統合国際深海掘削計画(IODP)会議報告書 - J-DESC

統合国際深海掘削計画(IODP)会議報告書
提出年月日:
平成 23 年 3 月 5 日
氏名:EDP日本人メンバー(浅沼,渡辺,池上,猪岡,浦野(佐久間委員代理)
,)
会議名
第12回EDPパネル会議
期間(移動を含む)
平成 23 年 2 月 20 日 ~ 平成 23 年 2 月 26 日
用務地(国・都市)
フランス・グルノーブル
主要議題
目的
1. EDP 廃止後の新しい SAS 内での技術開発関係の位置付け
2. EDP と STP ロードマップの統合
3. ED Proposal(EDP-2012-01B)の検討
会議内容及び報告事項
第 12 回 EDP パネル会議(EDP#12)は,Grenoble(フランス), Hotel Europole で 2 月 22 日
~24 日に開催された。ホストは Mai-Linh DOAN 委員である。本会議には日本より 5 名,米国
より 3 名(2 名欠席),欧州より 4 名,中国から 1 名(投票権なし)のパネル委員,IODP-MI
から 2 名が参加した。その他,SPC, STP, IWG+からのリエゾン 3 名,オブザーバとして 7 名(う
ち日本からの参加者 4 名(JAMSTEC/CDEX 2 名, MEXT 2 名)が参加した。
本会議の最も主要な議題は,新しい SAS 内での技術開発関係の位置付けと組織のあり方で
あった。
SAS Restructuring
IWG+の Catherine Mevel 氏から,現時点での SAS 改組についての説明があった。骨子は以下の
とおりである。
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SAS Structure は従来の SSEP/SPC/SASEC の 3 層構造から,PEP/SIPCOM w/essential service
panel の 2 層構造に簡素化される。
現行の SAS Structure は 2011 年 6 月頃から new SAS へ移行する。
最後の SASEC Meeting は 2011 年 6 月,最後の SPC Meeting は 2011 年 3 月である。
New Science Plan は 2011 年 2 月に出される 3rd draft, “blue ribbon committee”に
よるレビューを経て final draft が 5 月に出される。
現行の SAS は 2011 年 9 月末日をもって無くなる。新しい SAS パネルは今年の夏~秋頃に
決定され,活動を開始する。
将来の Engineering Development については未だ決定されていない。
SASEC は 2013 年以降の IODP での(a)技術開発と業界-IODP の技術移転,(b)new SAS への
適切な長期の技術開発のアドバイス,のための SAS の構造モデルを検討するために
Subcommittee を作ることにした。(SASEC Consensus 1101-13 )。本件に関してはまだオ
ープンの状態である。
本会議では,この新しい SAS 組織における技術開発関係の位置づけを議論するために SASEC
内に設置された Subcommittee の Chair である Keir Becker 氏から EDP へ送られた e-mail に基
づいて議論が行われ,新しい SAS 内での将来の組織のあり方,機能について EDP としての意見
をまとめた。
1. EDP としては,IODP 全般にわたる将来の科学掘削に目配りをした長期的な技術開発が引き
続き必要であり,各 IO が実施する科学掘削の質を高めていくために第三者の視点で問題点
を指摘していくことが重要である,との認識から各 IO から独立した組織が望ましいとし
た。
2. これらを文章および Matrix Chart にまとめ,SASEC の subcommittee に 4 月 1 日以前にレ
ターを出すとともに,6 月の SASEC の会議にリエゾンを送り EDP のリコメンドを発表する
事とした。(EDP Action Item 1102-01)
Merging EDP and STP Roadmap
STP メンバーの Schmitt 氏より 2 月に開催された STP での EDP Roadmap と STP Roadmap の統
合に関する議論が紹介された。
その骨子は;
 2つの Roadmap を相互に関連させる事は,Roadmap が新しい科学掘削プログラムにおいて
も引き続き継続され,広くその重要性を周知するためにも必要である。
 STP としては2つの Roadmap の Integrated Executive Summary を作成し,Roadmap の主要
な問題を公表していく事が大事であると考えるが,将来の SAS 組織でのそれぞれの役割が
明確でない現時点で,完全に統合する必要はない。
(STP Consensus Statement1102-18)
EDP も考え方はほぼ同じであり,以下の結論とした。
1. EDP も STP Consensus Statement を支持する。(EDP Consensus 1102-14)
2. 2つの roadmap は当面それぞれ分離したままにしておき,Integrated Executive Summary
を2つの roadmap に付ける。
3. この Executive Summary を作成するために,EDP と STP の正副 Chair からなる Joint working
group (coordinator は STP Chair の斉藤実篤氏)を立ち上げ Summary のドラフトを作ると
ともに,科学雑誌に寄稿することを考える。ドラフトは EDP メンバーに回覧し内部でレビ
ューした後,2011 年 9 月 30 日までに本作業を終了する。(EDP Action Item 1102-02 )
ED Proposal(EDP-2012-01B;Wireline Hydraulic Testing and Imaging Tool for Stress
Measurements)
提案者の JAMSTEC 伊藤氏より EDP からの質問に対する回答と現在の進捗状況の報告が行わ
れた。
本報告をもとに議論し,EDP として以下の様な結論を得た。(EDP Consensus 1102-10)
1. EDP として本機器の更なる開発を支持する。
2. 提案者によって提案された Technical advisory group の関与は,本機器の開発で遭遇す
るであろう困難を克服するのに役立つ。
3. EDP としては IODP-MI に 2011 年 4 月 1 日からの予算を承認することを要請する。また提案
者に対して 2011 年 9 月 1 日までに Phase 1 の進捗状況のレポートを EDP に提出すること
を提言する。
4. Phase 2 に進むかどうかは,
Phase1 レポートに対する EDP のコメントを参考にして,
IODP-MI
が決定する。
その他
* EDP #11 Meeting Minutes を承認した。(EDP Consensus 1102-02)
* 次回 SPC Meeting へ EDP リエゾンとして Bill Ussler 氏を送ることとした。(EDP Consensus
1102-03)
* DS3F との Meeting;会議初日後半に DS3F との Joint Meeting が持たれ,相互の活動の紹介,
技術情報の交換が行われた。
* 現在の掘削プログラムが終了する前に,
SCIMPI 及び MDHDS の技術開発プロジェクトに対し,
海上試験の便宜を与えるよう IODP-MI に強く要請した。(EDP Consensus 1102-05)
* 技術情報を共有し将来の技術開発を促すために,
これまでに実施された全ての Engineering
Development の概要をまとめ,公表することを IODP-MI にリコメンドした。(EDP Consensus
1102-06)
* New Science Plan の技術的なレビューを行うことを再度表明すると共に,Draft Science
Plan をレビューする“Blue Ribbon Committee”にメンバーを派遣することを提案するこ
ととした。(EDP Consensus 1102-07,-08)
* ORTT Meeting の結果から,研究航海の計画が十分でないため満足できる実績が上げられて
いない事例が見られるため,初期の計画段階から十分な知識と経験を持つ技術の専門家を
交えて検討することを IODP-MI 等に対しリコメンドした。(EDP Consensus 1102-09)
* 現在の”IODP Drilling and Coring Technology; Past and Present”は主として USIO の
Tool に焦点が当てられているため,ESO, CDEX も本レポートの完成に寄与するように
IODP-MI にリコメンドした。(EDP Consensus 1102-11)
* EDP は CMO による共用基金の新技術開発支援への使用を,新しいプログラムでも引き続き
行うことを提案した. (EDP Consensus 1102-12)
* 次期フェーズにおいても技術開発は重要な要素であり,業界からの関与が不可欠である。
業界からの関与が得られやすい技術開発の新しいモデルが必要との認識を表明した。(EDP
Consensus 1102-13)
* SPC Fruh Green 氏より去年 8 月以降の SPC の状況について報告があった。
* USIO から次期 USIO Engineering Task Force の概念モデルが発表された。
* IODP-MIから “Mohole”掘削に関し,作業のフィージビィリティーとコストを把握するため
に,コンサルタント会社(Blade Energy Partners Inc.)と契約したことが報告された。(結
果は4月末~5月初め判明)
備考
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