6, 中国 6 他
情報企画室情報班ネットワーク担当
各種サーバー運用管理保守
16
所内外ネットワーク利用支援
18
4.成果の発表状況
(1)総合報告・論文等の件数
掲載雑誌または著書名
東北大学金属材料研究所テクニカルセンター技術研究報告
東北大学金属材料研究所研究部共同研究報告
東北大学金属材料研究所金属ガラス総合研究センター共同利用研究報告
2010年度
15
1
13
東北大学極低温科学センターだより
1
東北地区国立大学法人等技術職員研修技術発表概要集
7
機器・分析技術研究会報告
3
熊本大学総合技術研究会報告
6
日本金属学会誌
2
分析化学
1
その他(技術職員が著者となった欧文学術雑誌掲載論文等)
合
計
17
66
(2)口頭発表等の件数
発表した大会等の名称
2010年度
東北大学金属材料研究所のワークショップ等
7
東北地区国立大学法人等技術職員研修技術発表会
7
機器・分析技術研究会
3
ナノ学会関係
1
日本鉄鋼協会関連講演大会
5
日本磁気学会学術講演会
1
日本フラックス成長研究発表会
4
日本原子力学会大会
2
日本分析化学会年会及び東北大会
4
日本金属学会
5
物性科学領域横断研究会
1
国際会議
2
合
計
(3)機器・分析技術研究会
●
LIPS を用いた Fe-Ni 合金の解析
42
●
●
フラックス介在型アーク溶融反応法による二元系ボライド α-AlB12 微細単結晶の育成
HoBa2Cu3Oy 超伝導薄膜材料の蛍光 X 線分析と ICP-OES 分析による定量値の比較
(4)熊本大学総合技術研究会
中性子単色化用 Cu 単結晶の結晶性向上に関する技術的工夫
● スーパーコンピューティングシステムにおけるジョブ再現実行可能環境の構築
● LiMn2O4 の結晶作製および熱化学的安定性
● 工作伝票照会システムの開発
● アーク溶融反応法によるペロブスカイト型 RPd3Bx (R = 希土類元素)の合成および評価
● 汎用 3 次元可視化ソフトウェア AVS/Express におけるコピーモジュールの開発
●
(5)所内講演会
2010年春季ポスターセッション
● スーパーコンピューティングシステムのジョブ再現実行可能環境の開発
● ホイスラー合金系ハーフメタル Co2MnSi 電極を用いた CPP-GMR 素子における室温巨大
磁気抵抗効果
2010年秋季ポスターセッション
● 超臨界水中でのウラン酸化物 UO2+x ナノ粒子の製造と FP 分離
● 水熱合成により調整された UO2 の磁性
● Detection of spin Seebeck effect in half-metallic full-Heusler alloy Co2MnSi thin film
(6)技術開発
テクニカルセンターでは、より高度な技術支援を可能にするために、所内予算から技術開発研究費
の配当を受けて、技術開発を行っている。また、積極的に科学研究費補助金に応募して、技術開発研
究を推進している。
○技術開発研究費課題
●
●
●
●
●
●
●
中性子単色化用 Cu 単結晶の結晶性向上に関する研究
各種マンガン複合酸化物の良質単結晶の育成に関する研究
アーク溶融反応法によるペロブスカイト型 RPd3Bx(R=希土類元素)の合成および評価
分離濃縮を用いた金属材料中の微量元素の定量
金属フラックスを用いた難分解性合金分析のための試料前処理法の検討
レーザ誘起プラズマ発光分析法を用いた高精度定量法の検討
CAD を用いたNCプログラム作成
5.受賞状況
【2010年度】
賞の名称
氏
名
受賞対象(論文名またはテーマ)
本間記念賞
和田 繁男
受賞年月日
2010.5.21
和田繁男氏は、昭和44年4月に文部技官技術職員として本所に入所し、41
年余りにわたり研究支援の業務に携わってきました。入所当初は、旋削加工に卓
越した技術を有し、汎用旋盤、NC旋盤等による多くの実験装置及びその部品の
開発・製作並びに鉄鋼材料を始めとする金属材料の評価用試験片の作製等に従事
しました。その後、本所の情報ネットワーク基盤整備に参画し、鉄鋼材料をはじ
めとする各種金属、無機材料等の学術論文のデータベースの構築に取り組みまし
た。このように幅広い技術と知識を持って、本所における材料研究の発展に貢献
してきました。また、現在は、テクニカルセンター基盤技術室長として、コンピ
ュータネットワーク技術グループ及び機器開発技術グループのまとめ役として重
責を担っています。
技術研究開発関係では、専門的知識と豊富な技術経験を生かし、これまで実験
機器の開発及び材料評価用試験片作製並びにデータベース構築に関して多くの実
績を上げています。その主なものとして、①丸棒引張試験片の R 加工では、寸法
精度が材料評価のために大変重要であることから、工具研磨盤を利用してバイト
の R 加工の冶具を考案して、精度良く R 加工ができる方法を確立し、材料特性評
価の向上に大きく貢献しました。②Webを利用した工作技術講習会受付システ
ムの構築や日本金属学会文献データベースの構築も支援し、検索方法では、キー
ワード選択型データベースを取り入れています。
このように同氏は、本所の各種材料研究を支える基盤的な業務を行い、本所の発
展に貢献するとともに、全国共同利用研究拠点としての本所の役割を通じて、広
く所内外の材料研究を支えてきました。よって同氏をここに推薦申し上げます。
東北大学金属材料研究所表彰
2010.5.21
白﨑 謙次
第1種作業環境測定士(放射性物質)資格取得による表彰
佐々木 嘉信
高圧ガス製造保安責任者(乙種機械)資格取得による表彰
緒方 亜里
高圧ガス製造保安責任者(乙種機械)資格取得による表彰
野手 竜之介
第2種衛生管理者
金属ガラス総合研究センター第 4 回共同利用研究課題最優秀賞
森 孝雄
宍戸 統悦
野村 明子
2010.5.21
日本フラックス成長研究会平成 22 年度技術賞
宍戸 統悦
野村 明子
2010.12.3
6.教育活動状況
2010年度
センター長およびテクニカルセンター全般の管理運営に携わる企画調整室所属以外のテクニカルセン
ター職員は、それぞれの出向先で、大学院生、研究生等に対し、装置使用上の技術的指導や安全管理面
の指導等の教育活動を行っている。テクニカルセンター職員が主としてすすめている教育活動は工作技
術講習会やB0プリンター利用者講習会であるが、以下に示す講習会・説明会では、出向先の責任者に
協力する形で、技術職員が大学院生、研究生等に対する教育活動を行っている。
●
●
●
●
●
●
工作技術講習会
機器開発技術グループ主催
放射線業務従事者再教育
アルファ放射体実験室主催
高圧ガス保安教育 (低温技術講習会)
極低温科学センター支援
化学薬品管理説明会
材料分析研究コア支援
レーザー安全教育
安全衛生管理室主催
B0プリンター利用者講習会
情報企画室情報斑ネットワーク担当主催
7.各技術職員の実務先における活動内容
(1)各出向先での活動
情報企画室情報班点検評価情報 DB 担当、安全衛生管理室、金属ガラス総合研究センター、材料分析
研究コア、百万ボルト電子顕微鏡室、強磁場超伝導材料研究センター、極低温科学センター、原子力科
学研究所大学開放研究室、量子エネルギー材料科学国際研究センター、アルファ放射体実験室、計算材
料学センター、情報企画室情報班ネットワーク担当における活動内容は、各部署等の年次報告を参照し
ていただきたい。
(2)機器開発技術グループの活動
【経緯】
機器開発技術グループの前身は、附属工場で、金研概要の沿革によると大正10年4月に工場建物が
完成したと記されており、組織名称変更をしながら現在に至るまで非常に長い歴史を持ち重要な技術支
援を担っている。平成5年に技術室(所内措置としての技術部が発足)が設置されそれに伴って、機器
開発技術グループは、技術部組織の複数の班係に分散配置されているために一本化することを目的に、
2000年(平成12年)4月1日に機器開発技術コアが設置された。その後、2007年(平成19年)4
月1日にこれまでの技術室を改組して、テクニカルセンターに名称を変更してスタートした。その際に、
これまでの機器開発技術コアの組織は解消され、テクニカルセンター組織の4室のひとつである基盤技
術室機器開発技術グループとして改組された。名称は機器開発技術グループに変わったが、前回の報告
に引き続いて2010年度の活動経過を報告する。
【目的および業務内容】
機器開発技術グループの目的は、研究者との緊密な交流を図り、即応性のある機器開発技術をもって、
本所研究者からの依頼に基づき主に研究機器の製作および研究試料を作製し、材料研究を支援すること
である。
そのため多くの機能を持つ機器(数値制御装置)などを活用して、能率向上をはかり、常に柔軟迅速
に業務を遂行すること。さらに、研究室工作室においては専従指導員が常駐し、個々の研究者に機械加
工の技術を指導することで、若手研究者が自ら創造の喜びを得られるよう支援している。
主な業務は次の通りである。
1) 研究機器の設計と製作および特殊機器の開発
2) 研究試料の作製に関わる特殊技術の開発
3) 研究者等に対する設計技術、研究機器開発に関する技術協力および助言
4) 研究者等に対する工作技術に関する技術指導
5) 大型プロジェクト研究の支援
【教育活動状況】
機器開発技術グループでは、研究者および大学院学生などに対し、次のような技術教育を行っている。
1) 技術相談
研究機器の設計、機械工作の方法および研究計画に対する技術協力、その他、機器開発技
術グループ利用者の便を図るため常時技術相談に応じている。
2) 工作技術講習会
既設研究機器類の簡単な部品の工作や修理および試料作製等を自分で行う人のために、工
作技術講習会を実施している。この講習会は1973年以降の定例行事であり本所教授会の
承認を得たもので、毎年6月末から7月初めに次の要領によって実施しており、受講者には
修了証書を発行している。また、オリエンテーションとして受講者全員を対象とした安全講
習を行っている。
① 講習目的:初歩的な工作技術修得を目的として研究室工作室利用の便を図る。
② 講習科目:機械製図、機械工作〔旋盤、フライス盤、ボール盤(仕上)
〕
、TIG 溶接
講習対象者:本所の大学院学生および研究者
③ 指 導 員:機器開発技術グループ職員
2010年度開催の工作技術講習会のオリエンテーション参加状況と科目別受講状況を以下の表
に示す。
オリエンテーション参加状況
オリエンテーション
(安全講習)
対象者数
参加人数
参加率(%)
51
45
88.2
受講申込数
受講者数
受講率(%)
科目別受講状況
内 訳
科 目(定員)
製
図 ( な し )
36
35
97.2
旋
盤 ( 5 6 )
47
45
95.7
フ ラ イ ス 盤 ( 5 6 )
46
46
100
仕 上 工 作 (
)
46
45
97.8
T I G 溶 接 ( 2 8 )
28
27
96.4
合
203
198
97.5
備考
5
6
計
1.受講希望者数 51 名
2.実受講者数
51 名
【工作依頼および利用実績】
機器開発技術グループへの依頼実績を表1に示す。
表 1 工作伝票数および工作時間数
2009年度
2010年度
工作伝票数
929
870
工作時間数
14,127
13,440
次に研究者や大学院学生等が自ら利用している研究室工作室の利用実績を表2に示す。
表 2 研究室工作室の利用人数および利用時間
2009年度
利用人数
2010年度
利用時間
利用人数
利用時間
盤
478
1,000
366
714
形 削 盤
123
319
108
279
フライス盤
387
800
354
803
旋
高速切断機
198
522
264
705
ボ ー ル盤
321
369
268
343
ダイヤモンドソー
9
9
17
33
そ の 他
268
357
217
268
1,784
3,376
1594
3145
合
計
【設備機器等の導入状況】
機器開発技術グループの設備機器等の導入状況を以下の表に示す。
2010年度導入機器
汎用旋盤 (4 尺)
主 な 仕 様
メーカー:アマダワシノ製
形式:LR-55A 型
ベッド上の振り:360mm
センター間距離:550mm
主軸貫通穴径:40mm
移動量 X 軸/Z 軸:220mm/525mm
ガスパージ式箱型加熱電気炉
メーカー:テクノサイエンス製
形式:TSH-1400PDO 型
構造:前扉上下電動式 BOX 炉
最高使用温度:1400℃
炉内容量:W250×D600×H250mm
制御方式:プログラム PID・SCR 制御
デジタルインバータ溶接機
主 な 仕 様
メーカー:ダイヘン製
形式:DA300P 型
直流 TIG 出力電流:4~300A
交流 TIG 出力電流:10~300A
パルス周波数:0.1~500Hz
アークスポット:0.1~10 秒
CAD システム
メーカー:HP 製
形式:Pavilion Desktop PC HPE-390jp/CT 型
OS:Windows7 Professional 64bit
メモリ:9GB DDR3
HDD:500GB (SATA、7200rpm)
CAD ソフト:CoCreate Modeling 17.0
8.テクニカルセンターの課題とその方策
【組織関係】
平成22年度における課題として、室長のグループリーダー兼務を解くことを掲げた。これは、テク
ニカルセンターの発足当時、定数等の関係から、マテリアル開発技術室、特殊環境技術室、基盤技術室
において、室長がグループリーダーを兼務せざるを得なかったものの、その後、制約等がなくなったこ
とから、組織運営での正常化を図るため、課題として設定したものである。その後、テクニカルセンタ
ー運営委員会における了承を得て、事務方と協議を重ね、室長のグループリーダー兼務を解くことの承
認を取り付けた上で、平成23年4月1日から、兼務ではないグループリーダーを配置することが確定
した。今後は、それぞれのグループリーダーを中心に業務展開を行い、研究支援の実を上げていく必要
がある。
【東北大学総合技術部とセンター】
平成21年7月に、東北大学教室系技術職員(以下、技術職員という)の統合された組織として総合
技術部が発足した。この総合技術部は、小部局を含め19の部局に配置されている技術職員で構成され
ている。また、総合技術部は、各部局における技術職員組織担当の教員を主な構成とする最高意思決定
機関の総合技術部運営委員会(以下、運営委員会という)により運営されている。この運営委員会には、
技術職員が30名以上在籍する5部局の技術職員組織の責任者が委員として参加している。センターと
しては、センター長が委員として加わると共に、総合技術部副部長(以下、副部長という)を併任し、
運営に協力している。
総合技術部発足の趣旨は、硬直化した人事システムの改善として、技術職員の部局間相互交流による
活性化、キャリアパスの構築、技術職員の総定員管理に基づく再雇用職員の適正配置、技術職員の総合
的な研修実施等を図ることにある。
これらの課題を技術職員で検討する機関として、副部長の下に、10部局の技術職員組織における責
任者で構成する総合技術部実務者会議(以下、実務者会議という)を設置している。また、技術職員向
けの研修を検討するため、運営委員会に設置された研修小委員会の下に、補助機関として、総合技術部
研修代表者連絡会および総合技術部研修WGを設置している。
平成22年度は、実務者会議を合わせて11回開催し、総合技術部ホームページの充実、東北大学職
員採用関係では技術職員希望者の各種対応を行い、又、各部局の情報交換により相互交流を図った。ま
た、研修関係について、それぞれ委員会を開催し、4日間にわたる平成22年度東北地区国立大学法人
等技術職員研修を実施した。また、学内において個別専門研修を推進していく手始めとして、2月に「電
子顕微鏡専門研修」を開催した。また、運営委員会から、技術職員に係わる人事評価マニュアルの見直
しを付託されたことから、実務者会議の下に、各部局の中堅技術職員8名で構成する作業部会を設置し、
見直し案を取りまとめ、運営委員会に答申している。
今後の課題は、人事評価マニュアルの見直しに基づく技術職員の評価のあり方と、キャリアパスの検
討である。