ポータル環境における効率的な測定 および監視方法

ポータル環境における効率的な測定
および監視方法
オラクル・ホワイト・ペーパー
2004 年 12 月
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
概要 ...................................................................................................................... 3
Oracle Portalの監視および管理 ......................................................................... 4
Oracle Application ServerおよびOracle Enterprise Manager ........................ 4
Oracle PortalおよびOracle Enterprise Manager 10g Application Server
Control ............................................................................................................ 5
リアルタイム監視 ................................................................................... 5
管理 ........................................................................................................... 6
Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control Log Viewerに
よる診断ログ・ファイルの相関 ........................................................... 7
Oracle PortalおよびOracle Enterprise Manager Grid Control ....................... 8
測定データ履歴レポート ....................................................................... 9
しきい値および自動通知 ..................................................................... 10
まとめ........................................................................................................... 10
ポータル・アクティビティの測定................................................................. 10
ビジネス中心のポータル分析................................................................... 11
基本: My Portalの使用方法......................................................................... 12
ビジネス中心のポータル分析ニーズへの対処 ....................................... 12
NetIQ WebTrends .................................................................................... 13
Omniture SiteCatalyst ............................................................................. 13
Omniture SiteCatalystレポート ................................................................... 14
My Oracleおよびビジネス中心のポータル分析 − 事例........................ 14
Most Popular Pagesレポート ................................................................. 15
My OracleへのOmniture SiteCatalystの配置......................................... 16
まとめ........................................................................................................... 17
結論 .................................................................................................................... 18
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
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Oracle Corporation 発行「How to Effectively Measure and Monitor Activity in Your Portal Environment」の翻訳版です。
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
概要
今日の企業は、自社の IT 基盤に企業情報ポータルを配置することで他社との競争
に打ち勝ち、生産性を向上させています。企業情報ポータルは、企業情報と連携
したシングル・ソースの役割だけでなく、日々のビジネスを遂行するための中心
となるよう設計されています。Oracle Application Server 10g は、世界に通用する企
業情報ポータルの構築、配置、メンテナンスに必要な統合ソリューションを提供
します。
Oracle Portal には、ポータル Web インタフェースの作成、情報の公開と管理、動
的データへのアクセス、ポータル・エクスペリエンスのカスタマイズに必要な様々
な宣言環境を、J2EE ベースのアプリケーション・アクセスや Web サービスなど
の Web ベース・テクノロジに必要な拡張可能なフレームワークと組み合せていま
す。Oracle Portal を使用することにより、E-Business において、従業員、パートナ、
サプライヤが各コミュニティに適したビューを作成できるうえ、必要な情報へ接
続することができます。
Oracle Application Server では、監視および管理タスクは、Oracle Enterprise Manager
を介して実行されます。これらのタスクはすべての OracleAS のコンポーネントに
適用できますが、各コンポーネントは、Oracle Enterprise Manager のサービスとイ
ンタフェースを異なるレベルで利用します。
また、ポータルの実行状況を監視するだけでなく、ポータルの使用状況も知るこ
とができます。たとえば、「ポータルを訪問した人数」、「上位 10 ページ」、「停
止に適した時間帯」などの情報が必要な場合があります。
このホワイト・ペーパーでは、Oracle Portal の管理と監視に Oracle Enterprise
Manager の管理機能を活用する方法、ならびに Omniture SiteCatalyst などの Web
分析用の製品やサービスを使用して「ビジネス中心のポータル分析」の一般的な
疑問へ回答する方法を説明します。また、このホワイト・ペーパーでは、My Oracle
ビジネス・オーナーが Omniture SiteCatalyst を使用して、ビジネス中心のポータル
分析ニーズに対処する方法の事例も示します。
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
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Oracle Corporation 発行「How to Effectively Measure and Monitor Activity in Your Portal Environment」の翻訳版です。
Oracle Portal の監視および管理
Oracle Application Server および Oracle Enterprise Manager
Oracle Portal 10g は、2 つの管理インタフェースを提供します。この 2 つの管理イ
ンタフェースを一緒に使用することで、企業のコスト削減と管理の簡素化に有効
なツール・セットが得られます。
•
Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control(Oracle Application
Server Control)。Application Server Control を Oracle Application Server
(OracleAS)の各インスタンスにインストールすることにより、個々の
OracleAS インスタンスの監視と管理に必要な管理ツールが即座に提供されま
す。
•
Oracle Enterprise Manager 10g Grid Control。Oracle Enterprise Manager Grid
Control は、複数の OracleAS インスタンスを管理できるネットワークの幅広い
ビューを提供します。また、Grid Control は、Oracle データベース、ホスト、
リスナーなどのコンポーネントを含む企業のすべての面が管理できるように
設計された堅牢な機能のセットを提供します。
(注: Grid Control は、Oracle Enterprise Manager インストール CD-ROM を使用
して個別にインストールされます。)
Oracle Portal 10g では、対応する Application Server Control をドリルダウンして構成
タスクを実行する必要がありますが、Grid Control を使用すると 1 つのコンソール
から複数のインスタンスを監視できます。
図 1: Oracle Portal および Oracle Enterprise Manager
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
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Oracle Corporation 発行「How to Effectively Measure and Monitor Activity in Your Portal Environment」の翻訳版です。
Oracle Portal および Oracle Enterprise Manager 10g Application
Server Control
Oracle Portal の各 Oracle ホームには、それぞれ独自の Application Server Control イ
ンストールがあります。Application Server Control を使用して、次の 3 つの基本的
な方法で Oracle Portal 中間層を管理できます。
•
リアルタイム監視
•
管理
•
ログ・ファイルの詳細診断
リアルタイム監視
Oracle Portal の各 Oracle ホームには、独自の Application Server Control インストー
ルだけではなく、独自の Oracle Management Agent インストールも含まれています。
Application Server Control は Management Agent に依存してリアルタイム測定データ
を提供するため、1 つの Oracle ホームに対して Application Server Control を起動す
ると、Management Agent も起動します。
Portal Target Page の場合、Application Server Control は測定データを様々な形式で
表示します。この情報を参照するには、システム・コンポーネントのリストにあ
る「Portal: <ポータル DAD 名>」をクリックします。デフォルトのスキーマ名は
portal です。(または、Oracle Portal 内から直接このページにアクセスすることも
できます。まず、Portal Bulider ページの「Administer」タブをクリックし、「Portal」
サブタブをクリックしてから「Portal Service Monitoring」をクリックします。)
これは、ポータル・インストール状況のチェックを開始するページです。このペー
ジから、ポータル中間層自体の全体的ステータス、中間層による OracleAS Metadata
Repository の使用状況を示すデータ、ポータルが依存する他のすべての OracleAS
コンポーネントのステータスを確認できます。ポータルのトラブルシューティン
グ情報は、『Oracle® Application Server Portal 構成ガイド』の付録 K「OracleAS
Portal のトラブルシューティング」を参照してください。
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
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Oracle Corporation 発行「How to Effectively Measure and Monitor Activity in Your Portal Environment」の翻訳版です。
図 2: Oracle Application Server Control のメイン・ポータル・ページ
管理
図 2 に示したページから、次のタスクをはじめとする管理タスクへも容易にアク
セスできます。
•
DAD ウィザードによる DAD の作成、編集、削除(mod_plsql Services リンク
から DAD ウィザードにドリルダウンします。)
•
•
このポータル中間層が使用するポータル Web キャッシュ設定の変更
OC4J_Portal Web.xml 構成ファイルの編集(Parallel Page Engine Services リンク
から OC4J_Portal Target Page にドリルダウンします。)
また、次のタスクを Application Server ページから実行できます。
•
新規 Identity Management Server と Oracle Portal 中間層との再関連付け(SSO
および OID)
•
Oracle Portal 中間層インストールと、新規の OracleAS Metadata Repository、別
の OracleAS Metadata Repository または再配置された OracleAS Metadata
Repository との再関連付け
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
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Oracle Corporation 発行「How to Effectively Measure and Monitor Activity in Your Portal Environment」の翻訳版です。
図 3: ページの再関連付けを示す Oracle Application Server Control ページ
Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control Log Viewer に
よる診断ログ・ファイルの相関
Oracle Portal インストールのトラブルシューティングにおける重要な手順の 1 つに、
Oracle Portal が使用する各種 OracleAS コンポーネントのログ・ファイルの調査が
あります。この調査を実行するには、Application Server Control のユーザー・イン
タフェースから、各ページの右上隅にある「Logs」リンクをクリックします。
Oracle Portal は、多数の要求を同時に満たすことができます。そのため、これらの
要求に関係する情報が混在する場合、各種 Oracle Portal コンポーネントからの個々
の要求の追跡が困難になることがあります。
Oracle Portal は実行コンテキスト識別子(ECID)を利用します。これは、要求に
割り当てられ、その要求に関して記録された情報の一意の番号です。あるコンポー
ネントから別のコンポーネントに要求が渡されると、ECID が増分され順序を構成
します。つまり、この ECID 順序により、コンポーネント数が多くても個別の要
求を追跡できます。
ECID は、ECID のない要求を受信した最初の OracleAS コンポーネントにより生成
されます。図 4 に、ECID 付きの要求(太い矢印で表示)がシステム内を移動する
につれ増分されるプロセスを示します。
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
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Oracle Corporation 発行「How to Effectively Measure and Monitor Activity in Your Portal Environment」の翻訳版です。
図 4: Oracle Portal ECID の生成とフロー
Application Server Control Log Viewer を使用することにより、管理者は、ECID に
基づき、多数のログ・ファイル・エントリを目に見える形で相関させ、あるコン
ポーネントから別のコンポーネントへの要求フローを明確にできます。
Oracle Portal および Oracle Enterprise Manager Grid Control
Oracle Enterprise Manager Grid Control は、Oracle Portal が管理する Oracle Portal の
Orcale ホームとは別の、Oracle Enterprise Manager Grid Control 独自の Oracle ホーム
にインストールされます。実際、Grid Control は多くの場合、OracleAS インストー
ルとは別のノードにインストールされています。Oracle Enterprise Manager Grid
Control のインストールは、Management Agent、Management Service、Management
Repository で構成されています。
•
Oracle Management Agent は、監視対象の各ホストに配置されるプロセスです。
その役割は、ホスト上のすべてのターゲットを監視すること、その情報を中
間層の Management Service に送信すること、ホストとホスト上にインストー
ルされた製品を管理およびメンテナンスすることです。各 OracleAS インス
トールには、各 Oracle ホームに事前にインストールされた Oracle Management
Agent が 1 つずつ含まれています。
•
Oracle Management Service は、Oracle Application Server 10g J2EE と Web Cache
の 1 つのインスタンスに配置される Web アプリケーションです。Oracle
Management Service は、Grid Control のユーザー・インタフェースの役割を果
たし、すべての Management Agent とともに監視情報とジョブ情報を処理しま
す。Management Repository はそのデータ・ストアとして使用されます。
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Oracle Corporation 発行「How to Effectively Measure and Monitor Activity in Your Portal Environment」の翻訳版です。
•
Oracle Management Repository は、1 つの Oracle データベースにある複数の表
領域で構成されています。この表領域には、管理者、ターゲットおよび
Enterprise Manager 内で管理されるアプリケーションに関して利用できるすべ
ての情報が含まれます。
Management Service は、Management Agent から受信した監視データを Management
Repository にアップロードします。さらに、Management Repository は、Management
Service がデータを受け取って Grid Control 上で表示できるように、そのデータを
編成します。データは Management Repository に保存されるため、Grid Control に
アクセスするすべての管理者間で、そのデータを共有することができます。
図 5: Oracle Enterprise Manager Grid Control アーキテクチャ
Grid Control は、次の 2 つの方法で Oracle Portal の管理に使用されます。
•
測定データ履歴およびパフォーマンス情報の表示
•
アラートしきい値および事前通知メカニズムの構成
測定データ履歴レポート
Application Server Control はリアルタイムの測定データを表示しますが、Grid
Control は一定の期間に収集された測定データを表示します。収集される Oracle
Portal 測定データの範囲は、インストール時に(デフォルトで)構成されます。
収集されたこれらの測定データを使用して、履歴の傾向を監視でき、収集された
任意の測定データから、一定期間(最大 31 日まで)のパフォーマンスをグラフ化
することができます。さらに、この同じ測定データを、同様に監視された別の
Oracle Portal インストールの同様の測定データと並べてグラフ化できます。
これらの収集された測定データは、Grid Control の一部として用意されたグラフや
レポートを使用して表示できるうえ、標準リレーショナル・レポート作成ツール
を使用して独自のレポートを作成することもできます。収集された測定データへ
は、Grid Control に関するドキュメント『Extending Enterprise Manager』に説明され
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
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たパブリック・データベース・ビューのセットによりアクセスできます。このド
キュメントは Oracle Technology Network(http://otn.oracle.com)から入手できます。
しきい値および自動通知
Grid Control では、Oracle Portal 測定データに対してしきい値を定義、調整できま
す。しきい値とは、監視された測定データと比較する境界値です。監視された測
定値がしきい値を超えたときに警告アラートが生成されるように、警告しきい値
を指定できます。アラートにより、ユーザーはまもなく問題が発生することを知
り、タイムリーな方法で問題に対処することができます。Oracle Portal 専用のア
ラートは、Grid Control の Portal Target ページから表示できます。
測定データのしきい値編集は便利な機能であり、しきい値を追加または変更する
ことにより組織の監視のニーズにあわせることができます。しきい値を定義する
ときは、不要なアラートの生成が増えないように値を選択することが必要です。
組織にあわせてしきい値を調整後、ある測定データが事前に設定したしきい値を
超えた場合に通知アラートが実行されるように設定できます。
Grid Control で通知を設定するには、まず、少なくとも 1 つの通知方法を 1 つの送
信メール・サーバー、スクリプト(OS コマンドまたは PL/SQL)または SNMP ト
ラップに対して作成します。通知方法を定義後、それを通信規則にリンクできま
す。この通信規則により、Grid Control で通知を受信するターゲットや条件を選択
できます。
まとめ
Oracle Portal 10g と Oracle Enterprise Manager を組み合せることにより、ポータルの
デプロイを管理、監視する強力で使いやすい環境が提供されます。Application
Server Control により、強力なトラブルシューティングに必要なリアルタイム測定
データとログ・ファイル情報を表示する設定済の環境が提供されます。さらに、
Grid Control は、測定データの履歴の傾向を調べることができる柔軟なアーキテク
チャや、事前管理に必要な通知を構成する機能を管理者に提供します。
ポータル・アクティビティの測定
ポータルを理解するうえで必要なのは、ポータルの監視と測定の 2 つです。誰が
ポータルを使用しているか。どのように、またいつ使用しているか。どのページ
やリンクが最も効果的か。ユーザーは何にアクセスしているか。測定は、「ビジ
ネス中心のポータル分析」を通じて実施されます。ビジネス中心のポータル分析
は、ビジネス・ユーザーや役員、サイト・コンテンツ作成者、ページ・デザイナ、
ポータル管理者およびビジネス・ユーザーが対象です。
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
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ビジネス中心のポータル分析
現在、オラクル社では、自社の企業情報ポータル My Oracle を通じて生産性の向
上を実現しています(図 6)。My Oracle は、オラクル社の会社情報をやりとりす
るうえでシングル・ソースの役割だけでなく、社員が日々のビジネスを遂行する
際の中心となるよう設計されています。My Oracle は、オラクル社の社員に対して
職務遂行に必要なアプリケーションとツールへのアクセスを提供します。また、
必要な情報への真のシングル・ソースとしても機能します。My Oracle は Oracle
Portal がベースです。My Oracle の詳細は、Oracle Technology Network の Oracle Portal
Center にあるホワイト・ペーパー『Portal Implementation Case Study: My Oracle』を
参照してください。
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図 6: My Oracle ホーム・ページ
ここでは、My Oracleビジネス・オーナーが、ポータルの使用状況に関する情報を
得るためにOmniture(www.omniture.com)のSiteCatalystを使用する方法を示します。
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
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基本: My Portal の使用方法
Oracle Portal と Web サイトのビジネス・オーナーは、毎日、自分のポータルがど
のように使用されているかという一般的な疑問に直面しています。オーナーは、
次のような疑問に回答する必要があります。
•
自分のポータルへの訪問者は何人か。
•
ポータルの上位 10 ページはどれか。
•
ユーザーはどのコンテンツをダウンロードしているか。
•
ユーザーは自分のポータルをどうやって見つけたのか。
•
訪問のピーク/オフピークの時間帯はいつか。
•
停止に最適な時間帯はいつか。
ほとんどの場合、これらの疑問は放置されたままですが、サイト・マネージャ、
マーケティング、販売、人事の専門家など、ポータル・ビジネス・オーナーは、
ポータルの使用状況に関係する情報をタイムリーに必要としています。サイト・
マネージャは、ユーザーがサイト構造にどのように反応しているかを知る必要が
あり、マーケティング・マネージャは、ユーザーがどのページを見ているか、特
にどのページに注目しているかを知る必要があります。また、販売マネージャは
どのコンテンツを販売員が見ているかを知る必要があり、人事担当者は、セルフ・
サービス・アプリケーションにアクセスした数を知る必要があります。
ポータルの使用状況を理解していないと、決断に高いコストがかかる可能性があ
ります。カスタム・ソリューションの作成に投資した結果、不本意なコストがか
かることになりかねません。
基本は、ポータル・ビジネス・オーナーが職務を効率的に遂行するために関連し
た情報をタイムリーに入手することです。会社は、サイトの使用状況を把握せず
にそのサイトを管理することはできません。
Omniture 社の SiteCatalyst などの Web 分析製品やサービスが、ポータルの使用状
況に関する疑問に対応できることを次に示します。
ビジネス中心のポータル分析ニーズへの対処
ビジネス中心のポータル分析ニーズのいくつかはポータル・パフォーマンス・レ
ポートにより対処できますが、Omniture SiteCatalyst や NetIQ WebTrends などのソ
リューションを使用することで、ポータルの使用状況について詳細な情報が得ら
れます。
Oracle Portal Performance Reports は、Oracle Portal 内にあります。これらのレポー
トは次のような情報を提供します。すなわち、要求の全所要時間、そのうちユー
ザーのプロシージャに使用された時間、要求を行ったユーザー、データベース接
続が接続プールから取得されたかどうか、使用されたキャッシングのタイプなど
です。レポートは、mod_plsql のパフォーマンス・ロギング・サービスが収集した
データに対して実行されます。このロギング・サービスを実装する詳細な方法は、
Oracle Technology Network の Oracle Portal Center にあるテクニカル・ノート『Portal
Performance Monitoring in Oracle Portal』を参照してください。これらの機能では、
ソフトウェアの追加購入は必要ありません。
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
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Oracle Portal Performance Logs を使用して、ポータルの使用状況とパフォーマンス
を査定できます。ただし、Portal Performance Logs は、必要なデータを抽出するた
めに解析が必要であり、抽出されたそのデータでポータル使用状況を表わす
チャートを生成する必要があります。そのため、ビジネス・ユーザーが必要なす
べての情報が得られるわけではありません。また、ただちに情報を入手すること
もできません。一方、Omniture 社の SiteCatalyst や WebTrends のようなサード・パー
ティ・ソリューションは、ポータル使用状況について即座に情報を提供します。
My Oracle では今も Oracle Portal Performance Logs を使用して、Web プロバイダ内
からコンテンツを収集する CPU コスト、その他のフレームワーク・コストおよび
全体的ページ生成コストの履歴を管理しています。また、実行速度の最も速いポー
タルと遅いポータルを調べるためにも Portal Performance Logs が使用されます。
SiteCatalyst や WebTrends などの Web 分析ソリューションは、現在のところ、この
レベルのポータル・パフォーマンス情報を提供していません。
NetIQ WebTrends
NetIQ WebTrendsは、Webサーバー・ログ内にあるデータを抽出すること、または
Webクライアントからデータを収集することにより機能します。WebTrends 7 では、
WebTrendsがリモートにホストされたサービスや顧客がインストール可能なソフ
トウェア・ソリューションを提供します。NetIQ WebTrendsの詳細は、
http://www.netiq.com/webtrends/を参照してください。
Omniture SiteCatalyst
Omniture SiteCatalyst は、リモートにホストされたサブスクリプション・ベースの
レポート作成ソリューションであり、リアルタイムの Web サイト分析を実行しま
す。Omniture 社は、リアルタイム Web 分析を提供する初めての会社です。Omniture
社は、1996 年以降、企業レベルの Web サイト・ビジネス・オーナーを支援し、困
難な疑問に応じることでオンラインの成功を導いてきました。Omniture 社の顧客
には、オラクル社、General Motors 社、EBay 社、AOL Time Warner 社、Hewlett-Packard
社などがあります。
SiteCatalyst は、ビジネスの個々のニーズにマッチする多くの組込みレポートとカ
スタム・レポートの組合せを提供します。この柔軟で詳細なレポート作成機能に
より、「平均」だけのサイト統計に留まらない詳細なドリルダウンが可能で、ポー
タルの成功に最も影響する要因を識別、分析、測定できます。
SiteCatalyst は、追跡するポータル・ページに Omniture SiteCatalyst コードを置くこ
とにより機能します。SiteCatalyst は、リアルタイム・データと即時分析を提供し
ます。Omniture SiteCatalyst アカウントを持つことで、だれでも自分のポータル使
用状況に関する最新情報を迅速、容易かつ安全に取得できます。
Omniture SiteCatalystの詳細は、www.omniture.comを参照してください。
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Omniture SiteCatalyst レポート
Omniture SiteCatalyst の高度なレポート作成機能は、15 万以上のレポートの組合せ
を生成します。
•
トラフィックに関するレポートにより、トラフィック・パターン、人気のチャ
ネル、使用されたテクノロジ、使用された検索方法など、訪問者のアクティ
ビティをあらゆる面から分析できます。
•
顧客の忠誠心、販売サイクル、購入した製品、販促活動、アフィリエイト・
プログラムなどの顧客データは、商業レポートにより識別されます。
•
パス・レポートにより、開始から終了まで訪問者と顧客両方のブラウジング・
パス全体を追跡し記録できます。あるページまたは項目から次のページまた
は項目へのフローなど、サイト・トラフィックの表示、新しいパターンや人
気のあるパスの発見、あるいは訪問者が取る特定のパスの検出などを容易に
実行できます。
•
Custom Insight レポートと完全な対話型カレンダにより、選択した任意の期間
で要因を迅速に識別し追跡することができます。
Omniture のこれらの機能により、ポータル使用状況に関する疑問に答えるための
事実、傾向、予測が示されます。ポータルのビジネス関係の疑問に対する答えが
あれば、変更の判断に必要な情報の獲得に費やす時間をポータルのイニシアチブ
の改善、実行に使用できます。
My Oracle およびビジネス中心のポータル分析 − 事例
My Oracle 使用状況は、Omniture SiteCatalyst の配置後、毎月作成されます。これ
により、ユーザーが閲覧したものとしないものが判断でき、適切なポータルの開
発に多くの時間を費やすことができます。また、ユーザーはコンテンツを探す時
間を短縮できます。
この事例では、ビジネス中心のポータル分析のために Omniture SiteCatalyst を使用
することが、My Oracle にどのように役立つかを示します。また、オラクル社の社
員ポータルへの SiteCatalyst の配置についても説明します。
My Oracle は、オラクル社員のためのポータルです。My Oracle ビジネス・オーナー
は、ポータルの使用状況について前述のような一般的なビジネス上の疑問を持っ
ています。長い間、Oracle Portal Logs を使用してこれらの疑問に答えようとして
きました。そのためには、終夜ベースで少なくとも 2 台のサーバーを動員して毎
日生成される 3GB のログ・データを記録し解析することが必要でした。それでも、
ビジネス・ユーザーの疑問に答えることはできません。
•
意思決定のためのリアルタイム情報がない
•
グラフ機能がない
•
ビジネス・ユーザーの疑問に答えることができない
•
データを利用できないため、ポータル使用状況の履歴に関する疑問に答える
ことができない
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ビジネス・ユーザーのニーズに対応するため、包括的なビジネス中心のポータル
分析ソリューションの構築、ソリューションのライセンス購入とインストール、
サード・パーティがホストするソリューションの使用という 3 つの選択肢を検討
しました。その結果、ホストされたソリューションの使用を選択しました。ハー
ドウェアやソフトウェアの管理およびメンテナンスは難しく、ログ・ファイルの
分析や Web 分析アプリケーションを実行するリソースもありませんでした。この
時点では、ホストされインストールされたソリューションである WebTrends は要
件にあわないため、My Oracle に Omniture SiteCatalyst を選択しました。
Omniture SiteCatalyst により、My Oracle ビジネス・オーナーは必要に応じて、す
べてのレポートにアクセスできるようになりました。SiteCatalyst は配置と管理が
簡単なため、オラクル社の経費も節約できました。条件により異なりますが、My
Oracle での Omniture SiteCatalyst 配置の管理は、1 人で十分です。
My Oracle ビジネス・ユーザーの多くが使用する Omniture SiteCatalyst レポートは、
次のとおりです。
•
•
Most Popular Pages レポート(最人気ページのレポート)
Daily/Hourly Unique Visitors Per Day(毎日の 1 日あたり/1 時間あたりの一意の
訪問者数)
•
Page Views per Hour/Day(1 時間/1 日あたりのページ・ビュー)
ここで、Most Popular Pages レポートを説明します。他の 2 つのレポートの使用方
法は、Oracle Technology Network の Oracle Portal Center にあるホワイト・ペーパー
『Portal Implementation Case Study: My Oracle』を参照してください。
Most Popular Pages レポート
Most Popular Pages レポート(図 7)は、サイトのページをトラフィックの量でラ
ンク付けします。デフォルトでは、ページは表示された回数によりランク付けさ
れ、最もページ・ビューの多いページ順にリストされます。Most Popular Pages レ
ポートは、訪問数によっても表示できます。すなわち、訪問数ベースで最も人気
があるページを表示できます。
また、このレポートは SiteCatalyst が追跡するすべてのページをリストするため、
監視するページに SiteCatalyst コードがあるかどうかを確認できます。このレポー
トは、次のために使用されます。
•
見逃されている重要なページを識別し、そのページをより目立つように強調
できます。
•
オラクル社内で行われた告知に関する効率性をマーケティング面から評価し
ます。
•
見やすい 1 つのレポートで、すべてのページに対するトラフィックを監視し
ます。
•
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
訪問者が最も興味を持ったページや製品を識別できます。
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サイト・ピッカー
データ・ピッカー
ナビゲーション・
ツリー
も
もっとも一般的な
っとも一般的な
グ
グラフ
ラフ
もっとも一般的な
ページ
図 7: Omniture SiteCatalyst の Most Popular Pages レポート
My Oracle への Omniture SiteCatalyst の配置
Omniture SiteCatalyst は、完全にホストされた Web 分析ソリューションです。これ
は、ポータル・サイトのページ上に HTML の小さなコード(一般に 1K 未満)を
追加することで機能します。その小さなコードには、収集されたデータをカスタ
マイズできる変数があります。JavaScript ライブラリ・ファイル(一般に 15K 未満)
のサポートも、ポータル Web サイトにアップロードされます。このファイルは
HTML の小さなコードにより参照され、訪問者ごとにダウンロードされてキャッ
シュされます。
ポータルへの訪問者によりページがダウンロードされると、ブラウザはページを
レンダリングしながら SiteCatalyst コードを実行します。
SiteCatalyst コードは、ペー
ジ・ビューに関するデータを収集し(使用されたカスタム変数を含む)、SiteCatalyst
データ収集サーバーに対してイメージ要求を開始します。このデータは要求の一
部としてサーバーに渡され、データ収集サーバーは 1 × 1 ピクセルの透過的イメー
ジを返します。次にデータが処理され、Web 上で利用できる SiteCatalyst レポート
に組み込まれます。
My Oracle では、サポートされた JavaScript ライブラリ・ファイルを My Oracle 中
間層に置き、そこに恒久的にキャッシュしました。これにより、My Oracle のパ
フォーマンスへの影響が最小限に抑えられます。HTML コード(次のボックス参
照)は My Oracle の「フッター」に追加しました。このフッターは、My Oracle 社
員に公開されるすべてのページに追加されます。これにより Omniture SiteCatalyst
は、自動的に使用状況の追跡を開始します。ページの追跡を開始するために
Omniture SiteCatalyst の Web サイトから要求を行う必要はありません。
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<script language="JavaScript">
var s_pageName= ""
var url = document.location.href;
function siteCatalystPageId() {
var regexp = eval("/&_mode=16/")
var resultArray = url.match(regexp)
if (resultArray) { // On Edit page
s_pageName= document.title + " Edit Page"
} else {
s_pageName = document.title + " Page"
}
}
siteCatalystPageId();
</script>
Omniture SiteCatalyst を My Oracle に追加後、ユーザーが訪問する最初の My Oracle
ページのダウンロードに対するパフォーマンスへの影響は平均 0.3 秒未満でした。
ユーザーのブラウザは Omniture SiteCatalyst クッキーをキャッシュするため、以降
のページ・ダウンロードに対するパフォーマンスへの影響は 0.1 秒未満でした。
まとめ
結論として、Portal Performance Logs は技術/パフォーマンスに関する疑問に答える
ために役立ちます。また、WebTrends や Omniture などのサード・パーティ・ソリュー
ションは、ポータル使用状況などのビジネス関係の疑問に答えるために役立ちま
す。
オラクル社が使用状況統計を収集する手段を探しポータル・レポート以外のソ
リューションを構築しようとした際、Omniture SiteCatalyst には、使用状況統計が
ローカルに保存され、リアルタイムのビジネス中心のポータル分析が提供される
という利点がありました。
My Oracle ビジネス・オーナーやポータル・ユーザーにとって、ビジネス中心のポー
タル分析はどのように役立っているでしょうか。次の利点があります。
•
•
ビジネス・オーナーにとっての利点
°
最新の情報を受け取り、ただちに意思決定できます。
°
ポータルの使用状況を知り、よりよい意思決定ができます。
°
ユーザーをよりよく理解し、ユーザーが必要とするものを提供できます。
My Oracle ユーザーにとっての利点
°
•
ユーザーは必要なコンテンツの検索にかかる時間を短縮できます。
My Oracle ポータル管理者と DBA にとっての利点
°
より多くの時間を要求に合ったポータルの開発に使用することができま
す。
ビジネス・オーナーとポータル・ユーザーにとって、My Oracle に Omniture
SiteCatalyst を追加することはメリットでした。ビジネス・オーナーは必要なレポー
トを受け取ることができます。オラクル社員は、自分に関連の深いコンテンツを
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Oracle Corporation 発行「How to Effectively Measure and Monitor Activity in Your Portal Environment」の翻訳版です。
受け取ることができます。会社はレポート提供のコスト引下げにより経費を節約
できます。
My Oracle では、Omniture SiteCatalyst は次の 2 つの簡単な手順でインストールさ
れます。
•
Omniture SiteCatalyst のベース JavaScript ファイルを My Oracle 中間層に配置
•
Omniture SiteCatalyst の HTML ファイルを My Oracle フッターに追加
結論
Oracle Portal 10g、Oracle Enterprise Manager、Omniture SiteCatalyst や WebTrends な
どのビジネス中心のポータル分析製品/サービスを組み合せることにより、ポータ
ル配置の管理、監視、測定のための強力で使いやすいツールが実現します。
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
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Oracle Corporation 発行「How to Effectively Measure and Monitor Activity in Your Portal Environment」の翻訳版です。
ポータル環境における効率的な測定および監視方法
2004 年 12 月
著者: Jitinder ‘Jay’ Sethi, Michael Andrew
Oracle Corporation
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500 Oracle Parkway
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U.S.A.
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