2006年度入学式告辞 - 高知工科大学

高知工科大学入学式告辞
入学おめでとうございます。
あなた 方が自分を託する に 足る大学として 高知工科 大学を選ん で
く れ た こ と に 深 く 感 謝 の意 を 表し ま す。 そ の 選 択 が 間 違い で は な か
ったと思われるにたる教育システムを私たちは構築し ていると自負
し てい ま す。 教 育 の 成 果 は 私 た ち 教 職 員 の 責 任 が 半 分 、 あ な た 方 の
責任が半 分であり ます。教職員は全力をあげてあなた 方の成長 を支
援 する 決 意 を 今日 新たにし ます。 あ なた 方も 今日 この日 を 期し て 自
己を成長させる決意をしてくれることを期待しています。
大 学 で は 高 校 時 代 ま で と は 違 っ て 、 大 き な 自 由 が 与 えら れ て い ま
す。自由 に は必ず 責任が伴い ます。 責任 を持って努力 すればい くら
でも 成 長 で き る シ ス テ ム を こ の 大 学 は 持 っ て い ま す。 例 え ば 、 必 須
科 目 が 一 つも あ り ま せ ん 。 ど の 科 目 を 履 修 す る か は 、 す べ て あ な た
方 学 生 の 選 択 に 任 さ れ てい ま す。 自 己 の 責 任 に おい て 、 何 を 学 び 、
何を身に付けていくかを決めることが要請されているのです。
「 人間
には誰でも それぞ れが他人と は 異なる長所を 持ってい る 」とい う 考
えに基づいてできた教育システムで す。それぞれが自 分の長所を見
つ け、 そ し て 自ら そ れ を伸 ば し てい か な け れ ば な り ま せ ん 。 授 業 評
価を通し てあなた 方の意見 を反映し、その結 果のすべ てを大学内に
公 表 する こ と に よ っ て 、 教 員 が そ の 授 業 を常 に 改 善 し てい く シ ス テ
ムも 用 意 し てい ま す。 こ の シ ス テ ム は あ な た 方 の感 性 を 信 用 し て 造
ら れ たも ので す。 あ な た 方 の 評価 に よ っ て、 教 育 が 改 善 さ れ て い く
のですから、あなた方の責任も重いといえます。
工学系 の 大学で は「大学 院 修士課程 」に進学 すること が一般的 と
なってき ました。 また、一 流 の大学 と なるた めには「 大学院博 士 課
程 」 の充 実 が 不可 欠とい え ま す。 今 回 新た に 入 学 さ れ た 方々 を 加 え
て 大 学 院 生 は 修 士 課 程 二 七 二 名 、 博 士 課 程 一〇 八 名 と な り ま し た 。
二00八 名の学部 生に比べ るとまだ 十分な数とはい え ませんが、 一
流 の 私 立 大学 の レ ベ ル に は 達 し てい ま す。 大 学 院 で は 、 専 門 性 を よ
り一層高め、物事 の真実を見抜く力と困難を乗り越えて実行する 行
動 力 と を 身 に つ け る こ と が で き ま す 。 所 属 し てい る 研 究 室 に 閉 じ こ
もることなく幅広く活動されることを望みます。
人間性 の豊かさは人間とし ての基 本条件で あるとい えます。 工学
系 の 大学 で はとも する と 不 足が ちに なる 芸術 や 文 学、 あるい は 社 会
科 学 に つい て、 世 界 的 に 一 流 の 方々 に 講師 と なっ てい た だい て お り
ま す。 本 物 の文 化 の 香 り を 嗅 ぐ こ と は 、 豊 な 人 生 を 送 る た め に き わ
め て 大 切 で あ り ま す 。 ま た 、 人 生 の こ の時 期 に ク ラ ブ 活 動 や 社 会 奉
仕 に 携 わ る こ と は 人 間 の幅 を 厚 く し 、 人間 と し て の修 行 に はき わ め
て有効で あり、明るく 楽しい学生生活 を送る ことはそ の後の人 生に
とっても意味の深いことになると思います。
大 学 は ま さ に 人 と 人 と の 出 会い の 場 で あ る と い え ま す 。 人 生 の 師
や 生 涯 の 友 と の 出 会い が あ る は ず で す 。 そ し て 、 こ の キ ャ ン パ ス は
大 学 が 出 会い の 場 で あ る こ と を 十 分 に 意 識 し て 造ら れ て い ま す 。 人
との出会いを大切にされることを勧めます。
こ の後 す ぐに、 先 輩 の学 生 た ちが あ なた 方 に 話 をし て く れ ま す 。
あなた 方 の数年後 の姿をそ こに見る ことがで き ます。 自ら 学ぶ 姿 勢
さえあれ ば、 これから の数 年間で あ なた 方は見 違える ように成 長 す
ることを実感できると思います。
私たちは、
「この大学を世界一流の大学にする」という夢に挑戦を
学長
岡
村
甫
し てい ま す。 私 た ち と 共 に こ の 夢 に 向 か っ て 今 日 か ら 挑 戦 し て い き
ましょう。
平成十八年四月五日
高知工科 大学